JP2005258053A - 透過型回折格子 - Google Patents

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奈緒子 引地
Kenichi Nakama
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    • G02B5/1871Transmissive phase gratings

Abstract


【課題】 溝のピッチが小さく分解能と分散が大きい場合であっても、広い波長域で偏光依存損失が小さくかつ高い回折効率が得られる透過型回折格子を提供する。
【解決手段】 使用する波長域で透明な基板20の片面に、使用する波長域で透明な複数の平行なリッジ22を設け、このリッジ間に一定周期aで平行な溝24を形成した透過型回折格子10を作製する。この透過型回折格子の溝の形成された面から光を入射し、溝の形成されていない基板面から回折光を取り出すとき、溝の周期aを、使用する波長域の中心波長をλcとして、0.51λc〜1.48λcの範囲とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は分光分析や光計測、光通信等の分野において使用される透過型回折格子に関する。
単位幅あたりの溝本数がN、幅がWの回折格子において、波長λの光のm次回折光の回折角度がθ'のとき、この回折格子の分解能λ/Δλは次式で表される。
λ/Δλ=mNW
また、角分散Δθ'/Δλは次の式で表される。
Δθ'/Δλ=mN/cosθ'
回折格子の分解能や角分散が大きければ大きいほど、分析機器または測定機器としての精度や感度が向上する。また光学系も小型にすることができる。そのため、回折格子における分解能と角分散はより大きい方が望ましい。
分解能と角分散を大きくするためには、前述の式から、回折次数mが高い回折光を利用する方法と、回折格子の溝本数を増やす方法とが考えられる。
しかし、高次数の回折光を利用すると次のような問題がある。一般的に高次数の回折光は低次数の回折光よりも回折効率が低い。特に一般の透過型回折格子においてはその傾向が顕著であり、通常は±1次光を利用する場合がほとんどである。
さらに、高次回折光を使用するとフリースペクトルレンジによる帯域制限が発生する。回折次数mの回折光を波長λからλ'で使用する場合、回折光の重なりを防ぐためには以下の条件を満足していなければならない。
λ'−λ ≦ λ/m (λ<λ')
上記のような帯域制限は、多波長または広波長域での回折格子の使用に対し、大きな妨げとなる。これらの帯域制限はフィルタや複数の検出器等を用いることで回避することができるが(例えば、非特許文献1参照)、光のエネルギー損失が大きくなったり構成が複雑になったりするという問題がある。そのため、溝本数を増やして分解能および分散を大きくする方法がより簡便で有利である。
吉原邦夫著、「物理光学」、共立出版株式会社、1966年、p.111
しかしながら分解能や分散を大きくするために溝本数を多くし、溝の周期を小さくすると、回折効率の偏光依存が大きくなったり、エネルギーの利用効率が下がったりする傾向があることが知られている。また、広い波長域で高い回折効率を安定して得ることも難しい。これらの傾向は特に溝の周期aと波長λを同程度または溝の周期aを波長λ以下にすると、顕著に現れる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、溝の周期が小さく分解能と分散が大きい場合であっても、広い波長域で偏光依存損失が小さくかつ高い回折効率が得られる透過型回折格子を提供することを目的とする。
本発明においては、使用する波長域で透明な基板の片面に、使用する波長域で透明な複数の平行なリッジを設け、このリッジ間に一定周期aで平行な溝を形成した透過型回折格子を対象とする。この透過型回折格子の溝の形成された面から光を入射し、溝の形成されていない基板面から回折光を取り出すとき、溝の周期aを、使用する波長域の中心波長をλcとして、0.51〜2.16λcの範囲とする。溝の周期は、望ましくは0.51λc〜1.48λcの範囲であり、0.51λc〜1.1λcの範囲であればより好ましい。
溝の周期aが1.48λcであると、中心波長λcがブラッグ条件を満たす入射角で、λc−0.013λcの波長をもつ光を入射させても+2次光および−2次光が発生しない。このため使用する波長域で±1次回折光に対して高い回折効率を得ることができる。
上記の溝の周期aは1.48λcより短くなればなるほど+2次光、−2次光が発生しにくくなるのでより好ましい。特に、1.1λc以下の溝周期であれば、分散を大きくできるので、より望ましい。
一方で、透過型回折格子の場合、分散を大きくすると、回折角が基板と出射側媒質の界面で全反射条件となり、回折光が基板外に出られなくなる。このため、aは0.51λc以上とすることが望ましい。これによって全反射によって妨げられることなく、使用する波長域における回折光を取り出すことができる。
上記のリッジと溝から構成される周期構造の平均屈折率は1,26〜1.80の範囲とすることが望ましい。
周期構造の平均屈折率nが1.26以上であると、回折効率の偏光依存性が小さく抑えられる。また、nが1.8以下であると、高い回折効率を得ることができる。
さらに、リッジ部分の屈折率Nと、溝の幅dと溝の周期aの比D=d/aとが、Nを縦軸としDを横軸とするD−N平面において、以下の座標で示される点(D,N)で囲まれる範囲内にあることが望ましい。
(0.30,1.87)、(0.30,2.30)、(0.62,2.30)、
(0.70,2.14)、(0.70,1.37)、(0.50,1.52)
(0.40,1.65)
DとNの関係は次式で表される。
(N−1)×D=n−1
ここでnが上記のように1.26〜1.8の範囲であることが好ましく、実際の回折格子の製造においてはDが0.3〜0.7の範囲が好ましく、またNは通常2.3以下であることを考慮すると、上記の範囲が得られる。すなわち、上記範囲であれば、優れた特性の回折格子を容易に製造することができる。
上記リッジ部分は複数の材料から構成されていることが好ましい。複数の材料を組み合わせて使用することにより、上記の周期構造の平均屈折率nを材料固有の屈折率に制限されずに調整することができる。
さらに溝の深さhを、使用する波長域の中心波長λcに対して0.8λc〜8.0λcの範囲とすることが望ましい。溝の深さが0.8λcより浅いと高い回折効率は得られず、また8.0λcより深いと広い波長域で平坦な光学特性を得ることができない。
また、溝の深さhの溝の幅dに対する比で定義されるアスペクト比h/dは6.8以下であることが望ましい。回折格子の溝の作製プロセスを考慮した場合、溝の深さは浅い方がより好ましく、アスペクト比が6.8以下であると、上記光学特性を維持しつつ溝の加工を容易にすることができる。
本発明の構成をとることにより、高い分解能と角分散を有し、かつ広い波長域で高い回折効率と低い偏向依存損失が実現できる透過型回折格子を提供できる。
本発明の透過型回折格子の実施形態を以下に説明する。
図1は上記課題を解決するための本発明の透過型回折格子10の断面形状の模式図である。平板状基板20の片面に複数のリッジ部22と溝部24が交互に一定周期aで配列された周期構造が形成されている。この回折格子は透過型であるので、少なくとも使用する波長域で透明な材料で構成する必要がある。
本発明の透過型回折格子は、周期構造の形成された面から光を入射し、周期構造の無い基板面から回折光を取り出す条件下で使用する。また、この条件下で発生する+1次回折光または−1次回折光を信号として取り扱う系において使用する。なお図1に示した符号は一例であり、−1次を+1次と読み替えても良い。
本発明の透過型回折格子は、高い回折効率を得るために、設計上の中心波長λにおいて次式で示されるブラッグ条件を満たすような回折次数m、溝の周期aおよび入出射角θでの使用を基本とする。
mλ=2asinθ
上記のような透過型回折格子の製造方法についてつぎに説明する。
リッジ部は透明基板自体を加工して作製してもよいが、透明基板上に別の透明材料を所定の厚みになるように堆積し、これを加工してもよい。これらの表面にエッチング時のマスクになるCr膜をスパッタ成膜する。その後、所望の溝周期及び溝幅が得られるようフォトリソグラフィとエッチングによってこのCr膜をパターニングし、ストライプ状のエッチングマスクを作製する。
次いで、誘導性同軸プラズマ型反応性イオンエッチング(ICP−RIE)装置を用いて、上記のマスクを介して気相エッチングを行って所定の矩形溝構造を作製する。透明基板および透明材料はガラスや透明樹脂の他、光学膜に使用される誘電体など一般的な材料で所望の屈折率を得られる材料を選択できる。
リッジ部あるいは溝部の断面形状は、実質矩形として近似される形状であればよい。例えば、リッジの上底と下底の長さがやや異なった台形状となっていてもよい。また、リッジ側面が基板表面に対して垂直からわずかに傾いていてもよく、使用波長域の光が散乱を生じない程度の微小な凹凸や、緩やかな曲面になっていてもよい。リッジの上底や溝の底が球面状になっていてもよい。特に、先端部分が細くなったリッジの形状は光学的な特性に与える影響が小さく、許容できる。
上記の方法で、数種類の材料を用い、溝の周期と幅を変えた複数の回折格子を作製し、光学特性を測定した。以下にうち4例について説明する。その他については説明を省略し、形状と光学特性を表1にまとめた。
[実施例1]
上記の方法により、石英基板(波長1500nmにおける屈折率1.45)に溝本数939本/mm、溝の周期aに占める溝幅dの割合(デューティ比D=d/a)0.8、溝深さ5.3μmの矩形溝を有する透過型回折格子を作製した。
この回折格子を中心波長λc=1500nmとし、回折格子面側から入射角45°で光を入射して、1500nmの光の−1次回折角度が−45°となるような系で回折効率を測定した。
TEモードとTMモードに対する回折効率と偏向依存損失(PDL)の波長依存性を図2に示す。TEモード、TMモードともおよそ1500±100nmの範囲で80%以上であり、PDLは1500±300nmの範囲で±1dB以内と良好な特性が得られた。
[実施例2]
実施例1と同様な方法で石英基板に溝本数800本/mm、デューティ比0.7、溝深さ3.9μmの矩形の溝を有する透過型回折格子を作製した。この回折格子を中心波長λc=1550nmとし、回折格子面側から入射角38°で光を入射して、1550nmの光の−1次回折角度が−38°となるような系で回折効率を測定したところ、図3に示すように回折効率の値はTEモード、TMモードともおよそ1550±140nmの範囲で80%以上であり、またPDLは1550±250nmの範囲で±1dB以内と良好な特性が得られた。
[実施例3]
石英基板上にTiO2膜を膜厚1.4μmとなるように成膜し、このTiO2膜を加工して溝本数900本/mm、デューティ比0.5の矩形の溝を有する透過型回折格子を作製した。溝部はTiO2膜をすべて除去するようにエッチングし、したがって溝深さはTiO2膜を膜厚に等しい1.4μmである。
この回折格子を中心波長λc=1550nmとし、回折格子面側から入射角44°で光を入射して、1550nmの光の−1次回折角度が−44°となるような系で回折効率を測定したところ、図4に示すように、回折効率の値はTEモードでおよそ1500〜1700nm、 TMモードでおよそ1600〜1800nmの範囲で80%以上であり、またPDLは1550±250nmの範囲で±1dB以内と良好な特性が得られた。
[実施例4]
石英基板上にTa25膜を膜厚1.4μmとなるように成膜し、このTa25膜を加工して溝本数900本/mm、デューティ比0.5の矩形の溝を有する透過型回折格子を作製した。溝部はTa25膜をすべて除去するようにエッチングし、したがって溝深さはTa25膜を膜厚に等しい1.4μmである。
この回折格子を中心波長λc=1550nmとし、回折格子面側から入射角44°で光を入射して、1550nmの光の−1次回折角度が−44°となるような系で回折効率を測定したところ、図5に示すように、回折効率の値はTEモードでおよそ1500〜1700nm、 TMモードでおよそ1600〜1800nmの範囲で80%以上であり、またPDLは1550±250nmの範囲で±1dB以内と良好な特性が得られた。
[比較例]
実施例1と同様な方法で石英基板に溝本数939本/mm、デューティ比0.56、溝深さ3.9μmの矩形の溝を有する透過型回折格子を作製した。この回折格子を中心波長λc=1550nmとし、回折格子面側から入射角45°で光を入射して、1550nmの光の−1次回折角度が−45°となるような系で回折効率を測定したところ、図6に示すように回折効率の値はTEモード、TMモードと80%以下であり、TEモードとTMモードで回折効率が最大になる波長が150nmもずれていることからPDLが±1dB以内である波長範囲も1400〜1550nm程度に限られている。
表1に示したすべての結果に基づいて、透過型回折格子の好ましい範囲を定める。
Figure 2005258053
溝の周期をaとして作製された回折格子は、上式を満たすブラッグ条件からある程度外れた波長、入射角であっても使用上十分な回折効率を得ることができる。図7は溝本数700本/mm、デューティ比0.56、溝深さ2.4μmの回折格子の波長1500nmにおける1次回折光の回折効率の入射角度依存性を示している。θ=31°がブラッグ条件を満たす入射角度であるが、この角度から±10°の範囲であれば使用上問題のない約80%以上の回折効率が得られている。
また入射角度がブラッグ条件から±10°の範囲で生じる出射角の変化と同等な出射角の変化をもたらすような範囲の波長λ、溝周期aのずれも許容される。このような特性は本発明の透過型回折格子であれば一般に満たされる。ただし入射角度は89度を超えない範囲であって、また入射角度の符号が変わらない範囲であるものとする。
一般に、矩形の溝からなる回折格子は高次の回折効率が低くなる傾向にあるため、比較的溝の本数が少なく+2回折光または−2次回折光の存在が許容される使用条件であっても、+1次回折光または−1次回折光の回折効率を高く保つことがある程度可能である。
しかし+1次回折光または−1次光を信号として取り扱う系においては、+1次回折光または−1次光の回折効率をなるべく高くするために、+2次回折光または−2次回折光が発生しない条件下で使用することが望ましい。本発明の透過型回折格子は、前述のブラッグ条件下で+2次光または−2次光が発生しないような溝本数をもつように作製することでより効果が得られる。
図8に溝周期に対する+2次回折光または−2次回折光のカットオフ波長を示した。溝周期、カットオフ波長とも使用波長域の中心波長λcで規格化して示している。実線より短い周期であれば+2次回折光または−2次回折光は発生しない。溝周期を1.48λcとすると、中心波長λcがブラッグ条件を満たす入射角で、λc−0.013λcの波長をもつ光を入射させても+2次光および−2次光が発生しないことがわかる。
例えばλc=1550nmとすると、溝周期を1.48λc=2294nmとなるようにすれば、ブラッグ条件下において1530nmより長波長側では+2次光および−2次光が発生せず、光通信におけるCバンド帯全域で高い回折効率を得るのに有効である。
溝周期は1.48λcより短くなればなるほど+2次光、−2次光が発生しにくくなる。図8に合わせて示したように、1.1λc以下の溝周期であれば、角分散が大きくなるため、より望ましいと言える。
一方で、透過型回折格子の場合、角分散を大きくすると、回折角が基板と出射側媒質の界面で全反射条件となり、回折光が基板外に出られなくなる。この意味のカットオフ波長の特性についても図8に示した。図から波長λcにおいて0.51λc以上の溝周期であることが望ましい。例えばλc=1550nmとすると、0.51λc以上の溝周期であれば1565nmより短波長の光は一般的な透明ガラス基板において全反射することなく取り出すことが可能であるため、光通信におけるCバンド帯全域で本発明の回折格子を使用することが可能である。
以上より、溝の周期aは、使用する波長域の中心波長をλcとして、0.51λc〜1.48λcの範囲とすることが望ましいことがわかる。上限は1.1λc以下の範囲であればより好ましい。この範囲に溝の周期を設定することにより、±2次回折光の発生を防ぎ、大きな角分散を得、かつ回折光は全反射することなく取り出すことができる。
回折格子の回折効率は溝の形状に大きく依存する。透過型回折格子の場合、さらに回折格子の溝を形成している材料の屈折率が回折効率に大きな影響を与える。透過型回折格子においては、溝の形状と材料の屈折率の両方を最適化することによって回折効率の高い回折格子を得ることができる。
透過型回折格子の場合、回折格子の周期構造を形成している材料の屈折率が回折効率に大きな影響を与える。透過型回折格子においては、リッジ部(溝部)の形状と材料の屈折率の両方を最適化することによって回折効率の高い回折格子を得ることができる。
図9(a)に示すように回折格子の溝の周期をa、溝の幅をd、溝の深さをhとし、周期構造の1周期分の断面積をS=a×hとして、溝部の断面積をS"、リッジ部の断面積をS'とする。すなわち、S'=S−S"である。このとき、回折格子の周期構造の平均的な屈折率nを
n=(S'/S)×N1+(S"/S)×N2
で表すこととする(本発明では、これを周期構造の平均屈折率と呼ぶ)。ただし、N1はリッジ部の屈折率、N2は溝部の屈折率である。
ここで上式は、デューティ比D(=d/a)を用いてつぎのように書き直せる。
n=D×N1+(1−D)×N2
溝部が空気であるとすると、N2=1であるから、上式は、
(N1−1)×D=n−1
となる。
図10はN1(改めてNと表す)とDの関係を平均屈折率nをパラメータにして示した図である。表1の結果から周期構造の平均屈折率nが1.26以上であると、回折効率の偏光依存性が小さく抑えられる。また、nが1.8以下であると、高い回折効率を得ることができる。図10に太い実線で示した2本の曲線がn=1.26とn=1.8に相当する曲線である。
したがってこの2曲線で挟まれる領域が好ましいことになる。たたし、周期構造を安定して形成するためには、デューティ比Dは0.3〜0.7の範囲が望ましく、また通常使用できる材料を考慮するとN≦2.3であるので、図10に示す斜線の領域が好ましい範囲となる。(D,N)の座標で示すと、この領域はつぎの座標の点で囲まれる領域と言える。
(0.30,1.87)、(0.30,2.30)、(0.62,2.30)、
(0.70,2.14)、(0.70,1.37)、(0.50,1.52)
(0.40,1.65)
なお、回折格子のリッジ部を形成している材料は1種類の材料でなくても良い。例えば図11(a)に示すようにリッジ部32がそれぞれに厚みを持つ複数種類の材料が積層された構造であってもよい。この場合、リッジ部32を形成している材料の見かけの屈折率N1’は、各材料の屈折率をn1、n2、n3、・・・とし、材料ごとの断面積をS1"、S2"、S3"、・・・とすると次の式で表される。
N1’=(S1"/S)×n1+(S2"/S)×n2+(S3"/S)×n3+・・・
また例えば図11(b)に示すように、リッジ部42が低屈折率材料と高屈折率材料を交互に積層した多層構造であってもよい。この場合、N1’は見かけ上、低屈折率と高屈折率の中間の値となる。以上の場合は見かけ上の屈折率を、リッジ部の材料の屈折率N1として扱い、図10の望ましい範囲を設定する。
本発明の透過型回折格子は図9(a)に示すように溝の断面形状が矩形であることを特徴としている。作製プロセス上生じる角の鈍りや図9(b)に示すように側面の傾きがあっても、その形状が実質矩形とみなせるならば発明の効果が得られる。ただし、上記の平均屈折率に関しては、形状を考慮する必要がある。図9(b)のような場合であれば、リッジ部の断面積S"が矩形の場合より小さくなるので、平均屈折率は低下する。
透過型回折格子の光学特性は、周期構造の平均屈折率だけでなく、溝の深さhにも強く依存する。図12は80%以上の回折効率が得られる波長域(これを帯域幅と定義する)の溝深さhに対する変化を実施例に基づいて示している。hが大きく溝が深いと帯域が狭くなる傾向があり、溝が深すぎると広い波長域で良好な特性が得られない。また、hが小さく溝の深さが浅すぎると高い回折効率は得られない。したがって溝の深さhは0.8λc〜8λcであることが望ましい。
ただし、回折格子の作製プロセスを考慮した場合、溝の深さは浅い方が作製が容易でありより好ましい。溝の幅をdとしたとき、溝の深さhとの比h/dをアスペクト比とし、このアスペクト比と上記帯域幅の関係を図13に示す。この結果から、アスペクト比は6.8以下であることが望ましい。
本発明の透過型回折格子の基本構成を示す断面模式図である。 本発明の透過型回折格子の回折効率と偏光依存損失の波長依存性の一例を示す図である。 本発明の透過型回折格子の回折効率と偏光依存損失の波長依存性の他の例を示す図である。 本発明の透過型回折格子の回折効率と偏光依存損失の波長依存性の他の例を示す図である。 本発明の透過型回折格子の回折効率と偏光依存損失の波長依存性の他の例を示す図である。 透過型回折格子の回折効率と偏光依存損失の波長依存性の比較例を示す図である。 本発明の透過型回折格子の回折効率の入射角依存性を示す図である。 本発明の透過型回折格子のカットオフ波長と角分散の溝周期依存性を示す図である。 本発明の透過型回折格子の周期構造の平均屈折率の説明図である。 本発明の透過型回折格子のデューティ比とリッジ部の屈折率の関係を示す図である。 リッジ部を複数材料で構成した本発明の透過型回折格子の断面模式図である。 本発明の透過型回折格子の溝深さと帯域幅の関係を示す図である。 本発明の透過型回折格子のアスペクト比と帯域幅の関係を示す図である。
符号の説明
10 透過型回折格子
20 基板
22 リッジ部
24 溝部

Claims (8)

  1. 使用する波長域で透明な基板の片面に、使用する波長域で透明な複数の平行なリッジを一定周期で設け、該リッジ間に平行な溝を形成した透過型回折格子において、該透過型回折格子の溝の形成された面から光を入射し、溝の形成されていない基板面から回折光を取り出すとき、使用する波長域の中心波長をλcとして、溝の周期aを0.51λc〜2.16λcの範囲としたことを特徴とする透過型回折格子。
  2. 前記溝の周期aを、0.51λc〜1.48λcとしたことを特徴とする請求項1に記載の透過型回折格子。
  3. 前記溝の周期aを、0.51λc〜1.1λcとしたことを特徴とする請求項2に記載の透過型回折格子。
  4. 前記リッジと溝から構成される回折格子領域の平均屈折率を1,26〜1.80の範囲としたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の透過型回折格子。
  5. 前記リッジ部分の屈折率Nと、溝の幅dと溝の周期aの比D=d/aとが、Nを縦軸としDを横軸とするD−N平面において、以下の座標で示される点(D,N)で囲まれる範囲内にあることを特徴とする請求項4に記載の透過型回折格子。
    (0.30,1.87)、(0.30,2.30)、(0.62,2.30)、
    (0.70,2.14)、(0.70,1.37)、(0.50,1.52)
    (0.40,1.65)
  6. 前記リッジが複数の材料から構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の透過型回折格子。
  7. 前記溝の深さhを、使用する波長域の中心波長λcに対して
    0.8λc〜8.0λcの範囲としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の透過型回折格子。
  8. 前記溝の深さhの溝の幅dに対する比で定義されるアスペクト比h/dが6.8以下であることを特徴とする請求項7に記載の透過型回折格子。
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