JP2004065459A - キャップおよびそれを用いた医療用容器 - Google Patents

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Kenji Tezuka
手塚 健司
Toshio Kageyama
影山 敏夫
Hiroshi Honda
本田 浩
Minoru Oka
岡 実
Hidekatsu Shoji
庄司 英克
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Abstract

【課題】熱可塑性エラストマーからなる封止体が表面に露出する箇所において、当該封止体に窪みや突起等を生じることのない新規な構造のキャップと、それを用いた医療用容器とを提供する。
【解決手段】容器本体の口部に取り付けて用いられるキャップ30を、熱可塑性プラスチック製である略円筒状の内枠体33と、内枠体33の天面側開口端に融着して内枠体33を封止する、熱可塑性エラストマー製で略円盤状の封止体31と、封止体31にその天面31a側から嵌着して内枠体33と封止体31との外周面を被覆する、熱可塑性プラスチック製で略円筒状の外枠体35と、を備えるものとする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸液ボトル、輸液バッグ等の医療用容器における口部に用いられるキャップと、当該キャップを用いた医療用容器とに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、キャップの封止体を形成する材料として熱可塑性エラストマーを採用することが検討されている。これは、熱可塑性エラストマーが射出成形の可能な材料であることから封止体を高速にかつ大量に生産することができ、さらには焼却処分の際に有毒ガスを発生しにくく、再利用を容易に行なうことができるという利点を備えるからである。
【0003】
特開平9−173417号公報には、熱可塑性エラストマーを医療用容器の封止体に用いた例として、熱可塑性プラスチック製の本体(外枠体)と熱可塑性エラストマー製の封止体とを一体成型したものが挙げられており、その製造方法として、
(i) 封止体の外側に外枠体を射出成形する方法と、
(ii)外枠体の内部に封止体を射出成形する方法
が示されている。
【0004】
しかしながら、上記(i) の方法で栓体を製造すると、封止体を何らかの手段で金型内に固定した上で、外枠体を形成する熱可塑性プラスチックの射出を行なうことになる。それゆえ、例えば図7に示すように、封止体90を保持するためのリブ92cの痕が封止体90の底面90a等の、実際に医療用容器に適用した場合にその内容液と接触し得る面に残存することとなる。なお、図7中、符号91は外枠体形成領域を、符号92aは上金型を、符号92bは下金型を、符号93は射出口を、それぞれ示す。
こうして生じたリブ痕には異物が付着し易く、しかもそのリブ痕が異物検査の際に死角となることから、異物が付着したことを検出しにくいという問題もある。特に、熱可塑性エラストマーは表面の粘着性が強いことから、異物の付着の問題が顕著であって、上記(i) の方法で製造された栓体を実際の医療用容器に採用する際の障害となっている。
【0005】
一方、上記(ii)の方法で栓体を製造すると、外枠体の内部に、封止体を形成する熱可塑エラストマーを溶融した状態で接触・融着させることとなる。ここで、封止体を形成する熱可塑性エラストマーと外枠体を形成する熱可塑性プラスチックとには収縮率に差があることから、封止体の冷却、硬化時にその内部に空洞が生じたり、封止体に歪みが生じたりするなどして、不良品となるおそれがある。
【0006】
さらに、上記(ii)の方法では、例えば図8に示すように、実際に医療用容器に適用した場合にその内容液と接触し得る面(図8では封止体の底面)において、封止体を射出成形する際の射出口93’の痕跡が窪みまたは突起となって残存することから、その部分に異物が付着し易いという問題がある。なお、図8中、符号92a’は上金型を、符号92b’は下金型を、符号95は外枠体を、符号96は封止体形成領域を、それぞれ示す。
【0007】
そこで本発明の目的は、封止体の形成材料として熱可塑性エラストマーを採用したキャップであって、当該封止体が表面に露出する箇所において窪みや突起等を生じることのない新規な構造のキャップと、それを用いた医療用容器とを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための本発明のキャップは、
熱可塑性プラスチック製である略円筒状の内枠体と、
当該内枠体の天面側開口端に融着して内枠体を封止する、熱可塑性エラストマー製で略円盤状の封止体と、
当該封止体にその天面側から嵌着して上記内枠体と上記封止体との外周面を被覆する、熱可塑性プラスチック製で略円筒状の外枠体と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のキャップによれば、熱可塑性プラスチック製の内枠体の天面側開口端に、熱可塑性エラストマーを射出成形することによって、内枠体と封止体とを一体成型することができる。さらに、封止体の射出成形時においては、射出口を封止体の周縁部に設定することによって、射出口に起因する窪みや突起を外枠体で隠すことができる。
また、熱可塑性プラスチック製の内枠体と熱可塑性エラストマー製の封止体とが接触する部位は主に内枠体の天面側開口端であって、しかもその接触部位は、内枠体と封止体との融着を実現する上で、内枠体の天面側開口端に限定することも可能である。すなわち、本発明のキャップにおいて、封止体の外周面は熱可塑性プラスチック製の部材で覆われるものではなく、言い換えれば、熱可塑性エラストマーの封止体が熱可塑性プラスチック製の枠体によって取り囲まれるように形成されるものではない。従って、本発明のキャップによれば、内枠体の天面側開口端に射出された封止体を冷却、硬化させる際に、内枠体と封止体との収縮率の差に起因して封止体内部に空洞が生じたり、封止体が歪んだりするといった問題を生じることがない。
【0010】
本発明のキャップは、射出成形によって一体成型可能な内枠体と封止体のみにより構成されるのではなく、さらにそれらの外周面を被覆する熱可塑性プラスチック製の外枠体を備えている。しかしながら、本発明のキャップは、内枠体と封止体との一体成型物に当該外枠体を嵌着させるという、簡易な工程を経ることによって得られることから、封止体と、当該封止体を覆う外枠体とを一体成型してなる従来のキャップに比べて、その製造工程が煩雑になるものではない。
以上の理由により、本発明によれば、封止体の形成材料として熱可塑性エラストマーを採用して、封止体と熱可塑性プラスチック製の枠体とを一体成型により形成しつつ、封止体が表面に露出する箇所において窪みや突起等を生じることのないキャップを簡易な工程により提供することができる。
【0011】
本発明のキャップは、封止体の側面に内枠体が融着していないものであるのが好ましい。封止体と内枠体との一体成型物の構造を、封止体の側面部分に内枠体を設けないものとすることにより、前述のように、内枠体と封止体との収縮率の差に起因する諸問題、すなわち封止体内部に空洞が生じたり、封止体が歪んだりするといった問題を生じることがない。
【0012】
本発明のキャップにおいて、封止体は、その天面の周縁部において軸方向に突出した環状のフランジを備えるものであり、かつ外枠体は、その天面側開口端において当該環状のフランジと係合する溝を備えるものであるのが好ましい。
封止体がその天面の周縁部に環状フランジを備えることによって、封止体と外枠体とのより一層確実な固定を達成することができる。すなわち、外枠体の天面側を折り曲げて上記環状フランジに折り重ねるような形状とすることで、外枠体の天面側開口端に上記環状フランジと係合し得る溝が形成される。こうして形成された外枠体の溝と封止体の天面側環状フランジとを係合させることによって、両者の固定をより確実なものとすることができ、内容液の漏出を防止することができる。
【0013】
また、両者の固定をより確実なものとすることによって、封止体に中空針を穿刺したりする場合において、穿刺時の圧力等によって外枠体と封止体とがずれるといった問題が生じるのをより一層確実に防止することができる。
【0014】
本発明のキャップは、内枠体がその天面において軸方向に突出した環状のリブを備え、かつ封止体がその底面において軸方向に突出した環状のフランジを備え、当該内枠体天面の環状リブと当該封止体底面の環状フランジとによって両者が係合してなるものであるのが好ましい。
内枠体がその天面に環状のリブを備え、かつ封止体がその底面に環状のフランジを備えており、内枠体のリブと封止体の底面側環状フランジとが互いに係合するものである場合には、内枠体と封止体との一体成型時に両者の溶着位置にズレが生じるのを防止することができ、さらには両者の係合、固定をより確実なものとすることができる。
【0015】
本発明のキャップは、内枠体の外周面と外枠体の内周面とに、互いに係合する凸部または凹部を備えるものであるのが好ましい。この場合において、内枠体の外周面または外枠体の内周面に設けられる凸部は凸条であってもよく、凹部は溝であってもよい。
内枠体と外枠体とが、互いに当接する面において凸部(または凸条)と凹部(または溝)を備え、これらが互いに係合するときには、内枠体と外枠体との固定をより一層確実なものとすることができる。さらに、内枠体と外枠体との固定がより一層確実なものとなることによって、内枠体の天面側端部と外枠体との間での封止体の軸方向における圧縮の程度をより一層高くすることができる。
【0016】
本発明のキャップにおいて、封止体の外周面の径は、外枠体の内周面のうち当該封止体と当接する部位の径よりも大きいのが好ましい。
封止体の外周面の径を、外枠体の内周面のうち当該封止体と当接する部位の径よりも大きくすることによって、封止体と内枠体との一体成型物に外枠体を冠着させる際には、封止体と外枠体との間に負荷がかかり、封止体の軸の中心方向への圧縮効果を高めることができる。その結果、例えば封止体に中空針を穿刺したりする場合において、穿刺時の圧力等によって外枠体から封止体が脱落したり、ずれたりするのを防止できる。また、封止体の軸の中心方向へ圧縮応力がかかることから、穿刺時において封止体中で中空針等の穿刺具を十分に保持させることができ、穿刺時の液漏れを防止する性能を向上させることもできる。
【0017】
なお、これに限定されるものではないが、封止体の外周面の径を外枠体の内周面の径よりも大きくする程度、すなわち封止体の膨出の程度は、封止体の外周面の径に対して10%以下、好ましくは2〜8%程度とするのが適当である。封止体の膨出の程度が上記範囲を超えると、封止体に外枠体を嵌着させるのが極めて困難になるおそれがある。
【0018】
本発明のキャップにおいて、内枠体と外枠体は、ポリオレフィン系樹脂またはポリスチレン系樹脂により成形されてなるものであるのが好ましい。
内枠体の形成材料は、内枠体と封止体とを一体成型するという観点から射出成型が可能な材料であればよく、具体的には、従来公知の種々の熱可塑性プラスチックが採用される。
しかしながら、種々の熱可塑性プラスチックのなかでも、特にポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂を採用するのが、キャップの安全性や衛生上の観点から好ましい。
外枠体の形成材料については特に限定されるものではなく、キャップの強度を十分に維持し得るものであればよい。通常、従来公知の種々の熱可塑性プラスチックが採用されるが、そのなかでもポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂を採用するのが、キャップの安全性や衛生上の観点から好ましい。
【0019】
本発明のキャップにおいて、封止体は、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックと、を含むブロック共重合体の水素添加物を主成分とするものであるのが好ましい。
【0020】
封止体の形成材料は、内枠体と封止体とを一体成型するという観点から射出成型が可能であり、かつ穿刺具等を刺通させるという観点から適度な硬度を備えるものであればよく、具体的には、従来公知の種々の熱可塑性エラストマーが採用される。
しかしながら、種々の熱可塑性エラストマーのなかでも、特に特開2002−143270号公報に記載されているようなブロック共重合体の水素添加物(少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックと、を含むブロック共重合体の水素添加物)を用いたときには、封止体の軸の中心方向に圧縮応力をかけた状態で弾性に富んでおり、穿刺具を刺通させた状態でのシール性が良好で穿刺具の保持力が高く(それゆえ、穿刺時の液漏れが生じにくく)、しかも穿刺具等の刺通痕における密閉性(再シール性)が良好であるといった特性を有する封止体を形成することができる。それゆえ、本発明のキャップにおける封止体は、上記ブロック共重合体の水素添加物を主成分とするものであるのが好ましい。
【0021】
上記のブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−(t−ブチル)スチレン等が挙げられる。上記のブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。上記のブロック共重合体についての諸特性は特に限定されるものではないが、上記公報に記載されているように、例えばその重量平均分子量はポリスチレン換算値で10万〜25万の範囲にあるのが好ましく、分子量分布は単一でかつ広がりの狭いピークであるのが好ましい。
【0022】
本発明のキャップは、内枠体と封止体とに外枠体を嵌着した状態で加熱処理を施したものであるがの好ましい。
加熱処理を施すことによって外枠体が収縮することから、封止体をその軸の中心に向けて圧縮させることができる。その結果、例えば封止体に中空針を穿刺したりする場合において、穿刺時の圧力等によって外枠体から封止体が脱落したり、ずれたりするのを防止できる。また、封止体の中心方向に圧縮応力がかかることから、穿刺時において封止体中で中空針等の穿刺具を十分に保持させることができる。なお、加熱処理時の温度は特に限定されるものではないが、外枠体を収縮させるという観点から、100〜125℃の範囲に設定するのが好ましい。
【0023】
上記課題を解決するための本発明の医療用容器は、上記本発明のキャップを口部に備えるものである。
本発明の医療用容器は、その口部に上記本発明のキャップを備えるものであることから、従来の熱可塑性エラストマーを封止体として用いたキャップを備える医療用容器において生じ得る、封止体形成時のリブ痕や射出口の痕跡での異物付着や、熱可塑性エラストマーと熱可塑性プラスチックとの収縮率の差に起因する封止体の成形不良といった問題を生じることがない。
【0024】
本発明の医療容器は、さらに加熱滅菌処理が施されてなるものであるのが好ましい。
本発明の医療用容器に用いられるキャップは、前述のとおり、加熱処理を施すことによって外枠体が収縮することから、封止体をその軸の中心に向けて圧縮させることができる。ここで、キャップに対する加熱処理は、当該キャップを容器本体の口部に取り付けて内容液を充填した後において、当該内容液に対する加熱滅菌処理を行なう際に併せて実施することができる。
【0025】
すなわち、本発明の医療容器に加熱滅菌処理を施すことによって、封止体をその軸の中心に向けて圧縮させることができ、その結果、例えば封止体に中空針を穿刺したりする場合において、穿刺時の圧力等によって外枠体から封止体が脱落したり、ずれたりするのを防止できる。また、穿刺時において封止体中で中空針等の穿刺具を十分に保持させることができる。加熱滅菌処理時の加熱温度は、医療容器に収容される内容液(薬液)の種類等によって設定されるものであって、本発明において特に限定されるものではないが、加熱滅菌処理時にキャップの外枠体を収縮させるには、加熱温度を100〜125℃の範囲に設定するのが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のキャップおよびそれを用いた医療用容器について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の医療用容器は、例えば図1にその一実施形態を示すように、容器本体41の口部42に本発明のキャップ10(図2参照)を取り付けてなるものである。
【0027】
容器本体41とキャップ10との溶着は、例えば図1に示すように、容器本体41の口部フランジ43と、キャップ10の外枠体15におけるフランジ17とを溶着させることによって実現できる。これについては、後述する図3および図4に示す実施形態に係るキャップの場合も同様である。
図2に示すキャップ10の一実施形態において、封止体11と内枠体13とは、内枠体13の天面側開口端13aにおいてのみ溶着している。従って、封止体11と内枠体13とを一体成型した場合においても、両者の収縮率の相違に起因する封止体の成形不良を生じることがない。
図2に示す実施形態において、内枠体13はその外周面13bに凸条16aを備えており、外枠体15はその内周面15cに溝16bを備えている。ここで、内枠体13の凸条16aと外枠体15の溝16bとは互いに係合しており、それゆえ、内枠体13と外枠体15とは強固に固定される。
【0028】
図3に示すキャップ20の一実施形態において、封止体21と内枠体13とは、内枠体13の天面側開口端13aにおいてのみ溶着している。従って、図2に示す実施形態の場合と同様に、封止体21と内枠体13とを一体成型した場合においても、両者の収縮率の相違に起因する封止体の成形不良を生じることがない。
【0029】
図3に示す実施形態において、内枠体13はその外周面13bに凸条16aを、外枠体25はその内周面25cに溝16bを、それぞれ備えており、さらに凸条16aと溝16bとは互いに係合している。それゆえ、図2に示す実施形態の場合と同様に、内枠体23と外枠体25とは強固に固定される。
図3に示す実施形態において、封止体21は、その天面21a側に軸方向xに突出した環状フランジ22を備えており、外枠体25の天面側開口端25aに設けられた溝25bと係合している。それゆえ、外枠体25と封止体21との固定が強固なものとなっている。
【0030】
図4に示す実施形態において、封止体31と内枠体33とは、内枠体33の天面側開口端13aと環状リブ34部分においてのみ溶着している。従って、図2および図3に示す実施形態の場合と同様に、封止体31と内枠体33とを一体成型した場合においても、両者の収縮率の相違に起因する封止体の成形不良を生じることがない。
図4に示す実施形態において、内枠体33はその外周面33bに凸条16aを、外枠体35はその内周面35cに溝16bを、それぞれ備えており、さらに凸条16aと溝16bとは互いに係合している。それゆえ、図2および図3に示す実施形態の場合と同様に、内枠体33と外枠体35とは強固に固定される。
【0031】
図4に示す実施形態において、封止体31は、その天面31a側に軸方向xに突出した環状フランジ32aを備えており、外枠体35の天面側開口端35aに設けられた溝35bと係合している。それゆえ、図3に示す実施形態の場合と同様に、外枠体35と封止体31との固定が強固なものとなっている。
図4に示す実施形態において、封止体31は、さらにその底面31b側に軸方向xに突出した環状フランジ32bを備えている。この環状フランジ32bは内枠体33の環状リブ34と係合しており、それゆえ封止体31と内枠体33とにずれを生じるのが防止されている。環状フランジ32bと環状リブ34との係合は、両者を一体成型する場合において、封止体の射出位置にズレが生じるのを防止する作用をも示す。
【0032】
また、図4に示す実施形態において、外枠体35は、その天面側開口端35aにおいて、プルタブ38aを有する外蓋38bを備えている。外蓋38bを設けることでキャップの天面に汚れが付着するのを防止することができ、容器を使用する直前までキャップ天面の清潔さを維持することができる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を説明する。
(実施例1)
内枠体および外枠体の形成材料としてポリエチレンを使用し、封止体の形成材料として、ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレン構造を有するブロック共重合体100重量部と、パラフィン系プロセスオイル150重量部と、ポリプロピレン25重量部とを含有する組成物を使用した。上記封止体形成材料におけるブロック共重合体は熱可塑性エラストマーであって、そのスチレン含量は29重量%、水添率は99%であった。
【0034】
上記の形成材料を用いて、図4に示す構造のキャップ30を製造した。キャップ30の製造は、図5に示すようにして行なった。
すなわち、まず、ポリエチレンを用いて射出成形により内枠体33を形成した(図5(a) )。
次いで、内枠体33を金型内に固定した状態で、その天面側開口端33aに上記封止体形成用の組成物を射出して、封止体31を成形、溶着させた(図5(b) )。ここで、封止体31の外周面31cの径は、図6に示すように、外枠体35の内周面35cのうち封止体31と当接する部位の径よりも大きくなるように設定した。なお、封止体31の膨出部31dの径は、外枠体35の内周面35cのうち封止体31と当接する部位の径に対して5%程度大きく設定した。
【0035】
さらに、ポリエチレンを用いて別途成型した外枠体35を、封止体31と内枠体33との一体成型物に対して、封止体31の天面31a側から嵌着させて(図5(c) )、キャップ30を得た。
こうして得られたキャップ30のフランジ17部分を、ポリエチレン製の容器本体41における口部42に熱溶着して、収容量100mLの輸液ボトルを得た。その後、容器本体41に水を充填した状態で、キャップ30を備える容器本体41を高圧蒸気滅菌に供した。高圧蒸気滅菌に際して、加熱温度は104℃に、処理時間は60分間に設定した。
【0036】
高圧蒸気滅菌を施した後の輸液ボトルについて、加圧液漏れ試験を行なった。試験は、キャップ30の封止体31に直径約4mmのプラスチック針を刺通させた後、その刺通痕に16Gの金属製中空針を刺通させて、当該中空針から輸液ボトル中へと空気を注入してボトルの内部を加圧し、液漏れが生じ始めたときの内圧を測定することにより行なった。なお、輸液ボトルの内圧を設定圧力にまで上昇させた後には、少なくとも30秒間内圧を維持させた上で、液漏れの有無を確認した。
【0037】
輸液ボトルのサンプル200本について上記試験を行なった結果、4本の輸液ボトルについては内圧0.06MPaで液漏れを生じたものの、他のサンプルについては、その内圧では液漏れを生じなかった。上記サンプルについての液漏れ防止の程度(耐圧性能)は、市販の輸液容器におけるイソプレン製ゴム栓に対して2倍程度以上の極めて高いものであることが分かった。このような高い耐圧性能を得ることができた理由には、例えば、キャップ30を製造した後の高圧蒸気滅菌によって外枠体35が収縮して、封止体31をその軸の中心に向けて圧縮させることができたこと、封止体31の外周面31cの径を、外枠体35の内周面35cのうち封止体31と当接する部位の径よりも大きくしたこと、が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャップを用いた医療用容器の一実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明に係るキャップの一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係るキャップの他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図5】図4に示すキャップの製造工程を示す説明図である。
【図6】内枠体33と封止体31との一体成型物に外枠体を嵌着する前の状態を示す断面図である。
【図7】従来の一体成型によるキャップの成形において、封止体の外側に外枠体を射出成形する場合の金型の例を示す説明図である。
【図8】従来の一体成型によるキャップの成形において、外枠体の内部に封止体を射出成形する場合の金型の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,20,30 キャップ
11,21,31 封止体
13,33, 内枠体
15,25,35 外枠体
16a 凸部(凸条)
16b 凹部(溝)
22 環状フランジ
25a,35a 天面側開口端
25b,35b 溝
31c 外周面
31d 膨出部
32a,32b 環状フランジ
33a 天面側開口端
33b 外周面
34 環状リブ
35c 内周面
41 容器本体
42 口部

Claims (11)

  1. 熱可塑性プラスチック製である略円筒状の内枠体と、
    当該内枠体の天面側開口端に融着して内枠体を封止する、熱可塑性エラストマー製で略円盤状の封止体と、
    当該封止体にその天面側から嵌着して上記内枠体と上記封止体との外周面を被覆する、熱可塑性プラスチック製で略円筒状の外枠体と、
    を備えるキャップ。
  2. 上記封止体の側面に上記内枠体が融着していない請求項1記載のキャップ。
  3. 上記封止体がその天面の周縁部において軸方向に突出した環状のフランジを備え、かつ上記外枠体がその天面側開口端において当該環状のフランジと係合する溝を備える請求項1または2記載のキャップ。
  4. 上記内枠体がその天面において軸方向に突出した環状のリブを備え、かつ上記封止体がその底面において軸方向に突出した環状のフランジを備え、当該内枠体天面の環状リブと当該封止体底面の環状フランジとによって両者が係合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のキャップ。
  5. 上記内枠体の外周面と上記外枠体の内周面とに、互いに係合する凸部または凹部を備える請求項1〜4のいずれかに記載のキャップ。
  6. 上記封止体の外周面の径が、上記外枠体の内周面のうち当該封止体と当接する部位の径よりも大きい請求項1〜5のいずれかに記載のキャップ。
  7. 上記内枠体および上記外枠体が、ポリオレフィン系樹脂またはポリスチレン系樹脂により成形されてなる請求項1〜6のいずれかに記載のキャップ。
  8. 上記封止体が、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックと、を含むブロック共重合体の水素添加物を主成分とするものである請求項1〜7のいずれかに記載のキャップ。
  9. 上記内枠体と上記封止体とに上記外枠体を嵌着した状態で加熱処理を施してなる請求項1〜8のいずれかに記載のキャップ。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のキャップを口部に備える医療用容器。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載のキャップを口部に備え、かつ加熱滅菌処理が施されてなる医療用容器。
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