JP3168831U - レジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベゼルの係止片に割れを発生させず、比較的小さい組付荷重によりベゼルを自動組付可能としたレジスタを提供する。【解決手段】このレジスタは、リテーナ1の前部に、レジスタの意匠部分を形成する合成樹脂製のベゼル3が嵌着される。リテーナ1に複数の係止爪11が設けられる。ベゼル3には係止爪11に係止される複数の係止片31が設けられる。係止片31は、その先端部が、係止片31の両側部の厚さより薄い薄肉部として形成され、薄肉部の先端側に傾斜部が設けられる。ベゼル3は、リテーナ1の前部に、係止片31を係止爪11に係止させて嵌着される。【選択図】図1

Description

本考案は、主に自動車などの空調装置の空気吹出調整用に使用されるレジスタに関し、特にレジスタの意匠部分を形成するベゼルを組付ける際の組付性を改善したレジスタに関する。
従来、例えば円筒形状の送風口を有する丸型のレジスタとして、送風口の送風方向に沿った中心軸の回りで回動可能な丸型の回動ルーバーを備えたレジスタが、下記特許文献1などにより知られている。
特開2004−249936号公報
このレジスタは、円筒形に形成されたリテーナとベゼルを有し、ベゼルとリテーナの内側に、略円筒形の回動ルーバーを回動可能に配設して構成される。回動ルーバーは、円筒フレームの内側に単数または複数の可動フィンを、円筒フレームの前面と平行な軸つまり送風方向と直角な軸の回りで回動可能に枢支して形成され、円筒フレームは、ベゼルとリテーナの内側に回動可能に嵌入されて装着されている。
また、ベゼルは合成樹脂によりリング状に成形され、リテーナの前部に、ベゼル側の係止片を係止爪に係止させて、ベゼルを嵌着するようになっており、ベゼル側の係止片は、係止爪を係止させる係止部を内側に矩形開口孔として形成している。
ところで、ベゼルはレジスタの意匠部分を形成するため、合成樹脂製のベゼルにめっきを施す場合があるが、上記のような構造のベゼルに、めっきを施した場合、下記のような理由により、係止片に割れが生じやすい。
すなわち、図9に示すように、リング状のベゼル51は、その係止片52が、リテーナ側の係止爪を係止させる係止部を、内側の矩形開口孔53として環状に形成している。このため、ベゼル51を合成樹脂の射出成形により成形する際、材料が係止片52の矩形開口孔53の両側から環状部分を回り込むように、キャビティ内を流れる。このとき発生する2方向の材料の流れは、その流頭が合流した箇所で、材料の融着が不完全となり、そのような係止片52の部分に、すじ状のウエルドラインが発生しやすい。
ウエルドラインは強度不良を発生しやすい部分であり、特に、ベゼル51にめっきを施した場合、係止片52がめっき膜に被覆されると、めっき膜の収縮力によって、応力が強度不良のウエルドラインに集中する。このため、ベゼルの係止片52にウエルドラインが発生し、めっきを施した状態で、ベゼル51の係止片52をリテーナ側の係止爪に係止させたとき、係止片52に割れが発生しやすい。
このため、レジスタの製造工程において、ベゼル51にめっきを施す際、図10に示すように、予め、めっきレジスト液をベゼル51の係止片52に塗布して、めっきレジスト膜Rを形成しておき、係止片52にめっきがのらない状態として、めっき処理を行っている。しかし、めっきレジスト液を塗布する工程は、作業者が手作業でめっきレジスト液を塗布する作業であり、作業工数や作業時間が多くかかり、製造コストの増大を生じさせていた。
また、この種のレジスタは、製造時に組み立てを行う際、自動組付け装置によりベゼルをリテーナに対し自動組付けする場合があるが、上述のように、係止片52が内側の矩形開口孔53として環状に形成され、特に、ABS樹脂などの硬質合成樹脂を用いて成形される場合、係止片52の撓みが少なく、自動組付け装置の組付荷重が増大し、或いは係止片52に割れが発生する虞があった。
本考案は、上述の課題を解決するものであり、ベゼルの係止片に割れを発生させず、比較的小さい組付荷重によりベゼルを自動組付可能としたレジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案のレジスタは、リテーナに複数の係止爪が設けられ、該ベゼルには該係止爪に係止される矩形開口孔を有する複数の係止片が設けられ、該係止爪に該係止片が係止されて、リテーナの前部に合成樹脂製のベゼルが嵌着されるレジスタにおいて、該ベゼルの嵌着時に該係止爪と接触する該係止片の先端部が、該係止片の両側部の厚さより薄い薄肉部として形成され、且つ該薄肉部にはその先端側の厚さが先端に向けて薄くなる傾斜部が形成されたことを特徴とする。
この考案によれば、ベゼルをリテーナに組み付ける際、ベゼルの係止片をリテーナの係止爪に嵌め込むように押し込みながら、係止爪を係止片が乗り越えるように組み付ける。このとき、係止片の薄肉部が比較的容易に外側に撓みながら、係止爪の突部を乗り越え、係止されるので、係止片には割れが生じず、安全・確実にベゼルをリテーナに組み付けることができる。また、薄肉部の先端側に傾斜部が設けられるので、係止片が係止爪を乗り越える際、比較的小さい組付荷重で乗り越えることが可能となり、自動組付け装置を用いて安全にベゼルを組み付けることができる。
また、ベゼルが例えばABS系などの硬質合成樹脂で成形され、表面全体にめっきが施され、係止片が硬く形成される場合であっても、係止片は組み付け時に容易に撓むことが可能となるので、係止片に割れや強度不良などを発生させず、ベゼルの係止片をリテーナの係止爪に係止させることができる。
ここで、上記リテーナは円筒形に形成される一方、上記ベゼルはリング状に形成されて該リテーナの前部に嵌着され、該ベゼルと該リテーナの内側に回動ルーバーが回動可能に配設され、該回動ルーバーは、円筒フレームの内側に単数または複数の可動フィンを、円筒フレームの前面と平行な軸つまり送風方向と直角な軸の回りで回動可能に枢支すると共に、該円筒フレームを該ベゼルと該リテーナの内側に回動可能に嵌入して構成され、前記係止爪は該リテーナの前外周部に突設され、前記係止片は該リング状のベゼルの背面側に突き出すように設けられた構成とすることができる。
本考案のレジスタによれば、ベゼルの係止片に割れを発生させず、比較的小さい組付荷重によりベゼルが組付可能となり、自動組付け装置を用いてベゼルを組付けることができる。
本考案の一実施形態を示すレジスタの斜視図である。 同レジスタの平面図である。 同レジスタの左側面図である。 同レジスタの分解斜視図である。 同レジスタの縦断面図である。 可動フィンの開放時の斜視図である。 ベゼルの係止片の部分拡大斜視図である。 係止片を内側から見たときの部分拡大斜視図(a)とそのB−B断面図(b)である。 従来のベゼルの斜視図(a)とそのB−B拡大断面図(b)である。 従来のベゼルの係止片の拡大部分斜視図である。
以下、本考案の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は自動車の車室内に設けられる丸型レジスタの斜視図を示し、図4は同レジスタの分解斜視図を示している。このレジスタは、概略的には、円筒形のリテーナ1内に、円筒形の回動ルーバー2が送風方向と平行な軸の回りで回動可能に装着され、回動ルーバー2の円筒フレーム20の吹出口5内に、第1可動フィン21と第2可動フィン22が回動ルーバー2の中心回動軸6と直角な軸を支軸にして回動可能に枢支され、全閉操作時、隣接する第1可動フィン21と第2可動フィン22が、相互に重合する重ね合わせ部213(図5)を形成しつつ、吹出口5を遮蔽する状態まで回動し、吹出口5を閉鎖するように構成される。リテーナ1の前部には、リング状のベゼル3が嵌着され、ベゼル3にはレジスタの正面の見栄えを考慮してめっきが施されている。
図4に示すように、円筒形のリテーナ1の前部は全体を開放して形成され、その後部の後円筒部12には、小物の落下防止用に、ハニカム形状の網目部4が開口部を覆うように設けられている。リテーナ1の前円筒部は、後円筒部12に比して大径に形成され、図5に示すように、その内側に回動ルーバー2の円筒フレーム20が回動可能に挿入される構造となっている。
さらに、リテーナ1の前円筒部と後円筒部12の境界の段差部に、操作荷重付与部9が形成される。操作荷重付与部9は、多数の歯形を円周上に連続して配置して形成され、円筒フレーム20に取着される後述の弾性脚部材26をその操作荷重付与部9に、弾性を持って噛合させることにより、回動ルーバー2を操作する際、適度な操作荷重を付与すると共に、節度感を持って回動ルーバー2を回動し停止させることができるようになっている。
図1〜図3に示すように、リテーナ1の前部外周面の3箇所に、約120度の間隔をおいて、係止爪11がベゼル3の係止片31を係止するために設けられる。ベゼル3には、その外周部における係止爪11との対応位置の3箇所に、係止片31が背面側に突き出すように形成される。係止片31は、図7に示すように、ベゼル3の背面側に突出した部分に設けた矩形開口孔32を設けて形成される。つまり、係止片31は、図8(a)、(b)に示すように、矩形開口孔32を囲う矩形枠状に形成され、その矩形枠型の係止片31の先端部は、両側部分の厚さより薄い厚さの薄肉部33として形成され、さらにその薄肉部33の先端側には、厚さが先端に向けて薄くなる傾斜部34が形成されている。この係止片31は、これにより、ベゼル3をリテーナ1に組付ける際、リテーナ1の係止爪11の外側を乗り越えるとき、薄肉部33が容易に撓んで割れなどが生じない構造となっている。さらに、係止爪11が嵌め込み時に、傾斜部34に接触したとき、少ない組付荷重で係止片31を押し込み嵌合させることができるようになっている。
このように、ベゼル3の係止片31は、組付け時に撓みやすく形成され、ベゼル3がABS系などの硬質合成樹脂で成形され、表面にめっき処理を施す場合であっても、問題なく係止片31にめっきを付けることができる。このため、めっき処理の際、係止片31にめっきレジスト液を塗布する必要がなく、めっきレジスト液の塗布工程を削除することができ、作業工数、作業時間を削減し、製造コストを低減することができる。また、係止片31の先端側の薄肉部33は撓みやすく、係止時に容易に撓んで係止されるので、係止片31の割れを防止することができる。
一方、リテーナ1内に回動可能に挿入される回動ルーバー2は、図4に示すように、円筒形の支持フレームを構成する円筒フレーム20と、その円筒フレーム20内の中心回動軸6と直角な軸の回りで回動可能に軸支された第1可動フィン21及び第2可動フィン22を備えて構成される。回動ルーバー2の円筒フレーム20の内側に空気の吹出口5が形成され、第1可動フィン21及び第2可動フィン22の傾斜角度を変えると共に、回動ルーバー2を中心回動軸6(図5)の回りで回動させて可動フィンの傾斜方向を変えて、風の吹き出し方向を上下左右或いは斜めに調整する構造となっている。
図4に示すように、回動ルーバー2の円筒フレーム20における内周部の左右両側に、内壁を肉厚にした平坦部27が設けられ、一方の平坦部27には、第1可動フィン21と第2可動フィン22の回動軸211,221を軸支する軸受部の軸孔が設けられる。他方の平坦部27には、凹部が形成され、その凹部に軸支部材25が嵌め込まれるところ、この軸支部材25には回動軸211,221のための軸孔が形成され、第1可動フィン21と第2可動フィン22の回動軸211,221の一方をこの軸支部材25の軸孔に嵌め込んだ状態で、軸支部材25を平坦部27の内側に嵌め込むように組み付けることができる。
図4に示すように、回動ルーバー2の円筒フレーム20は、リテーナ1の前円筒部内に回動可能に挿入されるが、その円筒フレーム20の中心軸とリテーナ1の中心軸を同一軸線上で支持するために、図5のように、リテーナ1の後円筒部12に設けた網目部4の中心に中心回動軸6が取り付けられ、中心回動軸6はリテーナ1の後円筒部12の中心軸線上に位置する。
一方、回動ルーバー2側には、その円筒フレーム20の後部の横断方向に、支持枠7(図5)が設けられ、その支持枠7の中央に軸孔を持った中心軸支部8が設けられ、この中心軸支部8は円筒フレーム20の中心軸線上に位置する。したがって、リテーナ1内に回動ルーバー2の円筒フレーム20を挿入した場合、中心回動軸6がその中心軸支部8の軸孔に嵌入し、中心位置を正確に保持した状態で、回動ルーバー2はリテーナ1の円筒フレーム20内で回動可能に支持される。回動ルーバー2の円筒フレーム20の吹出口5は、図5の如く、第1可動フィン21が重ね合わせ部213を第2可動フィン22の内側に、重ね合わせるように、両可動フィンが回動されたとき、全閉される構造となっている。
第1可動フィン21の後部(図1の上部)には、円弧状の段差部を介して重ね合わせ部213が上面を凹ませた形状に形状され、その重ね合わせ部213の上面に、凹部が第2可動フィン22の下側の一部を進入させ、重ね合わせ可能な構造となっている。つまり、第2可動フィン22の一部を重ね合わせる形態で進入させるために、第1可動フィン21の重ね合わせ部213上に凹部が、その第2可動フィン22の前部の形状に合わせて形成されている。この重ね合わせ部213に凹部が形成されることにより、第1可動フィン21と第2可動フィン22の全閉時に、第2可動フィン22の下側部が凹部に進入し、第1可動フィン21と第2可動フィン22の前面が全閉時、図1のように、平坦に面一化されるようになっている。
さらに、第2可動フィン22の前面中央に、窪み223が形成され、閉じられた可動フィンを開放操作する際、指の先などで第2可動フィン22の縁部側を押して開きやすくしている。さらに、第1可動フィン21と第2可動フィン22間には、内側に偏倚した位置に、リンク部材24が軸を介して回動可能に連結され、第1可動フィン21と第2可動フィン22が連動してその回動軸211,221を中心に回動し、吹出口5を開閉する構造となっている。
第1可動フィン21及び第2可動フィン22を円筒フレーム20内に組み付ける場合、一方の側の回動軸211と回動軸221に、図4に示すように、軸孔を有した1枚の軸支部材25を嵌め込み、第1可動フィン21と第2可動フィン22の内側にリンク部材24を連結した状態で、他方の側の回動軸211と回動軸221を円筒フレーム20の一方の内側の軸孔に嵌め込み、軸支部材25を円筒フレーム20の他方の内側の凹部に嵌め込んで組み付ける。
さらに、第1可動フィン21、第2可動フィン22を内側に組み付けた円筒フレーム20は、リテーナ1内にその前面側から挿入されるが、その際、弾性脚部材26が、円筒フレーム20の一部の内壁部を厚くした部位に設けた角孔に、嵌め込むようにして装着され、リテーナ1側に設けた操作荷重付与部9に、その弾性脚を当接させ、回動ルーバー2を回したとき、適度な操作荷重が生じるようになっている。
弾性脚部材26は、図4に示すように、嵌着部から二股状の脚部を弾性変形可能に突設して形成され、二股状の脚部の先端には接触部が、リテーナ1内に設けた操作荷重付与部9の各歯部に接触し、回動操作時に適度な操作荷重を発生させるように形成されている。この弾性脚部材26の脚部の弾性力は、回動ルーバー2をリテーナ1内の定位置に挿入したとき、適度な弾性荷重を生じるように設定されている。
ベゼル3は、上述の如く、円環状に形成されると共に、リテーナ1の前部に嵌着可能とされ、回動ルーバー2における円筒フレーム20の内側の第1可動フィン21と第2可動フィン22との隙間を前側から覆う形状に形成される。ベゼル3をリテーナ1の前部に嵌着するために、ベゼル3には、矩形開口孔32を有した矩形枠状の係止片31が、円周部に約120度の間隔をおいて背面側に突設され、対応するリテーナ1の前部の外周面に、係止片31に係止される係止爪11が突設されている。また、ベゼル3には上述のようにめっきが施される。
上記構成のレジスタをその製造時に組み立てる場合、図4に示すように、先ず
、第1可動フィン21と第2可動フィン22の一方の回動軸211,221に、軸支部材25の軸孔を嵌め込み、他方の側の連結軸212、222にリンク部材24を嵌め込む。この状態の可動フィン組付体を、円筒フレーム20内に挿入し、他方の回動軸211,221を円筒フレーム20の内壁の厚肉部に設けた軸孔に嵌入させながら、軸支部材25を円筒フレーム20の内壁の厚肉部に設けた嵌合凹部に嵌め込み、第1可動フィン21及び第2可動フィン22を回動ルーバー2の円筒フレーム20内に装着する。
これにより、円筒フレーム20内に装着された第1可動フィン21及び第2可動フィン22は、その両側の回動軸211,221を軸に、図1の全閉位置から図6の全開位置まで回動可能な状態となる。第1可動フィン21と第2可動フィン22は、その回動軸211、221から偏倚した連結軸間がリンク部材24により連結されるため、第2可動フィン22を指などで押して回動させると、第1可動フィン21も連動して回動し、開閉動作することとなる。
さらに、弾性脚部材26を円筒フレーム20の平坦部に設けた角孔に嵌め込み、その状態の円筒フレーム20つまり回動ルーバー2を、リテーナ1にその正面側から挿入する。これにより、弾性脚部材26の脚部がリテーナ1側の操作荷重付与部9に接触し、円筒フレーム20はリテーナ1内を適度な操作荷重を持って回動及び停止可能な状態となる。
最後に、円環状のベゼル3をリテーナ1の前部に嵌め込み、その係止片31をリテーナ1側の係止爪11に係止させて、ベゼル3を定位置に嵌着する。上記のように、ベゼル3の係止片31は、その矩形枠状の先端側に薄肉部33が設けられ、薄肉部33の先端側に傾斜部34が設けられるので、ベゼル3をリテーナ1に組み付ける際、ベゼル3の係止片31をリテーナ1の係止爪11に嵌め込むように押し込みながら、係止爪11の突部を係止片31に乗り越えさせて組み付ける。
このとき、係止片31の薄肉部33が比較的容易に外側に撓みながら、係止爪11の突部を乗り越え、係止されるので、係止片31には割れが生じさせず、安全にベゼル3をリテーナ1に組み付けることができる。また、薄肉部33の先端側に傾斜部34が設けられるので、係止片31が係止爪11を乗り越える際、比較的小さい組付荷重で乗り越えることが可能となり、手作業の組付け作業のみではなく、自動組付け装置を用いて安全にベゼル3を組み付けることができる。
さらに、ベゼル3が上記のようにABS系などの硬質合成樹脂で成形され、表面全体にめっきが施され、係止片31が硬く形成される場合であっても、係止片31は組み付け時に容易に撓むことが可能となるので、係止片31に割れや強度不良などを発生させず、ベゼル3の係止片31をリテーナ1の係止爪11に係止させることができる。
上記構成のレジスタは、例えば自動車のインストルメントパネルの一部に設けられた空調装置の空気吹出し口に装着して使用される。レジスタの吹出口5に位置する第1可動フィン21と第2可動フィン22は、図1のような閉鎖した状態から、例えば正面上側の第2可動フィン22の窪み223を指などで押しこむと、第1可動フィン21及び第2可動フィン22が、リンク部材24により連動して、回動軸211と回動軸221を軸に図5の反時計方向に回動し、吹出口5が操作に応じて徐々に開放される。そして、第1可動フィン21及び第2可動フィン22が、図6に示すように、略水平状態となると、吹出口5が全開状態となる。
一方、第1可動フィン21と第2可動フィン22が開放した状態で、第2可動フィン22の下部を指などで押し下げると、リンク部材24により連動する第1可動フィン21及び第2可動フィン22は、水平状態から下側に傾動し、空気の吹出し方向を下方に向けることができる。
その状態で、第1可動フィン21或いは第2可動フィン22の縁部などを持って、回動ルーバー2をその中心回動軸6の回りで回動させると、第1可動フィン21と第2可動フィン22の傾き方向が上下左右斜めと自在に変わり、空気の吹出し方向を任意の方向に変えることができる。このとき、操作荷重付与部9に接触する弾性脚部材26の作用により、回動ルーバー2の回動操作は適度な操作荷重を持って行われ、任意の角度位置で回動ルーバー2を止めることができる。
一方、吹出口5を閉じるために、第2可動フィン22の下部を指などで押すと、第1可動フィン21及び第2可動フィン22が図5の時計方向に回動し、第2可動フィン22の下部が第1可動フィン21の上部の凹部内に進入して重ね合わせ部213に重ね合わせられ、第1可動フィン21の上側の円弧状縁部が第2可動フィン22の内側面に当接し、図1のようにレジスタの吹出口5が第1可動フィン21と第2可動フィン22により全閉される。
なお、上記実施形態では、丸型レジスタについて説明したが、長方形や正方形の横断面形状を有する角型レジスタに、本考案のレジスタのベゼルを適用することも可能であり、その場合、ベゼルの正面形状は、略長方形または略正方形となり、リテーナに係止される係止片は、その方形ベゼルの各辺部に設けられる。
1 リテーナ
2 回動ルーバー
3 ベゼル
4 網目部
5 吹出口
6 中心回動軸
7 支持枠
8 中心軸支部
9 操作荷重付与部
11 係止爪
12 後円筒部
20 円筒フレーム
21 第1可動フィン
22 第2可動フィン
24 リンク部材
25 軸支部材
26 弾性脚部材
27 平坦部
31 係止片
32 矩形開口孔
33 薄肉部
34 傾斜部

Claims (2)

  1. リテーナに複数の係止爪が設けられ、該係止爪に係止される矩形開口孔を有する複数の係止片が合成樹脂製のベゼルに設けられ、該係止爪に該係止片が係止されて、該リテーナの前部に該ベゼルが嵌着されるレジスタにおいて、
    該ベゼルの該係止片の先端部に、該係止片の両側部の厚さより薄い薄肉部が形成され、該薄肉部にはその先端側の厚さが先端に向けて薄くなる傾斜部が形成されたことを特徴とするレジスタ。
  2. 前記リテーナは円筒形に形成される一方、前記ベゼルはリング状に形成されて該リテーナの前部に嵌着され、該ベゼルと該リテーナの内側に回動ルーバーが回動可能に配設され、該回動ルーバーは、円筒フレームの内側に単数または複数の可動フィンを、円筒フレームの前面と平行な軸の回りで回動可能に枢支すると共に、該円筒フレームを該ベゼルと該リテーナの内側に回動可能に嵌入して構成され、前記係止爪は該リテーナの前外周部に突設され、前記係止片は該リング状の該ベゼルの背面側に突き出すように設けられたことを特徴とする請求項1記載のレジスタ。
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