JP2004045867A - 浮出し表示部を有する真空成形体及びその成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示体の外周りにエア溜まりをなくし、浮出し表示部の輪郭を鮮明にして見栄えを向上させるとともに、コストを低減する。
【解決手段】基材1表面に表示体3を突設し、表皮材5を基材1表面に真空引きにより密着させて表示体3を覆い、表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成された装飾プレートAにおいて、平面視において基材1における表示体3で囲まれる箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7を穿設し、真空成形時に、表皮材5と基材1との間を真空引きにより真空引き細孔7を介して負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる。
【選択図】 図2
【解決手段】基材1表面に表示体3を突設し、表皮材5を基材1表面に真空引きにより密着させて表示体3を覆い、表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成された装飾プレートAにおいて、平面視において基材1における表示体3で囲まれる箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7を穿設し、真空成形時に、表皮材5と基材1との間を真空引きにより真空引き細孔7を介して負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、浮出し表示部を有する真空成形体及びその成形方法の改良に関し、特にエア抜き対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実開平6−23073号公報には、基材表面に英文字からなる表示体を接着して突設し、その上からオーバーレイフィルムを真空引きにより密着させて上記表示体をオーバーレイフィルムで覆うことにより、表面に表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された真空成形体を得る技術が開示されている。
【0003】
この従来例では、真空成形時、表示体の外周りにエア溜まりができると、オーバーレイフィルムが表示体と基材との境目に完全に密着せずに浮き上がった状態となり、浮出し表示部の輪郭が不鮮明になることから、基材表面に横方向に通気性を有する多孔質フィルムを接着し、この多孔質フィルム上に表示体を接着することにより、真空成形時に、表示体の外周りに閉じ込められようとするエアを上記多孔質フィルムの通気孔を経てフィルム側方端部から外部に排出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来例では、エアが閉じ込められようとする箇所である表示体外周りと、エアを排出する箇所である多孔質フィルム側方端部とが距離を隔てているため、エアを完全に外部に排出し辛く、エア溜まりが発生するおそれがある。特に、基材における表示体のコーナー部に対応する箇所や表示体で囲まれる箇所では、オーバーレイフィルムが密着し難くエア溜まりが発生し易い。また、多孔質フィルムを基材表面に接着していることから、多孔質フィルムの通気孔が接着剤で塞がれて通気性が阻害されると、エアを完全に排出することができなくなる。このような事態になると、表示体の外周りにエア溜まりが発生してオーバーレイフィルムが浮き上がった状態となり、浮出し表示部の輪郭が不鮮明になって見栄えが悪くなる。さらに、多孔質フィルムが必要でありその分だけ経費が嵩み、コストアップを招来する。
【0005】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来例のようなエア排出用の多孔質フィルムを用いることなく表示体の外周りからエアを排出することにより、浮出し表示部の輪郭を鮮明にして見栄えを向上させるとともに、コストを低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、エア溜まりが発生し易い基材の表示体近傍からエアを積極的に排出するようにしたことを特徴とする。
【0007】
具体的には、この発明は、表面に表示体が突設された基材と、該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体及びその成形方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、請求項1〜3に記載の発明は、前者の真空成形体に関するものであり、そのうち、請求項1に記載の発明は、上記基材の表示体近傍には、真空成形時に、上記表皮材と基材との間を真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる真空引き細孔が上記基材を貫通して穿設されていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、真空成形時に、表皮材と基材との間のエアが、基材の表示体近傍に穿設された真空引き細孔から真空引きにより吸引されて外部に直接排出され、上記表皮材と基材との間が負圧になって表皮材が基材表面に密着する。
【0010】
これにより、基材の表示体近傍からエアが速やかに排出され、表皮材が基材表面に浮き上がることなく密着し、浮出し表示部の輪郭が鮮明になって見栄えが良くなる。また、真空引き細孔を基材に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストが低減する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、真空引き細孔は、平面視において基材における表示体のコーナー部に対応する箇所又は表示体で囲まれる箇所に穿設されていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、表皮材が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である表示体のコーナー部に対応する箇所や、表示体で囲まれる箇所からエアが確実に排出されるため、当該箇所にエア溜まりが発生しない。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基材表面には、表示体の外形に沿って周溝が形成され、該周溝に真空引き細孔が連通していることを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、真空成形時に、表皮材が周溝内に吸引されようとするため、浮出し表示部の輪郭がより鮮明になる。
【0015】
請求項4〜7に記載の発明は、後者の成形方法に関するものであり、そのうち、請求項4に記載の発明は、上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、次いで、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする。
【0016】
上記の構成により、請求項4に記載の発明では、基材の表示体近傍に真空引き細孔を穿設するだけで、浮出し表示部の輪郭が鮮明で見栄えの向上した真空成形体が簡単に得られる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、表示体を有する離型紙から上記表示体を転写紙に転写し、次いで、上記表示体を転写紙から基材表面に転写し、その後、上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、しかる後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする。
【0018】
上記の構成により、請求項5に記載の発明では、表示体を基材表面に突設する一実施形態が具体化される。つまり、表示体は離型紙から一旦転写紙に転写された後、転写紙から基材表面に転写される。これにより、表示体が基材表面に容易に突設される。
【0019】
請求項6に記載の発明は、表示部を有するフィルムを基材表面に貼り合わせ、次いで、上記基材上のフィルムに上記表示部の外形に沿って切込みを入れた後、該表示部を残してフィルムを基材から取り除いて基材表面に表示体を突設し、上記フィルムを基材から取り除く前に該フィルム及び基材の表示部近傍に基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、もしくは上記フィルムを基材から取り除いた後に上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、その後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする。
【0020】
上記の構成により、請求項6に記載の発明では、表示体を基材表面に突設する別の実施形態が具体化される。つまり、表示体は、基材に貼り合わされたフィルムの表示部がその外形に沿って切り込まれた後、該表示部を残してフィルムが基材から取り除かれることで基材表面に突設される。したがって、請求項5の如き離型紙及び転写紙がいらず、また転写作業もいらず、真空成形体が安価にかつ短時間に成形される。
【0021】
請求項7に記載の発明は、表示部を有しないフィルムを基材に貼り合わせ、次いで、上記基材上のフィルムにコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切込みを入れた後、切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除いて基材表面に表示体を突設し、上記フィルムを基材から取り除く前に該フィルム及び基材の切込み近傍に基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、もしくは上記フィルムを基材から取り除いた後に上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、その後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる。
【0022】
上記の構成により、請求項7に記載の発明では、表示体を基材表面に突設するさらなる別の実施形態が具体化される。つまり、表示体は、表示部を有しないフィルムがコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切り込まれた後、切込みの内側部分を残してフィルムが基材から取り除かれることで基材表面に突設される。したがって、請求項6の如きフィルムに表示部を形成する手間がいらず、真空成形体がさらに安価にかつ短時間に成形される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1及び図2はこの発明の実施の形態1に係る真空成形体としての装飾プレートAを示すが、別にこれに限定するものではない。この装飾プレートAは、例えば射出成形された矩形の樹脂製基材1を備え、該基材1表面には表示体3が突設されている。本例では、表示体3として「Kasei」という英文字を採用したが、これに限らず、平仮名、カタカナ、数字、記号、絵柄及びロゴマーク等であってもよい。上記基材1表面には樹脂製表皮材5が真空引きにより吸引されて密着して上記表示体3を覆い、装飾プレートA表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成されている。上記表示体3は基材1表面に接着剤層を介して一体に接着されているが、ここでは接着剤層は現さず、後述する成形方法のところで現す。表皮材5は裏面全体に接着剤(図示せず)が塗布されて基材1と一体に接合されている。
【0025】
この実施の形態1の特徴として、上記基材1の表示体3近傍、具体的には、平面視において基材1における表示体3で囲まれる箇所(「a」の中央部と「e」の上半部分)には、真空成形時に、上記表皮材5と基材1との間を真空引きにより負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる真空引き細孔7が上記基材1を貫通して穿設されている。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。
【0026】
このように構成された装飾プレートAは、一例として図3及び図4に示すように、自動車のインストルメントパネルBを構成するロアパネルb1に設けられたグローブボックスb2と、その上側に車室側に開放して設けられた物品収納部b3との間のパネル部b4に嵌合されて取り付けられるようになっているが、これに限定されるものではない。
【0027】
次に、上記装飾プレートAの成形方法について図5〜12を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、図5(a),(b)に示すような積層シート9を用意する。この積層シート9は、後に表示体3となる表示部(「Kasei」という英文字)11がバックプリントされた透明の樹脂製フィルム13を離型紙15に接着剤層17を介して積層してなるものである。なお、表示部11はフィルム13の表面側に形成してもよく、また、フィルム13は不透明あるいは半透明であってもよい。
【0029】
次いで、図6(a),(b)に示すように、加工具としてのレーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを上記積層シート9に照射し、該積層シート9のフィルム13に各表示部11の外形に沿って切込み20aを入れる。この段階ではレーザビーム19aは離型紙15に対して切り込まない。また、レーザビーム19aを隣り合う表示部11である「Kasei」と「Kasei」との間に照射して離型紙15にまで達するように切込み20bを入れ、積層シート9を個々の矩形カード21に切断する。なお、加工具としてレーザ照射装置を用いずにカッタを採用してカッターで切込みを入れてもよい。
【0030】
その後、図7(a),(b)に示すように、個々のカード21から表示部11を残してフィルム13を取り除き、離型紙15に表示体3が突設された状態とする。この表示体3はフィルム13、表示部11及び接着剤層17の積層体からなるものである。
【0031】
しかる後、図8(a),(b)に示すように、離型紙15に表示体3が突設された状態のカード21の表示体3側に転写紙(透明の樹脂製シートからなるもの)23を積層する。この転写紙23には接着剤層25が形成されており、この接着剤層25を表示体3に接触させる。この接着剤層25はフィルム13裏面の接着剤層17よりも接着力が弱く設定されている。なお、図8(a)では、転写紙23が透明であるため、カード21は転写紙23の下側にあるが、便宜上実線で現している。
【0032】
次に、図9(a),(b)に示すように、離型紙15を表示体3から剥ぎ取り、表示体3を離型紙15から転写紙23に転写する。
【0033】
さらに、図10(a),(b)に示すように、転写紙23に転写された表示体3を該表示体3の接着剤層17により基材1表面に貼り合わせる。図10(a)においても、転写紙23が透明であるため、基材1は転写紙23の下側にあるが、便宜上実線で現している。
【0034】
その後、図11(a),(b)に示すように、転写紙23を表示体3から剥ぎ取って表示体3を転写紙23から基材1表面に転写し、その後、基材1の表示体3近傍である表示体3で囲まれる箇所(「a」の中央部と「e」の上半部分)に、レーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを照射し、当該箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7を穿設する。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。なお、レーザ照射装置を用いず、ドリルで真空引き細孔7を穿設してもよい。このように、表示体3を離型紙15から一旦転写紙23に転写した後、転写紙23から基材1表面に転写するので、表示体3を基材1表面に容易に突設することができる。
【0035】
その後、図12(a),(b)に示すように、真空引き細孔7が穿設された基材1を真空成形型27にセットしてその上に予め加熱されて軟化した表皮材5をセットする。基材1の真空引き細孔7は、真空成形型27の表面に形成された溝30及び真空成形型27の連通孔29によって真空室に31に連通している。なお、上記溝30は、互いに連通するように多数形成されている。また、表皮材5の裏面にはには予め接着剤(図示せず)が塗布されているが、これに限らず、基材1表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この状態で、上記表皮材5と基材1との間を真空成形により負圧にして表皮材5を真空引き(吸引)する。また、表皮材5は、透明、半透明、不透明、あるいは表面に装飾が表示されたシートのいずれであってもよい。
【0036】
これにより、表皮材5が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である基材1の表示体3で囲まれる箇所(「a」の中央部と「e」の上半部分)で、表皮材5と基材1との間のエアを真空引き細孔7から速やかに吸引して排出し、上記表皮材5と基材1との間を負圧にして表皮材5を基材1表面に浮き上がることなく密着させることができ、輪郭が鮮明で見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。また、真空引き細孔7を基材1に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストを低減することができる。
【0037】
最後に、成形された装飾プレートAを脱型して表皮材5の基材1からはみ出している部分をトリミングして完成品とする(図1及び図2参照)。
【0038】
(実施の形態2)
図13及び図14はこの発明の実施の形態2に係る真空成形体としての装飾プレートAを示すが、別にこれに限定するものではない。この装飾プレートAは、例えば射出成形された矩形の樹脂製基材1を備え、該基材1表面には表示体3が突設されている。本例では、表示体3として「Kasei」という英文字を採用したが、これに限らず、平仮名、カタカナ、数字、記号、絵柄及びロゴマーク等であってもよい。上記基材1表面には樹脂製表皮材5が真空引きにより吸引されて密着して上記表示体3を覆い、装飾プレートA表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成されている。上記表示体3は基材1表面に接着剤層を介して一体に接着されているが、ここでは接着剤層は現さず、後述する成形方法のところで現す。表皮材5は裏面全体に接着剤(図示せず)が塗布されて基材1と一体に接合されている。
【0039】
この実施の形態2の特徴として、上記基材1の表示体3近傍、具体的には、平面視において基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所には、真空成形時に、上記表皮材5と基材1との間を真空引きにより負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる真空引き細孔7が上記基材1を貫通して複数穿設されている。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。
【0040】
このように構成された装飾プレートAは、一例として図3及び図4に示すように、自動車のインストルメントパネルBを構成するロアパネルb1に設けられたグローブボックスb2と、その上側に車室側に開放して設けられた物品収納部b3との間のパネル部b4に嵌合されて取り付けられるようになっているが、これに限定されるものではない。
【0041】
次に、上記装飾プレートAの成形方法について図15〜19を参照しつつ説明する。
【0042】
まず、図15(a),(b)に示すように、後に表示体3となる表示部(「Kasei」という英文字)11がバックプリントされた透明の樹脂製フィルム13と基材1とを用意する。上記フィルム13の裏面には接着剤層17が形成されている。なお、表示部11はフィルム13の表面側に形成してもよく、また、フィルム13は不透明あるいは半透明であってもよい。
【0043】
次いで、図16(a),(b)に示すように、表示部11を有するフィルム13を表示部11が基材1側に向くようにして接着剤層17により基材1表面に貼り合わせる。なお、図16(a)では、フィルム13が透明であるため、基材1はフィルム13の下側にあるが、便宜上実線で現している。図17(a)も同様である。
【0044】
その後、図17(a),(b)に示すように、加工具としてのレーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを上記フィルム13に照射し、該フィルム13に表示部11の外形に沿って切込み20aを入れる。この段階ではレーザビーム19aは基材1に対して切り込まない。また、これと併行して平面視においてフィルム13及び基材1の表示部11近傍である表示部11のコーナー部に対応する箇所に、レーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを照射し、当該箇所に真空引き細孔7(孔径0.3〜0.5mm)を穿設する。なお、加工具としてレーザ照射装置を用いずにカッタを採用してカッターで切込みを入れてもよい。また、ドリルで真空引き細孔7を穿設してもよい。
【0045】
しかる後、図18(a),(b)に示すように、表示部11を残してフィルム13を基材1から取り除いて基材1表面に表示体3を突設する。なお、基材1の表示体3のコーナー部に対応する箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7は、上記のように切込み20aの加工と併行して行うことなく、切込み20aのみを加工し、表示体3を基材1表面に残してフィルム13を取り除いた後に穿設してもよい。この表示体3は、フィルム13、表示部11及び接着剤層17の積層体からなるものである。図18(a)及び図19(a)において、表示体3の外形に沿うラインは、図17(a)の切込み20aを示すラインとは異なり、表示体3の突出状態を示すラインである。
【0046】
その後、図19(a),(b)に示すように、真空引き細孔7が穿設された基材1を真空成形型27にセットしてその上に予め加熱されて軟化した表皮材5をセットする。基材1の真空引き細孔7は、真空成形型27の表面に形成された溝30及び真空成形型27の連通孔29によって真空室に31に連通している。なお、上記溝30は、互いに連通するように多数形成されている。また、表皮材5の裏面にはには予め接着剤(図示せず)が塗布されているが、これに限らず、基材1表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この状態で、上記表皮材5と基材1との間を真空成形により負圧にして表皮材5を真空引き(吸引)する。また、表皮材5は、透明、半透明、不透明、あるいは表面に装飾が表示されたシートのいずれであってもよい。
【0047】
これにより、表皮材5が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所で、表皮材5と基材1との間のエアを真空引き細孔7から速やかに吸引して排出し、上記表皮材5と基材1との間を負圧にして表皮材5を基材1表面に浮き上がることなく密着させることができ、輪郭が鮮明で見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。また、真空引き細孔7を基材1に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストを低減することができる。さらに、実施の形態1で用いた離型紙15及び転写紙23が不要であり、また転写作業もいらないので、装飾プレートAを安価にかつ短時間に成形することができる。
【0048】
最後に、成形された装飾プレートAを脱型して表皮材5の基材1からはみ出している部分をトリミングして完成品とする(図13及び図14参照)。
【0049】
(実施の形態3)
図20及び図21はこの発明の実施の形態3に係る真空成形体としての装飾プレートAを示すが、別にこれに限定するものではない。この装飾プレートAは、例えば射出成形された矩形の樹脂製基材1を備え、該基材1表面には表示体3が突設されている。本例では、表示体3として「Kasei」という英文字を採用したが、これに限らず、平仮名、カタカナ、数字、記号、絵柄及びロゴマーク等であってもよい。上記基材1表面には樹脂製表皮材5が真空引きにより吸引されて密着して上記表示体3を覆い、装飾プレートA表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成されている。上記表示体3は基材1表面に接着剤層を介して一体に接着されているが、ここでは接着剤層は現さず、後述する成形方法のところで現す。表皮材5は裏面全体に接着剤(図示せず)が塗布されて基材1と一体に接合されている。
【0050】
上記基材1の表示体3近傍、具体的には、平面視において基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所には、真空成形時に、上記表皮材5と基材1との間を真空引きにより負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる真空引き細孔7が上記基材1を貫通して複数穿設されている。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。
【0051】
このように構成された装飾プレートAは、一例として図3及び図4に示すように、自動車のインストルメントパネルBを構成するロアパネルb1に設けられたグローブボックスb2と、その上側に車室側に開放して設けられた物品収納部b3との間のパネル部b4に嵌合されて取り付けられるようになっているが、これに限定されるものではない。
【0052】
この実施の形態3の特徴は、以下に詳述する上記装飾プレートの成形方法である。この成形方法について図22〜25を参照しつつ説明する。
【0053】
まず、図22(a),(b)に示すように、実施の形態2と異なり、後に表示体3となる表示部(「Kasei」という英文字)11を有しない、つまり何も印刷されていない透明の樹脂製フィルム13と基材1とを用意する。上記フィルム13の裏面には接着剤層17が形成されている。
【0054】
次いで、図23(a),(b)に示すように、フィルム13を接着剤層17が基材1側に向くようにして基材1に貼り合わせる。
【0055】
その後、図24(a)に示すように、加工具としてのレーザ照射装置の照射ヘッド19を制御装置33でコンピュータ制御することにより、照射ヘッド19からレーザビーム19aを上記フィルム13に照射し、該フィルム13に浮出し表示部4の外形に対応して切込み20aを入れる。この段階ではレーザビーム19aは基材1に対して切り込まない。また、これと併行してフィルム13及び平面視において基材1の切込み20a近傍である切込み20aのコーナー部に対応する箇所に、レーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを照射し、当該箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7を穿設する(孔径0.3〜0.5mm)。
【0056】
しかる後、図24(b)に示すように、切込み20aの内側部分を残してフィルム13を基材1から取り除いて基材1表面に表示体3を突設する。この表示体3は、フィルム13及び接着剤層17の積層体からなるものである。なお、基材1の表示体3のコーナー部に対応する箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7は、上記のように切込み20aの加工と併行して行うことなく、切込み20aのみを加工し、表示体3を基材1表面に残してフィルム13を取り除いた後に穿設してもよい。
【0057】
その後、図25(a),(b)に示すように、真空引き細孔7が穿設された基材1を真空成形型27にセットしてその上に予め加熱されて軟化した表皮材5をセットする。基材1の真空引き細孔7は、真空成形型27の表面に形成された溝30及び真空成形型27の連通孔29によって真空室に31に連通している。なお、上記溝30は、互いに連通するように多数形成されている。また、表皮材5の裏面にはには予め接着剤(図示せず)が塗布されているが、これに限らず、基材1表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この状態で、上記表皮材5と基材1との間を真空成形により負圧にして表皮材5を真空引き(吸引)する。また、表皮材5は、透明、半透明、不透明、あるいは表面に装飾が表示されたシートのいずれであってもよい。
【0058】
これにより、表皮材5が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所で、表皮材5と基材1との間のエアを真空引き細孔7から速やかに吸引して排出し、上記表皮材5と基材1との間を負圧にして表皮材5を基材1表面に浮き上がることなく密着させることができ、輪郭が鮮明で見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。また、真空引き細孔7を基材1に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストを低減することができる。さらに、実施の形態1で用いた離型紙15及び転写紙23が不要であり、また転写作業もいらないので、装飾プレートAを安価にかつ短時間に成形することができる。また、表示体3及び真空引き細孔7をコンピュータ制御により加工具(レーザビーム)でもって形成するようにしたので、装飾プレートAをさらに安価にかつ短時間に成形することができる。
【0059】
最後に、成形された装飾プレートAを脱型して表皮材5の基材1からはみ出している部分をトリミングして完成品とする(図20及び図21参照)。
【0060】
(変形例1)
図26は装飾プレートAの変形例1を示し、この変形例1は、真空引き細孔7が表示体3の両端である「K」端部と「i」端部とにそれぞれ穿設されていることと、各英語文字が連結部35で連結されていることとが各実施形態と異なるほかは、各実施形態と同様に構成されているので、同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0061】
したがって、この変形例1では、各実施形態と同様の作用効果を奏することができるものである。加えて、この変形例1では、真空引き細孔7(孔径0.3〜0.5mm)を基材1の2箇所に穿設しているが、真空引き細孔7が1箇所であっても、各文字が連結部35で1つに連結されていることで、各実施形態と同様の目的を達成することができる。すなわち、この変形例1では、基材1に穿設する真空引き細孔7の穿設個数を少なくすることができる。
【0062】
(変形例2)
図27は装飾プレートAの変形例2を示し、この変形例2は、基材1表面に表示体3の外形に沿ってフィルム13の厚みの略2倍幅の周溝37が形成され、該周溝37に真空引き細孔7が連通している点が各実施形態と異なるほかは、各実施形態と同様に構成されているので、同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
したがって、この変形例2では、各実施形態と同様の作用効果を奏することに加えて、真空成形時に、表皮材5を周溝37内に折り返した状態で引き込むので、浮出し表示部4の輪郭をより鮮明にすることができ、さらに見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、真空成形時に、表皮材と基材との間を真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる真空引き細孔を基材の表示体近傍に該基材を貫通して穿設したので、基材の表示体近傍からエアを速やかに排出して表皮材を基材表面に密着させ、輪郭の鮮明な浮出し表示部として見栄えを向上させることができる。また、真空引き細孔を基材に穿設するだけで余分な材料を用いなくて済むので、真空成形体を安価に成形することができる。
【0065】
請求項2に係る発明によれば、表皮材が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所であり、平面視において基材における表示体のコーナー部に対応する箇所又は表示体で囲まれる箇所に真空引き細孔を穿設したので、当該箇所にエア溜まりの発生をなくすことができる。
【0066】
請求項3に係る発明によれば、基材表面に表示体の外形に沿って周溝を形成するとともに、該周溝に真空引き細孔を連通させたので、真空成形時に、表皮材を周溝内に導くようにして輪郭がより鮮明な浮出し表示部を形成することができる。
【0067】
請求項4に係る発明によれば、基材に真空引き細孔を穿設するだけで、浮出し表示部の輪郭が鮮明で見栄えの向上した真空成形体を簡単に成形することができる。
【0068】
請求項5に係る発明によれば、表示体を離型紙から一旦転写紙に転写した後、転写紙から基材表面に転写することで基材表面に容易に突設することができる。
【0069】
請求項6に係る発明によれば、基材に貼り合わされたフィルムの表示部をその外形に沿って切り込んだ後、該表示部を残してフィルムを基材から取り除くことで表示体を基材表面に突設することができる。これにより、離型紙及び転写紙を用いることなく真空成形体を安価にかつ短時間に成形することができる。
【0070】
請求項7に係る発明によれば、表示部を有しないフィルムをコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切り込んだ後、切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除くことで表示体を基材表面に突設することができる。これにより、フィルムに表示部を形成する必要がなく、真空成形体をさらに安価にかつ短時間に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る装飾プレートの斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】装飾プレートが助手席側のロアパネルに取り付けられたインストルメントパネルの斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部が形成されたフィルムを離型紙に積層した積層シートの斜視図、(b)は(a)のVb−Vb線における断面図である。
【図6】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は積層シートのフィルムに表示部の外形に沿って切込みを入れる工程と、積層シートを個々のカードに切断する工程とを示す斜視図、(b)は(a)のVIb−VIb線における断面図である。
【図7】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を残してフィルムを取り除いた状態のカードの斜視図、(b)は(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。
【図8】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を残してフィルムを取り除いたカードに転写紙を積層した状態を示す斜視図、(b)は(a)のVIIIb−VIIIb線における断面図である。
【図9】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体を離型紙から転写紙に転写した状態を示す斜視図、(b)は(a)のIXb−IXb線における断面図である。
【図10】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は転写紙に転写された表示体を基材に貼り合わせた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXb−Xb線における断面図である。
【図11】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体が転写された基材に真空引き細孔を穿設する工程を示す斜視図、(b)は(a)のXIb−XIb線における断面図である。
【図12】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットした状態を示す斜視図、(b)はさらにその上に表皮材をセットして真空引きした状態を示す断面図である。
【図13】実施の形態2に係る装飾プレートの斜視図である。
【図14】図13のXIV−XIV線における断面図である。
【図15】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部が形成されたフィルムを基材に貼り合わせる前の状態を示す斜視図、(b)は(a)のXVb−XVb線における断面図である。
【図16】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部が形成されたフィルムを基材に貼り合わせた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXVIb−XVIb線における断面図である。
【図17】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は基材上のフィルムに表示部の外形に沿って切込みを入れる工程と、フィルム及び基材に真空引き細孔を穿設する工程とを示す斜視図、(b)は(a)のXVIIb−XVIIb線における断面図である。
【図18】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を残してフィルムを基材から取り除いた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXVIIIb−XVIIIb線における断面図である。
【図19】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体が突設され真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットした状態を示す斜視図、(b)はさらにその上に表皮材をセットして真空引きした状態を示す断面図である。
【図20】実施の形態3に係る装飾プレートの斜視図である。
【図21】図20のXXI−XXI線における断面図である。
【図22】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を有しないフィルムを基材に貼り合わせる前の状態を示す斜視図、(b)は(a)のXXIIb−XXIIb線における断面図である。
【図23】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を有しないフィルムを基材に貼り合わせた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXXIIIb−XXIIIb線における断面図である。
【図24】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は基材上のフィルムにコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切込みを入れる工程と、フィルム及び基材に真空引き細孔を穿設する工程とを示す斜視図、(b)は浮出し表示部の外形に対応した切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除いた状態の断面図である。
【図25】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体が突設され真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットした状態を示す斜視図、(b)はさらにその上に表皮材をセットして真空引きした状態を示す断面図である。
【図26】装飾プレートの変形例1を示す斜視図である。
【図27】装飾プレートの変形例2を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 基材
3 表示体
4 浮出し表示部
5 表皮材
7 真空引き細孔
11 表示部
13 フィルム
15 離型紙
20a,20b 切込み
23 転写紙
27 真空成形型
37 周溝
A 装飾プレート(真空成形体)
【発明の属する技術分野】
この発明は、浮出し表示部を有する真空成形体及びその成形方法の改良に関し、特にエア抜き対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実開平6−23073号公報には、基材表面に英文字からなる表示体を接着して突設し、その上からオーバーレイフィルムを真空引きにより密着させて上記表示体をオーバーレイフィルムで覆うことにより、表面に表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された真空成形体を得る技術が開示されている。
【0003】
この従来例では、真空成形時、表示体の外周りにエア溜まりができると、オーバーレイフィルムが表示体と基材との境目に完全に密着せずに浮き上がった状態となり、浮出し表示部の輪郭が不鮮明になることから、基材表面に横方向に通気性を有する多孔質フィルムを接着し、この多孔質フィルム上に表示体を接着することにより、真空成形時に、表示体の外周りに閉じ込められようとするエアを上記多孔質フィルムの通気孔を経てフィルム側方端部から外部に排出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来例では、エアが閉じ込められようとする箇所である表示体外周りと、エアを排出する箇所である多孔質フィルム側方端部とが距離を隔てているため、エアを完全に外部に排出し辛く、エア溜まりが発生するおそれがある。特に、基材における表示体のコーナー部に対応する箇所や表示体で囲まれる箇所では、オーバーレイフィルムが密着し難くエア溜まりが発生し易い。また、多孔質フィルムを基材表面に接着していることから、多孔質フィルムの通気孔が接着剤で塞がれて通気性が阻害されると、エアを完全に排出することができなくなる。このような事態になると、表示体の外周りにエア溜まりが発生してオーバーレイフィルムが浮き上がった状態となり、浮出し表示部の輪郭が不鮮明になって見栄えが悪くなる。さらに、多孔質フィルムが必要でありその分だけ経費が嵩み、コストアップを招来する。
【0005】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来例のようなエア排出用の多孔質フィルムを用いることなく表示体の外周りからエアを排出することにより、浮出し表示部の輪郭を鮮明にして見栄えを向上させるとともに、コストを低減することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、エア溜まりが発生し易い基材の表示体近傍からエアを積極的に排出するようにしたことを特徴とする。
【0007】
具体的には、この発明は、表面に表示体が突設された基材と、該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体及びその成形方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、請求項1〜3に記載の発明は、前者の真空成形体に関するものであり、そのうち、請求項1に記載の発明は、上記基材の表示体近傍には、真空成形時に、上記表皮材と基材との間を真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる真空引き細孔が上記基材を貫通して穿設されていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、真空成形時に、表皮材と基材との間のエアが、基材の表示体近傍に穿設された真空引き細孔から真空引きにより吸引されて外部に直接排出され、上記表皮材と基材との間が負圧になって表皮材が基材表面に密着する。
【0010】
これにより、基材の表示体近傍からエアが速やかに排出され、表皮材が基材表面に浮き上がることなく密着し、浮出し表示部の輪郭が鮮明になって見栄えが良くなる。また、真空引き細孔を基材に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストが低減する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、真空引き細孔は、平面視において基材における表示体のコーナー部に対応する箇所又は表示体で囲まれる箇所に穿設されていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、表皮材が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である表示体のコーナー部に対応する箇所や、表示体で囲まれる箇所からエアが確実に排出されるため、当該箇所にエア溜まりが発生しない。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、基材表面には、表示体の外形に沿って周溝が形成され、該周溝に真空引き細孔が連通していることを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、真空成形時に、表皮材が周溝内に吸引されようとするため、浮出し表示部の輪郭がより鮮明になる。
【0015】
請求項4〜7に記載の発明は、後者の成形方法に関するものであり、そのうち、請求項4に記載の発明は、上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、次いで、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする。
【0016】
上記の構成により、請求項4に記載の発明では、基材の表示体近傍に真空引き細孔を穿設するだけで、浮出し表示部の輪郭が鮮明で見栄えの向上した真空成形体が簡単に得られる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、表示体を有する離型紙から上記表示体を転写紙に転写し、次いで、上記表示体を転写紙から基材表面に転写し、その後、上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、しかる後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする。
【0018】
上記の構成により、請求項5に記載の発明では、表示体を基材表面に突設する一実施形態が具体化される。つまり、表示体は離型紙から一旦転写紙に転写された後、転写紙から基材表面に転写される。これにより、表示体が基材表面に容易に突設される。
【0019】
請求項6に記載の発明は、表示部を有するフィルムを基材表面に貼り合わせ、次いで、上記基材上のフィルムに上記表示部の外形に沿って切込みを入れた後、該表示部を残してフィルムを基材から取り除いて基材表面に表示体を突設し、上記フィルムを基材から取り除く前に該フィルム及び基材の表示部近傍に基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、もしくは上記フィルムを基材から取り除いた後に上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、その後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする。
【0020】
上記の構成により、請求項6に記載の発明では、表示体を基材表面に突設する別の実施形態が具体化される。つまり、表示体は、基材に貼り合わされたフィルムの表示部がその外形に沿って切り込まれた後、該表示部を残してフィルムが基材から取り除かれることで基材表面に突設される。したがって、請求項5の如き離型紙及び転写紙がいらず、また転写作業もいらず、真空成形体が安価にかつ短時間に成形される。
【0021】
請求項7に記載の発明は、表示部を有しないフィルムを基材に貼り合わせ、次いで、上記基材上のフィルムにコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切込みを入れた後、切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除いて基材表面に表示体を突設し、上記フィルムを基材から取り除く前に該フィルム及び基材の切込み近傍に基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、もしくは上記フィルムを基材から取り除いた後に上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、その後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる。
【0022】
上記の構成により、請求項7に記載の発明では、表示体を基材表面に突設するさらなる別の実施形態が具体化される。つまり、表示体は、表示部を有しないフィルムがコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切り込まれた後、切込みの内側部分を残してフィルムが基材から取り除かれることで基材表面に突設される。したがって、請求項6の如きフィルムに表示部を形成する手間がいらず、真空成形体がさらに安価にかつ短時間に成形される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1及び図2はこの発明の実施の形態1に係る真空成形体としての装飾プレートAを示すが、別にこれに限定するものではない。この装飾プレートAは、例えば射出成形された矩形の樹脂製基材1を備え、該基材1表面には表示体3が突設されている。本例では、表示体3として「Kasei」という英文字を採用したが、これに限らず、平仮名、カタカナ、数字、記号、絵柄及びロゴマーク等であってもよい。上記基材1表面には樹脂製表皮材5が真空引きにより吸引されて密着して上記表示体3を覆い、装飾プレートA表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成されている。上記表示体3は基材1表面に接着剤層を介して一体に接着されているが、ここでは接着剤層は現さず、後述する成形方法のところで現す。表皮材5は裏面全体に接着剤(図示せず)が塗布されて基材1と一体に接合されている。
【0025】
この実施の形態1の特徴として、上記基材1の表示体3近傍、具体的には、平面視において基材1における表示体3で囲まれる箇所(「a」の中央部と「e」の上半部分)には、真空成形時に、上記表皮材5と基材1との間を真空引きにより負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる真空引き細孔7が上記基材1を貫通して穿設されている。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。
【0026】
このように構成された装飾プレートAは、一例として図3及び図4に示すように、自動車のインストルメントパネルBを構成するロアパネルb1に設けられたグローブボックスb2と、その上側に車室側に開放して設けられた物品収納部b3との間のパネル部b4に嵌合されて取り付けられるようになっているが、これに限定されるものではない。
【0027】
次に、上記装飾プレートAの成形方法について図5〜12を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、図5(a),(b)に示すような積層シート9を用意する。この積層シート9は、後に表示体3となる表示部(「Kasei」という英文字)11がバックプリントされた透明の樹脂製フィルム13を離型紙15に接着剤層17を介して積層してなるものである。なお、表示部11はフィルム13の表面側に形成してもよく、また、フィルム13は不透明あるいは半透明であってもよい。
【0029】
次いで、図6(a),(b)に示すように、加工具としてのレーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを上記積層シート9に照射し、該積層シート9のフィルム13に各表示部11の外形に沿って切込み20aを入れる。この段階ではレーザビーム19aは離型紙15に対して切り込まない。また、レーザビーム19aを隣り合う表示部11である「Kasei」と「Kasei」との間に照射して離型紙15にまで達するように切込み20bを入れ、積層シート9を個々の矩形カード21に切断する。なお、加工具としてレーザ照射装置を用いずにカッタを採用してカッターで切込みを入れてもよい。
【0030】
その後、図7(a),(b)に示すように、個々のカード21から表示部11を残してフィルム13を取り除き、離型紙15に表示体3が突設された状態とする。この表示体3はフィルム13、表示部11及び接着剤層17の積層体からなるものである。
【0031】
しかる後、図8(a),(b)に示すように、離型紙15に表示体3が突設された状態のカード21の表示体3側に転写紙(透明の樹脂製シートからなるもの)23を積層する。この転写紙23には接着剤層25が形成されており、この接着剤層25を表示体3に接触させる。この接着剤層25はフィルム13裏面の接着剤層17よりも接着力が弱く設定されている。なお、図8(a)では、転写紙23が透明であるため、カード21は転写紙23の下側にあるが、便宜上実線で現している。
【0032】
次に、図9(a),(b)に示すように、離型紙15を表示体3から剥ぎ取り、表示体3を離型紙15から転写紙23に転写する。
【0033】
さらに、図10(a),(b)に示すように、転写紙23に転写された表示体3を該表示体3の接着剤層17により基材1表面に貼り合わせる。図10(a)においても、転写紙23が透明であるため、基材1は転写紙23の下側にあるが、便宜上実線で現している。
【0034】
その後、図11(a),(b)に示すように、転写紙23を表示体3から剥ぎ取って表示体3を転写紙23から基材1表面に転写し、その後、基材1の表示体3近傍である表示体3で囲まれる箇所(「a」の中央部と「e」の上半部分)に、レーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを照射し、当該箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7を穿設する。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。なお、レーザ照射装置を用いず、ドリルで真空引き細孔7を穿設してもよい。このように、表示体3を離型紙15から一旦転写紙23に転写した後、転写紙23から基材1表面に転写するので、表示体3を基材1表面に容易に突設することができる。
【0035】
その後、図12(a),(b)に示すように、真空引き細孔7が穿設された基材1を真空成形型27にセットしてその上に予め加熱されて軟化した表皮材5をセットする。基材1の真空引き細孔7は、真空成形型27の表面に形成された溝30及び真空成形型27の連通孔29によって真空室に31に連通している。なお、上記溝30は、互いに連通するように多数形成されている。また、表皮材5の裏面にはには予め接着剤(図示せず)が塗布されているが、これに限らず、基材1表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この状態で、上記表皮材5と基材1との間を真空成形により負圧にして表皮材5を真空引き(吸引)する。また、表皮材5は、透明、半透明、不透明、あるいは表面に装飾が表示されたシートのいずれであってもよい。
【0036】
これにより、表皮材5が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である基材1の表示体3で囲まれる箇所(「a」の中央部と「e」の上半部分)で、表皮材5と基材1との間のエアを真空引き細孔7から速やかに吸引して排出し、上記表皮材5と基材1との間を負圧にして表皮材5を基材1表面に浮き上がることなく密着させることができ、輪郭が鮮明で見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。また、真空引き細孔7を基材1に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストを低減することができる。
【0037】
最後に、成形された装飾プレートAを脱型して表皮材5の基材1からはみ出している部分をトリミングして完成品とする(図1及び図2参照)。
【0038】
(実施の形態2)
図13及び図14はこの発明の実施の形態2に係る真空成形体としての装飾プレートAを示すが、別にこれに限定するものではない。この装飾プレートAは、例えば射出成形された矩形の樹脂製基材1を備え、該基材1表面には表示体3が突設されている。本例では、表示体3として「Kasei」という英文字を採用したが、これに限らず、平仮名、カタカナ、数字、記号、絵柄及びロゴマーク等であってもよい。上記基材1表面には樹脂製表皮材5が真空引きにより吸引されて密着して上記表示体3を覆い、装飾プレートA表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成されている。上記表示体3は基材1表面に接着剤層を介して一体に接着されているが、ここでは接着剤層は現さず、後述する成形方法のところで現す。表皮材5は裏面全体に接着剤(図示せず)が塗布されて基材1と一体に接合されている。
【0039】
この実施の形態2の特徴として、上記基材1の表示体3近傍、具体的には、平面視において基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所には、真空成形時に、上記表皮材5と基材1との間を真空引きにより負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる真空引き細孔7が上記基材1を貫通して複数穿設されている。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。
【0040】
このように構成された装飾プレートAは、一例として図3及び図4に示すように、自動車のインストルメントパネルBを構成するロアパネルb1に設けられたグローブボックスb2と、その上側に車室側に開放して設けられた物品収納部b3との間のパネル部b4に嵌合されて取り付けられるようになっているが、これに限定されるものではない。
【0041】
次に、上記装飾プレートAの成形方法について図15〜19を参照しつつ説明する。
【0042】
まず、図15(a),(b)に示すように、後に表示体3となる表示部(「Kasei」という英文字)11がバックプリントされた透明の樹脂製フィルム13と基材1とを用意する。上記フィルム13の裏面には接着剤層17が形成されている。なお、表示部11はフィルム13の表面側に形成してもよく、また、フィルム13は不透明あるいは半透明であってもよい。
【0043】
次いで、図16(a),(b)に示すように、表示部11を有するフィルム13を表示部11が基材1側に向くようにして接着剤層17により基材1表面に貼り合わせる。なお、図16(a)では、フィルム13が透明であるため、基材1はフィルム13の下側にあるが、便宜上実線で現している。図17(a)も同様である。
【0044】
その後、図17(a),(b)に示すように、加工具としてのレーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを上記フィルム13に照射し、該フィルム13に表示部11の外形に沿って切込み20aを入れる。この段階ではレーザビーム19aは基材1に対して切り込まない。また、これと併行して平面視においてフィルム13及び基材1の表示部11近傍である表示部11のコーナー部に対応する箇所に、レーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを照射し、当該箇所に真空引き細孔7(孔径0.3〜0.5mm)を穿設する。なお、加工具としてレーザ照射装置を用いずにカッタを採用してカッターで切込みを入れてもよい。また、ドリルで真空引き細孔7を穿設してもよい。
【0045】
しかる後、図18(a),(b)に示すように、表示部11を残してフィルム13を基材1から取り除いて基材1表面に表示体3を突設する。なお、基材1の表示体3のコーナー部に対応する箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7は、上記のように切込み20aの加工と併行して行うことなく、切込み20aのみを加工し、表示体3を基材1表面に残してフィルム13を取り除いた後に穿設してもよい。この表示体3は、フィルム13、表示部11及び接着剤層17の積層体からなるものである。図18(a)及び図19(a)において、表示体3の外形に沿うラインは、図17(a)の切込み20aを示すラインとは異なり、表示体3の突出状態を示すラインである。
【0046】
その後、図19(a),(b)に示すように、真空引き細孔7が穿設された基材1を真空成形型27にセットしてその上に予め加熱されて軟化した表皮材5をセットする。基材1の真空引き細孔7は、真空成形型27の表面に形成された溝30及び真空成形型27の連通孔29によって真空室に31に連通している。なお、上記溝30は、互いに連通するように多数形成されている。また、表皮材5の裏面にはには予め接着剤(図示せず)が塗布されているが、これに限らず、基材1表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この状態で、上記表皮材5と基材1との間を真空成形により負圧にして表皮材5を真空引き(吸引)する。また、表皮材5は、透明、半透明、不透明、あるいは表面に装飾が表示されたシートのいずれであってもよい。
【0047】
これにより、表皮材5が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所で、表皮材5と基材1との間のエアを真空引き細孔7から速やかに吸引して排出し、上記表皮材5と基材1との間を負圧にして表皮材5を基材1表面に浮き上がることなく密着させることができ、輪郭が鮮明で見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。また、真空引き細孔7を基材1に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストを低減することができる。さらに、実施の形態1で用いた離型紙15及び転写紙23が不要であり、また転写作業もいらないので、装飾プレートAを安価にかつ短時間に成形することができる。
【0048】
最後に、成形された装飾プレートAを脱型して表皮材5の基材1からはみ出している部分をトリミングして完成品とする(図13及び図14参照)。
【0049】
(実施の形態3)
図20及び図21はこの発明の実施の形態3に係る真空成形体としての装飾プレートAを示すが、別にこれに限定するものではない。この装飾プレートAは、例えば射出成形された矩形の樹脂製基材1を備え、該基材1表面には表示体3が突設されている。本例では、表示体3として「Kasei」という英文字を採用したが、これに限らず、平仮名、カタカナ、数字、記号、絵柄及びロゴマーク等であってもよい。上記基材1表面には樹脂製表皮材5が真空引きにより吸引されて密着して上記表示体3を覆い、装飾プレートA表面に表示体3の形状に対応する浮出し表示部4が形成されている。上記表示体3は基材1表面に接着剤層を介して一体に接着されているが、ここでは接着剤層は現さず、後述する成形方法のところで現す。表皮材5は裏面全体に接着剤(図示せず)が塗布されて基材1と一体に接合されている。
【0050】
上記基材1の表示体3近傍、具体的には、平面視において基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所には、真空成形時に、上記表皮材5と基材1との間を真空引きにより負圧にして表皮材5を基材1表面に密着させる真空引き細孔7が上記基材1を貫通して複数穿設されている。この真空引き細孔7の大きさは、直径0.3〜0.5mmに形成することが好ましい。
【0051】
このように構成された装飾プレートAは、一例として図3及び図4に示すように、自動車のインストルメントパネルBを構成するロアパネルb1に設けられたグローブボックスb2と、その上側に車室側に開放して設けられた物品収納部b3との間のパネル部b4に嵌合されて取り付けられるようになっているが、これに限定されるものではない。
【0052】
この実施の形態3の特徴は、以下に詳述する上記装飾プレートの成形方法である。この成形方法について図22〜25を参照しつつ説明する。
【0053】
まず、図22(a),(b)に示すように、実施の形態2と異なり、後に表示体3となる表示部(「Kasei」という英文字)11を有しない、つまり何も印刷されていない透明の樹脂製フィルム13と基材1とを用意する。上記フィルム13の裏面には接着剤層17が形成されている。
【0054】
次いで、図23(a),(b)に示すように、フィルム13を接着剤層17が基材1側に向くようにして基材1に貼り合わせる。
【0055】
その後、図24(a)に示すように、加工具としてのレーザ照射装置の照射ヘッド19を制御装置33でコンピュータ制御することにより、照射ヘッド19からレーザビーム19aを上記フィルム13に照射し、該フィルム13に浮出し表示部4の外形に対応して切込み20aを入れる。この段階ではレーザビーム19aは基材1に対して切り込まない。また、これと併行してフィルム13及び平面視において基材1の切込み20a近傍である切込み20aのコーナー部に対応する箇所に、レーザ照射装置の照射ヘッド19からレーザビーム19aを照射し、当該箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7を穿設する(孔径0.3〜0.5mm)。
【0056】
しかる後、図24(b)に示すように、切込み20aの内側部分を残してフィルム13を基材1から取り除いて基材1表面に表示体3を突設する。この表示体3は、フィルム13及び接着剤層17の積層体からなるものである。なお、基材1の表示体3のコーナー部に対応する箇所に基材1を貫通する真空引き細孔7は、上記のように切込み20aの加工と併行して行うことなく、切込み20aのみを加工し、表示体3を基材1表面に残してフィルム13を取り除いた後に穿設してもよい。
【0057】
その後、図25(a),(b)に示すように、真空引き細孔7が穿設された基材1を真空成形型27にセットしてその上に予め加熱されて軟化した表皮材5をセットする。基材1の真空引き細孔7は、真空成形型27の表面に形成された溝30及び真空成形型27の連通孔29によって真空室に31に連通している。なお、上記溝30は、互いに連通するように多数形成されている。また、表皮材5の裏面にはには予め接着剤(図示せず)が塗布されているが、これに限らず、基材1表面に接着剤を塗布するようにしてもよい。この状態で、上記表皮材5と基材1との間を真空成形により負圧にして表皮材5を真空引き(吸引)する。また、表皮材5は、透明、半透明、不透明、あるいは表面に装飾が表示されたシートのいずれであってもよい。
【0058】
これにより、表皮材5が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所である基材1における表示体3のコーナー部に対応する箇所で、表皮材5と基材1との間のエアを真空引き細孔7から速やかに吸引して排出し、上記表皮材5と基材1との間を負圧にして表皮材5を基材1表面に浮き上がることなく密着させることができ、輪郭が鮮明で見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。また、真空引き細孔7を基材1に穿設するだけで余分な材料がいらず、コストを低減することができる。さらに、実施の形態1で用いた離型紙15及び転写紙23が不要であり、また転写作業もいらないので、装飾プレートAを安価にかつ短時間に成形することができる。また、表示体3及び真空引き細孔7をコンピュータ制御により加工具(レーザビーム)でもって形成するようにしたので、装飾プレートAをさらに安価にかつ短時間に成形することができる。
【0059】
最後に、成形された装飾プレートAを脱型して表皮材5の基材1からはみ出している部分をトリミングして完成品とする(図20及び図21参照)。
【0060】
(変形例1)
図26は装飾プレートAの変形例1を示し、この変形例1は、真空引き細孔7が表示体3の両端である「K」端部と「i」端部とにそれぞれ穿設されていることと、各英語文字が連結部35で連結されていることとが各実施形態と異なるほかは、各実施形態と同様に構成されているので、同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0061】
したがって、この変形例1では、各実施形態と同様の作用効果を奏することができるものである。加えて、この変形例1では、真空引き細孔7(孔径0.3〜0.5mm)を基材1の2箇所に穿設しているが、真空引き細孔7が1箇所であっても、各文字が連結部35で1つに連結されていることで、各実施形態と同様の目的を達成することができる。すなわち、この変形例1では、基材1に穿設する真空引き細孔7の穿設個数を少なくすることができる。
【0062】
(変形例2)
図27は装飾プレートAの変形例2を示し、この変形例2は、基材1表面に表示体3の外形に沿ってフィルム13の厚みの略2倍幅の周溝37が形成され、該周溝37に真空引き細孔7が連通している点が各実施形態と異なるほかは、各実施形態と同様に構成されているので、同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
したがって、この変形例2では、各実施形態と同様の作用効果を奏することに加えて、真空成形時に、表皮材5を周溝37内に折り返した状態で引き込むので、浮出し表示部4の輪郭をより鮮明にすることができ、さらに見栄えの良い浮出し表示部4を有する装飾プレートAを成形することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、真空成形時に、表皮材と基材との間を真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる真空引き細孔を基材の表示体近傍に該基材を貫通して穿設したので、基材の表示体近傍からエアを速やかに排出して表皮材を基材表面に密着させ、輪郭の鮮明な浮出し表示部として見栄えを向上させることができる。また、真空引き細孔を基材に穿設するだけで余分な材料を用いなくて済むので、真空成形体を安価に成形することができる。
【0065】
請求項2に係る発明によれば、表皮材が密着し難くエア溜まりが発生し易い箇所であり、平面視において基材における表示体のコーナー部に対応する箇所又は表示体で囲まれる箇所に真空引き細孔を穿設したので、当該箇所にエア溜まりの発生をなくすことができる。
【0066】
請求項3に係る発明によれば、基材表面に表示体の外形に沿って周溝を形成するとともに、該周溝に真空引き細孔を連通させたので、真空成形時に、表皮材を周溝内に導くようにして輪郭がより鮮明な浮出し表示部を形成することができる。
【0067】
請求項4に係る発明によれば、基材に真空引き細孔を穿設するだけで、浮出し表示部の輪郭が鮮明で見栄えの向上した真空成形体を簡単に成形することができる。
【0068】
請求項5に係る発明によれば、表示体を離型紙から一旦転写紙に転写した後、転写紙から基材表面に転写することで基材表面に容易に突設することができる。
【0069】
請求項6に係る発明によれば、基材に貼り合わされたフィルムの表示部をその外形に沿って切り込んだ後、該表示部を残してフィルムを基材から取り除くことで表示体を基材表面に突設することができる。これにより、離型紙及び転写紙を用いることなく真空成形体を安価にかつ短時間に成形することができる。
【0070】
請求項7に係る発明によれば、表示部を有しないフィルムをコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切り込んだ後、切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除くことで表示体を基材表面に突設することができる。これにより、フィルムに表示部を形成する必要がなく、真空成形体をさらに安価にかつ短時間に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る装飾プレートの斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】装飾プレートが助手席側のロアパネルに取り付けられたインストルメントパネルの斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部が形成されたフィルムを離型紙に積層した積層シートの斜視図、(b)は(a)のVb−Vb線における断面図である。
【図6】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は積層シートのフィルムに表示部の外形に沿って切込みを入れる工程と、積層シートを個々のカードに切断する工程とを示す斜視図、(b)は(a)のVIb−VIb線における断面図である。
【図7】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を残してフィルムを取り除いた状態のカードの斜視図、(b)は(a)のVIIb−VIIb線における断面図である。
【図8】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を残してフィルムを取り除いたカードに転写紙を積層した状態を示す斜視図、(b)は(a)のVIIIb−VIIIb線における断面図である。
【図9】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体を離型紙から転写紙に転写した状態を示す斜視図、(b)は(a)のIXb−IXb線における断面図である。
【図10】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は転写紙に転写された表示体を基材に貼り合わせた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXb−Xb線における断面図である。
【図11】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体が転写された基材に真空引き細孔を穿設する工程を示す斜視図、(b)は(a)のXIb−XIb線における断面図である。
【図12】実施の形態1に係る成形方法の工程図を示し、(a)は真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットした状態を示す斜視図、(b)はさらにその上に表皮材をセットして真空引きした状態を示す断面図である。
【図13】実施の形態2に係る装飾プレートの斜視図である。
【図14】図13のXIV−XIV線における断面図である。
【図15】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部が形成されたフィルムを基材に貼り合わせる前の状態を示す斜視図、(b)は(a)のXVb−XVb線における断面図である。
【図16】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部が形成されたフィルムを基材に貼り合わせた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXVIb−XVIb線における断面図である。
【図17】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は基材上のフィルムに表示部の外形に沿って切込みを入れる工程と、フィルム及び基材に真空引き細孔を穿設する工程とを示す斜視図、(b)は(a)のXVIIb−XVIIb線における断面図である。
【図18】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を残してフィルムを基材から取り除いた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXVIIIb−XVIIIb線における断面図である。
【図19】実施の形態2に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体が突設され真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットした状態を示す斜視図、(b)はさらにその上に表皮材をセットして真空引きした状態を示す断面図である。
【図20】実施の形態3に係る装飾プレートの斜視図である。
【図21】図20のXXI−XXI線における断面図である。
【図22】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を有しないフィルムを基材に貼り合わせる前の状態を示す斜視図、(b)は(a)のXXIIb−XXIIb線における断面図である。
【図23】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示部を有しないフィルムを基材に貼り合わせた状態を示す斜視図、(b)は(a)のXXIIIb−XXIIIb線における断面図である。
【図24】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は基材上のフィルムにコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切込みを入れる工程と、フィルム及び基材に真空引き細孔を穿設する工程とを示す斜視図、(b)は浮出し表示部の外形に対応した切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除いた状態の断面図である。
【図25】実施の形態3に係る成形方法の工程図を示し、(a)は表示体が突設され真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットした状態を示す斜視図、(b)はさらにその上に表皮材をセットして真空引きした状態を示す断面図である。
【図26】装飾プレートの変形例1を示す斜視図である。
【図27】装飾プレートの変形例2を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 基材
3 表示体
4 浮出し表示部
5 表皮材
7 真空引き細孔
11 表示部
13 フィルム
15 離型紙
20a,20b 切込み
23 転写紙
27 真空成形型
37 周溝
A 装飾プレート(真空成形体)
Claims (7)
- 表面に表示体が突設された基材と、
該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、
表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体であって、
上記基材の表示体近傍には、真空成形時に、上記表皮材と基材との間を真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させる真空引き細孔が上記基材を貫通して穿設されていることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体。 - 請求項1記載の浮出し表示部を有する真空成形体において、真空引き細孔は、平面視において基材における表示体のコーナー部に対応する箇所又は表示体で囲まれる箇所に穿設されていることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体。
- 請求項1記載の浮出し表示部を有する真空成形体において、
基材表面には、表示体の外形に沿って周溝が形成され、
該周溝に真空引き細孔が連通していることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体。 - 表面に表示体が突設された基材と、
該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、
表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法であって、
上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、
次いで、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法。 - 表面に表示体が突設された基材と、
該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、
表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法であって、
表示体を有する離型紙から上記表示体を転写紙に転写し、
次いで、上記表示体を転写紙から基材表面に転写し、
その後、上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、
しかる後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法。 - 表面に表示体が突設された基材と、
該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、
表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法であって、
表示部を有するフィルムを基材表面に貼り合わせ、
次いで、上記基材上のフィルムに上記表示部の外形に沿って切込みを入れた後、該表示部を残してフィルムを基材から取り除いて基材表面に表示体を突設し、上記フィルムを基材から取り除く前に該フィルム及び基材の表示部近傍に基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、もしくは上記フィルムを基材から取り除いた後に上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、
その後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法。 - 表面に表示体が突設された基材と、
該基材表面に真空引きにより密着して上記表示体を覆う表皮材とを備え、
表面に上記表示体の形状に対応する浮出し表示部が形成された浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法であって、
表示を有しないフィルムを基材表面に貼り合わせ、
次いで、上記基材上のフィルムにコンピュータ制御により浮出し表示部の外形に対応して切込みを入れた後、切込みの内側部分を残してフィルムを基材から取り除いて基材表面に表示体を突設し、
上記フィルムを基材から取り除く前に該フィルム及び基材の切込み近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、もしくは上記フィルムを基材から取り除いた後に上記基材の表示体近傍に該基材を貫通する真空引き細孔を穿設し、
その後、上記真空引き細孔が穿設された基材を真空成形型にセットしてその上に表皮材をセットし、真空成形により上記表皮材と基材との間を上記真空引き細孔を介して真空引きにより負圧にして表皮材を基材表面に密着させることを特徴とする浮出し表示部を有する真空成形体の成形方法。
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