JP2004050479A - 積層白色ポリエステルフィルム - Google Patents

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JP2004050479A JP2002208003A JP2002208003A JP2004050479A JP 2004050479 A JP2004050479 A JP 2004050479A JP 2002208003 A JP2002208003 A JP 2002208003A JP 2002208003 A JP2002208003 A JP 2002208003A JP 2004050479 A JP2004050479 A JP 2004050479A
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Tetsuo Yoshida
吉田 哲男
Atsushi Koyamamatsu
小山松 淳
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

【課題】良好な光学特性と生産性とを兼ね備えた積層白色ポリエステルフィルムを得ることを目的とする。
【解決手段】ポリエステル樹脂(a)からなるポリエステルA層と、共重合ポリエステル樹脂(b)からなるポリエステルB層とを、全層数が5層以上になるように交互に積層した積層ポリエステルフィルムである。ポリエステルB層は不活性粒子および/または非相溶樹脂を40〜90重量%含有させている。積層ポリエステルフィルムとしては、光学濃度(厚み100μm換算)が1.0以上、420〜900nmの波長域における反射率が90%以上である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル中に酸化チタン等の無機系微粒子やポリエステルと非相溶の樹脂を含有せしめた白色ポリエステルフィルムは、各種の用途、インクジェット、感熱転写、オフセット印刷などの印刷記録用途として受容シートの基材に適用されている。
【0003】
そうした中で近年は、印刷記録の精度が向上するとともに、印刷物の鮮明性を高め、より高級感を与える白色ポリエステルフィルムが求められている。このような要求に対しては、上述の無機系微粒子の複数種を併用添加したもの、無機系微粒子と非相溶樹脂を併用添加したものが、例えば特開平4−153232号公報や特開平6−322153号公報に開示されている。
【0004】
また一方、商店やコンビニエンスストアー等の店名表示や商品の広告に使用される内照式電飾看板は、宣伝効果をあげるために光源の蛍光灯の本数を多くして看板表面の明るさを1000ルックス以上とし、あるいは、色彩豊富なネオン管を使用する等して看板に描かれた意匠を引き立てる工夫を行い、宣伝効果を高めている。かかる内照式電飾看板は、照度を上げるため反射板を設けている。
【0005】
また、液晶ディスプレイを照明する際に、従来はディスプレイの背面からライトを当てるバックライト方式が採用されていたが、近年は特開昭63−62104号公報に示されるようなサイドライト方式が、薄型で均一に照明できるメリットから、広く用いられるようになってきた。サイドライト方式とは、ある厚みを持ったアクリル板などのエッジより冷陰極管などの照明を当てる方式で、網点印刷のために、照明光が均一に分散され、均一な明るさをもった画面が得られる。また、画面の背面でなく、エッジ部に照明を設置するため、バックライト方式より薄型にできる。また、照明光の画面背面への逃げを防ぐ為、画面の背面に反射板設置する必要があるが、この反射板には薄さと、光の高反射性が要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような印刷記録用途において、従来の白色ポリエステルフィルムを基材として用いた場合、鮮明性が不足し、高級感に不足するという課題があった。
【0007】
また、液晶ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムとして、例えば作業性の容易さや安価なことから酸化チタンを含有せしめる方法が挙げられるが、特公平8−16175号公報に記載されているように酸化チタンなどの添加だけでは反射率向上には限界があり、画面の明るさが十分でないという課題があった。
【0008】
また、酸化チタンを高濃度添加することで反射効率の向上は期待できるが、たとえば50重量%添加した場合、不活性粒子濃度が非常に高いため、破断が多発し製膜が非常に困難、場合によっては製膜できないといった課題があった。
【0009】
また、シート成形後延伸することにより微細な空隙を形性したものが挙げられる。例として、特開平4−239540号公報に開示された多孔の樹脂シートからなる反射シートなどが知られているが、可視光領域の反射率は実用上使用可能なレベルであるものの、光学濃度を満足させるためフィルムを薄膜化できない、熱線反射率が満足できないなどといった課題があった。
【0010】
本発明はかかる課題を解決し、実用上十分な可視光領域の反射性能を維持しつつ、より明るい画面の得られ、かつ熱線反射率も高くて、電子部品から発せられる熱エネルギーを効率よく反射させ、また、高濃度の不活性粒子を添加しても安定して製膜でき、内照式電飾看板や液晶ディスプレイの反射板用基材に用いて最適である積層白色ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層白色ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)からなるポリエステルA層と、共重合ポリエステル樹脂(b)からなるポリエステルB層とを、全層数が5層以上になるように交互に積層した積層ポリエステルフィルムであって、ポリエステルB層は不活性粒子および/または非相溶樹脂を40〜90重量%含有させていることにより白色化されており、積層ポリエステルフィルムとしては、光学濃度(厚み100μm換算)が1.0以上、420〜900nmの波長域における反射率が90%以上であることを特徴とする。
【0012】
本構成による反射率向上のメカニズムは断定できないが、5層以上の積層構造を有することで入射光の積層界面での反射頻度が増加することにより向上しているのではないかと推測される。また、本構成をとることによって従来では二軸延伸製膜が非常に困難であった高濃度の不活性粒子を充填したフィルムを安定して製膜することができる。これは、高濃度充填層と未充填層とが交互に積層されていることにより、延伸時の応力集中が緩和される為ではないかと推定される。
【0013】
<基材組成>
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂(a)、共重合ポリエステル樹脂(b)としては、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等に代表されるものであり、またジオールとは、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等で代表されるものである。特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートが好ましい。また、これらポリエステルはホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであっても良く、共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分があげられる。
【0014】
また、このポリエステルの中には公知の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤などが添加されていても良い。本発明におけるポリエステル樹脂(a)としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、共重合ポリエステル樹脂(b)としては、本目的が達成できる範囲であれば特に限定されないが、たとえば高濃度の不活性粒子を添加しても樹脂が低結晶性であるために安定して製膜できる共重合ポリエステル樹脂が必要である。本共重合ポリエステル樹脂としては、融点が250℃以下、好ましくは245℃以下、更に好ましくは240℃以下であるが、例えば、イソフタル酸共重合ポリエステルやシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル(所謂PET−G)などが挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは耐水性、耐久性、耐薬品性などに優れているものである。
【0015】
<滑剤>
本フィルムは、420〜900nmにおける反射率が、90%以上、好ましくは93%以上、更に好ましくは95%以上であることが必要である。90%未満であると反射効率が劣ったフィルムとなり、本目的を達成が満足できない。ここで反射率の限定条件は、波長420nm以上の範囲で限定することで、可視領域において実用上十分なものである。そしてまた、波長900nmまでの範囲において反射率を限定することで、十分な熱線反射特性を得ることができる。
【0016】
また、光学濃度が1.0(厚み100μm換算)以上、好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上であることが必要であり、1.0未満であると隠蔽性が劣り、品質として好ましくない。
【0017】
これら目的を達成する為に、上記共重合ポリエステル樹脂(b)からなるポリエステルフィルム層(B)を白色化するには、不活性粒子を40〜90重量%、好ましくは45〜75重量%、更に好ましくは47〜70重量%の範囲であることが必要である。
【0018】
40%未満であるとこれら目的が達成できなく、90重量%を越えると延伸が難しく生産性が著しく劣ったものとなる。
【0019】
なお、硫酸バリウム、酸化チタン等の白色顔料および、または不活性粒子を単独あるいは2種以上添加しても良い。特に、可視光波長範囲内の波長420nm以下でも反射率は高いことが好ましいことから、400〜420nm付近の波長領域における反射効率を考えると、硫酸バリウムが好ましい。また、ポリエステル樹脂(a)からなるポリエステルフィルム層(A)にもフィルムの巻き取り性を向上させる目的で不活性粒子を添加しても構わない。該不活性粒子としては、光の吸収のない粒子が好ましい。これら粒子としてたとえば、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレー、硫酸バリウムなどの無機粒子、またはシリコーンや熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂からなる有機粒子等が好ましい。添加濃度としては、たとえば0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%である。5重量%を越えると延伸性が劣り生産性の悪いものとなる。
【0020】
これら不活性粒子滑剤をポリエステルへ添加含有させる前に、精製プロセスを用いて、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。生成プロセスの工業的手段としては、粉砕手段で例えばジェットミル、ボールミル等が挙げられ、また分級手段では例えば乾式もしくは湿式遠心分離機等が挙げられる。なお、これらの手段は2種以上を組み合わせ、段階的に精製しても良いのはもちろんである。
【0021】
また、含有させる方法としては各種の方法を用いることができる。その代表的な方法として、下記のような方法を挙げることができる。
(ア)ポリエステル合成時のエステル交換反応もしくはエステル化反応終了前に添加、もしくは重縮合反応開始前に添加する方法。
(イ)ポリエステルに添加し、溶融混練する方法。
(ウ)上記(ア)、(イ)の方法において酸化チタンや他の滑剤を多量添加したマスターペレットを製造し、これら添加剤を含有しないポリエステルと混練し、所定量の添加物を含有させる方法。
【0022】
なお、前記(ア)のポリエステル合成時に添加する方法を用いる場合には、酸化チタンや他の滑剤をグリコールに分散したスラリーとして、反応系に添加することが好ましい。
【0023】
また、フィルム内部にボイドを形成させるには、フィルム母材、たとえばポリエステル中に、高融点の非相溶ポリマーを細かく分散させ、それを延伸することにより達成される。延伸は、一軸でも良いが好ましくは2軸延伸である。延伸に際して、非相溶ポリマー粒子周りにボイドが形成され、より高反射率を得ることが可能となる。非相溶ポリマーとは、ポリ−3−メチルフテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリフルオロスチレン、ポリ−2−メチル−4−フルオロスチレン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セルロールトリアセテート、セルロールトリプロピオネート、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどから選ばれたポリマーである。中でもポリエステル母材に対して、ポリオレフィン、特にポリメチルペンテンが好ましい。
【0024】
また、本ポリエステルフィルムには蛍光増白剤を添加しても良く、濃度としては0.005〜0.2重量%の範囲、好ましくは0.01〜0.1重量%である。蛍光増白剤の種類としては、OB−1(イーストマン社製)、Uvitex−MD(チバガイギー社製)、JP−Conc(日本化学工業所製)などがあげられる。
【0025】
蛍光増白剤の添加量としては、0.01重量%未満では、紫外線を吸収して可視光短波長範囲の蛍光を発する量が十分でなく、反射板とした時に照度が十分なものとならない。0.2重量%を越えると、蛍光増白剤の持つ特有の色が現れてしまうため好ましくない。
【0026】
<塗布>
また、本発明においてはポリエステルフィルムのコーティング塗剤のバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の各種樹脂が使用し得る。たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィンや、これらの共重合体やブレンド物である。なかでもポリエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリウレタンが好ましい。更に架橋剤を加えて架橋したものでも良い。コーティング塗剤の溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの有機溶媒および混合物が使用でき、更に水を溶媒としてもよい。
【0027】
また、本発明においてはポリエステルフィルムにコポリエステル、ポリアルキレンオキサイド及び微粒子を主成分とする塗膜を少なくとも最外層に積層してもよい。
【0028】
本発明においては塗膜を形成する成分として、上記成分以外にメラミン樹脂等の他の樹脂、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤等を使用することができる。
【0029】
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に前記成分からなる塗膜を積層してもよいが、例えば延伸可能なポリエステルフィルムに塗膜を形成する成分を含む水溶液を塗布した後、乾燥、延伸し必要に応じて熱処理することにより積層することができる。この水溶液の固形分濃度は、通常30重量%以下であり、10重量%以下が更に好ましい。
【0030】
上記の延伸可能なポリエステルフィルムとは、未延伸ポリエステルフィルム、一軸延伸ポリエステルフィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルムである。この内フィルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸した縦延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0031】
ポリエステルフィルムへ水溶液を塗布する場合は、通常の塗工工程、すなわち二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムに該フィルムの製造工程と切り離した工程で行うと埃、ちり等を巻き込み易く好ましくない。かかる観点よりクリーンな雰囲気での塗布、すなわちフィルムの製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布によれば、塗膜のポリエステルフィルムへの密着性が更に向上する。
【0032】
塗布方法としては、公知の任意の塗布方が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または組み合わせて用いることができる。塗布量は走行しているフィルム1m当たり0.5〜20g、更に1〜10gが好ましい。水性液は水分散液または乳化液として用いるのが好ましい。
【0033】
<紫外線吸収剤>
本発明における基材層のポリエステルには、フィルムの耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させても構わない。この紫外線吸収剤は、その種類を特に特定されないが、下記式(I)で表わされる環状イミノエステル及び下記式(II)で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を、未反応の形態で用いるのが好ましい。かかる環状イミノエステルは紫外線吸収剤として公知の化合物であり、例えば特開昭59−12952号公報に記載されている。
【0034】
【化5】
Figure 2004050479
【0035】
式(I)中、Xは上記式に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基である。nは1、2又は3である。Rはn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はRはn=2のとき直接結合であることができる。
【0036】
【化6】
Figure 2004050479
【0037】
式(II)中、Aは下記式(II)−aで表わされる基であるか又は下記式(II)−bで表わされる基である。RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基である。Xは4価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。
【0038】
【化7】
Figure 2004050479
【0039】
【化8】
Figure 2004050479
【0040】
としては、好ましくは例えば1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、下記式(a)または(b)で表わされる基を挙げることができる。これらのうち、特に1,2−フェニレンが好ましい。式中、Rは−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CH−、−(CH)−または−C(CH−である。
【0041】
【化9】
Figure 2004050479
【0042】
について例示した上記芳香族残基は、例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などの置換基で置換されていてもよい。 Rはn価(ただし、nは1、2又は3である)の炭化水素残基であるか、又はnが2であるときに限り直接結合であることができる。1価の炭化水素残基(n=1の場合)としては、第一に、例えば炭素数1〜10の未置換脂肪族基、炭素数6〜12の未置換芳香族基、炭素数5〜12の未置換脂環族基が挙げられる。
【0043】
炭素数1〜10の未置換脂肪族基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等を、炭素数6〜12の未置換芳香族基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等を;炭素数5〜12の未置換脂環族基としては、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0044】
また、上記1価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(c)〜(f)で表わすことのできる、置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることができる。
【0045】
【化10】
Figure 2004050479
【0046】
【化11】
Figure 2004050479
【0047】
【化12】
Figure 2004050479
【0048】
【化13】
Figure 2004050479
【0049】
式中、Rは炭素数2〜10のアルキレン、フェニレン又はナフチレンである。Rは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基又はナフチル基である。Rは水素原子又はRに定義された基のいずれかである。Rは水素原子又はRに定義された基のいずれかである。
【0050】
また、上記1価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の芳香族残基が例えば上記Xを表わす芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。それ故、かかる置換基で置換された場合の例としては、例えばトリル、メチルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチル、クロロフェニル、ベンゾイルフェニイル、アセチルフェニル又はアセチルナフチル等を挙げることができる。
【0051】
1価の炭化水素残基としては、上記式(c)、(d)、(e)又は(f)で表わされる基、すなわち置換された脂肪族残基又は芳香族残基、特にそのうち置換された芳香族残基が好ましい。
【0052】
2価の炭化水素残基(n=2の場合)としては、第一に、例えば2価の、炭素数2〜10の未置換の脂肪族残基、炭素数6〜12の未置換の芳香族残基、炭素数5〜12の未置換の脂環族残基が挙げられる。
【0053】
2価の炭素数2〜10の未置換の脂肪族基としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、デカメチレン等を、2価の炭素数6〜12の未置換の芳香族残基としては、例えばフェニレン、ナフチレン、P,P’−ビフェニレン等を;2価の炭素数5〜12の未置換の脂環族残基としては、例えばシクロペンチレン、シクロヘキシレン等を挙げることができる。
【0054】
また、上記2価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(g)で表わされる基、又は下記式(h)で表わされる置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることができる。
【0055】
【化14】
Figure 2004050479
【0056】
【化15】
Figure 2004050479
【0057】
式中、RはRに定義された基のいずれかである。RはRに定義された基のいずれかであり、そしてR10はRに定義された基のいずれかである。
【0058】
また、上記2価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の2価の芳香族残基が、例えば上記Xを表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。
【0059】
nが2の場合には、Rとしては、これらのうち直接結合又は上記第一〜第三の群の未置換又は置換された2価の芳香族炭化水素残基が好ましく、特に2本の結合手が最も離れた位置から出ている第一又は第三の群の未置換又は置換された芳香族炭化水素残基が好ましく、就中P−フェニレン、P,P’−ビフェニレン又は2,6−ナフチレンが好ましい。
【0060】
3価の炭化水素残基(n=3の場合)としては、例えば3価の炭素数6〜12の芳香族残基を挙げることができる。
【0061】
かかる芳香族残基としては、次に示す4種類の基を挙げることができる。
【0062】
【化16】
Figure 2004050479
【0063】
かかる芳香族残基は、上記1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0064】
上記一般式(I)中、RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり、Xは4価の芳香族炭化水素残基である。
【0065】
およびRとしては、上記式(I)の説明において、n=1の場合のRについて例示したと同じ基を例として挙げることができる。
【0066】
4価の芳香族炭化水素残基としては、次に示す8種類の基を挙げることができる。ここで、Rの定義は式(a)に同じ。
【0067】
【化17】
Figure 2004050479
【0068】
上記4価の芳香族残基は、上記式(I)の説明において、Rを表わす1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0069】
本発明において用いられる上記式(I)および(II)で表わされる環状イミノエステルの具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0070】
上記式(I)の化合物 n=1の場合
2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−又は2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(又はm−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。
【0071】
上記式(I)の化合物 n=2の場合
2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−又は1,5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フェニル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゾイル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン。
【0072】
上記式(I)の化合物 n=3の場合
1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン。
【0073】
上記式(II)の化合物
2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)。
【0074】
上記例示化合物のうち、上記式(I)の化合物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化合物、特に好ましくは下記式(I)−1で表わされる化合物が有利に用いられる。式中、R11は2価の芳香族炭化水素残基である。
【0075】
【化18】
Figure 2004050479
【0076】
式(I)−1の化合物としては、とりわけ2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
【0077】
これら環状イミノエステルの紫外線吸収特性は、例えばその代表的化合物について特開昭59−12952号公報に記載されているので、それを援用する。
【0078】
前記環状イミノエステルは、ポリエステルに対して優れた相溶性を有するが、前記特開昭59−12952号公報や米国特許第4291152号公報明細書に記載されているように、ポリエステルの末端水酸基と反応する能力を有する。そこで、環状イミノエステルが実質的に未反応な状態で含有されるように、環状イミノエステルとポリエステルとを注意深く混合させることが求められる。ただし、ポリエステルとして、主たる割合の末端基がカルボキシル基であるポリエステルや、末端水酸基が該環状イミノエステルと反応性の無い末端封鎖剤で封鎖されているポリエステルを用いる場合、環状イミノエステルを未反応の状態で含有する組成物を製造するのに特別の注意を払う必要は無い。末端基の主たる割合が水酸基であるポリエステルを用いる場合には、溶融混合の時間は、次の2つの数式を満足するように、短時間で完了するようにするのが望ましい。式中、tは溶融混合時間(秒)、Tは溶融混合温度(℃)及びTmはポリエステルの溶融温度(℃)である。
Logt≦−0.008T+4.8 …(1)
Tm<T<320 …(2)
この場合、環状イミノエステルとポリエステルとが少しの割合で反応する可能性があるが、この反応によってポリエステルの分子量は大きくなるので、この割合によっては可視光吸収剤によるポリエステルの劣化による分子量低下を防ぐことが可能である。なお、環状イミノエステルがポリエステルと反応した場合、紫外線吸収波長領域が、一般に、未反応の状態の紫外線吸収波長領域より低波長側にずれる傾向を示し、それ故高波長側の紫外線を透過する傾向をもつ。
【0079】
前記環状イミノエステルは、適量を添加する場合、昇華物が殆どないので、製膜でダイ周辺を汚すことが少なく、紫外線から380nm付近の光線を吸収するのでフィルムの着色が無く、可視光線吸収剤やフィルムの劣化を防止する特性に優れている。
【0080】
前記紫外線吸収剤の添加量は、ポリエステルに対し、0.1〜5重量%が好ましく、さらには0.2〜3重量%が好ましい。この量が0.1重量%未満では紫外線劣化防止効果が小さく、一方5重量%を超えるとポリエステルの製膜特性が低下し、好ましくない。
【0081】
前記紫外線吸収剤のポリエステルへの添加方法は特に限定されないが、ポリエステル重合工程、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸、などを挙げることができ、特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好ましい。その際、紫外線吸収剤の練込みは、化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うことができる。
【0082】
本発明におけるポリエステルフィルムの、波長370nmでの光線透過率は3%以下、好ましくは2%以下である必要がある。3%を超える場合は紫外線に対する耐候性が不足し、例えばプラズマディスプレイ前面板フィルターとして用いた場合に赤外線吸収剤層の劣化が起こる。波長370nmでの光線透過率を3%以下にするには、基材層に添加する紫外線吸収剤の量を0.1重量%以上にすればよい。
【0083】
<製膜>
本発明におけるA層とB層の積層状態は、A層とB層を交互に総数で5層以上、好ましくは11層以上、更に好ましくは31層以上積層したものである。積層数が5層未満だと白色層と非白色層の界面での反射効率が少なくなり、フィルムの反射効率が高めることができず十分な反射率が得られないうえ、フィルムが折れシワが発生しやすいなど取り扱いが難しくなる。
【0084】
ところで、本発明の積層フィルムは、その片面または両面に、他の機能を付与するために、他の層をさらに積層した積層体としてもよい。ここでいう、他の層とは透明なポリエステルフィルム、金属薄膜やハードコート層、インク受容層が揚げられる。
【0085】
本発明の積層フィルムは、次のようにして製造することができる。まずは、フィードブロックを用いた同時多層押出し法により、積層未延伸フィルムを製造する。すなわちA層を形成するポリマーの溶融物とB層を形成するポリマーの溶融物を、フィードブロックを用いて2層が交互に形成されるように積層し、ダイに展開して押出す。この時、フィードブロックで積層されたポリマーは積層された形態を維持している。ダイより押出されたシートは、キャスティングドラムで冷却固化され、多層未延伸フィルムとなる。
【0086】
この未延伸状態の延伸可能な積層ポリエステルフィルムは、テンター法、インフレーション法等の従来より知られている製膜方法を用いて製造することができる。これをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。延伸倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.0倍以下とするのが好ましい。更に好ましくは、2.8倍以上3.9倍以下とするのが好ましい。2.5倍以下とするとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.0倍以上とすると製膜中に破断が発生し易くなり問題がある。
【0087】
縦延伸フィルムは、続いて、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステルのガラス転移点(Tg)より20℃高い温度から始める。そしてポリエステルの融点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。この延伸開始温度は(Tg+40)℃以下であることが好ましい。また延伸最高温度はTmより(100〜40)℃低い温度であることが好ましい。
【0088】
横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよい。通常逐次的に昇温する。例えばステンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸開始温度が低すぎるとフィルムの破れが起こり、好ましくない。また延伸最高温度が(Tm−120)℃より低いとフィルムの熱収が大きくなり、また幅方向の物性の均一性が低下し、好ましくない。一方延伸最高温度が(Tm−30)℃より高いとフィルムが柔らかくなり外乱等によってフィルムの破れが起こり、好ましくない。
【0089】
横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.0倍以下とするのが好ましい。更に好ましくは、2.8倍以上3.9倍以下とするのが好ましい。2.5倍以下とするとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず、4.0倍以上とすると製膜中に破断が発生し易くなる。
【0090】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
【0091】
1.各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚み、相対標準偏差を求める。
【0092】
2.反射率
分光光度計(島津製作所製の商品名「UV−3101PC」)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%とした時の反射率を420〜900nmにわたって測定する。得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取った。
【0093】
3.光学濃度
光学濃度計(X−Rite社製の商品名「TR−310」)を用いて、フィルム試料の3原色におけるV(Visual)光学濃度を測定する。
【0094】
4.隠蔽性
直径1cmの黒円を記入した50μmの透明ポリエステルフィルムの上に対象フィルムを置き、積層体を蛍光燈に透かし下記基準で評価した。
○:黒円が全く見えない
△:黒円がかすかに見える
×:黒円がはっきりと見える。
【0095】
5.融点
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法による。なおサンプル量は約10mgとする。
【0096】
[実施例1〜4、6および比較例1〜3]
表1に示す樹脂および不活性粒子を添加し、それぞれ280℃に加熱された2台の押出機に供給した。なお表1中の樹脂組成名において、「PET」はポリエチレンテレフタレート、「IA12−PET」はイソフタル酸12モル%共重合ポリエチレンテレフタレート、「PET−G」はシクロヘキサンジメタノール30モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを表す。また表1中の滑剤粒子種類名において、「P1」は塊状シリカ、「P2」はアナターゼ型酸化チタン、「P3」は硫酸バリウム、「P4」はルチル型酸化チタンを表す。
【0097】
そして、ポリエステル樹脂(a)を用いたA層ポリマーと、共重合ポリエステル樹脂(b)を用いたB層ポリマーとを、表1に示す層数を構成できるようにそれぞれ分岐させたあと、A層とB層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを、85〜98℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に表1に示す倍率で延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に表1に示す倍率で延伸した。その後テンタ−内で180℃の熱固定を行い、均一に除冷後、室温まで冷やして二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの反射板基材としての物性は表2の通りである。
【0098】
[実施例5]
B層ポリマーに添加する不活性粒子を硫酸バリウムおよびポリメチルペンテン(三井石油化学製の商品名「TPX−MX002」。表1中では滑剤種類名「P5」と表す)の2種類を添加した以外は実施例1と同様に製膜した。得られたフィルムの反射板基材としての物性は表2の通りである。
【0099】
[比較例4]
ポリエステル樹脂(a)を用いたA層のみとした以外は比較例1と同様に製膜した。得られたフィルムの反射板基材としての物性は表2の通りである。
【0100】
【表1】
Figure 2004050479
【0101】
【表2】
Figure 2004050479
【0102】
【発明の効果】
以上詳述のように本発明の積層白色ポリエステルフィルムは、実用上十分な可視光領域の反射性能を維持しつつ、より明るい画面の得られる。かつ熱線反射率も高くて、電子部品から発せられる熱エネルギーを効率よく反射させることができる。また、高濃度の不活性粒子を添加しても安定して製膜でき、内照式電飾看板や液晶ディスプレイの反射板用基材に用いて最適である。
【0103】
具体的には、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカードなどの各種印刷記録に用いられた場合、反射率が高く意匠性に優れた受容シートの基材として、また、商品や店舗の宣伝に、あるいは駅の案内表示板塔に使用する内照式電飾看板や液晶ディスプレイ用の反射板用基材に用いて最適な白色ポリエステルフィルムである。液晶画面をライトにより照明した場合、より明るい画面が得られる反射板用基材を構成することが可能な積層白色ポリエステルフィルムである。

Claims (11)

  1. ポリエステル樹脂(a)からなるポリエステルA層と、共重合ポリエステル樹脂(b)からなるポリエステルB層とを、全層数が5層以上になるように交互に積層した積層ポリエステルフィルムであって、ポリエステルB層は不活性粒子および/または非相溶樹脂を40〜90重量%含有させていることにより白色化されており、積層ポリエステルフィルムとしては、光学濃度(厚み100μm換算)が1.0以上、420〜900nmの波長域における反射率が90%以上であることを特徴とする積層白色ポリエステルフィルム。
  2. 共重合ポリエステル樹脂(b)は、融点が250℃以下であることを特徴とする請求項1記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  3. 不活性粒子が白色顔料であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  4. 不活性粒子が硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  5. 非相溶樹脂がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  6. ポリオレフィンがポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項5の積層白色ポリエステルフィルム。
  7. 蛍光増白剤を0.2重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  8. 紫外線吸収剤を5重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  9. 紫外線吸収剤が、下記式(I)で表される環状イミノエステルおよび下記式(II)で表される環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項8記載の積層白色ポリエステルフィルム。
    Figure 2004050479
    (ここで、Xは、上記式に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基である。nは1、2または3である。Rはn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。またはRはn=2のとき直接結合であることができる。)
    Figure 2004050479
    (ここで、Aは下記式(II)−aで表わされる基であるかまたは下記式(II)−bで表わされる基である。RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基である。Xは4価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
    Figure 2004050479
    Figure 2004050479
  10. 少なくとも一方の最外層には、コーティング層を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
  11. 反射板の基材として用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の積層白色ポリエステルフィルム。
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