JP2003221889A - プレハブ式建築物構築物等用の耐火パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】火災時に表裏両面の鋼板から熱伝導しフレーム
のアルミ材が変形溶解し、充填材が溶融する等、容易に
損傷、破壊、燃焼しない耐火性能に優れた耐火建材の提
供 【解決手段】アルミ製のフレーム材２ａで形成した長方
形等のフレーム２の表裏両面に鋼板１ａ、１ｂを張設
し、フレーム２と表裏両面の鋼板１ａ、１ｂで囲った中
空部内に硬質発砲ウレタン等の充填材１１を注入固化し
てなる、プレハブ式建築物構築物等用のパネルにおい
て、表裏両面の鋼板１ａ、１ｂの内面側に耐火ボード３
を介装すると共に、鋼板１ａ、１ｂをフレーム２に張設
固着するにつき、その４辺の周縁部１ｃを２直角に折り
曲げ、該４辺の周縁部１ｃとフレーム２との間に上記耐
火ボード３の周縁部若しくは狭長耐火板４を介在した状
態、即ち、鋼板１ａ、１ｂとフレーム２を直接接触しな
い状態に固着して設けたものである、プレハブ式建築物
構築物等用の耐火パネルＰ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレハブ式建築物構築
物等、例えばプレハブ式の冷凍・冷蔵庫、冷凍・冷蔵倉
庫、クリーンルーム、各種倉庫、作業場、その他に使用
される、壁パネル、床パネル、天井パネル、扉、窓付パ
ネル等の各種パネルとして、耐火性に優れた耐火パネル
を開発、提供するものである。

【０００２】

【従来の課題】従来の上記プレハブ式建築物構築物等用
の各種パネルは、例えば、図６、図７に示すパネル１０
０Ｐのように、アルミ（図示例）、硬質樹脂、若しくは
木材等のフレーム材１０２ａで形成した長方形等のフレ
ーム１０２の表裏両面に薄い鋼板（カラー鉄板等）１
ａ、１ｂを張設し、フレーム１０２と表裏面の鋼板１
ａ、１ｂで囲った中空部内に硬質発泡ポリウレタン等の
充填材１１１を注入発泡硬化して設けたものであり、長
年耐久性、耐外圧衝撃性、水気密性、遮音性、特に断熱
性に優れているが、火災時に高熱が加わると鋼板から熱
伝導してフレームのアルミ材が比較的低温で変形溶解
し、樹脂、木材は燃焼し、充填材は溶融、膨張して外部
へ洩出し或いは燃焼し、更に鋼板が熱で反曲し、フレー
ムから外れ剥がれはじける等で、パネルが損傷、破壊、
燃焼する恐れがあるなど、耐火性能に劣るため、耐火構
造の建築物構築物等用の耐火建材として使用できない
（法的不許可）ことが大きな課題とされてきた。

【０００３】

【発明が解決した課題】そこで、本発明は上記従来のパ
ネルに代えて、耐火性能の優れた耐火パネル（改正法耐
火規格に適合）を提供するものであり、パネル表裏両面
を覆う鋼板の内面側に珪酸カルシウム板等の耐火ボード
を介在内装する一方、従来パネルのように火災時等の高
熱が鋼板からアルミ、プラスチック、木材等製のフレー
ム（材）に直接伝達して、変形、溶融、燃焼してしまわ
ないように、鋼板とフレーム（材）との間に珪酸カルシ
ウム板等の耐火板を介装して熱伝導を遮断するように備
え、更に、表裏面鋼板の４辺の周辺部をフレームを直接
ではなく耐火板を介して２直角に折り曲げ固着して、鋼
板が高熱で反曲し、或いは充填材の膨張等で高内外圧が
加わった場合等に容易にフレームから外れ剥がれはじけ
る等のことがないように強固に固着して備えた構成にす
ることによって、優れた耐火性能を有する耐火パネルを
開発、提供して、従来の課題を解決したものである。

【０００４】

【課題を解決する手段】即ち、本発明は、アルミ製のフ
レーム材で形成した長方形等のフレームの表裏両面に鋼
板を張設し、フレームと表裏両面の鋼板で囲った中空部
内に硬質発砲ウレタン等の充填材を注入固化してなる、
プレハブ式建築物構築物等用のパネルにおいて、表裏両
面の鋼板の内面側に珪酸カルシウム板等の耐火ボードを
介装すると共に、鋼板をフレームに張設固着するにつ
き、その4辺の周縁部を２直角に折り曲げ、該4辺の周縁
部とフレームとの間に上記耐火ボードの周縁部若しくは
狭長耐火板を介在した状態、即ち、鋼板とフレームを直
接接触しない状態に固着して設けたものである、プレハ
ブ式建築物構築物等用の耐火パネルによって課題を解決
したものである。

【０００５】

【課題を解決する手段】また、本発明は、アルミ製のフ
レーム材で形成した長方形等のフレームの表裏両面に鋼
板を張設し、フレームと表裏両面の鋼板で囲った中空部
内に硬質発砲ウレタン等の充填材を注入固化してなる、
プレハブ式建築物構築物等用のパネルにおいて、表裏両
面の一方の鋼板の内面側に珪酸カルシウム板等の耐火ボ
ードを介装すると共に、鋼板をフレームに張設固着する
につき、その4辺の周縁部を２直角に折り曲げ、該4辺の
周縁部とフレームの間に上記耐火ボードの周縁部若しく
は狭長耐火板を介在した状態、即ち、鋼板とフレームを
直接接触しない状態に固着して設けたものである、プレ
ハブ式建築物構築物等用の耐火パネルによって課題を解
決したものである。

【０００６】

【課題を解決する手段】更に、本発明は、パネルのフレ
ームの外面長手方向に、先端に鈎形部、基部付近に小凸
条を形成した連結突条を突設し、パネル相互の連結時
に、両パネルをその各連結突条を各横断面形状において
反転対称の状態に相対すると共に、相互の小凸条を相互
の鈎形部の外面に近接相対して設置し、相互の鈎形部に
狭長板状のキープレートを嵌挿置することによって、パ
ネル相互を連結するように備えたものである、プレハブ
式建築物構築物等用のパネルの連結機構によって課題を
解決したものである。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図１〜図
５を参照。アルミ製のフレーム材２ａで形成した長方形
等のフレーム２の表裏両面に鋼板１ａ、１ｂを張設し、
フレーム２と表裏両面の鋼板１ａ、１ｂで囲った中空部
内に硬質発砲ウレタン等の充填材１１を注入固化してな
る、プレハブ式建築物構築物等用のパネルにおいて、表
裏両面の鋼板１ａ、１ｂの内面側に珪酸カルシウム板等
の耐火ボード３を介装すると共に、鋼板１ａ、１ｂをフ
レーム２に張設固着するにつき、その4辺の周縁部１ｃ
を２直角に折り曲げ、該4辺の周縁部１ｃとフレーム２
との間に上記耐火ボード３の周縁部若しくは狭長耐火板
４を介在した状態、即ち、鋼板１ａ、１ｂとフレーム２
を直接接触しない状態に固着して設けたものである、プ
レハブ式建築物構築物等用の耐火パネルＰによって課題
を解決したものである。

【０００８】なお、請求項２に記載の、表裏両面の一方
の鋼板の内面側に珪酸カルシウム板等の耐火ボードを介
装した発明の実施例は、説明及び図示を省くが、表裏両
面の鋼板１ａ、１ｂの一方側だけの鋼板（１ａ若しくは
１ｂ）の内面側に耐火ボード３を介装する他は、上記実
施例と同じである。

【０００９】フレーム２は、例えば、アルミ製の横断面
Ｈ形の狭長なフレーム材２ａで長方形等に形成し、該フ
レーム２のフレーム材２ａの外側の脚片２ｂの表裏両面
に耐火ボード３の周縁部若しくは狭長耐火板４を当接設
置すると共に、その外周面に鋼板１ａ、１ｂの４辺の周
縁部１ｃを２直角に折り曲げ成形固着して備える。

【００１０】また、図１例は主として側壁用に使用する
形状の耐火パネルであるが、床用、天井用、その他用途
に応じた特殊形状の耐火パネルの場合でも、本発明の耐
火構成を備えたものは、本発明の技術的範囲に包含され
るものである。

【００１１】請求項４に記載の連結機構は、例えば、パ
ネルＰのフレーム２のフレーム材２ａの外面長手方向
に、先端に鈎形部７、基部付近に小凸条８を形成した連
結突条６を突設し、パネル相互の連結時に、両パネル
Ｐ、Ｐをその各連結突条６，６を各横断面形状において
反転対称の状態に相対すると共に、相互の小凸条８，８
を相互の鈎形部７，７の外面に近接相対して設置し、相
互の鈎形部７，７に狭長板状のキープレート９を嵌挿置
することによって、パネルＰ、Ｐ相互を連結するように
備えたものである。（図4、図５参照）

【００１２】図１に示す耐火パネルは実施の１例であ
り、そのＡ−Ａ線断面拡大図に示すように左右側辺に本
発明連結機構５用の連結突条６を備えた場合であるが、
本発明耐火パネルには連結機構を備えないものもある。
また、連結機構は必ずしもフレームの側辺のフレームに
限らず、必要に応じて上、下辺その他の部分に備える場
合もある。

【００１３】本発明連結機構は本発明耐火パネルに限定
されず、通常のパネルその他のパネルにも汎用し得るも
のである。

【００１４】

【作用】本発明構成の壁パネル、床パネル、天井パネル
等のパネルを上記本発明連結機構または従来行われてい
る連結手段で連結し、壁、床、天井等を構成することに
よって、耐火性の各種建築物構築物等を設ける。

【００１５】本発明連結機構５でパネル相互を連結する
場合は、隣接パネルＰ、Ｐ側辺の相互の連結突条６，６
を反転対称状態に設置したのち、相互の鈎形部７，７に
狭長板状のキープレート９を嵌挿置すると、両パネルが
左右方向へ分離しない状態に連結されると共に、前後方
向のずれを相互の小凸条８，８の鈎形部７，７外面への
当接によって制止して、両パネルＰ、Ｐの連結状態を強
固安全的に保持する。また、連結した両パネルＰ、Ｐの
隙間に変成シリコン等のコーキング材１０でコーキング
する。（図４参照）

【００１６】

【効果】パネルの表裏両面若しくは表面側を鋼板と耐火
ボードで覆ったため、耐火パネルとしての耐火性能を発
揮できると同時に、パネルの４辺部即ちパネル相互の連
結部に位置するフレームと鋼板の間に耐火ボードの周縁
部若しくは狭長耐火板を介在せしめて、鋼板とフレーム
の直接熱伝導を耐火材で遮断構成したため、火災時等の
高熱が耐熱性に優れた鋼板から高熱で変形、溶融、若し
くは燃焼する恐れのあるフレームに伝達することを有効
に防止し、フレームを高熱から保護する優れた効果があ
る。

【００１７】更に、鋼板の4辺の周縁部をフレーム材の
脚片を覆った耐熱材の外周面に２直角に折り曲げて固着
して、該鋼板をフレーム材に強固安定的に張設したた
め、火災時等の高熱で鋼板が湾曲したり、また内部充填
材の膨張、溶融等で内外圧が加わった場合でも、耐火材
に２直角に巻き付けた鋼板４辺周縁は強固に固着して容
易に反り返り、剥がれはじけたりすることがなく、パネ
ルの破損、破壊を有効に防止できる多大の効果がある。

【００１８】また、本発明連結機構は、フレーム材に予
め簡単な形状の連結突条を形成しておき、あとはその鈎
形部にキープレートを嵌挿するだけで、両パネルを、従
来の如く多数個の外付連結金具を取り付ける面倒なし
に、極めて簡単かつ強固安定的に連結できる優れた特徴
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明耐火パネルの実施例の正面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面拡大図。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面拡大図。

【図４】本発明パネル連結機構の実施例を示す断面図。

【図５】連結機構を備えたフレーム材の正面図、平面
図、及びＣ−Ｃ線断面図。

【図６】従来パネルの１例の正面図。

【図７】図６のＤ−Ｄ線断面拡大図。

【符号の説明】

Ｐ 本発明耐火パネル １ａ 鋼板（表面） １ｂ 鋼板（裏面） １ｃ 周縁部 ２ フレーム ２ａ フレーム材 ２ｂ 脚片 ３ 耐火ボード ４ 狭長耐火板 ５ 連結機構 ６ 連結突条 ７ 鈎形部 ８ 小凸条 ９ キープレート １０ コーキング材 １１ 充填材 以下従来例 １００Ｐ 従来パネル １０１ａ 鋼板（表面） １０１ｂ 鋼板（裏面） １０１ｃ 周縁部 １０２ フレーム １０２ａ フレーム材 １１１ 充填材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アルミ製のフレーム材で形成した長方形等
   のフレームの表裏両面に鋼板を張設し、フレームと表裏
   両面の鋼板で囲った中空部内に硬質発砲ウレタン等の充
   填材を注入固化してなる、プレハブ式建築物構築物等用
   のパネルにおいて、 表裏両面の鋼板の内面側に珪酸カルシウム板等の耐火ボ
   ードを介装すると共に、鋼板をフレームに張設固着する
   につき、その４辺の周縁部を２直角に折り曲げ、該４辺
   の周縁部とフレームとの間に上記耐火ボードの周縁部若
   しくは狭長耐火板を介在した状態、即ち、鋼板とフレー
   ムを直接接触しない状態に固着して設けたものである、 プレハブ式建築物構築物等用の耐火パネル。
2. 【請求項２】アルミ製のフレーム材で形成した長方形等
   のフレームの表裏両面に鋼板を張設し、フレームと表裏
   両面の鋼板で囲った中空部内に硬質発砲ウレタン等の充
   填材を注入固化してなる、プレハブ式建築物構築物等用
   のパネルにおいて、 表裏両面の一方の鋼板の内面側に珪酸カルシウム板等の
   耐火ボードを介装すると共に、鋼板をフレームに張設固
   着するにつき、その4辺の周縁部を２直角に折り曲げ、
   該4辺の周縁部とフレームの間に上記耐火ボードの周縁
   部若しくは狭長耐火板を介在した状態、即ち、鋼板とフ
   レームを直接接触しない状態に固着して設けたものであ
   る、 プレハブ式建築物構築物等用の耐火パネル。
3. 【請求項３】アルミ製の横断面Ｈ形の狭長なフレーム材
   の外側の脚片の表裏両面に耐火ボードの周縁部若しくは
   狭長耐火板を当接設置すると共に、その外周面に鋼板の
   4辺の周縁部を２直角に折り曲げ成形固着して備えたも
   のである、 請求項１及び請求項２のプレハブ式建築物構築物等用の
   耐火パネル。
4. 【請求項４】パネルのフレームの外面長手方向に、先端
   に鈎形部、基部付近に小凸条を形成した連結突条を突設
   し、パネル相互の連結時に、両パネルをその各連結突条
   を各横断面形状において反転対称の状態に相対すると共
   に、相互の小凸条を相互の鈎形部の外面に近接相対して
   設置し、相互の鈎形部に狭長板状のキープレートを嵌挿
   置することによって、パネル相互を連結するように備え
   たものである、 プレハブ式建築物構築物等用のパネルの連結機構。