JP2004062148A - 光学部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長400nm〜700nmの可視光に対して、光学素子に表面に形成する微細凹凸形状の多層膜のアスペクト比が高い場合であっても、良好な偏光特性を得ることができる光学部品を提供する。
【解決手段】可視光の波長よりも幅の狭いライン状の多層膜を、隣り合ったライン状の多層膜との間隔が可視光の波長よりも狭くなるように形成し、隣り合ったライン状の多層膜の間を、接続用多層膜により接続し補強する。これによりアスペクト比が高い場合であっても、多層膜は倒れることなく、信頼性の高い光学部品を提供する事ができる。
【選択図】 図1
【解決手段】可視光の波長よりも幅の狭いライン状の多層膜を、隣り合ったライン状の多層膜との間隔が可視光の波長よりも狭くなるように形成し、隣り合ったライン状の多層膜の間を、接続用多層膜により接続し補強する。これによりアスペクト比が高い場合であっても、多層膜は倒れることなく、信頼性の高い光学部品を提供する事ができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面に多層膜を設けることで入射光を偏光する、偏光ビームスプリッタや位相板などの光学部品に関するものであり、特にアスペクト比の高い多層膜を有する光学部品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子機器などに使用されるレンズ等の光学部品においては、光干渉を利用して光学素子の表面に積層された薄膜を形成し反射防止膜としている。また同様な光干渉を利用して、透明光学素子からなる基板の表面に積層された薄膜を形成することで入射光を偏光し、偏光ビームスプリッタや位相板を形成している。このような干渉膜は安価で再現性が良いため、広く実用化されている。
【0003】
図5に従来から使用されている、干渉膜キュービックタイプの偏光ビームスプリッタを示す。図5において、12a、12bは45°に加工された透明体基板、13は低屈折率層(黒色部)、14は高屈折率層(白色部)である。また図に示した矢印は、光の進む方向を示している。通常の光は、光の振動方向が紙面に垂直方向の振動成分であるS−偏光と、紙面に平行な振動成分であるP−偏光を有している。偏光ビームスプリッタは、P−偏光を透過し、S−偏光を反射するため、図に示すように入射光を2つの成分の光に分割することができる。
【0004】
しかしながら図5に示すキュービックタイプの偏光ビームスプリッタは、製造する事に関しては非常に容易で再現性もある一方、その光学特性に関しては、光の入射角度に対して反射特性や透過特性が著しく変化してしまうという課題があった。
【0005】
例えば、液晶プロジェクターにおいて装置の小型化を図るためには、その光路長を短くしなけばならない。従来の干渉膜キュービックタイプの偏光ビームスプリッタを用いると、光路長を短くする事は可能である。しかしながら、偏光ビームスプリッタへの入射角度がその位置によって大きく異なってしまうため、反射特性や透過特性が一定せず、結果的に分光特性を面内で均一にすることができなかった。従って、電子機器の更なる機能向上のためには、入射角度に左右されずに良好な光学特性を有する、偏光ビームスプリッタや位相板などの光学部品が必要とされていた。
【0006】
これに対して近年、特開2000−56133号公報に開示されるように、高屈折率層と低屈折率層を繰り返し積層し、可視光の波長以下のピッチで周期的に折れ曲がった溝形状をなすことで、入射光を透明体周期構造の伝搬特性の異方性を利用して偏光する偏光子が提案されている。高屈折率層としてはSi、GaAs、TiO2、TaO2、低屈折率層としてはSiO2を使用する事が記載されている。また実施例としては、高屈折率層と低屈折率層の周期的な厚さは0.32μm、溝のピッチは0.4μm、溝の深さは0.2μmにする事が記載されている。
【0007】
前述の特開2000−56133号公報に記載の構成は、偏光ビームスプリッタとして波長1μmの光であれば、偏光子として有効に機能する事ができる。しかしながら、偏光する入射光が波長400nm〜700nmの可視光である場合は、使用する事が困難である。すなわち高屈折率層であるSi、GaAsは可視光に対する透過率が低い。そのため、液晶プロジェクターなどの可視域を透過させなければならない光学部品に使用する事は困難である。また、高屈折率層であるTiO2、TaO2は低屈折率層であるSiO2との屈折率の差が小さ過ぎるため、十分な偏光特性を得ることができないためである。
【0008】
OPTICS LETTERS(Rong−Chung他 Vol.21,No.10,p761,1996年)には、図6に示すような、透明基板の上に複数の誘電体多層膜がライン状に並べられた偏光ビームスプリッタが記載されている。図6において、21はビームスプリッタや偏光版等の光学部品である。22は光学素子である透明基板、23は低屈折率層、24は高屈折率層である。低屈折率層23と高屈折率層4は透明基板22の表面に交互に積層されHL交互層25を形成している。26a、26b、26c、26dは、ライン状に形成された誘電体多層膜である。この周期的な凹凸を形成するライン状の誘電体多層膜26a、26b、26c、26dは、回折格子とし機能し、入射光を偏光する光学部品として優れた特性を有している事が知られている。すなわち入射光が波長400nm〜700nmの可視光である場合であっても、各ライン状の誘電体多層膜の線幅は少なくとも可視光の波長よりも狭く、好ましくは0.1μm以下の幅とする事により、原理的には良好な偏光特性を得ることができる。また、その製造方法としては、超LSIなどのパターニング技術を応用することで、誘電体多層膜を用いて周期的な凹凸を製造することができる。具体的なパターニング技術としては、フッ酸等のエッチャントを用いたウエットエッチング、或いはリアクティブイオンエッチング等のドライエッチングが知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−56133号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の図6に示したライン状の誘電体多層膜を用いた偏光ビームスプリッタを製造する場合、エッチング工程や洗浄工程においてウエット処理を行っている。またこのウエット処理を行った後には、乾燥工程が必ず必要となる。そのため、各工程において凹部に流れ込んだ処理液が、毛細管力により凸部を引っ張り、凸部である誘電体多層膜に応力を加え、誘電体多層膜を傾斜させしまう。ライン状の誘電体多層膜により形成される凹凸の凹部の深さに比べて、凸部である誘電体多層膜の厚さが厚い場合、即ち凹凸のアスペクト比が高い場合にはこの傾向は大きくなる。特にアスペクト比が4以上である場合にはこの傾向は非常に顕著となる。
【0011】
これを回避する製造方法として、特開2001−165568号公報に、超臨界を用いた乾燥方法が開示されている。この方法によると、処理パターンを無極性溶媒であるノルマルヘキサンに浸漬置換した後、液体二酸化炭素とともに反応室に封入し、ノルマルヘキサンを液化二酸化炭素に置換して、乾燥しようとするものである。この方法は、パターンの欠陥を防止するためには有効な手法であるが、反応室の内圧を7.5MPaにしなければならず、高圧容器が必要となる。
また、無極性溶媒として有機溶剤を必要とするため、環境にも好ましくない。
【0012】
本発明は、光学素子に表面に形成する微細凹凸形状の誘電体多層膜のアスペクト比が高い場合であっても、波長400nm〜700nmの可視光に対して、良好な偏光特性を得ることができる光学部品を製造することを課題としている。また、その製造工程や実用過程において、その形状を安定して確保することを課題としている。また、その微細凹凸形状を安価な製造装置で確実に形成し、さらに有機溶剤を用いない製造方法とすることを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を解決するために、光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層された多層膜を、平行な複数列のライン状に形成した光学部品において、該平行な複数列の多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有し、可視光の波長よりも狭い間隔で形成されており、隣り合って位置するライン状の多層膜は少なくとも1箇所において、該多層膜と同じ層構成を有する接続用多層膜により連結されている光学部品を提案している。
【0014】
また本発明は、前記接続用多層膜の幅は可視光の波長よりも狭い光学部品を提案している。
【0015】
また本発明は、前記隣り合って位置するライン状の多層膜は、少なくとも2箇所以上で前記接続用多層膜により連結されており、該隣り合う接続用多層膜の間隔は可視光の波長の5倍以上である光学部品を提案している。
【0016】
また本発明は、前記ライン状の多層膜のアスペクト比は4以上である光学部品を提案している。
【0017】
また本発明は、光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層された多層膜を形成した光学部品において、該多層膜は、該基板に対して該多層膜か形成されている場所とされていない場所とからなる井桁形状に形成されており、該井桁形状の多層膜は、一方の平行に配置された多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有しており、可視光の波長よりも狭い間隔で隣り合って形成されている光学部品を提案している。
【0018】
また本発明は、前記井桁形状の多層膜のうち、他方の平行に配置された多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有しており、可視光の波長の5倍以上の間隔で隣り合って形成されている光学部品を提案している。
【0019】
また本発明は、前記井桁形状の多層膜のアスペクト比は4以上である光学部品を提案している。
【0020】
また本発明は、光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層して多層膜形成し、該多層膜の上に中間層を形成し、該中間層の上にレジスト層を形成し、該レジスト層を井桁状にパターニングし、該レジスト層をマスクとして該中間層をエッチングし、該中間層をマスクとして該多層膜をエッチングし、該中間層を剥離した後、洗浄することで、基板の上に井桁形状の多層膜が形成された光学部品を得る光学部品の製造方法を提案している。
【0021】
また本発明は、前記井桁形状の、一方の平行に配置された部分の幅が可視光の波長よりも狭い幅であり、かつ可視光の波長よりも狭い間隔で隣り合っている光学部品の製造方法を提案している。
【0022】
また本発明は、前記井桁形状の、他方の平行に配置された部分の幅が可視光の波長よりも狭い幅であり、かつ間隔は可視光の波長の5倍以上の間隔で隣り合っている光学部品の製造方法を提案している。
【0023】
また本発明は、前記井桁形状の多層膜のアスペクト比は4以上である光学部品の製造方法を提案している。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を示した、光学部品である偏光ビームスプリッタの斜視図である。図1において、1は偏光ビームスプリッタである。2は光学素子である透明基板、3は低屈折率層(黒色部)、4は高屈折率層(白色部)である。低屈折率層3と高屈折率層4は透明基板2の表面に交互に積層されHL交互層5を形成している。透明基板2としは、石英、光学ガラス、アクリルなどの透明プラスチック材料など、可視域において透明な材料を使用する事ができる。低屈折率層3としてはSiO2、MgF2、Na2AlF6、またはそれらの混合組成物などを、また、高屈折率層4としてはZrO2、TiO2、Ta2O5、CeO2、またはそれらの混合組成物などを、それぞれ使用することができる。
【0025】
低屈折率層3の膜厚及び高屈折率層4の膜厚は波長λの1/4以下で、およそ70nmから170nm程度に設定されており、これにより偏光ビームスプリッタ1は偏光機能を発現する。6a、6b、6c、6dは、ライン状に形成された多層膜である。7a、7bはライン状の多層膜6aと6bとを接続する様に配置され、ライン状の多層膜6aと6bとほぼ垂直に形成された接続用多層膜である。同様に7c、7dはライン状の多層膜6bと6cを、7e、7fはライン状の多層膜6cと6dを接続する接続用多層膜である。従ってライン状の多層膜6a、6b、6c、6dと接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dとにより、井桁形状の多層膜となっている。
【0026】
ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの幅Lは、可視光の波長400nm〜700nmよりも狭くなるように設定されている。さらに分光特性の入射角依存性を向上させるためには、100nm以下とする事が好ましい。また、隣り合っているライン状の多層膜6aと6b、6bと6c、6cと6dの間隔Sも同様に、可視光の波長400nm〜700nmよりも狭くなるように設定されている。さらに分光特性の入射角依存性を向上させるためには、100nm以下とする事が好ましい、100nm以下とする事が好ましい。
【0027】
これらの値は、厳密結合解析(RCWA)の数値解析プログラムを用いて構造部とエアーギャップの屈折率変調量の最適化と、波長に依存する周期と膜厚の検討を加え,高性能化を図った結果である。
【0028】
また、接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dの幅Pは、可視光の波長400nm〜700nmよりも狭くなるように設定されている。これは幅Pが可視光の波長よりも大きい場合は、この接続用多層膜が可視光に対する不連続の部分となり、ここを起点に特性不良が発生し、均一な光学特性が得られなくなるからである。また、分光特性の入射角依存性を向上させるためには、100nm以下とする事が好ましい。また接続用多層膜7aと7b、7cと7d、7eと7dの間隔は、可視光の波長400nm〜700nmの5倍以上のピッチで構成されている。これにより自然光に対する過干渉距離以上のギャップが得られるため、光学部品の光学特性への影響を小さくすることができると、考えられる。尚、接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dの形状は梁状、円柱、多角形など、特に形状にはこだわらない。
【0029】
尚、前述の多層膜は必ずしも井桁形状である必要はなく、接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dが梁状、円柱、多角形など形状であってもかまわない。また、ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの各間において、互い違いに接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dが形成してもかまわない。また、ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの各間には、必ずしも2つの接続用多層膜で接続する必要はなく、3つ以上であってもかまわない。また所定の強度を得ることができるのであれば、1つの接続用多層膜で良い場合もある。
【0030】
次に、前述の偏光ビームスプリッタの製造方法を説明する。本実施の形態における偏光ビームスプリッタは、超LSIなどのパターニング技術であるフォトリソグラフィー法を応用する事ができる。フォトリソグラフィー法は、処理基板に対して、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離工程を経て、任意のパターン形状を得るものである。図2(a)〜(h)は偏光ビームスプリッタの製造方法を説明する断面図である。
【0031】
まず、図2(a)に示すように、透明基板2の上に低屈折率層3及び高屈折率層4を蒸着法、スパッタリング法、ECR法、CVD法等の、一般的な薄膜製造技術により交互に積層し、6層から8層のHL交互膜5を形成する。この時低屈折率層3及び高屈折率層4の膜厚は、偏光ビームスプリッタに要求される機能に応じて予め設計されている。一般に低屈折率層3としては、SiO2が、高屈折率層4としては、TiO2が使用される。
【0032】
次に、図2(b)に示すように、HL交互膜5の上には中間層8がスパッタリング法により形成される。中間層8は後述のエッチング工程においてマスクとして機能する。中間層8の材料は、後述のエッチング工程におけるエッチェントに対して反応性が低く、後述の剥離工程において、光学部品構造体に対して選択的に除去可能な材料であれば良い。一般にライン状の多層膜6a、6b、6c、6d及び接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dが、低屈折率膜3をSiO2、MgF2、Na2AlF6、またはそれらの混合組成物、また、高屈折率層4としてはZrO2、TiO2、Ta2O5、CeO2、またはそれらの混合組成物で形成した誘電体である場合は、中間層8の材料としてはCr、Ni、Ti、Al、Cuなどの金属材料を使用する事ができる。尚、中間層8の膜厚は下部誘電体層をエッチングする工程において、マスク層として有効な厚さであれば良い。一般的には、数十nm〜数百nm程度に形成しておけば良い。
【0033】
次に図2(c)に示すように、中間層8の上にスピンコート法によりレジスト膜9を形成する。一般にレジスト膜は、薄く形成すればするほど、より簡単に微細パターンを形成する事が可能となる。本実施の形態のように1μm以下の微細なパターンを形成するためには、レジスト膜はできるだけ薄く形成するほうが有利であり、300nm以下の厚さで形成する事が要求される。また、レジスト膜9のタイプには、ポジ型、ネガ型、化学増幅型などがあるが、設計された構造が得られるものであれば特に限定するものではない。また、レジスト膜9の材料は、露光装置の光源の主波長に対して良好な露光感度を持ったものを選択することが望ましい。
【0034】
次に図2(d)に示すように、図2(c)において形成したレジスト膜9を、マスク10を使用して、縮小光学系11を介して所定のパターンに露光する。本実施の形態にように可視光の波長以下の形状をパターニングする場合は、位相マスクを用いたエキシマ光源ステッパなどを露光機として使用する。エキシマ光源ステッパを使用した場合、0.1μm程度のパターンを形成する事ができる。また、露光機としてEB描画装置を使用すれば、更に細かい0.05μm程度のパターンも形成可能である。また、量産性を考慮した場合は干渉露光法を用いることが有効である。干渉露光法の光源としてArFエキシマレーザーを用いれば、0.05μm程度のパターンを得ることも可能である。
【0035】
次に図2(e)に示すように、図2(d)において露光したパターンを、PEB(Post exposure bake)を行った後、アルカリ水溶液により現像する事により所定のパターンを形成する。
【0036】
次に図2(f)に示すように、レジスト層9をマスクとして、中間層8をエッチングする事によりパターニングする。エッチング液は、中間層が可溶で、レジストに対しては難溶性を示すエッチャントを使用することができる。また、ここでは、ドライエッチングを行うことも可能である。
【0037】
次に図2(g)に示すように、図2(f)でパターニングした中間層8の形状にHL交互膜7をエッチングする。エッチングには、ドライエッチング、ウエットエッチングどちらを使用しても良い。
【0038】
ウエットエッチングの場合は、非エッチング材料であるにHL交互膜5対して溶解性があり、マスク材料である中間層8に対して非溶解性、または、難溶性を有するエッチング液に浸漬しパターンを形成する。ただしパターンのサイドエッチングも同時に進行するため、高アスペクト比の形状を形成する場合には、あらかじめ設計形状を充分に考慮しておく必要がある。また、ドライエッチングは、特にパターンの細線化を行う場合には有効である。
【0039】
ドライエッチングの場合は、RIE(Reactive Ion−beam Etching:反応性イオンビームエッチング)を使用することができる。また、フッ素系ガスをエッチングガスとして用いたICP(Inductively Coupled Plasma)RIEも使用することができる。高密度のプラズマ環境にすることによって、1〜10μm/minという高速でエッチングを行うことができる。また、中間層を金属で形成した場合、金属材料に対して、選択比は、酸化膜で200:1、レジストで100:1と高い。従って、アスペクト比が30程度の高アスペクト比の形状を形成する場合に好適である。
【0040】
次に図2(h)に示すように、レジスト層及び中間層を剥離する。剥離にはドライ法とウエット法の両方を使用する事ができ、剥離する材料とパターニングされたHL交互膜7とのエッチングの選択比に応じて、種々選択すればよい。具体的には、市販のレジスト剥離液や、酸素によるプラズマアッシングなどを使用する事ができる。また、中間層の剥離は前述のエッチャントを使用することが出来る。最後に、以上の工程を経て形成された部材を必要に応じて洗浄し、偏光ビームスプリッタ1を得る。
【0041】
尚本実施の形態では、図2(b)において中間層8を形成しているが、中間層8は必ずしも必要ではない。中間層8を形成する事なく、HL交互膜7の上に直接レジスト膜9を形成し、パターニングした後、エッチングする事もできる。ただし、中間層8を形成しない場合には、エッジング工程においてレジスト膜9によってレジストの下層に位置するHL交互膜7を保護しなければならない。そのため、レジスト膜9をある程度厚くする必要がある。しかしながら、前述したように微細なパターンを形成する場合には、レジスト膜はできるだけ薄く形成する事が要求される。従って、前述のHL交互膜7の上に一旦中間層8を形成した後、パターニングし、エッチングする方法が、より好適である。
【0042】
次に、本実施の形態の具体的な実施例を説明する。
【0043】
(実施例1)
図1に示した偏光ビームスプリッタ1を製造し、その特性を実験により検証した。製造した偏光ビームスプリッタ1は、縦30mm、横30mm、厚さ1mmの石英からなる透明基板2上にTiO2からなる高屈折率膜2とSiO2からなる低屈折率膜3が交互に積層されている。この時の膜厚は、TiO2が68nm、SiO2が118nmである。これは、光線入射角度45°に合わせ、偏光ビームスプリッタが充分に機能を満足するように設計された値である。また、ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの幅Lは100nm、隣り合うライン状の多層膜6aと6b、6bと6c、6cと6dの間隔Sは100nmである。また接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7d、7fの幅Pは100nm、接続用多層膜7aと7b、7cと7d、7eと7fの間隔Wは2μmとした。
【0044】
偏光ビームスプリッタ1の製造方法は、まず、洗浄を施した石英からなる透明基板1に、真空蒸着法を用いて高屈折率層であるTiO2層と低屈折率層であるSiO2層を蒸着により交互に積層しHL交互層5を形成した。この時、基板温度は250℃で、真空度0.02Paになるよう酸素を導入し、蒸発源加熱は電子ビーム加熱にて、成膜を行った。また、膜厚制御は、単色フィルターによる干渉制御法にて行った。(図2(a))
【0045】
次に、エッチング工程においてマスクとなる金属クロムからなる中間層8を、250nmの厚さになるよう同様の加熱方式で蒸着した。この時の真空度は、0.001Paであり、膜厚制御方法は水晶振動子法で行った。(図2(b))
次に、洗浄及びUV/O3処理を施した後、中間層8の上にフォトレジストをスピンコートしレジスト層9を形成した。フォトレジストはJSR社製ポジ型化学増幅レジストKRF M20Gを用いた。また、レジスト層の膜厚は100nmとした。(図2(c))
【0046】
次に、110℃で180秒間プリベークを施した後、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学系ステッパ(NA=0.6)を用いて露光を行った。マスクはレベンソン型位相シフトマスクを用い、パターン形状は、前述のライン状の多層膜6a、6b、6c、6d及び接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dの形状に対応している。露光量は34mJ/cm2であった。(図2(d))
【0047】
露光の後、120℃で120秒間PEBを行い、1.18%TMAH(テトラメチルアンムニュームハイドロオキサイド)を用いて30秒間パドル現像を行った。そして、速やかに水洗を施し、100℃のホットプレート上で2分間乾燥した。(図2(e))
【0048】
次に、レジスト層9をマスクとして、中間層8であるクロム層をウエットパターニングした。エッチング液は、濃硝酸0.5vol%の水溶液に、硝酸第2セリウムアンモニウム(Ce(NH4)2(NO3)6)を15wt%溶解した液を用いた。本溶液に2分間パドルエッチングを行い、速やかに水洗を施し、100℃のホットプレート上で2分間乾燥した。(図2(f))
【0049】
その後、RIE(reactive ion−beam etching)装置に配置し、中間層8をマスクとして、HL交互層5をエッチングする。エッチングガスとしては、CF4とH2の混合ガスを用いた。更に、酸素をエッチングガスとして、表面のレジスト層9を剥離した。(図2(g))
【0050】
最後に、前記クロムのエッチング液に浸漬し、マスクとして使用したの金属クロムからなる中間層8を溶解剥離した後、シャワー水洗を施し、100℃のホットプレートで2分間乾燥することで、透明基板の表面に高アスペクト比を有するライン状の多層膜と接続用多層膜が形成されたビームスプリッタ1を得た。(図2(h))
【0051】
この時のビームスプリッタ1の分光反射率を分光光度計(日立社製U4000自記記録分光光度計)により測定し、その結果を図3に示した。この時測定光のS−偏光成分は反射し、P−偏光成分は透過するように偏光ビームスプリッタは配置されている。図3において横軸は光の波長を示しており、縦軸はその時の反射率を示している。図中の平均80%以上の反射率を有している特性はS−偏光成分で、10%以下のものがP−偏光成分である。また、太い実線は入射角45°の時の反射率特性、点線が40°の時の反射率特性、○で示した実線は50°の時の反射率特性を示している。
【0052】
(比較例1)
また比較のため、図6に示した干渉膜キュービックタイプ偏光ビームスプリッタを、実施例1と同一の多層膜で形成し、その分光反射率を分光光度計(日立社製U4000自記記録分光光度計)により測定した。その結果を図4に示す。この時の光学ガラス材料はガラスS−LAM60(n=1.74)(株式会社オハラ製)を使用した。図4において横軸は光の波長を示しており、縦軸はその時の反射率を示している。図中の平均80%以上反射している特性はS−偏光成分で、60%以下のものがP−偏光成分である。また、太い実線は入射角45°の時の反射率特性、点線が40°の時の反射率特性、○で示した実線は50°の時の反射率特性を示している。
【0053】
実施例1と比較例1の測定結果を比較する。偏光ビームスプリッタの機能を向上させるためには、各偏光成分における分光特性は、反射光に対しては80%以上の反射率、透過光に対しては20%以下の反射率が必要である。図3から分かるように、実施例1の偏光ビームスプリッタは、可視光の波長領域である0.4μm〜0.7μmにおいて、非常に良好な分光特性を有していることがわかる。
これに対して図4に示した比較例1の偏光ビームスプリッタは、入射角45°における0.40から0.45μmでのS−偏光成分、入射角45°における0.45から050μmでのS−偏光成分、及び入射角40°における0.55から0.65μmのP−偏光成分、入射角50°における0.40から0.50μmのP−偏光成分は、充分な分光特性を満たしているとはいえない。特に比較例1に対して実施例1の分光特性は、入射角度が変化した場合のP−偏光の特性が大きく向上していることがわかる。
【0054】
また、実施例1における偏光ビームスプリッタの分光特性の測定は、偏光ビームスプリッタ1の全面においても同様の測定を行った。それらはすべて図3に示す分光特性とほぼ同様の良好な測定結果であった。
【0055】
(比較例2)
次に比較例2として、図6に示すライン状の誘電体多層膜26a、26b、26c、26dを有し、それらの間に接続用多層膜がない偏光ビームスプリッタを実施例1と同様にして製造した。
【0056】
ここで得られた偏光ビームスプリッタは、目視の段階で、基板周辺部が白く曇っているのが確認でき、光学部品としては明らかに不適格なものであった。より詳細に検討するために、白く曇った部分をSEMで観察した。その結果、白く曇った部分においてライン状の誘電体多層膜は、図7に示すように傾斜していた。
そのため隣接するライン状の誘電体多層膜との間隔が、ある位置では非常に狭くなり、接触し間隔がなくなっている所もあった。またある位置では間隔非常に広がっており、場合によってはほぼ2倍に広がっていた。ライン状の誘電体多層膜の間隔は、偏光ビームスプリッタの偏光特性を充分に発揮できるように、あらかじめ設計されている。特に間隔が広がると、設計中心波長が長波長側へシフトすることとなり、偏光ビームスプリッタの偏光特性を著しく損なってしまう。従って比較例2における偏光ビームスプリッタの偏光特性は、明らかに充分な機能を満足するものではない。
【0057】
以上説明したように、本発明においては、可視光の波長よりも幅の狭いライン状の多層膜を、隣り合ったライン状の多層膜との間隔が可視光の波長よりも狭くなるように形成し、隣り合ったライン状の多層膜の間を、接続用多層膜により接続し補強する事を特徴としている。これにより透明基板上の、多層膜により形成された凸部と、多層膜の形成されていない凹部とのアスペクト比が高い場合であっても、多層膜は倒れることなく、信頼性の高い光学部品を提供する事ができる。特にアスペクト比が4以上である場合には、この構成は有効である。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、波長400nm〜700nmの可視光に対しても、良好な偏光特性を得ることができる光学部品であって、光学素子に表面に形成する微細凹凸形状の多層膜のアスペクト比が高い場合であっても、その製造工程や実用過程において、その形状を安定して確保することをできる。また、非常に安価な製造装置で確実に微細凹凸形状形成し、尚且つ有機溶剤を用いないため、環境的にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタの斜視図
【図2】第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタの製造プロセスを示す断面図
【図3】実施例1の光学部品の分光特性を示すグラフ
【図4】比較例1の光学部品の分光特性を示すグラフ
【図5】従来の干渉膜キュービックタイプの偏光ビームスプリッタを示す断面図
【図6】従来の偏光ビームスプリッタを示す断面図
【図7】従来の偏光ビームスプリッタの課題を説明する断面図
【符号の説明】
1、21 偏光ビームスプリッタ
2、12a、12b、22 透明基板
3、13、23 低屈折率層
4、14、24 高屈折率層
5、25 HL交互層
6a、6b、6c、6d、26a、26b、26c、26d ライン状の多層膜
7a、7b、7c、7d、7e、7f 接続用多層膜
8 中間層
9 レジスト層
10 マスク
11 縮小レンズ光学系
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面に多層膜を設けることで入射光を偏光する、偏光ビームスプリッタや位相板などの光学部品に関するものであり、特にアスペクト比の高い多層膜を有する光学部品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子機器などに使用されるレンズ等の光学部品においては、光干渉を利用して光学素子の表面に積層された薄膜を形成し反射防止膜としている。また同様な光干渉を利用して、透明光学素子からなる基板の表面に積層された薄膜を形成することで入射光を偏光し、偏光ビームスプリッタや位相板を形成している。このような干渉膜は安価で再現性が良いため、広く実用化されている。
【0003】
図5に従来から使用されている、干渉膜キュービックタイプの偏光ビームスプリッタを示す。図5において、12a、12bは45°に加工された透明体基板、13は低屈折率層(黒色部)、14は高屈折率層(白色部)である。また図に示した矢印は、光の進む方向を示している。通常の光は、光の振動方向が紙面に垂直方向の振動成分であるS−偏光と、紙面に平行な振動成分であるP−偏光を有している。偏光ビームスプリッタは、P−偏光を透過し、S−偏光を反射するため、図に示すように入射光を2つの成分の光に分割することができる。
【0004】
しかしながら図5に示すキュービックタイプの偏光ビームスプリッタは、製造する事に関しては非常に容易で再現性もある一方、その光学特性に関しては、光の入射角度に対して反射特性や透過特性が著しく変化してしまうという課題があった。
【0005】
例えば、液晶プロジェクターにおいて装置の小型化を図るためには、その光路長を短くしなけばならない。従来の干渉膜キュービックタイプの偏光ビームスプリッタを用いると、光路長を短くする事は可能である。しかしながら、偏光ビームスプリッタへの入射角度がその位置によって大きく異なってしまうため、反射特性や透過特性が一定せず、結果的に分光特性を面内で均一にすることができなかった。従って、電子機器の更なる機能向上のためには、入射角度に左右されずに良好な光学特性を有する、偏光ビームスプリッタや位相板などの光学部品が必要とされていた。
【0006】
これに対して近年、特開2000−56133号公報に開示されるように、高屈折率層と低屈折率層を繰り返し積層し、可視光の波長以下のピッチで周期的に折れ曲がった溝形状をなすことで、入射光を透明体周期構造の伝搬特性の異方性を利用して偏光する偏光子が提案されている。高屈折率層としてはSi、GaAs、TiO2、TaO2、低屈折率層としてはSiO2を使用する事が記載されている。また実施例としては、高屈折率層と低屈折率層の周期的な厚さは0.32μm、溝のピッチは0.4μm、溝の深さは0.2μmにする事が記載されている。
【0007】
前述の特開2000−56133号公報に記載の構成は、偏光ビームスプリッタとして波長1μmの光であれば、偏光子として有効に機能する事ができる。しかしながら、偏光する入射光が波長400nm〜700nmの可視光である場合は、使用する事が困難である。すなわち高屈折率層であるSi、GaAsは可視光に対する透過率が低い。そのため、液晶プロジェクターなどの可視域を透過させなければならない光学部品に使用する事は困難である。また、高屈折率層であるTiO2、TaO2は低屈折率層であるSiO2との屈折率の差が小さ過ぎるため、十分な偏光特性を得ることができないためである。
【0008】
OPTICS LETTERS(Rong−Chung他 Vol.21,No.10,p761,1996年)には、図6に示すような、透明基板の上に複数の誘電体多層膜がライン状に並べられた偏光ビームスプリッタが記載されている。図6において、21はビームスプリッタや偏光版等の光学部品である。22は光学素子である透明基板、23は低屈折率層、24は高屈折率層である。低屈折率層23と高屈折率層4は透明基板22の表面に交互に積層されHL交互層25を形成している。26a、26b、26c、26dは、ライン状に形成された誘電体多層膜である。この周期的な凹凸を形成するライン状の誘電体多層膜26a、26b、26c、26dは、回折格子とし機能し、入射光を偏光する光学部品として優れた特性を有している事が知られている。すなわち入射光が波長400nm〜700nmの可視光である場合であっても、各ライン状の誘電体多層膜の線幅は少なくとも可視光の波長よりも狭く、好ましくは0.1μm以下の幅とする事により、原理的には良好な偏光特性を得ることができる。また、その製造方法としては、超LSIなどのパターニング技術を応用することで、誘電体多層膜を用いて周期的な凹凸を製造することができる。具体的なパターニング技術としては、フッ酸等のエッチャントを用いたウエットエッチング、或いはリアクティブイオンエッチング等のドライエッチングが知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−56133号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の図6に示したライン状の誘電体多層膜を用いた偏光ビームスプリッタを製造する場合、エッチング工程や洗浄工程においてウエット処理を行っている。またこのウエット処理を行った後には、乾燥工程が必ず必要となる。そのため、各工程において凹部に流れ込んだ処理液が、毛細管力により凸部を引っ張り、凸部である誘電体多層膜に応力を加え、誘電体多層膜を傾斜させしまう。ライン状の誘電体多層膜により形成される凹凸の凹部の深さに比べて、凸部である誘電体多層膜の厚さが厚い場合、即ち凹凸のアスペクト比が高い場合にはこの傾向は大きくなる。特にアスペクト比が4以上である場合にはこの傾向は非常に顕著となる。
【0011】
これを回避する製造方法として、特開2001−165568号公報に、超臨界を用いた乾燥方法が開示されている。この方法によると、処理パターンを無極性溶媒であるノルマルヘキサンに浸漬置換した後、液体二酸化炭素とともに反応室に封入し、ノルマルヘキサンを液化二酸化炭素に置換して、乾燥しようとするものである。この方法は、パターンの欠陥を防止するためには有効な手法であるが、反応室の内圧を7.5MPaにしなければならず、高圧容器が必要となる。
また、無極性溶媒として有機溶剤を必要とするため、環境にも好ましくない。
【0012】
本発明は、光学素子に表面に形成する微細凹凸形状の誘電体多層膜のアスペクト比が高い場合であっても、波長400nm〜700nmの可視光に対して、良好な偏光特性を得ることができる光学部品を製造することを課題としている。また、その製造工程や実用過程において、その形状を安定して確保することを課題としている。また、その微細凹凸形状を安価な製造装置で確実に形成し、さらに有機溶剤を用いない製造方法とすることを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を解決するために、光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層された多層膜を、平行な複数列のライン状に形成した光学部品において、該平行な複数列の多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有し、可視光の波長よりも狭い間隔で形成されており、隣り合って位置するライン状の多層膜は少なくとも1箇所において、該多層膜と同じ層構成を有する接続用多層膜により連結されている光学部品を提案している。
【0014】
また本発明は、前記接続用多層膜の幅は可視光の波長よりも狭い光学部品を提案している。
【0015】
また本発明は、前記隣り合って位置するライン状の多層膜は、少なくとも2箇所以上で前記接続用多層膜により連結されており、該隣り合う接続用多層膜の間隔は可視光の波長の5倍以上である光学部品を提案している。
【0016】
また本発明は、前記ライン状の多層膜のアスペクト比は4以上である光学部品を提案している。
【0017】
また本発明は、光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層された多層膜を形成した光学部品において、該多層膜は、該基板に対して該多層膜か形成されている場所とされていない場所とからなる井桁形状に形成されており、該井桁形状の多層膜は、一方の平行に配置された多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有しており、可視光の波長よりも狭い間隔で隣り合って形成されている光学部品を提案している。
【0018】
また本発明は、前記井桁形状の多層膜のうち、他方の平行に配置された多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有しており、可視光の波長の5倍以上の間隔で隣り合って形成されている光学部品を提案している。
【0019】
また本発明は、前記井桁形状の多層膜のアスペクト比は4以上である光学部品を提案している。
【0020】
また本発明は、光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層して多層膜形成し、該多層膜の上に中間層を形成し、該中間層の上にレジスト層を形成し、該レジスト層を井桁状にパターニングし、該レジスト層をマスクとして該中間層をエッチングし、該中間層をマスクとして該多層膜をエッチングし、該中間層を剥離した後、洗浄することで、基板の上に井桁形状の多層膜が形成された光学部品を得る光学部品の製造方法を提案している。
【0021】
また本発明は、前記井桁形状の、一方の平行に配置された部分の幅が可視光の波長よりも狭い幅であり、かつ可視光の波長よりも狭い間隔で隣り合っている光学部品の製造方法を提案している。
【0022】
また本発明は、前記井桁形状の、他方の平行に配置された部分の幅が可視光の波長よりも狭い幅であり、かつ間隔は可視光の波長の5倍以上の間隔で隣り合っている光学部品の製造方法を提案している。
【0023】
また本発明は、前記井桁形状の多層膜のアスペクト比は4以上である光学部品の製造方法を提案している。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を示した、光学部品である偏光ビームスプリッタの斜視図である。図1において、1は偏光ビームスプリッタである。2は光学素子である透明基板、3は低屈折率層(黒色部)、4は高屈折率層(白色部)である。低屈折率層3と高屈折率層4は透明基板2の表面に交互に積層されHL交互層5を形成している。透明基板2としは、石英、光学ガラス、アクリルなどの透明プラスチック材料など、可視域において透明な材料を使用する事ができる。低屈折率層3としてはSiO2、MgF2、Na2AlF6、またはそれらの混合組成物などを、また、高屈折率層4としてはZrO2、TiO2、Ta2O5、CeO2、またはそれらの混合組成物などを、それぞれ使用することができる。
【0025】
低屈折率層3の膜厚及び高屈折率層4の膜厚は波長λの1/4以下で、およそ70nmから170nm程度に設定されており、これにより偏光ビームスプリッタ1は偏光機能を発現する。6a、6b、6c、6dは、ライン状に形成された多層膜である。7a、7bはライン状の多層膜6aと6bとを接続する様に配置され、ライン状の多層膜6aと6bとほぼ垂直に形成された接続用多層膜である。同様に7c、7dはライン状の多層膜6bと6cを、7e、7fはライン状の多層膜6cと6dを接続する接続用多層膜である。従ってライン状の多層膜6a、6b、6c、6dと接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dとにより、井桁形状の多層膜となっている。
【0026】
ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの幅Lは、可視光の波長400nm〜700nmよりも狭くなるように設定されている。さらに分光特性の入射角依存性を向上させるためには、100nm以下とする事が好ましい。また、隣り合っているライン状の多層膜6aと6b、6bと6c、6cと6dの間隔Sも同様に、可視光の波長400nm〜700nmよりも狭くなるように設定されている。さらに分光特性の入射角依存性を向上させるためには、100nm以下とする事が好ましい、100nm以下とする事が好ましい。
【0027】
これらの値は、厳密結合解析(RCWA)の数値解析プログラムを用いて構造部とエアーギャップの屈折率変調量の最適化と、波長に依存する周期と膜厚の検討を加え,高性能化を図った結果である。
【0028】
また、接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dの幅Pは、可視光の波長400nm〜700nmよりも狭くなるように設定されている。これは幅Pが可視光の波長よりも大きい場合は、この接続用多層膜が可視光に対する不連続の部分となり、ここを起点に特性不良が発生し、均一な光学特性が得られなくなるからである。また、分光特性の入射角依存性を向上させるためには、100nm以下とする事が好ましい。また接続用多層膜7aと7b、7cと7d、7eと7dの間隔は、可視光の波長400nm〜700nmの5倍以上のピッチで構成されている。これにより自然光に対する過干渉距離以上のギャップが得られるため、光学部品の光学特性への影響を小さくすることができると、考えられる。尚、接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dの形状は梁状、円柱、多角形など、特に形状にはこだわらない。
【0029】
尚、前述の多層膜は必ずしも井桁形状である必要はなく、接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dが梁状、円柱、多角形など形状であってもかまわない。また、ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの各間において、互い違いに接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dが形成してもかまわない。また、ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの各間には、必ずしも2つの接続用多層膜で接続する必要はなく、3つ以上であってもかまわない。また所定の強度を得ることができるのであれば、1つの接続用多層膜で良い場合もある。
【0030】
次に、前述の偏光ビームスプリッタの製造方法を説明する。本実施の形態における偏光ビームスプリッタは、超LSIなどのパターニング技術であるフォトリソグラフィー法を応用する事ができる。フォトリソグラフィー法は、処理基板に対して、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離工程を経て、任意のパターン形状を得るものである。図2(a)〜(h)は偏光ビームスプリッタの製造方法を説明する断面図である。
【0031】
まず、図2(a)に示すように、透明基板2の上に低屈折率層3及び高屈折率層4を蒸着法、スパッタリング法、ECR法、CVD法等の、一般的な薄膜製造技術により交互に積層し、6層から8層のHL交互膜5を形成する。この時低屈折率層3及び高屈折率層4の膜厚は、偏光ビームスプリッタに要求される機能に応じて予め設計されている。一般に低屈折率層3としては、SiO2が、高屈折率層4としては、TiO2が使用される。
【0032】
次に、図2(b)に示すように、HL交互膜5の上には中間層8がスパッタリング法により形成される。中間層8は後述のエッチング工程においてマスクとして機能する。中間層8の材料は、後述のエッチング工程におけるエッチェントに対して反応性が低く、後述の剥離工程において、光学部品構造体に対して選択的に除去可能な材料であれば良い。一般にライン状の多層膜6a、6b、6c、6d及び接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dが、低屈折率膜3をSiO2、MgF2、Na2AlF6、またはそれらの混合組成物、また、高屈折率層4としてはZrO2、TiO2、Ta2O5、CeO2、またはそれらの混合組成物で形成した誘電体である場合は、中間層8の材料としてはCr、Ni、Ti、Al、Cuなどの金属材料を使用する事ができる。尚、中間層8の膜厚は下部誘電体層をエッチングする工程において、マスク層として有効な厚さであれば良い。一般的には、数十nm〜数百nm程度に形成しておけば良い。
【0033】
次に図2(c)に示すように、中間層8の上にスピンコート法によりレジスト膜9を形成する。一般にレジスト膜は、薄く形成すればするほど、より簡単に微細パターンを形成する事が可能となる。本実施の形態のように1μm以下の微細なパターンを形成するためには、レジスト膜はできるだけ薄く形成するほうが有利であり、300nm以下の厚さで形成する事が要求される。また、レジスト膜9のタイプには、ポジ型、ネガ型、化学増幅型などがあるが、設計された構造が得られるものであれば特に限定するものではない。また、レジスト膜9の材料は、露光装置の光源の主波長に対して良好な露光感度を持ったものを選択することが望ましい。
【0034】
次に図2(d)に示すように、図2(c)において形成したレジスト膜9を、マスク10を使用して、縮小光学系11を介して所定のパターンに露光する。本実施の形態にように可視光の波長以下の形状をパターニングする場合は、位相マスクを用いたエキシマ光源ステッパなどを露光機として使用する。エキシマ光源ステッパを使用した場合、0.1μm程度のパターンを形成する事ができる。また、露光機としてEB描画装置を使用すれば、更に細かい0.05μm程度のパターンも形成可能である。また、量産性を考慮した場合は干渉露光法を用いることが有効である。干渉露光法の光源としてArFエキシマレーザーを用いれば、0.05μm程度のパターンを得ることも可能である。
【0035】
次に図2(e)に示すように、図2(d)において露光したパターンを、PEB(Post exposure bake)を行った後、アルカリ水溶液により現像する事により所定のパターンを形成する。
【0036】
次に図2(f)に示すように、レジスト層9をマスクとして、中間層8をエッチングする事によりパターニングする。エッチング液は、中間層が可溶で、レジストに対しては難溶性を示すエッチャントを使用することができる。また、ここでは、ドライエッチングを行うことも可能である。
【0037】
次に図2(g)に示すように、図2(f)でパターニングした中間層8の形状にHL交互膜7をエッチングする。エッチングには、ドライエッチング、ウエットエッチングどちらを使用しても良い。
【0038】
ウエットエッチングの場合は、非エッチング材料であるにHL交互膜5対して溶解性があり、マスク材料である中間層8に対して非溶解性、または、難溶性を有するエッチング液に浸漬しパターンを形成する。ただしパターンのサイドエッチングも同時に進行するため、高アスペクト比の形状を形成する場合には、あらかじめ設計形状を充分に考慮しておく必要がある。また、ドライエッチングは、特にパターンの細線化を行う場合には有効である。
【0039】
ドライエッチングの場合は、RIE(Reactive Ion−beam Etching:反応性イオンビームエッチング)を使用することができる。また、フッ素系ガスをエッチングガスとして用いたICP(Inductively Coupled Plasma)RIEも使用することができる。高密度のプラズマ環境にすることによって、1〜10μm/minという高速でエッチングを行うことができる。また、中間層を金属で形成した場合、金属材料に対して、選択比は、酸化膜で200:1、レジストで100:1と高い。従って、アスペクト比が30程度の高アスペクト比の形状を形成する場合に好適である。
【0040】
次に図2(h)に示すように、レジスト層及び中間層を剥離する。剥離にはドライ法とウエット法の両方を使用する事ができ、剥離する材料とパターニングされたHL交互膜7とのエッチングの選択比に応じて、種々選択すればよい。具体的には、市販のレジスト剥離液や、酸素によるプラズマアッシングなどを使用する事ができる。また、中間層の剥離は前述のエッチャントを使用することが出来る。最後に、以上の工程を経て形成された部材を必要に応じて洗浄し、偏光ビームスプリッタ1を得る。
【0041】
尚本実施の形態では、図2(b)において中間層8を形成しているが、中間層8は必ずしも必要ではない。中間層8を形成する事なく、HL交互膜7の上に直接レジスト膜9を形成し、パターニングした後、エッチングする事もできる。ただし、中間層8を形成しない場合には、エッジング工程においてレジスト膜9によってレジストの下層に位置するHL交互膜7を保護しなければならない。そのため、レジスト膜9をある程度厚くする必要がある。しかしながら、前述したように微細なパターンを形成する場合には、レジスト膜はできるだけ薄く形成する事が要求される。従って、前述のHL交互膜7の上に一旦中間層8を形成した後、パターニングし、エッチングする方法が、より好適である。
【0042】
次に、本実施の形態の具体的な実施例を説明する。
【0043】
(実施例1)
図1に示した偏光ビームスプリッタ1を製造し、その特性を実験により検証した。製造した偏光ビームスプリッタ1は、縦30mm、横30mm、厚さ1mmの石英からなる透明基板2上にTiO2からなる高屈折率膜2とSiO2からなる低屈折率膜3が交互に積層されている。この時の膜厚は、TiO2が68nm、SiO2が118nmである。これは、光線入射角度45°に合わせ、偏光ビームスプリッタが充分に機能を満足するように設計された値である。また、ライン状の多層膜6a、6b、6c、6dの幅Lは100nm、隣り合うライン状の多層膜6aと6b、6bと6c、6cと6dの間隔Sは100nmである。また接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7d、7fの幅Pは100nm、接続用多層膜7aと7b、7cと7d、7eと7fの間隔Wは2μmとした。
【0044】
偏光ビームスプリッタ1の製造方法は、まず、洗浄を施した石英からなる透明基板1に、真空蒸着法を用いて高屈折率層であるTiO2層と低屈折率層であるSiO2層を蒸着により交互に積層しHL交互層5を形成した。この時、基板温度は250℃で、真空度0.02Paになるよう酸素を導入し、蒸発源加熱は電子ビーム加熱にて、成膜を行った。また、膜厚制御は、単色フィルターによる干渉制御法にて行った。(図2(a))
【0045】
次に、エッチング工程においてマスクとなる金属クロムからなる中間層8を、250nmの厚さになるよう同様の加熱方式で蒸着した。この時の真空度は、0.001Paであり、膜厚制御方法は水晶振動子法で行った。(図2(b))
次に、洗浄及びUV/O3処理を施した後、中間層8の上にフォトレジストをスピンコートしレジスト層9を形成した。フォトレジストはJSR社製ポジ型化学増幅レジストKRF M20Gを用いた。また、レジスト層の膜厚は100nmとした。(図2(c))
【0046】
次に、110℃で180秒間プリベークを施した後、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学系ステッパ(NA=0.6)を用いて露光を行った。マスクはレベンソン型位相シフトマスクを用い、パターン形状は、前述のライン状の多層膜6a、6b、6c、6d及び接続用多層膜7a、7b、7c、7d、7e、7dの形状に対応している。露光量は34mJ/cm2であった。(図2(d))
【0047】
露光の後、120℃で120秒間PEBを行い、1.18%TMAH(テトラメチルアンムニュームハイドロオキサイド)を用いて30秒間パドル現像を行った。そして、速やかに水洗を施し、100℃のホットプレート上で2分間乾燥した。(図2(e))
【0048】
次に、レジスト層9をマスクとして、中間層8であるクロム層をウエットパターニングした。エッチング液は、濃硝酸0.5vol%の水溶液に、硝酸第2セリウムアンモニウム(Ce(NH4)2(NO3)6)を15wt%溶解した液を用いた。本溶液に2分間パドルエッチングを行い、速やかに水洗を施し、100℃のホットプレート上で2分間乾燥した。(図2(f))
【0049】
その後、RIE(reactive ion−beam etching)装置に配置し、中間層8をマスクとして、HL交互層5をエッチングする。エッチングガスとしては、CF4とH2の混合ガスを用いた。更に、酸素をエッチングガスとして、表面のレジスト層9を剥離した。(図2(g))
【0050】
最後に、前記クロムのエッチング液に浸漬し、マスクとして使用したの金属クロムからなる中間層8を溶解剥離した後、シャワー水洗を施し、100℃のホットプレートで2分間乾燥することで、透明基板の表面に高アスペクト比を有するライン状の多層膜と接続用多層膜が形成されたビームスプリッタ1を得た。(図2(h))
【0051】
この時のビームスプリッタ1の分光反射率を分光光度計(日立社製U4000自記記録分光光度計)により測定し、その結果を図3に示した。この時測定光のS−偏光成分は反射し、P−偏光成分は透過するように偏光ビームスプリッタは配置されている。図3において横軸は光の波長を示しており、縦軸はその時の反射率を示している。図中の平均80%以上の反射率を有している特性はS−偏光成分で、10%以下のものがP−偏光成分である。また、太い実線は入射角45°の時の反射率特性、点線が40°の時の反射率特性、○で示した実線は50°の時の反射率特性を示している。
【0052】
(比較例1)
また比較のため、図6に示した干渉膜キュービックタイプ偏光ビームスプリッタを、実施例1と同一の多層膜で形成し、その分光反射率を分光光度計(日立社製U4000自記記録分光光度計)により測定した。その結果を図4に示す。この時の光学ガラス材料はガラスS−LAM60(n=1.74)(株式会社オハラ製)を使用した。図4において横軸は光の波長を示しており、縦軸はその時の反射率を示している。図中の平均80%以上反射している特性はS−偏光成分で、60%以下のものがP−偏光成分である。また、太い実線は入射角45°の時の反射率特性、点線が40°の時の反射率特性、○で示した実線は50°の時の反射率特性を示している。
【0053】
実施例1と比較例1の測定結果を比較する。偏光ビームスプリッタの機能を向上させるためには、各偏光成分における分光特性は、反射光に対しては80%以上の反射率、透過光に対しては20%以下の反射率が必要である。図3から分かるように、実施例1の偏光ビームスプリッタは、可視光の波長領域である0.4μm〜0.7μmにおいて、非常に良好な分光特性を有していることがわかる。
これに対して図4に示した比較例1の偏光ビームスプリッタは、入射角45°における0.40から0.45μmでのS−偏光成分、入射角45°における0.45から050μmでのS−偏光成分、及び入射角40°における0.55から0.65μmのP−偏光成分、入射角50°における0.40から0.50μmのP−偏光成分は、充分な分光特性を満たしているとはいえない。特に比較例1に対して実施例1の分光特性は、入射角度が変化した場合のP−偏光の特性が大きく向上していることがわかる。
【0054】
また、実施例1における偏光ビームスプリッタの分光特性の測定は、偏光ビームスプリッタ1の全面においても同様の測定を行った。それらはすべて図3に示す分光特性とほぼ同様の良好な測定結果であった。
【0055】
(比較例2)
次に比較例2として、図6に示すライン状の誘電体多層膜26a、26b、26c、26dを有し、それらの間に接続用多層膜がない偏光ビームスプリッタを実施例1と同様にして製造した。
【0056】
ここで得られた偏光ビームスプリッタは、目視の段階で、基板周辺部が白く曇っているのが確認でき、光学部品としては明らかに不適格なものであった。より詳細に検討するために、白く曇った部分をSEMで観察した。その結果、白く曇った部分においてライン状の誘電体多層膜は、図7に示すように傾斜していた。
そのため隣接するライン状の誘電体多層膜との間隔が、ある位置では非常に狭くなり、接触し間隔がなくなっている所もあった。またある位置では間隔非常に広がっており、場合によってはほぼ2倍に広がっていた。ライン状の誘電体多層膜の間隔は、偏光ビームスプリッタの偏光特性を充分に発揮できるように、あらかじめ設計されている。特に間隔が広がると、設計中心波長が長波長側へシフトすることとなり、偏光ビームスプリッタの偏光特性を著しく損なってしまう。従って比較例2における偏光ビームスプリッタの偏光特性は、明らかに充分な機能を満足するものではない。
【0057】
以上説明したように、本発明においては、可視光の波長よりも幅の狭いライン状の多層膜を、隣り合ったライン状の多層膜との間隔が可視光の波長よりも狭くなるように形成し、隣り合ったライン状の多層膜の間を、接続用多層膜により接続し補強する事を特徴としている。これにより透明基板上の、多層膜により形成された凸部と、多層膜の形成されていない凹部とのアスペクト比が高い場合であっても、多層膜は倒れることなく、信頼性の高い光学部品を提供する事ができる。特にアスペクト比が4以上である場合には、この構成は有効である。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、波長400nm〜700nmの可視光に対しても、良好な偏光特性を得ることができる光学部品であって、光学素子に表面に形成する微細凹凸形状の多層膜のアスペクト比が高い場合であっても、その製造工程や実用過程において、その形状を安定して確保することをできる。また、非常に安価な製造装置で確実に微細凹凸形状形成し、尚且つ有機溶剤を用いないため、環境的にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタの斜視図
【図2】第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタの製造プロセスを示す断面図
【図3】実施例1の光学部品の分光特性を示すグラフ
【図4】比較例1の光学部品の分光特性を示すグラフ
【図5】従来の干渉膜キュービックタイプの偏光ビームスプリッタを示す断面図
【図6】従来の偏光ビームスプリッタを示す断面図
【図7】従来の偏光ビームスプリッタの課題を説明する断面図
【符号の説明】
1、21 偏光ビームスプリッタ
2、12a、12b、22 透明基板
3、13、23 低屈折率層
4、14、24 高屈折率層
5、25 HL交互層
6a、6b、6c、6d、26a、26b、26c、26d ライン状の多層膜
7a、7b、7c、7d、7e、7f 接続用多層膜
8 中間層
9 レジスト層
10 マスク
11 縮小レンズ光学系
Claims (11)
- 光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層された多層膜を、平行な複数列のライン状に形成した光学部品において、該平行な複数列の多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有し、可視光の波長よりも狭い間隔で形成されており、隣り合って位置するライン状の多層膜は少なくとも1箇所において、該多層膜と同じ層構成を有する接続用多層膜により連結されている事を特徴とする光学部品。
- 前記接続用多層膜の幅は可視光の波長よりも狭い事を特徴とする請求項1記載の光学部品。
- 前記隣り合って位置するライン状の多層膜は、少なくとも2箇所以上で前記接続用多層膜により連結されており、該隣り合う接続用多層膜の間隔は可視光の波長の5倍以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の光学部品。
- 前記ライン状の多層膜のアスペクト比は4以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学部品。
- 光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層された多層膜を形成した光学部品において、該多層膜は、該基板に対して該多層膜か形成されている場所とされていない場所とからなる井桁形状に形成されており、該井桁形状の多層膜は、一方の平行に配置された多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有しており、可視光の波長よりも狭い間隔で隣り合って形成されていることを特徴とする光学部品。
- 前記井桁形状の多層膜のうち、他方の平行に配置された多層膜は、可視光の波長よりも狭い幅を有しており、可視光の波長の5倍以上の間隔で隣り合って形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光学部品。
- 前記井桁形状の多層膜のアスペクト比は4以上であることを特徴とする請求項6に記載の光学部品。
- 光学素子からなる基板の上に、異なる屈折率を有する2つの膜が交互に積層して多層膜形成し、該多層膜の上に中間層を形成し、該中間層の上にレジスト層を形成し、該レジスト層を井桁状にパターニングし、該レジスト層をマスクとして該中間層をエッチングし、該中間層をマスクとして該多層膜をエッチングし、該中間層を剥離した後、洗浄することで、基板の上に井桁形状の多層膜が形成された光学部品を得ることを特徴とする光学部品の製造方法。
- 前記井桁形状の、一方の平行に配置された部分の幅が可視光の波長よりも狭い幅であり、かつ可視光の波長よりも狭い間隔で隣り合っていることを特徴とする請求項8に記載の光学部品の製造方法。
- 前記井桁形状の、他方の平行に配置された部分の幅が可視光の波長よりも狭い幅であり、かつ間隔は可視光の波長の5倍以上の間隔で隣り合っていることを特徴とする請求項9に記載の光学部品の製造方法。
- 前記井桁形状の多層膜のアスペクト比は4以上であることを特徴とする請求項9または10に記載の光学部品の製造方法。
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