JP2004044648A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造を有するレバー型同期装置を用いながらも、より円滑な変速動作を可能とする変速機を提供する。
【解決手段】5速段および後進段への変速操作に対応して動作する同期装置は、カウンタギア11、スリーブ17、ハブ12、レバー13、およびキースプリング14を有して構成されている。これら各部材が、同期リング15およびギアピース16とともに組み合わされて、同一軸線上に配置されている。レバー13は、スリーブ17のギアピース16側またはカウンタギア11側への摺動に応じて押圧力を受け、この押圧力が同期リング15に伝達されてハブ12とギアピース16との同期動作がなされる。くわえてこの同期装置は、レバー13および同期リング15の間に、該レバー13をカウンタギア11側に付勢する戻しスプリング21が介装されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対回転するギア相互の回転速度を同期させる同期装置を備えて構成される変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば内燃機関を動力源として走行する車両等、動力源から得られる駆動力の駆動態様を変換して利用する必要がある場合には、動力源から入力される駆動力を適切な減速比のギアを介して出力側に伝達する変速機が用いられる。そして、こうした変速機のなかには、変速動作に際して回転速度の異なる歯車同士の咬合を円滑に行うことができるように、それら歯車の回転速度を同期させる同期装置を備えているものがある。なお、この同期装置としては、同期動作が完全に完了するまで歯車同士を咬合することのできない構造のワーナ型同期装置が一般によく知られている。このようなワーナ型同期装置によれば、上記同期動作を確実に行うことができる。また近年、このワーナ型同期装置と比較して簡素な構造でありながら、いわゆるてこの原理を利用することによって、より小さな操作力でも上記同期動作の実行が可能なレバー型同期装置も用いられるようになってきている(たとえば特開平9−89002号公報参照)。
【0003】
はじめに、こうしたレバー型同期装置の動作を、車両に搭載される変速機を例に、図7を参照して簡単に説明する。
図7(a)は、前進5段(1速〜5速)後進1段の変速段を備える内燃機関搭載車両の変速機について、その構成を、出力軸が入力軸に駆動連結されていない状態(ニュートラル状態)における動力の伝達経路とともに模式的に例示する説明図である。なお、図7において便宜上付している斜線は、その密度によって駆動連結部分の減速比の大小を示し(粗な方が減速比大)、またその方向により回転方向を示している。
【0004】
図7(a)に示されるように、入力軸81は、クラッチ(図示略)を介して内燃機関のクランク軸(図示略)に駆動連結される一方、メインドライブギア82およびこれに咬合するカウンタドライブギア83を介してカウンタシャフト84と常時、駆動連結されている。そして、そのカウンタシャフト84は、カウンタギア84a、84b、および84cと軸線上の所定の位置にてそれぞれスプライン嵌合されている。このため、これらカウンタギア84a〜84cも常時、入力軸81に駆動連結されている。
【0005】
一方、入力軸81と同一軸線上に軸支された出力軸85は、ベアリング(図示略)を介してスピードギア85a、85b、および85c(それぞれ1速、2速、および3速ギアに対応)を回転自在に軸支している。そして、これら各スピードギア85a〜85cはカウンタギア84a〜84cにそれぞれ咬合している。すなわち、これらスピードギア85a〜85cは出力軸85に対して空転しつつ入力軸81に駆動連結される。また、出力軸85には、軸線方向に摺動可能な摺動部を有する同期装置87aおよび87bが、軸線上の所定の位置にてそれぞれスプライン嵌合されて駆動連結されている。
【0006】
ここで、図7に例示した変速機にあっては、入力軸81の回転速度は、メインドライブギア82およびカウンタドライブギア83の歯数の比により決定される増速比または減速比に従い増速または減速されて、カウンタギア84a〜84cに伝達される。また、スピードギア85a〜85cはそれぞれ対応するカウンタギア84a〜84cとの歯数の比によって決定される減速比に減速されて回転する。
【0007】
上記構成において、図示しないシフトフォークを介して同期装置87aの摺動部が矢印X1の方向に摺動されると、1速ギア85aを軸支している出力軸85が同期装置87aによる同期動作を経て1速ギア85aに駆動連結される。これにより、出力軸85は1速ギア85aと同じ回転速度にて回転する。また、同期装置87aの摺動部が矢印X2の方向に摺動されると、2速ギア85bを軸支している出力軸85が同期装置87aによる同期動作を経て2速ギア85bに駆動連結される。これにより、出力軸85は2速ギア85bと同じ回転速度にて回転する。また同様に、上記シフトフォークを介して同期装置87bの摺動部が矢印X3の方向に摺動されると、出力軸85は3速ギア85cに駆動連結されて、3速ギア85cと同じ回転速度にて回転する。また、同期装置87bの摺動部が矢印X4の方向に摺動される場合には、出力軸85が入力軸81に直結されることになり、両者が駆動連結されて同じ回転速度にて回転する。なお、同期装置87aおよび87bの摺動部による上記摺動動作は排他的に行われるため、出力軸85はそれら各摺動動作に対応して択一的に駆動連結される。そして、それら駆動連結された各ギアと同じ回転速度にて回転する。
【0008】
上記スピードギア85a〜85cおよびメインドライブギア82の各ギアにくわえて、この変速機は、入力軸81の回転速度を増速して出力軸85に伝達する5速ギア88を備えている。この5速ギア88は、図7(a)に示されるように、出力軸85にスプライン嵌合されてこれと駆動連結されている。これに対応して、カウンタシャフト84には、5速ギア88と咬合してこれに駆動連結されるカウンタギア89が、ベアリング(図示略)を介して回転自在に軸支されている。このカウンタギア89には、これをカウンタシャフト84に駆動連結するための同期装置87cが、カウンタギア89と一体に回転するように組み付けられている。この同期装置87cは、カウンタシャフト84に対しては回転自在に軸支されている。また、カウンタシャフト84において、同期装置87cと対向する位置(図7(a)に示すカウンタシャフト84の右端)には、カウンタシャフト84と一体回転して同期装置87cによって同期動作および連結動作がなされるギアピース90が設けられている。ギアピース90は、5速ギア88およびカウンタギア89とともに5速段用ギアを構成する。
【0009】
この同期装置87cも、上述した同期装置87aおよび87bと同様に、図示しないシフトフォークを介して軸線方向に摺動可能な摺動部を有している。そして、その摺動部が矢印X5の方向に摺動されると、図7(b)に示されるように、同期装置87cがギアピース90との同期動作および連結動作を行う。これにより、出力軸85が、5速ギア88とカウンタギア89とを介してカウンタシャフト84に、そしてひいては入力軸81に駆動連結される。このとき、出力軸85は、5速ギア88とカウンタギア89との歯数の比によって決定される増速比に増速されて回転する。
【0010】
さらに、この同期装置87cは、上記5速段への同期動作にくわえて、摺動部が上記矢印X5と反対の矢印XR方向に摺動される場合には、同期装置87cがギアピース90との同期動作を行う。この場合、同期装置87cは変速動作の際の同期動作のみを行い、変速完了後における5速ギア88とカウンタシャフト84との連結動作は行わない。
【0011】
上記同期動作は、後進段への変速時に発生しうるギア鳴りなどの防止を意図してなされる。すなわち、変速機がニュートラルでクラッチが連結されてエンジンが回転している停車車両(図7(a)の状態)では、クラッチを切断した直後においては、出力軸85が停止している一方で、入力軸81およびカウンタシャフト84は惰性回転している。このような場合に、これら惰性回転している各軸とそれらに駆動連結されている各ギアとを上記停止している出力軸85に同期させて停止させる(図7(c))。そしてそのうえで、カウンタシャフト84および出力軸85に各々駆動連結されつつ互いに咬合されていない後進段用ギア(図示略)の双方を、図示しないリバースアイドラギアに咬合させて駆動連結させる。この段階においては、上記同期動作が完了しているため、入力軸81、カウンタシャフト84、出力軸85、およびこれら各軸上に設けられている各ギアや同期装置はすべて停止している。したがって、上記リバースアイドラギアの後進段用ギアへの咬合動作、すなわち後進段への変速動作がギア鳴りを起こすことなく円滑に行われるようになる。
【0012】
つぎに、同期装置87cの摺動部に対して行われる矢印X5および矢印XRの双方向への摺動動作に対応して機能する上述した同期動作について、いわゆる反転型レバーを用いたレバー式同期装置により実現する方法を説明する。
【0013】
図8は、上記反転型レバーを用いた従来のレバー式同期装置120について、その構成を組み立て図(分解図)として示す図である。
図8に示されるように、このレバー式同期装置120は、カウンタギア111(図7のカウンタギア89に相当)およびこれと一体に形成されたハブ112と、略半円弧状に形成されその頂部113fの外周側にキー部113dを有する2つの反転型レバー113およびこれらを外周方向に付勢するキースプリング114と、同期リング115と、ギアピース116とがこの順に組み合わされて構成される。そして、カウンタギア111を除くこれら各部材がその組み合わせられた態様にてスリーブ117に外嵌される。ここで、スリーブ117は図7(a)に示した同期装置87cの摺動部に相当する。
【0014】
このうち、ギアピース116は、内周にスプライン116aが形成されて、図示しないカウンタシャフト(図7のカウンタシャフト84に相当)の所定の位置にてスプライン嵌合してこれを駆動連結される。このギアピース116の同期リング115との対向面には、同期リング115への近接方向に径が徐々に小さくなる円錐面116cが突設されている。
【0015】
また、ハブ112は、図示しないベアリングを介して上記カウンタシャフトに軸支されてカウンタギア111とともに自在回転する。
また、スリーブ117は、内周にスプライン117aが形成され、これがハブ112外周に形成されたスプライン112bと嵌合されてこれと一体に回転する。さらに、スリーブ117は、ハブの外周スプライン112bに沿って軸線方向に摺動し、ギアピース116の外周に形成された歯面116bをスプライン112bと跨嵌できるようになっている。これにより、ギアピース116とハブ112、すなわちギアピース116とカウンタギア111とが駆動連結される。ちなみに、このスリーブ117を摺動させるために、スリーブ117の外周には周溝117bが形成されている。そして、この周溝117bが図示しないシフトフォークと係合されて、同シフトフォークに連結されたシフトレバー(図示略)の操作に基づく上記摺動動作を可能としている。また、上記スリーブの内周スプライン117aは、その軸線方向の中央部にスプラインとしての間欠部117cが周状に設けられている。そして、同期装置120がニュートラル状態にあるときには、レバー113のキー部113dがこの間欠部117cに嵌合されている。
【0016】
また、同期リング115は、その内周が、ギアピース116に形成された円錐面116cに対向する円錐面115bに形成されている。そして、円錐面115bが円錐面116cに外嵌する態様で当接することによって、ギアピース116と同期リング115との間に摩擦力が発生し、この摩擦力に基づいて両者の回転の同期動作が行われる。
【0017】
また、カウンタギア111は、外周がはすば状に形成されたヘリカルギアとして構成されており、図示しない5速ギア(図7の5速ギア88に相当)と咬合して5速段の減速比による動力伝達を行う(図7(b)参照)。
【0018】
上記スリーブ117の摺動に基づくハブ112とギアピース116との跨嵌に際して、これらの間に介装されたレバー113と同期リング115とによって以下のように同期動作がなされる。
【0019】
まず、レバー113は、ハブの外周スプライン112b内側に設けられた凹部112cに、そのキー部113dがハブ外周スプライン112bのキー溝112dに遊嵌される態様にて収容されている。そして、キースプリング114は、レバー113の内周に嵌着されてこれらを外周方向に付勢している。このとき、上記キー溝112dは、レバー113のキー部113dがカウンタギア111側に傾倒できる形状に形成されている。さらに、上記凹部112cには、レバー113に重ねて、同期リング115がその爪部115eをハブ外周スプライン112bの切欠部112eに遊嵌される態様にて収容される。このとき、レバー113および同期リング115は互いにその当接面が略同径に形成された周状の対向面を有している。このため、レバー113が同期リング115側に傾倒されることで、その頂部113fが同期リング115の対向面の対応する当接面115fに当接して同期リング115をギアピース116側に押圧する。また、レバー113がカウンタギア111側に傾倒されることで、その端部113gが同期リング115の対向面の対応する当接面115gに当接して同期リング115をギアピース116側に押圧する。
【0020】
ここで、レバー113の形状と動作について、図9を使って説明する。図9(a)、(b)、および(c)は、それぞれレバー113の斜視図、正面図、および側面図である。
【0021】
図9(a)および(b)に示されるように、このレバー113は、略半円弧状に形成されており、該円弧の頂部113fの外周側に上述したキー部113dを、また同円弧の端部113gに内周側に折曲したかぎ部113hを有している。そして、図9(b)および(c)に示されるように、レバー113はその厚みが、一方の面における端部113gから頂部113fに向かって、直線状の境界部113kを境として途中から徐々に薄くなる形状を有している。なお、以下の説明においては便宜上、この厚みが徐々に薄くなっている面をおもて面113i、その反対の平坦な面をうら面113jとよぶことにする。
【0022】
上記形状を有して、レバー113のおもて面113iが図9(c)に一点鎖線で示した鉛直面(ハブ112との当接面に相当)に対向し、またうら面113jが図示されていない同期リング115に対向して配置される場合について考える。この場合、レバー113がキー部113dにおいて矢印Y1方向に押圧力を受けると、おもて面113iの端部113g1を支点として傾倒し、うら面113jの頂部113f2を作用点として同期リング115を図9(c)においての右方に押圧する。また、レバー113がキー部113dにおいて矢印Y2方向に押圧力を受けると、おもて面113iの境界部113kを支点としてシーソー状に傾倒し、うら面113jの端部113g2を作用点として同期リング115を同じく右方に押圧する。こうして、レバー113は、矢印Y1および矢印Y2のいずれの方向に押圧力を受けて傾倒した場合にも、同期リング115を右方に押圧する反転型レバーとして機能する。
【0023】
上記のように動作するレバー113に対する押圧力の付与は、ハブ112に外嵌するスリーブ117の摺動動作にともなって以下のように行われる。
図10は、ハブ112の凹部112cにレバー113およびキースプリング114が収容されるとともにこれらにスリーブ117が外嵌されている態様を、軸線方向のギアピース116側からみた平面図(図10(a))、および同図のA−A線に沿った断面図(図10(b))として例示したものである。図10(b)においては、上記各部材を組み合わせたものにくわえて、同期リング115およびギアピース116を2点鎖線にて示して、それら相互の位置関係が示されている。
【0024】
上記状態においては、図10(a)に示されるように、外周側から順にカウンタギア111、スリーブ117、ハブ112、レバー113、およびキースプリング114が配置されている。ここで、スリーブ117の内周スプライン117aはハブ112の外周スプライン112bと嵌合されている。また、レバー113はそのキー部113dがハブ112のキー溝112dに遊嵌されてキースプリング114により外周方向に付勢されている。
【0025】
そして、ニュートラル状態においては、図10(a)に示されるように、上述したスリーブ117の内周スプライン117aの周方向に沿って形成されたスプラインの間欠部117cにレバー113のキー部113dが嵌合されている。この間欠部117cは、スプラインの形成されている部分との境界部分がテーパ状に形成されたテーパ面117dを有している(図8参照)。
【0026】
このような構成にあって、スリーブ117が軸線方向に摺動すると、レバー113はキー部113dがテーパ面117dと係合して、スリーブ117の摺動方向に押圧される。そして、さらにスリーブ117の摺動が同じ方向に行われると、レバー113はキースプリング114から受けている外周方向への付勢力に抗して内周側に押入される。このため、レバー113は、キー部113dがスリーブ117の内周スプライン117aに形成されたテーパ面117dに係合しなくなり、スリーブ117からの押圧力を受けなくなるようになっている。
【0027】
なお、図10(b)からも明らかなように、スリーブ117がギアピース116側に摺動される場合には、同期リング115による同期動作がなされるとともに、その摺動量が十分与えられるとスリーブ117がハブ112とギアピース116とを跨嵌して両者の駆動連結が行われる。また、スリーブ117がカウンタギア111側に摺動される場合には、同期リング115による同期動作はなされるものの、その摺動量が十分に与えられてもハブ112とギアピース116との跨嵌はなされない。すなわち、スリーブ117の摺動過程におけるハブ112とギアピース116との同期動作のみが行われて、そののちに両者は切断されて独立に回転可能な状態にされる。
【0028】
つづいて、このような反転型レバー113を用いた同期装置120(図7の同期装置87cに相当)による変速動作を、同同期装置120の一部を拡大して示す動作概念図である図11および図12を使って説明する。なお、図11および図12においては、スリーブ117、レバー113、同期リング115、およびギアピース116を模式的に図示している。また、レバー113はそのおもて面113iが、図示を割愛しているハブ112の凹部112cの底面(1点鎖線にて図示)に対向して配置されている。さらに、以下の説明においては、変速機は1速〜4速のいずれの変速段にも変速動作が行われていない状態にあるものとする。
【0029】
まず、この変速機によるニュートラル状態から5速への変速動作は、以下の一連の過程を経てなされる。
[ニュートラル時]:図11(a)
レバー113のキー部113dが、スリーブ117の内周スプライン117aの間欠部117cに嵌合している。この状態では、ハブ112(図示略)とギアピース116とは駆動連結されていない。
【0030】
[変速動作時]:図11(b)
図示しないシフトフォークを介して、スリーブ117がギアピース116側に摺動される。これにより、レバー113のキー部113dが、スリーブ117の内周スプライン117aに形成されたテーパ面117dと係合して押圧される。そして、このテーパ面117dによって受けた押圧力を、レバー113が、そのキー部113dを力点、そのおもて面113iの端部113g1を支点、そのうら面113jの頂部113f2を作用点として、同期リング115における上記頂部113f2との当接面115fに伝達する(図8参照)。この伝達された押圧力により同期リング115がギアピース116側に変位する。なお、先の図8においては説明を割愛したが、同期リング115のレバー113との当接面115fはやや凸状に形成されており、レバー113による同期リング115に対する押圧動作の安定化が図られている。また、レバー113に当接するハブ112の凹部112c底面には、レバー113の端部113g周辺に溝112c1が形成されている(図8および図10(a)参照)。このため、上記レバー113の傾倒動作に際しての支点は、実際には、レバー端部113g近傍における上記溝112c1の上端部との当接面になる。こうして、同期リング115の円錐面115bがギアピース116の円錐面116cに押圧されて、当接される円錐面間に発生する摩擦力が徐々に増大することにより両者の同期動作がなされる。そして、上記同期動作がなされたのちに、スリーブ117がさらにギアピース116側に摺動されて変速動作が完了する。
【0031】
[変速完了時]:図11(c)
スリーブ117が、ギアピース116の外周に形成された歯面116bに外嵌する位置に保持される。これにより、ハブ112(図示略)とギアピース116とがスリーブ117によって跨嵌され、もってハブ112とギアピース116とが駆動連結せしめられて5速段としての変速状態が維持される(図7(b)参照)。この段階において、レバー113は、スリーブ内周スプライン117aによってキー部113dがキースプリング114(図示略)から受けている外周方向の付勢力に抗して内周側に押入され、同スプライン117aの間欠部117cとの嵌合がはずれた状態に維持される。これにより、レバー113は、同期リング115とハブ112との間にあって軸線方向には自由に移動することができる状態にある。
【0032】
一方、この変速機によるニュートラル状態から後進段への変速動作は、以下の一連の過程を経てなされる。
[ニュートラル時]:図12(a)
上記図11(a)の状態と同じく、レバー113のキー部113dがスリーブ内周スプライン117aの間欠部117cに嵌合している。この状態では、ハブ112(図示略)とギアピース116とは駆動連結されていない。
【0033】
[変速動作時]:図12(b)
図示しないシフトフォークを介して、スリーブ117が図示しないカウンタギア111側(図の左方)に摺動される。これにより、スリーブ117の内周スプライン117aに形成されたテーパ面117dによってレバー113のキー部113dが押圧される。そして、このテーパ面117dによって受けた押圧力を、レバー113が、そのキー部113dを力点、そのおもて面113iの境界部113kを支点、そのうら面113jにおける端部113g2を作用点として、同期リング115における端部113g2との当接面115gに伝達する(図8参照)。この伝達された押圧力により同期リング115がギアピース116側に変位する。なお、図8においては説明を割愛したが、同期リング115のレバー113との当接面115gはやや凸状に形成されており、レバー113による同期リング115に対する押圧動作の安定化が図られている。こうして、同期リング115の円錐面115bがギアピース116の円錐面116cに押圧されて、その当接面間に発生する摩擦力が徐々に増大することにより両者の同期動作がなされる。ちなみに、後進段への変速操作は車軸が停止しているときになされるため、この停止している車軸と駆動連結されているカウンタギア111およびハブ112(いずれも図示略)は停止した状態にある(図7(a)のカウンタギア89がこのカウンタギア111に相当)。その一方、その停止状態が車両の前進直後である場合、クラッチの切断された変速機の入力軸とそれに駆動連結されたカウンタシャフトおよびそれらに駆動連結された各ギアは、惰性によりひきつづき回転している状態にある。したがって、こうした変速機の状態も、上記同期動作がなされたのちにはギアピース116およびこれに駆動連結されている回転駆動系が停止状態となり、変速機として入出力軸がともに停止状態となる(図7(c)参照)。そして、この入出力軸が停止状態となったのちに、スリーブ117がさらにカウンタギア111側(図の左側)に摺動されると、上記レバー113のキー部113dとスリーブ内周スプラインのテーパ面117dとの係合状態が解除されるため、レバー113による同期リング115に対する押圧力も取り除かれる。これにより、ハブ112とギアピース116とは、ともに停止状態を保ちつつ互いに切断された状態となる。そして、この同期動作ののちに、上記シフトフォークとは異なる他のシフトフォークを介して、リバースアイドラギアの後進段用ギアへの咬合動作が行われる(いずれの部材も、いずれの図においても図示を割愛)。こうして、後進段への変速動作が、ギア鳴りを起こすことなく円滑に行われて完了する。
【0034】
[変速完了時]:図12(c)
上記リバースアイドラギアの後進段用ギアへの咬合状態が保持される。また、レバー113は、そのキー部113dがスリーブ内周スプライン117aにより内周側に押入されて、その間欠部117cとの嵌合がはずれた状態に維持される。これにより、上記リバースアイドラギアを介して出力軸が逆回転するように駆動連結せしめられる後進段としての変速状態が維持される。この段階において、レバー113は、キースプリング114(図示略)により外周方向に付勢力を受けているものの、同期リング115とハブ112との間にあって軸線方向には自由に移動することができる状態にある。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記レバー式の同期装置120を備えた変速機にあっては、同期装置120を構成する同期リング115のレバー113が、上述したように、同期動作を経て変速動作の完了した時点においてハブ112と同期リング115との間での位置や姿勢が必ずしも定まらない状態にある。このため、変速動作の行われた変速段が元のニュートラル状態に戻される場合の動作が、該動作の開始される直前でのレバー113の収容態様に影響を受けることがある。以下に、上述の同期装置120におけるこうした影響について、図13および図14に示す動作概念図を使って説明する。なお、これら図13および図14は、先の図11および図12として示した動作概念図にそれぞれ対応している。
【0036】
まず、5速段からのニュートラル状態への移行動作について、その移行動作の開始時点で、たとえばレバー113が、図13(a)に示されるように、キー部113dをハブ112(図示略)側に傾倒した態様にて収容されている場合を考える。この場合、レバー113は、キースプリング114(図示略)により外周方向に付勢されているため、キー部113dがそのうら面113jにてスリーブ117と当接している。このとき、変速機がニュートラル側に操作されると、スリーブ117がギアピース116から引き抜かれてハブ112側に摺動する。このスリーブ117が摺動している期間、レバー113はキー部113dがハブ112方向への力を受けてその姿勢を維持する。そして、ニュートラル状態への移行動作が完了したのちもレバー113のキー部113dがハブ112側に傾倒したままであると、図13(b)に示されるように、本来意図されているキー部113dとスリーブ内周スプラインの間欠部117cとの嵌合状態が回復されない。
【0037】
また、上記図13(b)の状態において、変速機に対して後進段への変速操作がなされる場合には、スリーブ117がさらにハブ112側に摺動される。このため、上記レバー113のキー部113dとスリーブ内周スプラインの間欠部117cとの嵌合状態が回復されるとともに、後進段への変速動作にともなう上述した同期動作が正常に行われる。ところが、上記状態において、変速機に対してふたたび5速段への変速操作がなされる場合には、上記キー部113dとスリーブ内周スプラインの間欠部117cとの嵌合状態が回復されることなくスリーブ117がギアピース116側に摺動される。このため、キー部113dとスリーブ内周スプラインのテーパ面117dとが係合されず、レバー113が同期リング115をギアピース116側に押圧することができない。したがって、この際に行われるべき同期動作が実際には行われなくなってしまう。
【0038】
こうした同期動作が行われなくなる情況は、後進段についても同様に発生しうる。
すなわち、後進段からニュートラル状態への移行動作を開始する時点で、たとえばレバー113が、図14(a)に示されるように、キー部113dをギアピース116側に傾倒した態様にて収容されている場合を考える。この場合、レバー113が、キースプリング114(図示略)により外周方向に付勢されているため、キー部113dがそのおもて面113iにてスリーブ内周スプライン117aと当接している。このとき、変速機がニュートラル側に操作されると、スリーブ117がカウンタギア111(図示略)からギアピース116側に摺動する。このスリーブ117が摺動している期間、レバー113はキー部113dがギアピース116方向への力を受けてその姿勢を維持する。そして、ニュートラル状態への移行動作が完了したのちにもキー部113dがギアピース116側に傾倒したままであると、図14(b)に示されるように、本来意図されているキー部113dとスリーブ内周スプラインの間欠部117cとの嵌合状態が回復されない。
【0039】
上記図14(b)の状態において、変速機に対して5速段への変速操作がなされる場合には、スリーブ117がさらにギアピース116側に摺動される。このため、上記レバー113のキー部113dとスリーブ内周スプラインの間欠部117cとの嵌合状態が回復されるとともに、5速段への変速動作にともなう上述した同期動作が正常に行われる。ところが、上記状態において、変速機に対してふたたび後進段への変速操作がなされる場合には、上記キー部113dとスリーブ内周スプラインの間欠部117cとの嵌合状態が回復されることなくスリーブ117がカウンタギア111側に摺動される。このため、この場合もレバー113のキー部113dとスリーブ内周スプラインのテーパ面117dとが係合されず、レバー113が同期リング115をギアピース側に押圧することができない。したがって、この際に行われるべき同期動作が実際には行われなくなってしまう。
【0040】
このような同期装置120が正常に機能しない情況は、レバー113と同期装置120を構成する他の部材との相互位置関係に依存して発生する。そして、それら各部材の寸法を各々の公差までを考慮に入れると、それら各部材が上述した同期動作の正常になされない位置関係になることを完全に回避することが困難な場合もある。
【0041】
なお、上記反転型レバーを備えて構成される同期装置120に限らず、1速段および2速段への各同期動作を一方向的に行う非反転型レバーを備えて構成される同期装置等にあっても、同期動作が正常になされないことがあるこうした実情はおおむね共通したものとなっている。またこのことは、車両用以外の用途に用いられる変速機にあっても同様である。
【0042】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構造を有するレバー型同期装置を用いながらも、より円滑な変速動作を可能とする変速機を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。請求項1に記載の発明は、レバーからの押圧力を受けて軸線方向に変位する同期リングによって互いに対向して相対回転する第1および第2の回転体同士を同期せしめるレバー型の同期装置を備え、該同期装置による同期動作を経て入出力軸間の駆動連結がなされる変速機として、前記同期装置の前記レバーを前記同期リングから離間する方向に付勢する付勢手段を設けたことをその要旨とする。
【0044】
上記構成によれば、上記同期装置を構成するレバーが上記同期リングから離間する方向に付勢されるため、同レバーは軸線方向への他の外力が存在しないときに同期リングと離間する方向に押圧されてその位置と姿勢とが定められる。これにより、上記レバーと、上記同期リングや上記第1および第2の回転体等との位置関係が常に安定したものとなる。したがって、簡素に構成されるレバー型の同期装置による同期動作がより確実に行われて、変速機としての変速動作がより円滑に行われるようになる。
【0045】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の変速機において、前記同期リングは前記レバーからの押圧力を受けて前記第2の回転体側に変位するものであり、前記付勢手段は、前記第1の回転体に一体化されるかたちにて前記レバーおよび同期リングの間に介装されて同レバーをその第1の回転体に押しつける弾性体を有して構成されることをその要旨とする。
【0046】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の変速機において、前記同期リングは前記レバーからの押圧力を受けて前記第2の回転体側に変位するものであり、前記付勢手段は、前記第1の回転体に一体化されるかたちにて該第1の回転体および前記レバーの間に介装されて該レバーをその第1の回転体に引きつける弾性体を有して構成されることをその要旨とする。
【0047】
上記請求項2および3の各構成によれば、上記レバー、同期リング、第1および第2の回転体等の形状に応じて、レバーを第1の回転体にそれぞれ好適な態様にて付勢することができるようになる。
【0048】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の変速機において、前記付勢手段を構成する弾性体が板ばねからなることをその要旨とする。
上記構成によれば、上記板ばねの有する弾性力により上記レバーが上記第1の回転体に向けて確実に付勢されるようになる。
【0049】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の変速機において、前記第1および第2の回転体が、それぞれ第1および第2の回転駆動系に駆動連結されるハブおよびギアであり、前記ギアと前記同期リングとは、互いの対向面に設けられた円錐面相互の当接によって発生する摩擦力に基づいてそれら相互の同期がとられることをその要旨とする。
【0050】
上記構成によれば、変速機の入力軸と出力軸、およびそれらにそれぞれ駆動連結されて回転する構成要素に対応する上記第1および第2の回転駆動系について、それら相互の駆動連結が上記ハブおよびギアを介して確実に行われる。そしてその際、上記ギアおよび同期リングの互いの対向面に設けられた円錐面相互の当接によって発生する摩擦力に基づいてそれら相互の同期がとられるため、その同期動作が同期リングの軸線方向の変位に対して確実かつ漸次的に行われる。
【0051】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の変速機において、前記同期装置は、前記ハブに外嵌されて前記軸線方向に摺動可能に設けられその摺動動作に基づいて前記レバーと係合しつつこれに前記同期リングに対する押圧力を付与して前記同期動作を行わせしめるとともに該同期動作がなされたのちに前記レバーとの係合が解除されるスリーブをさらに備え、前記レバーは、前記スリーブの摺動動作が前記ギア側および前記ハブ側のいずれの方向になされる場合にあっても前記同期リングを前記ギア側に押圧する反転型レバーとして構成されることをその要旨とする。
【0052】
そして、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の変速機において、前記同期装置は、前記ハブに外嵌されて前記軸線方向に摺動可能に設けられその摺動動作に基づいて前記レバーと係合しつつこれに前記同期リングに対する押圧力を付与して前記同期動作を行わせしめるとともに該同期動作がなされたのちに前記レバーとの係合が解除されるスリーブをさらに備え、前記レバーは、前記スリーブの摺動動作が前記ギア側になされるとき同方向に配置される前記同期リングを前記ギア側に押圧する非反転型レバーとして構成されることをその要旨とする。
【0053】
上記請求項6および7の各構成によれば、変速機の同期装置として要求される機能に応じて、一方向的または双方向的なレバーの押圧に基づいてそれぞれに要求される同期動作を好適に実現することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる変速機を、内燃機関搭載車両における駆動力の駆動輪への伝達に用いられる変速機に具体化した一実施の形態について図1〜図5を使って説明する。なお、本実施の形態において例示する変速機は、先の図7〜図14を使って説明した変速機と基本的には同様の構成をしている。すなわち、図7に示した前進5段(1速〜5速)および後進1段の変速段を備えて、それら各変速段への変速動作が各々対応する同期装置による同期動作を経て行われる。
【0055】
図1は、上記同期装置のうち、5速段および後進段への変速動作がなされる際に動作する反転型レバーを用いた同期装置を、図10に対応させて示す構成図である。ただし、図10(a)および(b)と同様に、同期リングおよびギアピースについては、図1(a)においてその図示を割愛してあり、また図1(b)においてこれを2点鎖線にて図示している。
【0056】
すなわち、図1(a)に、図示されていないギアピース側からみた平面図を示すように、外周側から内周側に向かって順にカウンタギア11、スリーブ17、ハブ12、レバー13、およびキースプリング14が配置されている。ここで、スリーブ17の内周スプライン17aはハブ12の外周スプライン12bと嵌合されている。また、レバー13のキー部13dはハブ12のキー溝12dに遊嵌されており、これがキースプリング14により外周方向に付勢されている。こうした構成は、上述の図10の場合と同様である。
【0057】
ただし、本実施の形態に例示する同期装置は、レバー13および同期リングの間に、該レバー13をカウンタギア11側(紙面奥側)に付勢する付勢手段として機能する板ばね状の戻しスプリング21が介装されて構成されている。
【0058】
この戻しスプリング21は、図1(b)にその断面構成が示されるように、ハブ12内周部分のギアピース16側に突き出している先端部12fにおいて、同期リング15側への移動をスナップリング22により係止する態様にて装着されている。すなわち、この同期装置は、スナップリング22によって軸線方向に係止された戻しスプリング21が、レバー13をハブ12側に押圧するように組み合わせられている。
【0059】
そして、ニュートラル状態においては、図1(b)に示されるように、スリーブ17の内周スプライン17aの周方向に沿って形成されたスプラインの間欠部17cにレバー13のキー部13dが嵌合されている。この間欠部17cは、スリーブ17内周のスプライン形成されている部分との境界部分がテーパ状に形成されたテーパ面17dを有している。こうした、スリーブ17およびレバー13の形状と動作は、上述した同期装置120を構成するスリーブ117およびレバー113と同じである(図8および図9参照)。
【0060】
ここで、上記戻しスプリング21について、図2に示す斜視図を使って説明する。
図2に示されるように、この戻しスプリング21は、薄板リング状のスナップリング22と当接する平坦面21aを有し、この平坦面21aから分岐するかたちで4本の脚部21bが設けられている。また、この脚部21bの先端にはレバー13を押圧する押圧部21cが各々形成されている。そして、この押圧部21cがレバー13を押圧するときの反力による脚部21bの弾性変形に基づいて、戻しスプリング21がレバー13をハブ12側に付勢するようにしている。
【0061】
こうした戻しスプリング21を有して、この同期装置は、図3に組み立て図(分解図)として示す構成を有している。すなわち、図3に示されるように、この同期装置は、カウンタギア11(図7のカウンタギア89に相当)およびこれと一体に形成されたハブ12と、略半円弧状に形成されてその頂部13fの外周側にキー部13dを有する2つの反転型レバー13およびこれらを外周方向に付勢するキースプリング14と、上記戻しスプリング21およびこれを係止するスナップリング22と、同期リング15と、ギアピース16とがこの順に組み合わされて構成される。そして、カウンタギア11を除くこれら各部材がその組み合わされた態様にてスリーブ17に外嵌される。ここで、スリーブ17は図7(a)に示した同期装置87cの摺動部に相当している。
【0062】
そして、この同期装置がスリーブ17の摺動動作に基づいて同期動作を行うのは、上述した同期装置120による動作と基本的には同様である。ただし、本実施の形態の同期装置は、レバー13および同期リング15の間に戻しスプリング21が介装されている。このため、レバー13は常に、ハブ12側に密着するような付勢力を受けている。
【0063】
このような構成にあって、戻しスプリング21は以下のように機能する。
図4は、変速機の5速段への変速操作に対応してスリーブ17がギアピース16側に摺動されるときの過程を、図11に対応させて模式的に示す動作概念図である。ここで、図4においては、図11と同様に、図4(a)、(b)、および(c)がそれぞれニュートラル時、変速動作時、および変速完了時の状態を示している。また、この図4においても図11と同様、スリーブ17、レバー13、同期リング15、およびギアピース16を模式的に図示しており、ハブ12およびカウンタギア11についてはその図示を割愛している。
【0064】
まず、スリーブ17の摺動が行われる以前のニュートラル時においては、図4(a)に示されるように、レバー13のキー部13dが、スリーブ17の内周スプライン17aの間欠部17cに嵌合している。この状態では、ハブ12(図示略)とギアピース16とは駆動連結されていない。
【0065】
このとき、レバー13は、同期リング15とハブ12との間にあって、スナップリング22により係止されている戻しスプリング21から付勢力を受けている。そして、レバー13がこの付勢力を受ける位置は、レバー13の厚さが一定の部分(図9(b)および(c)に示したレバー113の境界部113kより端部113g側の部分に相当)となるように設定している。このため、レバー13は常に、ハブ12との当接面に上記部分(端部側)を密着させた態様で同ハブ12の凹部(図8に示したハブ112の凹部112cに相当)に収容されている。
【0066】
上記構成にあって、スリーブ17が軸線方向沿ってギアピース16側に摺動されると、図4(b)に示されるように、レバー13は、キー部13dがスリーブ17のテーパ面17dと係合して戻しスプリング21から受ける付勢力に抗してスリーブ17の摺動方向に押圧される。これにより、同期リング15がギアピース16側に変位して両者の間の上述した同期動作がなされる。そして、スリーブ17の摺動がさらに行われると、レバー13はキースプリング14(図示略)から受けている外周方向への付勢力に抗して内周側に押入される。このため、レバー13は、キー部13dがスリーブ17の内周スプライン17aに形成されたテーパ面17dに係合しなくなり、スリーブ17からの押圧力を受けなくなる。なお、こうした機構によってレバー13が同期リング15をギアピース16側に押圧力を伝達するのは、上述した同期装置120の場合と同じである。また、図4(b)からも明らかなように、スリーブ17がギアピース16側に摺動される場合には、同期リング15による同期動作がなされるとともに、その摺動量が十分与えられるとスリーブ17がハブ12とギアピース16とを跨嵌して両者の駆動連結が行われる。このことも上述した同期装置120の場合と同じである。
【0067】
ただし、本実施の形態の同期装置にあっては、上記一連の変速動作が、レバー13が常時、ハブ12側に付勢されている状態を保ちつつなされる。このため、スリーブ17のテーパ面17dとレバー13のキー部13dとが係合する変速動作時にくわえて、それ以外、すなわちニュートラル時および変速完了時においても、同期リング15およびハブ12の間でのレバー13の姿勢が定められるようになる。この点、上述した同期装置120にあって、ニュートラル時および変速完了時におけるレバー113の姿勢が定まらない場合と大きく異なっている。
【0068】
こうして、5速段からニュートラルに変速機が操作されてその変速操作に対応してスリーブ17がハブ12側に戻される場合にあっても、同様のことがいえる。すなわちこの場合、レバー13は戻しスプリング21によりハブ12側への付勢力を受けるため、レバー13は常に、同じ姿勢変化を経て図4(a)に示したニュートラル状態の同じ姿勢に戻るようになる。そして、この状態から再度、5速段への変速操作がなされる場合にあっても、同期装置の同期動作が確実になされて変速機としての変速動作をより円滑なものとすることができるようになる。
【0069】
また、この同期装置において、レバー13の姿勢が変速動作およびその変速段からニュートラルへの移行動作の過程で常に定められるのは、後進段についても同様にいえる。
【0070】
図5は、変速機の後進段への変速操作に対応してスリーブ17がカウンタギア11側(紙面の左方)に摺動されるときの過程を、図12に対応させて模式的に示す動作概念図である。この図5においても、図12と同様に、図5(a)、(b)、および(c)がそれぞれニュートラル時、変速動作時、および変速完了時の状態を示している。そして、同図5においては、スリーブ17、レバー13、同期リング15、およびギアピース16を模式的に図示しており、ハブ12およびカウンタギア11についてはその図示を割愛しているのも同様である。
【0071】
まず、スリーブ17の摺動が行われる以前のニュートラル時においては、図5(a)に示されるように、レバー13のキー部13dが、スリーブ17の内周スプライン17aの間欠部17cに嵌合している。これは、先の図4(a)と同じ状態である。すなわち、このときレバー13は、同期リング15とハブ12との間にあって、戻しスプリング21から付勢力を受けて常に、ハブ12との当接面にその端部側を密着させた態様で同ハブ12の凹部(図8に示したハブ112の凹部112cに相当)に収容されている。
【0072】
上記構成にあって、スリーブ17が軸線方向沿ってカウンタギア11側に摺動されると、図5(b)に示されるように、レバー13は、キー部13dがスリーブ17のテーパ面17dと係合して戻しスプリング21から受ける付勢力に抗してスリーブ17の摺動方向に押圧される。これにより、同期リング15がギアピース16側に変位して両者の間の上述した同期動作がなされる。そして、スリーブ17の摺動がさらに行われると、レバー13はキースプリング14(図示略)から受けている外周方向への付勢力に抗して内周側に押入される。このため、レバー13は、キー部13dがスリーブ17の内周スプライン17aに形成されたテーパ面17dに係合しなくなり、スリーブ17からの押圧力を受けなくなる。なお、こうした機構によってレバー13が同期リング15をギアピース16側に押圧力を伝達するのは、やはり上述した同期装置120の場合と同じである。また、図5(b)からも明らかなように、スリーブ17がカウンタギア11側に摺動される場合には、同期リング15とギアピース16との同期動作がなされるのみで、その摺動量が十分与えられてもハブ12とギアピース16とは跨嵌されることなく両者の同期状態が解消される。この点も上述した同期装置120の場合と同じである。
【0073】
そしてこの場合も、上記一連の変速動作が、レバー13が常時、ハブ12側に付勢されている状態を保ちつつなされる。このため、スリーブ17のテーパ面17dとレバー13のキー部13dとが係合する変速動作時にくわえて、それ以外、すなわちニュートラル時および変速完了時においても、同期リング15およびハブ12の間でのレバー13の姿勢が定められるようになる。この点、上述した同期装置120にあって、ニュートラル時および変速完了時におけるレバー113の姿勢が定まらない場合と大きく異なっていることは、上述した5速段の場合と同様である。
【0074】
こうして、後進段からニュートラルに変速機が操作されてその変速操作に対応してスリーブ17がハブ12側に戻される場合にあっても同様のことがいえる。すなわち、この場合もレバー13が戻しスプリング21によりハブ12側への付勢力を受けるため、レバー13は常に、同じ姿勢変化を経て図5(a)に示したニュートラル状態の同じ姿勢に戻るようになる。そして、この状態から再度、後進段への変速操作がなされる場合にあっても、同期装置の同期動作が確実になされて変速機としての変速動作をより円滑なものとすることができるようになる。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態にかかる変速機によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(1)同期装置を構成する反転型レバー13が戻しスプリング21によって同期リング15から離間する方向に付勢されるため、レバー13がスリーブ17に係合されず軸線方向に押圧力を受けない状態においても、同レバー13の位置および姿勢が定められるようになる。これにより、レバー13の同期リング15およびハブ12に対する位置関係が常に安定したものとなる。したがって、簡素に構成されるレバー型の同期装置による同期動作がより確実に行われて、変速機としての変速動作がより円滑に行われるようになる。
【0076】
(2)戻しスプリング21が、ハブ12内周部分の同期リング側に突き出している先端部12fにおいて、同同期リング側への移動をスナップリング22により係止する態様にて装着されている。すなわち、戻しスプリング21によるレバー13のハブ12に向けての付勢が、それら各部材の形状に応じて好適に行われる。
【0077】
(3)板ばねからなる戻しスプリング21により、その脚部21bが有する弾性力を利用してレバー13をハブ12側に向けて確実に付勢することができる。
(4)変速機の入力軸に駆動連結された回転駆動系を構成するギアピース16と、同出力軸に駆動連結された回転駆動系を構成するハブ12との相互の駆動連結が、両者を跨嵌するスリーブ17を介して確実に行われる。その際、ギアピース16および同期リング15の互いの対向面に設けられた円錐面相互の当接によって発生する摩擦力に基づいてそれら相互の同期がとられる。このため、限られた空間内においてより大きな当接面積が得られて同期動作がより確実となるとともに、その同期動作が同期リングの軸線方向の変位に対して漸次的に行われてより円滑なものとなる。
【0078】
(5)双方向的に動作可能な反転型レバーの押圧に基づいて、5速段および後進段に対応する同期装置に要求される同期機能がそれぞれ好適に実現されるようになる。
【0079】
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態においては、反転型レバー13を有して5速段および後進段用に用いられる同期装置について説明したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。たとえば、1速段および2速段のいずれか一方、または3速段および4速段のいずれか一方への同期動作を行うために、一方向的に機能する非反転型レバーを各2つ有して構成される同期装置(図7の同期装置87aまたは同期装置87bに相当)にあっても本発明を適用することもできる。この場合、1速段および2速段のいずれか一方への同期動作を行う同期装置を図6に模式的に例示するように、各変速段への変速動作を行う各部材が、図示を割愛したハブを挟んでほぼ対称に配置される。
【0080】
すなわち、図6においては、紙面に対してスリーブ37の右方に1速段用の非反転型レバー33a、戻しスプリング41a、同期リング35a、およびギアピース36aがこの順に配置されている。同期リング35aとギアピース36aとは互いに対向する円錐面にて当接できるように形成されている。この構成においてスリーブ37がギアピース36a側に摺動されると、スリーブ37の内周に形成されたスプライン37aのテーパ面37dとレバー33aのキー部33dとが係合して、レバー33aが戻しスプリング41aの付勢力に抗して同期リング35aを押圧する。押圧された同期リング35aは軸線方向に沿ってギアピース36a側に変位するとともに、これら同期リング35aとギアピース36aとの円錐面が互いに当接して両者の回転を互いに同期させる。そして、この同期動作がなされたのちにスリーブ37がさらにギアピース36a側に摺動されるとスリーブの内周スプライン37aがギアピース36aの歯面と咬合される。これにより、ハブとギアピース36aに一体化されて設けられている1速ギア31aとの駆動連結がなされる。このような構成にあって、戻しスプリング41aはレバー33aをハブ側に付勢している。このため、レバー33aが軸線方向に外力を受けていない場合であっても、レバー33aはハブ側に押圧されてその位置と姿勢とが定められるようになる。すなわち、上記実施の形態にて説明した効果に準じた効果がこの同期動作に際しても得られるようになり、1速段についての変速動作が常に円滑に行われるようになる。また同様に、図6の紙面に対してスリーブ37の左方には、2速段用の非反転型レバー33b、戻しスプリング41b、同期リング35b、およびギアピース36bがこの順に配置されている。そして、これら2速段用の各部材が上記1速段用の各部材と同様に機能して、2速段についての変速動作も常に円滑に行われるようになる。
【0081】
こうして、一方向的に機能する非反転型レバーを2つ有して構成される同期装置にあっても、それら各方向に対する同期動作をともなってなされる変速機の変速動作をより円滑にすることができるようになる。
【0082】
・上記実施の形態においては、ハブ12とギアピース16との同期動作を行う場合について説明したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。同一軸線上に配置され、互いに独立した回転駆動系に駆動連結されて相対回転するとともに駆動力の伝達が可能な回転体同士の同期動作を行う同期装置を備えて構成される他の変速機に対しても、本発明を適用することができる。
【0083】
・また、上記回転体同士が、互いの対向面に設けられた円錐面で当接する必要は必ずしもない。要は、同期リングの軸線方向の変位によって同期動作がなされる構成でありさえすればよい。
【0084】
・上記実施の形態においては、レバー13に対する付勢力を、レバー13と同期リング15との間に介装された戻しスプリング21がレバー13をハブ12側に押しつける態様で付与する場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記構成に限らず、たとえばハブ12とレバー13との間に、レバー13をハブ12側に引きつける弾性体を介装する構成としても、本実施の形態に準じた効果を得ることができるようになる。
【0085】
・上記実施の形態においては、レバー13に付勢力を付与するための弾性体として板ばねからなる戻しスプリング21を用いる場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。たとえば、弾性体としてコイルスプリング等の他の弾性部材を用いた場合にあっても、本実施の形態に準じた効果を得ることができるようになる。
【0086】
・さらに、レバーに対する付勢力の付与を、弾性体を用いて具現化する必要は必ずしもない。たとえばハブ、同期リング、およびレバーの少なくとも1つに磁気を付与してこれを磁石として構成し、該磁気によって発生するそれら各部材間の相互作用に基づいてレバーに対する付勢力の付与を行ってもよい。この場合、本発明の変速機を構成する同期装置を、より簡素な構成にて具現化することができる。
【0087】
・本実施の形態に例示した構成に限らず、レバーからの押圧力を受けて軸線方向に変位する同期リングを用いて相対回転する回転体同士が同期せしめられるレバー型同期装置を備えて、該同期装置による同期動作を経て入出力軸間の駆動連結がなされる他の変速機についても、本発明を広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる変速機の一実施の形態について、同変速機が備える同期装置の構成を部分的に例示する平面図および断面図。
【図2】上記同期装置に設けられる戻しスプリングの構成例を示す斜視図。
【図3】同同期装置の構成を例示する組み立て図(分解図)。
【図4】同同期装置の同期動作を模式的に示す動作概念図。
【図5】同同期装置の同期動作を模式的に示す動作概念図。
【図6】本発明にかかる変速機の変形例について、同変速機が備える同期装置の部分的な構成を模式的に例示する説明図。
【図7】レバー型同期装置を備えて構成される変速機の動作を模式的に例示する説明図。
【図8】従来の変速機について、該変速機が備える同期装置の構成を例示する組み立て図(分解図)。
【図9】レバー型同期装置に用いられる反転型レバーについて、その構成を例示する説明図。
【図10】従来の変速機について、該変速機が備える同期装置の構成を部分的に例示する平面図および断面図。
【図11】上記同期装置の同期動作を模式的に示す動作概念図。
【図12】同同期装置の同期動作を模式的に示す動作概念図。
【図13】同同期装置のニュートラル移行時の動作を模式的に示す動作概念図。
【図14】同同期装置のニュートラル移行時の動作を模式的に示す動作概念図。
【符号の説明】
11…カウンタギア、12…ハブ(第1の回転体)、13…反転型レバー、14…キースプリング、15…同期リング、16…ギアピース(第2の回転体)、17…スリーブ、21…戻しスプリング、22…スナップリング、81…入力軸、82…メインドライブギア、83…カウンタドライブギア、84…カウンタシャフト、84a〜84c…カウンタギア、85…出力軸、87a〜87c…同期装置、88…5速ギア、89…カウンタギア、90…ギアピース。

Claims (7)

  1. レバーからの押圧力を受けて軸線方向に変位する同期リングによって互いに対向して相対回転する第1および第2の回転体同士を同期せしめるレバー型の同期装置を備え、該同期装置による同期動作を経て入出力軸間の駆動連結がなされる変速機において、
    前記同期装置の前記レバーを前記同期リングから離間する方向に付勢する付勢手段を設けた
    ことを特徴とする変速機。
  2. 前記同期リングは前記レバーからの押圧力を受けて前記第2の回転体側に変位するものであり、前記付勢手段は、前記第1の回転体に一体化されるかたちにて前記レバーおよび同期リングの間に介装されて同レバーをその第1の回転体に押しつける弾性体を有して構成される
    請求項1に記載の変速機。
  3. 前記同期リングは前記レバーからの押圧力を受けて前記第2の回転体側に変位するものであり、前記付勢手段は、前記第1の回転体に一体化されるかたちにて該第1の回転体および前記レバーの間に介装されて該レバーをその第1の回転体に引きつける弾性体を有して構成される
    請求項1に記載の変速機。
  4. 前記付勢手段を構成する弾性体が板ばねからなる
    請求項2または3に記載の変速機。
  5. 前記第1および第2の回転体が、それぞれ第1および第2の回転駆動系に駆動連結されるハブおよびギアであり、前記ギアと前記同期リングとは、互いの対向面に設けられた円錐面相互の当接によって発生する摩擦力に基づいてそれら相互の同期がとられる
    請求項1〜4のいずれかに記載の変速機。
  6. 前記同期装置は、前記ハブに外嵌されて前記軸線方向に摺動可能に設けられその摺動動作に基づいて前記レバーと係合しつつこれに前記同期リングに対する押圧力を付与して前記同期動作を行わせしめるとともに該同期動作がなされたのちに前記レバーとの係合が解除されるスリーブをさらに備え、前記レバーは、前記スリーブの摺動動作が前記ギア側および前記ハブ側のいずれの方向になされる場合にあっても前記同期リングを前記ギア側に押圧する反転型レバーとして構成される
    請求項5に記載の変速機。
  7. 前記同期装置は、前記ハブに外嵌されて前記軸線方向に摺動可能に設けられその摺動動作に基づいて前記レバーと係合しつつこれに前記同期リングに対する押圧力を付与して前記同期動作を行わせしめるとともに該同期動作がなされたのちに前記レバーとの係合が解除されるスリーブをさらに備え、前記レバーは、前記スリーブの摺動動作が前記ギア側になされるとき同方向に配置される前記同期リングを前記ギア側に押圧する非反転型レバーとして構成される
    請求項5に記載の変速機。
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