JP2015094406A - 変速機用同期装置 - Google Patents

変速機用同期装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015094406A
JP2015094406A JP2013233264A JP2013233264A JP2015094406A JP 2015094406 A JP2015094406 A JP 2015094406A JP 2013233264 A JP2013233264 A JP 2013233264A JP 2013233264 A JP2013233264 A JP 2013233264A JP 2015094406 A JP2015094406 A JP 2015094406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lever member
hub
sleeve
synchronization
pressure receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013233264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6204156B2 (ja
Inventor
平岩 一美
Kazumi Hiraiwa
一美 平岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fine Mec KK
Original Assignee
Fine Mec KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fine Mec KK filed Critical Fine Mec KK
Priority to JP2013233264A priority Critical patent/JP6204156B2/ja
Priority to FR1460753A priority patent/FR3013091B1/fr
Publication of JP2015094406A publication Critical patent/JP2015094406A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6204156B2 publication Critical patent/JP6204156B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/04Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
    • F16D23/06Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

【課題】レバー部材の梃子作用で同期荷重を増大可能な同期装置において、摩擦トルクによる梃子比の減殺を少なくする。【解決手段】スリーブ20の軸方向の移動による押圧力をレバー部材24の梃子作用で同期リング22の受圧面22cに伝達可能で、板状のレバー部材24であって、レバー部材24が摩擦トルクを受ける接点を、この接点とハブ12との間の支点との軸方向距離がレバー部材24の板厚tより小さくなる距離でハブ側となる位置に設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用変速機の変速操作(ギヤ切り替え)時に、スリーブの押圧力を、レバー部材による梃子作用で増幅して同期リングに伝えることが可能な同期装置に関するものである。
従来、この種の変速機用同期装置としては、変速ギヤに圧接可能な同期リングとハブおよびスリーブとの間にレバー部材を設けて、変速ギヤへ向かうスリーブの押圧力を梃子作用で増幅して同期リングに伝えて、同期性能(同期トルク)を向上させることに貢献している(たとえば、特許文献1参照)。
この場合、変速ギヤとの同期作用が終了するまでの間は、同期リングの摩擦トルクでレバー部材が径方向外側へ押し広げられることによって、スリーブの進行を阻止するようになっている。
同期作用が終了すると同期リングの摩擦トルクによる阻止力がなくなるので、スリーブは内側のスプラインに形成した斜面により、レバー部材を径方向内側へ押し込みながら変速ギヤに向かって進行し、シフト操作を完了させる。
特許第3699775号公報
上記従来の同期装置(特許文献1)にあっては、同期リングの摩擦トルクでスリーブの進行を阻止する際に、レバー部材に同期リングから作用する径方向外側へ押し広げる力が、レバー部材の梃子作用に不利に働き、梃子比が実質的に小さくなって同期性能の向上が十分に得られないという問題があった。
すなわち、図20を参照しながら上記従来の同期装置の作動と、その問題を説明する。
図20は、レバー部材を有する同期装置の要部拡大断面であり、これらの回転中心軸より上側のみを、同期作用中の状態で描いている。スリーブ20は同期作用において力点となる接点Wにてレバー部材24をF1(図中に記載せず)の力で軸方向右側へ押圧する。レバー部材24は、ハブ12との接点Xを支点として、同期リング22との接点Yを作用点とする梃子作用によりスリーブ20からの押圧力を増大してF2(図中に記載せず)の力で同期リング24を右側へ押す。これにより同期リング22は図示しない変速ギヤに押しつけられて同期作用を行う。
このとき、同期作用を成立させるため、同期リング22の突起22cは上記変速ギヤとの間の摩擦トルクをレバー部材24との接点Zにて、レバー部材24を径方向外側へF3(図中に記載せず)の力で押し広げる。
これらの力関係を整理すると、梃子比は、上記の支点Xから作用点Yまでの距離をL1、支点Xから力点Wまでの距離をL2とすると、L2/L1であるが、実際は上記のF2によるモーメントが上記梃子作用の方向とは逆方向に働くことにより梃子比が減殺される。
つまり、F2によりレバー部材24に働くモーメントから、実際の同期リング22を押圧する力は以下となる。すなわち、接点Zと接点Xとの間の軸方向距離をL3とすると、
F3=F1・L2/L1−F2・L3
この、梃子比の減殺が無視できない値であることが従来の同期装置の問題である。
解決しようとする問題点は、同期リングの摩擦トルクでスリーブの進行を阻止する際に、レバー部材を径方向外側へ押し広げる力が梃子作用に不利に働き、同期性能が実質的に低くなるという点である。
本発明の目的は、同期リングの摩擦トルクでレバー部材が径方向外側へ押し広げられても、レバー部材の梃子作用に不利になる度合いを減らして、同期性能を向上すことにある。
本発明の変速機用同期装置は、動力を伝える軸と、該軸に固定されたハブと、斜面を有する内スプラインが内周に形成され、ハブに軸方向に摺動可能に支持されたスリーブと、該スリーブが係合可能なスプライン歯と円錐面がハブ側に一体的に設けられ、ハブの軸方向に隣接して配置された変速ギヤと、該変速ギヤの円錐面に圧接可能な摩擦面が形成され、ハブ側に軸方向の突起と受圧面とが複数形成された同期リングと、スリーブとハブと同期リングとの間に配置され、頂部がスリーブの斜面に当接して力点となり、径方向内側端部近傍とハブとの接点を支点として、押圧面と同期リングの受圧面との接点を作用点として、スリーブの軸方向の移動による押圧力を梃子作用で受圧面に伝達可能で、同期リングの突起から摩擦トルクを受けることが可能な受圧部を有する、板状のレバー部材とを備え、受圧部の摩擦トルクを受ける突起との接点を、この接点と支点との軸方向距離が、レバー部材の板厚tより小さくなる距離で、ハブ側となる位置に設けたことを特徴とする。
本発明の変速機用同期装置は、同期リングの摩擦トルクによる同期性能の低下を低減することで、同期性能を向上させることが可能になり、ドライバーの操作力低減や操作感の向上が期待できる。
特に、レバー部材の径方向寸法が小さい場合に効果が大きく、小型車において、一般にマルチコーンと呼ばれる摩擦面を複数備えた同期装置を用いないで済むので、同期装置のコスト低減に貢献できる。
本発明の実施例1に係る変速機用同期装置の要部の断面図である。 ハブにセットしたレバー部材とスプリングと同期リングの一部断面を含む外観図である。 同期中の梃子作用を説明する作動図である。 実施例1のレバー部材と同期リングのトルク受け部の、他の形状を示す図である。 実施例1のレバー部材と同期リングのトルク受け部の、他の形状を示す図である。 本発明の実施例2に係る変速機用同期装置の要部の断面図である。 ハブにセットしたレバー部材とスプリングと同期リングの一部断面を含む外観図である。 ハブの正面外観図である。 ハブの断面図である。 スリーブの断面図である。 同期リングの正面外観図である。 同期リングの断面図である。 レバー部材の正面外観図と斜視外観図である。 レバー部材の断面図である。 スプリングの正面外観図である。 スプリングの上面外観図である。 スプリングの断面図である。 同期中の梃子作用を説明する作動図である。 本発明の実施例3に係る変速機用同期装置のレバー部材とスプリングの正面外観図および斜視外観図である。 従来の同期装置における問題を説明するための作動図である。
以下、本発明の実施の形態に係る変速機用同期装置を、実施例に基づき図とともに説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る変速機用同期装置の主要部の断面図であって、図2におけるA−O−A線に相当する部分の断面を表している。図2は、図1において出力軸10と後進ギヤ8とスリーブ20を取り去って右側(後進ギヤ8側)から見た外観図であり、同期リング22は突起22cの断面のみを描いている。
また、図3は、レバー部材24の梃子作用を説明する図であって、レバー部材24と当接するスリーブ20、ハブ12、同期リング22の断面を、図2におけるA−B−C線に沿ってスプリング26を除いて、拡大して描いている。
出力軸10は図示しない差動装置を介して車輪に連結されている。
該出力軸10には、左側外周にスプライン10aが形成され、出力軸10に装着されたスナップリング10bとともにハブ12が一体的に固定されている。
出力軸10はスプライン10aの右側に支持部10cと鍔部10dとが形成され、ハブ12のボス12aと鍔部10dとの間の支持部10cには、ベアリング14に支持された後進ギヤ8が回転自在に設けられている。
後進ギヤ8は、図示しない入力軸に連動して回転するアイドラギヤと常時噛み合っており、入力軸は図示しないエンジンからの動力を受け入れ可能である。
後進ギヤ8には、スプライン歯8aが一体になっており、そのハブ12側には円錐面8bが形成されている。
ハブ12は、ボス12aの外側にフランジ部12bが形成され、その外周に外スプライン12cが形成された環状部12dを有し、環状部12dからフランジ部12bにかけて、2カ所の切り欠き12eを形成し、切り欠き12eの回転方向両側にガイド面12fを形成している。フランジ部12bにはさらに切り欠き12eと90°回転位相がずれた位置に2カ所の窪み12gが形成されており、図3に示すように窪み12gはエッジ12hを形成している。該エッジ12hは後述するレバー部材24との間で梃子作用における支点を構成する。
図1に示すように、ハブ12の外側にはスリーブ20が設けられ、この内周面に形成した内スプライン20aがハブ12の外スプライン12cと軸方向に摺動可能に常時嵌合している。スリーブ20は、後述する後進への変速操作終了時には図1中右側へ移動して、内スプライン20aが後進ギヤ8のスプライン歯8aと係合する。
内スプライン20aの後進ギヤ8側端部にはチャンファ20bが形成されている。
また、内スプライン20aには、ハブ12の切り欠き12eに対応する位置に切り欠き20cが、その端部には斜面20dが形成されている。
図3に示すように斜面20dは、後述する同期作用においてレバー部材24の頂部24aを軸方向に押圧し、押圧する接点は梃子作用における力点を構成する。
スリーブ20の外周にはフォーク溝20eが形成され、図示しないシフトフォークがフォーク溝20eに係合して、スリーブ20を図1において軸方向右側へ移動させることができるようになっている。
すなわち図1は中立状態にあるが、シフトフォークによりスリーブ20を、後進へ変速操作する場合は同図中右側へ移動させるようになっている。
図1に示すように、後進ギヤ8とハブ12の間には同期リング22が設けてある。
図1、図2に示すように、同期リング22の内側には後進ギヤ8の円錐面8bに対応した円錐状の摩擦面22aが形成され、ハブ12側には受圧面22bが形成されるとともに、ハブ12の窪み12fに対応する位置2カ所に突起22cが形成されている。
該突起22cは、後述する同期作用において2個のレバー部材24を径方向外側へ押圧する。
また、図3に示すように、受圧面22bは、後述する同期作用において、レバー部材24から軸方向に押圧され、押圧される接点Yは梃子作用における作用点を構成する。
図1に示すように、同期リング22とハブ12とスリーブ20との間には、2個のレバー部材24が挟まれるように設けてある。
レバー部材24は、図3に示すように図2のA−B−C線に沿って見ると板厚tの板状であり、図2に示すように正面から見て円弧形状をしている。2個のレバー部材24は、その両端に形成したトルク受け部24aで、同期リング22の突起22cを挟むように配置されている。
なお、図2は同期リング24が回転方向に中立の状態を示しており、レバー部材24と突起22cとの間には回転方向に4カ所の隙間Eが空いている。つまり、同期リング24はレバー部材24やハブ12に対して隙間Eに相当する角度だけ左右に相対回転可能である。
また、トルク受け部24aは、図3に見るように軸に対して角度δの斜面に成形されており、ハブ12側にエッジ24jを形成している。
そのため、後述する同期作用において同期リング22の突起22cから摩擦トルクを受ける際に、その力はトルク受け部24aのエッジ24jに作用する。
なお、エッジ24jには鋭角除去のため若干の丸みを持たせてもよい。
そして、図3に示すようにハブ12側は背面24bを形成し、前述のハブ12と接して梃子作用の支点を構成する。
レバー部材24は、図2の正面中央部にハブ12の切り欠き12eに対応した頂部24cが形成され、その回転方向両側に形成した側面24dはハブ12のガイド面12gに対応している。すなわち、レバー部材24はガイド面12fに沿って径方向内側への移動と、後述する梃子作用の揺動が可能になっている。
レバー部材24は図3に見るように、頂部24aのハブ12側には斜面24eが形成され、スリーブ20の斜面20dが斜面24eとの接点Wにて軸方向に押圧可能になっている。
また、同期リング22側にはその受圧面22bに対応した作用面24fが形成されている。作用面24fは、後述の同期作用において受圧面22bを押す際に、レバー部材24が傾いても後述する梃子比が変化しないように、曲面を形成している。
レバー部材24は、前述したように当接する相手のスリーブ20、ハブ12、同期リング22との間の接点が、それぞれ梃子作用の力点、支点、作用点を構成している。
レバー部材24の径方向内側にはスプリング26がセットされている。スプリング26は板バネであり、図2に見るようにCの字形状をしていて、2個のレバー部材24を径方向外側へ押し広げている。
次に、図1に示した同期装置の作動を、出力軸1が停止していて、後進ギヤ8が図1の右側から見て時計回りに回転している状態における、中立から後進への変速操作について説明する。
図1において、図示しないシフトフォークがスリーブ20を後進ギヤ8側へ移動させる。すると、スリーブ20の斜面20dが、レバー部材24の斜面24eに当接して軸方向に押圧する。
前述のように、レバー部材24はスプリング26により径方向外側へ押圧されているので、スリーブ20の斜面20dに押されても直ちに径方向内側へ移動せずに、頂部24aは後進ギヤ8側へ傾くように揺動する。そして、作用面24fが同期リング22の受圧面22bを軸方向に押圧し、押された同期リング22は摩擦面22aが後進ギヤ8の円錐面8bに押しつけられる。
出力軸10と後進ギヤ8との間に回転速度差があるので、摩擦面22aと円錐面8bとの間で摩擦が生じて、その摩擦トルクにより同期リング22は、前述の隙間Eを詰めるように図2において時計回りに回転して、ハブ12およびレバー部材24に対して相対回転する。
すなわち、同期リング22に作用する摩擦トルクは突起22cからレバー部材24のトルク受け部24aに作用して、レバー部材24を径方向外側へ押し広げるように押圧する。
図3は、突起22cがトルク受け部24aに接してこれを径方向外側へ押圧している状態を示している。詳細には、トルク受け部24aはδの角度を有した斜面であるので、そのハブ12側端部の接点Zにて突起22cが接して摩擦トルクを伝える。
スリーブ20がレバー部材24の頂部24cを軸方向にF1という力で押圧すると、レバー部材24は梃子作用でその押圧力を増大して同期リング22を押圧する。
図3は、梃子作用を説明する図であり、前述したように、斜面24eの外径側端部と斜面20dとの接点Wが力点、作用面24eと受圧面22bとの接点Yが作用点、背面24bとエッジ12hの接点Xが支点の、梃子作用を示している。
すなわち、支点から作用点までの距離をL1、支点から力点までの距離をL2とした場合、梃子比はL2/L1であり、レバー部材24が同期リング22を押す力は、F1・L2/L1である。
このとき、摩擦面22aと円錐面8bとの間の摩擦トルクにより、前述のように突起22cがレバー部材24のトルク受け部24aを径方向外側へ押圧する。
この外側への押圧力が、スリーブ20の斜面20dによりレバー部材24が径方向内側へ押圧される力よりも大きくなるように、摩擦面22aと円錐面2bの角度、斜面20dの傾斜角を設定しておく。
このように設定しておくことにより、摩擦面22aと円錐面2bとの間に摩擦トルクがある限り、スリーブ20はレバー部材24を径方向内側へ押し込んで後進ギヤ8側へ進行することができない。
したがって、出力軸1と後進ギヤ8との間に回転速度差がある間は、スリーブ20はレバー部材24を介した梃子作用で同期リング22を押圧し続ける。この結果、摩擦面22aと円錐面2bとの間の摩擦トルクによる同期作用が行われる。
この同期作用により、やがて出力軸1と後進ギヤ8との間に回転速度差がなくなると、摩擦面22aと円錐面2bとの摩擦トルクが消滅する。
摩擦トルクが消滅すると、スリーブ20はその斜面20dで、スプリング26の張力に抗してレバー部材24を径方向内側へ押し込んで、同期リング22と後進ギヤ8を回転させながら、後進ギヤ8側への進行が可能になる。
この時点で同期作用は終了して、スリーブ20はレバー部材24を径方向内側へ押し込みながら右側へ移動して後進ギヤ8のスプライン8aと噛み合って、後進への変速操作が終了する。
ここで、従来の同期装置と梃子比の比較を説明する。
従来例は、摩擦トルクにより突起22cがレバー部材24のトルク受け部24aを径方向外側へ押圧する力が、梃子比を減ずる比率が高い。
しかし、本実施例にあっては、レバー部材24のトルク受け部24aに角度δの斜面を形成したため、突起22cとレバー部材24との接点Zと上記した支点Xとの軸方向距離L3(図20参照)を小さくできる。例えば、前述のエッジ部24bに鋭角除去のために若干の丸みや面取りを形成してもL3は殆ど0といっていいくらいにすることができる。
このため、梃子比を減ずる比率を大幅に小さくできるので、従来例に比べて本実施例の実質的な梃子比が大きくなり、同期性能がそれだけ向上することになる。
特に、従来の一般的なボーグ・ワーナー型と呼ばれる同期装置に比べて、レバー部材24を用いて梃子比で同期能力を向上しているので、F2の値が元々大きいため、支点から接点Zまでの距離L3の影響も大きくなるので、その分、本実施例は同期能力が一層増大する。
これは、レバー部材24のトルク受け部24aとの接点位置をレバー部材24のハブ12側端部近傍にしたためである。すなわち、板厚t(板厚tは、レバー部材24の強度および剛性上必要な厚さ)のレバー部材24にあっては、従来は上記のL3の値がtにほぼ等しかったが、本実施例にあってはL3を容易に、たとえばtの1/2以下の値にできる。
上記では、レバー部材24のトルク受け部24aを斜面として説明したが、単なる斜面に限ることなく突起22cとトルク受け部24aの接点が従来例よりも支点寄りになっていれば効果を出すことができるし、距離L3を負の値にできれば一層の性能向上が可能である。
すなわち、図4のようにトルク受け部24aを曲面に成形して、同期リング22の突起部22cとの接点Zと支点Xとの軸方向距離が板厚tの1/2以下にしてもいいし、図5に示すように同期リング22の突起部22cに切り欠き22dを形成して、トルク受け部24aとの接点Zが軸方向に上記の支点に近づくようにしてもよい。
むろん、これらはトルク受け部24aと突起部22cのいずれか一方に形成すればよく、両者の接点位置が軸方向で支点に近くなるのであれば、その形状は図示に限るものではない。
このように、本発明の実施例1に係る変速機用同期装置によれば、同期能力を従来よりも大きくすることが可能である。
次に、本発明の実施例2の変速機用同期装置につき説明する。
図6は、実施例1の図1に相当する断面図であり、図7は実施例1の図2に相当する外観図である。なお、図7において、スプリング26は図の上側のみ描いてある。
また、図6の右側から見たハブ12の正面外観を図8に、図8におけるF−O−Fの断面を図9に示す。スリーブ20の断面は図10に、図11にはハブ12側から見た同期リング22の正面外観と、図11におけるJ−O−Jの断面を図12に、それぞれ示す。
そして、1速ギヤ16、2速ギヤ18側から見たレバー部材24の正面外観を図13に、図13の中央断面を図14に、1速ギヤ16、2速ギヤ18側から見たスプリング26の正面外観を図15に、図15の上方から見た外観を図16に、図16のK−Kにおける断面を図17に、それぞれ示す。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
実施例2における実施例1との違いは、ハブ12の軸方向両側に変速ギヤとしての1速ギヤ16と2速ギヤ18が配置してあり、これに関連して、レバー部材24が小型になっていてハブ12の軸方向両側に配置され、また同様に同期リング22も1速ギヤ16側と2速ギヤ18側にそれぞれ設けている。また、2速ギヤ18の内側にはベアリング14とともに出力軸10と一体のブッシュ10eを備えている。
ハブ12は、図8、図9に示すように、フランジ部12bの1速ギヤ16側と2速ギヤ18側にそれぞれ2箇所の切り欠き12eとこれにつながる凹部12iとを形成してあり、これらの2の切り欠き12eと凹部12jとは、1速ギヤ16側と2速ギヤ18側とで回転方向に位相を90°ずらして配置してある。
また、凹部12iの回転方向両側には、後述するようにレバー部材24をガイドするための第2ガイド面12jが形成してある。
凹部12iの径方向内側には、それぞれ4箇所の支点面12kが形成してあり、該支点面12kは凹部12iより軸方向深さを浅くしてある。
スリーブ20は図10に示すように、ハブ12の切り欠き12eに対応する位置の内スプライン20aに切り欠き20cと斜面20dが、1速ギヤ16側と2速ギヤ18側にそれぞれ2箇所形成してある。
同期リング22のハブ12側には、受圧面22bが形成されるとともに、ハブ12の凹部12iに対応する位置2カ所に各2個の突起22cが形成されており、各2個の中心側には角度αを有する斜面22eが形成されている。該斜面22eは後述する同期作用においてレバー部材24を径方向外側へ押圧する。
なお、斜面22eは平面と限らず、大きな半径の曲面であってもよい。
レバー部材24は、図13、図14に示すように、正面中央部に形成された頂部24cの両側に腕24gを有しており、腕24gはハブ12の凹部12iに対応した形状になっていて、腕24gの両端にはスライド面24hが形成され、スライド面24hはハブ12の第2ガイド面12jに対応した形状をしている。
したがってレバー部材24は、側面24dとスライド面24hが、ハブ12の第1ガイド面12fと第2ガイド面12hにガイドされて、ハブ12に対して径方向の移動と軸方向の移動および揺動とが可能になっている。
頂部24cのハブ12側に斜面24eが形成され、この径方向外側が前述のスリーブ20の斜面20dと接して、後述する梃子作用の力点を構成する。
そして、腕24gの両端にはレバー部材24を形成する板材を、一部切り欠いたように段差を有して支点面24iが形成されている。支点面24iの径方向内側のエッジ24jが、後述する同期作用においてハブ12の支点面12kと接して梃子作用の支点を構成する。
正面中央には作用面24fが同期リング22側に突き出した形状に成形されている。作用面24fと同期リング24の受圧面22bとの接点が後述する梃子作用の作用点を構成する。
また、頂部24cの正面両側にそれぞれトルク受け部24aが形成され、前述の同期リング22の突起22cの斜面22eに対応している。すなわち、後述するように同期作用において、同期リング22に作用する摩擦トルクが突起22cからトルク受け部24aに伝えられ、レバー部材24を径方向外側へ押し広げる。
このため、トルク受け部24aは側面24dに対して角度βを有しており、さらに実施例1で説明したのと同様に、図13の矢視Gに示すように角度δをもって形成されている。
さらに、レバー部材24の中央径方向内側に、後述するスプリング26が引っかかるラグ24kが形成されている。
スプリング26は、図15、図16、図17に示すように、薄い板材を成形したものであり、各図はセット状態における形状を表している。
図に見るように、中央部のハブ12側先端を曲げて成形した座面26aを中心に左右対称になっており、座面26aはハブ12のボス部12aに接して、後述する同期作用においてスプリング26がレバー部材24とともに揺動可能にしている。
正面から見て座面26aに繋がって両側にU字形状に曲げた弾性部26bと、その上側中央先端から径方向外側へ曲げて伸びた腕部26cが形成され、さらにその先端を曲げて形成した押圧部26dを備えている。押圧部26dは前述のレバー部材24のトルク受け部24に接して、これを径方向外側へ押圧するとともに、トルク受け部24と同期リング22の突起22cに挟まれるようになっている。
したがって、実施例1で説明した隙間Eは、図7の上側のように押圧部26dと同期リング22の突起22cとの間である。
また、同期リング22に作用する摩擦トルクは突起22cから押圧部26dを介してレバー部材24のトルク受け部24へ伝わる。
さらに、弾性部26bの中側両端部からハブ12側へ伸びた舌部26eが形成してあり、この舌部26eをレバー部材24のラグ24kに引っかけて、弾性部26bの弾性力によってレバー部材24にスプリング26を係止させるようになっている。
すなわち、図6、図7のように組み込む前の状態で、レバー部材24とスプリング26とを一体化することができる。
つづいて実施例2の作動を、出力軸1が停止していて、2速ギヤ18が図6の右側から見て反時計回りに回転している状態における、中立から2速への変速操作について説明する。ここでも実施例1と同様のことは省略して説明する。
図6において、図示しないシフトフォークがスリーブ20を2速ギヤ18側へ移動させる。すると、スリーブ20の斜面20dが、レバー部材24の斜面24eに当接して軸方向に押圧し、レバー部材24はスプリング26の張力を得て揺動するように、その作用面24fで同期リング22の受圧面22bを軸方向に押圧し、同期リング22は摩擦面22aが2速ギヤ18の円錐面18bに押しつけられる。
出力軸10と2速ギヤ18との間に回転速度差があるので、摩擦面22aと円錐面18bとの間で摩擦が生じた摩擦トルクにより同期リング22は、前述の隙間Eを詰めるように図7において反時計回りに回転して、ハブ12およびレバー部材24に対して相対回転し、レバー部材24を径方向外側へ押圧する。ここでも、同期リング22の突起22cはスプリング26の押圧部26dを介して、実施例1で説明したのと同様に、レバー部材24のトルク受け部24aの角度δを有したハブ12側の端部に摩擦トルクを伝える。
スリーブ20がレバー部材24の頂部24cを軸方向に押圧すると、レバー部材24は梃子作用でその押圧力を増大して同期リング22を押圧し、実施例1で説明したのと同様に同期作用を行う。
図18は、梃子作用を説明する図であり、ハブ12、スリーブ20、レバー部材24の一部を拡大した断面で描いている。
前述したように、斜面24eの外径側端部と斜面20dとの接点Wが力点、作用面24fと受圧面22bとの接点Yが作用点、支点面12kとエッジ24jの接点Xが支点の、梃子作用を示している。
支点から作用点までの距離をL1、支点から力点までの距離をL2、とした場合、梃子比はL2/L1であるが、実施例1で説明したのと違って、レバー部材24に伝達される摩擦トルクの影響は以下のようになる。
すなわち、摩擦面22aと円錐面18bとの間の摩擦トルクにより、前述のように突起22cがレバー部材24のトルク受け部24aを径方向外側へ押圧する。このトルク伝達点Zが支点Xよりハブ12の中心寄りになっている。すなわち、従来例で説明したL3が負の値である。このため、摩擦トルクの影響で梃子比を増大する方向になる。
これらにより、同期作用が終了すると、スリーブ20はレバー部材24を径方向内側へ押し込みながら左側へ移動して2速ギヤ18のスプライン18aと噛み合って、2速への変速操作が終了する。
実施例2は、摩擦トルクの影響を逆手にとって梃子比を増大することが可能であることが最大の特徴であり、同期性能を高めることができる。
また、それに加えて以下のようなメリットを有する。
すなわち、ハブ12の支点面12kの軸方向深さを凹部12iより浅くしたため、1速ギヤ16側と2速ギヤ18側の支点面12k同士が、軸方向に互いに離れるので、最弱部といえるその部分の厚さが増し、それだけハブ12の強度を確保しやすい。
また、同期リング24の突起22cとレバー部材24のトルク受け部24aとの間にスプリング26の押圧部26dを挟む構成にしたため、レバー部材24が鉄材で同期リング24が銅合金という組み合わせであっても、突起22cが摩耗するという耐久性の面での心配が少ない。そして、この挟む部材をスプリング26の一部としたため、そのために部品点数を増やす必要がない。
さらに、レバー部材24とスプリング26とを組み合わせた状態で一体になるようにしたため、ハブ12とスリーブ20をセットにした状態へのこれらの組み込みが容易というメリットも有する。
次に、本発明の実施例3の変速機用同期装置につき説明する。
ここでは、主に実施例2と異なる部分を中心に説明し、実施例2と実質的に同じ部分については同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
図19は、実施例3のレバー部材24とスプリング26を組み合わせた状態の外観図であり、その矢視Gの外観も示す。
実施例3における実施例2との違いは、図19に示したレバー部材24とスプリング26の一部形状が異なるだけである。
すなわち、レバー部材24のトルク受け部24aには実施例2における角度δを有する斜面を形成しておらず、代わりにスプリング26の押圧部26dのハブ12側先端を曲げて押圧面26fを形成している。
したがって、同期作用において、同期リング24の突起22cは押圧部26dを介して押圧面26fでトルク受け部24aに摩擦トルクを伝達する。図19の矢視Gで分かるように、押圧面26fとトルク受け部24aの接点はスプリング26の板材の厚さしかないので、トルク受け部24aのハブ12側端部を押圧することになる。
つづいて実施例2の作動であるが、上記のように押圧面26fとトルク受け部24aの接点形状が異なるだけで、実施例2で説明したのと同様であるので説明を省略する。
実施例3は、実施例2で説明したのと同様のメリットを有する他に、レバー部材24のトルク受け部24aに角度δの斜面を形成する必要がないので、その製造工法の選択の幅が増えるとともに、製造コストを抑えることができるというメリットを有する。
以上、各実施例につき説明したように、本発明の変速機用同期装置は、摩擦トルクの影響による梃子比の減少を少なくするか、または逆に梃子比を増大させて、従来例より同期性能を向上することができる。
上記の各実施例は、出力軸10側に同期装置を配置した形態で説明したが、これに限ることなく図示しない入力軸側、または他の中間軸等に配置する場合であっても実施可能である。
本発明の変速機用同期装置は、当業者の一般的な知識に基づいて、摩擦面にネジや油溝を形成することや、カーボン材などを貼付するなどの変更を加えた態様で実施することができる。
本発明の変速機用同期装置は、変速操作感の向上と同期装置の小型化を両立させることができるので、低い製造コストを要求される小型乗用車や、高い同期性能と小型軽量化を期待される高性能車など幅広い変速機に適用することができる。
8 後進ギヤ
10 出力軸
12 ハブ
14 ベアリング
16 1速ギヤ
18 2速ギヤ
20 スリーブ
22 同期リング
24 レバー部材
26 スプリング
上記従来の同期装置(特許文献1)にあっては、同期リングの摩擦トルクでスリーブの進行を阻止する際に、レバー部材に同期リングから作用する径方向外側へ押し広げる力が、レバー部材の梃子作用に不利に働き、梃子比が実質的に小さくなって同期性能の向上が十分に得られないという問題があった。
すなわち、図20を参照しながら上記従来の同期装置の作動と、その問題を説明する。
図20は、レバー部材を有する同期装置の要部拡大断面であり、これらの回転中心軸より上側のみを、同期作用中の状態で描いている。スリーブ20は同期作用において力点となる接点Wにてレバー部材24をF1(図中に記載せず)の力で軸方向右側へ押圧する。レバー部材24は、ハブ12との接点Xを支点として、同期リング22との接点Yを作用点とする梃子作用によりスリーブ20からの押圧力を増大してF2(図中に記載せず)の力で同期リング24を右側へ押す。これにより同期リング22は図示しない変速ギヤに押しつけられて同期作用を行う。
このとき、同期作用を成立させるため、同期リング22の突起22cは上記変速ギヤとの間の摩擦トルクをレバー部材24との接点Zにて、レバー部材24を径方向外側へF3(図中に記載せず)の力で押し広げる。
これらの力関係を整理すると、梃子比は、上記の支点Xから作用点Yまでの距離をL1、支点Xから力点Wまでの距離をL2とすると、L2/L1であるが、実際は上記のF2によるモーメントが上記梃子作用の方向とは逆方向に働くことにより梃子比が減殺される。
つまり、F2によりレバー部材24に働くモーメントから、実際の同期リング22を押圧する力は以下となる。すなわち、接点Zと接点Xとの間の軸方向距離をL3とすると、
F3=F1・L2/L1−F2・L3/L1
この、梃子比の減殺が無視できない値であることが従来の同期装置の問題である。
図1に示すように、後進ギヤ8とハブ12の間には同期リング22が設けてある。
図1、図2に示すように、同期リング22の内側には後進ギヤ8の円錐面8bに対応した円錐状の摩擦面22aが形成され、ハブ12側には受圧面22bが形成されるとともに、ハブ12の窪み12に対応する位置2カ所に突起22cが形成されている。
該突起22cは、後述する同期作用において2個のレバー部材24を径方向外側へ押圧する。
また、図3に示すように、受圧面22bは、後述する同期作用において、レバー部材24から軸方向に押圧され、押圧される接点Yは梃子作用における作用点を構成する。
図1に示すように、同期リング22とハブ12とスリーブ20との間には、2個のレバー部材24が挟まれるように設けてある。
レバー部材24は、図3に示すように図2のA−B−C線に沿って見ると板厚tの板状であり、図2に示すように正面から見て円弧形状をしている。2個のレバー部材24は、その両端に形成したトルク受け部24aで、同期リング22の突起22cを挟むように配置されている。
なお、図2は同期リング2が回転方向に中立の状態を示しており、レバー部材24と突起22cとの間には回転方向に4カ所の隙間Eが空いている。つまり、同期リング2はレバー部材24やハブ12に対して隙間Eに相当する角度だけ左右に相対回転可能である。
また、トルク受け部24a(本発明の受圧部に相当)は、図3に見るように軸に対して角度δの斜面に成形されており、ハブ12側にエッジ24jを形成している。
そのため、後述する同期作用において同期リング22の突起22cから摩擦トルクを受ける際に、その力はトルク受け部24aのエッジ24jに作用する。
なお、エッジ24jには鋭角除去のため若干の丸みを持たせてもよい。
そして、図3に示すようにハブ12側は背面24bを形成し、前述のハブ12と接して梃子作用の支点を構成する。
次に、図1に示した同期装置の作動を、出力軸1が停止していて、後進ギヤ8が図1の右側から見て時計回りに回転している状態における、中立から後進への変速操作について説明する。
図1において、図示しないシフトフォークがスリーブ20を後進ギヤ8側へ移動させる。すると、スリーブ20の斜面20dが、レバー部材24の斜面24eに当接して軸方向に押圧する。
このとき、摩擦面22aと円錐面8bとの間の摩擦トルクにより、前述のように突起22cがレバー部材24のトルク受け部24aを径方向外側へ押圧する。
この外側への押圧力が、スリーブ20の斜面20dによりレバー部材24が径方向内側へ押圧される力よりも大きくなるように、摩擦面22aと円錐面2bの角度、斜面20dの傾斜角を設定しておく。
このように設定しておくことにより、摩擦面22aと円錐面2bとの間に摩擦トルクがある限り、スリーブ20はレバー部材24を径方向内側へ押し込んで後進ギヤ8側へ進行することができない。
したがって、出力軸1と後進ギヤ8との間に回転速度差がある間は、スリーブ20はレバー部材24を介した梃子作用で同期リング22を押圧し続ける。この結果、摩擦面22aと円錐面2bとの間の摩擦トルクによる同期作用が行われる。
実施例2における実施例1との違いは、ハブ12の軸方向両側に変速ギヤとしての1速ギヤ16と2速ギヤ18が配置してあり、これに関連して、レバー部材24が小型になっていてハブ12の軸方向両側に配置され、また同様に同期リング22も1速ギヤ16側と2速ギヤ18側にそれぞれ設けている。また、2速ギヤ18の内側にはベアリング14とともに出力軸10と一体のブッシュ10eを備えている。
ハブ12は、図8、図9に示すように、フランジ部12bの1速ギヤ16側と2速ギヤ18側にそれぞれ2箇所の切り欠き12eとこれにつながる凹部12iとを形成してあり、これらの2の切り欠き12eと凹部12とは、1速ギヤ16側と2速ギヤ18側とで回転方向に位相を90°ずらして配置してある。
スプリング26は、図15、図16、図17に示すように、薄い板材を成形したものであり、各図はセット状態における形状を表している。
図に見るように、中央部のハブ12側先端を曲げて成形した座面26aを中心に左右対称になっており、座面26aはハブ12のボス部12aに接して、後述する同期作用においてスプリング26がレバー部材24とともに揺動可能にしている。
正面から見て座面26aに繋がって両側にU字形状に曲げた弾性部26bと、その上側中央先端から径方向外側へ曲げて伸びた腕部26cが形成され、さらにその先端を曲げて形成した押圧部26dを備えている。押圧部26dは前述のレバー部材24のトルク受け部24に接して、これを径方向外側へ押圧するとともに、トルク受け部24と同期リング22の突起22cに挟まれるようになっている。
したがって、実施例1で説明した隙間Eは、図7の上側のように押圧部26dと同期リング22の突起22cとの間である。
つづいて実施例2の作動を、出力軸1が停止していて、2速ギヤ18が図6の右側から見て反時計回りに回転している状態における、中立から2速への変速操作について説明する。ここでも実施例1と同様のことは省略して説明する。
図6において、図示しないシフトフォークがスリーブ20を2速ギヤ18側へ移動させる。すると、スリーブ20の斜面20dが、レバー部材24の斜面24eに当接して軸方向に押圧し、レバー部材24はスプリング26の張力を得て揺動するように、その作用面24fで同期リング22の受圧面22bを軸方向に押圧し、同期リング22は摩擦面22aが2速ギヤ18の円錐面18bに押しつけられる。
また、同期リング2の突起22cとレバー部材24のトルク受け部24aとの間にスプリング26の押圧部26dを挟む構成にしたため、レバー部材24が鉄材で同期リング2が銅合金という組み合わせであっても、突起22cが摩耗するという耐久性の面での心配が少ない。そして、この挟む部材をスプリング26の一部としたため、そのために部品点数を増やす必要がない。
さらに、レバー部材24とスプリング26とを組み合わせた状態で一体になるようにしたため、ハブ12とスリーブ20をセットにした状態へのこれらの組み込みが容易というメリットも有する。
つづいて実施例の作動であるが、上記のように押圧面26fとトルク受け部24aの接点形状が異なるだけで、実施例2で説明したのと同様であるので説明を省略する。

Claims (6)

  1. 動力を伝える軸と、
    該軸に固定されたハブと、
    斜面を有する内スプラインが内周に形成され、前記ハブに軸方向に摺動可能に支持されたスリーブと、
    該スリーブが係合可能なスプライン歯と円錐面が前記ハブ側に一体的に設けられ、前記ハブの軸方向に隣接して配置された変速ギヤと、
    該変速ギヤの前記円錐面に圧接可能な摩擦面が形成され、前記ハブ側に軸方向の突起と受圧面とが複数形成された同期リングと、
    前記スリーブと前記ハブと前記同期リングとの間に配置され、頂部が前記スリーブの前記斜面に当接して力点となり、径方向内側端部近傍と前記ハブとの接点を支点として、押圧面と前記同期リングの前記受圧面との接点を作用点として、前記スリーブの軸方向の移動による押圧力を梃子作用で前記受圧面に伝達可能で、前記同期リングの前記突起から摩擦トルクを受けることが可能な受圧部を有する、板状のレバー部材とを備え、
    前記受圧部の前記摩擦トルクを受ける前記突起との接点は、該接点と前記支点との軸方向距離が、前記レバー部材の板厚tより小さい距離であって、かつ前記ハブ側となる位置に設けたことを特徴とする変速機用同期装置。
  2. 前記突起と前記受圧部の少なくとも一方に斜面または曲面もしくは切り欠きを形成することにより、前記突起と前記受圧部との接点が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の変速機用同期装置。
  3. 前記レバー部材の前記頂部と前記径方向内側端部との間に前記受圧部を形成し、前記レバー部材の径方向内側のハブ側に段差を形成して支点面を設け、該支点面の前記径方向内側のエッジ近傍を前記支点としたことを特徴とする請求項1または2に記載の変速機用同期装置。
  4. 前記突起と前記受圧部の間に板材を挟んだことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の変速機用同期装置。
  5. 前記板材が、前記レバー部材を径方向外側へ押圧するスプリングの押圧部であることを特徴とする請求項4に記載の変速機用同期装置。
  6. 前記板材のハブ側端部を前記受圧部に向けて曲げて端面を形成し、前記突起からのトルクを、前記端面を介して前記受圧部へ伝達することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の変速機用同期装置。
JP2013233264A 2013-11-11 2013-11-11 変速機用同期装置 Expired - Fee Related JP6204156B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013233264A JP6204156B2 (ja) 2013-11-11 2013-11-11 変速機用同期装置
FR1460753A FR3013091B1 (fr) 2013-11-11 2014-11-07 Dispositif de changement de vitesse avec synchroniseur

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013233264A JP6204156B2 (ja) 2013-11-11 2013-11-11 変速機用同期装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015094406A true JP2015094406A (ja) 2015-05-18
JP6204156B2 JP6204156B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=53029167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013233264A Expired - Fee Related JP6204156B2 (ja) 2013-11-11 2013-11-11 変速機用同期装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6204156B2 (ja)
FR (1) FR3013091B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2538077A (en) * 2015-05-05 2016-11-09 Kyowa Metal Works Co Ltd Shift device with synchronizer

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0989002A (ja) * 1995-07-20 1997-03-31 Fine Mec:Kk 変速機の同期装置
JP2002174261A (ja) * 2000-12-04 2002-06-21 Kyowa Metal Work Co Ltd 変速機用同期装置
JP2004044648A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Toyota Motor Corp 変速機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0989002A (ja) * 1995-07-20 1997-03-31 Fine Mec:Kk 変速機の同期装置
JP2002174261A (ja) * 2000-12-04 2002-06-21 Kyowa Metal Work Co Ltd 変速機用同期装置
JP2004044648A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Toyota Motor Corp 変速機

Also Published As

Publication number Publication date
JP6204156B2 (ja) 2017-09-27
FR3013091B1 (fr) 2018-11-23
FR3013091A1 (fr) 2015-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4609796B2 (ja) 変速機用同期装置
JP6218356B2 (ja) 変速機用同期装置
JP4716114B2 (ja) 変速機用同期装置
JP5419624B2 (ja) 変速機用同期装置
JP6190102B2 (ja) 変速機用同期装置
US8020682B2 (en) Synchronizer device
JP6018475B2 (ja) 変速機用同期装置
JP6204156B2 (ja) 変速機用同期装置
JP6183999B2 (ja) 変速機用同期装置
JP2008215600A (ja) 手動変速機の同期噛合装置
US9719565B2 (en) Shift device with synchronizer
JP2009236202A (ja) 変速機用同期装置
JP2008215450A (ja) 変速機の同期装置
CN106195053A (zh) 变速机用同步装置
JP2017101710A (ja) シンクロメッシュ
JP2010096331A (ja) 同期装置
GB2538077A (en) Shift device with synchronizer
JP2004060810A (ja) 歯車変速装置の同期機構及びシンクロナイザリング
PH12013000321A1 (en) Shift device with synchronizer
JP2005256995A (ja) 変速機の同期装置
JP2005201415A (ja) 変速機のシンクロナイザディテント構造
JP2009228814A (ja) 変速機
PH12013000047A1 (en) Shift device with synchronizer
JP2017053396A (ja) 同期噛合装置
JP2012077842A (ja) 変速機の同期装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160930

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170831

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6204156

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees