JP2004026368A - 原稿給紙装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原稿を載置する載置トレイと、前記載置トレイ上に載置された原稿の先端部を支持する支持トレイと、前記載置トレイ上に積載された原稿の最上面に接して原稿を繰り出す揺動自在な繰出手段と、前記原稿の最上面を前記繰出手段による繰出位置に移動させるために前記支持トレイを上昇させる昇降手段と、前記繰出手段による原稿不送りを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果によって前記原稿の最上面を前記繰出位置よりも所定量上昇させた上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御する制御手段と、を備えた。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、載置トレイ上に積載された原稿を一枚ずつ繰り出す給紙装置に関し、特に、載置された原稿を繰り出すための繰出手段と載置トレイ上の原稿を繰出手段に圧接させるための昇降自在な支持手段を具備する給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置等に設けられる給紙装置には、載置トレイ上に積載された原稿シートを1枚に分離して下流側に設けられた原稿読取部側に順次給紙するための分離機構と繰出機構が備えられる。
【0003】
載置トレイ上から原稿を繰り出す載置トレイとは別に載置トレイに積載された原稿の一部を支持する昇降自在な支持トレイを繰出ローラに対向する位置に設けこの支持トレイを上昇させて最上位の原稿面を繰出ローラに接触させて原稿を繰り出す給紙装置が知られている。このような昇降可能な支持トレイを備えた給紙装置は、載置トレイ上に積載された多枚数の原稿シートの繰り出しを可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の給紙装置においては、載置トレイ上に載置された原稿の先端が下向き(載置トレイ面側)にカールしていたり下向きに折れ曲っていた場合に、原稿を給紙方向下流側に案内する案内ガイドの案内面に原稿の先端が引っ掛ってしまい、原稿の繰り出しができなかったり、原稿が給紙経路内でジャムしたりする等の問題が生じていた。
【0005】
本発明は、従来装置が有していた上記問題点に鑑みてなされたものであって、先端が下向きにカールしていたり下向きに折れ曲った原稿であっても、載置トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ確実に繰り出すことが可能な給紙装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、原稿を載置する載置トレイと、前記載置トレイ上に載置された原稿の先端部を支持する支持トレイと、前記載置トレイ上に積載された原稿の最上面に接して原稿を繰り出す揺動自在な繰出手段と、前記原稿の最上面を前記繰出手段による繰出位置に移動させるために前記支持トレイを上昇させる昇降手段と、前記繰出手段による原稿不送りを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果によって前記原稿の最上面を前記繰出位置よりも所定量上昇させた上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする原稿給紙装置を提供するものである。
【0007】
ここで、前記昇降手段によって前記原稿の最上面を前記上昇位置に上昇させた際に、前記繰出手段を前記原稿の最上面に対して押圧させる押圧手段を設けた。
【0008】
これにより、昇降トレイを繰出位置から所定量上昇させ、カールした原稿を押圧してカールを矯正することが可能となり、原稿の先端が繰出ガイドに引っ掛って不送りとなる事態を排除できるのである。さらに、押圧手段は、付勢バネ部材であって構造が簡単であることから、これを低コストで実現できるのである。
【0009】
ここで、前記押圧手段は、前記原稿の最上面の前記繰出位置を超える上昇量に伴って前記繰出手段の前記積載された原稿面に対する押圧力を増大させる。そして、前記押圧手段は、前記繰出手段を支持する支持部材に当接し、前記繰出手段を前記原稿の最上面に付勢させる付勢バネ部材により形成される。
【0010】
原稿の不送りを検出した場合には、昇降トレイを繰出位置から所定量上昇させる構成とした。さらに、原稿最上面に前記繰出手段を押圧させる押圧手段の付勢バネ部材を設けた。
【0011】
ここで、前記制御手段は、前記検出手段が原稿不送りを検出したことにより、前記原稿の最上面が前記繰出位置から前記上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御する。また、前記原稿の最上面が前記上昇位置に移動した後、前記検出手段の検出結果によって、再び前記原稿の最上面が前記繰出位置に下降させるように前記昇降手段を制御する。さらに、前記制御手段は、前記原稿の最上面が前記繰出位置に移動した後、前記検出手段の検出結果によって、再び前記原稿の最上面が前記上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御する。
【0012】
前記昇降手段は、前記支持トレイに駆動連結された正逆転可能な駆動モータにより駆動され、前記検出手段による前記原稿不送りの検出は、前記繰出手段の原稿給紙方向下流側の所定位置に配置された原稿検知センサが、前記繰出手段による原稿駆動の開始後所定時間内に原稿を検知していないときに行われる。
【0013】
これにより、前記検出手段が原稿の不送りを検知すると、前記昇降手段が支持トレイを昇降し原稿を押圧してカール等の不送りの要因を取り除き確実に安定した原稿繰り出しを可能とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る原稿給紙装置の実施の形態例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は、画像読取装置の上に搭載された本発明の原稿給紙装置の全体構成を示すものである。図2は、本原稿給紙装置における原稿給紙機構の主要部の側面図を示す。
【0016】
図1において、原稿給紙装置Aは、画像読取装置本体Hに搭載されており、原稿給紙装置Aは、本体Hのコンタクトガラス1a上面を通過するように原稿を搬送する。
【0017】
装置本体Hは、第1のコンタクトガラス1aを介してランプ等の光源2からの光を搬送される原稿に照射し、その反射光をミラー3で反射させてレンズ4を介してCCDなどの読取手段5により光電変換して原稿画像を読み取る。従って、第1のコンタクトガラス1a上面に装置本体Hの読取部が配置される。
【0018】
画像読取装置本体Hには、原稿を載置可能な面積の第2のコンタクトガラス1bも備えされており、原稿給紙装置Aを開閉してコンタクトガラス1b上に載置されたブック物等の厚い原稿を光源2やミラー3などからなる光源ユニットを副走査方向に移動させることによって第2のコンタクトガラス1bを介して原稿の画像を読み取ることできる。
【0019】
次に、図1及び図2に基づき原稿給紙装置Aの構成について説明する。
【0020】
原稿給紙装置Aは、複数枚の原稿を載置可能な載置トレイ10と、複数枚の原稿を載置して繰出位置に昇降する支持トレイ22と、読み取られた原稿を収納する収納手段としての第1の排紙トレイ18及び第2の排紙トレイ19が備えられており、この第1の排紙トレイ18は主に大サイズの原稿を収納し、第2の排紙トレイ19は小サイズの原稿を収納する。
【0021】
また、原稿給紙装置Aは、載置トレイ10上の原稿を1枚ずつ第1のコンタクトガラス1aに向けて給送する給紙経路11と、給紙経路11に連なって形成されて原稿を第1のコンタクトガラス1aの上面に沿って案内する搬送経路12と、搬送経路12から第1の排紙トレイ18の排紙口に連なる第1の排紙経路13とを有する。
【0022】
さらには、第1の排紙トレイ18の排紙口から給紙経路11と搬送経路12との接続部に連結されて原稿を再び搬送経路12に戻す循環経路14と、第1の排紙経路13と分岐して形成されて搬送経路12からの原稿を案内する中間経路15と、この中間経路15から第2の排紙トレイ19の排紙口に連なる第2の排紙経路16とを有し、さらには、第2の排紙経路16と分岐して形成されて中間経路15からの原稿をスイッチバックさせるスイッチバック経路17aと、スイッチバックされた原稿を表裏反転して第2の排紙トレイ19の排紙口に導く反転経路17bとから成る原稿経路が構成されている。
【0023】
載置トレイ10に載置された原稿は、サイドガイド20によりその側部が規制され、さらに案内ガイド21で先端を規制されるようになっている。また、載置トレイ10は、原稿の給紙方向の先端側を支点として、回動自在に取り付けられている。
【0024】
図3は、本装置の原稿繰出部における支持トレイ22の昇降を制御する制御機構の構成例の斜視図を示すものである。図3(a)は、制御機構を上面から見た斜視図で、図3(b)は、図3(a)に示す制御機構を背面側から見た構成例の斜視図である。
【0025】
本実施形態における支持トレイ22の駆動機構は、原稿を載置して昇降する支持トレイ22と、支持トレイ22が回動して昇降するための装置Aの側板に取り付けられる回動支点53と、支持トレイ22の原稿搬送方向先端側下面に当接し支持トレイ22を昇降させる昇降レバー49と、昇降レバー49に連結されて昇降レバー49を回動させる回転軸51と、回転軸51に連結された複数のギヤ52a、52b、52cと、ギヤギヤ52a、52b、52cを回転駆動する正転及び逆転可能な昇降モータM4により構成される。さらに、原稿を載置した支持トレイ22が上昇し原稿上面を当接させ、当接された原稿を繰り出すための繰出ローラ23と、繰出ローラ23のブラケットに連結された上限センサレバー47と、上限センサレバー47が嵌り合う凹型の形状をした上限センサS9とで構成されている。この上限センサ59は、発光部と受光部を有する透過型のセンサであり、繰出しローラ23のブラケットに設けられた上限センサレバー47が発光部から受光部への光を遮断、透過することで原稿最上面の位置を検出する。
【0026】
本給紙装置を構成する手段として、載置された原稿の先端を上昇させて繰出ローラ23に接触させる支持トレイ22、支持トレイ22を昇降する昇降レバー49、繰出ローラ23と1体で昇降する上昇センサレバー47を下方に押圧する板バネ44、支持トレイ22の位置を検出する上限センサS9、繰出ローラ23で繰り出された原稿を給送する給紙ローラ24と最上位原稿の1枚のみを通過して2枚目以降の原稿の給送を阻止する分離部材25からなる分離手段、そして、分離手段で1枚に分離され給送される原稿の先端を突き当てて整合した後に下流側に贈るレジストローラ対26を備える。ここで、支持トレイ22の昇降は、昇降モータM4(図3参照)により駆動される。
【0027】
繰出ローラ23、給紙ローラ24は、給紙モータM1に連結されるワンウェイクラッチOW1を介して駆動されており、またレジストローラ対26は、ワンウェイクラッチOW2を介して給紙モータM1に駆動連結されている。これにより、給紙モータM1の正転により繰出ローラ23と給紙ローラ24を駆動し、逆転によりレジストローラ対26が駆動される。
【0028】
搬送経路12には、大径の搬送ローラ27とその搬送ローラ27の周面に圧接された複数の従動ローラ28、29、30が配置されており、搬送ローラ27は搬送モータM2によって駆動されるように構成されている。
【0029】
第1の排紙経路13には搬送ローラ27に圧接された従動ローラ31と原稿を第1の排紙トレイ18に排紙する第1の排紙ローラ対32、圧接ソレノイドSOL2によって駆動されるフラッパ40が配置されている。この第1の排紙ローラ対32は、正逆転可能な第1の排紙モータM3に連結されており、両面モードの際に原稿の後端側をニップした状態で逆回転して原稿をスイッチバックして循環経路14を介して搬送経路12に送るように制御される。また、排紙ローラ対32は循環経路14、搬送経路12を介して循環される原稿の先後端がすれ違う際に支障なく搬送できるように圧接ソレノイドSOL1によって一方のローラ32bから他方のローラ32aが離間するように構成されている。
【0030】
また、中間経路15には下流に原稿を送る中間ローラ対33が配置され、第2の排紙経路16には第2の排紙トレイ19に原稿を排紙する第2の排紙ローラ対35が配置されている。また、スイッチバック経路17aには原稿をスイッチバックさせ反転経路17bを介して第2の排紙ローラ対35に送るスイッチバックローラ対34が配置されている。
【0031】
さらに、載置トレイ10の原稿給紙方向下流側には載置トレイ10上に原稿が載置されたことを検出するエンプティセンサS1が設けられ、給紙経路11には給紙される原稿の端部を検知するレングスセンサS2、及びレジストセンサS3が設けられている。さらに、第1のコンタクトガラス1aの手前には、リードセンサS4、第1の排紙トレイ18の排紙口には第1の排出センサS5、中間経路15には中間センサS6(図示せず)、第2の排紙トレイ19の排紙口の近傍には第2の排紙センサS7(図示せず)、スイッチバック経路17aにはスイッチバックセンサS8(図示せず)、前述した支持トレイ22の位置を検出する上限センサS9がそれぞれ設けられており、これらのセンサは送られる原稿の端部を検知する。
【0032】
上記の各センサS1乃至S9は、原稿の搬送を制御するためのCPU等を含む制御手段に接続されており、各センサからの出力信号に基づいて上述した各モータM1、M2、M3、M4及び各ソレノイドSOL1、SOL2が制御され原稿の送り動作が実行される。
【0033】
次に、上記構成からなる原稿給紙装置Aの原稿送り動作を説明する。
【0034】
原稿の片面を読み取る片面モードの例について説明すると、原稿が載置トレイ10に載置されるとエンプティセンサS1によって検出される。図4に示すように、下限位置に支持トレイ22がある状態で、所定時間経過後、昇降レバー49を上昇させる昇降モータM4が駆動を開始する。昇降モータM4の回転軸に連結された昇降レバー49が支持トレイ22の下面を押上げ支持トレイは回動して上昇する。
【0035】
支持トレイ22は上限センサS9が「ON」になるまで上昇することにより原稿の最上面が繰り出し位置に到達したことが検出され、昇降モータM4を停止する。これによって、図5に示すように載置トレイ10上の原稿は、繰り出し待機状態となる。その後に装置本体Hから給紙指令を受信したならば、給紙モータM1が正回転されて原稿が給送される。
【0036】
このとき、繰出ローラ23と給紙ローラ24は、原稿送り方向に回転されるが、レジストローラ対26はワンウェイクラッチOW2の作用によって回転しない。レジストセンサS3により給送された原稿の先端が検知されると、原稿は、検知後予め設定された距離だけ搬送された後に一旦停止される。このとき、原稿の先端は、レジストローラ対26のニップ部に突き当てられてたわみが形成され、これにより、原稿の先端が整合されスキューが除去される。その後、給紙モータM1は逆転駆動され、原稿は給紙経路11から搬送経路12に給紙される。
【0037】
搬送モータM2は、給紙モータM1の逆回転駆動と同時に駆動され、これにより、給紙経路11を搬送される原稿は搬送ローラ27に沿って搬送されることになる。そして、搬送経路12を搬送される原稿の先端がリードセンサS4で検出されると、その後に所定量搬送して給紙モータM1及び搬送モータM2は停止される。このとき、原稿は第1のコンタクトガラス1aの手前の位置に停止することとなる。そして、装置本体Hからの読取搬送信号を受けると搬送モータM2が再駆動して、原稿を第1のコンタクトガラス1a上を通過させる。この際、原稿の表面が読取手段によって読み取られる。
【0038】
この第1のコンタクトガラス1aに原稿を搬送する過程において、搬送される原稿の先端がリードセンサS4により検出されて所定量搬送した後に、給紙モータM1及び搬送モータM2が停止される。そして、原稿の先端が第1のコンタクトガラス1aの手前の位置に到達した時に、レングスセンサS2の出力信号によって、以降の原稿の送り動作を選択して排紙する。
【0039】
レングスセンサS2の出力信号がON、つまりシートがレングスセンサS2の位置にある場合は、シートは長いサイズ(所定の長さより長いシート)と認識し、第1の排紙トレイ18にシート排紙するように制御される。つまり、シートは長いサイズであると認識すると、ソレノイドSOL2を励磁してフラッパ40を第1の排紙トレイ18に案内する位置に移動するとともに、第1の排紙モータM3を正回転方向に駆動し第1の排紙ローラ対32を正方向に回転する。これにより搬送ローラ27によって第1のコンタクトガラス1aを通過したシートは第1の排紙経路13に沿って第1の排紙トレイ18に排出される。そして、第1の排紙センサS5にてシートの後端を検出した後所定時間経過するとシートが完全に第1の排紙トレイ18上に排出されたと認識する。
【0040】
レングスセンサS2の出力信号がOFF、つまりシートがレングスセンサS2の位置にない場合には、シートは短いサイズ(所定の長さより短いシート)と認識し、フラッパ40を通常位置に維持したままで、排紙モータM3を正転方向に駆動して中間ローラ33を回転させる。
【0041】
これにより、第1のコンタクトガラス1aを通過したシートは中間経路15に案内され、中間ローラ33、第2の排紙ローラ35にて第2の排紙経路16を介して第2の排紙トレイ19に排出される。
【0042】
このとき、中間経路15を搬送されるシートの先端が中間センサ(図示せず)で検知されると第2の排紙モータ(図示せず)が正回転駆動され、第2の排紙ローラ対35が回転するように制御される。そして、第2の排紙センサ(図示せず)にてシートの後端を検出した後所定時間経過すると原稿が完全に第2の排紙トレイ19に排出されたと認識する。尚、片面モード動作時においては、シートが搬送経路12を搬送される過程で、レジストセンサS3がシートの後端を検知すると、載置トレイ10上のシートの有無を確認し、次のシートがある場合、先のシートと同様に次のシートの給紙動作を開始するように制御される。
【0043】
次に、本発明における、原稿の不送りを検出した場合に支持トレイ22を繰出位置より所定量上昇させて原稿の給送を行う動作について説明する。
【0044】
図6は、原稿の不送り(未給紙)の検出を説明するフローチャートを示す。図6のフローチャートに基づいて不送りの検出について説明する。
【0045】
本体からの給紙指令に基づいて繰出ローラ23及び給紙ローラ24が駆動し、給紙動作が開始されるとタイマーがセットされ(ST1、ST2)、タイマーがカウントアップされるまでの間に給紙ローラ24の下流側のレジストセンサS3がONするか否か監視する(ST3)。
【0046】
ここで、本実施例においてタイマーは、給紙モータM1の駆動パルスをカウントすることで予め定められた時間を計測するものであり、予め定められた時間は載置トレイ10上の原稿の先端位置がレジストセンサS3に到達するパルス数に所定のパルス数を加算したパルス数である。
【0047】
タイマーがカウントアップされるまでの間にレジストセンサS3が原稿を検出した場合は、原稿は正常に給紙動作がなされていると判断し、再給紙フラグをリセットし(ST4)以降の給紙動作を実行する。
【0048】
タイマーがカウントアップされるまでの間にレジストセンサS3が原稿を検出しない場合は(ST5)、原稿不送りと判断し、給紙モータM1を停止させる(ST6)。これによって、繰出ローラ23、給紙ローラ24が停止されるので、仮に原稿がジャム状態であっても原稿の損傷を最小限に抑えることができる。
【0049】
そして、その後に再給紙処理が実行されることとなる(ST7)。この再給紙処理については、図7の再給紙処理のフローチャートに基づき説明する。
【0050】
図7において、ます、再給紙処理においては、再給紙フラグがリセットか否か判断される(S10)。この再給紙フラグは再給紙処理が1回目であるか否か、換言すれば、不送り状態が2度連続して生じたか否かを示すフラグである。
【0051】
再給紙フラグがリセットの状態であれば、1回目の再給紙動作、つまり初めての不送りエラーであるとして、再給紙フラグをセットし(S11)、支持トレイ22を所定量上昇させる(S12)。支持トレイ22が所定量上昇したことが確認されると(S13)、支持トレイ22の上昇は停止される(S14)。そして、所定量上昇させた後に再度給紙動作を実行する(S15)。
【0052】
再給フラグがセットされた状態であれば、再給紙動作を1度実行しても依然として不送り状態が解除されないとして、送りエラー信号を本体に送信する(S16)。
【0053】
上述したように、本実施例では、再給紙動作を1回のみ実行するようにしたが、再給紙動作を所定の複数回数実行するようにしてもよい。この場合、本実施例の再給紙フラグを再給カウンタとし、再給紙カウンタでカウントされた値が予め設定された回数に等しくなった時に、送りエラー信号を送信するようにする。
【0054】
ここで、原稿が不送りであった場合に、支持トレイ22を所定量上昇させて再給紙動作を行う動作について、下向きのカール原稿束が載置トレイ10に載置された場合の例に基づいて説明する。
【0055】
図8は、下向きにカールした原稿束が載置トレイ10に載置された状態を示す図である。
【0056】
下向きにカールした原稿束が載置トレイ10上に載置された場合、支持トレイ22が上昇すると原稿の最上面が繰出ローラ23に当接して繰出ローラ23が上方に移動され、この繰出ローラ23の移動を上限センサS9が検出すると支持トレイ22の上昇が停止されることになる。このとき、図8(a)に示すように原稿の最上面は所定の繰出位置に位置付けられるが、原稿の先端は傾斜した案内ガイド21の規制部21aで規制された状態となる恐れがある。
【0057】
このような状態の原稿にあっては、繰出ローラ23を回転駆動しても原稿の先端が案内ガイド21に引っ掛かり、繰り出しが妨げられるので不送りとなる。
【0058】
不送りであることを前述したレジストセンサS3の検出結果によって検出されると、支持トレイ22を所定量上昇させる。これによって、原稿の先端も上方に移動されることになるので、案内ガイド21による引っかかりは解除される。
【0059】
このとき、支持トレイ22が所定量上昇することに伴って、上方に移動される繰出ローラ23を支持する上昇センサレバー47が板バネ44に当接することとなる。板バネ44は、繰出ローラ23を下方に付勢するように作用し、繰出ローラ23は下方に付勢されることで、図8(b)に示すように、原稿最上面に押圧力を付与して原稿のカールを矯正する。
【0060】
さらに、図8(c)に示すように支持トレイ22を上昇させることによって、原稿の先端を案内ガイドに引っ掛ることなく確実に繰出可能な位置に移動させる。また、板バネ44による付勢力も増大されることとなるので、原稿最上面に対する繰出ローラ23の押圧力もより増大し、原稿のカールを完全に取り除くことができる。
【0061】
なお、先に述べた実施例では、再給紙時に支持トレイ22を繰出位置から所定量上昇させ、上昇させた位置で原稿の再給紙動作を実行したが、繰出位置から所定量上昇させて原稿先端のガイド面への引っ掛かりを解除させた後に所定量下降させて繰出位置に支持トレイ22を戻して再給紙動作を実行してもよい。これによって、通常の給紙と同様な条件で給紙動作が実行されることとなる。
【0062】
さらに、また、再給紙時に支持トレイ22を繰出位置から所定量下降させて停止させた後に繰出位置よりも所定量だけ上昇させて再給紙動作を実行してもよい。このように支持トレイ22を昇降させることによって、原稿を矯正させると共に衝撃を与えて、先端が案内ガイドに強く当接して引っ掛っているような原稿であっても、本装置においては分離給紙が可能である。
【0063】
以上詳しく説明したように、本原稿給紙装置は、原稿を載置する載置トレイと、前記載置トレイ上に載置された原稿の先端部を支持する支持トレイと、前記載置トレイ上に積載された原稿の最上面に接して原稿を繰り出す揺動自在な繰出手段と、前記原稿の最上面を前記繰出手段による繰出位置に移動させるために前記支持トレイを上昇させる昇降手段と、前記繰出手段による原稿不送りを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果によって前記原稿の最上面を前記繰出位置よりも所定量上昇させた上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御する制御手段を備えた。
【0064】
これにより、原稿の先端が下向きにカールしていたり折れ曲っている原稿であっても、載置トレイ10上に載置された原稿を1枚ずつ確実に繰り出すことを可能にしたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読取装置の上に搭載された本発明の原稿給紙装置の全体構成を示す。
【図2】本原稿給紙装置における原稿給紙機構の主要部の側面図を示す。
【図3】本装置の原稿繰出部における支持トレイを制御する制御機構の斜視図を示す。
【図4】本装置の原稿繰出部における支持トレイが下限位置に位置した状態を示す。
【図5】本装置の原稿繰出部における支持トレイが上昇位置に位置した状態を示す。
【図6】原稿の不送り(未給紙)の検出を説明するフローチャートを示す。
【図7】原稿の再給紙処理のフローチャートを示す。
【図8】下向きにカールした原稿束が載置トレイに載置された原稿繰出部の断面図を示す。
【符号の説明】
10 載置トレイ
22 支持トレイ
23 繰出ローラ
24 給紙ローラ
44 板バネ
46、53 回動支点
47 上限センサレバー
49 昇降レバー
S1 エンプティセンサ
S3 レジストセンサ
S9 上限センサ
M1 給紙モータ
M4 昇降モータ
Claims (9)
- 原稿を載置する載置トレイと、
前記載置トレイ上に載置された原稿の先端部を支持する支持トレイと、
前記載置トレイ上に積載された原稿の最上面に接して原稿を繰り出す揺動自在な繰出手段と、
前記原稿の最上面を前記繰出手段による繰出位置に移動させるために前記支持トレイを上昇させる昇降手段と、
前記繰出手段による原稿不送りを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果によって前記原稿の最上面を前記繰出位置よりも所定量上昇させた上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする原稿給紙装置。 - 前記昇降手段によって前記原稿の最上面を前記上昇位置に上昇させた際に、前記繰出手段を前記原稿の最上面に対して押圧させる押圧手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の原稿給紙装置。
- 前記押圧手段は、前記原稿の最上面の前記繰出位置を超える上昇量に伴って前記繰出手段の前記積載された原稿面に対する押圧力を増大させることを特徴とする請求項2に記載の原稿給紙装置。
- 前記押圧手段は、前記繰出手段を支持する支持部材に当接し、前記繰出手段を前記原稿の最上面に付勢させる付勢バネ部材により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の原稿給紙装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段が原稿不送りを検出したことにより、前記原稿の最上面が前記繰出位置から前記上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の原稿給紙装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段の検出結果によって、前記原稿の最上面が前記上昇位置に移動した後、再び前記原稿の最上面が前記繰出位置に下降させるように前記昇降手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の原稿給紙装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段の検出結果によって、前記原稿の最上面が前記繰出位置に移動した後、再び前記原稿の最上面が前記上昇位置に移動するように前記昇降手段を制御することを特徴とする請求項6に記載の原稿給紙装置。
- 前記昇降手段は、前記支持トレイに駆動連結された正逆転可能な駆動モータにより駆動されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の原稿給紙装置。
- 前記検出手段による前記原稿不送りの検出は、前記繰出手段の原稿給紙方向下流側の所定位置に配置された原稿検知センサが、前記繰出手段による原稿駆動の開始後所定時間内に原稿を検知していないときに行われることを特徴とする請求項1に記載の原稿給紙装置。
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