JP2004047450A - プロトン伝導性膜用補強材およびそれを用いたプロトン伝導性膜、ならびにそれを用いた燃料電池 - Google Patents
プロトン伝導性膜用補強材およびそれを用いたプロトン伝導性膜、ならびにそれを用いた燃料電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】耐熱性および耐久性に優れ、かつ、高強度のプロトン伝導性膜の補強材を安価に提供する。さらには、その補強材を用いたプロトン伝導性膜および燃料電池を提供する。
【解決手段】多孔質化させた表面層の上にシリカ層を被覆したガラス繊維の布からなるプロトン伝導性膜用補強材。前記多孔質の厚さは好ましくは10〜500nmである。シリカ被膜の厚さは好ましくは10〜1,000nmである。前記ガラス繊維の布の空隙率は好ましくは50〜95%である。
【選択図】 なし
【解決手段】多孔質化させた表面層の上にシリカ層を被覆したガラス繊維の布からなるプロトン伝導性膜用補強材。前記多孔質の厚さは好ましくは10〜500nmである。シリカ被膜の厚さは好ましくは10〜1,000nmである。前記ガラス繊維の布の空隙率は好ましくは50〜95%である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池の電解質膜として利用されるプロトン伝導性膜の補強材、そのプロトン伝導性膜、ならびに燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、発電効率が高く、かつ、環境負荷が小さいため、環境にやさしい新エネルギーとして注目されている。燃料電池は、一般に電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、この中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)は、高出力、かつ、小型軽量化が容易であり、さらに量産効果による低コスト化も期待できることから、小規模オンサイト型、自動車用または携帯用など次世代の燃料電池の主力として期待されている。
【0003】
これら固体高分子型燃料電池は、電解質が高分子膜(プロトン伝導性膜)であり、通常は室温から80℃程度の比較的低い温度領域で運転される。しかしながら、この温度領域の運転では、触媒の一酸化炭素による被毒が顕著なるなどの致命的な問題が生じ、また廃熱利用ができずエネルギー利用効率が低いなどの問題がある。固体高分子型燃料電池を100℃以上で運転できれば、発電効率が向上するとともに廃熱利用が可能となる。さらに、運転温度を140℃まで上昇させることができれば、発電効率の向上や廃熱利用に加えて、触媒の一酸化炭素による被毒が軽減され、触媒材料選択の幅が広がり、燃料電池の製造コストを抑えることができる。
【0004】
現在、プロトン伝導性膜として主に使用されているものは、パーフルオロアルキレンを主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基などのイオン交換基を有するフッ素系膜であり、たとえばNafion R膜(Du Pont社、特許文献1)、Dow膜(Dow Chemical社、特許文献2)、Aciplex R膜(旭化成工業(株)、特許文献3)およびFlemion R膜(旭硝子(株))などが知られている。これらフッ素系膜は、100℃以上の高い温度領域で電解質膜として用いた場合、プロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造が破壊されたり、ドライアップてしてプロトン伝導が阻害され、電解質膜として機能しなくなったりする。これらの状況から、従来の燃料電池では、80℃以下の低い温度領域で運転せざるを得ない。
【0005】
そこで、これらフッ素系膜の欠点を改善し、固体高分子型燃料電池の運転温度を上昇させるために、種々の電解質膜材料(すなわち、プロトン伝導性材料)が提案されている。代表的なものとしては、従来のフッ素系膜の代わりとなる耐熱性の芳香族系高分子材料が挙げられ、ポリベンズイミダゾール(特許文献4)、ポリエーテルスルホン(特許文献5、特許文献6)、ポリエーテルエーテルケトン(特許文献7)、またはポリエチレンオキシドなどの有機重合体にケイ素、チタンもしくはジルコニウムなどの金属酸化物3次元架橋構造体を複合化して適度な柔軟性と耐熱性を併せ持たせた膜(特許文献8)などが知られている。しかし、これらの高分子材料では、膜強度が十分でなく、膜−電極接合体形成の際、破損などの可能性が高いという問題がある。
【0006】
特許文献9には、ポリエチレンオキシドなどの有機重合体にケイ素、チタンもしくはジルコニウムなどの金属酸化物3次元架橋構造体を複合化した膜に織布などの補強材を用いて、その強度を高めることが記載されている。こうした補強材を構成する繊維としては、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレンもしくはフッ素樹脂などの高分子繊維、絹、綿もしくは紙などの天然素材系の繊維、またはガラス繊維繊維などが挙げられる。これらの中でも、強度や膜組成物との親和性からガラス繊維が最も好ましい旨、上記公報に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,330,654号明細書
【特許文献2】
特開平4−366137号公報
【特許文献3】
特開平6−342665号公報
【特許文献4】
特開平9−110982号公報
【特許文献5】
特開平10−21943号公報
【特許文献6】
特開平10−45913号公報
【特許文献7】
特開平9−87510号公報
【特許文献8】
特開2001−35509号公報
【特許文献9】
特開2001−307545号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鉛蓄電池などの耐酸性条件下での使用に適したCガラス組成からなるガラス繊維は、極細化および長繊維化が難しいため、この耐酸性の優れたガラス繊維を用いてプロトン伝導性膜用補強材として好適な極薄の布を製造することは困難であった。そのため、厚さ50μm以下のガラス繊維織布には、Eガラス組成からなるガラス繊維が利用される。しかし、Eガラス組成からなるガラス繊維では、耐酸性が十分でないなどの問題があった。
【0009】
例えばEガラス組成からなるガラス繊維織布の耐酸性を向上させるには、その表面をシリカで被覆したり、表面をリーチングしてシリカ以外の成分を溶出させたりする方法が考えられる。しかしながら、ガラス繊維の表面に単にシリカの被膜を成形しただけでは、シリカ膜と繊維との密着性が不十分で、シリカ膜が容易に剥離してしまう。また、リーチングを行うことにより、ガラス繊維の表面にシリカ成分の多いシリカリッチ層を形成できるが、このシリカリッチ層は、多孔質であるため比表面積が極めて大きく、またガラス繊維内部からの成分の溶出を完全に抑えられるものではない。そのため、シリカリッチ層の形成だけでは、長期間の使用において、ガラス繊維内部からアルカリ成分などが溶出し、電解質膜の強度を低下させたり、電解質特性に悪影響を与えてしまうという問題があった。
【0010】
以上のように、100℃以上の高温で十分な耐久性を有し、機械的性能も満足したプロトン伝導性膜は、これまで存在しなかった。この発明は、上記の固体高分子型燃料電池の電解質膜およびその補強材における問題点を解決するためになされたものである。その目的とするところは、耐熱性および耐久性に優れ、かつ、高強度のプロトン伝導性膜の補強材を安価に提供することにある。さらには、その補強材を用いたプロトン伝導性膜および燃料電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のプロトン伝導性膜用補強材は、多孔質化させた表面層の上にシリカ層を被覆したガラス繊維の布からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明においては、プロトン伝導性膜の補強材として、組成中に酸可溶成分を有するケイ酸塩系ガラス繊維の布が用いられ、例えばEガラス、Lガラス、Dガラス、Sガラス、Mガラス(高弾性率ガラス)、耐アルカリ性ガラス組成からなるガラス繊維織布を用いることができる。なかでもSガラスまたはEガラス組成からなるガラス繊維は極細化が容易であることから好ましく、Eガラス組成からなるガラス繊維は安価に入手できる点からさらに好ましい。また、上記組成の極細の短繊維からなる不織布を用いることができる。
Eガラス組成の一般的な組成を表1に、また本発明において使用されるガラスの代表的な組成を表2にそれぞれ示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
R2Oは、Na2OおよびK2Oのいずれか一方または両方の合計を表す。
【0015】
また市販されている5種類のEガラス組成からなるガラス繊維の組成成分含有率を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】
電解質膜の機能を確保するためには、膜用補強材の厚さは50μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の太さは電解質膜の厚さに直接的に反映される点を勘案して、その平均繊維直径は0.2〜20μmであることが好ましい。平均繊維直径が20μmを超えると、電解質の膜厚を50μm以下とすることができず、一方平均繊維直径が0.2μm未満のガラス繊維は、製造が困難であると共に高価である。
【0018】
プロトン伝導性膜用補強材としてのガラス繊維布としてはガラス繊維織布またはガラス繊維不織布が用いられる。ガラス繊維織布としては、その織り方をとくに限定されるものではないが、平織が好ましい。平織は、どの方向にも均等な引張り強さを持ち、厚みも均一になるからである。
【0019】
ガラス繊維織布の目付は、10〜100g/m2であることが好ましい。10g/m2未満では、十分な強度を得ることができない。一方、100g/m2を超えると、厚くなりすぎるため、薄くしようと密度を高くすれば、電解質を保持する空隙が無くなってしまう。
【0020】
ガラス繊維の布に表面処理を施すことにより、その表面を多孔質化させる。表面処理の方法は、ガラス繊維の耐熱性および耐酸性を向上させるものであればとくに限定されるものではないが、例えば、酸によるリーチングによりガラス繊維中の酸可溶性成分例えばB2O3、CaO、R2O等が表面から徐々に溶出して、繊維表面にシリカリッチな多孔質層が形成される。リーチング処理したガラス繊維の布は、後述のシリカ層被覆処理の前に、必要に応じて、例えば600〜900℃で焼成することにより、ガラス繊維の耐熱性および耐酸性をさらに高めることができる。
【0021】
ガラス繊維表面の多孔質の厚さは、10〜500nmであることが好ましい。10nm未満であると、その上に形成されるシリカ被膜が剥がれ易く、一方500nmを超えると、ガラス繊維布が脆弱になってしまう。またこの多孔質の厚さがガラス繊維の直径(多孔質化処理前)に対して相対的に大きすぎるとガラス繊維布が脆弱になるのでガラス繊維の直径(多孔質化処理前)の25%以下であることが好ましい。なお、ガラス繊維の表面が多孔質化することにより、そこに付着するシリカ膜の付着強度が高くなるのは、ガラス繊維の表面積が大きくなり、かつ、シリカ膜が多孔質の内部まで入り込んでいわゆるアンカー効果が奏されるからであると考えられる。
【0022】
リーチングとしては、酸処理が好ましい。酸処理の方法は、とくに限定されるものではないが、ガラス繊維の布例えばガラス繊維織布を塩酸などの酸水溶液に所定時間浸漬し、必要に応じて昇温あるいは攪拌した後、水洗いを行い、乾燥さらに焼成させる一連の処理が挙げられる。ここで、用いる酸水溶液の濃度、昇温温度および浸漬時間などの諸条件は、酸の種類例えば塩酸、硝酸など、ならびに必要とする酸処理の程度(多孔質の厚さ)などによって適宜決定される。たとえば、平均直径9μmのEガラス組成からなるガラス繊維を朱子織にしたガラス繊維織布に対して酸処理を行う場合は、30〜70℃に維持した1.5〜6.0規定の酸水溶液中に、前記ガラス繊維織布を6〜24時間程度浸漬することにより、その多孔質の厚さを10〜500nmに調整することができる。1.5規定未満の酸水溶液を用いた場合は、所望のシリカ層の厚さを成形するまでに長時間を要し、一方6.0規定を超える酸水溶液を用いると、酸による腐蝕が急激なため、繊維形状を保つことが困難になる場合がある。また、温度についても同様のことがいえ、30℃未満の場合は、所望の多孔質の厚さを成形するまでに長時間を要し、一方70℃を超えると、繊維形状を保つことが困難になる場合がある。
【0023】
多孔質の表面上にシリカ被膜を成形する方法は、とくに限定されるものではなく、金属塩から酸化物を析出させる方法、ゾルゲル法、CVD法またはLPD法などの公知の方法を利用することができる。たとえば、特公昭46−9555号公報に示されたように、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)をアルカリ環境下で粉状体スラリーに添加し、粉状体表面にシリカを析出させる方法(金属塩法)、特公昭48−32415号公報や特開平3−54126号公報に示されたように、粉状体とテトラアルコキシシランとの混合物を塩基性溶液中またはアルカリ性溶液中に投入し、テトラアルコキシシランの加水分解により粉状体表面にシリカ被膜を成形する方法(ゾルゲル法)、特開平3−66764号公報に示されたように、ケイフッ化水素酸溶液中に粉状体を懸濁させ、ホウ酸やアルミニウムを添加したり温度を上昇させたりして平衡をずらし、粉状体にシリカ被膜を成形する方法(LPD法)などが挙げられる。
【0024】
シリカ被膜の厚さは、10〜1,000nmであることが好ましい。10nm未満であると耐酸性が十分でなく、ガラス繊維内部の成分が溶出してその強度が低下したり、電解質特性に悪影響を与えたりする。一方、1,000nmを超えると、ガラス繊維が太くなってしまい、柔軟性が失われ、取り扱いに不具合を生じてしまう。シリカ被膜のより好ましい厚さは、20〜500nmである。
【0025】
このガラス繊維織布は、単独でも電解質膜の補強材として十分な強度を発揮し得るので好ましく用いられるが、ガラス短繊維からなる不織布と組み合わせて使用することがさらに好ましい。ガラス短繊維からなる不織布と併用することにより、その均質性と空隙率(電解質の専有部分)とを一層高めることができる。ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布とを組み合わせる方法は、とくに限定されるものではなく、前記織布を基材としてその間隙の中に抄紙する方法、2枚の不織布で織布を挟んで圧着する方法などが例示される。また、前記圧着する場合は、ガラス短繊維が遊離しないように、不織布の製造においてバインダーを使用してもよい。ただし、バインダーの種類によっては、耐熱性および耐酸性が悪く、電解質特性に悪影響を与えることあるため、織布の間隙の中に抄紙する方法が好ましい。
【0026】
また、ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布とを組み合わせて使用する場合、上記の組み合わせを行った後に、シリカ被膜を成形することが好ましい。ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布との接着強度が一層高くなるからである。
【0027】
ガラス繊維の布、例えばガラス繊維の織布とガラス短繊維からなる不織布とを組み合わせた電解質膜の補強材は、その空隙率が50〜95%であることが好ましい。空隙率が95%を超えると、強度が著しく低くなり、補強材として機能しなくなる。一方、50%未満では、プロトン伝導率が著しく低下する。ちなみに、25mm幅に6000本程度の平均直径5μmのガラス繊維を織り込んだ織布を基材として、その隙間の中に平均直径0.5μmのガラス短繊維を5g/m2となるように抄紙した場合、厚さ30μmで空隙率60%程度の補強材を製造できる。
【0028】
ガラス短繊維は、鉛蓄電池用セパレータなどに用いられるCガラス組成のものが好ましい。ガラス繊維の公知の組成の中で、Cガラス組成が最も耐酸性が高いからである。なお、Eガラス組成からなる短繊維に上記リーチングないしシリカ被膜を成形したものを利用してもよい。
【0029】
ガラス短繊維の平均直径は、0.1〜2μmであることが好ましい。0.1μm未満では、製造コストが極端に高くなる。一方、2μmを超えると、ガラス繊維織布の隙間の中に抄紙する場合に繊維同士の絡みが弱くなり、前記織布から遊離し易くなる。また、その平均長さは2〜50mmであることが好ましい。2mm未満の場合は、ガラス繊維織布の隙間の中に抄紙したときに繊維同士の絡みが弱くなる。一方、50mmを超えると、抄紙においてスラリー中での均一分散が難しくなるため、均一な補強材を製造し難くなる。
【0030】
ガラス繊維織布の隙間の中にガラス短繊維を抄紙する場合、ガラス短繊維の目付は1〜20g/m2(ガラス繊維織布の目付を除く)とすることが好ましい。1g/m2未満では、ガラス短繊維同士の絡みが少なくなり、ガラス短繊維が前記織布から遊離し易くなる。一方、20g/m2を超えると、電解質膜の補強材としては厚くなりすぎ、薄くするために密度を高めれば、今度は電解質を保持する空隙が無くなってしまうなどの問題が生じる。
【0031】
これらの補強材に電解質を固着させプロトン伝導性膜を製造するが、その電解質は、プロトン伝導型のものであればどのような組成でもよい。たとえば、特開2001−307545公報に記載のポリエチレンオキシドなどの有機重合体にケイ素、チタンおよびジルコニウムなどの金属酸化物3次元架橋構造体を複合化したものが挙げられる。この電解質は、100℃以上の酸性雰囲気下での使用にも耐えられる。
【0032】
この発明のプロトン伝導性膜は、公知の手段を用いて、燃料電池に組み込むことができる。また、この発明の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であればどのような構成でもよいが、とくに100℃以上の酸性雰囲気下で使用するものが好ましい。
【0033】
この発明によれば、ガラス繊維の布の表面を多孔質化させ、さらにその上にシリカ被膜を成形するので、強度、耐熱性および耐酸性に優れた電解質膜の補強材を安価に提供することができる。また、ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布と組み合わせることにより、より均一で強度のある電解質膜の補強材を提供することができる。さらに、これらの補強材を用いることにより、高温でも優れたプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜およびエネルギー利用効率の高い燃料電池を安価に提供することができる。
【0034】
[実施例]
以下、実施例および比較例により、この発明をさらに具体的に説明する。なお、この発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
(実施例1)
Eガラス組成からなるガラス繊維(平均繊維径5μm)を平織した織布(目付49g/m2 厚さ50μm)に焼成処理を施すことなく、45℃で3.0規定の塩酸水溶液中に6時間浸漬し、その後十分に水洗いし乾燥させて、その表面を多孔質化させた。この織布を焼成しないまま、以下の方法により、多孔質の表面上にシリカ被膜を成形した。まずシリカを飽和した濃度2.0mol/Lのケイフッ化水素酸溶液を1L準備し、この溶液に3.0×10−2molのホウ酸を添加した。これを処理液とし、前記ガラス繊維織布を35℃で2時間浸漬した後、水洗した。処理後のガラス繊維織布の繊維断面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の厚さは、20nmで、シリカ被膜の厚さは約40nmであった。また、その空隙率は62%であった。
【0036】
(実施例2)
実施例1と同様にして、ガラス繊維織布の表面を多孔質化させた。この多孔質の表面を備えたガラス繊維織布の隙間の間に平均直径0.5μmのCガラス組成からなるガラス短繊維をつぎの方法で抄紙した。ガラス短繊維をパルパーにて十分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。湿式抄紙装置を用いて、前記多孔質の表面を備えたガラス繊維織布中にガラス短繊維が目付5g/m2となるように抄紙した。さらに実施例1と同様の方法で、ガラス短繊維を含有するガラス繊維織布の全体にシリカ被膜を成形した。この補強材の空隙率は、58%であった。
【0037】
(比較例1)
実施例1で使用したガラス繊維織布に処理を施すことなく、そのまま電解質膜の補強材とした。この補強材の空隙率は、62%であった。
【0038】
(比較例2)
実施例1と同様にして、多孔質の表面を有するガラス繊維織布を作製した。これを750℃で1時間焼成したものを電解質膜の補強材とした。この補強材の空隙率は、62%であった。
【0039】
(比較例3)
実施例1において、ガラス繊維織布に酸処理を行わなかった以外は同様にして、平滑表面にシリカ被膜を備えるガラス繊維織布を作製し、これを電解質膜の補強材とした。この補強材の空隙率は、61%であった。
【0040】
(比較例4)
実施例2で用いた平均直径0.5μmのCガラス組成からなるガラス短繊維をパルパーを用いて十分に解離、分散させ、スラリーを作製した。このスラリーを抄紙して、目付10g/m2のガラス短繊維のみからなる不織布を作製した。実施例2と異なり、ガラス繊維織布とは組み合わせず、前記不織布のみで電解質膜の補強材とした。この補強材は、マイクロメーターで測定したところ厚さ50μmで、空隙率が92%であった。
【0041】
実施例1〜2および比較例1〜4で作製した電解質膜の補強材について、下記の試験を行った。試験の結果を表4にまとめて示す。
【0042】
〔耐酸性試験〕
160℃のオートクレーブ中において、1規定硫酸中に各補強材を24時間浸漬し、その前後の変化を目視で確認(形状、色)した。
【0043】
〔引張り強度測定〕
上記耐酸性試験の前後において、JIS R3420に従い、幅25mm、長さ250mmの試験片を準備し、つかみ間隔約150mmで、約200mm/minの速度で引張って、破断時の荷重(N)を測定した。
【0044】
【表4】
【0045】
上記実施例および比較例の結果から明白なように、比較例では耐酸試験後の引張り強度が著しく低下していることが判る。実施例1と比較例1の対比から、ガラス繊維織布の表面に多孔質およびシリカ被膜が存在しないと、酸性環境下でガラス繊維織布の強度が著しく低下することが判る。
【0046】
実施例1と比較例2との対比から、リーチングによりガラス繊維織布を多孔質化させた場合、多孔質上にシリカ被膜を成形しなければ、酸性環境下に放置する以前にガラス繊維織布の強度が著しく低下することが判る。さらに、耐酸性試験を行った後には、形状を保つことができないほどに弱くなっていることが判る。
【0047】
実施例1と比較例3との対比から、ガラス繊維織布の表面が多孔質化されていなければ、シリカ被膜が剥離し易いことが判る。
【0048】
実施例2と比較例4との対比から、不織布だけでは、酸処理の有無に関わらず、電解質膜の補強材として必要な強度を備えていないことが判る。
【0049】
【発明の効果】
この発明の電解質膜の補強材は、多孔質化された表面と、その上にシリカ被膜とを備えるガラス繊維布であるので、高温の酸性環境下でも補強材として必要な強度を保持することができる。さらに、ガラス繊維布としてガラス繊維織布を用い、ガラス繊維織布にガラス短繊維からなる不織布を組み合わせることにより、より均一で強度のある電解質膜の補強材を提供することができる。この補強材を用いることにより、高温でも優れたプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜、さらにはエネルギー利用効率の高い燃料電池を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池の電解質膜として利用されるプロトン伝導性膜の補強材、そのプロトン伝導性膜、ならびに燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、発電効率が高く、かつ、環境負荷が小さいため、環境にやさしい新エネルギーとして注目されている。燃料電池は、一般に電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、この中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)は、高出力、かつ、小型軽量化が容易であり、さらに量産効果による低コスト化も期待できることから、小規模オンサイト型、自動車用または携帯用など次世代の燃料電池の主力として期待されている。
【0003】
これら固体高分子型燃料電池は、電解質が高分子膜(プロトン伝導性膜)であり、通常は室温から80℃程度の比較的低い温度領域で運転される。しかしながら、この温度領域の運転では、触媒の一酸化炭素による被毒が顕著なるなどの致命的な問題が生じ、また廃熱利用ができずエネルギー利用効率が低いなどの問題がある。固体高分子型燃料電池を100℃以上で運転できれば、発電効率が向上するとともに廃熱利用が可能となる。さらに、運転温度を140℃まで上昇させることができれば、発電効率の向上や廃熱利用に加えて、触媒の一酸化炭素による被毒が軽減され、触媒材料選択の幅が広がり、燃料電池の製造コストを抑えることができる。
【0004】
現在、プロトン伝導性膜として主に使用されているものは、パーフルオロアルキレンを主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基などのイオン交換基を有するフッ素系膜であり、たとえばNafion R膜(Du Pont社、特許文献1)、Dow膜(Dow Chemical社、特許文献2)、Aciplex R膜(旭化成工業(株)、特許文献3)およびFlemion R膜(旭硝子(株))などが知られている。これらフッ素系膜は、100℃以上の高い温度領域で電解質膜として用いた場合、プロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造が破壊されたり、ドライアップてしてプロトン伝導が阻害され、電解質膜として機能しなくなったりする。これらの状況から、従来の燃料電池では、80℃以下の低い温度領域で運転せざるを得ない。
【0005】
そこで、これらフッ素系膜の欠点を改善し、固体高分子型燃料電池の運転温度を上昇させるために、種々の電解質膜材料(すなわち、プロトン伝導性材料)が提案されている。代表的なものとしては、従来のフッ素系膜の代わりとなる耐熱性の芳香族系高分子材料が挙げられ、ポリベンズイミダゾール(特許文献4)、ポリエーテルスルホン(特許文献5、特許文献6)、ポリエーテルエーテルケトン(特許文献7)、またはポリエチレンオキシドなどの有機重合体にケイ素、チタンもしくはジルコニウムなどの金属酸化物3次元架橋構造体を複合化して適度な柔軟性と耐熱性を併せ持たせた膜(特許文献8)などが知られている。しかし、これらの高分子材料では、膜強度が十分でなく、膜−電極接合体形成の際、破損などの可能性が高いという問題がある。
【0006】
特許文献9には、ポリエチレンオキシドなどの有機重合体にケイ素、チタンもしくはジルコニウムなどの金属酸化物3次元架橋構造体を複合化した膜に織布などの補強材を用いて、その強度を高めることが記載されている。こうした補強材を構成する繊維としては、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレンもしくはフッ素樹脂などの高分子繊維、絹、綿もしくは紙などの天然素材系の繊維、またはガラス繊維繊維などが挙げられる。これらの中でも、強度や膜組成物との親和性からガラス繊維が最も好ましい旨、上記公報に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,330,654号明細書
【特許文献2】
特開平4−366137号公報
【特許文献3】
特開平6−342665号公報
【特許文献4】
特開平9−110982号公報
【特許文献5】
特開平10−21943号公報
【特許文献6】
特開平10−45913号公報
【特許文献7】
特開平9−87510号公報
【特許文献8】
特開2001−35509号公報
【特許文献9】
特開2001−307545号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鉛蓄電池などの耐酸性条件下での使用に適したCガラス組成からなるガラス繊維は、極細化および長繊維化が難しいため、この耐酸性の優れたガラス繊維を用いてプロトン伝導性膜用補強材として好適な極薄の布を製造することは困難であった。そのため、厚さ50μm以下のガラス繊維織布には、Eガラス組成からなるガラス繊維が利用される。しかし、Eガラス組成からなるガラス繊維では、耐酸性が十分でないなどの問題があった。
【0009】
例えばEガラス組成からなるガラス繊維織布の耐酸性を向上させるには、その表面をシリカで被覆したり、表面をリーチングしてシリカ以外の成分を溶出させたりする方法が考えられる。しかしながら、ガラス繊維の表面に単にシリカの被膜を成形しただけでは、シリカ膜と繊維との密着性が不十分で、シリカ膜が容易に剥離してしまう。また、リーチングを行うことにより、ガラス繊維の表面にシリカ成分の多いシリカリッチ層を形成できるが、このシリカリッチ層は、多孔質であるため比表面積が極めて大きく、またガラス繊維内部からの成分の溶出を完全に抑えられるものではない。そのため、シリカリッチ層の形成だけでは、長期間の使用において、ガラス繊維内部からアルカリ成分などが溶出し、電解質膜の強度を低下させたり、電解質特性に悪影響を与えてしまうという問題があった。
【0010】
以上のように、100℃以上の高温で十分な耐久性を有し、機械的性能も満足したプロトン伝導性膜は、これまで存在しなかった。この発明は、上記の固体高分子型燃料電池の電解質膜およびその補強材における問題点を解決するためになされたものである。その目的とするところは、耐熱性および耐久性に優れ、かつ、高強度のプロトン伝導性膜の補強材を安価に提供することにある。さらには、その補強材を用いたプロトン伝導性膜および燃料電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のプロトン伝導性膜用補強材は、多孔質化させた表面層の上にシリカ層を被覆したガラス繊維の布からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明においては、プロトン伝導性膜の補強材として、組成中に酸可溶成分を有するケイ酸塩系ガラス繊維の布が用いられ、例えばEガラス、Lガラス、Dガラス、Sガラス、Mガラス(高弾性率ガラス)、耐アルカリ性ガラス組成からなるガラス繊維織布を用いることができる。なかでもSガラスまたはEガラス組成からなるガラス繊維は極細化が容易であることから好ましく、Eガラス組成からなるガラス繊維は安価に入手できる点からさらに好ましい。また、上記組成の極細の短繊維からなる不織布を用いることができる。
Eガラス組成の一般的な組成を表1に、また本発明において使用されるガラスの代表的な組成を表2にそれぞれ示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
R2Oは、Na2OおよびK2Oのいずれか一方または両方の合計を表す。
【0015】
また市販されている5種類のEガラス組成からなるガラス繊維の組成成分含有率を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】
電解質膜の機能を確保するためには、膜用補強材の厚さは50μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の太さは電解質膜の厚さに直接的に反映される点を勘案して、その平均繊維直径は0.2〜20μmであることが好ましい。平均繊維直径が20μmを超えると、電解質の膜厚を50μm以下とすることができず、一方平均繊維直径が0.2μm未満のガラス繊維は、製造が困難であると共に高価である。
【0018】
プロトン伝導性膜用補強材としてのガラス繊維布としてはガラス繊維織布またはガラス繊維不織布が用いられる。ガラス繊維織布としては、その織り方をとくに限定されるものではないが、平織が好ましい。平織は、どの方向にも均等な引張り強さを持ち、厚みも均一になるからである。
【0019】
ガラス繊維織布の目付は、10〜100g/m2であることが好ましい。10g/m2未満では、十分な強度を得ることができない。一方、100g/m2を超えると、厚くなりすぎるため、薄くしようと密度を高くすれば、電解質を保持する空隙が無くなってしまう。
【0020】
ガラス繊維の布に表面処理を施すことにより、その表面を多孔質化させる。表面処理の方法は、ガラス繊維の耐熱性および耐酸性を向上させるものであればとくに限定されるものではないが、例えば、酸によるリーチングによりガラス繊維中の酸可溶性成分例えばB2O3、CaO、R2O等が表面から徐々に溶出して、繊維表面にシリカリッチな多孔質層が形成される。リーチング処理したガラス繊維の布は、後述のシリカ層被覆処理の前に、必要に応じて、例えば600〜900℃で焼成することにより、ガラス繊維の耐熱性および耐酸性をさらに高めることができる。
【0021】
ガラス繊維表面の多孔質の厚さは、10〜500nmであることが好ましい。10nm未満であると、その上に形成されるシリカ被膜が剥がれ易く、一方500nmを超えると、ガラス繊維布が脆弱になってしまう。またこの多孔質の厚さがガラス繊維の直径(多孔質化処理前)に対して相対的に大きすぎるとガラス繊維布が脆弱になるのでガラス繊維の直径(多孔質化処理前)の25%以下であることが好ましい。なお、ガラス繊維の表面が多孔質化することにより、そこに付着するシリカ膜の付着強度が高くなるのは、ガラス繊維の表面積が大きくなり、かつ、シリカ膜が多孔質の内部まで入り込んでいわゆるアンカー効果が奏されるからであると考えられる。
【0022】
リーチングとしては、酸処理が好ましい。酸処理の方法は、とくに限定されるものではないが、ガラス繊維の布例えばガラス繊維織布を塩酸などの酸水溶液に所定時間浸漬し、必要に応じて昇温あるいは攪拌した後、水洗いを行い、乾燥さらに焼成させる一連の処理が挙げられる。ここで、用いる酸水溶液の濃度、昇温温度および浸漬時間などの諸条件は、酸の種類例えば塩酸、硝酸など、ならびに必要とする酸処理の程度(多孔質の厚さ)などによって適宜決定される。たとえば、平均直径9μmのEガラス組成からなるガラス繊維を朱子織にしたガラス繊維織布に対して酸処理を行う場合は、30〜70℃に維持した1.5〜6.0規定の酸水溶液中に、前記ガラス繊維織布を6〜24時間程度浸漬することにより、その多孔質の厚さを10〜500nmに調整することができる。1.5規定未満の酸水溶液を用いた場合は、所望のシリカ層の厚さを成形するまでに長時間を要し、一方6.0規定を超える酸水溶液を用いると、酸による腐蝕が急激なため、繊維形状を保つことが困難になる場合がある。また、温度についても同様のことがいえ、30℃未満の場合は、所望の多孔質の厚さを成形するまでに長時間を要し、一方70℃を超えると、繊維形状を保つことが困難になる場合がある。
【0023】
多孔質の表面上にシリカ被膜を成形する方法は、とくに限定されるものではなく、金属塩から酸化物を析出させる方法、ゾルゲル法、CVD法またはLPD法などの公知の方法を利用することができる。たとえば、特公昭46−9555号公報に示されたように、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)をアルカリ環境下で粉状体スラリーに添加し、粉状体表面にシリカを析出させる方法(金属塩法)、特公昭48−32415号公報や特開平3−54126号公報に示されたように、粉状体とテトラアルコキシシランとの混合物を塩基性溶液中またはアルカリ性溶液中に投入し、テトラアルコキシシランの加水分解により粉状体表面にシリカ被膜を成形する方法(ゾルゲル法)、特開平3−66764号公報に示されたように、ケイフッ化水素酸溶液中に粉状体を懸濁させ、ホウ酸やアルミニウムを添加したり温度を上昇させたりして平衡をずらし、粉状体にシリカ被膜を成形する方法(LPD法)などが挙げられる。
【0024】
シリカ被膜の厚さは、10〜1,000nmであることが好ましい。10nm未満であると耐酸性が十分でなく、ガラス繊維内部の成分が溶出してその強度が低下したり、電解質特性に悪影響を与えたりする。一方、1,000nmを超えると、ガラス繊維が太くなってしまい、柔軟性が失われ、取り扱いに不具合を生じてしまう。シリカ被膜のより好ましい厚さは、20〜500nmである。
【0025】
このガラス繊維織布は、単独でも電解質膜の補強材として十分な強度を発揮し得るので好ましく用いられるが、ガラス短繊維からなる不織布と組み合わせて使用することがさらに好ましい。ガラス短繊維からなる不織布と併用することにより、その均質性と空隙率(電解質の専有部分)とを一層高めることができる。ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布とを組み合わせる方法は、とくに限定されるものではなく、前記織布を基材としてその間隙の中に抄紙する方法、2枚の不織布で織布を挟んで圧着する方法などが例示される。また、前記圧着する場合は、ガラス短繊維が遊離しないように、不織布の製造においてバインダーを使用してもよい。ただし、バインダーの種類によっては、耐熱性および耐酸性が悪く、電解質特性に悪影響を与えることあるため、織布の間隙の中に抄紙する方法が好ましい。
【0026】
また、ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布とを組み合わせて使用する場合、上記の組み合わせを行った後に、シリカ被膜を成形することが好ましい。ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布との接着強度が一層高くなるからである。
【0027】
ガラス繊維の布、例えばガラス繊維の織布とガラス短繊維からなる不織布とを組み合わせた電解質膜の補強材は、その空隙率が50〜95%であることが好ましい。空隙率が95%を超えると、強度が著しく低くなり、補強材として機能しなくなる。一方、50%未満では、プロトン伝導率が著しく低下する。ちなみに、25mm幅に6000本程度の平均直径5μmのガラス繊維を織り込んだ織布を基材として、その隙間の中に平均直径0.5μmのガラス短繊維を5g/m2となるように抄紙した場合、厚さ30μmで空隙率60%程度の補強材を製造できる。
【0028】
ガラス短繊維は、鉛蓄電池用セパレータなどに用いられるCガラス組成のものが好ましい。ガラス繊維の公知の組成の中で、Cガラス組成が最も耐酸性が高いからである。なお、Eガラス組成からなる短繊維に上記リーチングないしシリカ被膜を成形したものを利用してもよい。
【0029】
ガラス短繊維の平均直径は、0.1〜2μmであることが好ましい。0.1μm未満では、製造コストが極端に高くなる。一方、2μmを超えると、ガラス繊維織布の隙間の中に抄紙する場合に繊維同士の絡みが弱くなり、前記織布から遊離し易くなる。また、その平均長さは2〜50mmであることが好ましい。2mm未満の場合は、ガラス繊維織布の隙間の中に抄紙したときに繊維同士の絡みが弱くなる。一方、50mmを超えると、抄紙においてスラリー中での均一分散が難しくなるため、均一な補強材を製造し難くなる。
【0030】
ガラス繊維織布の隙間の中にガラス短繊維を抄紙する場合、ガラス短繊維の目付は1〜20g/m2(ガラス繊維織布の目付を除く)とすることが好ましい。1g/m2未満では、ガラス短繊維同士の絡みが少なくなり、ガラス短繊維が前記織布から遊離し易くなる。一方、20g/m2を超えると、電解質膜の補強材としては厚くなりすぎ、薄くするために密度を高めれば、今度は電解質を保持する空隙が無くなってしまうなどの問題が生じる。
【0031】
これらの補強材に電解質を固着させプロトン伝導性膜を製造するが、その電解質は、プロトン伝導型のものであればどのような組成でもよい。たとえば、特開2001−307545公報に記載のポリエチレンオキシドなどの有機重合体にケイ素、チタンおよびジルコニウムなどの金属酸化物3次元架橋構造体を複合化したものが挙げられる。この電解質は、100℃以上の酸性雰囲気下での使用にも耐えられる。
【0032】
この発明のプロトン伝導性膜は、公知の手段を用いて、燃料電池に組み込むことができる。また、この発明の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であればどのような構成でもよいが、とくに100℃以上の酸性雰囲気下で使用するものが好ましい。
【0033】
この発明によれば、ガラス繊維の布の表面を多孔質化させ、さらにその上にシリカ被膜を成形するので、強度、耐熱性および耐酸性に優れた電解質膜の補強材を安価に提供することができる。また、ガラス繊維織布とガラス短繊維からなる不織布と組み合わせることにより、より均一で強度のある電解質膜の補強材を提供することができる。さらに、これらの補強材を用いることにより、高温でも優れたプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜およびエネルギー利用効率の高い燃料電池を安価に提供することができる。
【0034】
[実施例]
以下、実施例および比較例により、この発明をさらに具体的に説明する。なお、この発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
(実施例1)
Eガラス組成からなるガラス繊維(平均繊維径5μm)を平織した織布(目付49g/m2 厚さ50μm)に焼成処理を施すことなく、45℃で3.0規定の塩酸水溶液中に6時間浸漬し、その後十分に水洗いし乾燥させて、その表面を多孔質化させた。この織布を焼成しないまま、以下の方法により、多孔質の表面上にシリカ被膜を成形した。まずシリカを飽和した濃度2.0mol/Lのケイフッ化水素酸溶液を1L準備し、この溶液に3.0×10−2molのホウ酸を添加した。これを処理液とし、前記ガラス繊維織布を35℃で2時間浸漬した後、水洗した。処理後のガラス繊維織布の繊維断面を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質の厚さは、20nmで、シリカ被膜の厚さは約40nmであった。また、その空隙率は62%であった。
【0036】
(実施例2)
実施例1と同様にして、ガラス繊維織布の表面を多孔質化させた。この多孔質の表面を備えたガラス繊維織布の隙間の間に平均直径0.5μmのCガラス組成からなるガラス短繊維をつぎの方法で抄紙した。ガラス短繊維をパルパーにて十分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。湿式抄紙装置を用いて、前記多孔質の表面を備えたガラス繊維織布中にガラス短繊維が目付5g/m2となるように抄紙した。さらに実施例1と同様の方法で、ガラス短繊維を含有するガラス繊維織布の全体にシリカ被膜を成形した。この補強材の空隙率は、58%であった。
【0037】
(比較例1)
実施例1で使用したガラス繊維織布に処理を施すことなく、そのまま電解質膜の補強材とした。この補強材の空隙率は、62%であった。
【0038】
(比較例2)
実施例1と同様にして、多孔質の表面を有するガラス繊維織布を作製した。これを750℃で1時間焼成したものを電解質膜の補強材とした。この補強材の空隙率は、62%であった。
【0039】
(比較例3)
実施例1において、ガラス繊維織布に酸処理を行わなかった以外は同様にして、平滑表面にシリカ被膜を備えるガラス繊維織布を作製し、これを電解質膜の補強材とした。この補強材の空隙率は、61%であった。
【0040】
(比較例4)
実施例2で用いた平均直径0.5μmのCガラス組成からなるガラス短繊維をパルパーを用いて十分に解離、分散させ、スラリーを作製した。このスラリーを抄紙して、目付10g/m2のガラス短繊維のみからなる不織布を作製した。実施例2と異なり、ガラス繊維織布とは組み合わせず、前記不織布のみで電解質膜の補強材とした。この補強材は、マイクロメーターで測定したところ厚さ50μmで、空隙率が92%であった。
【0041】
実施例1〜2および比較例1〜4で作製した電解質膜の補強材について、下記の試験を行った。試験の結果を表4にまとめて示す。
【0042】
〔耐酸性試験〕
160℃のオートクレーブ中において、1規定硫酸中に各補強材を24時間浸漬し、その前後の変化を目視で確認(形状、色)した。
【0043】
〔引張り強度測定〕
上記耐酸性試験の前後において、JIS R3420に従い、幅25mm、長さ250mmの試験片を準備し、つかみ間隔約150mmで、約200mm/minの速度で引張って、破断時の荷重(N)を測定した。
【0044】
【表4】
【0045】
上記実施例および比較例の結果から明白なように、比較例では耐酸試験後の引張り強度が著しく低下していることが判る。実施例1と比較例1の対比から、ガラス繊維織布の表面に多孔質およびシリカ被膜が存在しないと、酸性環境下でガラス繊維織布の強度が著しく低下することが判る。
【0046】
実施例1と比較例2との対比から、リーチングによりガラス繊維織布を多孔質化させた場合、多孔質上にシリカ被膜を成形しなければ、酸性環境下に放置する以前にガラス繊維織布の強度が著しく低下することが判る。さらに、耐酸性試験を行った後には、形状を保つことができないほどに弱くなっていることが判る。
【0047】
実施例1と比較例3との対比から、ガラス繊維織布の表面が多孔質化されていなければ、シリカ被膜が剥離し易いことが判る。
【0048】
実施例2と比較例4との対比から、不織布だけでは、酸処理の有無に関わらず、電解質膜の補強材として必要な強度を備えていないことが判る。
【0049】
【発明の効果】
この発明の電解質膜の補強材は、多孔質化された表面と、その上にシリカ被膜とを備えるガラス繊維布であるので、高温の酸性環境下でも補強材として必要な強度を保持することができる。さらに、ガラス繊維布としてガラス繊維織布を用い、ガラス繊維織布にガラス短繊維からなる不織布を組み合わせることにより、より均一で強度のある電解質膜の補強材を提供することができる。この補強材を用いることにより、高温でも優れたプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜、さらにはエネルギー利用効率の高い燃料電池を提供することができる。
Claims (10)
- 多孔質化させた表面層の上にシリカ層を被覆したガラス繊維の布からなるプロトン伝導性膜用補強材。
- 前記ガラス繊維は0.2〜20μmの平均繊維直径(多孔質化処理前)を有する請求項1に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- 前記多孔質の厚さが10〜500nmであってかつガラス繊維の平均繊維直径の25%以下である請求項1または2に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- 前記シリカ層の厚さが10〜1,000nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- 前記ガラス繊維はEガラス組成またはSガラス組成からなり、前記布は織布である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- 前記織布が10〜100g/m2の目付を有する請求項5に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- ガラス短繊維を目付1〜20g/m2で前記織布に付着させた請求項6に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- 前記布が50〜95%の空隙率を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材を用いたプロトン伝導性膜。
- 請求項9に記載のプロトン伝導性膜を用いた燃料電池。
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