JP3216451U - レジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】レジスタの良好な操作性を確保しつつ、通風路を閉鎖したときの風漏れの防止を十分に図ることができるレジスタを提供する。【解決手段】レジスタは、円筒型のリテーナ1の通風路9内に、円筒状のバレルが傾動可能に配設され、バレルの上流側に、送風を開放又は閉鎖するダンパ装置6が配設され、通風路内の内周面に、フランジ部12が円環状に突出して設けられている。ダンパ装置は、5枚の扇状ダンパプレート61が略等間隔をおいてラジアル方向の支軸により回動可能に軸支され、通風路を閉鎖したとき、5枚の扇状ダンパプレートが、隣接する縁部を相互に重ね合わせて、通風路を閉塞する略円形体を形成し、5枚の扇状ダンパプレートの円弧状縁部がフランジ部を覆う。【選択図】図4
Description
本発明は、自動車室内等の換気や空調の空気吹出口に使用される丸型のレジスタに関し、送風を開放又は閉鎖するダンパ装置が配設されたレジスタに関する。
車室内の換気や空調の空気吹き出し口に使用する丸型のレジスタとして、従来、下記特許文献1において、円筒状のリテーナと、回動可能に軸支されたルーバーと、リテーナの通風路を開閉する2つの半円形ダンパを備えたレジスタが知られている。このレジスタは、リテーナの軸方向に対して直交する方向に沿って互いに同軸上に連結された2つの軸部に、半円形ダンパが各々回動可能に軸支され、送風を閉鎖するときに、半円形ダンパが軸部を挟んで互いに反対側に回動することによって、通風路としてのリテーナを閉鎖する。このとき、半円形ダンパの半円形状の外周縁部がリテーナの内周面に当接して通風路を閉鎖する。
自動車の室内に配設されるレジスタには、送風を閉鎖したときの風漏れを抑制することに加え、良好な操作性が要求される。
しかしながら、特許文献1に記載のレジスタでは、送風を閉鎖するとき、比較的大型の2つの半円形ダンパが、端部となる半円形の弦の部分を軸部とし、軸部を挟んで互いに反対側に回動し、半円型ダンパの外周縁部がリテーナの内周壁に当接することによって、通風路を閉鎖する。このため、製品ごとの寸法のばらつきによって、大型で長い半円形の外周縁部とリテーナの内周壁に、閉鎖時、隙間が生じる場合があり、隙間が生じると、閉鎖時の風漏れが発生しやすい。また、比較的大型となる2枚の半円形ダンパを小型の操作ノブで回すので、回動操作時の操作荷重が増大しやすく、操作性が悪化しやすい。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、レジスタの良好な操作性を確保しつつ、通風路を閉鎖したときの風漏れの防止を十分に図ることができるレジスタを提供することを目的とする。
本発明に係るレジスタは、
円筒型のリテーナの通風路内に、空気吹出口を設けた円筒状のバレルが傾動可能に配設され、該バレルの上流側に送風を開放又は閉鎖するダンパ装置が配設され、該バレルの中心部に該ダンパ装置を操作する操作ノブが配設され、該操作ノブにより回動伝達機構を介して該ダンパ装置が開閉するレジスタにおいて、
該回動伝達機構は、連結部材、ボールジョイント及びボールシャフト部材を備え、該リテーナの略中心軸上に配設され、該バレルが該リテーナに対して該ボールジョイントのボール部を中心に傾動可能に軸支され、該回動伝達機構の該ボールシャフト部材の後端がべベルギヤを介して該ダンパ装置に連係され、該操作ノブが該連結部材の前端部に連結され、
該ダンパ装置は、該リテーナの後方の内側に、5枚の扇状ダンパプレートが略等間隔をおいてラジアル方向の支軸により回動可能に軸支され、
該通風路内の内周面に、フランジ部が円環状に突出して設けられ、
該ダンパ装置が該通風路を閉鎖したとき、5枚の該扇状ダンパプレートが、隣接する縁部を相互に重ね合わせて、該通風路を閉塞する略円形体を形成し、5枚の該扇状ダンパプレートの円弧状縁部が該フランジ部を覆うことを特徴とする。
円筒型のリテーナの通風路内に、空気吹出口を設けた円筒状のバレルが傾動可能に配設され、該バレルの上流側に送風を開放又は閉鎖するダンパ装置が配設され、該バレルの中心部に該ダンパ装置を操作する操作ノブが配設され、該操作ノブにより回動伝達機構を介して該ダンパ装置が開閉するレジスタにおいて、
該回動伝達機構は、連結部材、ボールジョイント及びボールシャフト部材を備え、該リテーナの略中心軸上に配設され、該バレルが該リテーナに対して該ボールジョイントのボール部を中心に傾動可能に軸支され、該回動伝達機構の該ボールシャフト部材の後端がべベルギヤを介して該ダンパ装置に連係され、該操作ノブが該連結部材の前端部に連結され、
該ダンパ装置は、該リテーナの後方の内側に、5枚の扇状ダンパプレートが略等間隔をおいてラジアル方向の支軸により回動可能に軸支され、
該通風路内の内周面に、フランジ部が円環状に突出して設けられ、
該ダンパ装置が該通風路を閉鎖したとき、5枚の該扇状ダンパプレートが、隣接する縁部を相互に重ね合わせて、該通風路を閉塞する略円形体を形成し、5枚の該扇状ダンパプレートの円弧状縁部が該フランジ部を覆うことを特徴とする。
本発明のレジスタによれば、ダンパ装置は、通風路を閉鎖する5枚の扇状ダンパプレートの各々が比較的小さいため、開閉する操作荷重を小さくすることができ、操作性が良好なものとなる。また、ダンパ装置が通風路を閉鎖したとき、5枚の扇状ダンパプレートが通風路を閉塞する略円形体を形成し、5枚の扇状ダンパプレートの円弧がリテーナ内周方向から前方に設けられたフランジ部を覆うため、通風路を隙間なく覆うことができ、通風路を閉鎖したときの風漏れの抑制を十分に図ることができる。
ここで、上記レジスタにおいて、前記扇状ダンパプレートは、中心部から円周方向に向けて段状曲面部を介して、後ダンパ部と前ダンパ部とが一体形成され、
前記ダンパ装置が前記通風路を閉鎖したとき、該扇状ダンパプレートは、該後ダンパ部が隣接する該扇状ダンパプレートの該前ダンパ部の後側に重なり合う構成とすることができる。
前記ダンパ装置が前記通風路を閉鎖したとき、該扇状ダンパプレートは、該後ダンパ部が隣接する該扇状ダンパプレートの該前ダンパ部の後側に重なり合う構成とすることができる。
これによれば、上記レジスタは、扇状ダンパプレートの後ダンパ部が隣り合う扇状ダンパプレートの前ダンパ部と重なり合い、通風路を隙間なく覆うことができるため、通風路を閉鎖したとき風漏れの抑制をより図ることができる。
本発明のレジスタによれば、レジスタの良好な操作性を確保しつつ、通風路を閉鎖したときの風漏れの防止を十分に図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。このレジスタは、図1,2に示すように、丸型のレジスタであり、円筒形のダクト状に形成されたリテーナ1内の前部側に、空気吹出口23を設けたバレル2が、図10〜14に示すように、リテーナ1の略中心軸上に配設された回動伝達機構4のボールジョイント44により、上下左右方向に傾動可能に軸支される。リテーナ1内の後部側には、図4,5に示すように、空気吸入口13が設けられ、ダンパ装置6が送風を開放又は閉鎖可能に配設されている。図1,2に示すように、バレル2の中心部にダンパ装置6を操作する操作ノブ3が配設され、図10,12に示すように、操作ノブ3が回動操作されることによって、回動伝達機構4を介してべベルギヤ47が回動し、べベルギヤ47の回動によって、ダンパ装置6を開閉させる構造となっている。ここで、本明細書において、レジスタの各部の前後は、前が空気吹出口23側で、後が空気吸入口13側である。
バレル2は、図1,2に示すように、円筒形に形成された外殻の内側に放射枠とリング枠からなる支持枠22が設けられ、支持枠22の中心部に操作ノブ3を回動可能に軸支するノブ軸支部21が設けられる。ノブ軸支部21は円筒状に形成され、形成された内側に小径のフランジが設けられる。操作ノブ3は、ノブ軸支部21に前方から挿入されて回動可能に軸支され、図3に示すように、回動伝達機構4の前方先端の連結部材45が、バレル2のノブ軸支部21の後側から挿入され、操作ノブ3と嵌合する。
バレル2は、操作ノブ3の背面側に連結部材45が嵌合されて、操作ノブ3がノブ軸支部21に回動操作可能に取り付けられ、ボールジョイント44を介して中央支持部11に軸支されることによって、回動伝達機構4のボールジョイント44のボール部42を中心とする首振り回動が可能な構造となっている(図10〜14)。バレル2の上端部外側には、図3に示すように、係合部24が突設され、係合部24は、リテーナ1の上端内側に設けられた係合溝14(図3〜5,10〜12)に係合する。係合溝14は、図3〜5に示すように、ボールジョイント44を中心とする前後垂直方向の円の円周方向に形成され、操作ノブ3を回動操作する際、バレル2の回動を防止し、バレル2自体は上下左右に傾動可能に保持する。
回動伝達機構4は、図10に示すように、リテーナ1の略中心線S1上に配設され、図7に示すように、ボール部42を前側先端に設けたボールシャフト部材41、ボール部42に外嵌されるボール受部材43、ボール受部材43を支持し操作ノブに連結される連結部材45、取付部材48及びボール受内部材46から構成されている。図3に示すように、リテーナ1内に放射状枠16を介して中央に中央支持部11が設けられ、その中央支持部11にボールシャフト部材41が中心線S1上に保持されることによって、回動伝達機構4は、図10に示すように、リテーナ1の中心線S1上に配置される。
図7に示すように、ボールシャフト部材41のボール部42とボール受部材43とボール受内部材46がボールジョイント44を形成し、ボール受部材43に連結部材45を介して支持されたバレル2は、ボールジョイント44のボール部42を中心に上下方向と左右方向に傾動し、図10〜14に示す如く、同方向に風向調整が可能である。図10に示すように、リテーナ1の中心線S1上に配置された回動伝達機構4は、図6に示すように、ダンパ装置6にべベルギヤ47を介して連係され、操作ノブ3の回動力が、回動伝達機構4を介してべベルギヤ47に伝達され、べベルギヤ47の回転によりダンパ装置6を開閉する構造になっている。
図3,7に示すように、ボール部42には、ボール部42の中心位置から外周方向に係合ピン42aが両側に突設され、ボール受部材43内にボール部42が嵌入された状態で、係合ピン42aは、ボール受部材43に設けた係合溝43aに係合する。ボールシャフト部材41のボール部42にボール受部材43が外嵌され、ボールジョイント44が形成される。ボールジョイント44では、ボール部42の両側の係合ピン42aがボール受部材43内の両側の係合溝43aに係合し、ボール部42を中心に、ボール受部材43の傾動を許容しつつ、操作ノブ3から伝達される回動をボールシャフト部材41に伝達するように構成される。操作ノブ3の回動操作に伴う応力が集中するボールシャフト部材41は、硬質材料を使用するのが好ましく、硬質材料として、金属や硬質プラスチックなどを使用することができる。実施形態のボールシャフト部材41には、硬質プラスチックであるガラス繊維充填ポリブチレンテレフタレート(PBT−G30%)を使用した。
ボール受部材43は、図7に示すように、操作ノブ3からの回動を連動させるように、ボール部42の係合ピン42aが係合する係合溝43aが設けられている。ボール受部材43は、ボール部42を外嵌する。ボール部42とボール受部材43の間には、ボール受内部材46が介在し、ボール受内部材46は、バレル2の傾動操作に対して、操作荷重を付与する部材であり、合成樹脂エラストマーなどから形成される。これにより、バレル2の上下左右方向への傾動操作に応じてボール受部材43が上下左右に傾動する際、ゴリゴリ感やガタツキを生ずることなく、スムーズに傾動する。
ボールシャフト部材41の後端に設けられるギヤ取付軸41aは、操作ノブ3からの回動をべベルギヤ47に伝達する部分であり、図3に示すように、リテーナ1内に設けた中央支持部11を挟んで後方からべベルギヤ47がギヤ取付軸41aに嵌着される。これにより、操作ノブ3の回動力が回動伝達機構4のボールシャフト部材41を介してギヤ取付軸41aからべベルギヤ47に伝達可能となる。
図3に示すように、回動伝達機構4をリテーナ1内の中央支持部11に組付ける場合、ボールシャフト部材41後方のギヤ取付軸41aが、リテーナ1の中央支持部11内に嵌挿され、背面側からべベルギヤ47がギヤ取付軸41aに嵌着される。
ダンパ装置6は、図4,6に示すように、5枚の扇状ダンパプレート61が略等間隔をおいて、ラジアル方向に、支軸(内支軸65、外支軸66)の回りで回動可能に軸支されている。5枚の扇状ダンパプレート61の中心角部分には、図8,9に示すように、各々にべベルギヤ片67が設けられ、べベルギヤ片67は、操作ノブ3から回動伝達機構4を介して回動が伝達されるべベルギヤ47と噛合う。これにより、操作ノブ3の回動が5枚の扇状ダンパプレート61をラジアル方向の支軸を軸に傾動させ、5枚の扇状ダンパプレート61が略円形体を形成し、通風路9を開放又は閉鎖可能としている。
ダンパ装置6は、通風路9を閉鎖する5枚の扇状ダンパプレート61の各々が比較的小さいため、開閉する操作荷重を小さくすることができ、操作性が良好なものとなる。ラジアル方向に配設された5枚の扇状ダンパプレート61の中心部には、扇状ダンパプレート61を軸支する中央軸支部68が設けられる。中央軸支部68は、外周部に、扇状ダンパプレート61を軸支する5個の軸受部69を略等間隔に備え、べベルギヤ47の後方に嵌着される。5枚の扇状ダンパプレート61は、図4,5に示すように、5個の軸受部69と、5個の軸受部69からラジアル方向略等間隔のリテーナ1に設けられた外側軸孔15と、に回動可能に軸支される。ダンパ装置6の扇状ダンパプレート61は、開放操作時、図4,10に示すように、円筒形のリテーナ1の軸方向(流路方向)と平行状態となって通風路9を開放し、閉鎖操作時には、図5,12に示すように、リテーナ1の横断方向と平行状態まで回動する。このとき、5枚の扇状ダンパプレート61が、隣接する縁部を相互に重ね合わせて、図5に示す如く、通風路9を閉鎖する略円形体を形成する。
図6,9に示すように、扇状ダンパプレート61には、後ダンパ部63と前ダンパ部62とが、中心部から円周方向に向けて設けた段状曲面部64を介して形成される。通風路9を閉鎖する略円形体が形成されたとき、扇状ダンパプレート61の後ダンパ部63が隣接する扇状ダンパプレート61の前ダンパ部62の後側に重なり合う。前ダンパ部62は、ダンパ閉鎖時、隣接する扇状ダンパプレート61の後ダンパ部63の前面に重合する部位であり、後ダンパ部63は、前ダンパ部62の後面に重合する部位である。前ダンパ部62と後ダンパ部63は、段状曲面部64を介して一体形成され、これにより、ダンパ閉鎖時、図5,13に示すように、隣接する扇状ダンパプレート61の前ダンパ部62と後ダンパ部63が隙間なく密に重合し、閉鎖されるようになっている。このため、通風路9を隙間なく覆うことができ、通風路9を閉鎖したとき風漏れの抑制を図ることができる。
リテーナ1の通風路9内の内周面には、図4に示すように、リテーナ1の内周方向から前方に、フランジ部12が円環状に突出して設けられる。ダンパ装置6が通風路9を閉鎖したとき、5枚の扇状ダンパプレート61から形成された略円形体の円弧状縁部がフランジ部12に当接し、これを覆うように形成される。これにより、ダンパ装置6は、通風路9を隙間なく覆うことができ、通風路9を閉鎖したときの風漏れを防止する。つまり、円環状に突出して設けられたフランジ部12の形状は、扇状ダンパプレート61の略円形体の円弧状縁部と隙間なく咬合可能な形状になっている。
上記構成のレジスタは、次のように組付けられる。図3に示すように、リテーナ1に対し、回動伝達機構4、バレル2、操作ノブ3、ベゼル7、ダンパ装置6及び後円筒フレーム8を順に組み付ける。
回動伝達機構4のボールジョイント44は、図7に示すように、ボールシャフト部材41のボール部42にボール受内部材46を嵌着させ、ボール部42の係合ピン42aをボール受部材43の係合溝43aに係合させるようにボール受部材43を組付け、次にボール受部材43に取付部材48と連結部材45を嵌着させる。
回動伝達機構4は、図3に示すように、リテーナ1内の中央支持部11に、ボールシャフト部材41を前から挿入し、ボールシャフト部材41のギヤ取付軸41aに、中央支持部11の後方からべベルギヤ47を取付け、回動伝達機構4が組付けられる。
バレル2は、リテーナ1の回動伝達機構4の連結部材45に前方から挿入し、バレル2が取付けられたリテーナ1の前側に、レジスタに装飾を施すベゼル7を装着し、バレル2の外れを防止する。操作ノブ3は、前方からバレル2前面のノブ軸支部21に回動可能に取付けられる。このとき、操作ノブ3と回動伝達機構4とが連動するように一体化される。
図3,4に示すように、ダンパ装置6の扇状ダンパプレート61は、中央軸支部68の外周部の5つの軸受部69に、扇状ダンパプレート61の内支軸65が挿入され、リテーナ1の内周面の5つの外側軸孔15に、扇状ダンパプレート61の外支軸66が挿入され、各扇状ダンパプレート61をラジアル方向に取り付け、中央軸支部68を取付ネジ70により中央支持部11の後部に取り付けられることによって組み付けられる。次に、リテーナ1の後から後円筒フレーム8を嵌着し、各外支軸66がリテーナ1と後円筒フレーム8間に支持され、5枚の扇状ダンパプレート61は、支軸(内支軸65、外支軸66)に対して、回動可能に軸支される。この状態で、5枚の扇状ダンパプレート61の中心角部分に設けたべベルギヤ片67は回動伝達機構4のべベルギヤ47と噛合する。操作ノブ3を回動操作すると、べベルギヤ47がリテーナ1の中央支持部11内で回動し、その回動力がべベルギヤ片67を介して5枚の扇状ダンパプレート61に伝達され、扇状ダンパプレート61が支軸(内支軸65、外支軸66)に対して回動する。扇状ダンパプレート61は、通風路9に直交する角度まで回動することにより略円形体を形成し、通風路9を閉鎖する。
次にレジスタの操作に伴う動作を説明する。レジスタは、操作ノブ3の回動操作によってダンパ装置6を開閉操作して送風を開放又は閉鎖し、バレル2の傾動によって風向を調整する。
操作ノブ3は、ダンパを閉鎖する場合、時計回りに回動操作され、ダンパ装置6が通風路9を閉鎖する(図5,12,13)。ダンパを開放する場合、操作ノブ3は、反時計回りに回動操作され、ダンパ装置6が通風路9を開放する(図4,10,11)。操作ノブ3の回動力は、回動伝達機構4を介して後方のべベルギヤ47に伝達され、べベルギヤ47が回動すると、これと噛合うべベルギヤ片67が扇状ダンパプレート61を支軸(内支軸65、外支軸66)に対して回動させ、通風路9に直交する角度まで回動することにより、図5に示すように、5枚の扇状ダンパプレート61が略円形体を形成し、通風路9が閉鎖される。
このとき、隣接する扇状ダンパプレート61の前ダンパ部62と後ダンパ部63が隙間なく密に重合するため、通風路9を隙間なく覆うことができ、通風路9を閉鎖したとき風漏れの抑制を図ることができる。ダンパ装置6は、通風路9を閉鎖する5枚の扇状ダンパプレート61の各々が比較的小さいため、開閉する操作荷重を小さくすることができ、操作性が良好なものとなる。
リテーナ1の通風路9内の内周面には、図3に示すように、リテーナ1の内周方向から前方に、フランジ部12が円環状に突出して設けられ、フランジ部12の形状は、隙間が少なくなるように、扇状ダンパプレート61から形成された略円形体の円弧状縁部と咬合する形状になっている。このため、ダンパ装置6が通風路9を閉鎖したとき、通風路9を隙間なく覆うことができ、通風路9を閉鎖したときの風漏れの抑制を十分に図ることができる。
送風方向を上下に又は左右に変える場合、操作ノブ3を持って上下又は左右にバレル2を傾動させる。送風方向を上又は下に変える場合、バレル2を上又は下に傾動させる。図10,11に示すように、バレル2は、その中心線S2が回動伝達機構4のボールジョイント44を中心に上又は下に傾動し、上下に送風が調整される。また、送風方向を左又は右に変える場合、図13,14に示すように、バレル2を左又は右に傾動させると、その中心線S2が同方向に傾動し、左右に送風が調整される。
バレル2の傾動時、ボールジョイント44のボール部42に対しボール受部材43が回動するが、ボール部42とボール受部材43との間に荷重付与部材であるボール受内部材46が介在しているため、バレル2の傾動に、適度な荷重が付与され、取り付けられた自動車の走行振動によってバレル2の角度が変わらず、送風方向が自然に変わることがない。且つ、受内部材46が弾性エラストマーからなる荷重付与部材であるため、ゴリゴリ感なくスムーズにバレル2が傾動する。
1…リテーナ、2…バレル、3…操作ノブ、4…回動伝達機構、6…ダンパ装置、7…ベゼル、8…後円筒フレーム、9…通風路、11…中央支持部、12…フランジ部、13…空気吸入口、14…係合溝、15…外側軸孔、16…放射状枠、21…ノブ軸支部、22…支持枠、23…空気吹出口、24…係合部、41…ボールシャフト部材、41a…ギヤ取付軸、42…ボール部、42a…係合ピン、43…ボール受部材、43a…係合溝、44…ボールジョイント、45…連結部材、46…ボール受内部材、47…べベルギヤ、48…取付部材、61…扇状ダンパプレート、62…前ダンパ部、63…後ダンパ部、64…段状曲面部、65…内支軸、66…外支軸、67…べベルギヤ片、68…中央軸支部、69…軸受部、70…取付ネジ。
Claims (2)
- 円筒型のリテーナの通風路内に、空気吹出口を設けた円筒状のバレルが傾動可能に配設され、該バレルの上流側に送風を開放又は閉鎖するダンパ装置が配設され、該バレルの中心部に該ダンパ装置を操作する操作ノブが配設され、該操作ノブにより回動伝達機構を介して該ダンパ装置が開閉するレジスタにおいて、
該回動伝達機構は、連結部材、ボールジョイント及びボールシャフト部材を備え、該リテーナの略中心軸上に配設され、該バレルが該リテーナに対して該ボールジョイントのボール部を中心に傾動可能に軸支され、該回動伝達機構の該ボールシャフト部材の後端がべベルギヤを介して該ダンパ装置に連係され、該操作ノブが該連結部材の前端部に連結され、
該ダンパ装置は、該リテーナの後方の内側に、5枚の扇状ダンパプレートが略等間隔をおいてラジアル方向の支軸により回動可能に軸支され、
該通風路内の内周面に、フランジ部が円環状に突出して設けられ、
該ダンパ装置が該通風路を閉鎖したとき、5枚の該扇状ダンパプレートが、隣接する縁部を相互に重ね合わせて、該通風路を閉塞する略円形体を形成し、5枚の該扇状ダンパプレートの円弧状縁部が該フランジ部を覆うことを特徴とするレジスタ。 - 前記扇状ダンパプレートは、中心部から円周方向に向けて段状曲面部を介して、後ダンパ部と前ダンパ部とが一体形成され、
前記ダンパ装置が前記通風路を閉鎖したとき、該扇状ダンパプレートは、該後ダンパ部が隣接する該扇状ダンパプレートの該前ダンパ部の後側に重なり合うことを特徴とする請求項1に記載のレジスタ。
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Legal Events
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R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
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