JP2004050590A - 記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラテンまたはシートに圧痕が生ずることを防止できること。
【解決手段】プラテンギャップ調整用モータ66の駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって移動させ、プラテンまたはプラテン上のシートに当接する記録ヘッドの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整機構において、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号Xが所定値に達した時に、記録ヘッドとプラテンとが当接したと判定して、記録ヘッドの位置を検出するよう構成されたものである。
【選択図】 図8
【解決手段】プラテンギャップ調整用モータ66の駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって移動させ、プラテンまたはプラテン上のシートに当接する記録ヘッドの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整機構において、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号Xが所定値に達した時に、記録ヘッドとプラテンとが当接したと判定して、記録ヘッドの位置を検出するよう構成されたものである。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを自動調整する記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整装置、並びに記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラテンに沿って走行可能なキャリッジに搭載された記録ヘッドが、プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録するドットインパクト式のプリンタには、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じて自動調整する自動プラテンギャップ調整機構90(図11)を備えたものがある。
【0003】
このような自動プラテンギャップ調整機構90によるプラテンギャップ調整動作は、記録装置本体にシートが供給された時に、プラテンギャップ調整用モータ91の駆動力を、ギア輪列92及びキャリッジガイド軸93を介してキャリッジへ伝達してこのキャリッジを移動させ、記録ヘッドをプラテン上のシートへ向かって移動させる。この間に、プラテンギャップ調整用モータ91に回転一体に設けられたロータリーエンコーダ94から出力されるパルス波形(図12のP0)を基準波形として取り込み、その後の記録ヘッドの移動過程で、上記ロータリーエンコーダ94から出力されるパルス波形(図12のP1)を上記基準波形と比較し、両波形の周期のずれE1、E2、E3…の累積値に基づき記録ヘッドの位置、つまりプラテン上のシートのシート面位置を検出する。記録ヘッドをシート面の検出位置から所定量上方に移動させることで、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを、シートのシート厚に応じて調整する。
【0004】
上述の自動プラテンギャップ調整機構90は、プラテンギャップ調整用モータ91が脱調前に記録ヘッドの位置を検出する脱調前検出である。これに対し、プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテン上のシートに当接させ、プラテンギャップ調整用モータの脱調後当該モータを逆転させることによって記録ヘッドの位置を検出し、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整する、脱調後検出方式のプラテンギャップ調整機構がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記自動プラテンギャップ調整機構90では、ロータリーエンコーダ94が装備されている分だけコストが上昇してしまう。
【0006】
また、脱調後検出方式のプラテンギャップ調整機構では、記録ヘッドがプラテン上のシート又はプラテンに圧痕を生じさせる恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、プラテンまたはシートに圧痕が生ずることを防止できる記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置を提供することにある。また、本発明は、プラテンギャップ調整機構のコストを低減できる記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整方法において、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整機構において、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明において、上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項9に記載の発明は、プラテンに沿って走行可能なキャリッジに搭載された記録ヘッドが、上記プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録するとともに、プラテンギャップ調整機構を備え、このプラテンギャップ調整機構は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により上記記録ヘッドを上記プラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整するよう設けられた記録装置において、上記プラテンギャップ調整機構は、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の発明において、上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至11のいずれかに記載の発明において、上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタを示す斜視図である。図2及び図3は、図1のプリンタにおけるプリンタ本体を示す斜視図である。
【0022】
図1及び図2に示す記録装置としてのプリンタ10は、多数の記録ワイヤを、インクリボン(共に図示せず)を介してシートに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。
【0023】
このプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11の後方側に配置されたプッシュトラクタユニット12(図4)と、プリンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆う外装体としてのアッパケース13A及びロアケース13Bと、プリンタ本体11の前方側に設置されてカットシートの供給を案内するシート供給ガイド43と、プリンタ本体11の後方側で、プッシュトラクタユニット12の上方位置に設置され、カットシートをプリンタ本体11の記録機構部へ1枚づつ供給するカットシートフィーダ44(図1)と、を有して構成される。
【0024】
上記シートには、所定長さに切断された上記カットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙、単票複写紙又はカットフィルム等があり、連続シートとしては連続紙、連続複写紙がある。
【0025】
上記プリンタ本体11は、図2、図3及び図6に示すように、本体フレームとしてのベースフレーム14、リアフレーム15、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録機構部としての記録ヘッド18及びキャリッジ19と、シート搬送機構部としてのプラテン20、シート案内25、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24と、を有して構成される。
【0026】
ベースフレーム14及びリアフレーム15の略両端部に、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17が立設して固定される。これらの左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間に、キャリッジガイド軸26が架け渡されて、回動自在に枢支される。更に、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間にプラテン20が架け渡されて回転自在に配設されるとともに、更にシート案内25が固定して配設される。
【0027】
プラテン20を含む上記シート搬送機構部は、図3及び図6に示すように、プラテン20に対し、第1搬送ローラ21及び第2搬送ローラ22がプリンタ本体11の前方側に、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24がプリンタ本体11の後方側にそれぞれ配置されて構成される。第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22が当接状態で上下に配置されて対をなし、フロント側シート搬送ローラ27を構成する。また、第3搬送ローラ23と第4搬送ローラ24とが当接状態で上下に配置されて対をなし、リア側シート搬送ローラ37を構成する。
【0028】
このうち、第1搬送ローラ21及び第4搬送ローラ24が後述の如く駆動ローラであり、第2搬送ローラ22及び第3搬送ローラ23が従動ローラである。また、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23は、プラテン20と共にシート案内25の下方に配置され、第2搬送ローラ22及び第4搬送ローラ24はシート案内25の上方に配置される。プラテン20、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23の上部は、シート案内25の上方に突出した状態となっている。
【0029】
プラテン20、第1搬送ローラ21及び第4搬送ローラ24は、図3に示す駆動輪列部34により正または逆方向に回転駆動される。この駆動輪列部34は左サイドフレーム16又は右サイドフレーム17の一方、例えば左サイドフレーム16に設置される。
【0030】
この駆動輪列部34は、正転又は逆転可能なシート搬送モータ35の駆動軸に回転一体に固定されたモータピニオン36を備える。このモータピニオン36からの駆動力が、複数の減速ギア48、49及び50を介してプラテン20へ伝達され、更に、減速ギア50から減速ギア51及び52を介して第1搬送ローラ21へ伝達され、更に、減速ギア49から減速ギア53及び54を経て第4搬送ローラ24へ伝達される。
【0031】
これにより、プラテン20及び第1搬送ローラ21が同一方向に、第4搬送ローラ24が反対方向に回転して、カットシートまたは連続シートを、プリンタ本体11の前方から後方へ矢印A(図6)方向へ搬送可能とし、または、プリンタ本体11の後方から前方へ矢印B(図6)方向へ搬送可能とする。従って、カットシート及び連続シートは、キャリッジ19の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
【0032】
図4及び図6に示す上記プッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)を、プラテン20を備えた上記シート搬送機構部へ供給するものであり、左右一対のトラクタ28を有する。これらのトラクタ28は、トラクタ駆動軸29に回転一体且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸30に回転自在且つ軸方向に摺動自在に軸支されたトラクタ従動プーリ(不図示)とにトラクタベルト31が巻き掛けられ、シート押え蓋32を備えて構成される。
【0033】
一対のトラクタ28間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整可能とされる。また、トラクタベルト31の全外周に突設された複数本のピン33が、連続シートの幅方向両側に穿設された穴(不図示)に係合可能とされる。このトラクタベルト31も前述の駆動輪列部34(図3)により駆動される。
【0034】
つまり、駆動輪列部34のモータピニオン36からの駆動力は、図4に示すように、第4搬送ローラ24のローラ軸に設けられた伝動ギア55から、中間ギア56及び57を経て、プッシュトラクタユニット12のトラクタ駆動軸29に固定されたトラクタ駆動ギア(不図示)へ伝達され、これによりプッシュトラクタユニット12のトラクタベルト31が駆動可能とされる。
【0035】
このプッシュトラクタユニット12は、プラテン20、フロント側シート搬送ローラ27(第1搬送ローラ21及び第2搬送ローラ22)並びにリア側シート搬送ローラ37(第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)と共に連続紙等の連続シートを、主にプリンタ本体11の後方から前方へ矢印B(図6)方向に搬送し、または、プリンタ本体11の前方から後方へ矢印A方向に搬送可能とする。
【0036】
図1に示す前記シート供給ガイド43は、プリンタ本体11の前方側において、アッパケース13Aに着脱自在に設置される。このシート供給ガイド43は、単票紙又は単票複写紙等のカットシートを、プリンタ本体11の前方から後方へ手差しで1枚ずつ供給する際に、このカットシートを案内する。このシート供給ガイド43により案内されたカットシートは、プラテン20、フロント側シート搬送ローラ27及びリア側シート搬送ローラ37等のシート搬送機構部により搬送される。
【0037】
同じく図1に示す前記カットシートフィーダ44は、プリンタ本体11の後方側に装着または離脱可能に設けられて、単票紙又は単票複写紙等のカットシートを、プリンタ本体11の後方から前方へ1枚ずつ自動供給するものである。
【0038】
つまり、このカットシートフィーダ44は、図示しないが、供給ローラの回転動作によって、複数枚のカットシートを積層状態で保持するホッパから、最上位のカットシートをピックアップして供給し、この際、最上位のカットシートと共に重送されるカットシートを、分離機構にて分離するものである。この供給ローラの一又は複数回転により、1枚のカットシートがプリンタ本体11へ供給される。
【0039】
このカットシートフィーダ44の供給ローラも、前述の駆動輪列部34(図3)により駆動される。即ち、駆動輪列部34のモータピニオン36からの駆動力は、図4に示すように、第4搬送ローラ24のローラ軸に設けられた伝動ギア55から、中間ギア56及び57を経てカットシートフィーダ44の供給ローラ駆動ギアへ伝達され、これにより、カットシートフィーダ44の供給ローラが駆動される。
【0040】
上記中間ギア57を、カットシートフィーダ44の供給ローラ駆動ギアと前述のプッシュトラクタユニット12のトラクタ駆動ギアとに選択的に噛み合わせ可能とし、且つリア側シート搬送ローラ37の接触圧を変更可能とする機構がレリース機構58である。このレリース機構58は、プリンタ10に供給されるシートの種類(カットシート、連続シート)に応じてプリンタ10のシート使用モードを切り換えるものである。
【0041】
さて、図2及び図3に示す前記キャリッジ19は、キャリッジガイド軸26に摺動自在に挿通されると共に、リアフレーム15の上端部に摺接され、更に記録ヘッド18を搭載する。キャリッジガイド軸26がプラテン20と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらプラテン20、キャリッジガイド軸26の軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)可能に設けられる。
【0042】
このキャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転又は逆転により往復移動されるタイミングベルト39(図6)に結合される。従って、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転又は逆転により、タイミングベルト39を介し、キャリッジガイド軸26に案内されて、主走査方向における図2及び図3の左向き又は右向きに走査される。ここで、キャリッジ駆動モータ38は、シート搬送モータ35及び後述のプラテンギャップ調整用モータ66とともに例えばステッピングモータにて構成される。
【0043】
また、キャリッジ19には、図5にも示すように、リボンカセット装着部40が設けられ、このリボンカセット装着部40に、インクリボンを収納したリボンカセット40Aが装着される。更にキャリッジ19には、リボンカセットのインクリボンを、プラテン20に接して搬送されるシート(カットシートまたは連続シート)から保護するリボンマスクホルダ41が設置されている。リボンカセット40A内のインクリボンは、リボンカセット装着部40に設置されたリボン駆動軸(不図示)により、記録ヘッド18の記録ワイヤの前方を移動可能に設けられる。
【0044】
上記記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方に、上述の如くインクリボンが位置する。記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン20と記録ヘッド18との間に搬送されるシート(カットシート又は連続シート)に付着させて、このシートに文字を含む画像を記録する。
【0045】
記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が図2及び図3の主走査方向左向き又は右向きに走行される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、シートがカットシートの場合には、シート搬送機構部(プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)が、またシートが連続シートの場合には、上記シート搬送機構部及びプッシュトラクタユニット12が、それぞれシートを所定長(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
【0046】
ここで、図3に示すプラテン20、第1搬送ローラ21、第4搬送ローラ24、プッシュトラクタユニット12及びカットシートフィーダ44を駆動させるシート搬送モータ35の制御と、キャリッジ19を走行させるキャリッジ駆動モータ38の制御と、記録ヘッド18の記録ワイヤによる記録動作の制御と、図4に示すレリース機構58を動作させるレリース駆動モータ(不図示)の制御と、図5に示す後述の自動プラテンギャップ調整機構65におけるプラテンギャップ調整用モータ66の制御は、制御装置としての制御基板部75(図6)により実施される。この制御基板部75は、例えばプリンタ本体11の前方におけるシート案内25の下方に配置される。
【0047】
ところで、このプリンタ10には、図5及び図7に示すように、供給されたシートのシート厚に応じてキャリッジガイド軸26を回動させて、記録ヘッド18とプラテン20との間のプラテンギャップを調整する自動プラテンギャップ調整機構65が装備されている。
【0048】
この自動プラテンギャップ調整機構65は、プラテンギャップ調整用モータ66、モータピニオン68、減速ギア69、70及び71、並びに制御基板部75を有して構成される。上記モータピニオン68、減速ギア69、70及び71が、後に詳説するギア輪列77を構成する。上記減速ギア71が、キャリッジガイド軸26の両端部の一方に固定されている。このキャリッジガイド軸26は偏心軸であり、その偏心量Lは、例えば1mm程度である。
【0049】
モータピニオン68は、プラテンギャップ調整用モータ66のモータシャフト78に回転一体に固定され、図6にも示すように、このモータピニオン68に減速ギア69が噛み合う。減速ギア70は、減速ギア69と回転一体に形成されて減速ギア71に噛み合う。これにより、プラテンギャップ調整用モータ66の駆動力がモータピニオン68、減速ギア69、70及び71を経てキャリッジガイド軸26へ伝達され、このキャリッジガイド軸26が回動される。すると、このキャリッジガイド軸26の偏心量Lに対応する量(例えばL=1mmの場合には、2mm)だけキャリッジ19が鉛直方向に上下動し、このキャリッジ19を介して記録ヘッド18がプラテン20に対し接離する方向に移動する。
【0050】
上記制御基板部75は、図8に示すように、CPU80、モータドライバ81及び監視装置82を有し、CPU80からモータドライバ81を介してプラテンギャップ調整用モータ66へモータ駆動信号Xを出力して、このプラテンギャップ調整用モータ66を駆動制御する。このプラテンギャップ調整用モータ66の駆動制御は、モータ駆動信号Xの電圧を一定とする定電圧制御により実施される。
【0051】
このプラテンギャップ調整用モータ66の駆動制御により、前述の如く記録ヘッド18がプラテン20へ向かって移動し、このプラテン20上に載置されたシートのシート面が検出されて、記録ヘッド18とプラテン20との間のプラテンギャップがシートのシート厚に応じて調整される。上記シート面の検出は、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したときの、その記録ヘッド18位置の検出により実施される。
【0052】
プラテン20上のシートに当接した記録ヘッド18の位置検出が、上記監視装置82を用いて実施される。
【0053】
つまり、監視装置82は、モータドライバ81からプラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値を監視する。このモータ駆動信号Xの電流値は、図9(A)に示すように、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接する前までは一定値αに保持されるが、記録ヘッド18が上記シートに当接してプラテンギャップ調整用モータ66に作用する負荷が増大した時には、電流が当該プラテンギャップ調整用モータ66に入力されにくくなり、図9(B)に示すようにα以下に減少する。監視装置82は、モータドライバ81からプラテンギャップ調整用モータ66へ入力されるモータ駆動信号Xの電流値が所定値β(後述)まで低下した時に、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、その旨の当接判定信号γをCPU80へ送信する。このCPU80は、プラテンギャップ調整用モータ66へモータ駆動信号Xを出力してから上記当接判定信号γを受信するまでの上記モータ駆動信号Xのパルス数をカウントすることによって、プラテン20上のシートに当接した記録ヘッド18の位置を検出する。
【0054】
記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したか否かの判定を、図10を用いて説明する。
【0055】
CPU80から出力されるモータ駆動信号Xによりプラテンギャップ調整用モータ66が回転され、記録ヘッド18がプラテン20へ向かって移動する(S1)。この記録ヘッド18の移動過程において、監視装置82は、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接していないときのモータ駆動信号Xの電流値を検出する(S2)。
【0056】
監視装置82は、ステップS2にて検出された電流値から前記所定値βを算出する(S3)。この所定値βは、ステップS2にて検出された電流値に所定の百分率を乗じて算出される。また、この所定値βは、モータ駆動信号Xの初期電流値を理想電流値とし、この理想電流値に所定の百分率を乗じて算出してもよい。
【0057】
監視装置82は、プラテンギャップ調整用モータ66へ入力されるモータ駆動信号Xの電流値を監視し(S4)、この監視電流値が所定値β未満となったか否かを判定する(S5)。監視装置82は、監視電流値が所定値β未満となったときに、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、CPU80へ当接判定信号γを送信する(S6)。
【0058】
上述のように構成された自動プラテンギャップ調整機構65によるプラテンギャップの調整は、次のようにしてなされる。
【0059】
上記制御基板部75のCPU80は、プラテンギャップの調整動作の初期状態として記録ヘッド18を、プラテンギャップが最大となる上限位置、つまりプラテンギャップベース位置に位置づける。
【0060】
シートがプリンタ本体11に搬送されて、図3及び図6に示すシート検出器45または46によりプラテン20上にシートが存在することが検出されたとき、制御基板部75のCPU80は、プラテンギャップ調整用モータ66(図5及び図7)を駆動して、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに接触する方向に移動すべく、キャリッジガイド軸26を回転させてキャリッジ19を移動させる。
【0061】
制御基板部75のCPU80が、記録ヘッド18をプラテンギャップベース位置からプラテン20へ向けて移動させる間に、制御基板部75の監視装置82は、モータドライバ81からプラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値を監視する。この監視装置82は、モータ駆動信号Xの電流値が所定値β未満となったときに、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、CPU80へ当接判定信号γを送信する。
【0062】
制御基板部75のCPU80は、監視装置82からの当接判定信号γを受信した時点でプラテンギャップ調整用モータ66を停止させ、その時までにプラテンギャップ調整用モータ66を駆動したモータ駆動信号Xのパルス数をカウントして、プラテンギャップベース位置からの記録ヘッド18位置、つまりプラテン20上のシートのシート面位置を検出する。
【0063】
制御基板部75のCPU80は、上述のようにして検出されたシート面76位置から記録ヘッド18を所定距離上昇させるべく、プラテンギャップ調整用モータ66を逆転駆動させて、記録ヘッド18とプラテン20とのプラテンギャップを、シートのシート厚に応じた値に調整する。
【0064】
以上のように構成されたことから、次の効果▲1▼〜▲3▼を奏する。
【0065】
▲1▼プラテンギャップ調整用モータ66へ入力されるモータ駆動信号Xの電流値が所定値βに達した時に、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、記録ヘッド18位置(つまりプラテン20上のシートのシート面位置)を検出し、このシートのシート厚に応じて記録ヘッド18とプラテン20との間のプラテンギャップを調整することから、プラテンギャップ調整用モータ66の脱調前検出を実施できる。このため、記録ヘッド18によるプラテン20またはプラテン20上のシートへの圧痕の発生の防止できる。
【0066】
▲2▼記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したことの判定を、プラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値を検出することによって実現できるので、従来技術のようなロータリーエンコーダが不要となり、その分コストを低減できる。
【0067】
▲3▼所定値βは、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接する前にプラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値に基づいて算出されるので、プリンタ10の動作環境やプラテンギャップ調整用モータ66の製造のばらつきの影響を受けることがなく、それぞれのプリンタ10、プラテンギャップ調整用モータ66に対し適切な値を設定できる。
【0068】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0069】
例えば、上記実施の形態では、プラテンギャップ調整用モータ66が定電圧制御される場合を述べたが、定電流制御であってもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、記録ヘッド18がプラテン20へ向かって移動するものを述べたが、プラテン20が記録ヘッド18へ向かって移動するものであってもよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係る記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置によれば、プラテンまたはシートに圧痕が生ずることを防止できる。また、本発明における記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置によれば、プラテンギャップ調整機構のコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタを示す斜視図である。
【図2】図1のプリンタで、アッパケースを取り外して示すプリンタ本体の斜視図である。
【図3】図1のプリンタにおけるプリンタ本体を示す斜視図である。
【図4】図3のプリンタ本体のシート搬送機構部を示す斜視図である。
【図5】図2のプリンタ本体を拡大して示す斜視図である。
【図6】図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5の自動プラテンギャップ調整機構を示す側面図である。
【図8】図7のプラテンギャップ調整用モータを制御する制御基板部を示すブロックである。
【図9】図8のプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号を示す波形図である。
【図10】図8の監視装置が主に実行する動作を示すフローチャートである。
【図11】ロータリーエンコーダを装備した従来の自動プラテンギャップ調整機構を示す側面図である。
【図12】図11のロータリーエンコーダから出力されるパルス波形を示す波形図である。
【符号の説明】
10 プリンタ(記録装置)
11 プリンタ本体
18 記録ヘッド
19 キャリッジ
20 プラテン
65 自動プラテンギャップ調整機構
66 プラテンギャップ調整用モータ
75 制御基板部
82 監視装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを自動調整する記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整装置、並びに記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラテンに沿って走行可能なキャリッジに搭載された記録ヘッドが、プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録するドットインパクト式のプリンタには、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じて自動調整する自動プラテンギャップ調整機構90(図11)を備えたものがある。
【0003】
このような自動プラテンギャップ調整機構90によるプラテンギャップ調整動作は、記録装置本体にシートが供給された時に、プラテンギャップ調整用モータ91の駆動力を、ギア輪列92及びキャリッジガイド軸93を介してキャリッジへ伝達してこのキャリッジを移動させ、記録ヘッドをプラテン上のシートへ向かって移動させる。この間に、プラテンギャップ調整用モータ91に回転一体に設けられたロータリーエンコーダ94から出力されるパルス波形(図12のP0)を基準波形として取り込み、その後の記録ヘッドの移動過程で、上記ロータリーエンコーダ94から出力されるパルス波形(図12のP1)を上記基準波形と比較し、両波形の周期のずれE1、E2、E3…の累積値に基づき記録ヘッドの位置、つまりプラテン上のシートのシート面位置を検出する。記録ヘッドをシート面の検出位置から所定量上方に移動させることで、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを、シートのシート厚に応じて調整する。
【0004】
上述の自動プラテンギャップ調整機構90は、プラテンギャップ調整用モータ91が脱調前に記録ヘッドの位置を検出する脱調前検出である。これに対し、プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテン上のシートに当接させ、プラテンギャップ調整用モータの脱調後当該モータを逆転させることによって記録ヘッドの位置を検出し、記録ヘッドとプラテンとの間のプラテンギャップを調整する、脱調後検出方式のプラテンギャップ調整機構がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記自動プラテンギャップ調整機構90では、ロータリーエンコーダ94が装備されている分だけコストが上昇してしまう。
【0006】
また、脱調後検出方式のプラテンギャップ調整機構では、記録ヘッドがプラテン上のシート又はプラテンに圧痕を生じさせる恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、プラテンまたはシートに圧痕が生ずることを防止できる記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置を提供することにある。また、本発明は、プラテンギャップ調整機構のコストを低減できる記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整方法において、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整機構において、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明において、上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項9に記載の発明は、プラテンに沿って走行可能なキャリッジに搭載された記録ヘッドが、上記プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録するとともに、プラテンギャップ調整機構を備え、このプラテンギャップ調整機構は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により上記記録ヘッドを上記プラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整するよう設けられた記録装置において、上記プラテンギャップ調整機構は、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出するよう構成されたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の発明において、上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至11のいずれかに記載の発明において、上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタを示す斜視図である。図2及び図3は、図1のプリンタにおけるプリンタ本体を示す斜視図である。
【0022】
図1及び図2に示す記録装置としてのプリンタ10は、多数の記録ワイヤを、インクリボン(共に図示せず)を介してシートに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。
【0023】
このプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11の後方側に配置されたプッシュトラクタユニット12(図4)と、プリンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆う外装体としてのアッパケース13A及びロアケース13Bと、プリンタ本体11の前方側に設置されてカットシートの供給を案内するシート供給ガイド43と、プリンタ本体11の後方側で、プッシュトラクタユニット12の上方位置に設置され、カットシートをプリンタ本体11の記録機構部へ1枚づつ供給するカットシートフィーダ44(図1)と、を有して構成される。
【0024】
上記シートには、所定長さに切断された上記カットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙、単票複写紙又はカットフィルム等があり、連続シートとしては連続紙、連続複写紙がある。
【0025】
上記プリンタ本体11は、図2、図3及び図6に示すように、本体フレームとしてのベースフレーム14、リアフレーム15、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録機構部としての記録ヘッド18及びキャリッジ19と、シート搬送機構部としてのプラテン20、シート案内25、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24と、を有して構成される。
【0026】
ベースフレーム14及びリアフレーム15の略両端部に、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17が立設して固定される。これらの左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間に、キャリッジガイド軸26が架け渡されて、回動自在に枢支される。更に、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間にプラテン20が架け渡されて回転自在に配設されるとともに、更にシート案内25が固定して配設される。
【0027】
プラテン20を含む上記シート搬送機構部は、図3及び図6に示すように、プラテン20に対し、第1搬送ローラ21及び第2搬送ローラ22がプリンタ本体11の前方側に、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24がプリンタ本体11の後方側にそれぞれ配置されて構成される。第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22が当接状態で上下に配置されて対をなし、フロント側シート搬送ローラ27を構成する。また、第3搬送ローラ23と第4搬送ローラ24とが当接状態で上下に配置されて対をなし、リア側シート搬送ローラ37を構成する。
【0028】
このうち、第1搬送ローラ21及び第4搬送ローラ24が後述の如く駆動ローラであり、第2搬送ローラ22及び第3搬送ローラ23が従動ローラである。また、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23は、プラテン20と共にシート案内25の下方に配置され、第2搬送ローラ22及び第4搬送ローラ24はシート案内25の上方に配置される。プラテン20、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23の上部は、シート案内25の上方に突出した状態となっている。
【0029】
プラテン20、第1搬送ローラ21及び第4搬送ローラ24は、図3に示す駆動輪列部34により正または逆方向に回転駆動される。この駆動輪列部34は左サイドフレーム16又は右サイドフレーム17の一方、例えば左サイドフレーム16に設置される。
【0030】
この駆動輪列部34は、正転又は逆転可能なシート搬送モータ35の駆動軸に回転一体に固定されたモータピニオン36を備える。このモータピニオン36からの駆動力が、複数の減速ギア48、49及び50を介してプラテン20へ伝達され、更に、減速ギア50から減速ギア51及び52を介して第1搬送ローラ21へ伝達され、更に、減速ギア49から減速ギア53及び54を経て第4搬送ローラ24へ伝達される。
【0031】
これにより、プラテン20及び第1搬送ローラ21が同一方向に、第4搬送ローラ24が反対方向に回転して、カットシートまたは連続シートを、プリンタ本体11の前方から後方へ矢印A(図6)方向へ搬送可能とし、または、プリンタ本体11の後方から前方へ矢印B(図6)方向へ搬送可能とする。従って、カットシート及び連続シートは、キャリッジ19の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
【0032】
図4及び図6に示す上記プッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)を、プラテン20を備えた上記シート搬送機構部へ供給するものであり、左右一対のトラクタ28を有する。これらのトラクタ28は、トラクタ駆動軸29に回転一体且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸30に回転自在且つ軸方向に摺動自在に軸支されたトラクタ従動プーリ(不図示)とにトラクタベルト31が巻き掛けられ、シート押え蓋32を備えて構成される。
【0033】
一対のトラクタ28間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整可能とされる。また、トラクタベルト31の全外周に突設された複数本のピン33が、連続シートの幅方向両側に穿設された穴(不図示)に係合可能とされる。このトラクタベルト31も前述の駆動輪列部34(図3)により駆動される。
【0034】
つまり、駆動輪列部34のモータピニオン36からの駆動力は、図4に示すように、第4搬送ローラ24のローラ軸に設けられた伝動ギア55から、中間ギア56及び57を経て、プッシュトラクタユニット12のトラクタ駆動軸29に固定されたトラクタ駆動ギア(不図示)へ伝達され、これによりプッシュトラクタユニット12のトラクタベルト31が駆動可能とされる。
【0035】
このプッシュトラクタユニット12は、プラテン20、フロント側シート搬送ローラ27(第1搬送ローラ21及び第2搬送ローラ22)並びにリア側シート搬送ローラ37(第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)と共に連続紙等の連続シートを、主にプリンタ本体11の後方から前方へ矢印B(図6)方向に搬送し、または、プリンタ本体11の前方から後方へ矢印A方向に搬送可能とする。
【0036】
図1に示す前記シート供給ガイド43は、プリンタ本体11の前方側において、アッパケース13Aに着脱自在に設置される。このシート供給ガイド43は、単票紙又は単票複写紙等のカットシートを、プリンタ本体11の前方から後方へ手差しで1枚ずつ供給する際に、このカットシートを案内する。このシート供給ガイド43により案内されたカットシートは、プラテン20、フロント側シート搬送ローラ27及びリア側シート搬送ローラ37等のシート搬送機構部により搬送される。
【0037】
同じく図1に示す前記カットシートフィーダ44は、プリンタ本体11の後方側に装着または離脱可能に設けられて、単票紙又は単票複写紙等のカットシートを、プリンタ本体11の後方から前方へ1枚ずつ自動供給するものである。
【0038】
つまり、このカットシートフィーダ44は、図示しないが、供給ローラの回転動作によって、複数枚のカットシートを積層状態で保持するホッパから、最上位のカットシートをピックアップして供給し、この際、最上位のカットシートと共に重送されるカットシートを、分離機構にて分離するものである。この供給ローラの一又は複数回転により、1枚のカットシートがプリンタ本体11へ供給される。
【0039】
このカットシートフィーダ44の供給ローラも、前述の駆動輪列部34(図3)により駆動される。即ち、駆動輪列部34のモータピニオン36からの駆動力は、図4に示すように、第4搬送ローラ24のローラ軸に設けられた伝動ギア55から、中間ギア56及び57を経てカットシートフィーダ44の供給ローラ駆動ギアへ伝達され、これにより、カットシートフィーダ44の供給ローラが駆動される。
【0040】
上記中間ギア57を、カットシートフィーダ44の供給ローラ駆動ギアと前述のプッシュトラクタユニット12のトラクタ駆動ギアとに選択的に噛み合わせ可能とし、且つリア側シート搬送ローラ37の接触圧を変更可能とする機構がレリース機構58である。このレリース機構58は、プリンタ10に供給されるシートの種類(カットシート、連続シート)に応じてプリンタ10のシート使用モードを切り換えるものである。
【0041】
さて、図2及び図3に示す前記キャリッジ19は、キャリッジガイド軸26に摺動自在に挿通されると共に、リアフレーム15の上端部に摺接され、更に記録ヘッド18を搭載する。キャリッジガイド軸26がプラテン20と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらプラテン20、キャリッジガイド軸26の軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)可能に設けられる。
【0042】
このキャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転又は逆転により往復移動されるタイミングベルト39(図6)に結合される。従って、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転又は逆転により、タイミングベルト39を介し、キャリッジガイド軸26に案内されて、主走査方向における図2及び図3の左向き又は右向きに走査される。ここで、キャリッジ駆動モータ38は、シート搬送モータ35及び後述のプラテンギャップ調整用モータ66とともに例えばステッピングモータにて構成される。
【0043】
また、キャリッジ19には、図5にも示すように、リボンカセット装着部40が設けられ、このリボンカセット装着部40に、インクリボンを収納したリボンカセット40Aが装着される。更にキャリッジ19には、リボンカセットのインクリボンを、プラテン20に接して搬送されるシート(カットシートまたは連続シート)から保護するリボンマスクホルダ41が設置されている。リボンカセット40A内のインクリボンは、リボンカセット装着部40に設置されたリボン駆動軸(不図示)により、記録ヘッド18の記録ワイヤの前方を移動可能に設けられる。
【0044】
上記記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方に、上述の如くインクリボンが位置する。記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン20と記録ヘッド18との間に搬送されるシート(カットシート又は連続シート)に付着させて、このシートに文字を含む画像を記録する。
【0045】
記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が図2及び図3の主走査方向左向き又は右向きに走行される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、シートがカットシートの場合には、シート搬送機構部(プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)が、またシートが連続シートの場合には、上記シート搬送機構部及びプッシュトラクタユニット12が、それぞれシートを所定長(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
【0046】
ここで、図3に示すプラテン20、第1搬送ローラ21、第4搬送ローラ24、プッシュトラクタユニット12及びカットシートフィーダ44を駆動させるシート搬送モータ35の制御と、キャリッジ19を走行させるキャリッジ駆動モータ38の制御と、記録ヘッド18の記録ワイヤによる記録動作の制御と、図4に示すレリース機構58を動作させるレリース駆動モータ(不図示)の制御と、図5に示す後述の自動プラテンギャップ調整機構65におけるプラテンギャップ調整用モータ66の制御は、制御装置としての制御基板部75(図6)により実施される。この制御基板部75は、例えばプリンタ本体11の前方におけるシート案内25の下方に配置される。
【0047】
ところで、このプリンタ10には、図5及び図7に示すように、供給されたシートのシート厚に応じてキャリッジガイド軸26を回動させて、記録ヘッド18とプラテン20との間のプラテンギャップを調整する自動プラテンギャップ調整機構65が装備されている。
【0048】
この自動プラテンギャップ調整機構65は、プラテンギャップ調整用モータ66、モータピニオン68、減速ギア69、70及び71、並びに制御基板部75を有して構成される。上記モータピニオン68、減速ギア69、70及び71が、後に詳説するギア輪列77を構成する。上記減速ギア71が、キャリッジガイド軸26の両端部の一方に固定されている。このキャリッジガイド軸26は偏心軸であり、その偏心量Lは、例えば1mm程度である。
【0049】
モータピニオン68は、プラテンギャップ調整用モータ66のモータシャフト78に回転一体に固定され、図6にも示すように、このモータピニオン68に減速ギア69が噛み合う。減速ギア70は、減速ギア69と回転一体に形成されて減速ギア71に噛み合う。これにより、プラテンギャップ調整用モータ66の駆動力がモータピニオン68、減速ギア69、70及び71を経てキャリッジガイド軸26へ伝達され、このキャリッジガイド軸26が回動される。すると、このキャリッジガイド軸26の偏心量Lに対応する量(例えばL=1mmの場合には、2mm)だけキャリッジ19が鉛直方向に上下動し、このキャリッジ19を介して記録ヘッド18がプラテン20に対し接離する方向に移動する。
【0050】
上記制御基板部75は、図8に示すように、CPU80、モータドライバ81及び監視装置82を有し、CPU80からモータドライバ81を介してプラテンギャップ調整用モータ66へモータ駆動信号Xを出力して、このプラテンギャップ調整用モータ66を駆動制御する。このプラテンギャップ調整用モータ66の駆動制御は、モータ駆動信号Xの電圧を一定とする定電圧制御により実施される。
【0051】
このプラテンギャップ調整用モータ66の駆動制御により、前述の如く記録ヘッド18がプラテン20へ向かって移動し、このプラテン20上に載置されたシートのシート面が検出されて、記録ヘッド18とプラテン20との間のプラテンギャップがシートのシート厚に応じて調整される。上記シート面の検出は、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したときの、その記録ヘッド18位置の検出により実施される。
【0052】
プラテン20上のシートに当接した記録ヘッド18の位置検出が、上記監視装置82を用いて実施される。
【0053】
つまり、監視装置82は、モータドライバ81からプラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値を監視する。このモータ駆動信号Xの電流値は、図9(A)に示すように、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接する前までは一定値αに保持されるが、記録ヘッド18が上記シートに当接してプラテンギャップ調整用モータ66に作用する負荷が増大した時には、電流が当該プラテンギャップ調整用モータ66に入力されにくくなり、図9(B)に示すようにα以下に減少する。監視装置82は、モータドライバ81からプラテンギャップ調整用モータ66へ入力されるモータ駆動信号Xの電流値が所定値β(後述)まで低下した時に、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、その旨の当接判定信号γをCPU80へ送信する。このCPU80は、プラテンギャップ調整用モータ66へモータ駆動信号Xを出力してから上記当接判定信号γを受信するまでの上記モータ駆動信号Xのパルス数をカウントすることによって、プラテン20上のシートに当接した記録ヘッド18の位置を検出する。
【0054】
記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したか否かの判定を、図10を用いて説明する。
【0055】
CPU80から出力されるモータ駆動信号Xによりプラテンギャップ調整用モータ66が回転され、記録ヘッド18がプラテン20へ向かって移動する(S1)。この記録ヘッド18の移動過程において、監視装置82は、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接していないときのモータ駆動信号Xの電流値を検出する(S2)。
【0056】
監視装置82は、ステップS2にて検出された電流値から前記所定値βを算出する(S3)。この所定値βは、ステップS2にて検出された電流値に所定の百分率を乗じて算出される。また、この所定値βは、モータ駆動信号Xの初期電流値を理想電流値とし、この理想電流値に所定の百分率を乗じて算出してもよい。
【0057】
監視装置82は、プラテンギャップ調整用モータ66へ入力されるモータ駆動信号Xの電流値を監視し(S4)、この監視電流値が所定値β未満となったか否かを判定する(S5)。監視装置82は、監視電流値が所定値β未満となったときに、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、CPU80へ当接判定信号γを送信する(S6)。
【0058】
上述のように構成された自動プラテンギャップ調整機構65によるプラテンギャップの調整は、次のようにしてなされる。
【0059】
上記制御基板部75のCPU80は、プラテンギャップの調整動作の初期状態として記録ヘッド18を、プラテンギャップが最大となる上限位置、つまりプラテンギャップベース位置に位置づける。
【0060】
シートがプリンタ本体11に搬送されて、図3及び図6に示すシート検出器45または46によりプラテン20上にシートが存在することが検出されたとき、制御基板部75のCPU80は、プラテンギャップ調整用モータ66(図5及び図7)を駆動して、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに接触する方向に移動すべく、キャリッジガイド軸26を回転させてキャリッジ19を移動させる。
【0061】
制御基板部75のCPU80が、記録ヘッド18をプラテンギャップベース位置からプラテン20へ向けて移動させる間に、制御基板部75の監視装置82は、モータドライバ81からプラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値を監視する。この監視装置82は、モータ駆動信号Xの電流値が所定値β未満となったときに、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、CPU80へ当接判定信号γを送信する。
【0062】
制御基板部75のCPU80は、監視装置82からの当接判定信号γを受信した時点でプラテンギャップ調整用モータ66を停止させ、その時までにプラテンギャップ調整用モータ66を駆動したモータ駆動信号Xのパルス数をカウントして、プラテンギャップベース位置からの記録ヘッド18位置、つまりプラテン20上のシートのシート面位置を検出する。
【0063】
制御基板部75のCPU80は、上述のようにして検出されたシート面76位置から記録ヘッド18を所定距離上昇させるべく、プラテンギャップ調整用モータ66を逆転駆動させて、記録ヘッド18とプラテン20とのプラテンギャップを、シートのシート厚に応じた値に調整する。
【0064】
以上のように構成されたことから、次の効果▲1▼〜▲3▼を奏する。
【0065】
▲1▼プラテンギャップ調整用モータ66へ入力されるモータ駆動信号Xの電流値が所定値βに達した時に、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したと判定して、記録ヘッド18位置(つまりプラテン20上のシートのシート面位置)を検出し、このシートのシート厚に応じて記録ヘッド18とプラテン20との間のプラテンギャップを調整することから、プラテンギャップ調整用モータ66の脱調前検出を実施できる。このため、記録ヘッド18によるプラテン20またはプラテン20上のシートへの圧痕の発生の防止できる。
【0066】
▲2▼記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接したことの判定を、プラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値を検出することによって実現できるので、従来技術のようなロータリーエンコーダが不要となり、その分コストを低減できる。
【0067】
▲3▼所定値βは、記録ヘッド18がプラテン20上のシートに当接する前にプラテンギャップ調整用モータ66に入力されるモータ駆動信号Xの電流値に基づいて算出されるので、プリンタ10の動作環境やプラテンギャップ調整用モータ66の製造のばらつきの影響を受けることがなく、それぞれのプリンタ10、プラテンギャップ調整用モータ66に対し適切な値を設定できる。
【0068】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0069】
例えば、上記実施の形態では、プラテンギャップ調整用モータ66が定電圧制御される場合を述べたが、定電流制御であってもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、記録ヘッド18がプラテン20へ向かって移動するものを述べたが、プラテン20が記録ヘッド18へ向かって移動するものであってもよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係る記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置によれば、プラテンまたはシートに圧痕が生ずることを防止できる。また、本発明における記録装置のプラテンギャップ調整方法及び調整機構、並びに記録装置によれば、プラテンギャップ調整機構のコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタを示す斜視図である。
【図2】図1のプリンタで、アッパケースを取り外して示すプリンタ本体の斜視図である。
【図3】図1のプリンタにおけるプリンタ本体を示す斜視図である。
【図4】図3のプリンタ本体のシート搬送機構部を示す斜視図である。
【図5】図2のプリンタ本体を拡大して示す斜視図である。
【図6】図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5の自動プラテンギャップ調整機構を示す側面図である。
【図8】図7のプラテンギャップ調整用モータを制御する制御基板部を示すブロックである。
【図9】図8のプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号を示す波形図である。
【図10】図8の監視装置が主に実行する動作を示すフローチャートである。
【図11】ロータリーエンコーダを装備した従来の自動プラテンギャップ調整機構を示す側面図である。
【図12】図11のロータリーエンコーダから出力されるパルス波形を示す波形図である。
【符号の説明】
10 プリンタ(記録装置)
11 プリンタ本体
18 記録ヘッド
19 キャリッジ
20 プラテン
65 自動プラテンギャップ調整機構
66 プラテンギャップ調整用モータ
75 制御基板部
82 監視装置
Claims (12)
- プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整方法において、
上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出することを特徴とする記録装置のプラテンギャップ調整方法。 - 上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置のプラテンギャップ調整方法。
- 上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置のプラテンギャップ調整方法。
- 上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置のプラテンギャップ調整方法。
- プラテンギャップ調整用モータの駆動により記録ヘッドをプラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整する記録装置のプラテンギャップ調整機構において、
上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出するよう構成されたことを特徴とする記録装置のプラテンギャップ調整機構。 - 上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とする請求項5に記載の記録装置のプラテンギャップ調整機構。
- 上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置のプラテンギャップ調整機構。
- 上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の記録装置のプラテンギャップ調整機構。
- プラテンに沿って走行可能なキャリッジに搭載された記録ヘッドが、上記プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録するとともに、プラテンギャップ調整機構を備え、
このプラテンギャップ調整機構は、プラテンギャップ調整用モータの駆動により上記記録ヘッドを上記プラテンへ向かって相対移動させ、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出して、記録装置本体に供給されるシートのシート厚に応じ、上記記録ヘッドと上記プラテンとの間のプラテンギャップを調整するよう設けられた記録装置において、
上記プラテンギャップ調整機構は、上記プラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号が所定値に達したときに、上記記録ヘッドと上記プラテンまたは上記シートとが当接したと判定して、移動する上記記録ヘッドまたは上記プラテンの位置を検出するよう構成されたことを特徴とする記録装置。 - 上記モータ駆動信号は、プラテンギャップ調整用モータを定電圧制御する際の信号であることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
- 上記所定値は、記録ヘッドとプラテンまたはシートとが当接する前にプラテンギャップ調整用モータに入力されるモータ駆動信号に基づいて算出されたものであることを特徴とする請求項9または10に記載の記録装置。
- 上記モータ駆動信号と所定値は電流値であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の記録装置。
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Cited By (1)
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-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210401A patent/JP2004050590A/ja not_active Withdrawn
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US10617256B2 (en) | 2013-11-26 | 2020-04-14 | Taylor Commercial Foodservice Inc. | Grilling appliance with automated platen leveling and gap calibration system |
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