JP2004050648A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Yoshiaki Ishibashi
石橋 良晃
Ryoichi Fujii
藤井 亮一
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Abstract

【課題】耐水性の良くないジヒドロキシジフェニルスルホン類を顕色剤とする感熱記録材料において、発色濃度が濃く、発色画像の保存安定性に優れるうえ、耐水性を改善する。
【解決手段】ジヒドロキシジフェニルスルホン類を顕色剤とする感熱記録材料において、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミドなどの分子内にエーテル結合を有する特定のスルホンアミド誘導体を増感剤を用いるとともに、脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物の少なくとも一種を併用することにより、発色感度が濃く、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性の画像の保存安定性に優れるうえ、耐水性を実用水準以上に有効に改善できる。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はジヒドロキシジフェニルスルホン類を顕色剤とする感熱記録材料に関して、増感剤としてのエーテル結合を有する特定のスルホンアミド誘導体に、脂肪族アミド化合物、ヒンダードフェノール化合物などの少なくとも一種を併用することにより、発色濃度が濃く、画像の保存安定性に優れるとともに、耐水性を改善できるものを提供する。
【0002】
【発明の背景】
電子供与性の無色染料である発色剤と電子受容性の顕色剤との発色反応を利用した記録材料としては、感熱紙、ノーカーボン紙などがよく知られている。なかでも、感熱記録材料は比較的簡単な装置により鮮明な記録が得られるという優れた利点により、ファクシミリ、計測用記録計、コンピュータ−端末機、ラベル印刷機、乗車券等の発券機、プリンターなどの様々な分野で広範囲に使用されている。
これらの感熱記録材料は、基本的に、発色剤、顕色剤、発色感度向上用の増感剤、顔料などの構成成分を、接着剤を添加した系で別々に粒度制御した微粉砕の水分散液として調製した後に混合して、プラスチック、紙、合成紙などの支持体上に塗布乾燥し、感熱発色層として仕上げたものである。
【0003】
上記感熱記録材料は地肌が白く、低エネルギーでの発色感度と発色濃度が高いこと、さらには様々な環境下での画像の保存安定性に優れることが要求される。増感剤はこれらの要求に応えるべく、顕色剤と共に感熱記録材料に含有されるが、一般に、増感剤は発色感度と濃度向上には大きく寄与するが、その反面、経時により記録画像の濃度低下や地肌かぶりが発生し易い一因にもなっている。
また、近年ではこれらの感熱記録材料にも環境保全への配慮が求められている。例えば、感熱記録用の顕色剤として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(慣用名:ビスフェノールA)がファクス用として主に使用されて来たが、環境ホルモンの懸念があるため、これに替わる顕色剤が要望されている。
その有力候補の一つが4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン(慣用名:ビスフェノールS)であり、環境への安全性と製造コストの点で有望である。しかしながら、ビスフェノールSは他の顕色剤に比べて融点が248.5℃と非常に高く、従来の増感剤によっても発色感度、記録の保存性の両立は充分とはいえない。このため、より増感効果の高い増感剤が求められており、特に、顕色剤がビスフェノールSのようなジヒドロキシジフェニルスルホン類である場合に優良な増感効果が得られる増感剤の開発が要請されている。
【0004】
【従来技術】
上記増感剤の役割は、一般に、電子供与性の無色染料であるロイコ染料(即ち、発色剤)と電子受容性の酸性物質である顕色剤を熱により発色反応させる際に、これらの融点より低い温度で溶け、溶融時の粘度が低く、発色剤と顕色剤を短時間のうちに溶解させることにより、迅速な発色感度と濃い画像形成を促進することにある。
この場合、増感剤の融点が低いと、発色感度、濃度が良好になる反面、地肌かぶりが起こり易く、逆に、増感剤の融点が高いと、耐熱地肌かぶり性が改善される反面、発色感度、濃度が低下する傾向が少なくなく、発色感度と耐熱地肌かぶり性の両方を円滑に改善することは容易でない。
【0005】
特開平11−157220号公報(以下、従来技術1という)には、ビスフェノールSを顕色剤に用いた感熱記録材料において、発色感度の高さを確保し、保存安定性を改善する目的で、ジフェニルスルホン、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン、4,4′−ジメチルジフェニルスルホンなどの特定のジフェニルスルホン誘導体を増感剤とし、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン等のヒンダードフェノール化合物などを保存安定剤として含有したものが開示されている。
同じく、ヒンダードフェノール化合物を含有させて、画像の保存安定性の向上を目的としたものとしては、特開昭59−2884号公報、特開昭61−160291号公報の感熱記録材料がある。
特開2001−225554号公報には、保存性と地肌かぶりの改善を目的として、ビスフェノールSなどを顕色剤として含有し、p−トリルスルホニルアミノベンジル、p−フェニルスルホニルアミノジベンジルなどの特定化合物を増感剤として含有する感熱記録材料が開示されている。
また、特開2001−63216号公報(以下、従来技術2という)には、発色感度と画像の保存安定性を向上し、画像の粉ふきを防止する目的で、顕色剤としてのジヒドロキシジフェニルスルホン類に、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸モノアミドを増感剤として含有するとともに、ベンゼンスルホンアミド、トシルスルホンアミドなどのスルホンアミド化合物を発色感度と耐熱性の改善用に含有した感熱記録材料が開示されている。
同じく、ジヒドロキシジフェニルスルホン類を顕色剤とし、脂肪族アミド化合物を含有させて画像の保存安定性を向上しようとするものに、特開2002−52832号公報、特開2002−52834号公報の感熱記録材料がある。
さらに、特開平11−78252号公報(以下、従来技術3という)には、発色性を向上し、耐熱地肌かぶり性、耐可塑剤性、耐油性などの保存安定性を改善する目的で、顕色剤としての2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンに、増感剤としての特定のベンゾトリアゾール類と、安定剤としての合成パラフィンワックスを含有した感熱記録材料が開示されている。
【0006】
上記従来技術では、上記特定の増感剤を選択することなどにより、発色感度と濃度の向上は期待できる反面、発色感度と保存安定性の両立は容易でないという前述の記載からも推定できるように、これらの従来技術は、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性などの画像の保存安定性の点では充分に満足し得る水準ではなく、さらなる改良が望まれる。
【0007】
【先願技術】
本出願人は、特願2002−69956号(以下、先願技術という)で、分子内にエーテル結合とスルホニルアミノ基の両方を含み、且つ、これらがアルキレン基を介して隣接状に位置した化合物、即ち、エーテル結合を有する特定のスルホンアミド誘導体を増感剤として感熱記録材料に含有すると、発色感度と発色濃度を良好に確保しながら、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性などの画像の保存安定性を満足すべき水準に向上できること、特に、顕色剤がビスフェノールSに代表されるジヒドロキシジフェニルスルホン類である場合、顕著な増感効果を達成できることを提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、日常生活においては、感熱記録紙や感熱記録型の商品ラベルに水がかかったり、冷蔵庫から取り出した容器の感熱ラベルに水滴が付着したりする頻度は高いことから、感熱記録材料の耐水性を向上することも大きな課題である。
上記先願技術において、顕色剤がジヒドロキシジフェニルスルホン類である場合には、増感効果が高まる反面、このジヒドロキシジフェニルスルホン類は耐水性が不充分であり、耐水性を使用に耐える実用水準、或はそれ以上のレベルに改善することが求められる。
そこで、感熱記録材料の耐水性を改善することを目的とした従来技術を挙げると、特開平6−127124号公報(以下、従来技術4という)に、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを顕色剤とし、ヒンダードフェノール化合物を使用することにより、耐水性を改良しようとするものがある。
【0009】
上記従来技術4では、耐水性の改善は見られるが、発色濃度や耐可塑剤性が良くなく、不充分である。
本発明は、発色感度と発色濃度が良く、発色画像の保存安定性に優れ、しかも、耐水性を実用水準以上に改善することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術1〜4などを参考資料として鋭意研究した結果、耐水性が不充分なジヒドロキシジフェニルスルホン類を顕色剤とする場合でも、前記先願技術で提案した分子内にエーテル結合とスルホニルアミノ基の両方を含み、且つ、これらがアルキレン基を介して隣接状に位置した特定のスルホンアミド誘導体を増感剤として、脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物のうちの少なくとも一種を併用すると、発色濃度が濃く、発色画像の保存安定性に優れるうえ、耐水性を実用水準以上に有効に改善できること、また、上記特定のスルホンアミド誘導体と、脂肪族アミド化合物で代表される特定の化合物群とのうちの一方だけを使用しても上記課題を充分に達成できないことを見い出して、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明1は、無色染料である発色剤とジヒドロキシジフェニルスルホン類からなる顕色剤とを含有する感熱記録材料において、
下記の一般式(A)で表される分子内にエーテル結合を有するスルホンアミド誘導体を増感剤として含有するとともに、
【化2】
Figure 2004050648
(式(A)中、Rは無置換のベンゼン環、又はアルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子の1種或は2種以上が1〜4個置換したベンゼン環である。但し、Rが当該置換ベンゼン環の場合、隣接する置換基同士が互いに結合してさらにベンゼン環又は脂環を形成しても良い;RはC〜Cアルキレン基である;Rはメチル基、ハロゲン原子であり、nは0〜2の整数である。)
脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物よりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする感熱記録材料である。
【0012】
本発明2は、上記本発明1のエーテル結合を有するスルホンアミド誘導体が、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミドよりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種であることを特徴とする感熱記録材料である。
【0013】
本発明3は、上記本発明1又は2において、脂肪族アミド化合物が、脂肪族モノアミド及び脂肪族ビスアミドの少なくとも一種であることを特徴とする感熱記録材料である。
【0014】
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、ワックス類が、カルナバワックス及びモンタンワックスの少なくとも一種であることを特徴とする感熱記録材料である。
【0015】
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、ヒンダードフェノール化合物が、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)よりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種であることを特徴とする感熱記録材料である。
【0016】
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかにおいて、顕色剤が4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする感熱記録材料である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、無色染料である発色剤と、顕色剤であるジヒドロキシジフェニルスルホン類と、増感剤であるエーテル結合を有する特定のスルホンアミド誘導体と、脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物よりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種とを含有する感熱記録材料である。
【0018】
本発明のスルホンアミド誘導体は、上記一般式(A)で表され、基本的に、エーテル結合とスルホニルアミノ基がアルキレン基を介して隣接状に位置した構造を有する。
上式(A)のRは無置換のベンゼン環、又は置換ベンゼン環である。
この置換ベンゼン環の場合、ベンゼン環に結合する置換基はアルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子である。アルキル基としてはC〜Cアルキルが、シクロアルキル基としてはC〜Cシクロアルキルが、アルコキシル基としてはC〜Cアルコキシルが各々好ましい。ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。上記置換基の結合個数は1〜4個であり、置換基の個数が複数の場合、1種だけの置換基でベンゼン環に結合しても良いし、2種以上の置換基が結合しても良い。
また、置換ベンゼンの場合、隣接する置換基同士が互いに結合してさらにベンゼン環又は脂環を形成しても良く、例えば、Rは無置換又は置換のナフタレン環などを形成しても良いのである。
上式(A)のうち、エーテル結合の一端に位置するRはエチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基である。
上記エーテル結合の他端に位置するベンジル基を構成するベンゼン環には、置換基Rが結合しても良いし、無置換でも良い(即ち、整数n=0である)。当該置換基Rはメチル基、ハロゲン原子であり、結合する個数nは1〜2個である。ハロゲンは塩素、臭素が好ましい。
【0019】
本発明の上記一般式(A)で表されるスルホンアミド誘導体の具体例としては、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−イソプロピル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−n−プロピル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2,5−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−イソプロポキシ−ベンゼンスルホンアミド、ナフタレン−1−スルホン酸(2−ベンジルオキシ−エチル)−アミド、ナフタレン−2−スルホン酸(2−ベンジルオキシ−エチル)−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−スルホン酸(2−ベンジルオキシ−エチル)−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸(2−ベンジルオキシ−エチル)−アミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、2−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、4−エチル−N−[2−(4−メチルベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、4−イソプロピル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、4−n−プロピル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、2,5−ジメチル−N−[2−(4−メチルベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、2,4,6−トリメチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、4−メトキシ−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、4−イソプロポキシ−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、ナフタレン−1−スルホン酸[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、ナフタレン−2−スルホン酸[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−スルホン酸[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、4−クロロ−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[2−(2−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、2−メチル−N−[2−(2−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2,5−ジメチル−ベンジルオキシ)−エチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(3,4−ジメチル−ベンジルオキシ)−エチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2,5ジメチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(3,4−ジメチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−イソプロピル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−プロピル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−2,5−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホンアミド、ナフタレン−1−スルホン酸[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、ナフタレン−2−スルホン酸[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−スルホン酸[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、4−クロロ−N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−イソプロピル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−プロピル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−2,5−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホンアミド、ナフタレン−1−スルホン酸[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、ナフタレン−2−スルホン酸[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−スルホン酸[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−アミド、4−クロロ−N−[2−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(2,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミド、2−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−プロピル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0020】
本発明のスルホンアミド誘導体のなかでは、特に、本発明2に示すように、下記の化合物が好ましい。
(1)構造式(a)で表されるN−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【化3】
Figure 2004050648
(2)構造式(b)で表されるN−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【化4】
Figure 2004050648
(3)構造式(c)で表される4−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド
【化5】
Figure 2004050648
(4)構造式(d)で表されるN−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド
【化6】
Figure 2004050648
(5)構造式(e)で表されるN−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミド
【化7】
Figure 2004050648
【0021】
本発明のスルホンアミド誘導体の合成方法は、特に限定されず任意の方法で合成できる。
そこで、その具体的な合成方法を、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドに例をとって、以下に詳述する。
先ず、第一段階の反応として、氷冷下で攪拌しながらp−トルエンスルホニルクロリドに対して、約2倍当量の2−アミノエタノールと、当量の水酸化ナトリウムと、少量の水及びアセトンをフラスコに仕込んだ後、p−トルエンスルホニルクロリドのアセトン溶液を徐々に滴下する。この際、発熱を伴うので注意を要する。反応終了後、アセトンと水を除去し、塩化ナトリウムを析出させる。次いで、塩化ナトリウムが溶解する程度の水を加え、分液して、食塩水で数回洗浄する。その後、希硫酸で弱酸性になるように中和する。再度、水でもう一度洗浄し、洗浄液が弱酸性であることを確認した後、エバポレータ−で脱水し、中間体のN−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドを得るのである。
次いで、上記中間体と等モルの水酸化ナトリウム、少量のジメチルスルホキシドとを反応器に入れ、氷冷下で攪拌しながら塩化ベンジルを少しずつ滴下により加える。氷冷下で4時間反応後昇温し、さらに70〜90℃で1時間反応させ、得られた反応混合物を50℃まで冷却し、水200gを加え1時間攪拌、結晶を析出させる。次いで結晶を濾過し、水洗浄後、90℃で乾燥して目的のN−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの白色結晶物を得る。このものをさらにエタノールで再結晶し高純度の目的物を得る。
【0022】
上述のように、本発明のスルホンアミド誘導体の合成には、原料として、アミノアルコール類、芳香族系スルホニルハライド類、ベンジルハライド類を夫々使用するのである。
上記アミノアルコール類は、分子中に水酸基とアミノ基を共有する化合物であれば特に限定されず、具体例としては、2−アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノールなどが挙げられる。
上記芳香族系スルホニルハライド類の具体例としては、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、o−トルエンスルホニルクロリド、4−エチルベンゼンスルホニルクロリド、4−イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、4−n−プロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,5−ジメチルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、4−イソプロポキシベンゼンスルホニルクロリド、1−ナフタレンスルホニルクロリド、2−ナフタレンスルホニルクロリド、4−シクロヘキシルベンゼンスルホニルクロリド、4−クロロベンゼンスルホニルクロリド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−スルホニルクロリド、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニルクロリドなどが挙げられる。また、当該塩化物の代わりに臭化物、沃化物などが使用でき、その他スルホニルハライド基を有する化合物であれば特に制約されることはない。この芳香族系スルホニルハライド類の中では、特に、p−トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、o−トルエンスルホニルクロリドが好ましい。
上記ベンジルハライド類は、無置換のベンジルハライドか、ベンゼン環にメチル基又はハロゲン原子が1〜2個結合したベンジルハライドであり、特に、ベンジルクロリド、p−メチルベンジルクロリドが好ましい。また、当該塩化物の代わりに臭化物を使用することもできる。
【0023】
前記無色染料である発色剤は、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、ローダミン−ラクタム系化合物、フルオラン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ジビニルフタリド系化合物、ピリジン系化合物、スピロ系化合物、フルオラン系化合物、チアジン系化合物などがある。
これらの中でもフルオラン系化合物が好ましく、とりわけ、ジ−n−ブチルアノ−7−(2′−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−(2′−メトキシエチル)−N−イソブチルアミノ−6−メチルー7−アニリノフルオラン、3−N−(3′−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ−6−メチルー7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3′−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオランなどが好ましい。
【0024】
本発明の感熱記録材料に使用される顕色剤は、ジヒドロキシジフェニルスルホン類である。
上記ジヒドロキシジフェニルスルホン類としては、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2′−ビス(4−クロロフェノール)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2′−ビス(p−t−ブチルフェノール)スルホン、2,2′−ビス(p−t−ペンチルフェノール)スルホン、2,2′−ビス(p−t−オクチルフェノール)スルホンなどが挙げられ、特に、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)が好ましい。
【0025】
本発明の感熱記録材料においては、品質を損なわない範囲で、ジヒドロキシジフェニルスルホン類の外に、さらに公知の顕色剤を一種以上併用することができる。
上記公知の顕色剤としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシ−ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニルスルフィド、4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ−2′,5′−ジメチル−ジフェニルスルホン、2−メチル−4−ヒドロキシ−ジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビス(p−メチルフェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビス(フェニルスルホニル)−m−クレゾール、2,2′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、核置換サリチル酸エステル、核置換サリチル酸の多価金属塩、芳香族カルボン酸の多価金属塩などが挙げられる。
【0026】
また、本発明の感熱記録材料においては、品質を損なわない範囲で、本発明の特定のスルホンアミド誘導体の外に、さらに公知の増感剤を一種以上併用することができる。
公知の増感剤としては、ベヘニン酸、カプリン酸、オクチル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、(核置換)安息香酸、(核置換)サリチル酸などの一塩基酸のアミド化合物、及び当該一塩基酸のアニリド化合物、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、β−ナフチルベンジルエーテル、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、ジフェニルスルホン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、p−ベンジロキシビフェニル、ジフェニルカーボネート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、アセト酢酸アニリド、1,4−ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、トシルアニリド、ベンゼンスルホン酸アニリド、4−メチルフェノキシ−p−ビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ビス(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタンなどが挙げられる。
【0027】
本発明の感熱記録材料を構成する前記発色剤、顕色剤は単用又は併用できる。同様に、本発明のスルホンアミド誘導体からなる増感剤も単用又は併用でき、さらに、上述のように、このスルホンアミド誘導体に公知の増感剤を1種又は2種以上併せて使用することもできる。
これらの増感剤の添加割合は、発色剤100重量部に対して増感剤総量で30〜500重量部、好ましくは50〜300重量部である。
上記顕色剤の添加割合は、発色剤100重量部に対して顕色剤総量で50〜800重量部、好ましくは100〜500重量部である。
【0028】
本発明の感熱記録材料には、主に、耐水性などの改善を目的として、脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物よりなる群から選ばれた安定剤の少なくとも一種を使用する。
上記脂肪族アミド化合物としては、本発明3に示すように、脂肪族モノアミド及び脂肪族ビスアミドが適当であり、具体的には、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、N−メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸アミド)、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸アミド)、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス(12−ヒドロキシステアリン酸アミド)、ブチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、1,3−キシリレンビスステアリン酸アミド、N−ブチル−N′−ステアリル尿素、N−フェニル−N′−ステアリル尿素、N,N′−ジステアリル尿素などが挙げられる。
脂肪族アミド化合物では、ステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミドが好ましい。
【0029】
上記ワックス類としては、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、サソールワックス、木ロウ、シェラック、酸化パラフィン、酸化ポリエチレンなどが挙げられるが、本発明4に示すように、カルナバワックス、モンタンワックスが好ましい。
【0030】
上記ヒンダードフェノール化合物としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2′−チオビス(4メチル−6−t−ブチルフェノール)、4−ベンジルオキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−フェニル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3,3−テトラキス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが挙げられる。
上記ヒンダードフェノール化合物のなかでは、本発明5に示すように、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)が好ましい。
【0031】
上記脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物よりなる群から選ばれた安定剤は、その各化合物を単用又は併用しても良いし、化合物同士を複用しても良い。
これらの安定剤の使用量は特に限定されないが、発色剤100重量部に対して5〜400重量部が適当であり、20〜200重量部が好ましい。
【0032】
その他、本発明の感熱記録材料には、必要に応じて、画像の保存安定性を調整する目的で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐光性安定剤などの添加剤を使用でき、さらに、他の性能調整を目的とした各種添加剤も使用できる。
その使用量は発色剤100重量部に対して0.05〜10重量部程度である。
【0033】
感熱記録材料は、形態的には、発色剤とジヒドロキシジフェニルスルホン類からなる顕色剤と本発明の特定のスルホンアミド誘導体からなる増感剤と脂肪族アミド化合物などの安定剤を必須成分とする感熱発色層を、シート状の支持体表面に形成したものである。上記支持体としては、天然繊維を湿式抄造した通常の紙、合成紙、天然繊維と合成繊維の混抄紙、各種プラスチックシート、樹脂コーティング紙などが挙げられるが、特に紙が好ましい。即ち、感熱記録材料の好適例は感熱記録紙である。
上記感熱記録材料は公知の方法で製造でき、具体的には、通常、本発明の増感剤と公知の発色剤と顕色剤を必須成分として、その外、場合により他の公知の増感剤を併用し、各種添加剤などを加え、或はさらに必要に応じて、顔料、金属セッケン類、アミド類、ワックス類、分散剤、消泡剤などを加え、これらの各成分を微粉砕して、水溶性又は水分散性バインダーを含む水溶媒中に分散して、この分散液をシート状の支持体上に塗布、乾燥して製造される。当該各成分の微粉砕は、基本的に、アトライター、ボールミル、サンドミルなどを用いて0.5〜3μmの粒径に粉砕することにより行われる。
上記分散方法としては、各成分を個々に分散せしめたものを混合する方法、一括分散する方法などがあり、特に拘束はされないが、発色剤と顕色剤を個々に分散せしめたものを混合する方法が好ましい。
【0034】
また、上記バインダーは、支持体上に感熱発色層を形成するに際して、構成成分を支持体に結合させて剥離防止を目的とするもので、具体的には、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ポリアクリルアマイド、変性ポリアクリルアマイド、澱粉類、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダなどのポリマーを水に溶解させたもの、或は分散させたものが使用できる。
上記顔料は、感熱記録層の白色度向上、増量目的のために添加され、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、シリカ、酸化チタン、タルク、クレー、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、有機ポリマービーズなどが挙げられる。
上記金属セッケン類としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの脂肪酸の金属塩が挙げられる。
上記分散剤としては、公知の界面活性剤が使用でき、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキル燐酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸型高分子活性剤などのアニオン型界面活性剤が挙げられるが、その他、公知のノニオン系界面活性剤やカチオン系界面活性剤を使用することもできる。
【0035】
以上のように、上記感熱記録材料は、感熱発色層を構成する分散液を、シートの表面に塗工、乾燥させて得られる。
シートへの塗工方法は、感熱発色層からなる分散液をシートに塗布する方法が基本であるが、シートを分散液中に浸漬する含浸方法でも良いし、スプレーなどを用いた噴霧方法でも良い。上記塗布方法は特に限定されず、従来公知の技術、例えば、エアーナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなどが使用できる。シートへの塗布量も特に限定されないが、2〜10g/m程度が好ましい。
一方、感熱記録材料は、発色感度を良くするために、感熱発色層を形成する前に、支持体上に下塗り層を施しても良い。また、保存性を高め、外観を良くするために、感熱記録層の表面に保護層を設けることもできる。さらに、必要に応じて、感熱発色層の表面に印刷層を設けたり、感熱発色層を形成した支持体の裏面に、天然ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体等の合成ゴム系粘着剤などの粘着層を設けることもできる。
【0036】
【発明の効果】
前述したように、ビスフェノールSに代表されるジヒドロキシジフェニルスルホン類はビスフェノールAなどに比べても融点が高く、従来公知の増感剤を併用しても発色性と保存安定性を両立することは容易でないうえ、ジヒドロキシジフェニルスルホン類はビスフェノールAに比べて親水性であるために耐水性も良くない。
これに対して、本発明では、このジヒドロキシジフェニルスルホン類を顕色剤とした場合でも、エーテル結合を有する特定のスルホンアミド誘導体を増感剤に使用し、さらに、脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物のうちの少なくとも一種を安定剤として併用するため、発色感度、濃度が良く、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性などの画像の保存安定性にも優れるうえ、耐水性の改善に確実な効果がある。
即ち、後述の試験例に示すように、本発明の特定のスルホンアミド誘導体のみで、脂肪族アミド化合物などの安定剤を含まない比較例1では、耐水性に劣り、逆に、安定剤のみで、特定のスルホンアミド誘導体を含まない比較例2〜3では、発色濃度、或はさらに耐可塑剤性が劣るのに対して、特定のスルホンアミド誘導体に脂肪族アミドなどの安定剤を併用した本発明では、発色濃度が濃く、画像の保存安定性に優れ、なおかつ、耐水性もビスフェノールAを顕色剤に使用した比較例4と同等か遜色のない水準にまで有効に改善できるのである。
【0037】
【実施例】
以下、本発明のスルホンアミド誘導体の合成例、顕色剤であるジヒドロキシジフェニルスルホン類と増感剤としての当該誘導体と安定剤を含有する感熱記録紙の製造実施例、当該感熱記録紙の発色及び保存性能試験例を順次説明する。実施例、試験例中に示された「%」、「部」は基本的に重量基準である。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0038】
《スルホンアミド誘導体の合成例》
(1)合成例1
第一段階の反応工程として、モノエタノールアミン122g、水酸化ナトリウム40g、少量の水及びアセトンをフラスコに仕込んだ。このフラスコ内の混合溶液を氷冷下で攪拌しながら、アセトンに溶解したp−トルエンスルホニルクロリド190gを徐々に滴下した。3時間反応した後、エバポレーターでアセトンと水を除去して、塩化ナトリウムを析出させた。その後、塩化ナトリウムが溶解する程度の水を加え、分液して、食塩水で2回洗浄した後、希硫酸で弱酸性になるように中和した。分液して水でもう一度洗浄し、洗浄液が弱酸性であることを確認した。
次いで、第2段階の反応工程として、第一段階の生成物N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド108gに水酸化ナトリウム20g、ジメチルスルホキシド20gを反応器に入れ、氷冷下で攪拌しながら塩化ベンジル63gを滴下により加えた。氷冷下で4時間反応した後に昇温し、70〜90℃で5時間反応させた。得られた反応物を50℃まで冷却し、水200gを加え、1時間攪拌して、結晶を析出させた。結晶物をろ過し、水100gで洗浄した後、90℃で乾燥し、粗生成物142gを得た。この粗生成物をエタノールで再結晶し、乾燥して、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドの精製結晶物131gを得た。
JIS K 0064に従って、得られた結晶の融点を測定したところ、104.6℃であった。
【0039】
(2)合成例2
上記合成例1を基本としながら、反応物としてのアミノアルコール類は合成例1と同様のモノエタノールアミンを使用し、同じく芳香族系スルホニルクロリド類は合成例1のp−トルエンスルホニルクロリドに替えてo−トルエンスルホニルクロリドを使用し、同じくベンジルクロリド類は合成例1と同様の塩化ベンジルを使用し、それ以外の条件を合成例1と同様に操作して、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミドの精製結晶物を得た。
この結晶の融点は88.0℃〜88.5℃であった。
【0040】
(3)合成例3
上記合成例1を基本としながら、アミノアルコール類は合成例1と同様のモノエタノールアミンを使用し、芳香族系スルホニルクロリド類は合成例1と同様のp−トルエンスルホニルクロリドを使用し、ベンジルクロリド類は合成例1の塩化ベンジルに替えてp−メチルベンジルクロリドを使用し、それ以外の条件を合成例1と同様に操作して、4−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ−エチル]−ベンゼンスルホンアミドの精製結晶物を得た。
この結晶の融点は79.5℃〜81.0℃であった。
【0041】
(4)合成例4
上記合成例1を基本としながら、アミノアルコール類は合成例1のモノエタノールアミンに替えて1−アミノ−2−プロパノールを使用し、芳香族系スルホニルクロリド類は合成例1のp−トルエンスルホニルクロリドに替えてベンゼンスルホニルクロリドを使用し、ベンジルクロリド類は合成例1と同様の塩化ベンジルを使用して、それ以外の条件を合成例1と同様に操作して、N−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミドの精製結晶物を得た。
この結晶の融点は91.3℃〜91.6℃であった。
【0042】
(5)合成例5
上記合成例1を基本としながら、アミノアルコール類は合成例1のモノエタノールアミンに替えて1−アミノ−2−プロパノールを使用し、芳香族系スルホニルクロリド類は合成例1のp−トルエンスルホニルクロリドに替えてベンゼンスルホニルクロリドを使用し、ベンジルクロリド類は合成例1の塩化ベンジルに替えてp−メチルベンジルクロリドを使用して、それ以外の条件を合成例1と同様に操作して、N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミドの精製結晶物を得た。
この結晶の融点は112.8℃〜113.0℃であった。
【0043】
そこで、ビスフェノールSを顕色剤とし、上記合成例1〜5で得られた各スルホンアミド誘導体を増感剤とし、脂肪族アミド化合物、ワックス類及びヒンダードフェノール化合物よりなる群から選ばれた化合物を安定剤として用いた感熱記録紙の製造実施例を順次述べる。
下記の実施例1〜13のうち、実施例1〜7は増感剤に合成例1のスルホンアミド誘導体を使用したもので、実施例1は安定剤に脂肪族モノアミドを使用した例、実施例2は脂肪族モノアミドと脂肪族ビスアミドを併用した例、実施例3は脂肪族ビスアミドを使用した例、実施例4はヒンダードフェノール化合物を使用した例、実施例5は脂肪族ビスアミドとヒンダードフェノール化合物を併用した例、実施例6はカルナバワックスを使用した例、実施例7はモンタンワックスを使用した例である。実施例8〜10は実施例3を基本として増感剤を合成例2〜4のスルホンアミド誘導体に夫々変更した例、実施例11は実施例1を基本として増感剤を合成例5のスルホンアミド誘導体に変更した例である。実施例12〜13は実施例4を基本としてヒンダードフェノール化合物の種類を変更した例である。
【0044】
一方、比較例1〜5のうち、比較例1は本発明のスルホンアミド誘導体のみを含み、安定剤を含まないブランク例、比較例2は冒述の従来技術4に記載されたヒンダードフェノール化合物のみを含み、本発明のスルホンアミド誘導体を含まないブランク例、比較例3は冒述の従来技術2に記載された脂肪族アミド化合物のみを含み、本発明のスルホンアミド誘導体を含まないブランク例、比較例4はビスフェノールAに公知の増感剤を使用した発色及び保存性能の基準例、比較例5は上記従来技術2に記載の通り、顕色剤としてのビスフェノールSに公知のスルホンアミド誘導体と脂肪族モノアミドを使用した例である。
【0045】
《実施例1》
(1)塩基性染料分散液の調製
3−N,N−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20gを、濃度5%ポリビニルアルコール(クラレ社製;商品名PVA−117)の水溶液80g中で、ボールミルを用いて15時間微粉砕して、平均粒径1.5μmの塩基性染料分散液(即ち、発色剤分散液)を調製した。
(2)顕色剤分散液の調製
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン80gを、メチルセルローズ6g及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.1gを含有した水溶液120gに湿潤させ、ボールミルで8時間微粉砕して、平均粒子径1.5μmの顕色剤の水分散液を得た。
(3)増感剤分散液の調製
上記合成例1のスルホンアミド誘導体60gを、濃度5%ポリビニルアルコール(上記PVA−117)の水溶液140g中で、ボールミルを用いて18時間微粉砕して、平均粒径1.5μmの増感剤分散液を調製した。
(4)滑剤分散液の調製
滑剤としてのステアリン酸亜鉛60gを、メチルセルローズ6g及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.1gを含有した水溶液140gに湿潤させ、回転数3,000rpmのホモジナイザーで2時間撹拌して、平均粒子径5.5μmのステアリン酸亜鉛分散液を調製した。
(5)ステアリン酸アミド分散液の調整
ステアリン酸アミド60gを、濃度5%ポリビニルアルコール(上記PVA−117)の水溶液140g中で、ボールミルを用いて18時間微粉砕して、平均粒径1.5μmのステアリン酸アミド分散液を調製した。
(6)感熱発色層塗布液の調製
上記の塩基性染料分散液3g、顕色剤分散液3g、増感剤分散液2g、ステアリン酸アミド分散液2g、濃度60%の炭酸カルシウム(奥多摩工業社製;商品名TP−123CS)の分散液2g、滑剤分散液2g、及び水14.2gを混合して、感熱発色層塗布液を得た。
(7)感熱記録紙の製造
上質紙上に、乾燥後の感熱発色層の塗布量が4.5g/mとなるように、ワイヤーバーを用いて上記感熱発色層塗布液を塗布し、60℃のオーブン中で乾燥後、平滑度200秒(ベック法)となるようにカレンダー処理し、実施例1の感熱記録紙を作成した。
【0046】
《実施例2》
上記実施例1を基本としながら、ステアリン酸アミド分散液を1gに変更し、エチレンビスステアリン酸アミド分散液を0.5g加えるとともに、滑剤分散液を0.5gに変更した以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
上記エチレンビスステアリン酸アミド分散液の調製は次の通りである。即ち、エチレンビスステアリン酸アミド60gを、濃度5%ポリビニルアルコール(上記PVA−117)の水溶液140g中で、ボールミルを用いて15時間微粉砕して、平均粒径が5.5μmの安定剤分散液を調製した。
【0047】
《実施例3》
上記実施例1を基本として、安定剤をステアリン酸アミド分散液からエチレンビスステアリン酸アミド分散液に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0048】
《実施例4》
上記実施例1を基本として、合成例1の増感剤分散液を4g、滑剤分散液を1gに夫々変更し、安定剤をステアリン酸アミドからヒンダードフェノール化合物に変更し、このヒンダードフェノール化合物分散液を1g用いた以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
上記ヒンダードフェノール化合物分散液の調製は次の通りである。即ち、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン60gを、濃度5%ポリビニルアルコール(上記PVA−117)の水溶液140g中で、ボールミルを用いて18時間微粉砕して、平均粒径1.5μmのヒンダードフェノール化合物分散液を調製した。
【0049】
《実施例5》
上記実施例4を基本として、増感剤分散液を3g、滑剤分散液を1gとし、エチレンビスステアリン酸アミドの分散液を1g加えた以外は、実施例4と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0050】
《実施例6》
上記実施例1を基本として、合成例1の増感剤分散液を4gに変更し、安定剤をステアリン酸アミドからワックス類に変更し(ワックス類分散液の使用量は2gのまま)、滑剤分散液を用いない以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
上記ワックス類分散液の調製は次の通りである。即ち、カルナバワックス60gを、濃度5%ポリビニルアルコール(上記PVA−117)の水溶液140g中で、ボールミルを用いて18時間微粉砕して、平均粒径5.0μmのワックス類分散液を調製した。
【0051】
《実施例7》
上記実施例6を基本として、ワックス類をカルナバワックスからモンタンワックスに変更した以外は、実施例6と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0052】
《実施例8》
上記実施例3を基本として、増感剤を前記合成例1から前記合成例2のスルホンアミド誘導体に変更した以外は、実施例3と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0053】
《実施例9》
上記実施例3を基本として、増感剤を前記合成例1から前記合成例3のスルホンアミド誘導体に変更した以外は、実施例3と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0054】
《実施例10》
上記実施例3を基本として、増感剤を前記合成例1から前記合成例4のスルホンアミド誘導体に変更した以外は、実施例3と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0055】
《実施例11》
上記実施例1を基本として、増感剤を前記合成例1から前記合成例5のスルホンアミド誘導体に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0056】
《実施例12》
上記実施例4を基本として、ヒンダードフェノール化合物を1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンに変更した以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0057】
《実施例13》
上記実施例4を基本として、ヒンダードフェノール化合物を2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0058】
《比較例1》
上記実施例7を基本として、ワックス類分散液を用いず、滑剤分散液2gを用いた以外は、実施例7と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0059】
《比較例2》
上記実施例4を基本として、合成例1の増感剤分散液を使用せず、安定剤をヒンダードフェノール化合物分散液4gに変更した以外は、実施例4と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0060】
《比較例3》
上記実施例1を基本として、合成例1の増感剤分散液を使用せず、ステアリン酸アミド分散液を4gに変更した以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0061】
《比較例4》
上記実施例1を基本として、顕色剤をビスフェノールSからビスフェノールAに変更し(使用量は同じ)、増感剤をβ−ナフチルベンジルエーテル分散液4gに変更し、ステアリン酸アミド分散液を使用しない以外は、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0062】
《比較例5》
上記実施例1を基本として、増感剤をトシルアミドに変更した以外は(分散液使用量は同じ)、実施例1と同様に操作して、感熱記録紙を作成した。
【0063】
そこで、上記実施例1〜13及び比較例1〜5で得られた各感熱記録紙を用いて、発色時の印字濃度及び地肌濃度を測定するとともに、耐水性、耐熱地肌かぶり性、耐可塑剤性の保存安定性試験を行った。
《感熱記録紙の発色性能試験例》
実施例1〜13及び比較例1〜5の各感熱記録紙をシャープのファクシミリ(型式UX−F41CL)にかけ、発色時の印字濃度と地肌濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。
次いで、耐熱性地肌かぶり試験として、未発色の感熱記録紙を60℃、24時間で夫々放置し、画像濃度と地肌濃度をマクベス濃度計で測定した。
また、耐可塑剤試験として、ガラスビンの外周に発色後の感熱記録紙を巻き付け、その上に軟質塩化ビニル樹脂フィルム(三井化学社製;商品名ハイラップV−450)を3重に巻き付け、40℃、3時間の条件で放置した後、保存後の画像濃度をマクベス濃度計で測定して、可塑剤に対する耐久性を評価した。
さらに、耐水性試験として、発色後の感熱記録紙を水道水中に浸水させ、室温で24時間の条件で放置した後、浸漬放置後の画像濃度を目視観察することにより、水に対する耐久性を評価した。
上記耐水性試験の評価基準は次の通りである。
◎:退色があまり見られず、画像も均一であった。
○:退色が少し見られるが、画像が均一であった。
×:画像にムラがあり、白色部分が見られた。
【0064】
図1はその試験結果である。
ビスフェノールAを顕色剤に使用した比較例4では、発色濃度及び感度、耐熱地肌かぶり性は良好である反面、耐可塑剤性がかなり損なわれた。また、耐水性の評価は◎であった。
これに対して、耐水性が良くないビスフェノールSを顕色剤に用い、エーテル結合を有する特定のスルホンアミド誘導体を増感剤とし、脂肪族アミド化合物、ワックス類及びヒンダードフェノール化合物より選ばれた安定剤の少なくとも一種を含む実施例1〜13では、発色濃度が濃く、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性の保存安定性にも優れるうえ、耐水性もビスフェノールAを用いた比較例4と同等か、遜色のない水準に改善していることが判明した。
この点を詳述すると、本発明の特定のスルホンアミド誘導体を含むが、安定剤を含まない比較例1は、発色濃度が濃く、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性の保存安定性にも優れるが、耐水性が低かった。ヒンダードフェノール化合物を含むが、本発明のスルホンアミド誘導体を含まない比較例2では、増感剤がないために発色濃度がかなり低く、耐水性や耐可塑剤性も劣った。増感機能のある脂肪族アミド化合物を含むが、本発明の特定のスルホンアミドを含まない比較例3では、耐水性は実用水準を示したが、発色濃度は実施例や比較例1に比べて劣った。また、冒述の従来技術2の記載の通り、ビスフェノールSを顕色剤とし、脂肪族アミド化合物を使用し、且つ、本発明の特定のスルホンアミド誘導体に替えて公知のスルホンアミド化合物を増感剤とした比較例5では、比較例3と同じく耐水性は実用水準にあったが、発色濃度はこの比較例3と同様に劣り、耐熱地肌性も良くなかった。
【0065】
以上を総合すると、耐水性が良くないビスフェノールSを顕色剤に用いた感熱記録材料において、発色濃度が濃く、耐熱地肌かぶり性や耐可塑剤性の保存安定性に優れながら、なお且つ、耐水性を実用水準以上に改善するには、本発明の特定のスルホンアミド誘導体と、脂肪族アミド化合物、ワックス類及びヒンダードフェノール化合物の少なくとも一種との併用が重要であることが確認できた。
特に、実施例1〜13と基準例である比較例4を対比考察すると、耐水性を比較例4の水準に改善し、或は、耐水性を改善しながら比較例4と同水準の発色濃度を確保するには、本発明のスルホンアミド誘導体と脂肪族アミド化合物の組み合わせが好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜13及び比較例1〜5の各感熱記録紙に含有される増感剤と安定剤の組成、並びに当該記録紙の発色及び保存性能試験結果を示す図表である。

Claims (6)

  1. 無色染料である発色剤とジヒドロキシジフェニルスルホン類からなる顕色剤とを含有する感熱記録材料において、
    下記の一般式(A)で表される分子内にエーテル結合を有するスルホンアミド誘導体を増感剤として含有するとともに、
    Figure 2004050648
    (式(A)中、Rは無置換のベンゼン環、又はアルキル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子の1種或は2種以上が1〜4個置換したベンゼン環である。但し、Rが当該置換ベンゼン環の場合、隣接する置換基同士が互いに結合してさらにベンゼン環又は脂環を形成しても良い;RはC〜Cアルキレン基である;Rはメチル基、ハロゲン原子であり、nは0〜2の整数である。)
    脂肪族アミド化合物、ワックス類、ヒンダードフェノール化合物よりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 請求項1のエーテル結合を有するスルホンアミド誘導体が、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−エチル)−2−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−メチル−N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−エチル]−ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ベンジルオキシ−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド、N−[2−(4−メチル−ベンジルオキシ)−プロピル]−ベンゼンスルホンアミドよりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種であることを特徴とする感熱記録材料。
  3. 脂肪族アミド化合物が、脂肪族モノアミド及び脂肪族ビスアミドの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. ワックス類が、カルナバワックス及びモンタンワックスの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  5. ヒンダードフェノール化合物が、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)よりなる群から選ばれた化合物の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
  6. 顕色剤が4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録材料。
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