JP2004146208A - 高イオン伝導性固体電解質及び該固体電解質を使用した電気化学システム - Google Patents

高イオン伝導性固体電解質及び該固体電解質を使用した電気化学システム Download PDF

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Abstract

【課題】吸水性と耐水性を両立させた有機無機複合化合物を利用した低価格な高イオン伝導性固体電解質と、該高イオン伝導性固体電解質を使用した電気化学システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ジルコン酸化合物とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩からなる水を内包した複合化合物からなる高イオン伝導性固体電解質を基本構成としている。具体的にはジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が共存した水溶液をアルカリによって中和し、溶媒としての水を除去した後、不要塩を除去して得られる複合化合物でなる高イオン伝導性固体電解質と、この高イオン伝導性固体電解質を使用した各種の電気化学システムを提供する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池等に適用可能なプロトン(水素イオン)高伝導性固体電解質あるいは水酸化物イオン高伝導性固体電解質と、該高イオン伝導性固体電解質を使用した燃料電池その他の電気化学システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からプロトン伝導性固体電解質を用いた電気化学システムとして、燃料電池、除湿器あるいは電気分解型水素生成装置などの電解装置が実用化されているが、例えば固体高分子型燃料電池は、下記の(1)式に示したように負極に供給される水素の電気化学的酸化反応、(2)式に示したように正極に供給される酸素の電気化学的還元反応及びその間の電解質中のプロトン移動からなる反応によって電流が流れ、電気エネルギーが取り出される。
2 → 2H+2e     …………………………(1)
1/2O+ 2H+2e → HO   ………………(2)
【0003】
負極に供給される燃料がメタノール等の水素以外のものを用いる燃料電池もあるが、この場合でも燃料が負極で電気化学的に酸化されてプロトンを放出する反応は同様に行われており、プロトン伝導性固体電解質を利用して作動させることができる。
【0004】
電解装置としては例えば電気分解型水素生成装置が実用化されている。この電気分解型水素生成装置は燃料電池における前記(1)式と(2)式の反応とは逆の反応で水素を生成するものであって、水と電力だけでオンサイトに純度の高い水素が得られるので、水素ボンベが不要になるという利点がある。又、固体電解質の利用によって電解質を含まない真水を導入するだけで容易に電気分解を行うことができる。製紙業の分野においても同様なシステムによって漂白用の過酸化水素を下記の(3)式を用いた電解法によりオンサイトに製造する試みがなされている(非特許文献1参照)。
+ HO+2e → HO + OH ……………(3)
【0005】
除湿器は燃料電池や水素生成装置と同様にプロトン伝導性固体電解質膜を正負両極で挟む構造であり、正負両極間に電圧を印加すると、正極では下記の(4)式の反応によって水が酸素とプロトンに分解され、固体電解質を通って負極に移動したプロトンが(5)式の反応によって再び空気中の酸素と結合して水に戻り、これらの反応の結果として正極側から負極側に水が移動したことによって正極側で除湿される。
O → 1/2O+2H+2e    …………………(4)
1/2O+ 2H+2e → HO   …………………(5)
【0006】
電気分解型水素生成装置と同様な動作原理によって水を分解して除湿することも可能であり、水分蒸発冷風機と組み合わせた空調機も提案されている(非特許文献2参照)。
【0007】
上記により実用化されているシステムは何れも固体電解質としてナフィオン膜(Nafion)に代表されるパーフルオロスルホン酸系イオン交換膜が用いられている。また、各種センサ、エレクトロクロミックデバイスなども本質的には上記と同様な動作原理に基づくシステムであり、正極,負極の異なる2種の酸化還元対間の電解質中をプロトンが移動することによって作動するので、プロトン伝導性固体電解質を用いることができる。現在ではこれらプロトン伝導性固体電解質を用いたシステムの実証研究も行われている。
【0008】
水素センサは水素濃度による電極電位の変化を利用するものであり、電解質材料としては例えばポリビニルアルコールを主体とした固体電解質などが提案されている(非特許文献3を参照)。更に電極電位の変化あるいはイオン伝導度の変化を利用して湿度センサに応用することも可能である。
【0009】
エレクトロクロミックデバイスは例えば負極にWO等を用いて電場をかけると下記の(6)式の反応によって発色することを利用しており、表示デバイスや遮光ガラスへの用途が考えられている。このシステムにおいては固体電解質として無機化合物であるSn(HPO)・HOなどが提案されている(非特許文献4を参照)。
WO+xH+xe → HxWO(発色)………………(6)
【0010】
その外にも原理的にプロトン伝導性固体電解質を利用して作動する電気化学システムとして、一次電池,二次電池,光スイッチ,電解水製造装置等が挙げられる。例えば二次電池としてのニッケル水素電池は、負極に水素吸蔵合金、正極に水酸化ニッケル、電解液としてアルカリ電解液を用いており、下記の(7)式,(8)式に示したように充放電時に負極ではプロトンの電気化学的酸化還元と水素吸蔵合金への水素の吸蔵が起こる。
〔充電〕 HO + e → H(吸蔵)+ OH  …………(7)
〔放電〕 H(吸蔵)+ OH → HO + e  …………(8)
【0011】
正極では下記の(9)式,(10)式に示したように水酸化ニッケルの電気化学的酸化還元反応が起きる。
〔充電〕Ni(OH)+OH  → NiOOH+HO+e ……(9)
〔放電〕NiOOH+HO+e  →Ni(OH)+OH ……(10)
この電池の充放電反応は電解質中をプロトンもしくは水酸化物イオンが移動することによって成立し、原理的にはプロトン伝導性固体電解質を利用することができるが、従来は固体電解質ではないアルカリ電解液が用いられている。
【0012】
光スイッチとしては例えばイットリウムを負極に使用したものが提案されている(非特許文献5を参照)。電場をかけることによってイットリウムが下記の(11)式のように水素化されて光を透過するので、光の透過と不透過を電場により切り替えることができる。このシステムも原理的にはプロトン伝導性固体電解質を利用することができるが、従来はアルカリ電解液が用いられている。
Y+3/2HO+3e → YH+3OH ……………(11)
【0013】
電解水は電解反応を行った水であり、還元側、酸化側で効能が異なるが、健康に良い作用,殺菌作用,洗浄作用,農作物の生育を促進する作用があり、飲料水,食品用水,洗浄水,農業用水などの様々な用途がある。電解反応は水が電解質を含むことで促進されるが、水に電解質を溶解させると、使用の際その電解質を除去する必要が生じる場合がある。固体電解質を用いた場合には電解質除去の手間が必要なくなる。
【0014】
しかしながら、プロトン伝導性固体電解質を用いた電気化学システムとして従来から実用化されている前記燃料電池、電気分解型水素生成装置、除湿器などに用いられているパーフルオロスルホン酸系の電解質は、主として製造工程の複雑さに起因して高価格であるという問題がある。これらの電解質の量産効果によってある程度の低価格化が期待されるものの限界があり、安価な代替材の出現が希求されているのが現状である。
【0015】
ところで、常温作動型のプロトン伝導性固体電解質は、固体内に含有される水の作用によってプロトンが高速に運搬されるため、代替材にも十分な吸水性が要求される。特に多くは湿潤環境によって使用されるため、耐水性をも兼ね備えなければならない。従来のパーフルオロスルホン酸系の電解質では親水性の高いスルホン酸基周辺に吸収された水がイオンを高速に運搬し、ポリフルオロエチレン骨格部分が耐水性、化学的安定性、高温耐久性などを維持する役割を果たしている。
【0016】
親水性が高くて安価な炭化水素系高分子材料の1例として前記ポリビニルアルコールがあり、リン酸を混合してプロトン伝導性を持たせた材料が水素センサなどの用途として利用可能である。この例ではポリビニルアルコールの高い吸水性によって高速なプロトンの移動が可能であるが、ポリビニルアルコールは水に溶解性があるため、湿潤環境での材料安定性が低いという難点がある。
【0017】
他の親水性が高くて耐水性のある材料として無機含水化合物が挙げられる。例えばゾルゲル製法によるP−ZrO−SiO含水ガラスは、多量の水を吸収することによって高いプロトン伝導性を示し、水にも溶解することがないという特徴があり、無機化合物特有の高温安定性が高いというメリットがある(非特許文献6を参照)。
【0018】
しかしながら、これらの無機含水化合物の共通の弱点は脆い点にあり、特に固体電解質の用途において要求される薄膜加工が困難であるという問題点がある。更にゾルゲル製法は高価な金属アルコキシドを原料としており、アルコール等の有機溶媒を用いて製造されることから設備的にも低コスト化が難しいという問題もある。エレクトロクロミックデバイスで試されている前記Sn(HPO)・HOなども粉末を塗布するような加工は可能であるが、燃料電池その他の用途で必要とするガス拡散抑制機能と高い強度を持つ膜に加工することは困難である。またその他にも高い伝導性を示す無機化合物としてはHMoPO40・29HOの組成式で表わされるモリブドリン酸やHWPO40・29HOの組成式で表わされるタングストリン酸(非特許文献7を参照)、更にZrO・nHO,SnO・nHO,Ce(HPOなどが報告されているが(非特許文献8を参照)、これらのモリブドリン酸及びタングストリン酸その他を用いた場合でも加工性に難点がある。
【0019】
これら親水性有機高分子及び無機化合物の欠点を克服する方法として両者を複合化する手段が考えられる。例えば珪素化合物とポリエチレンオキシドをナノレベルで化学結合させたプロトン伝導性材料が提案されている(特許文献1を参照)。ポリエチレンオキシドはポリビニルアルコールと同様に安価で親水性の高い有機高分子であるが、単独では水に溶解する。しかしゾルゲル製法によって珪素化合物と複合化することにより耐水性を持たせることができて高温強度の良好な材料が得られるものとされている。但し複合材料をゾルゲル製法以外の方法で得ることが難しく、それ以外の方法は開示されていない。従って原料あるいは製造コストの低減化効果が低いという問題がある。また、珪素化合物及びタングストリン酸、モリブドリン酸などプロトン伝導性付与剤などの無機化合物とポリエチレンオキシドなど有機化合物を複合化したイオン伝導性材料が提案されているが(特許文献2を参照)、製造方法としてはゾルゲル製法による複合化法しか開示されていない。
【0020】
上記従来の固体電解質は何れも酸性であり、電極その他のシステム構成材料として使用できる素材が貴金属など耐酸性のものに限定され、システム全体としても低コスト化が困難であるという難点がある。固体電解質が酸性であることは電極、活物質の劣化作用によって一次電池,二次電池,光スイッチなど一部の用途への適用を難しくしているという問題もあり、これら一次電池及び二次電池等で従来使用されているアルカリ性液状電解質は液漏れの心配があるという難点を有している。
【0021】
一方、アルカリ電解液などの液状電解液をポリアクリル酸によって固めてゲル化したゲル電解質も提案されている(非特許文献9を参照)。このゲル電解質は実質的には固体電解質とはいえないが、液状電解液と同程度の高いイオン伝導度を示すとともに安価であり、電解液の漏れの抑制には効果がある。しかし強度的に充分ではなく、ガスあるいはイオン等の拡散抑制作用も低いため、一部の限られた用途にしか使用できない。
【0022】
【特許文献1】
特開2000−90946号
【特許文献2】
特開2001−35509号
【非特許文献1】
電気化学,69,No3,154−159(2001)
【非特許文献2】
平成12年電気学会全国大会講演論文集,P3373(2000)
【非特許文献3】
Sensors and Actuators, 11,377−386(1987)
【非特許文献4】
Bull.Chem.Soc.Jpn.,60,747−752(1987)
【非特許文献5】
J.Electrochem.Soc.,Vol.143,No.10,3348−3353(1996)
【非特許文献6】
J.Electrochem.Soc.Vol.144,No.6,2175−2178(1997)
【非特許文献7】
Chem.Lett.,17(1979)
【非特許文献8】
電気化学,69,No.1(2001)
【非特許文献9】
電気化学,659〜663,69,No.9(2001)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記従来提供されているイオン伝導性固体電解質が有している問題点を解決して、吸水性と耐水性を両立させた有機無機複合化合物を利用した低価格な高イオン伝導性固体電解質と、該高イオン伝導性固体電解質を使用した電気化学システムを提供することを目的とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、ジルコン酸化合物とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩からなる水を内包した複合化合物であることを特徴とする高イオン伝導性固体電解質、及びジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が共存した水溶液をアルカリによって中和し、溶媒としての水を除去した後、不要塩を除去して得られるジルコン酸化合物とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩からなる水を内包した複合化合物である高イオン伝導性固体電解質と、この高イオン伝導性固体電解質を用いた各種の電気化学システムを提供する。
【0025】
ジルコン酸化合物とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩からなる水を内包した複合化合物は、アルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物のうち少なくとも1種類を含んでいる。中和法によって作成する場合、ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩を含む原料水溶液がアルミニウム塩,チタン塩,カルシウム塩,ストロンチウム塩,バリウム塩,ホウ酸から選択された少なくとも1種類を含むか、又は原料水溶液を中和するアルカリが珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸から選択された少なくとも1種類のアルカリ金属塩を含み、生成した複合化合物がアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物の少なくとも1種類を含んでいる。そしてポリアクリル酸あるいはその金属塩のカルボキシル基部がすべて−COOHの形であるとみなした重量のポリビニルアルコール重量に対する比が、0.1以上で0.2以下であり、ZrOに換算したジルコン酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比が0.05以上であり、SiOに換算した珪酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比が0.016以上で0.097以下、Pに換算したリン酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比が0.023以上にしてある。また、複合化合物はアルカリ溶液中に浸漬処理する。
【0026】
電気化学システムとして、燃料電池,スチームポンプ,除湿機,空調機器,エレクトロクロミックデバイス,電解装置,電気分解型水素生成装置,電解過酸化水素製造装置,電解水製造装置,湿度センサ,水素センサ,一次電池,二次電池,光スイッチシステムあるいは多価金属を用いた新たな電池システムに適用可能である。
【0027】
かかる高イオン伝導性固体電解質及び該固体電解質を使用した電気化学システムによれば、ポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩の共存する水溶液中でジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩及びその他の添加塩を中和するという簡単な工程を行うことによって高イオン伝導性固体電解質が作成可能であり、上記中和反応及びその後の加熱処理によってジルコン酸及びその他の添加塩から生じる化合物の縮重合反応が起きてポリビニルアルコールやカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩との間でミクロレベルの絡み合いが発生し、複合化することが可能となる。ポリビニルアルコール,カルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩、ジルコン酸化合物及びその他の添加化合物は親水性であるため、複合化合物は多量の水を内包する能力を持ち、この内包水がプロトンあるいは水酸化物イオンの高速拡散の媒体となる。
【0028】
本発明の化合物においては、有機成分であるポリビニルアルコールやカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が無機成分であるジルコン酸化合物及びその他の添加化合物と水素結合あるいは脱水縮合によって強固に結びついており、親水性であるにも関わらず熱水中で溶解せず、高温湿潤環境下でも安定な物性を保つことができる。
【0029】
この複合材料がカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩を含まなくても親水性と耐水性が両立し、比較的高いイオン伝導性を得ることができる。しかし得られた固体電解質を一次,二次電池などのアルカリ型で高いイオン伝導度が要求される用途に適用した場合、その性能は十分ではない。これに対してカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩を含有させた固体電解質はアルカリ型で解離水酸化物イオン濃度を増加させることで十分高いイオン伝導性を示す。この複合材料は高い強度と柔軟性を有し、薄膜への加工も容易である。ジルコン酸化合物のみでも高いイオン伝導性を示すが、更にアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物のうち少なくとも1種類を複合化することでも高いイオン伝導性を維持し、更にイオン伝導性を高めることができる。このうち珪素,リンなどの成分は複合材料の均一性を増加させて膜に加工した場合の状態を良くする作用がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明にかかる高イオン伝導性固体電解質及び該固体電解質を使用した電気化学システムの具体的な実施形態を説明する。本発明は水溶液中で製造されるポリビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩、ジルコン酸化合物及びその他のアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物のミクロレベルでの複合化合物を基本としており、安価で特にアルカリ型において高いイオン伝導性を示し、十分な耐水性を有するプロトンあるいは水酸化物イオン伝導性固体電解質と、該固体電解質を使用した電気化学システムを提供することを基本手段としている。
【0031】
本発明ではポリビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩の共存下でジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩及びその他のアルミニウム塩,チタン塩,カルシウム塩,ストロンチウム塩,バリウム塩,ホウ酸などの添加物を溶解した原料水溶液を、珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸などのアルカリ金属塩を含むアルカリによって中和し、溶媒としての水を除去した後、不要塩を除去することにより、ジルコン酸化合物及びアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物とポリビニルアルコール及び水からなる複合化合物を得て固体電解質を作成したことが特徴となっている。
【0032】
以下に本発明の具体的な実施形態例を説明する。尚、本願発明はこれら実施形態例の記載内容に限定されるものではない。
【0033】
〔実施例1〕
電解質膜を作成するため、先ず平均分子量が120,000〜190,000でケン化度が87〜89%のポリビニルアルコールの2重量%水溶液80ccに、所定量のオキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrClO・8HO)と平均分子量140,000のポリアクリル酸を溶解して原料水溶液とし、この原料水溶液を撹拌しながら1M濃度の水酸化ナトリウム水溶液をpHが10以上になるまで滴下して中和した。その後水溶液を直径90mmのシャーレ2個に注ぎ、50℃で乾燥することによって溶媒の水を除去した。乾燥後にシャーレ上に残った膜を剥がしてオーブン内に入れて空気中で100℃,3時間の加熱処理を行い、70〜80℃の熱水中で十分に洗浄した。
【0034】
上記方法で作成した電解質膜はアルカリ型化を促進するために0.5M程度の水酸化ナトリウム水溶液に常温で3時間浸漬する処理を行った。また、同様に0.5M濃度の珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液に浸漬する処理も行った。いずれの場合も浸漬処理後は乾燥して試料表面を拭き取った。
【0035】
このようにして作成した試料は表1の試料No.1〜11であって、ポリアクリル酸量はカルボキシル基部がすべて−COOHの形であるとみなした重量のポリビニルアルコールに対する重量比の形で表中に示した。又、ジルコン酸化合物量はZrO重量に換算し、ポリビニルアルコールに対する重量比の形で表中に示した。試料No.1〜5はアルカリ溶液浸漬処理を施していないものである。
【0036】
【表1】
Figure 2004146208
【0037】
ポリビニルアルコールに対してZrO換算重量比0.05以上のジルコン酸化合物を複合化しているこれらの試料は何れも70℃以上の熱水中で1時間洗浄しても溶解せずに膜形状を維持しており、耐水性に優れている。比較のためジルコン酸化合物を含まないポリビニルアルコールのみの試料も同様な方法で成膜してみたが、熱水中ですぐに溶解してしまう耐水性の低いものしかできなかった。また、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸だけの場合には熱水中ですぐに溶解してしまうことはなかったものの、膜の形状を十分に維持することができなかった。これらの結果からジルコン酸化合物との複合化がポリビニルアルコールとポリアクリル酸の耐水性を顕著に向上させる効果が得られた。
【0038】
作成した試料膜のイオン伝導度の測定は以下の方法により行った。先ず試料膜を直径30mmの円形に切り抜き、直径28mmの2枚の白金円板と、該白金円板の外側に配置した真ちゅうの円板で挟み、更に絶縁されたクリップで挟み込んで固定する。真ちゅうの円板に取り付けたリード線にLCRメータを使って電圧10mVの交流電圧を周波数5MHzから50Hzまで変えながら印加し、電流と位相角の応答を測定した。イオン伝導度は一般的に行われているCole−Coleプロットの半円の直径から求めた。尚、この測定は試料を高温高湿槽の中に入れて温度50℃、相対湿度90%に制御しながら行った。イオン伝導度の測定結果は表1中に記載している。
【0039】
アルカリ溶液浸漬処理を施していない試料No.1〜5のうち、ポリアクリル酸を含んでいない試料No.1は10−7S/cmのオーダーの低いイオン伝導度しか示さなかったが、ポリアクリル酸を含有させることでイオン伝導度は顕著に増大し、ポリアクリル酸を対ポリビニルアルコール重量比で0.05含有する場合には10 S/cmのオーダー、0.1以上含有する場合には10−5S/cmのオーダーの比較的高いイオン伝導度を示すようになった。試料No.6〜10は試料No.1〜5についてアルカリ溶液浸漬処理を施したものであるが、いずれの試料もアルカリ溶液浸漬処理によってイオン伝導度が増大し、ポリアクリル酸を対ポリビニルアルコール重量比で0.1以上含有する場合には10−4S/cmのオーダーの非常に高いイオン伝導度を示した。
【0040】
ポリアクリル酸の含有量は、対ポリビニルアルコール重量比を0.3まで増やしても高いイオン伝導度を維持することができるが、対ポリビニルアルコール重量比を0.3まで増やすと製造時の熱水洗浄過程で膜の強度が著しく低下してハンドリングが困難になったり、不均一性が増大する等の問題が生じる。そこでポリアクリル酸の含有量は対ポリビニルアルコール重量比で0.1〜0.2の間にすることが好ましい。また、ジルコン酸化合物の含有量については対ポリビニルアルコール重量比で0.05まで下げても高いイオン伝導度を維持することができる(試料No.11)。尚、これらの試料をアルカリではなく酸に浸漬する処理を行った場合には、アルカリ浸漬処理ほど高いイオン伝導度は得られず、何も処理していない場合とあまり変わらなかった。
【0041】
上記の製法において、原料水溶液中に塩化アルミニウム,塩化チタン,塩化ストロンチウム,塩化バリウム,ホウ酸を添加するか、あるいは中和するアルカリに珪酸ナトリウム,第三リン酸ナトリウム,タングステン酸ナトリウム,モリブデン酸ナトリウム,錫酸ナトリウムを添加した結果を試料No.12〜26に示した。なお、表1において記号(Al),(Si),(B),(P),(Ti),(W),(Mo),(Sn),(Ca),(Sr),(Ba)はそれぞれアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物が添加されていることを示しており、各化合物量はそれぞれAl,SiO,B,P,TiO,WO,MoO,SnO,CaO,SrO,BaOの重量に換算し、ポリビニルアルコールに対する重量比の形で示している。これらの化合物を添加した場合もアルカリ溶液浸漬処理を施した場合には10−4S/cmオーダーのイオン伝導度を示し、ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ジルコン酸化合物のみの場合のイオン伝導度を維持するかあるいはこれを上回る値を示した。特に珪酸化合物を対ポリビニルアルコール重量比で0.016以上添加した場合にはイオン伝導度も高く、より均一性の良好な膜が得られた(試料No.13〜17)。但し珪酸化合物含有量が0.097を超えるとイオン伝導度が低下するので、珪酸化合物含有量は0.016〜0.097の範囲にすることが望ましい。リン酸化合物を対ポリビニルアルコール重量比で0.023以上含有させた場合にも珪酸化合物と同様に高いイオン伝導度と均一性の良好な膜が得られた(試料No.19)。
【0042】
〔実施例2〕
実施例1と異なる操作で電解質膜を作成した例を示す。実施例1と同じポリビニルアルコール2重量%水溶液80ccに、所定量の珪酸ナトリウムを溶解し、これに所定量のオキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrClO・8HO)及びポリアクリル酸を含む1.2M濃度の塩酸を加えて中和した。その後水溶液を直径90mmのシャーレ2個に注ぎ、50℃で乾燥することによって溶媒の水を除去した。乾燥後にシャーレ上に残った膜を剥がしてオーブン内に入れて空気中で100℃,3時間の加熱処理を行い、70〜80℃の熱水中で十分に洗浄した。このようにして作成した試料は表1の試料No.27であり、この場合にも10−4S/cmオーダーの高いイオン伝導度を示した。
【0043】
〔実施例3〕
実施例1,2と異なる操作で電解質膜を作成した例を示す。実施例1と同じポリビニルアルコール2重量%水溶液80ccに所定量のポリアクリル酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムを溶解し、これに所定量のオキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrClO・8HO)を含む1.2M濃度の塩酸を加えて中和した。その後、水溶液を直径90mmのシャーレ2個に注ぎ、50℃で乾燥することによって溶媒の水を除去した。乾燥後にシャーレ上に残った膜を剥がしてオーブン内に入れて空気中で100℃,3時間の加熱処理を行い、70℃〜80℃の熱水中で十分に洗浄した。このようにして作成した試料は表1の試料No.28であり、この場合にも10−4S/cmオーダーの高いイオン伝導度を示した。
【0044】
〔実施例4〕
表1の試料No.14についてアルカリ浸漬処理に使用するアルカリ水溶液のみ0.5M濃度の珪酸ナトリウム水溶液及び0.5M濃度の炭酸ナトリウム水溶液に変更した試料を作成した。試料No.14及びこれらの試料について温度50℃の条件で相対湿度を60%から90%まで変えてイオン伝導度を測定した結果、即ち、水酸化ナトリウム,珪酸ナトリウム,炭酸ナトリウム水溶液中でアルカリ浸漬処理したポリビニルアルコール/ポリアクリル酸/ジルコン酸系複合電解質膜のイオン伝導度の湿度依存性を図1に示す。図1によれば珪酸ナトリウム水溶液及び炭酸ナトリウム水溶液に浸漬処理した試料は水酸化ナトリウムに浸漬処理した試料よりも低湿度でのイオン伝導度の低下が少ないことが分かる。
【0045】
表1に示した試料の大部分は100℃での加熱処理を行わない場合、その後の熱水での洗浄過程で強度がかなり低下し、膜形状が維持できなかった。従って本発明の電解質材料では作成過程において100℃以上での加熱処理を行うことが好ましい。
【0046】
上記ポリビニルアルコールは完全なものである必要がなく、本質的にポリビニルアルコールとして機能するものであれば使用することができる。例えばヒドロキシル基の一部が他の基で置換されているもの、一部分に他のポリマーが共重合されているものもポリビニルアルコールとして機能することができる。また、本発明の反応過程でポリビニルアルコールを経由すれば同様な効果が得られるので、ポリビニルアルコールの原料となるポリ酢酸ビニルなどを出発原料とすることができる。
【0047】
上記のカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩の種類は特に限定されるものではないが、複合化化合物中に固定されやすい点ではポリマーが好ましく、カルボキシル基の密度が大きい方が好ましいことからポリアクリル酸あるいはその金属塩、もしくはその類似物が適当である。その場合、例えばカルボキシル基の一部が他の基で置換されているもの、一部分に他のポリマーが共重合されているものもポリアクリル酸として機能させることができる。
【0048】
本発明におけるポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩の機能が十分発現する範囲であれば、他のポリマー、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー,ポリエチレンオキシド,ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系ポリマー,ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー,メチルセルロース等の糖鎖系ポリマー,ポリ酢酸ビニル系ポリマー,ポリスチレン系ポリマー,ポリカーボネート系ポリマー,エポキシ樹脂系ポリマーあるいはその他の有機,無機添加物などを混合することもできる。
【0049】
ジルコニウム塩及びオキシジルコニウム塩は、水に溶解するものであればどのような種類のものでもよく、酸素,陰イオンの比率,含水率もどのようなものでもよい。
【0050】
本発明における水溶液とは本質的に水が溶媒となっていることを意味しており、水分含有量よりも小量の他の溶媒成分が存在することもある。材料中にアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物を加えることができるが、これらの化合物の添加は、原料水溶液中にジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩とともにアルミニウム塩,チタン塩,カルシウム塩,ストロンチウム塩,バリウム塩,ホウ酸を溶解させるか、中和するアルカリに珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸のアルカリ金属塩を含ませることによって行われる。アルミニウム塩,チタン塩,カルシウム塩,ストロンチウム塩,バリウム塩は水に溶解するものであればどのような種類のものでもよく、陰イオンの種類、含水率はどのようなものでもよい。
【0051】
珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸のアルカリ金属塩についてもアルカリ金属イオンの種類とか組成、含水率などはどのようなものでも使用することができる。例えば珪酸塩の場合には水ガラスなどを使用することができる。これらの塩は2種類以上混合して添加することもできる。また、予めタングステン酸あるいはモリブデン酸とリン酸,珪酸,ホウ酸が化合したタングストリン酸,モリブドリン酸,シリコタングステン酸,シリコモリブデン酸,タングストホウ酸,モリブドホウ酸などヘテロポリ酸の塩を原料として用いることができる。リン酸塩としては第1,第2,第3リン酸塩の何れをも使用することができるが、珪酸塩,ホウ酸塩が共存する場合には、第1リン酸塩は原料水溶液中に入れる時点で既にそれらの塩を中和してしまうため好ましくない。
【0052】
中和に用いるアルカリの種類は、ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩の中和が行えるものであればどのようなものでもよく、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウムなどが使用可能である。また、例えば実施例2にも示したように中和のためのアルカリが珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸のようにアルカリ金属塩を多量に含む場合、中和反応を完全にするためにジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩を含む原料水溶液に予め酸を加えておくこともできる。なお、本発明においては、ポリビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩及びジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩がいずれも溶解した状態で中和反応が行われればよいので、操作上はジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩を含む原料水溶液にアルカリを添加しても、逆にアルカリに原料水溶液を添加してもよく、その場合添加操作の前段階ではポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩は原料水溶液側にあってもアルカリ側にあってもよい。
【0053】
中和された水溶液は例えば加温乾燥によって溶媒としての水を除去し、薄膜等の所望の形状に加工する。加工後の複合化合物は100℃以上の温度で加熱処理することによってジルコン酸化合物自体の縮重合反応やアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物及びポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩との結合生成を促進し、強度、耐水性、高温安定性を増大することができる。加熱処理を行わない場合には、高温水中で強度が低下する等の問題が生じる。加熱処理における加熱雰囲気は、空気中でも不活性ガス雰囲気又は真空中でもよい。
【0054】
加熱処理工程の前段あるいは後段で、複合化合物を水などの溶媒で洗浄することにより、該複合化合物中の不要塩を除去する。固体電解質を使用した電気化学システムは何れも電極において酸化還元反応が起きるが、中和過程で酸によって導入される陰イオンのうち固体電解質に固定されていない遊離のイオンが酸化還元反応に悪影響を及ぼすので、遊離のイオンである不要塩は洗浄により除去する必要がある。
【0055】
ZrOに換算された複合化合物中のジルコン酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比は0.05以上にすることが好ましい。重量比が0.05よりも低いと耐水性と高いイオン伝導性が得られないという問題が生じる。
【0056】
アルカリ型のプロトンあるいは水酸化物イオン伝導性固体電解質を得る場合には、生成した複合化合物をアルカリ溶液に浸漬する処理を施すことによってより完全にアルカリ型化され、イオン伝導度を高めることができる。アルカリ浸漬処理はアルカリ型化が行えるものであればどのようなものでも使用可能であり、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウムあるいは珪酸,ホウ酸,炭酸のアルカリ金属塩などの溶液が使用できる。特に珪酸,炭酸のアルカリ金属塩を用いた場合には低湿度でのイオン伝導度低下が少ないという利点が得られる。これら珪酸,炭酸のアルカリ金属塩を用いることにより、大気中あるいは炭酸ガスの多い環境下で電解質材料を使用した場合でも二酸化炭素による中和が起こりにくいため、性能の劣化が少ないという利点がある。アルカリ浸漬処理は電解質に含まれる無機化合物がジルコン酸化合物単独の場合やアルミニウム,珪素,ホウ素,チタン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物の場合に効果的である。なお、アルカリ浸漬処理に用いるアルカリは必ずしも水溶液である必要はない。
【0057】
本発明により得られた高イオン伝導性固体電解質は、アルカリ型において高いプロトンあるいは水酸化物イオン伝導性を示すが、アルカリ型にすることによって電極その他のシステム構成材料としてニッケルなど比較的安価な素材を用いることが可能となり、システム全体の低コスト化をはかることができる。
【0058】
更にアルカリ型にすることによって一次電池、二次電池への応用が可能であり、従来のアルカリ電解液を本発明の電解質材料にすることで漏液の惧れをなくすことができる。このアルカリ型固体電解質を使用することで従来から実用化が困難であった二次電池、例えば2価以上の多価金属を負極に用いたような高エネルギー密度電池の実用化をも可能にする。例えば負極に酸化亜鉛、正極にニッケル水素電池と同じ水酸化物ニッケルを用いたニッケル亜鉛電池を例に挙げることができる。ニッケル亜鉛電池は、下記の(12)式,(13)式に示すように負極では充電時に酸化亜鉛が還元されて金属亜鉛となり、放電時には逆に亜鉛が電気化学的に酸化されて酸化亜鉛に戻る。
〔充電〕 ZnO + HO +2e  → Zn+ 2OH ……(12)
〔放電〕 Zn+2OH− → ZnO + HO+2e−  ……(13)
【0059】
ニッケル亜鉛電池は亜鉛が2価であるため高い貯蔵エネルギー密度を持つが、酸化亜鉛がアルカリ電解液に溶解しやすく、電極から亜鉛イオンが溶出したり、溶出した亜鉛イオンが充電時に還元される際に針状金属亜鉛(デンドライト)が生成し、これがセパレータを貫通して短絡を引き起こすという問題がある。更に亜鉛の酸化還元電位が水素よりも低いため、充電状態での放置中に亜鉛が水によって酸化されて自己放電を起こしやすく、又充電時に亜鉛極から水素を発生して充電効率が低下する等の難点があり、特に液性の電解質を用いた電池の実用化が難しいという問題があるが、本発明の高イオン伝導性固体電解質を用いると金属イオンの溶解が抑制され、僅かに溶解しても金属イオンが電極から拡散していく速度が遅いため、金属のデンドライトが生成する可能性は低く、仮にデンドライトが生じても固体電解質自体が負極から正極へ貫通することを防ぐことができる。更に固体電解質中の水は反応性に乏しく、水素よりも酸化還元電位の低い金属に対しても自己放電の問題が起こりにくくなり、金属の還元反応と競合する水の電気分解、即ちプロトンの還元反応も起こりにくいため、充電効率も改善される。上記金属イオンの溶解と拡散の抑制作用、デンドライトの生成防止作用は一次電池あるいはニッケル水素電池に対しても同様な作用効果を及ぼすことができる。更に正極として空気極を用いた空気亜鉛電池に上記と同様なメリットがあり、酸素の亜鉛極への拡散が抑制されて容易に充電可能な電池が得られる。
【0060】
2価以上の金属は亜鉛以外にも銅,コバルト,鉄,マンガン,クロム,バナジウム,錫,モリブデン,ニオブ,タングステン,珪素,ホウ素,アルミニウム等多数存在するので、本発明にかかる電解質の適用によって上記金属を用いた二次電池の実用化が可能となる。
【0061】
ニッケル水素電池などアルカリ二次電池では、従来多孔性セパレータに染みこませたアルカリ電解液が使用されているが、本発明にかかる電解質は電解液とセパレータとの両方の機能を兼ね備えているので、電解液が不要となるかあるいはその量を軽減することが可能となり、その分だけ電池のエネルギー密度を向上させることができる。また、多孔性のセパレータとは異なって薄膜にしても短絡を防止することができるので、薄膜型で表面積が大きい電極を使用することができる。
【0062】
本発明の固体電解質は安価な原料を使用しており、簡単な水溶液プロセスを基本としているため、既存のパーフルオロスルホン酸系電解質よりも大幅に安価である。更に無機固体材料とは異なって柔軟性があるため、薄膜加工がし易い。従来試みられているポリエチレンオキシドと珪素化合物の複合化を選択した場合には、本発明方法を適用しても耐熱水性のある複合化合物を作製することができず、ゾルゲル製法のようなコストの高い方法を用いる必要がある。しかし本発明のようにポリビニルアルコールを選択することにより、製造が容易で低コストの水溶液製法が適用可能である。特に本発明の固体電解質はアルカリ型において高いイオン伝導度を発現するため、電極その他の部材に高価な貴金属を用いる必要がなく、一次,二次電池などの用途に使用することができる。
【0063】
本発明にかかる固体電解質はプロトン伝導性であることにより、従来のパーフルオロスルホン酸系イオン交換膜と同様に燃料電池,スチームポンプ,除湿機,空調機器,エレクトロクロミックデバイス,電解装置,電気分解型水素生成装置,電解過酸化水素製造装置,電解水製造装置,湿度センサ,水素センサに応用することができる。この固体電解質材料はアルカリ型でも高いイオン伝導性を示すため、一次電池,二次電池,光スイッチシステム等の電気化学システムあるいは多価金属を用いた新たな電池システムに適用することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩の共存する水溶液中でジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩及び添加塩のアルカリによる中和反応を行い、溶媒の水を除去した後、不要塩を除去して複合化合物を作成することが大きな特徴となっており、吸水性と耐水性を両立させた有機無機複合化合物を水溶液による製法で容易に作成することができるため、低価格な高イオン伝導性固体電解質と、該高イオン伝導性固体電解質を使用した電気化学システムを提供することができる。
【0065】
特にジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩水溶液の中和反応だけならば単にジルコン酸の縮重合反応が起きるだけであるが、ポリビニルアルコールが共存することによってポリビニルアルコールとジルコン酸化合物とのミクロレベルでの絡み合いにより複合化され、この縮重合反応が加熱によって促進されて強固で、かつ、柔軟な複合化合物が得られる。しかも単独のポリビニルアルコールは熱水に溶解するにも関わらず複合化合物はジルコン酸化合物との強固な絡み合いにより熱水に溶解せず、高温湿潤環境下でも安定に物性を保つことが可能であり、かつ、ポリビニルアルコールとジルコン酸化合物はともに高親水性であるため、複合化合物は耐水性であるにも関わらず多量の水分を吸収することができて高いイオン伝導性を付与することができる。よってジルコン酸化合物とポリビニルアルコールの複合化合物に内包された水がプロトンあるいは水酸化物イオンの高速拡散の媒体となる。更にカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が加わることによって特にアルカリ型でのイオン伝導度を大幅に増大することができる。
【0066】
また、ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩を含む原料水溶液に、アルミニウム塩,チタン塩,カルシウム塩,ストロンチウム塩,バリウム塩,ホウ酸を共存させておくか、あるいは原料水溶液を中和するアルカリの成分として珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸のアルカリ金属塩を加えておくことにより、アルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物も容易に複合化させることができる。これら第3,第4の成分を複合化させることによって特性を改善することができるとともに第3,第4の成分を複合化させることによってジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩の使用量が軽減され、低コスト化をはかることができる。
【0067】
本発明の高イオン伝導性固体電解質は、燃料電池,スチームポンプ,除湿機,空調機器,エレクトロクロミックデバイス,電気分解型水素生成装置,電解過酸化水素製造装置,電解水製造装置,湿度センサ,水素センサ,一次電池,二次電池,光スイッチシステムあるいは多価金属を用いた新たな電池システム等の各種の電気化学システムに応用可能であり、これら電気化学システムの低価格化に寄与することができる。更に電解質材料をアルカリ型にすることにより、上記電気化学システムに用いる電極等の周辺部材の素材としても低価格のものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン伝導度の湿度依存性を示すグラフ。
整理番号 P3505

Claims (15)

  1. ジルコン酸化合物とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩からなる水を内包した複合化合物であることを特徴とする高イオン伝導性固体電解質。
  2. カルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が、ポリアクリル酸あるいはその金属塩である請求項1に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  3. ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が共存した水溶液をアルカリによって中和し、溶媒としての水を除去した後、不要塩を除去して得られるジルコン酸化合物とポリビニルアルコール及びカルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩からなる水を内包した複合化合物であることを特徴とする高イオン伝導性固体電解質。
  4. カルボキシル基を有する化合物あるいはその金属塩が、ポリアクリル酸あるいはその金属塩である請求項3に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  5. 不要塩を除去する前あるいは後に100℃以上の温度で加熱する処理を施す請求項3又は4に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  6. ポリアクリル酸あるいはその金属塩のカルボキシル基部がすべて−COOHの形であるとみなした重量のポリビニルアルコール重量に対する比が、0.1以上で0.2以下である請求項2,4又は5に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  7. ZrOに換算したジルコン酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比が0.05以上である請求項1,2,3,4,5又は6に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  8. アルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物のうち少なくとも1種類を含む請求項1,2,3,4,6又は7に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  9. ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩を含む原料水溶液がアルミニウム塩,チタン塩,カルシウム塩,ストロンチウム塩,バリウム塩,ホウ酸から選択された少なくとも1種類を含むか、又は原料水溶液を中和するアルカリが珪酸,ホウ酸,リン酸,タングステン酸,モリブデン酸,錫酸から選択された少なくとも1種類のアルカリ金属塩を含み、生成した複合化合物がアルミニウム,珪素,ホウ素,リン,チタン,タングステン,モリブデン,錫,カルシウム,ストロンチウム,バリウム化合物の少なくとも1種類を含む請求項3,4,5,6又は7に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  10. SiOに換算した珪酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比が0.016以上で0.097以下である請求項8又は9に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  11. に換算したリン酸化合物重量のポリビニルアルコール重量に対する比が0.023以上である請求項8又は9に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  12. 複合化合物をアルカリ溶液中に浸漬処理する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  13. 浸漬処理するアルカリ溶液が珪酸塩又は炭酸塩の溶液である請求項12に記載の高イオン伝導性固体電解質。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の高イオン伝導性固体電解質を用いたことを特徴とする高イオン伝導性固体電解質を使用した電気化学システム。
  15. 上記電気化学システムが、燃料電池,スチームポンプ,除湿機,空調機器,エレクトロクロミックデバイス,電解装置,電気分解型水素生成装置,電解過酸化水素製造装置,電解水製造装置,湿度センサ,水素センサ,一次電池,二次電池,光スイッチシステムあるいは多価金属を用いた新たな電池システムである請求項14に記載の高イオン伝導性固体電解質を使用した電気化学システム。
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