JP2004045147A - 電気信号測定用探針 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭小な位置に存在するピンの入出力電気信号を測定できる電気信号測定用探針を提供する。
【解決手段】測定対象への電気信号を測定して、測定対象の電気的な導通を調査する電気信号測定用探針を提供する。探針は、測定対象と接触する、可撓性の導電体である導通部と、導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、導通部を覆う弾性体と、弾性体の周囲に巻きつけられたリボンとを備えている。これにより、当該探針を任意に変形できる。探針が変形可能であるから、狭小な位置に存在する測定対象まで到達できる。
【選択図】 図1
【解決手段】測定対象への電気信号を測定して、測定対象の電気的な導通を調査する電気信号測定用探針を提供する。探針は、測定対象と接触する、可撓性の導電体である導通部と、導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、導通部を覆う弾性体と、弾性体の周囲に巻きつけられたリボンとを備えている。これにより、当該探針を任意に変形できる。探針が変形可能であるから、狭小な位置に存在する測定対象まで到達できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に入出力する電気信号を測定する電気信号測定用探針(以下、「プローブ」と称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、電気的導通を検査する、従来のプローブ100の先端部分の拡大図である。プローブ100は、絶縁性樹脂で形成された軸部101と、電気的な導通を確保するプローブ導通部102とを有する。プローブ導通部102は、軸部101を形成する絶縁性樹脂で覆われている。絶縁性樹脂は硬質であるため、軸部101とプローブ導通部102とは、曲がることなく一体的に固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプローブ100では、軸部101とプローブ導通部102とが一体的に固定されているため、狭小な位置に挿入できないことがあった。これでは、従来のプローブ100を用いて電気信号を測定できない。
【0004】
図11を参照して具体的に説明する。図11は、狭小な位置の半田ボール113に入出力される電気信号を測定する際の図を示す。半田ボール113は、プリント基板112と、プリント基板112に実装されたデバイス111との間に、双方の電気的接続を確保するために設けられている。図示されるように、半田ボール113は、デバイス111端部の下部に存在するとは限らず、デバイス111中央部の下部にも存在する。一方、プローブ100は、プリント基板112上に設けられた他のチップ(図示せず)との干渉等を防ぐため、斜め上方向から挿入する必要がある。硬質の軸部101とプローブ導通部102とが一体的に固定されている点に鑑みれば、このプローブ100では、デバイス111とプリント基板112との隙間に挿入できない。よって、半田ボール113に入出力される電気信号を測定できない。
【0005】
本発明の目的は、狭小な位置に存在するピンの入出力電気信号を測定できる電気信号測定用探針を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による電気信号測定用探針は、測定対象への電気信号を測定して、測定対象の電気的な導通を調査する。すなわち、電気信号測定用探針は、前記測定対象と接触する、可撓性の導電体である導通部と、前記導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、前記導通部を覆う弾性体と、前記弾性体の周囲に巻きつけられたリボンとを備えている。これにより上記目的が達成される。
【0007】
前記リボンは、表面が絶縁処理された金属であってもよい。
【0008】
所定の位置において前記弾性体に固定され、かつ、前記弾性体とともに前記リボンが巻きつけられている棒状体であって、引っ張られる力に応じて、前記導通部、前記弾性体、および、前記リボンを変形させる棒状体を備えていてもよい。
【0009】
前記導通部は、前記測定対象と接触する位置からの距離に応じた目盛りを有していてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態1〜3を説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1によるプローブ10の外観を示す概略図である。プローブ10は、測定装置(図示せず)に接続されており、製造した半導体装置を構成する素子、配線等が電気的に導通しているか否かを検査するのに利用される。プローブ10は、プローブ導通部11と、絶縁性ゴム12と、金属製リボン13とを有する。プローブ導通部11は、変形可能な可撓性の導電体であり、電気的な導通の有無を確認したい対象(測定対象)に当てられる。測定対象への入出力信号を測定することにより、電気的な導通の有無を調査できる。一方、絶縁性ゴム12および金属製リボン13は、プローブ10の軸部を構成する。絶縁性ゴム12は、変形可能な、すなわち可撓性の弾性体であり、プローブ導通部11を覆っている。金属製リボン13は、表面が絶縁処理されており、らせん状に絶縁性ゴム12の周囲に巻きつけられたひも状の金属である。
【0012】
本発明によるプローブ10は、可撓性の材料を用いて構成されているため、任意の方向に変形可能である。これは、従来のプローブ100(図10)では硬化した樹脂が用いられ、曲げられなかったのと対照的である。本発明のプローブ10では、金属製リボン13は、プローブ10が変形する際により適当な弾性と復元性を与える。すなわち、絶縁性ゴム12に加えて金属製リボン13を設けることにより、プローブ10の非使用時には、プローブ10の当初の形状を容易に保持できる。なお、金属製リボン13を設けても、プローブ10の使用時には任意の方向への変形を確保できる。
【0013】
図2を参照して具体的に説明する。図2は、狭小な位置に存在する半田ボール23に接触したプローブ10を示す図である。図から明らかなように、半田ボール23は、プリント基板22と、プリント基板22に実装されたデバイス21との間に存在する。そしてプローブ10は、デバイス21の斜め上方向から撓って、デバイス21中央部の下部に位置する半田ボール23に到達している。このように、プローブ10の先端部および軸部が変形可能であるため、デバイス21下部の半田ボール23への入出力信号を測定する際、容易に半田ボール5への入出力信号を測定することができる。
【0014】
なお、絶縁性ゴム12および金属製リボン13からなるプローブ10の軸部が、非測定対象の半田ボールに接触してもよい。上述のように、金属製リボン13の表面は絶縁処理されているからである。図3は、非測定対象の半田ボール32に接するプローブ10を示す。この図は、デバイス21に垂直な方向からの上面透視図である。プローブ10が半田ボール31および32の両方に接することにより、半田ボール31と32との電気的ショートは発生しない。よって、非測定対象の半田ボール32の位置にかかわらず、任意の位置に存在する測定対象の半田ボール31を測定できる。
【0015】
なお図2に明確に示されている、デバイス21、プリント基板22および半田ボール23により形成される構造は、いわゆるBGA(Ball Grid Array)構造と呼ばれる。BGA構造では、実装の容易化、および、実装密度の向上を実現するために、端子として半田ボール(ピン)が用いられ、デバイス21およびプリント基板22双方の電気的接続を確保するために機能する。
【0016】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1のプローブの変形例を説明する。図4は、実施の形態2によるプローブ40の外観を示す概略図である。プローブ40は、プローブ導通部41と、絶縁性ゴム42と、金属製リボン43と、芯44とを有する。プローブ導通部41、絶縁性ゴム42および金属製リボン43は、実施の形態1におけるプローブ導通部11、絶縁性ゴム12および金属製リボン13と同じであるから、その説明は省略する。
【0017】
実施の形態2のプローブ40は、新たに芯44を有する。芯44は、絶縁性ゴム42および金属製リボン43の間に通されており、その一端は、プローブ先端側(プローブ導通部41側)で絶縁性ゴム42に固定されている。芯44は、変形可能で、かつ伸縮しない棒状体であり、その材料は、例えば金属、樹脂等である。
【0018】
芯44を設けた理由は、プローブ40の形状を容易に固定するためである。図5は、芯44をプローブ導通部41とは逆の方向50に引っ張ったときの、プローブ40の形状を示す図である。芯44が引っ張られることにより、プローブ40は湾曲する。すなわち、引っ張られる力に応じて、プローブ40を任意に変形できる。引っ張り力を保持すれば、プローブ40の形状を保持できる。プローブ40の形状を調整できるので、プローブ導通部41を、より容易に測定対象まで到達させることができる。
【0019】
(実施の形態3)
実施の形態3は、狭小な位置に存在するピンと、プローブ導通部とを確実に接触させ、入出力信号を測定できる別の例を説明する。
【0020】
図6は、実施の形態3によるプローブ60の外観を示す概略図である。プローブ60は、2本で対をなすプローブ導通部61と、絶縁性樹脂64とを有する。プローブ導通部61は、その片側または両側で電気的導通が得られ、その間の距離63を調整できる。また、プローブ導通部61は、その先端部に、半田ボールを挟み込むための狭持部62を有する。
【0021】
プローブ導通部61間の距離を調整して、半田ボールの両側を狭持部62で挟み込むことにより、安定した電気的接続を確保できる。図7は、狭持部62が半田ボール71を挟み込む様子を示す図である。プローブ導通部61が半田ボール71の大まかな位置を特定して、狭持部62を配置させる。その後、2本のプローブ導通部61の間隔を狭めて、狭持部62と半田ボール71とを十分強固に固定する。これにより、安定した電気的接続を確保でき、半田ボール71に関連する入出力信号を測定できる。
【0022】
なお、プローブ導通部61の距離63の調整は、自動または手動で行うことができる。自動で調整する場合には、狭持部62に感圧センサ(図示せず)を設け、半田ボールと狭持部62とが所定の圧力で接触するまで、モータ(図示せず)によりプローブ導通部61を移動させてもよい。手動で調整する場合には、両方から半田ボールを挟み込むようにプローブ導通部61を移動させてもよいし、一方のプローブ導通部61を半田ボールに接触させておき、他方のプローブ導通部61が接触するまで、プローブ60のユーザがその他方のプローブ導通部61を移動すればよい。
【0023】
プローブ60を用いる場合には、上述のように、測定対象の位置を大まかに特定して、プローブ導通部61を移動させ、狭持部62を位置決めする必要がある。そこで位置決めの便宜のため、プローブ導通部61に、目盛りを設けてもよい。図8は、目盛りを設けたプローブ80のプローブ導通部61部分を示す図である。目盛りは、狭持部62の位置から測った距離であり、図では、測定対象と接触する位置からの距離である。なお、狭持部62の先端からの距離を用いてもよい。また図9は、プローブ80の目盛り81を用いて、半田ボール71の位置決めを行う場合の概略図である。プローブ導通部61の目盛り以外は、プローブ60(図6)と同じであるため、他の構成要素の説明は省略する。
【0024】
以上から、BGAデバイス下部の半田ボール17を測定する際、プローブ80に刻印した目盛り81により、デバイスの端からどの程度の距離に導通部先端の狭持部62が位置しているかを確認できる。これにより、測定対象までの距離が客観的に把握できる。なお、設計段階で半田ボール71の正確な位置が決定されていることから、目盛り81を利用してその位置を特定すれば、容易に所望の半田ボールと接触させることができる。
【0025】
なお、目盛り81は、プローブ導通部61のみならず、実施の形態1および2に記載のプローブ10、40等にも付してもよい。これにより、プローブ導通部の先端からの距離が把握できる。
【0026】
なお、プローブ導通部61(図6)およびプローブ導通部81(図8)の狭持部62は、種々の大きさの半田ボールに対応するため、取り替え可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明の電気信号測定用探針は、可撓性の導電体である導通部と、導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、導通部を覆う弾性体と、弾性体の周囲に巻きつけられたリボンとを有するので、任意に変形できる。電気信号測定用探針が変形可能であるから、狭小な位置に存在する測定対象まで到達できる。
【0028】
リボンは、表面が絶縁処理された金属である。よって電気信号測定用探針の形状を容易に保持できるとともに、電気信号測定用探針が非測定対象に接触しても測定対象と電気的にショートすることもない。
【0029】
引っ張られる力に応じて、導通部、弾性体、および、リボンを変形する棒状体を有するので、電気信号測定用探針を任意に変形できる。そして、引っ張られる力を固定すれば、電気信号測定用探針の形状を容易に固定できる。電気信号測定用探針の形状を調整できるので、導通部を、より容易に測定対象まで到達させることができる。
【0030】
導通部は、測定対象と接触する位置からの距離に応じた目盛りを有する。よって、測定対象までの距離が客観的に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるプローブの外観を示す概略図である。
【図2】狭小な位置に存在する半田ボールに接触したプローブを示す図である。
【図3】非測定対象の半田ボールに接するプローブを示す。
【図4】実施の形態2によるプローブの外観を示す概略図である。
【図5】芯をプローブ導通部とは逆の方向に引っ張ったときの、プローブの形状を示す図である。
【図6】実施の形態3によるプローブの外観を示す概略図である。
【図7】狭持部が半田ボールを挟み込む様子を示す図である。
【図8】目盛りを設けたプローブのプローブ導通部部分を示す図である。
【図9】プローブの目盛りを用いて、半田ボールの位置決めを行う場合の概略図である。
【図10】電気的導通を検査する、従来のプローブの先端部分の拡大図である。
【図11】狭小な位置の半田ボールに入出力される電気信号を測定する際の図を示す。
【符号の説明】
10、40、60、80 プローブ、 11、41 プローブ導通部、 12、42 絶縁性ゴム、 13、43 金属製リボン、 21 デバイス、 22プリント基板、 23 半田ボール、 44 芯、 61 プローブ導通部、62 狭持部、 64 絶縁性樹脂、 81 目盛り
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に入出力する電気信号を測定する電気信号測定用探針(以下、「プローブ」と称する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、電気的導通を検査する、従来のプローブ100の先端部分の拡大図である。プローブ100は、絶縁性樹脂で形成された軸部101と、電気的な導通を確保するプローブ導通部102とを有する。プローブ導通部102は、軸部101を形成する絶縁性樹脂で覆われている。絶縁性樹脂は硬質であるため、軸部101とプローブ導通部102とは、曲がることなく一体的に固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプローブ100では、軸部101とプローブ導通部102とが一体的に固定されているため、狭小な位置に挿入できないことがあった。これでは、従来のプローブ100を用いて電気信号を測定できない。
【0004】
図11を参照して具体的に説明する。図11は、狭小な位置の半田ボール113に入出力される電気信号を測定する際の図を示す。半田ボール113は、プリント基板112と、プリント基板112に実装されたデバイス111との間に、双方の電気的接続を確保するために設けられている。図示されるように、半田ボール113は、デバイス111端部の下部に存在するとは限らず、デバイス111中央部の下部にも存在する。一方、プローブ100は、プリント基板112上に設けられた他のチップ(図示せず)との干渉等を防ぐため、斜め上方向から挿入する必要がある。硬質の軸部101とプローブ導通部102とが一体的に固定されている点に鑑みれば、このプローブ100では、デバイス111とプリント基板112との隙間に挿入できない。よって、半田ボール113に入出力される電気信号を測定できない。
【0005】
本発明の目的は、狭小な位置に存在するピンの入出力電気信号を測定できる電気信号測定用探針を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による電気信号測定用探針は、測定対象への電気信号を測定して、測定対象の電気的な導通を調査する。すなわち、電気信号測定用探針は、前記測定対象と接触する、可撓性の導電体である導通部と、前記導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、前記導通部を覆う弾性体と、前記弾性体の周囲に巻きつけられたリボンとを備えている。これにより上記目的が達成される。
【0007】
前記リボンは、表面が絶縁処理された金属であってもよい。
【0008】
所定の位置において前記弾性体に固定され、かつ、前記弾性体とともに前記リボンが巻きつけられている棒状体であって、引っ張られる力に応じて、前記導通部、前記弾性体、および、前記リボンを変形させる棒状体を備えていてもよい。
【0009】
前記導通部は、前記測定対象と接触する位置からの距離に応じた目盛りを有していてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態1〜3を説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1によるプローブ10の外観を示す概略図である。プローブ10は、測定装置(図示せず)に接続されており、製造した半導体装置を構成する素子、配線等が電気的に導通しているか否かを検査するのに利用される。プローブ10は、プローブ導通部11と、絶縁性ゴム12と、金属製リボン13とを有する。プローブ導通部11は、変形可能な可撓性の導電体であり、電気的な導通の有無を確認したい対象(測定対象)に当てられる。測定対象への入出力信号を測定することにより、電気的な導通の有無を調査できる。一方、絶縁性ゴム12および金属製リボン13は、プローブ10の軸部を構成する。絶縁性ゴム12は、変形可能な、すなわち可撓性の弾性体であり、プローブ導通部11を覆っている。金属製リボン13は、表面が絶縁処理されており、らせん状に絶縁性ゴム12の周囲に巻きつけられたひも状の金属である。
【0012】
本発明によるプローブ10は、可撓性の材料を用いて構成されているため、任意の方向に変形可能である。これは、従来のプローブ100(図10)では硬化した樹脂が用いられ、曲げられなかったのと対照的である。本発明のプローブ10では、金属製リボン13は、プローブ10が変形する際により適当な弾性と復元性を与える。すなわち、絶縁性ゴム12に加えて金属製リボン13を設けることにより、プローブ10の非使用時には、プローブ10の当初の形状を容易に保持できる。なお、金属製リボン13を設けても、プローブ10の使用時には任意の方向への変形を確保できる。
【0013】
図2を参照して具体的に説明する。図2は、狭小な位置に存在する半田ボール23に接触したプローブ10を示す図である。図から明らかなように、半田ボール23は、プリント基板22と、プリント基板22に実装されたデバイス21との間に存在する。そしてプローブ10は、デバイス21の斜め上方向から撓って、デバイス21中央部の下部に位置する半田ボール23に到達している。このように、プローブ10の先端部および軸部が変形可能であるため、デバイス21下部の半田ボール23への入出力信号を測定する際、容易に半田ボール5への入出力信号を測定することができる。
【0014】
なお、絶縁性ゴム12および金属製リボン13からなるプローブ10の軸部が、非測定対象の半田ボールに接触してもよい。上述のように、金属製リボン13の表面は絶縁処理されているからである。図3は、非測定対象の半田ボール32に接するプローブ10を示す。この図は、デバイス21に垂直な方向からの上面透視図である。プローブ10が半田ボール31および32の両方に接することにより、半田ボール31と32との電気的ショートは発生しない。よって、非測定対象の半田ボール32の位置にかかわらず、任意の位置に存在する測定対象の半田ボール31を測定できる。
【0015】
なお図2に明確に示されている、デバイス21、プリント基板22および半田ボール23により形成される構造は、いわゆるBGA(Ball Grid Array)構造と呼ばれる。BGA構造では、実装の容易化、および、実装密度の向上を実現するために、端子として半田ボール(ピン)が用いられ、デバイス21およびプリント基板22双方の電気的接続を確保するために機能する。
【0016】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1のプローブの変形例を説明する。図4は、実施の形態2によるプローブ40の外観を示す概略図である。プローブ40は、プローブ導通部41と、絶縁性ゴム42と、金属製リボン43と、芯44とを有する。プローブ導通部41、絶縁性ゴム42および金属製リボン43は、実施の形態1におけるプローブ導通部11、絶縁性ゴム12および金属製リボン13と同じであるから、その説明は省略する。
【0017】
実施の形態2のプローブ40は、新たに芯44を有する。芯44は、絶縁性ゴム42および金属製リボン43の間に通されており、その一端は、プローブ先端側(プローブ導通部41側)で絶縁性ゴム42に固定されている。芯44は、変形可能で、かつ伸縮しない棒状体であり、その材料は、例えば金属、樹脂等である。
【0018】
芯44を設けた理由は、プローブ40の形状を容易に固定するためである。図5は、芯44をプローブ導通部41とは逆の方向50に引っ張ったときの、プローブ40の形状を示す図である。芯44が引っ張られることにより、プローブ40は湾曲する。すなわち、引っ張られる力に応じて、プローブ40を任意に変形できる。引っ張り力を保持すれば、プローブ40の形状を保持できる。プローブ40の形状を調整できるので、プローブ導通部41を、より容易に測定対象まで到達させることができる。
【0019】
(実施の形態3)
実施の形態3は、狭小な位置に存在するピンと、プローブ導通部とを確実に接触させ、入出力信号を測定できる別の例を説明する。
【0020】
図6は、実施の形態3によるプローブ60の外観を示す概略図である。プローブ60は、2本で対をなすプローブ導通部61と、絶縁性樹脂64とを有する。プローブ導通部61は、その片側または両側で電気的導通が得られ、その間の距離63を調整できる。また、プローブ導通部61は、その先端部に、半田ボールを挟み込むための狭持部62を有する。
【0021】
プローブ導通部61間の距離を調整して、半田ボールの両側を狭持部62で挟み込むことにより、安定した電気的接続を確保できる。図7は、狭持部62が半田ボール71を挟み込む様子を示す図である。プローブ導通部61が半田ボール71の大まかな位置を特定して、狭持部62を配置させる。その後、2本のプローブ導通部61の間隔を狭めて、狭持部62と半田ボール71とを十分強固に固定する。これにより、安定した電気的接続を確保でき、半田ボール71に関連する入出力信号を測定できる。
【0022】
なお、プローブ導通部61の距離63の調整は、自動または手動で行うことができる。自動で調整する場合には、狭持部62に感圧センサ(図示せず)を設け、半田ボールと狭持部62とが所定の圧力で接触するまで、モータ(図示せず)によりプローブ導通部61を移動させてもよい。手動で調整する場合には、両方から半田ボールを挟み込むようにプローブ導通部61を移動させてもよいし、一方のプローブ導通部61を半田ボールに接触させておき、他方のプローブ導通部61が接触するまで、プローブ60のユーザがその他方のプローブ導通部61を移動すればよい。
【0023】
プローブ60を用いる場合には、上述のように、測定対象の位置を大まかに特定して、プローブ導通部61を移動させ、狭持部62を位置決めする必要がある。そこで位置決めの便宜のため、プローブ導通部61に、目盛りを設けてもよい。図8は、目盛りを設けたプローブ80のプローブ導通部61部分を示す図である。目盛りは、狭持部62の位置から測った距離であり、図では、測定対象と接触する位置からの距離である。なお、狭持部62の先端からの距離を用いてもよい。また図9は、プローブ80の目盛り81を用いて、半田ボール71の位置決めを行う場合の概略図である。プローブ導通部61の目盛り以外は、プローブ60(図6)と同じであるため、他の構成要素の説明は省略する。
【0024】
以上から、BGAデバイス下部の半田ボール17を測定する際、プローブ80に刻印した目盛り81により、デバイスの端からどの程度の距離に導通部先端の狭持部62が位置しているかを確認できる。これにより、測定対象までの距離が客観的に把握できる。なお、設計段階で半田ボール71の正確な位置が決定されていることから、目盛り81を利用してその位置を特定すれば、容易に所望の半田ボールと接触させることができる。
【0025】
なお、目盛り81は、プローブ導通部61のみならず、実施の形態1および2に記載のプローブ10、40等にも付してもよい。これにより、プローブ導通部の先端からの距離が把握できる。
【0026】
なお、プローブ導通部61(図6)およびプローブ導通部81(図8)の狭持部62は、種々の大きさの半田ボールに対応するため、取り替え可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明の電気信号測定用探針は、可撓性の導電体である導通部と、導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、導通部を覆う弾性体と、弾性体の周囲に巻きつけられたリボンとを有するので、任意に変形できる。電気信号測定用探針が変形可能であるから、狭小な位置に存在する測定対象まで到達できる。
【0028】
リボンは、表面が絶縁処理された金属である。よって電気信号測定用探針の形状を容易に保持できるとともに、電気信号測定用探針が非測定対象に接触しても測定対象と電気的にショートすることもない。
【0029】
引っ張られる力に応じて、導通部、弾性体、および、リボンを変形する棒状体を有するので、電気信号測定用探針を任意に変形できる。そして、引っ張られる力を固定すれば、電気信号測定用探針の形状を容易に固定できる。電気信号測定用探針の形状を調整できるので、導通部を、より容易に測定対象まで到達させることができる。
【0030】
導通部は、測定対象と接触する位置からの距離に応じた目盛りを有する。よって、測定対象までの距離が客観的に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるプローブの外観を示す概略図である。
【図2】狭小な位置に存在する半田ボールに接触したプローブを示す図である。
【図3】非測定対象の半田ボールに接するプローブを示す。
【図4】実施の形態2によるプローブの外観を示す概略図である。
【図5】芯をプローブ導通部とは逆の方向に引っ張ったときの、プローブの形状を示す図である。
【図6】実施の形態3によるプローブの外観を示す概略図である。
【図7】狭持部が半田ボールを挟み込む様子を示す図である。
【図8】目盛りを設けたプローブのプローブ導通部部分を示す図である。
【図9】プローブの目盛りを用いて、半田ボールの位置決めを行う場合の概略図である。
【図10】電気的導通を検査する、従来のプローブの先端部分の拡大図である。
【図11】狭小な位置の半田ボールに入出力される電気信号を測定する際の図を示す。
【符号の説明】
10、40、60、80 プローブ、 11、41 プローブ導通部、 12、42 絶縁性ゴム、 13、43 金属製リボン、 21 デバイス、 22プリント基板、 23 半田ボール、 44 芯、 61 プローブ導通部、62 狭持部、 64 絶縁性樹脂、 81 目盛り
Claims (4)
- 測定対象への電気信号を測定して、測定対象の電気的な導通を調査するための探針であって、
前記測定対象と接触する、可撓性の導電体である導通部と、
前記導通部の変形に応じて変形可能で、かつ、前記導通部を覆う弾性体と、
前記弾性体の周囲に巻きつけられたリボンと
を備えた、電気信号測定用探針。 - 前記リボンは、表面が絶縁処理された金属である、請求項1に記載の電気信号測定用探針。
- 所定の位置において前記弾性体に固定され、かつ、前記弾性体とともに前記リボンが巻きつけられている棒状体であって、引っ張られる力に応じて、前記導通部、前記弾性体、および、前記リボンを変形させる棒状体を備えた、請求項2に記載の電気信号測定用探針。
- 前記導通部は、前記測定対象と接触する位置からの距離に応じた目盛りを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の電気信号測定用探針。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201411A JP2004045147A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 電気信号測定用探針 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201411A JP2004045147A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 電気信号測定用探針 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004045147A true JP2004045147A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31707958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002201411A Pending JP2004045147A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | 電気信号測定用探針 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004045147A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7036984B2 (en) * | 2002-11-25 | 2006-05-02 | Lindon Group, Inc. | Digital thermometer for measuring body temperature |
US7703977B2 (en) | 2007-03-23 | 2010-04-27 | Anna Knishevitskiy | Aseptic thermometer storage case |
JP2012047748A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-03-08 | Nidec-Read Corp | 接続端子及び接続端子の製造方法 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201411A patent/JP2004045147A/ja active Pending
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US7703977B2 (en) | 2007-03-23 | 2010-04-27 | Anna Knishevitskiy | Aseptic thermometer storage case |
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