JP2010229630A - 間仕切壁の目地構造及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾式工法の耐火間仕切壁における目地部の耐火性能を簡易な方法で向上する。
【解決手段】耐火間仕切壁(1)は、鋼製下地に面材(2、3)を施工した構造を有する。上張り面材(3)と下地面材(2)との間には、目地(30)に沿って連続的に延びる面材背後間隙(25)及び隠蔽溝(6)が形成される。シーリング材(4)が面材背後間隙及び隠蔽溝に圧入又は充填される。シーリング材は、上張り面材の裏面側において上張り面材の突き付け目地に沿って連続的に延びるシーリング材の帯状膜(42,44)及びコア(41,48)を面材背後間隙及び隠蔽溝に形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、間仕切壁の目地構造及びその施工方法に関するものであり、より詳細には、乾式工法の耐火間仕切壁における目地部の耐火性能を簡易な方法で向上することができる間仕切壁の目地構造及びその施工方法に関するものである。
建築物の壁体は、建築物単体又は建築物固有の条件や、建築物の敷地及び配置等の集団的又は都市計画的な条件等に基づき、強度、防耐火性能、耐震性能等の諸性能に関する建築基準法上の各種規制を受ける。一般に、防火区画、竪穴区画、排煙区画等を構成する耐火間仕切壁は、鉄筋コンクリート構造の壁体、コンクリートブロック等のブロック構造の壁体、PCa板、ALC板等のパネル構造の壁体、或いは、所定の板厚・材質・枚数の面材(石膏ボード、珪酸カルシウム板等)を鋼製スタッド又は鋼製ランナの両側の面に張り付けた軽鉄間仕切壁等によって施工される。
PCa板、ALC板等のパネル構造壁では、隣接するパネル同士の接合部に生じる継目を気密処理又は水密処理する必要が生じる。パネル構造壁の継目処理は、紐状又はチューブ状の弾性目地材や発泡材等をパネル間の目地部に挿入又は充填し、所望により、目地部の表層部分をシーリング材等によって仕上げる構成の目地構造が採用されている。この種の目地は、パネル構造壁全体の耐火性能を損なわない性能を要求されるが、パネル自体が比較的厚い板厚(例えば、50〜200mm程度)を有するので、例えば、耐火性目地材を目地部に装着し又は充填し、或いは、目地部の断面を構造的に工夫するといった対策を採用し、これにより、所望の耐火性能を発揮する耐火目地をパネル構造壁に施工することが可能である(特開昭63−32039号公報、特開2007−70834号公報等)。
他方、鋼製下地材(鋼製スタッド、鋼製ランナ等)を用いた上述の軽鉄間仕切壁にあっては、一枚の面材の板厚が5〜30mm程度であるにすぎないので、パネル構造壁の目地のような複雑な目地構造を採用し難い事情がある。軽鉄間仕切壁の壁面において一般に採用されている目地の種類として、縁部に面取り加工を施した面材を突き付ける突付け目地、所定間隔を隔てて面材の縁部を離間させる目透し目地、樹脂製ジョイナー等の目地材によって面材を連接するジョイナー目地、目透し目地の目地部にアクリル系・シーラント等のシーリング材を充填して仕上げたシーリング目地等が挙げられるが、このような汎用の目地構造では、目地部分において局所的に耐火性能が低下する傾向がある。
本発明者等の実験によれば、突付け目地を備えた間仕切壁に関して耐火試験を実施すると、加熱される面(炉内側の加熱面又は受熱面)とは反対の側の面(非加熱面又は放熱面)において、表層の面材の継目(突付け目地)に生じた微小な隙間から熱風又は熱ガスが室内側に吹抜け、漏出し又は噴流する現象がしばしば発生する。このような状態では、目地部及びその近傍の温度は許容温度(約200℃)を超えるので、耐火間仕切壁に要求される所望の耐火性能は得られない。これは、局所的な耐火性能の劣化が目地部に生じ、火災時に熱気が目地部から室内側に漏出し、これにより、局部的な高温域が目地部又はその近傍に発生したことに起因すると考えられる。この現象が目透し目地において更に顕著に生じることはいうまでもないが、このような現象は、汎用のジョイナー材を用いたジョイナー目地や、通常のシーリング目地においても、同様に生じる。また、ジョイナー目地やシーリング目地の場合、ジョイナー材の変形や、シーリング材の経年劣化等によって、目地部に隙間が生じ、この隙間は、外力を受けて比較的容易に拡大する傾向がある。更には、シーリング目地の場合には、室内側に面するシーリング材の表面がカビ発生の原因となったり、埃、塵等がシーリング材の表面に付着し易いという難点がある。
このため、この種の目地を耐火構造の間仕切壁に施工する場合、目地を設けた壁体表層の面材を除いた状態の壁体で所期の耐火性能を確保し(従って、壁体の耐火性能を下地面材及び鋼製下地の耐火性能に依存し)、或いは、耐火性能を有する特殊な目地材等を目地部に施工する対策を採用する必要が生じる。後者の事例として、本出願人は、金属板を所定形状に成形してなる目地材、或いは、長尺且つ方形断面の不燃材を帯板状金属板に一体化してなる目地材を面材の目地部に挿入した構成の目地構造を特許第4021156号において提案している。
本出願人は又、耐火間仕切壁に関し、鋼製スタッドの片側面のみに石膏ボード又は珪酸カルシウム板等の面材を張り付けた構成を有する耐火間仕切壁を特願2001−115011号(特開2002−369891号公報)において提案している。本出願人は、このような形式の耐火間仕切壁構造に関し、耐火試験を繰返し実施した結果、上記のとおり、隣接するボード材料の間の継目又は目地の構造・形態等が間仕切壁の耐火性能に極めて大きく影響する現象を認識した。このため、この種の耐火間仕切壁を施工する場合には、目地部の室内側表面にガラス繊維製補強テープ等を張った後、ジョイントコンパウンド等によって目地部の表面を平滑に仕上げ、これにより、目地部を実質的に完全に閉塞し、所望の耐火性能を確保する対策が採られている。
特開昭63−32039号公報 特開2007−70834号公報 特許第4021156号公報 特開2002−369891号公報
しかしながら、壁体表層の面材を除いた状態の壁体で所期の耐火性能を確保するように構成された軽鉄間仕切壁では、壁面のボード材料枚数が増加し又はボード材料の板厚が増大する結果、壁厚が増大するとともに、間仕切壁の材料費、作業工数、工期等が増大する。
他方、ガラス繊維製等の補強テープや、ジョイントコンパウンド等を用いた目地処理を施す施工、或いは、特殊な耐火目地材、特殊な耐火ジョイナー等を用いて目地の耐火性を向上する施工も又、間仕切壁の材料費、作業工数、工期等を増大させる要因となる。
また、耐火目地材や耐火ジョイナー等は、建築意匠設計上、使用し難い状況が生じることがあるのみならず、目地の交差部において施工困難な状況が生じ易い。
従って、このような目地処理を実施せず、特殊な耐火目地材、特殊な耐火ジョイナー等も使用せず、しかも、壁面のボード材料枚数の増加や、板厚の増大をもたらすこともなく、耐火構造の軽鉄間仕切壁を簡易に施工する技術の開発が望まれる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁に関し、補強テープ等の目地処理材や、特殊な耐火目地材又は特殊な耐火ジョイナー等を用いることなく、壁面のボード材料枚数の増加又は板厚の増大をもたらすこともなく、簡易な手段で目地部の耐火性能を向上することができる目地構造及びその施工方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁の目地構造において、
前記面材は、鋼製下地に取付けられた少なくとも一層の下地面材と、前記下地面材の表面に突付け張り形態に張り付けられた上張り面材とから構成され、
隣り合う前記上張り面材の間に形成される目地に沿って前記上張り面材の裏面側で連続的に延びる面材背後間隙及び/又は隠蔽溝が、前記下地面材と前記上張り面材との間に形成され、
シーリング材が前記面材背後間隙及び/又は隠蔽溝に充填され、前記シーリング材は、前記上張り面材の裏面側で前記目地に沿って連続的に延びるシーリング材の帯状膜又はシーリング材のコアを前記面材背後間隙又は前記隠蔽溝に形成することを特徴とする間仕切壁の目地構造を提供する。
本発明は又、鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁に設けられる目地の施工方法において、
鋼製下地に取付けられた下地面材の表面に突付け張り形態に上張り面材を張り付ける際に、下地面材の表面に既に張り付けられた第1上張り面材の端面の裏面側入隅部分にシーリング材を盛り付け、或いは、前記下地面材と協働して溝を形成するように配置された前記第1上張り面材のテーパ部分、ベベルエッジ部分、傾斜面又は切欠き部分にシーリング材を盛り付けるとともに、該シーリング材の一部を下地面材と第1上張り面材との間の面材背後間隙に圧入し、
第2上張り面材の端面を前記第1上張り面材の端面に突き付けて第2上張り面材を前記下地面材の表面に張り付け、前記第2上張り面材の圧力によって前記シーリング材を前記面材背後間隙に圧入するとともに、該シーリング材を前記上張り面材によって隠蔽し、これにより、前記上張り面材の裏面側において該上張り面材の突付け目地に沿って連続的に延びるシーリング材の帯状膜及び/又はシーリング材のコアを形成することを特徴とする目地の施工方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、面材背後間隙又は隠蔽溝に充填されたシーリング材は、上張り面材の裏面側で目地に沿って連続するシーリング材の帯状膜及び/又はコア(芯又は核)を形成する。下地面材と上張り面材との間の面材背後間隙として、面材間の接着剤の厚さによって形成される2mm以下の僅かな間隙を利用することができる。上張り面材の端面(接合面)に設けられたテーパ部分、ベベルエッジ部分、傾斜面又は切欠き部分を下地面材の側に配置することにより、上張り面材の端面同士を突き付けたときに、室内側面に開口しない溝、即ち、隠蔽溝を目地部に形成することができる。
面材背後間隙又は隠蔽溝に充填されたシーリング材は、目地部分の室内側に露出せず、目地の背後(壁体内の面材層間)で目地に沿って連続的に延びるシーリング材の帯状膜又はコア(芯又は核)を形成する。シーリング材の帯状膜又はコアは、火災室の燃焼ガスが高温の熱風として非火災室の側に吹抜けるのを阻止し、目地近傍の温度上昇を抑制する。シーリング材は、室内側に露出しないので、紫外線、オゾン等によるシーリング材の劣化の可能性が極めて低く、シーリング材が有する諸性能を長期間維持することが可能となり、しかも、シーリング材は、壁面の意匠性を損なわず、カビ発生、汚れ等の原因にもならない。
かくして、本発明の目地構造及びその施工方法によれば、補強テープ等の目地処理材や、特殊な耐火目地材又は耐火ジョイナー等を用いることなく、壁面のボード材料の枚数又は板厚を増加又は増大させることもなく、簡易な方法で目地部の耐火性能を向上することができる。
本発明の目地構造及びその施工方法によれば、鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁において、補強テープ等の目地処理材や、特殊な耐火目地材又は耐火ジョイナー等を用いることなく、壁面のボード材料枚数の増加や、ボード材料の板厚の増大をもたらすこともなく、簡易な手段で目地部の耐火性能を向上することができる。
本発明に係る間仕切壁の実施例を示す部分破断斜視図及び概略縦断面図である。 図1(B)に示す間仕切壁の拡大縦断面図及び部分拡大断面図であり、上張り面材の横目地構造及びその施工方法が示されている。 図1(B)に示す間仕切壁の拡大横断面図及び部分拡大断面図であり、上張り面材の縦目地構造及びその施工方法が示されている。 図1(B)に示す間仕切壁の斜視図及び部分拡大断面図であり、上張り面材の目地構造が示されている。 図2〜図4に示す片面ボード張り構造の間仕切壁に観られる火災時の挙動又は変形の状態を示す部分縦断面図である。 従来の目地構造を有する片面ボード張り構造の間仕切壁(比較例)に観られる火災時の挙動又は変形の状態を示す部分縦断面図である。 本発明に係る横目地構造の変形例を示す横目地の拡大縦断面図である。 本発明に係る横目地構造の他の変形例を示す横目地の拡大縦断面図である。 本発明に係る縦目地構造の変形例を示す縦目地の拡大横断面図である。 本発明に係る縦目地構造の他の変形例を示す縦目地の拡大横断面図である。 本発明に係る縦目地構造の更に他の変形例を示す縦目地の拡大横断面図である。 図2に示す横目地構造の変形例を示す横目地の部分拡大縦断面図である。 図3に示す縦目地構造の変形例を示す縦目地の部分拡大横断面図である。 図8に示す横目地構造の変形例を示す横目地の拡大縦断面図である。
本発明の好適な実施形態によれば、隠蔽溝(6)は、三角形断面又は方形断面のシーリング材封入領域を上張り面材の裏面側において上張り面材間の目地(30)の背後に形成する。好ましくは、帯状膜(42,44)とコア(41,48)とが一体化したシーリング材の硬化体が上張り面材の裏面側において上張り面材間の目地(30)の背後に形成される。
本発明の好適な実施形態において、上張り面材(3)間の突付け目地(30)に形成された僅かな目地部間隙(34)によって、帯状膜(42,44)と直交する薄い目地部膜(43,45)が形成される。目地部膜(43,45)は、帯状膜(42,44)に一体的に連接する。目地部間隙(34)の寸法jは、概ね1mm以下の寸法であり、通常は、0.2mm以下の寸法である。
本発明の好ましい実施形態によれば、上張り面材の裏面側において上張り面材間の横目地(32)の背後に形成される帯状膜(42)又は上記硬化体(41,42)の高さ(h)は5mm以上の寸法、好ましくは10mm以上の寸法、更に好ましくは15mm以上の寸法に設定される。また、上張り面材の裏面側において上張り面材間の縦目地(31)の背後に形成される帯状膜(44)又は上記硬化体(44,48)の幅wは5mm以上の寸法、好ましくは10mm以上の寸法、更に好ましくは15mm以上の寸法に設定される。
本発明の好ましい実施形態によれば、隠蔽溝(6)を形成するテーパ部分(5)、ベベルエッジ部分又は切欠き部分(7)の奥行(D)は、上張り面材の板厚(t)の2/3以下の寸法、好ましくは、1/2以下の寸法に設定される。
本発明の好適な実施形態に係る間仕切壁構造においては、上張り面材の長手方向の目地は、下地面材の長手方向の目地と直交する方向に配向される。耐火間仕切壁は、鋼製下地の片側の面のみに面材を備えた形式の耐火間仕切壁であっても、鋼製下地の両側の面に面材を備えた形式の耐火間仕切壁であっても良い。片側面にのみ面材を備えた耐火間仕切壁は、エレベータシャフト、階段室、ダクトスペース又は配管スペース等の竪穴区画の区画壁として好適に使用し得る。
本発明に係る間仕切壁において好適に使用し得る面材として、石膏ボード、強化石膏ボード、構造用石膏ボード、シージングせっこうボード、化粧石膏ボード、普通硬質石膏ボード、石膏板、グラスティッシュ補強石膏板(商品名「タイガーグラスロック(登録商標)」(吉野石膏株式会社製品))等の石膏系面材の他、珪酸カルシウム板、セメント系ボード(「デラクリート」(登録商標)等)が挙げられる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る間仕切壁の実施例を示す部分破断斜視図及び概略縦断面図であり、図2(A)及び図3(A)は、図1(B)に示す間仕切壁の拡大縦断面図及び拡大横断面図である。図2(B)、図2(C)、図3(B)、図3(C)及び図4は、上張り面材の目地構造及びその施工方法を示す部分拡大断面図及び斜視図である。
図1(B)には、二層のボード材料(面材)2、3を鋼製スタッド10の片側面だけに張り付けた片面ボード張り構造の間仕切壁1が示されている。図1(C)には、二層のボード材料2、3を鋼製スタッド10の両面に張り付けた両面ボード張り構造の間仕切壁1'が示されている。本実施例において、ボード材料2、3は、板厚21mmの強化石膏ボードである。間仕切壁1、1'は、竪穴区画域50の縁に隣接して鉄筋コンクリート構造の床構造体F1上に構築され、上階の床又は屋根を構成する鉄筋コンクリート構造の床構造体F2まで垂直に建込まれる。本例の間仕切壁1、1'は、エレベータシャフト、階段室、配管・ダクトシャフト(設備スペース)等の竪穴区画域50を区画する耐火間仕切壁として施工される。
図1(C)に示す両面ボード張り構造の間仕切壁1'では、スタッド10の両側面にボード材料2、3が張り付けられるのに対し、図1(B)に示す片面ボード張り構造の間仕切壁1においては、鋼製スタッド10の室内側にのみボード材料2、3が張り付けられ、スタッド10は竪穴区画域50に露出する。図1(B)に示す片面ボード張り構造の間仕切壁1は、本出願人が特願2001−115011号(特開2002−369891号公報)において提案した構成のものであり、適切なボード材料の選択と、補強テープ等による目地処理の施工とによって十分な耐火性能を発揮することが既に実証されている。片面ボード張り構造の間仕切壁1は、例えば、エレベータシャフト、階段室、ダクトスペース、配管スペースの竪穴区画壁や、内装仕上げを施さない倉庫、将来的な増築スペース等に配置される防火区画壁、片側の壁面に消火栓ボックス、或いは、分電盤、制御盤、点検口等の設備を埋め込む必要がある防火区画壁として極めて有利に使用し得る。
両面ボード張り構造の間仕切壁1'は、片面ボード張り構造の間仕切壁1の鋼材下地露出側に面材を更に施工した構造の間仕切壁であり、間仕切壁1の耐火性能を更に向上した構造の壁体であると考えることができる。従って、耐火上不利な間仕切壁、即ち、片面ボード張り構造の間仕切壁1の実施例について以下に説明する。
図1(B)に示す片面張り構造の間仕切壁1の詳細が図2(A)及び図3(A)に示されている。
間仕切壁1の下端部は床構造体F1に支持され、間仕切壁1の上端部は床構造体F2に固定される。間仕切壁1の鋼製下地は、鋼製スタッド10、鋼製床ランナ11及び鋼製天井ランナ12の軸組構造を有する。スタッド10は、軽量鉄骨製のチャンネル型部材からなり、床ランナ11及び天井ランナ12は、軽量溝型鋼からなる。ランナ11、12は、アンカーボルト等の係止具13によって床構造体F1、F2に堅固に固定される。スタッド10の下端部及び上端部は、床ランナ11及び天井ランナ12の溝内に挿入され、摩擦係合によって上下のランナ11、12に係止される。スタッド10は、300〜606mm程度の寸法に設定された所定間隔(例えば、455mm間隔又は606mm間隔)を隔てて竪穴区画域50の縁に整列配置され、床構造体F1、F2の間に垂直に立設される。
図1(A)に示されるように、下地ボード(ボード材料)2が、室内側からスクリュービス8によってスタッド10の片面に取付けられる。スタッド10に対する下地ボード2の固定に接着剤を併用しても良い。下地ボード2は、横張り方向に配置される。下地ボード2の突付け目地20が縦横(垂直・水平)に延びる。目地20は、縦目地21(破線で示す)と横目地22とから構成される。
スクリュービス8は、スタッド10に沿って高さ方向に100〜450mmの間隔、例えば、200mm間隔に配置される。上張りボード(ボード材料)3が、ステープル9(図3(A))及び接着剤(酢ビ系接着剤等の点付け)によって下地ボード2の表面に室内側から固定される。ステープル9の係止箇所(間隔)は、縦・横の各方向において50〜400mmの範囲内の間隔、例えば、200mm間隔に設定される。
図1(A)に示すように、上張りボード3は縦張り方向に配置される。上張りボード3の突付け目地30が縦横(垂直・水平)に延びる。目地30は、縦目地31と横目地32とから構成される。
上張りボード3の横目地32の目地構造及びその施工方法について、図2及び図4を参照して説明する。
図2(B)には、下地ボード2の室内側面に既に固定された下側の上張りボード3Loと、上張りボード3Loの上側に施工される上張りボード3Upとが示されている。本実施例において、ボード2、3の板厚tは21mmである。ボード2、3間において上張りボード3の背後に形成される面材背後間隙25の寸法gは、主としてボード2、3間の接着剤層(図示せず)の厚さによって決定されるが、概ね3mm以下の寸法であり、通常は、2mm以下の寸法である。上下のボード2、3の上端面35及び下端面36は接合面を構成する。
上張りボード3Loの上端面35の裏面角部には面取り加工が施されており、テーパ(又はベベルエッジ)5が下地ボード2の側に配置され又は形成されている。同様に、上張りボード3Loの下端面36の裏面角部にも又、面取り加工が施されており、テーパ5が形成されている。上下のテーパ5は、横目地32に沿って水平に延びる三角形断面の溝を上下対称に形成する。テーパ5の奥行Dは、好ましくは、上張りボード3の板厚tの2/3以下の寸法、更に好ましくは、板厚tの1/2以下の寸法に設定される。
シーリング材(シーラント)4が上張りボード3Loのテーパ5に比較的多量に塗布される。一般に、シーリング材4は、建材の目地部分の水密性及び/又は気密性を確保するために目地部分に充填される材料であり、施工時には流動性材料を有する不定形材料であるが、施工後には伸縮可能又は変形可能な弾性体に硬化する。シーリング材4として、変成シリコーン系シーリング材(シーラント)又はポリウレタン系シーリング材(シーラント)を好ましく使用し得るが、他の種類のシーリング材、例えば、ポリサルファイド系シーリング材等を使用することも可能である。シーリング材4として、シーリング材を充填した間隙又は隠蔽溝を火災時に通気不能に閉塞する状態を維持し得るシーリング材、例えば、高い耐熱性能の有するシーリング材を好適に使用し得るが、この他、加熱時に発泡性を有するシーリング材、或いは、燃焼後に炭化層を形成する性質を有するシーリング材等を使用することも可能である。
一般に、シーリング材4の施工は、シーリング材4を充填したカートリッジ(図示せず)をシーリングガン(コーキングガン)等の専用工具(図示せず)に装着し、カートリッジの流出口(図示せず)からシーリング材4を目地部等に徐々に流出させることよって線状に施工される。カートリッジ流出口の先端から押し出された比較的多量のシーリング材4が、図2(B)に示すように上張りボード3Loのテーパ5上に連続的に塗布される。後述する隠蔽溝6(図2(B))を満たすのに十分な量のシーリング材4がテーパ5上に盛り付けられる。シーリング材4の一部は、下地ボード2と上張りボード3Loとの間の面材背後間隙25にシーリング材延入部46を同時に形成するように、専用工具の押出し圧力によって面材背後間隙25内に圧入される。横目地32のシーリング材4は、図4に示す如く、縦目地31のシーリング材4と連続する。
上張りボード3Upが図2(C)に示す如く上張りボード3Loの上端面35に突き付けられる。三角形断面の隠蔽溝(隠蔽チャンネル)6が上下のテーパ5によって横目地32の背後に形成される。隠蔽溝6の容積を超える塗布量のシーリング材4が上張りボード3Loのテーパ5上に塗着しているので、シーリング材4は隠蔽溝6内に封入されるとともに、上張りボード3Upの圧力によってボード2、3間の僅かな面材背後間隙25内に更に圧入される。隠蔽溝6内のシーリング材4は、横目地32の全長に亘って延びる三角形断面の連続コア(芯又は核)41を形成する。面材背後間隙25内に延入するシーリング材4は、横目地32の全長に亘って延びる高さhの連続帯状の薄い帯状膜(フィルム)42を形成する。帯状膜42の高さhは、好ましくは10mm以上の寸法、更に好ましくは15mm以上の寸法に設定される。所望により、図12に示すように、上端面35及び下端面36の間に形成される僅かな目地部間隙34にシーリング材4の一部を封入し、上端面35及び下端面36の間に介挿されたシーリング材4によって、横目地32の全長に亘って延びる連続帯状の薄い目地部膜(フィルム)45を形成するようにしても良い。
上張りボード3の縦目地31の目地構造及びその施工方法について、図3及び図4を参照して説明する。
図3(B)には、下地ボード2の室内側面に既に張り付けられた平面視右側の上張りボード3Rtと、上張りボード3Rtの左側に施工される上張りボード3Ltとが示されている。前述の如くカートリッジ流出口の先端から押し出された比較的多量のシーリング材4が、図3(B)に示すように上張りボード3Rtの側縁端面37の入隅部に連続的に盛り付けられる。シーリング材4の一部は、専用工具の押出し圧力によって面材背後間隙25内に圧入され、下地ボード2と上張りボード3Rtとの間にシーリング材延入部47を形成する。縦目地31のシーリング材4は、図4に示す如く、横目地32のシーリング材4と連続する。なお、左右の側縁端面37は、面材同士の接合面を構成する。
上張りボード3Ltの側縁端面37が、図3(C)に示す如く上張りボード3Rtの側縁端面37に突き付けられる。シーリング材4は、上張りボード3Ltの圧力によってボード2、3間の僅かな面材背後間隙25に更に圧入される。面材背後間隙25内に延入するシーリング材4は、縦目地31の全長に亘って連続帯状に延びる幅wの薄い帯状膜(フィルム)44を形成する。所望により、図13に示すように、左右の上張りボード3Lt、3Rtの間に形成される僅かな目地部間隙34にシーリング材4の一部を封入するようにしても良い。目地部間隙34の寸法jは、概ね1mm以下の寸法であり、通常は、0.2mm以下の寸法である。目地部間隙34内のシーリング材4は、縦目地31の全長に亘って延びる連続帯状の薄い目地部膜(フィルム)43を形成する。目地部膜43は帯状膜44と直交し、帯状膜44に一体的に連接する。
図5は、図2〜図4に示す片面ボード張り構造の間仕切壁1に観られる火災時の挙動又は変形の状態を示す間仕切壁1の部分縦断面図である。図6は、シーリング材4を施工しない状態の間仕切壁100(従来の目地構造を有する間仕切壁の比較例)に観られる火災時の挙動又は変形の状態を示す間仕切壁100の部分縦断面図である。なお、図5及び図6に示す間仕切壁1、100の火災時の挙動及び変形は、耐火実験施設を使用して実施された耐火試験によって実際に確認された現象である。
間仕切壁1、100は、耐火試験装置のガス燃焼式加熱炉に配置され、スタッド10が露出する間仕切壁1、100の側は、加熱側(炉内側)に向けられる。耐火試験において、スタッド10が露出する側の空間は、火災が発生した室を模擬する燃焼域であり、火災時の火炎を想定したバーナ火炎Bが、図5及び図6に示す如く燃焼域に形成される。
耐火試験では、加熱炉の炉温は、実際の火災発生時の状況を再現すべく、約1時間の時間で室温(初期温度)から約950℃に上昇するように制御される。間仕切壁1、100がこのような耐火試験に基づいて1時間耐火構造として認定されるには、非加熱側(炉外側)の壁面の最高温度が室温+180℃を超えず、非加熱側の壁面の平均温度が室温+140℃を超えず、しかも、継続的な火炎の噴出や発炎が非加熱側の壁面に発生せず、亀裂等の損傷も生じない、という条件に適合する必要がある。
図5及び図6には、加熱開始後15分経過時の状態が示されている。燃焼域の熱輻射及び高温雰囲気に晒されたスタッド10は、輻射伝熱及び対流伝熱の作用によって受熱し、熱膨張しようとするが、ボード2、3を固定した側に位置するスタッド10の部分は、ボード2、3によって熱膨張を拘束されるので、矢印Eで示す熱膨張は相対的に小さい。これに対し、ボード2、3とは反対の側に位置するスタッド10の部分は、ボード2、3の拘束力が比較的弱いことから、相対的に大きく膨張する。このため、加熱開始後15分経過時の間仕切壁1、100は、図5及び図6に示すように加熱側(炉内側)、即ち、火災側に向かって全体的に湾曲する。
図6に示す間仕切壁100においては、間仕切壁1の挙動及び変形に伴って、下地ボード2及び上張りボード3の目地20、30が拡開するとともに、比較的大きな拡大間隙(中空域)26がボード2、3の間に形成された。燃焼ガスGが炉内側(火災側)から炉外側(非火災側)に吹抜ける流路が、拡大した目地20、30や、ボードの亀裂(図示せず)及び拡大間隙26によって形成された。炉内側燃焼域に生成した燃焼ガスGは、目地20及び亀裂(図示せず)を介して拡大間隙26内に流入し、拡大間隙26の温度は、500℃以上の温度に上昇した。
一般に、石膏ボードは、内部結晶水の蒸発気化により生じるボード自体の吸熱反応により、火災時におけるボードの温度上昇を抑制する性質を有する。燃焼ガスGが保有する熱は、石膏ボードの保有結晶水の脱水・気化時に生じる吸熱反応によって部分的に吸熱される結果、燃焼ガスGは若干降温する。しかしながら、間仕切壁100では、燃焼ガスGの一部は、十分に温度降下せず、このため、依然として高い温度を有する高温の熱風又は熱ガス流Hが目地30から炉外側(非火災室側)に漏出し又は噴出した。この結果、目地30から漏出する熱風又は熱ガス流Hにより、目地30近傍の温度は顕著に上昇した。本発明者等の計測によれば、目地30内に配設した熱電対によって測定された目地部近傍の温度(最高温度)は最終的には600℃以上の温度に達し、許容可能な最高温度約200℃(室温+180℃)及び平均温度約160℃(室温+140℃)を遥かに超えた。
同様に、図5に示す間仕切壁1においても、間仕切壁1の挙動及び変形に伴って下地ボード2及び上張りボード3の目地20、30が拡開するとともに、比較的大きな拡大間隙(中空域)26がボード2、3の間に形成された。図6に示す間仕切壁100と同じく、炉内側の燃焼ガスGは、目地20や、ボードの亀裂(図示せず)から拡大間隙26内に流入し、上張りボード3の外周部から目地30に吹抜けようとした。しかし、目地30に施工されたシーリング材4の連続コア41と、連続帯状の膜42及び膜44(図4)とが燃焼ガスGの吹抜けを阻止した結果、目地30の部分の温度は、89℃(目地30の近傍に配設した熱電対による測定の結果)であるにすぎず、許容最高温度約200℃(室温+180℃)及び平均温度約160℃(室温+140℃)に達しない温度であった。
かくして、目地20、30に施工されたシーリング材4の連続コア41と、連続帯状の膜42及び膜44(図4)とは、火災室の燃焼ガスGが非火災室の側に吹抜けるのを効果的に阻止し、目地30近傍の温度上昇を抑制する。従って、本発明に係る間仕切壁1の構成によれば、補強テープ等の目地処理材や、特殊な耐火目地材等を使用することなく、簡易な方法で目地部の耐火性能を向上することができる。
図7及び図8は、本発明に係る横目地構造の変形例を示す拡大縦断面図である。
図7に示す横目地構造においては、方形断面の切欠き部7を形成した上張りボード3Upの下端面36が、下地ボード2の側に切欠き部7を配置し又は形成した上張りボード3Loの上端面35に突き付けられる。方形断面の隠蔽溝(隠蔽チャンネル)6が上下の切欠き部7によって横目地32の背後に形成される。隠蔽溝6の容積を超える塗布量のシーリング材4が上張りボード3Loの切欠き部7上に盛り付けられるとともに、シーリング材4の一部が、下地ボード2と上張りボード3Loとの間の面材背後間隙25にシーリング材延入部46を同時に形成すべく、専用工具の押出し圧力によって面材背後間隙25内に圧入される。上張りボード3Upが図7(B)に示す如く上張りボード3Loの上端面35に突き付けられ、シーリング材4は、隠蔽溝6内に封入されるとともに、上張りボード3Upの圧力によって面材背後間隙25内に更に圧入される。隠蔽溝6内のシーリング材4は、横目地32の全長に亘って延びる方形断面の連続コア41を形成し、面材背後間隙25内に延入するシーリング材4は、横目地32の全長に亘って延びる高さhの連続帯状の薄い帯状膜(フィルム)42を形成する。
図8に示す横目地構造においては、カートリッジ流出口の先端から押し出された比較的多量のシーリング材4が、図8(A)に示すように上張りボード3Loの上端面35の入隅部に連続的に盛り付けられる。シーリング材4の一部は、専用工具の押出し圧力によって面材背後間隙25内に圧入され、下地ボード2と上張りボード3Loとの間にシーリング材延入部46を形成する。上張りボード3Upが図8(B)に示す如く上張りボード3Loの上端面35に突き付けられる。シーリング材4は、ボード3Lo、3Upの上端面35及び下端面36の間に封入され、上張りボード3Upの圧力によって面材背後間隙25に更に圧入される。面材背後間隙25内に延入したシーリング材4は、横目地32の全長に亘って延びる高さhの連続帯状の薄い帯状膜(フィルム)42を形成する。所望により、図14に示すように、上端面35及び下端面36の間に形成される僅かな目地部間隙34にシーリング材4の一部を封入し、上端面35及び下端面36の間に介挿されたシーリング材4によって、横目地32の全長に亘って延びる連続帯状の薄い目地部膜(フィルム)45を形成するようにしても良い。
図9、図10及び図11は、本発明に係る縦目地構造の変形例を示す拡大縦断面図である。
図9に示す縦目地構造においては、左右の上張りボード3Lt、3Rtの側縁端面37に面取り加工が施され、左右一対のテーパ(又はベベルエッジ)5が下地ボード2の側に配置され又は形成される。各テーパ5は、縦目地31に沿って垂直に延びる三角形断面の溝を左右対称に形成する。比較的多量のシーリング材4が、図9(A)に示すように上張りボード3Rtのテーパ5上に連続的に盛り付けられる。シーリング材4の一部は、専用工具の押出し圧力によって面材背後間隙25内に圧入され、下地ボード2と上張りボード3Rtとの間にシーリング材延入部47を形成する。上張りボード3Ltの側縁端面37が図9(B)に示す如く上張りボード3Rtの側縁端面37に突き付けられる。三角形断面の隠蔽溝(隠蔽チャンネル)6が左右のテーパ5によって縦目地31の背後に形成される。シーリング材4は隠蔽溝6内に封入されるとともに、上張りボード3Ltの圧力によって面材背後間隙25内に更に圧入される。隠蔽溝6内のシーリング材4は、縦目地31の全長に亘って延びる三角形断面の連続コア(芯又は核)48を形成し、面材背後間隙25内に延入したシーリング材4は、縦目地31の全長に亘って延びる幅wの連続帯状の薄い帯状膜(フィルム)44を形成する。
図10及び図11に示す縦目地構造においては、左右の上張りボード3Lt、3Rtは、ボード表面に対して所定角度をなして傾斜した側縁端面38、39を有する。側縁端面38(図10)は、室内側縁取り部分33を除くボード3Lt、3Rtの側縁端面部分を所定角度に成形してなる傾斜面であり、側縁端面39(図11)は、ボード3Lt、3Rtの側縁端面全体を所定角度に成形してなる傾斜面である。比較的多量のシーリング材4が、図10(A)及び図11(A)に示すように側縁端面38、39の入隅部分に上下方向に連続的に盛り付けられる。シーリング材4の一部は、専用工具の押出し圧力によって面材背後間隙25内に圧入され、下地ボード2と上張りボード3Rtとの間にシーリング材延入部47を形成する。上張りボード3Ltの側縁端面38、39は、図10(B)及び図11(B)に示す如く上張りボード3Rtの側縁端面38、39に突き付けられ、三角形断面の隠蔽溝6が縦目地31の背後に形成される。シーリング材4は隠蔽溝6内に封入されるとともに、上張りボード3Ltの圧力によって面材背後間隙25内に更に圧入される。隠蔽溝6内のシーリング材4は、縦目地31の全長に亘って延びる三角形断面の連続コア(芯又は核)48を形成し、面材背後間隙25内に延入したシーリング材4は、縦目地31の全長に亘って延びる幅wの連続帯状の薄い帯状膜(フィルム)44を形成する。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
上記実施例では、ボード2、3として、板厚21mmの強化石膏ボードが使用されているが、他の板厚の強化石膏ボードを使用しても良く、また、ボード材料2、3の一方又は双方として、石膏ボード、構造用石膏ボード、シージングせっこうボード、化粧石膏ボード、普通硬質石膏ボード、石膏板、グラスティッシュ補強石膏板(商品名「タイガーグラスロック(登録商標)」(吉野石膏株式会社製品))等を使用することも可能である。
また、上記実施例は、壁芯位置にスタッドを配置したシングル配列の間仕切壁に関するものであるが、壁芯の両側に2列にスタッドを整列配置したダブル配列の間仕切壁に本発明の構成を採用することも可能である。
更には、上記実施例の間仕切壁は、竪穴区画域を区画する耐火間仕切壁として例示されているが、本発明は、防火区画、竪穴区画、排煙区画等を構成する任意の耐火間仕切壁に等しく適用し得るものである。
本発明は、鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁に設けられる目地構造及びその施工方法に適用される。本発明の目地構造及びその施工方法によれば、コストアップの要因となる目地処理材、耐火目地材又は耐火ジョイナー等を用いることなく、簡易な手段で目地部の耐火性能を向上することができ、しかも、シーリング材の露出によって壁面の意匠性が損なわれたり、シーリング材の経年劣化、カビ、汚れ等の弊害も生じたりすることもなく、従って、本発明の目地構造及びその施工方法は、実用的に極めて有利である。
1、1' 間仕切壁
2 下地ボード
3 上張りボード
4 シーリング材(シーラント)
5 テーパ(又はベベルエッジ)
6 隠蔽溝(隠蔽チャンネル)
10 鋼製スタッド
11 鋼製床ランナ
12 鋼製天井ランナ
20 突付け目地
21 縦目地
22 横目地
25 面材背後間隙
30 突付け目地
31 縦目地
32 横目地
34 目地部間隙
35 上端面(接合面)
36 下端面(接合面)
37、38、39 側縁端面(接合面)
41、48 コア(芯又は核)
42、44 帯状膜
43、45 目地部膜
50 竪穴区画域
B バーナ火炎
G 燃焼ガス

Claims (10)

  1. 鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁の目地構造において、
    前記面材は、鋼製下地に取付けられた少なくとも一層の下地面材と、前記下地面材の表面に突付け張り形態に張り付けられた上張り面材とから構成され、
    隣り合う前記上張り面材の間に形成される目地に沿って前記上張り面材の裏面側で連続的に延びる面材背後間隙及び/又は隠蔽溝が、前記下地面材と前記上張り面材との間に形成され、
    シーリング材が前記面材背後間隙及び/又は隠蔽溝に充填され、前記シーリング材は、前記上張り面材の裏面側で前記目地に沿って連続的に延びるシーリング材の帯状膜又はシーリング材のコアを前記面材背後間隙又は前記隠蔽溝に形成することを特徴とする間仕切壁の目地構造。
  2. 前記上張り面材(3)の突付け目地(30)の端面間に形成された目地部間隙(34)によって、帯状膜(42,44)と直交する目地部膜(43,45)が更に形成され、該目地部膜(43,45)は、前記帯状膜(42,44)及び/又は前記コア(41,48)に一体的に連接することを特徴とする請求項1に記載の目地構造。
  3. 前記隠蔽溝(6)は、シーリング材を封入可能な三角形断面又は方形断面のシーリング材封入領域を前記上張り面材の裏面側において前記目地(30)に沿って形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の目地構造。
  4. 前記帯状膜(42,44)と前記コア(41,48)とが一体化してなるシーリング材の硬化体が、前記上張り面材の裏面側で前記目地(30)に沿って形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の目地構造。
  5. 鋼製下地の片側又は両側に面材を施工してなる耐火構造の間仕切壁に設けられる目地の施工方法において、
    鋼製下地に取付けられた下地面材の表面に突付け張り形態に上張り面材を張り付ける際に、下地面材の表面に既に張り付けられた第1上張り面材の端面の裏面側入隅部分にシーリング材を盛り付け、或いは、前記下地面材と協働して溝を形成するように配置された前記第1上張り面材のテーパ部分、ベベルエッジ部分、傾斜面又は切欠き部分にシーリング材を盛り付けるとともに、該シーリング材の一部を下地面材と第1上張り面材との間の面材背後間隙に圧入し、
    第2上張り面材の端面を前記第1上張り面材の端面に突き付けて第2上張り面材を前記下地面材の表面に張り付け、前記第2上張り面材の圧力によって前記シーリング材を前記面材背後間隙に圧入するとともに、該シーリング材を前記上張り面材によって隠蔽し、これにより、前記上張り面材の裏面側において該上張り面材の突付け目地に沿って連続的に延びるシーリング材の帯状膜及び/又はシーリング材のコアを形成することを特徴とする目地の施工方法。
  6. 前記上張り面材(3)の突付け目地(30)の間に形成された目地部間隙(34)によって、前記帯状膜(42,44)と直交し且つ該帯状膜に一体的に連接する薄い目地部膜(43,45)を形成することを特徴とする請求項5に記載の施工方法。
  7. 前記帯状膜(42,44)と前記コア(41,48)とを一体化してなるシーリング材の硬化体を前記突付け目地(30)に沿って前記上張り面材の裏面側に形成することを特徴とする請求項5に記載の施工方法。
  8. 前記突付け目地を構成する横目地(32)に沿って前記上張り面材の裏面側に形成される前記帯状膜(42)又は前記シーリング材のコア及び帯状膜の硬化体(41,42)の高さ(h)は、5mm以上の寸法に設定されることを特徴とする請求項5又は7に記載の施工方法。
  9. 前記突付け目地を構成する縦目地(31)に沿って前記上張り面材の裏面側に形成される前記帯状膜(44)又は前記シーリング材のコア及び帯状膜の硬化体(48,44)の幅wは、5mm以上の寸法に設定されることを特徴とする請求項5、7又は8に記載の施工方法。
  10. 前記隠蔽溝(6)を形成する前記テーパ部分(5)、ベベルエッジ部分又は切欠き部分(7)の奥行(D)を前記上張り面材の板厚(t)の2/3以下の寸法に設定することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の施工方法。

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