JP3115562B2 - 金箔を用いた装飾用シ−ル及びその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金装飾を施す個所
に貼付する、本金箔を使用した装飾用シ−ル及びその製
造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】遊園地等に設置されるメリ−ゴ−ラン
ド、電車等の遊戯施設のボディ等には、装飾のために種
々の絵や模様を直接描いたりするが、その作業は手間が
かかる。その煩わしさを回避するために、直接描写の代
わりに別途製作した装飾用シ−ルを貼装することも行わ
れている。この種シ−ルの製造方法としては、例えば特
開平６−１７９２９９号公報に記載のものが知られてい
る。

【０００３】上記公報に記載のシ−ルの製造方法は、
「剥離剤をコ−トした支持フィルム上に金属箔を形成
し、さらに箔表面に熱融着性の接着剤を塗布した箔押し
素材を使用するとともに、剥離性を有する離型シ−トの
上に、所定のパタ−ン形状である接着剤層を印刷して乾
燥し、次に熱圧着機によって箔押し素材を押し付けてパ
タ−ン形状の部分だけ金属箔層を接着剤層上に転移さ
せ、最後に透明又は半透明である剥離可能な保護フィル
ムを設ける。」というものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この従来の方法は、主
としてアルミ箔等の比較的廉価な金属箔を利用し、ホッ
トスタンピング法によって金属箔層を設けたメタリック
シ−トを量産するためのもので、本金箔のように高価な
ものを用いた限定的用途に用いる装飾用シ−ルで、殊に
精細なデザインのシ−ルの製造方法としては不適当であ
る。そこで本発明は、本金箔を用いた装飾用シ−ルで、
精細なデザインのものの製造に好適な金箔を用いた装飾
用シ−ル及びその製造方法を提供することを課題とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、下から順に剥
離シ−ト、粘着層、カッティングプロッタ−によって予
め所定デザインにカッティングされたベ−スフィルム、
接着剤印刷部、金箔、粘着層及びカッティングプロッタ
−によって予め前記ベ−スフィルムと同一デザインにカ
ッティングされたトップフィルムを積層して成る金箔を
用いた装飾用シ−ル、を以て上記課題を解決した。

【０００６】本発明はまた、コンピュ−タ入力したデザ
インに従い、カッティングプロッタ−を用いて剥離シ−
トに担持されたベ−スフィルム及びトップフィルムを同
一にカッティングし、カッティングして残した前記ベ−
スフィルム上にシルクスクリ−ン印刷等の方法で接着剤
を印刷し、前記接着剤印刷部上に金箔を定着し、前記金
箔上に接着層を介して前記カッティングしたトップフィ
ルムを貼り合わせることを特徴とする金箔を用いた装飾
用シ−ルの製造方法、を以て上記課題を解決した。

【０００７】前記カッティングしたトップフィルムに、
単色又は多色で輪郭線、グラフィック等を表現すること
もあり、また、好ましくは、前記ベ−スフィルムとして
金色地のものを用いる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付図面
を参照しつつ説明する。本発明に係る装飾用シ−ルを製
造するに当っては、先ず、コンピュ−タ製版のためのデ
ザイン入力作業を行ない、それに基いて、後述するトッ
プフィルム印刷用の刷版（ポジ）を製作するためのネガ
フィルムを作成する。

【０００９】一方、粘着層を介して剥離シ−トに担持さ
れたベ−スフィルム１とトップフィルム２とを用意し、
カッティングプロッタ−を用いてコンピュ−タに入力し
たデザイン通りに、剥離シ−ト３、４を残してベ−スフ
ィルム１とトップフィルム２のみをカッティングしてデ
ザイン部分を残す作業を行なう（図３（Ａ））。また、
同時に、剥離シ−ト３と剥離シ−ト４に、適宜対応する
トンボマ−クを付す。なお、図３では、説明の便宜上各
層を実際よりも過大な厚さに表現している。

【００１０】本発明に係る方法におけるカッティング作
業は、このようにカッティングプロッタ−によって行わ
れるため、例えば図１に示すような複雑なデザインであ
ってもカッティングが可能となる。なお、少なくともト
ップフィルム２の側の剥離シ−ト４及びトップフィルム
２は、透明又は半透明な透視可能なものとする。

【００１１】次いで、このカッティングされて残ったベ
−スフィルム１上に、通常シルクスクリ−ン印刷によ
り、希釈した金属用接着剤を印刷することによって接着
剤印刷部６を設ける（図３（Ｂ））。そして、この接着
剤印刷部６上に、金箔７を箔押しして定着する（図３
（Ｃ））。金箔７は接着剤印刷部６上にのみ、換言すれ
ば、カッティングした形状通りに定着されることにな
る。なお、金色地のベ−スフィルム１を用いれば、たと
え金箔にピンホ−ルが生じたとしても、地の金色にカム
フラ−ジュされるので、金箔を２度張りする手間が省け
る。

【００１２】カッティングプロッタ−によってベ−スフ
ィルム１と全く同一にカッティングされたトップフィル
ム２上には、必要に応じ、上記刷版を用いてそのカッテ
ィングラインに沿った輪郭線、グラフィック等を、その
透視性を失わない程度に単色又は多色でシルクスクリ−
ン印刷により印刷した印刷部８を設ける（図３
（Ｄ））。このトップフィルム２を剥離シ−ト４を除去
して金箔７上に重ね（図３（Ｅ））、ゴムロ−ラで加圧
する等して金箔７上に貼付して製品となす。図２におい
て、９はベ−スフィルム１と剥離シ−ト３の間の粘着
層、１０はトップフィルム２と剥離シ−ト４の間の粘着
層を示す。

【００１３】なお、印刷部８の形成は、カッティング作
業後に行うことが好ましい。というのは、これをカッテ
ィング作業前に行なう場合には、印刷したインク分の厚
みがカッティングプロッタ−の送りに悪影響を与える虞
があるからである。

【００１４】このようにして製造した装飾用シ−ルは、
剥離シ−ト３を剥離した上で、遊戯施設の乗物のボデ
ィ、その他所望個所に粘着層９を介して貼付する。

【００１５】

【発明の効果】本発明は上述した通りであるので、金箔
を用いた高貴で装飾性に富んだシ−ルを、たとえ精細で
複雑なデザインであっても容易に効率よく製造して供給
し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るシ−ルの形状例を示す図であ
る。

【図２】 本発明に係るシ−ルの断面構造を示す図であ
る。

【図３】 本発明に係るシ−ルの製造工程を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ ベ−スフィルム ２ トップフィルム ３ 剥離シ−ト ４ 剥離シ−ト ６ 接着剤印刷部 ７ 金箔 ８ 印刷部 ９ 粘着層 10 粘着層

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｂ４１Ｍ 3/00 Ｂ４１Ｍ 3/00 Ｚ Ｂ４４Ｃ 3/02 Ｂ４４Ｃ 3/02 Ｚ Ｃ０９Ｊ 7/02 Ｃ０９Ｊ 7/02 Ｚ (56)参考文献 特開 平２−145326（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−305799（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−246196（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−318988（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−72900（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−69132（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−56698（ＪＰ，Ｕ) 登録実用新案3041908（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B44C 1/14 B32B 7/12 B32B 15/08 B32B 27/00 B32B 33/00 B41M 3/00 B44C 3/02 C09J 7/02

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下から順に剥離シ−ト、粘着層、カッテ
   ィングプロッタ−によって予め所定デザインにカッティ
   ングされたベ−スフィルム、接着剤印刷部、金箔、粘着
   層及びカッティングプロッタ−によって予め前記ベ−ス
   フィルムと同一デザインにカッティングされたトップフ
   ィルムを積層して成る金箔を用いた装飾用シ−ル。
2. 【請求項２】 前記トップフィルム上に印刷層を配した
   請求項１に記載の金箔を用いた装飾用シ−ル。
3. 【請求項３】 コンピュ−タ入力したデザインに従い、
   カッティングプロッタ−を用いて剥離シ−トに担持され
   たベ−スフィルム及びトップフィルムを同一にカッティ
   ングし、カッティングして残した前記ベ−スフィルム上
   にシルクスクリ−ン印刷等の方法で接着剤を印刷し、前
   記接着剤印刷部上に金箔を定着し、前記金箔上に接着層
   を介して前記カッティングしたトップフィルムを貼り合
   わせることを特徴とする金箔を用いた装飾用シ−ルの製
   造方法。
4. 【請求項４】 前記カッティングしたトップフィルム
   に、単色又は多色で輪郭線、グラフィック等を表現する
   請求項３に記載の金箔を用いた装飾用シ−ルの製造方
   法。
5. 【請求項５】 前記ベ−スフィルムとして金色地のもの
   を用いた請求項３又は４に記載の金箔を用いた装飾用シ
   −ルの製造方法。