JPS6328669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は建築物の壁面、天井などに使用される
表面に浮出し模様を有する化粧シートに関するも
のである。

従来化粧シートなどの表面に立体模様を表現す
る方法としては型付ロールあるいはプレートを用
いてエンボス加工処理する方法が行なわれてい
た。その方法においては型付ロールあるいはプレ
ート自体が高価であり付帯設備を必要とし作業行
程を複雑にしてしまうため作業性、生産性を低下
し、コストを高くする原因となつていた。またエ
ンボス加工により形成された凹凸は小さく変化に
乏しく、しかも圧設して形成するための基材シー
トを破いたり、凹部が裏面に凸状に現われたりし
てしまい、後に接着剤を用いて壁面、天井面に張
る場合、破けた所から接着剤がしみ出し、表面を
汚染したり凹部がくずれたり、また凸部の接着が
悪かつたりするなどの問題点を有していた。

このようなエンボス加工による立体模様の形成
上の問題点を解決するため、スクリーン印刷方法
を用いた立体模様表現方法が提案されている。

スクリーン印刷方法は印刷インキの転移量を増
すことによつて盛り上がりのある印刷ができ、化
粧材の立体模様の表現方法として用いられてい
た。しかし模様自体その色調を変化に富むものと
することが実際は困難であり、印刷形成される立
体模様は単調なものにならざるをえなかつた。こ
のスクリーン印刷の模様の単調さを克服するた
め、スクリーン印刷による立体模様を形成した
後、該模様と対応する模様を通常の印刷方法（グ
ラビア印刷、オフセツト印刷など）により形成
し、変化のある表面を有する化粧材の製造法が提
案されている。（特公昭50−16684） しかしその製造方法においてもなお下記のよう
な問題点を残している。

立体模様を形成後、通常の印刷方法による模
様形成をするためその印刷時立体模様がつぶさ
れたり、摩耗したりしてしまい立体感が乏しく
なる。

通常の印刷方法自体その被印刷体表面の精度
（平滑性）を必要とするため立体模様の凸部高
さが不均一であり立体模様形成後、その上に印
刷を施すことは実際困難である。

仮に不均一な状態のまま印刷を施し一部に模
様を形成することは可能ではあるが、模様自体
が斑状に見え意匠的効果を逆に低下させてしま
う。

立体模様を形成後その凸部頂を研磨して平滑
面とし印刷することは可能と思われるが、立体
模様が小さくなり意匠的効果を低下する。また
作業性及び工程が複雑になりコストを高くする
とともに作業性、生産性を低下させてしまう。

本発明はこれらの従来方法における問題点を解
決しスクリーン印刷による立体模様を有効に利用
し容易に優美な浮出し模様を表現し得たものであ
る。

本発明の要旨とするところは必要に応じて着色
を施された基材シート１の表面に印刷より柄模様
２を形成し、更にその柄模様２を形成した基材シ
ート１上に透明塗料を用いてスクリーン印刷ある
いはグラビア印刷によつて透明凸部模様６を模様
状に、かつ、少なくとも柄模様２と部分的に重な
り合うように形成する化粧シートに存するもので
ある。

〔実施例の説明〕 第１図は本発明化粧シートａを合板、繊維板
などの基板３上に貼着積層した場合を示してい
る。４は本発明化粧シートを基板３との接着層
である。

１は基材シトであり紙、布、樹脂シート、金
属箔などのシート状物などを基材シート１と
し、任意化粧たとえばグラビヤ、オフセツト、
グラビアオフセツト印刷による柄模様２の形成
あるいはシート１自体を着色またはエンボス加
工による凹凸模様形成などを施されたものであ
る。

基材シート１上には透明塗料を用いてスクリ
ーン印刷あるいはグラビア印刷によつて透明凸
部模様６を模様状にかつ、少なくとも柄模様２
と部分的に重なり合うように形成してある。

また５ａは透明凸部模様６を乾燥後あるいは
未乾燥の状態において表全面に透明あるいは半
透明塗料をロールコーター、フローコーターな
どの塗装々置により表面塗装を施した後乾燥し
て得た透明あるいは半透明な保護層である。

本発明は特願昭54−132420号を分割したもの
であるが、この原出願の発明は、基材シート１
を基板３上に積層貼着した後、透明凸部模様６
を形成したもので、このようにして基材シート
１にしわがよるのを防いだものである。

本発明は原出願の発明の前提である透明凸部
模様６を予め基材シート１上に形成した化粧シ
ートａを対象とする。すなわち、原出願は本発
明において、化粧シートａを直接基板３上に貼
着すると、しわがよるのを改良したのに対し、
本発明は化粧シートａを分離して運搬できる点
において利点を有するものである。

第２図は本発明化粧シートａの第２実施例を
示し基材シート１の表面に保護層５ｂを形成し
た後、スクリーン印刷あるいはグラビア印刷に
よつて透明凸部模様６を形成したものである。
このようにすることにより柄模様２は鮮明度を
長く保持することができる。

保護層５ｂは前記保護層５ａと同様基材シー
ト１表全面に透明あるいは半透明塗料をロール
コーター、フローコーターなどの塗装々置によ
り表面塗装を施した後乾燥して得た透明あるい
は半透明フイルム膜である。

第３図は同じく第３実施例を示し、第２実施
例の保護層５ｂと第１実施例の保護層５ａをと
もに設けたものである。

該透明凸部模様６を形成する透明塗料に艶消
し剤（シリカ粉、珪懆土、クレーなど一般的に
用いられるものでよい。）を添加した艶消し透
明塗料を用いてもよい。透明凸部模様６は化粧
シートａ表面に形成された柄模様２と同調して
形成してもよく、同調せずして形成してもよ
い。

柄模様２はその上に形成された透明凸部模様
６を形成する透明塗膜を透して見られ、光の屈
折現象によりその部分の柄模様２が他の部分と
比して浮出して重厚的に見えるとともに、その
色調自体が淡く表現され、従来においては見ら
れなかつた立体模様が表現され、意匠的効果が
向上する。

透明凸部模様６を形成する透明塗料はその印
刷方法、該模様の塗膜厚さ（高さ）などを考慮
してその樹脂、粘度などを決定すればよく、ま
た透明塗料を任意着色をして用い、着色透明凸
部模様６とし、色調に変化をもたらすように形
成してもよい。

本発明の効果 基材シート１に印刷された柄模様２と少なくと
も一部分が重ね合されるように透明凸部模様６を
形成するとともに、透明凸部模様６が模様状に形
成されることにより、透明凸部模様６があたかも
凸レンズのように機能し、該模様２が他の部分と
比べて浮出して見られるとともに、淡く表現され
透明凸部模様６とその他の部分とがコンストラス
トをなし、従来において見られなかつた立体模様
が表現され、意匠的効果の向上した化粧シートが
得られる。たとえば、透明塗料を模様状でなく、
一連の平面状に塗布すると、柄模様２全体が浮上
つてしまい、本願発明のようなコントラストは表
現できない。

実施例： 表面に柄模様２を印刷されてなる化粧シートａ
の表面の柄模様２と同調するよう透明水性アクリ
ル樹脂スクリーン印刷用インキを用いスクリーン
印刷装置によつて透明凸部模様６を形成する。

更にその表全面にフローコーターを用いてウレ
タン樹脂系透明上塗り塗料を30ｇ／m²塗布した後
熱風乾燥機により、60―120℃、10分間乾燥し、
表面に浮出し模様を有する化粧合板を得た。

【図面の簡単な説明】

第１図―第３図は本発明による化粧シートの実
施例を示す一部断面図、第４図は作用説明図であ
る。 １……基材シート、２……柄模様、３……基
板、４……接着剤、５ａ，５ｂ……保護層、６…
…本発明化粧シート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基材シート１の表面に柄模様２が印刷されて
   おり、該柄模様２を印刷した基材シート１上に透
   明塗料を用いた透明凸部模様６を模様状に、かつ
   少なくとも柄模様２と透明凸部模様６とが部分的
   に重なり合うように形成されている、 ことを特徴とする化粧シート。 ２ 必要に応じて着色を施された基材シート１の
   表面にグラビア、オフセツト、グラビアオフセツ
   ト印刷などの印刷方法により、柄模様２を形成
   し、さらに、その柄模様２を形成した基材シート
   １上に透明塗料を用いてスクリーン印刷あるいは
   グラビア印刷によつて透明凸部模様６を形成し
   た、 特許請求の範囲第１項記載の化粧シート。 ３ 透明凸部模様６の形成前に基材シート表全面
   に透明塗料による保護層５ｂを形成した特許請求
   の範囲第１項記載の化粧シート。 ４ 透明凸部模様６の形成後に透明塗料による保
   護層５ａを形成した特許請求の範囲第１項記載の
   化粧シート。 ５ 透明凸部模様６を形成する透明塗料に艶消し
   剤を添加した艶消し塗料を用いた特許請求の範囲
   第１項記載の化粧シート。