JP2004037051A - 断熱パネルの連結構造及び連結金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱パネルの連結に際してファスナーと称される連結金具のパネル表裏面連結及びコーナー連結に使用できるようにする。
【解決手段】金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部１１，２１を備えると共に、本体部の端面を対向させた際の対向面に、偏芯鉤機構部１２を設けた鉤金具と受け軸２２を設けた軸金具の一対で構成した連結金具を、薄金属板４１間に樹脂発泡による断熱材４２を充填し、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネル４において、嵌合凹凸部４３，４４に隣接する薄金属の裏面で且つパネルの角になる箇所に、前記の鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなる。
【選択図】 図４
【解決手段】金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部１１，２１を備えると共に、本体部の端面を対向させた際の対向面に、偏芯鉤機構部１２を設けた鉤金具と受け軸２２を設けた軸金具の一対で構成した連結金具を、薄金属板４１間に樹脂発泡による断熱材４２を充填し、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネル４において、嵌合凹凸部４３，４４に隣接する薄金属の裏面で且つパネルの角になる箇所に、前記の鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなる。
【選択図】 図４
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、建屋である大型の冷蔵庫や冷凍庫を構築するに際して使用されると断熱パネルを接続する連結構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建屋である大型の冷蔵庫や冷凍庫の構築は、断熱パネルを使用してこれらを連結して組み立てているものである。断熱パネルは薄金属板の表裏板内に樹脂発泡による断熱材を充填してなり、このパネル（天井板や壁板）を連結接続して建屋に形成するもので、コーナー部分（天井板と壁板との間や壁面の曲がり角）は、コーチスクリュー等の螺子釘を使用しており、隣接パネルの接続には、接着剤を兼ねたシーリング剤などが使用されている。
【０００３】
また特に隣接パネル間の連結に互いのパネルを引っ張り寄せる金具を使用する手段が知られている。この金具はファスナーと称され、アンカーとなるＴ状基部を備え、一方の金具の先端部に偏芯フックを設け、他方金具には受け軸を設け、各金具をパネルの端面に埋設して、受け軸に偏芯フックを掛け止めすることで、フックの回動が引っ張り動作となって隣接パネルを互いに引き寄せるように連結するものである。
【０００４】
然し前記の金具は、パネルの端面中央に配置するので、パネルコーナー部分への使用が困難である。またＴ状基部を発泡樹脂に埋設してアンカー機能を発揮させることで、連結強度を保持している。従って必ずしも金具の支持強度が大きいとは言えない。更に端面中央の所定位置に正確に固定させた状態で樹脂発泡を行うもので、製造が煩雑である。
【０００５】
そこで本発明は、コーナー部分に使用でき、位置決めが容易なファスナー金具及び当該金具を使用した構築パネルの連結構造を提案したものである。
【０００６】
【課題を解決する手段】
本発明に係る断熱パネルの連結金具は、回動動作によって掛け鉤作用位置が中心軸方向に移動する偏芯鉤機構部を備えた鉤金具と、前記掛け鉤の受け軸を備えた軸金具の一対の部材で構成され、両金具が金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部を備えると共に、両金具の本体部の端面を対向させた際の対向面に、前記偏芯鉤機構及び受け軸を設けてなることを特徴とするものである。
【０００７】
また本発明に係る断熱パネルの連結構造は、薄金属板間に樹脂発泡による断熱材充填をなして形成すると共に、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネルにおいて、嵌合凹凸部に隣接する薄金属板の裏面で且つパネルの角になる箇所に、前記の鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなることを特徴とするものである。
【０００８】
従って連結金具の本体部を薄金属板の角部分に添わせることになるので、パネルの表裏いずれ側にも、また表裏双方にも金具の組み込みが可能であり、更に金具の位置決めも容易である。更に本体部と薄金属板を直接接着して固定することも可能で、連結金具の支持強度を高めることもでき、またパネルコーナー部分の連結も容易に実現することができる。
【０００９】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。実施形態に示した連結金具は、鉤金具１と、二種の軸金具２，３であり。鉤金具１と軸金具２（軸金具３）の組み合わせで使用されるものである。
【００１０】
鉤金具１は、図１（イ）に例示したとおり、金属板を折曲して扁平角筒形状に形成した本体部１１に偏芯鉤機構部１２を組み込んだもので、角筒形状の本体部１１は、対向する側面部の一方が一部欠如（欠如部１１５）した形状である。
【００１１】
即ち所定幅及び高さとして後述する薄金属板に接着するに十分な面積とした接着側面１１１と、偏芯鉤機構部１２の鉤体１２１が突出する作用端面１１２と、作用端面１１２の反対側のアンカー端面１１３と、作用端面１１２を挟んで対面する開口側面１１４が備えられている。
【００１２】
偏芯鉤機構部１２は、回動軸１２１と、掛け鉤体１２２とで構成され、回動軸１２１は、接着側面１１１と開口側面１１４との間に回転自在に架設され、接着側面１１１の表面側に軸頭部を露出させると共に、露出部分に六角穴形状の操作穴１２３を設けてなる。また掛け鉤体１２２は、前記回動軸１２１と一体に回動動作がなされるもので、外周縁が前記回動軸１２１を中心に螺旋状となるように偏芯させ、更に周縁を折曲して掛け鉤部１２４としたもので、特に掛け鉤体１２２は、回動操作によって作用端面１１２の奥方に収納された状態から、回動動作によって作用端面１１２から突出し、更に回動動作に伴って前記の突出部分が、掛け鉤部１２４が回動半径の大きい方から小さい方への移行するように設けたものである。
【００１３】
軸金具２は、図１（ロ）に例示したとおり、金属板を折曲して扁平角筒形状に形成した本体部２１に受け軸２２を設けたもので、本体部２１は前記鉤金具１の本体部１１と同様に、対向する側面部の一方が一部欠如（欠如部２１５）した形状である。即ち接着側面２１１と、作用端面２１２と、作用端面２１２の反対側のアンカー端面２１３と、作用端面２１２を挟んで対面する開口側面２１４を備えているものである。
【００１４】
また受け軸２２は、作用端面２１２の一部を開口し、開口箇所に本体部２１の一部を突出形成して弧状面に湾曲させて形成したものである。
【００１５】
軸金具３は、図２に例示したとおり、金属板を折曲して形成したもので、所定の面積（十分な接着強度を得ることができる面積）の接着面部３１の前縁に、弧状面に湾曲させた受け軸部３２を突設し、接着面部３１の両側に段差を介してアンカー板部３３を設けたものである。
【００１６】
次に前記の金具を使用しての断熱パネルの連結構造について説明する。断熱パネル４は表裏板（薄金属板）４１の間に、樹脂発泡による充填で形成した断熱材層４２を設けたもので、且つ連結箇所に嵌合凸部４３と、嵌合凹部４４を設けたものである。
【００１７】
嵌合凸部４３は、発泡に際しては、予め棒状樹脂材４５を装着しておいたり、周知の樹脂製端面部材を使用して凸部形状を確保してなるものである。同様に嵌合凹部４４も樹脂製端面材を使用したり、発泡時に適宜な閉塞材をあてがって凹部形状を確保してなるものである。
【００１８】
なお断熱パネル４の嵌合凹凸部の形成箇所は、平面連結用のパネルの場合には、パネル端面とするが、コヘナー箇所に使用するためのパネルにおいては、パネル裏面の一方の端部に形成する。
【００１９】
勿論連結対象となる断熱パネル４は、前述した例の他にも、薄金属板の端面側折曲辺（又は凹溝形成箇所の両側部分辺：）を差込んで連結する公知の樹脂枠を採用したものでも良い。
【００２０】
連結金具１，２，３は、前記の断熱パネル４の形成（樹脂発泡）に際して予め組み込んでおくものである。
【００２１】
平板連結（第一実施形態）のための金具組み込みは、図４に例示するとおり、金具１，２を使用するもので、鉤金具１と軸金具２の各接着側面１１１、２１１が薄金属板４１の裏面に添い、且つ作用端面１１２、２１２がパネルの連結端面に添うような位置で、接着剤や両面接着テープなどを用いて接着する。勿論パネル端面の一部は、掛け鉤体１２２の出没並びに受け軸２２への掛け止め作用がなされるように開口する。また回動軸１２１の操作穴１２３もパネル外に露出するように薄金属板４１の所定箇所を開口しておく。
【００２２】
前記のパネルの開口処理は、連結金具の作用部分が必要の範囲で露出するに必要な部分を開口するものであり、パネル厚が薄く金具の厚みが大きい場合には、嵌合凹凸部４３，４４の部分にはみ出して開口させる。また前述した樹脂枠を採用したパネルにおいては、当然当該箇所の樹脂枠を開口して連結金具１，２を組み込む。この開口は、後述の別の実施形態でも同様である。
【００２３】
また前記開口箇所の奥方においては、動作箇所並びに所定の空隙を確保するために、発泡前に、保護スポンジ４６を所定箇所に充填接着しておく。
【００２４】
然して金具１，２を所定箇所に位置せしめて発泡させ、断熱材層４２を形成すると、金具１，２は、当該位置で固定されることになる。
【００２５】
そしてパネル４の連結は、嵌合凹凸部４３，４４を嵌め合わせると共に、操作穴１２３にレンチ５を装着して掛け鉤体１２２を回動操作することで、掛け鉤部１２４が受け軸２２に掛け止めされ、更に引き寄せられることで実現する。
【００２６】
従って特に金具１，２は、断熱パネル４の薄金属板４１に広い面積で接着すると共に、薄金属板４１の角部分にも当接するので。連結時の引っ張り力に対する耐久力に優れることになり、必要に応じて断熱パネル４の表裏面の両側に金具１，２を設けて連結強度を高めることもできる。更にアンカー端部１１３，１２３の前後には断熱層が充填されることになり、連結時の引っ張り力に対する耐久力となる。
【００２７】
またコーナー部分の連結箇所を断熱パネル４の表面側とした連結（第二実施形態）は、図５に例示したとおり、金具１，２を使用するもので、鉤金具１（又は軸金具２）は、前記第一実施形態と同様に組み込まれるが、軸金具２（鉤金具１）は、前記金具の組み込み位置と対面する箇所で、接着側面２１１（１１１）がパネル端面となる薄金属板４１ａの裏面に添わせて位置させて。薄金属板４１の所定箇所を開口して、金具連結可能に組み込むものである。
【００２８】
特に断熱パネル４の厚みと対応して接着側面２１１（１１１）の前後長を定めると、薄金属板４１とパネルの一体化がより堅牢になされる。
【００２９】
またコーナー部分の連結箇所を断熱パネル４の裏面側とした連結（第三実施形態）は、図６に例示したとおり、金具１，３を使用するもので、鉤金具１は、前記第一、二実施形態と同様に組み込ものである。
【００３０】
軸金具３は、受け軸部３２が掛け鉤体１２２の進出する箇所に位置するように、接着面部３１を断熱パネルの薄金属板４１の裏面に当接接着し、受け軸部３２の周囲を保護スポンジ４６で囲い込み、相応の操作空間を確保して樹脂発泡させて金具３の固定と断熱パネル形成を行うものである。
【００３１】
パネル連結は、鉤金具１の掛け鉤体１２２を受け軸部３２に掛け止めして行うものである。特に軸金具３は、アンカー板部３３が断熱材層４２内に埋没してしまうので、金具の固定力に優れることになり、連結耐力が向上することになる。
【００３２】
前記の連結金具１，２，３を組み込んだ断熱パネル４を、前記の金具部分の連結でパネル接続を実現するもので、金具１，２は、連結操作を行う側、即ちパネルの表裏のいずれかに組み込んで連結したり、或いはパネル厚が大きい場合（例えば８０ｍｍ以上）には、表裏双方に組み込んでなる。
【００３３】
また断熱パネル４で形成される冷蔵室（冷凍室）の気密性を確保するために、予め目地部分に軟質パッキンを張着し、連結金具１，２，３による連結接続で、パネル連結端面間を引き寄せてパッキン機能を高める用にしても良い。勿論冷蔵室などの構築後に目地部にコーキングを施すようにしても良い。
【００３４】
なお本発明は前記実施形態に限定さけれるものではなく、連結金具においては、本体部が角筒形状で断熱パネルの薄金属板に角部分に接着できる形状であれば良いし、偏芯鉤機構部も掛け鉤部が受け軸を引き寄せる構造であれば任意な構造を採用でき、また受け軸も本体部材を使用せずに、別の軸部材を組み込むようにしても良い。また連結構造に際しての金具の組み込みも、各実施形態を単独採用しても良いし、的釘組み合わせて採用しても良い。
【００３５】
【発明の効果】
以上のように本発明は、金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部を備えると共に、本体部の端面を対向させた際の対向面に、偏芯鉤機構を設けた鉤金具と受け軸を設けた軸金具の一対で構成した連結金具であり、また薄金属板間に樹脂発泡による断熱材充填をなして形成すると共に、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネルにおいて、嵌合凹凸部に隣接する薄金属の裏面で且つパネルの角になる箇所に、前記の鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなる断熱パネルの連結構造で、連結金具が薄金属板の角部分に添わせる状態でパネルに組み込むことになるので、パネルの表裏いずれ側にも、また表裏双方にも金具の組み込みが可能であり、更に金具の位置決めも容易で、更に本体部と薄金属板を直接接着して固定することで連結金具の支持強度を高めることもできたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の連結金具の実施形態の斜視図で、（イ）は鉤金具（ロ）は、軸金具を示す。
【図２】同軸金具の別例図。
【図３】同金具の連結状態の説明図。
【図４】本発明のパネル連結構造の第一実施形態の説明図。
【図５】同第二実施形態の説明図。
【図６】第三実施形態の説明図。
【符号の説明】
１ 鉤金具
１１ 本体部
１１１ 接着側面
１１２ 作用端面
１１３ アンカー端面
１１４ 開口側面
１１５ 欠如部
１２ 偏芯鉤機構部
１２１ 回動軸
１２２ 掛け鉤体
１２３ 操作穴
１２４ 掛け鉤部
２ 軸金具
２１ 本体部
２１１ 接着側面
２１２ 作用端面
２１３ アンカー端面
２１４ 開口側面
２１５ 欠如部
２２ 受け軸
３ 軸金具
３１ 接着面部
３２ 受け軸部
３３ アンカー板部
４ 断熱パネル
４１ 表裏板（薄金属板）
４２ 断熱材層
４３ 嵌合凸部
４４ 嵌合凹部
４５ 棒状樹脂材
４６ 保護スポンジ
５ レンチ
【産業上の利用分野】
本発明は、建屋である大型の冷蔵庫や冷凍庫を構築するに際して使用されると断熱パネルを接続する連結構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建屋である大型の冷蔵庫や冷凍庫の構築は、断熱パネルを使用してこれらを連結して組み立てているものである。断熱パネルは薄金属板の表裏板内に樹脂発泡による断熱材を充填してなり、このパネル（天井板や壁板）を連結接続して建屋に形成するもので、コーナー部分（天井板と壁板との間や壁面の曲がり角）は、コーチスクリュー等の螺子釘を使用しており、隣接パネルの接続には、接着剤を兼ねたシーリング剤などが使用されている。
【０００３】
また特に隣接パネル間の連結に互いのパネルを引っ張り寄せる金具を使用する手段が知られている。この金具はファスナーと称され、アンカーとなるＴ状基部を備え、一方の金具の先端部に偏芯フックを設け、他方金具には受け軸を設け、各金具をパネルの端面に埋設して、受け軸に偏芯フックを掛け止めすることで、フックの回動が引っ張り動作となって隣接パネルを互いに引き寄せるように連結するものである。
【０００４】
然し前記の金具は、パネルの端面中央に配置するので、パネルコーナー部分への使用が困難である。またＴ状基部を発泡樹脂に埋設してアンカー機能を発揮させることで、連結強度を保持している。従って必ずしも金具の支持強度が大きいとは言えない。更に端面中央の所定位置に正確に固定させた状態で樹脂発泡を行うもので、製造が煩雑である。
【０００５】
そこで本発明は、コーナー部分に使用でき、位置決めが容易なファスナー金具及び当該金具を使用した構築パネルの連結構造を提案したものである。
【０００６】
【課題を解決する手段】
本発明に係る断熱パネルの連結金具は、回動動作によって掛け鉤作用位置が中心軸方向に移動する偏芯鉤機構部を備えた鉤金具と、前記掛け鉤の受け軸を備えた軸金具の一対の部材で構成され、両金具が金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部を備えると共に、両金具の本体部の端面を対向させた際の対向面に、前記偏芯鉤機構及び受け軸を設けてなることを特徴とするものである。
【０００７】
また本発明に係る断熱パネルの連結構造は、薄金属板間に樹脂発泡による断熱材充填をなして形成すると共に、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネルにおいて、嵌合凹凸部に隣接する薄金属板の裏面で且つパネルの角になる箇所に、前記の鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなることを特徴とするものである。
【０００８】
従って連結金具の本体部を薄金属板の角部分に添わせることになるので、パネルの表裏いずれ側にも、また表裏双方にも金具の組み込みが可能であり、更に金具の位置決めも容易である。更に本体部と薄金属板を直接接着して固定することも可能で、連結金具の支持強度を高めることもでき、またパネルコーナー部分の連結も容易に実現することができる。
【０００９】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。実施形態に示した連結金具は、鉤金具１と、二種の軸金具２，３であり。鉤金具１と軸金具２（軸金具３）の組み合わせで使用されるものである。
【００１０】
鉤金具１は、図１（イ）に例示したとおり、金属板を折曲して扁平角筒形状に形成した本体部１１に偏芯鉤機構部１２を組み込んだもので、角筒形状の本体部１１は、対向する側面部の一方が一部欠如（欠如部１１５）した形状である。
【００１１】
即ち所定幅及び高さとして後述する薄金属板に接着するに十分な面積とした接着側面１１１と、偏芯鉤機構部１２の鉤体１２１が突出する作用端面１１２と、作用端面１１２の反対側のアンカー端面１１３と、作用端面１１２を挟んで対面する開口側面１１４が備えられている。
【００１２】
偏芯鉤機構部１２は、回動軸１２１と、掛け鉤体１２２とで構成され、回動軸１２１は、接着側面１１１と開口側面１１４との間に回転自在に架設され、接着側面１１１の表面側に軸頭部を露出させると共に、露出部分に六角穴形状の操作穴１２３を設けてなる。また掛け鉤体１２２は、前記回動軸１２１と一体に回動動作がなされるもので、外周縁が前記回動軸１２１を中心に螺旋状となるように偏芯させ、更に周縁を折曲して掛け鉤部１２４としたもので、特に掛け鉤体１２２は、回動操作によって作用端面１１２の奥方に収納された状態から、回動動作によって作用端面１１２から突出し、更に回動動作に伴って前記の突出部分が、掛け鉤部１２４が回動半径の大きい方から小さい方への移行するように設けたものである。
【００１３】
軸金具２は、図１（ロ）に例示したとおり、金属板を折曲して扁平角筒形状に形成した本体部２１に受け軸２２を設けたもので、本体部２１は前記鉤金具１の本体部１１と同様に、対向する側面部の一方が一部欠如（欠如部２１５）した形状である。即ち接着側面２１１と、作用端面２１２と、作用端面２１２の反対側のアンカー端面２１３と、作用端面２１２を挟んで対面する開口側面２１４を備えているものである。
【００１４】
また受け軸２２は、作用端面２１２の一部を開口し、開口箇所に本体部２１の一部を突出形成して弧状面に湾曲させて形成したものである。
【００１５】
軸金具３は、図２に例示したとおり、金属板を折曲して形成したもので、所定の面積（十分な接着強度を得ることができる面積）の接着面部３１の前縁に、弧状面に湾曲させた受け軸部３２を突設し、接着面部３１の両側に段差を介してアンカー板部３３を設けたものである。
【００１６】
次に前記の金具を使用しての断熱パネルの連結構造について説明する。断熱パネル４は表裏板（薄金属板）４１の間に、樹脂発泡による充填で形成した断熱材層４２を設けたもので、且つ連結箇所に嵌合凸部４３と、嵌合凹部４４を設けたものである。
【００１７】
嵌合凸部４３は、発泡に際しては、予め棒状樹脂材４５を装着しておいたり、周知の樹脂製端面部材を使用して凸部形状を確保してなるものである。同様に嵌合凹部４４も樹脂製端面材を使用したり、発泡時に適宜な閉塞材をあてがって凹部形状を確保してなるものである。
【００１８】
なお断熱パネル４の嵌合凹凸部の形成箇所は、平面連結用のパネルの場合には、パネル端面とするが、コヘナー箇所に使用するためのパネルにおいては、パネル裏面の一方の端部に形成する。
【００１９】
勿論連結対象となる断熱パネル４は、前述した例の他にも、薄金属板の端面側折曲辺（又は凹溝形成箇所の両側部分辺：）を差込んで連結する公知の樹脂枠を採用したものでも良い。
【００２０】
連結金具１，２，３は、前記の断熱パネル４の形成（樹脂発泡）に際して予め組み込んでおくものである。
【００２１】
平板連結（第一実施形態）のための金具組み込みは、図４に例示するとおり、金具１，２を使用するもので、鉤金具１と軸金具２の各接着側面１１１、２１１が薄金属板４１の裏面に添い、且つ作用端面１１２、２１２がパネルの連結端面に添うような位置で、接着剤や両面接着テープなどを用いて接着する。勿論パネル端面の一部は、掛け鉤体１２２の出没並びに受け軸２２への掛け止め作用がなされるように開口する。また回動軸１２１の操作穴１２３もパネル外に露出するように薄金属板４１の所定箇所を開口しておく。
【００２２】
前記のパネルの開口処理は、連結金具の作用部分が必要の範囲で露出するに必要な部分を開口するものであり、パネル厚が薄く金具の厚みが大きい場合には、嵌合凹凸部４３，４４の部分にはみ出して開口させる。また前述した樹脂枠を採用したパネルにおいては、当然当該箇所の樹脂枠を開口して連結金具１，２を組み込む。この開口は、後述の別の実施形態でも同様である。
【００２３】
また前記開口箇所の奥方においては、動作箇所並びに所定の空隙を確保するために、発泡前に、保護スポンジ４６を所定箇所に充填接着しておく。
【００２４】
然して金具１，２を所定箇所に位置せしめて発泡させ、断熱材層４２を形成すると、金具１，２は、当該位置で固定されることになる。
【００２５】
そしてパネル４の連結は、嵌合凹凸部４３，４４を嵌め合わせると共に、操作穴１２３にレンチ５を装着して掛け鉤体１２２を回動操作することで、掛け鉤部１２４が受け軸２２に掛け止めされ、更に引き寄せられることで実現する。
【００２６】
従って特に金具１，２は、断熱パネル４の薄金属板４１に広い面積で接着すると共に、薄金属板４１の角部分にも当接するので。連結時の引っ張り力に対する耐久力に優れることになり、必要に応じて断熱パネル４の表裏面の両側に金具１，２を設けて連結強度を高めることもできる。更にアンカー端部１１３，１２３の前後には断熱層が充填されることになり、連結時の引っ張り力に対する耐久力となる。
【００２７】
またコーナー部分の連結箇所を断熱パネル４の表面側とした連結（第二実施形態）は、図５に例示したとおり、金具１，２を使用するもので、鉤金具１（又は軸金具２）は、前記第一実施形態と同様に組み込まれるが、軸金具２（鉤金具１）は、前記金具の組み込み位置と対面する箇所で、接着側面２１１（１１１）がパネル端面となる薄金属板４１ａの裏面に添わせて位置させて。薄金属板４１の所定箇所を開口して、金具連結可能に組み込むものである。
【００２８】
特に断熱パネル４の厚みと対応して接着側面２１１（１１１）の前後長を定めると、薄金属板４１とパネルの一体化がより堅牢になされる。
【００２９】
またコーナー部分の連結箇所を断熱パネル４の裏面側とした連結（第三実施形態）は、図６に例示したとおり、金具１，３を使用するもので、鉤金具１は、前記第一、二実施形態と同様に組み込ものである。
【００３０】
軸金具３は、受け軸部３２が掛け鉤体１２２の進出する箇所に位置するように、接着面部３１を断熱パネルの薄金属板４１の裏面に当接接着し、受け軸部３２の周囲を保護スポンジ４６で囲い込み、相応の操作空間を確保して樹脂発泡させて金具３の固定と断熱パネル形成を行うものである。
【００３１】
パネル連結は、鉤金具１の掛け鉤体１２２を受け軸部３２に掛け止めして行うものである。特に軸金具３は、アンカー板部３３が断熱材層４２内に埋没してしまうので、金具の固定力に優れることになり、連結耐力が向上することになる。
【００３２】
前記の連結金具１，２，３を組み込んだ断熱パネル４を、前記の金具部分の連結でパネル接続を実現するもので、金具１，２は、連結操作を行う側、即ちパネルの表裏のいずれかに組み込んで連結したり、或いはパネル厚が大きい場合（例えば８０ｍｍ以上）には、表裏双方に組み込んでなる。
【００３３】
また断熱パネル４で形成される冷蔵室（冷凍室）の気密性を確保するために、予め目地部分に軟質パッキンを張着し、連結金具１，２，３による連結接続で、パネル連結端面間を引き寄せてパッキン機能を高める用にしても良い。勿論冷蔵室などの構築後に目地部にコーキングを施すようにしても良い。
【００３４】
なお本発明は前記実施形態に限定さけれるものではなく、連結金具においては、本体部が角筒形状で断熱パネルの薄金属板に角部分に接着できる形状であれば良いし、偏芯鉤機構部も掛け鉤部が受け軸を引き寄せる構造であれば任意な構造を採用でき、また受け軸も本体部材を使用せずに、別の軸部材を組み込むようにしても良い。また連結構造に際しての金具の組み込みも、各実施形態を単独採用しても良いし、的釘組み合わせて採用しても良い。
【００３５】
【発明の効果】
以上のように本発明は、金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部を備えると共に、本体部の端面を対向させた際の対向面に、偏芯鉤機構を設けた鉤金具と受け軸を設けた軸金具の一対で構成した連結金具であり、また薄金属板間に樹脂発泡による断熱材充填をなして形成すると共に、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネルにおいて、嵌合凹凸部に隣接する薄金属の裏面で且つパネルの角になる箇所に、前記の鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなる断熱パネルの連結構造で、連結金具が薄金属板の角部分に添わせる状態でパネルに組み込むことになるので、パネルの表裏いずれ側にも、また表裏双方にも金具の組み込みが可能であり、更に金具の位置決めも容易で、更に本体部と薄金属板を直接接着して固定することで連結金具の支持強度を高めることもできたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の連結金具の実施形態の斜視図で、（イ）は鉤金具（ロ）は、軸金具を示す。
【図２】同軸金具の別例図。
【図３】同金具の連結状態の説明図。
【図４】本発明のパネル連結構造の第一実施形態の説明図。
【図５】同第二実施形態の説明図。
【図６】第三実施形態の説明図。
【符号の説明】
１ 鉤金具
１１ 本体部
１１１ 接着側面
１１２ 作用端面
１１３ アンカー端面
１１４ 開口側面
１１５ 欠如部
１２ 偏芯鉤機構部
１２１ 回動軸
１２２ 掛け鉤体
１２３ 操作穴
１２４ 掛け鉤部
２ 軸金具
２１ 本体部
２１１ 接着側面
２１２ 作用端面
２１３ アンカー端面
２１４ 開口側面
２１５ 欠如部
２２ 受け軸
３ 軸金具
３１ 接着面部
３２ 受け軸部
３３ アンカー板部
４ 断熱パネル
４１ 表裏板（薄金属板）
４２ 断熱材層
４３ 嵌合凸部
４４ 嵌合凹部
４５ 棒状樹脂材
４６ 保護スポンジ
５ レンチ
Claims (5)
- 回動動作によって掛け鉤作用位置が中心軸方向に移動する偏芯鉤機構部を備えた鉤金具と、前記掛け鉤の受け軸を備えた軸金具の一対の部材で構成され、両金具が金属板を扁平角筒形状に折曲した本体部を備えると共に、両金具の本体部の端面を対向させた際の対向面に、前記偏芯鉤機構及び受け軸を設けてなることを特徴とする断熱パネルの連結金具。
- 鉤金具の本体部側面に、外周縁を折曲した掛け鉤体を軸装し、前記側面に露出した回動軸に操作穴を穿設し、他方軸金具の対向端面を一部開口し、開口箇所に本体部の一部を突出形成して受け軸とした請求項１記載の断熱パネルの連結金具。
- 本体部の側面の一面のみ延長して、掛け鉤機構部及び受け軸を形成した連結作用端面と反対側端面が独立して突出する形状に形成してなる請求項１又は２記載の断熱パネルの連結金具。
- 薄金属板間に樹脂発泡による断熱材充填をなして形成すると共に、連結箇所を凹凸状の嵌合構造とした断熱パネルにおいて、嵌合凹凸部に隣接する薄金属の裏面で且つパネルの角になる箇所に、請求項１乃至３記載のいずれかの鉤金具又は軸金具を、薄金属板と添わせて組み込み、連結対象の断熱パネルの当該鉤金具又は軸金具と対応する位置に他方の金具を組み込んで、両金具で断熱パネルを連結接続してなることを特徴とする断熱パネルの連結構造。
- 請求項１乃至３記載の鉤金具及び軸金具の双方を、嵌合凹凸部に隣接する薄金属の裏面で且つパネルの角になる箇所に、薄金属板と添わせて組み込んでなる請求項４記載の断熱パネルの連結構造。
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