JP2004042809A - レジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レジスタR1には、風向と流量とを調整するフィン46・50がケース10内に配設される。フィンは、ケース開口10bの開口時に、外周縁46aをケースの背面側に回転させる内側フィン46と、外周縁50aをケースの正面側に回転させる外側フィン50と、を備える。ケース内周面10aは、隆起部45とガイド部34とを備える。隆起部の内周面45aは、ケース開口の閉塞時からフィン間からのエアAの主流の流出時までの間、内側フィンと隆起部との間の隙間Hからのエアの流出を防止可能に、内側フィンの外周縁46aの回転軌跡に沿って形成される。ガイド部34は、ケース開口の閉塞時からフィン間からのエアの主流の流出時までの間、エアをケース10の中心側に案内する。
【選択図】図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風向と風量を調整可能な複数のフィンを備え、かつ、これらのフィンによってケースの開口を閉塞可能としたシャットタイプのレジスタに関し、さらに詳しくは、開口させた際に、複数のフィンの間から、エアの主流を流出させる構成のレジスタに関し、特に、開口の閉塞時から、複数のフィンの間からエアの主流が流出する時までの間の、風切り音や笛吹き音等の騒音や異音の発生を防止可能なレジスタに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
この種のシャットタイプのレジスタR0は、図1A〜1Cに示すように、複数のフィン3・4が、円筒状のケース1に回転可能に保持されるとともに、ケース1の正面側の開口2を閉塞可能に、開口2に沿って並設されて、配設されていた。これらのフィン3・4は、相互に連動させて同方向に回転させることにより、ケース1の開口2を開口させ、かつ、風向と流量とを調整して、ケース1の背面側のダクトDからのエアAを、ケース1の開口2から流出させる構成としていた。
【0003】
また、フィン3は、ケース1の内周面1a側に外周縁3aを接近させ、かつ、ケース1の開口2の開口時に外周縁3aをケース1の背面側に回転移動させる構成の内側フィンとし、フィン4は、ケース1の内周面1aに外周縁4aを接近させ、かつ、ケース1の開口2の開口時に外周縁4aをケース1の正面側に回転移動させる構成の外側フィンとしていた。
【0004】
そして、このレジスタR0では、エアAの流出時、フィン3・4の間から、エアAの主流AMを流出させていた。
【0005】
しかし、従来のレジスタR0では、フィン3・4の開口初期時において、エアAの主流AMが、フィン3・4の間から流出するまでの間、例えば、図1のBに示す状態の時、ダクトDからのエアAの風速が大きいと、風切り音が大きくなって騒音を発生させる場合があった。
【0006】
この風切り音の発生は、内側フィン3の外周縁3a付近を通過するエアAや外側フィン4の外周縁4a付近を通過するエアAが、渦流を発生させることにより、発生していた。特に、ケース1の開口2の正面側の周囲に、円環状の鍔部1bが内周側に突出していると、外周縁3a付近を通過するエアAの渦流が、鍔部1bに干渉して、一層、大きな風切り音等の騒音を発生させていた。
【0007】
また、図1のAと図1のBとの中間付近の状態の時には、ダクトDからのエアAの風速が大きいと、高周波の笛吹き音等の異音を発生させる場合があった。
【0008】
この笛吹き音は、ダクトDからのエアAが、内側フィン3の外周縁3aとケース内周面1aとの間を通過して、渦流を発生させ、その渦流が、鍔部1bと干渉して、発生していた。
【0009】
そして、このような風切り音や笛吹き音等の騒音や異音は、図1のCに示すように、フィン3・4が開口2を開口させて、エアAが、フィン3・4の間から多量に流れて、エアAの主流AMとして、フィン3・4の間から流れるようになれば、収まっていた。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するものであって、エアの主流がフィン間から流れる前の騒音や異音の発生を防止できるレジスタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレジスタは、複数のフィンが、筒状のケースの正面側の開口を閉塞可能に開口に沿って並設されて、相互に連動させて同方向に回転させることにより、ケースの開口を開口させ、かつ、風向と流量とを調整して、ケースの背面側のダクトからのエアを、ケースの開口から流出させる構成として、
エアの流出時、複数のフィンの間から、エアの主流を流出させる構成とし、
複数のフィンが、
ケースの内周面に外周縁を接近させ、かつ、ケースの開口の開口時に外周縁をケースの背面側に回転移動させる構成の内側フィンと、
ケースの内周面に外周縁を接近させ、かつ、ケースの開口の開口時に外周縁をケースの正面側に回転移動させる構成の外側フィンと、
を備えて構成されるレジスタであって、
内側フィンの外周縁付近のケース内周面に、ケースの内周側に隆起する隆起部が形成され、
ケースの開口の閉塞時からフィン間からのエアの主流の流出時までの間、内側フィンの外周縁と隆起部の内周面との間の隙間からのエアの流出を防止可能に、隆起部の内周面が、開口時の内側フィンの外周縁の回転軌跡と略平行に、形成され、
外側フィンの外周縁付近のケース内周面に、外側フィンの外周縁の背面側を覆って、ケースの開口の閉塞時からフィン間からのエアの主流の流出時までの間、ダクトからのエアをケースの中心側に案内可能なガイド部が、形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るレジスタでは、ケースの開口を開口させるように、複数のフィンを連動させて回転させる際、内側フィンの外周縁が、ケースの背面側に回転移動して、ケースの内周面から離れようとし、また、外側フィンの外周縁が、ケースの正面側に回転移動して、ケースの内周面から離れようとする。
【0013】
しかし、内側フィン側では、ケースの内周面に設けられた隆起部が、その内周面を、開口時の内側フィンの外周縁の回転軌跡と略平行に、形成させて、フィン間からのエアの主流の流出時まで、内側フィンの外周縁と隆起部の内周面との間の隙間からのエアの流出を防止可能としている。
【0014】
また、外側フィン側では、ケースの内周面に設けられたガイド部により、ケースの開口の閉塞時からフィン間からのエアの主流の流出時までの間、ダクトからのエアをケースの中心側に案内することから、外側フィンの外周縁とケース内周面との間からのエアの流出を、極力、防止することができる。
【0015】
そのため、フィン間からのエアの主流の流出時まで、内側フィンの外周縁付近のエアが、内側フィンの外周縁付近と隆起部の内周面との間を経て、ケースの開口から流出せず、また、ガイド部付近のエアが、外側フィンの外周縁とケース内周面との間を経て、流出することを抑えられて、その結果、ダクトからのエアの風速が大きくとも、風切り音や笛吹き音等の騒音や異音の発生を防止することができる。
【0016】
したがって、本発明に係るレジスタでは、エアの主流がフィン間から流れる前の騒音や異音の発生を、防止することができる。
【0017】
そして、請求項2に記載したように、内側フィンが、外周縁に、隆起部の内周面に沿って背面側に突出する突条を、備えていれば、内側フィンの突条の外周面と隆起部の内周面との間の隙間を、ケースの軸方向に沿って、長く確保することでき、内側フィンの外周縁付近のエアは、フィン間からのエアの主流の流出時まで、一層、内側フィンの外周縁付近と隆起部との間に流入し難くなって、風切り音等の騒音や異音の発生を、安定して防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のレジスタR1は、図2〜4に示すように、二つのフィン46・50が、円筒状のケース10内に保持されて、構成されている。これらフィン46・50は、ケース10の正面側の開口10b(26a)を閉塞可能に開口26aに沿って、すなわち、ケース10の軸方向に直交するように、並設されている。さらに、これらのフィン46・50は、図5・6に示すように、相互に連動させて同方向に回転させることにより、ケース10の開口26aを開口させ、かつ、風向と流量とを調整して、ケース10の背面側のダクトDからのエアAを、ケース10の開口26aから流出させるように、構成されている。
【0019】
ケース10は、図2〜4に示すように、円筒状の外側ケース11と、外側ケース11の周方向に回転可能に、外側ケース11の内側に配置されて、フィン46・50を保持する円筒状の内側ケース30と、を備えて構成されている。さらに、外側ケース11は、ダクトDに接続されるリテーナ12と、リテーナ12に連結されるベゼル26と、から構成されている。内側ケース30は、ベゼル26側に配置されて、一部をレジスタR1の正面側に露出させた補助ベゼル31と、二枚のフィン46・50を回動可能に保持する補助リテーナ37と、を備えて構成されている。
【0020】
なお、これらのリテーナ12、ベゼル26、補助ベゼル26、補助リテーナ37、及び、フィン46・50は、ポリアミドやポリエステル等の合成樹脂から形成されている。
【0021】
また、フィン46・50においては、フィン46が、ケース10の内周面10a(補助リテーナ37の周壁部38の内周面45a)に外周縁46aを接近させ、かつ、ケース10の開口26aの開口時に外周縁46aをケース11の背面側に回転移動させる構成の内側フィンとし、フィン50が、ケース10の内周面10a(補助ベゼル31の周壁部32の内周面34a)に外周縁50aを接近させ、かつ、ケース10の開口26aの開口時に外周縁50aをケース11の正面側に回転移動させる構成の外側フィンとしている。
【0022】
リテーナ12は、円筒状の周壁部13と、レジスタR1の背面側に配置されて周壁部13を塞ぐように配置される底壁部17と、を備えて構成されている。周壁部13の外周面には、ベゼル26の係止環部28を係止するための複数の係止爪14が、形成されるとともに、車両のインストルメントパネル等の部位にレジスタR1を固定するためのブラケット15・15が、突設されている。
【0023】
また、底壁部17は、ダクトDからのエアAを挿通させるための複数の挿通孔17aを配設させて構成され、中央には、内側ケース30を支持する支持軸18が、正面側に突設されている。また、底壁部17における周壁部13との交差部位付近には、周壁部13の内周面の全周に沿うように、凹凸19が形成されている。
【0024】
この凹凸19には、コイルばね24で付勢されたボール23が当接され、フィン46・50を保持した内側ケース30を、外側ケース11の周方向に回転させた際に、凹凸19の凸部の一山を越えるごとに、クリック音を生じさせて、内側ケース30の回転操作時に、節度感を出すために、凹凸19が形成されている。
【0025】
ベゼル26は、正面側に円形の開口26aを配設させた略円筒状(略円環状)に形成されて、正面側の端面26bが、レジスタR1を車両に搭載した際に、インストルメントパネル等から露出する意匠面を構成することとなる。また、ベゼル26の背面側の外周面には、リテーナ12の各係止爪14に内周側の周縁を係止させる係止環28が、配設されている。
【0026】
内側ケース30の補助リテーナ37は、図3・4に示すように、略円筒状の周壁部38を備えて構成され、周壁部38の正面側における対称的な位置には、フィン46・50の支持軸47・51を支持する軸受部39・40が、配設されている。軸受部39は、フィン46・50の片側の支持軸47・51を回転自在に挿入させる軸支孔39a・39aを、配設させている。軸受部40は、フィン46・50の他方側の支持軸47・51を回転自在に挿入させる軸支孔40a・40bを、配設させている。なお、軸支孔40bは、フィン46・50を傾けるように回転させた際のフィン46・50の角度を維持できるように、摩擦抵抗を増加させるために、ブッシュ54を配設させて、支持軸47を挿入させている。
【0027】
また、周壁部38の正面側の外周面には、補助ベゼル31の各係止環35の内周縁を係止する係止爪41が、形成されている。さらに、周壁部38の背面側には、複数の支持杆42に支持されて、周壁部38の中心に配置されるボス部43が、配設されている。ボス部43には、背面側から正面側に凹む挿入孔43aが形成されており、挿入孔43aには、リテーナ12の底壁部17における中央の支持軸18が挿入されている。また、周壁部38の内周には、コイルばね24を挿入させる凹部44が、背面側を開口させて、配設されている。
【0028】
そして、補助リテーナ37の周壁部38の内周面には、内側フィン46の外周縁46a付近に、ケース10の内周側、すなわち、周壁部38の内周側、に隆起する隆起部45が形成されている。この隆起部45は、内周面45aが、内側フィン46の開口時における外周縁46aの回転軌跡と略平行となるように、ケース10の軸方向に沿って円弧状に、形成されている。
【0029】
また、この隆起部45の円弧状の内周面45aにおけるケース10の軸方向に沿う長さL(図6のB参照)は、図5のAから図6のAまでの、開口26aの閉塞状態からフィン46・50の間からのエアAの主流AMの流出時まで、内側フィン46の外周縁46aと隆起部45の内周面45aとの間の隙間HからのエアAの流出を防止可能に、設定されている。実施形態の場合には、長さ寸法Lは8.0mmとしている。また、内側フィン46の外周縁46aと隆起部45の内周面45aとの間の隙間Hの開口寸法W(図6のA参照)は、実施形態の場合、1.0mmとしている。
【0030】
内側ケース30の補助ベゼル31は、図2〜4に示すように、略円筒状の周壁部32を備えて構成され、正面側には、ベゼル26の開口26aから露出させる正面壁部33・33が、配設されている。これらの正面壁部33は、補助リテーナ37の軸受部39・40の正面側を覆う意匠面を構成することとなる。また、周壁部32の背面側の外周面には、補助リテーナ37の各係止爪41に内周縁を係止させる係止環35が、形成されている。
【0031】
この補助ベゼル31の周壁部32は、正面側の端部を、ベゼル26の正面側端部における内周側に突出した鍔部27の背面側に、当接させて、閉塞位置のフィン46・50の外周付近を覆うように配設されることとなる。そして、周壁部32の内周面32aには、閉塞位置の外側フィン50の外周縁50a付近に、ケース10の内周側、すなわち、周壁部32の内周側、に隆起するガイド部34が形成されている。このガイド部34は、ケース10の正面側の内周面34aが、外側フィン50における開口26aの閉塞時における外周縁50aの形状と一致するように、略円弧状に、形成されて、開口閉塞時の外周縁50aの背面側を覆うように、形成されている。そして、ガイド部34におけるケース10の背面側の面が、ダクトDからのエアAをケース10の中心10c(図5のB参照)側に案内可能な案内面34bとしている。ガイド部34における周壁部32の内周面32aからの突出高さh(図3参照)は、ケース10の開口26aの閉塞時からフィン46・50間からのエアAの主流AMの流出時までの間、ダクトDからのエアAをケース10の中心側に案内できる寸法としている。実施形態の場合、高さ寸法hは2.5mmとしている。
【0032】
内側フィン46は、横置きの樽形状の板状として、両側に支持軸47を配設させている。フィン46は、各支持軸47の外方へ突出する軸部47aを、補助リテーナ37の軸受部39・40の軸支孔39a・40bに挿入させて、軸部47a・47aを回転中心として、図5のA・B・図6のA・Bに示すように、回動させて、ベゼル26の開口26aを開閉できるように、構成されている。なお、軸支孔40b側には、既述したように、ブッシュ54が介在されることとなる。
【0033】
また、内側フィン46には、背面側に、リンク56を連結させるための連結杆部48が、突設され、連結杆部48の軸部48aが、リンク56の連結孔56aに回動可能に、挿入されている。
【0034】
そして、内側フィン46は、外周縁46aに背面側に突出する突条49を備え、突条49の外周面49aは、ケース10の軸方向に沿って、開口26aの開口時に隆起部45の内周面45aに沿うように、円弧状に形成されている。
【0035】
外側フィン50は、先細りの両端を切除した三日月板状として、両側に支持軸51を配設させており、各支持軸51の外方へ突出する軸部51aを、補助リテーナ37の軸受部39・40の軸支孔39a・40aに挿入させて、軸部51a・51aを回転中心として、図5のA・B・図6のA・Bに示すように、回動させて、ベゼル26の開口26aを開閉できるように、構成されている。
【0036】
また、このフィン50も、背面側に、リンク56を連結させるための連結杆部52が、突設され、連結杆部52の軸部52aを、リンク56の連結孔56bに回動可能に、挿入させている。
【0037】
そして、フィン50は、ベゼル26の開口26aを閉塞するように、配置させた際、外周縁50aと反対側の、フィン46側の端部に、フィン46の端部46bの背面側を覆えるように、カバー部50bが、フィン46の外周縁46a側にヒレ状に延びて、形成されている。このカバー部50bにより、開口26aの閉塞時に、レジスタR1は、フィン46・50間からのエアAの流出を、的確に防止することとなる。
【0038】
なお、カバー部50bには、フィン50を全開位置付近まで開いた際に(図6のB参照)、リンク56と干渉しないように、凹溝50cが形成されている。また、連結杆部52は、カバー部50bから突設されている。
【0039】
このレジスタR1の組み立てについて説明すると、まず、各連結杆部48・52の軸部48a・52aを連結孔56a・56bに挿入させて、フィン46・50にリンク56を連結させる。ついで、各支持軸47・51の軸部47a・51aを、対応する軸受部39・40の軸支孔39a・40a・40bに、挿入させて、フィン46・50を補助リテーナ37に組み付ける。なお、軸支孔40bに挿入される軸部47aには、ブッシュ54を嵌めておく。
【0040】
そして、各係止環35の内周縁に係止爪41を係止させつつ、補助リテーナ37の正面側に、補助ベゼル31を組み付けて、フィン46・50を保持した内側ケース30を組み立てる。
【0041】
ついで、補助リテーナ37の凹部44に、コイルばね24とボール23とを挿入させ、その状態で、ボール23に凹凸19を当てるとともに、ボス部43の支持孔43a内に支持軸18を挿入させて、補助リテーナ37の背面側に、リテーナ12を配置させる。
【0042】
そして、各係止環28の内周縁に係止爪14を係止させつつ、内側ケース30の正面側にベゼル26を組み付ければ、レジスタR1の組立作業を完了させることができる。
【0043】
その後、外側ケース11の背面側をダクトDに挿入しつつ、ブラケット15・15を車両の所定部位に組み付ければ、レジスタR1を車両に搭載することができる。なお、図3に示す符号21の部材は、クッション材等からなるシール材である。
【0044】
そして、実施形態のレジスタR1では、使用時、指等により、内側フィン46の外周縁46a付近を背面側に押せば、図5・6のA・Bに示すように、リンク56により連動するフィン50とともに、フィン46・50が、軸部47a・51aを回転中心として回転し、ベゼル26の開口26aを広く開口させて、ダクトDからのエアAの風量調整と、そのフィン46・50の角度に応じたエアAの風向調整と、を行なうことができる。この時、図6のA程度まで、フィン46・50が傾くように回転すれば、フィン46・50の間から、ダクトDからのエアAの主流AMが、フィン46・50の傾斜に応じて、風向を調整されて、流出されることとなる。
【0045】
また、図7のA・Bに示すように、外側ケース11に対して、フィン46・50を摘むようにして、フィン46・50ごと内側ケース30を、外側ケース11の周方向に回転させれば、フィン46・50の傾斜の向きが変わることから、エアAの主流AMの風向調整を行なうことができる。
【0046】
そして、実施形態のレジスタR1では、図5のA・Bに示すように、ケース10(ベゼル26)の開口26aを開口させるように、内側・外側フィン46・50を連動させて回転させる際、内側フィン46の外周縁46aが、ケース10の背面側に回転移動して、ケース10の内周面10a(補助リテーナ37の周壁部38の内周面45a)から離れようとし、また、外側フィン50の外周縁50aが、ケース10の正面側に回転移動して、ケース10の内周面10a(補助ベゼル31の内周面34a)から離れようとする。
【0047】
しかし、内側フィン46側では、ケース10の内周面10aに設けられた隆起部45が、その内周面45aを、開口時の内側フィン46の外周縁46aの回転軌跡と略平行に、形成させて、フィン46・50間からのエアAの主流AMの流出時まで、内側フィン46の外周縁46aと隆起部45の内周面45aとの間の隙間HからのエアAの流出を防止可能としている。
【0048】
また、外側フィン50側では、ケース10の内周面10a(補助ベゼル31の周壁部32の内周面32a)に設けられたガイド部34の案内面34bにより、ケース10の開口26aの閉塞時からフィン46・50間からのエアAの主流AMの流出時までの間、ダクトDからのエアAをケース10の中心10c側に案内することから、外側フィン50の外周縁50aとケース内周面10a(ガイド部34の内周面34a)との間からのエアAの流出を、極力、防止することができる。
【0049】
そのため、フィン46・50間からのエアAの主流AMの流出時まで、内側フィン46の外周縁46a付近のエアAが、内側フィン46の外周縁46a付近と隆起部45の内周面45aとの間Hを経て、ケース10の開口26aから流出せず、また、ガイド部34付近のエアAが、外側フィン50の外周縁50aとガイド部34の内周面34aとの間を経て、流出することを抑えられて、その結果、ダクトDからのエアAの風速が大きくとも、風切り音や笛吹き音等の騒音や異音の発生を防止することができる。
【0050】
したがって、実施形態のレジスタR1では、エアAの主流AMがフィン46・50間から流れる前の騒音や異音の発生を、防止することができる。
【0051】
さらに、実施形態では、内側フィン46が、外周縁46aに、隆起部45の内周面45aに沿う外周面49aを有して、背面側に突出する突条49を、備えている。そのため、開口初期時に、内側フィン46の突条49の外周面49aと隆起部45の内周面45aとの間の隙間Hを、ケース10の軸方向に沿って、長く確保することできる。その結果、内側フィン46の外周縁46a付近のエアAは、フィン46・50間からのエアAの主流AMの流出時まで、一層、内側フィン46の外周縁46a付近と隆起部45との間に流入し難くなって、風切り音等の騒音や異音の発生を、安定して防止することができる。
【0052】
なお、実施形態では、内側フィン46と外側フィン50との二枚のフィンのシャットレジスタR1を例示した。しかし、内側フィン46と外側フィン50との間に、フィン46・50とともに開口26aに沿って並設されて、相互に連動させて同方向に回転させることにより、ケース10の開口26aを開口可能に、内側フィン46と外側フィン50との間に、一枚、あるいは、二枚以上のフィンを配設させたシャットタイプのレジスタに、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレジスタの使用状態を示す断面図であり、順に、開口を広げるように、フィンを回転させた状態を示す。
【図2】本発明に係る一実施形態のレジスタの正面図である。
【図3】同実施形態のレジスタの使用状態を示す断面図である。
【図4】同実施形態のレジスタの分解斜視図である。
【図5】同実施形態のレジスタにおける開口の閉塞時付近を示す断面図であり、順次、開口を広げるように、フィンを回転させた状態を示す。
【図6】図5に示す状態より、さらに、開口を広げるように、順次、フィンを回転させた状態を示すレジスタの断面図である。
【図7】同実施形態のレジスタにおいて、フィンを保持した内側ケースを外側ケースに対して回転させた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1・10…ケース、
2・10b・26a…開口、
3・46…内側フィン、
3a・46a…(内側フィンの)外周縁、
4・50…外側フィン、
4a・50a…(外側フィンの)外周縁、
34…ガイド部、
45…隆起部、
45a…(隆起部の)内周面、
49…突条、
D…ダクト、
A…エア、
AM…(エアの)主流、
R0・R1…レジスタ。
Claims (2)
- 複数のフィンが、筒状のケースの正面側の開口を閉塞可能に前記開口に沿って並設されて、相互に連動させて同方向に回転させることにより、前記ケースの開口を開口させ、かつ、風向と流量とを調整して、前記ケースの背面側のダクトからのエアを、前記ケースの開口から流出させる構成として、
前記エアの流出時、複数の前記フィンの間から、前記エアの主流を流出させる構成とし、
複数の前記フィンが、
前記ケースの内周面に外周縁を接近させ、かつ、前記ケースの開口の開口時に前記外周縁を前記ケースの背面側に回転移動させる構成の内側フィンと、
前記ケースの内周面に外周縁を接近させ、かつ、前記ケースの開口の開口時に前記外周縁を前記ケースの正面側に回転移動させる構成の外側フィンと、
を備えて構成されるレジスタであって、
前記内側フィンの前記外周縁付近の前記ケース内周面に、前記ケースの内周側に隆起する隆起部が形成され、
前記ケースの開口の閉塞時から前記フィン間からのエアの主流の流出時までの間、前記内側フィンの外周縁と前記隆起部の内周面との間の隙間からのエアの流出を防止可能に、前記隆起部の内周面が、開口時の前記内側フィンの外周縁の回転軌跡と略平行に、形成され、
前記外側フィンの前記外周縁付近の前記ケース内周面に、前記外側フィンの外周縁の背面側を覆って、前記ケースの開口の閉塞時から前記フィン間からのエアの主流の流出時までの間、前記ダクトからのエアを前記ケースの中心側に案内可能なガイド部が、形成されていることを特徴とするレジスタ。 - 前記内側フィンが、前記外周縁に、前記隆起部の内周面に沿って背面側に突出する突条を、備えていることを特徴とする請求項1に記載のレジスタ。
Priority Applications (1)
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JP2002203728A JP2004042809A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | レジスタ |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004042809A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007290431A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Howa Kasei Kk | 車室内用空気吹出装置 |
JP2009046069A (ja) * | 2007-08-22 | 2009-03-05 | Nippon Plast Co Ltd | 車両用ベンチレータ |
JP2011168141A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Honda Motor Co Ltd | 車両用空調装置のエア吹出構造体 |
KR102681369B1 (ko) * | 2019-04-24 | 2024-07-03 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 에어벤트 장치 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203728A patent/JP2004042809A/ja active Pending
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