JP4765508B2 - 高周波デバイスの測定治具 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波部品の測定を行うのに好適な高周波デバイスの測定治具に関するものである。
従来から高周波部品の測定を行う際に使用する測定治具としては、プリント基板に伝送路を形成し、導電シートや基板の弾性を利用して高周波デバイスなどの被測定部品に接続するようにしたものがある(特許文献1参照)。
このような構造の測定治具は、プリント基板を主体としていることから、ローコストで組立性に優れており、高周波デバイスの測定治具として広く利用されている。
しかしながら、上記したような高周波デバイスの測定治具は、図7に示すように筐体100上に設けられているプリント基板101よりも筐体100やコネクタ102のほうが上方に突き出している。このため、被測定部品110のサイズが筐体100より大きい場合、例えば被測定部品110をチップサイズパッケージ(CSP)に個片分割する前のシート状(平面状)の場合は、プリント基板101上の接触面103に被測定部品110の電極111を接触させることができず、測定を行う事が出来ないものであった。
また、測定治具と被測定部品110との干渉を防ぐには、測定治具を構成しているプリント基板101のサイズを、被測定部品110より大きくする必要があるため、プリント基板101上の伝送路が長くなり、高精度の測定治具を実現するのが困難であった。
そこで、例えばウェハやシート状の被測定部品の測定には、測定治具として伝送路が同軸構造で先端が針状の高周波プローブが用いられていた(特許文献2参照)。
特開2004−108919公報 特開2001−153885公報
しかしながら、上記特許文献2に提案されている高周波プローブは、複数の針状のプローブピンを使用するなどから構造が複雑なため、精度良く加工して組み立てることが難しく、例えば、上記したような測定治具に比べて高価であるという欠点があった。
そこで、本発明は上記した点を鑑みてなされたものであり、低コストでウェハやシート状の高周波デバイスの測定を行うことができる高周波デバイスの測定治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、高周波デバイスの測定に用いられる高周波デバイスの測定治具であって、前記高周波デバイスの電極と接触する接触面と、一方が前記接触面に接続された伝送路とが形成されたプリント基板と、前記プリント基板の両端部を固定するための筐体と、前記プリント基板に形成された前記接触面前記プリント基板の前面側に突き出すように前記プリント基板を背面側から押圧する押圧手段と、前記プリント基板に形成された前記接触面に対して前記高周波デバイスの電極を接触させた状態で保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記高周波デバイスと接触する先端部が高さ調整可能な弾性部材により構成され、前記プリント基板は、中央部分が括れた構造であり、前記筐体は、前記プリント基板の背面側に位置し、前記押圧手段は、前記プリント基板の背面と前記筐体との間に位置し、前記保持部材は、前記プリント基板の前面側において、前記プリント基板を挟んで押圧手段と対向する位置にあることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高周波デバイスの測定治具において、前記高周波デバイスがSAWフィルタであることを特徴とする。
本発明によれば、プリント基板上の接触面が最も突き出すようにプリント基板を反らせて筐体に組み付けたことで、ウェハやシート状の高周波デバイスの測定に使用できる高周波デバイスの測定治具を低コストで実現することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る高周波デバイスの測定治具の実施形態を説明する。
図1は本実施形態の高周波測定治具の概略斜視図である。また図2(a)は本実施形態の高周波測定治具の底面図、図2(b)は本実施形態の高周波測定治具の正面図である。また図3は本実施形態の高周波測定治具の筐体構造を示した斜視図である。
これら図1〜図3に示すように、本実施形態の高周波測定治具1は、ベース2に取り付けられた筐体3と、この筐体3に取り付けられたプリント基板4とにより構成される。
プリント基板4は、例えば厚みが0.1〜0.5mm程度の極めて薄い樹脂基板により構成される。なお、樹脂基板は特別なプロセスを要することなく作製可能である。
本実施形態の高周波測定治具1は、図2(b)に示すように、高周波デバイスなどの被測定部品の電極と接触させる接触面11(例えば凸状電極)が形成されているプリント基板4の中央部分が最も上方に突き出すように、筐体3の水平面より上方側に約10°程度突き出すように取り付けられている。このため、筐体3にはプリント基板4の中央部分を前面(上方)側に突き出させるために、プリント基板4を背面(下方)側から押圧してプリント基板4の張力を調整する張力調整用棒(押圧手段)5が設けられている。
プリント基板4の一方にはコネクタ10aが取り付けられ、他方にはコネクタ10b、10cが取り付けられている。なお、プリント基板4はコネクタ10a〜10cを利用して筐体3に固定するようにしている。
また筐体3にはプリント基板4上に設けられた接触面に対して被測定部品の電極を接触させた状態で被測定部品を保持するための保持部材21が設けられている。この保持部材21は、被測定部品と接触する先端部がゴムなどの弾性部材22により構成され、手動により先端部を上下させることができる。また先端部の弾性部材22の高さ調整が可能となっている。
図4は、本実施形態の高周波測定治具を構成しているプリント基板の構造を示した図であり、(a)はプリント基板の全体図、(b)は(a)において破線で囲って示したコンタクト部の拡大図、(c)はプリント基板にコネクタを取り付けた状態を示した図である。
図4(b)に示すように、プリント基板4の中央部分には、被測定部品の電極と接触させる3つの接触面11a、11b、11cが設けられている。これらの接触面11a〜11cは、プリント基板4に形成された夫々のマイクロストリップライン(MSL)12a、12b、12cを介して、図4(a)に示すプリント基板4のコネクタ取り付け部13a〜13cに取り付けられたコネクタ10a〜10c(図4(c)参照)に接続される。なお、図4(b)に示す接触面11a〜11cの間には、接触面11a〜11cに対して被測定部品の電極を接触させたときに、接触面11a〜11cと共に被測定部品を支持するための支持面14が設けられている。
更に、プリント基板4の中央部分を前面(上方)側に突き出させるときに、プリント基板4を撓みやすくするようプリント基板4の中央部分(張力調整用棒5と接触する位置)に括れを持たせた構造にする。
このように本実施形態の高周波測定治具1においては、プリント基板4に伝送路であるMSL12a〜12cと接触面11a〜11cを形成し、このプリント基板4に形成した接触面11a〜11cが最も上方に突き出すようにプリント基板4を僅かに反らせて筐体3に取り付けるようにした。これにより、従来のプリント基板を用いた高周波測定治具では測定することができなかったウェハやシート状の被測定部品の測定が可能になる。
また、本実施形態の高周波測定治具は、特別なプロセスを要することなく、一般的な印刷技術を使って得られるプリント基板を用いて作製できるので、従来の高周波プローブと同等の精度を有する高周波測定治具を低コストで実現することができる。
図5は本実施形態の高周波測定治具のリターンロス(反射減衰量特性)を示した図であり、(a)はリターンロスの測定結果を示した図であり、(b)はその測定方法を示した図である。
なお、ここでは、1000MHz〜3000MHzの帯域において使用されるSAWフィルタの高周波特性を測定する測定治具の測定結果を示す。
この場合、図5(b)に示すように、高周波測定治具1のコネクタ10cに50Ωの同軸終端器50を接続したうえで、接触面11cに対して測定器51から給電を行ってリターンロスの測定を行った。その結果、本実施形態の高周波測定治具のリターンロスは、SAWフィルタの測定に問題ないレベル、即ち測定帯域(1000MHz〜3000MHz)においてリターンロスが−20dB以下であることを確認した。
図6は本実施形態の高周波測定治具と従来の高周波治具を用いて被測定部品の測定を行ったときの測定結果を示した図である。
この図6に示すように、本実施形態の高周波測定治具と従来の高周波測定治具とにより、同じ被測定部品の測定を行った場合はプリント基板上に形成された伝送路長等の違いにより測定結果に僅かな差があるものの、ほぼ同等の測定結果が得られることを確認した。
なお、本実施形態では、測定治具によりSAWフィルタの測定を行う場合を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、SAWフィルタ以外の高周波デバイスの測定にも使用可能である事は言うまでもない。
本実施形態の高周波測定治具の概略斜視図である。 (a)は本実施形態の高周波測定治具の底面図、(b)は本実施形態の高周波測定治具の正面図である。 本実施形態の高周波測定治具の筐体構造を示した斜視図である。 本実施形態の高周波プローブを形成するプリント基板の構造を示した図であり、(a)はプリント基板の全体図、(b)は(a)において破線で囲って示したコンタクト部の拡大図、(c)はプリント基板にコネクタを取り付けた状態を示した図である。 本実施形態の高周波測定治具のリターンロス特性を示した図であり、(a)はリターンロス特性の測定結果を示した図、(b)はその測定方法を示した図である。 本実施形態の高周波測定治具と従来の高周波測定治具を用いて被測定部品の測定を行ったときの測定結果を示した図である。 従来の高周波測定治具の概略構造を示した図である。
符号の説明
1…高周波測定治具、2…ベース、3…筐体、4…プリント基板、5…張力調整用棒、10(a)、10(b)、10(c)…コネクタ、11(a)、11(b)、11(c)…接触面、12(a)、12(b)、12(c)…マイクロストリップライン(MSL)、13(a)、13(b)、13(c)…コネクタ取り付け部、14…支持面、21…保持装置、22…弾性部材、50…同軸終端器、51…測定装置

Claims (2)

  1. 高周波デバイスの測定に用いられる高周波デバイスの測定治具であって、
    前記高周波デバイスの電極と接触する接触面と、一方が前記接触面に接続された伝送路とが形成されたプリント基板と、
    前記プリント基板の両端部を固定するための筐体と、
    前記プリント基板に形成された前記接触面前記プリント基板の前面側に突き出すように前記プリント基板を背面側から押圧する押圧手段と、
    前記プリント基板に形成された前記接触面に対して前記高周波デバイスの電極を接触させた状態で保持する保持部材と、を備え、
    前記保持部材は、前記高周波デバイスと接触する先端部が高さ調整可能な弾性部材により構成され、
    前記プリント基板は、中央部分が括れた構造であり、
    前記筐体は、前記プリント基板の背面側に位置し、
    前記押圧手段は、前記プリント基板の背面と前記筐体との間に位置し、
    前記保持部材は、前記プリント基板の前面側において、前記プリント基板を挟んで押圧手段と対向する位置にあることを特徴とする高周波デバイスの測定治具。
  2. 請求項1に記載の高周波デバイスの測定治具において、前記高周波デバイスがSAWフィルタであることを特徴とする高周波デバイスの測定治具。
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