JP3609257B2 - 自動原稿搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等に具備される自動原稿搬送装置に係り、特に、原稿載置台に載置された原稿束を1枚の原稿に分離する分離手段に原稿を確実に案内する自動原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等の画像成形装置は、デジタル化、多機能化するにつれてシステムの構成上、原稿を先頭から分離、搬送する自動原稿搬送装置の需要が増えている。
一方、低速から中速層の複写機等に搭載される自動原稿搬送装置にあっては、省スペースまたはコスト上の理由によって原稿給紙部の1箇所に原稿を反転して画像読取部に搬送するターン部を設けることが多くなっており、このような装置で原稿を頁順に給紙するためには原稿を装置の上面に設けられた原稿載置台にセットするようになっている。
【0003】
この方式で用いられる給紙手段としては、図6、7に示すように、原稿載置台上に載置された複数の原稿からなる原稿束に当接、離間可能に設けられ、原稿束に当接したときにこの原稿束から上層に位置する原稿を給紙するピックアップコロ71と、ピックアップコロ71によって給紙された上層の原稿から最上位に位置する原稿を分離する給紙ベルト72およびリバースコロ73と、ピックアップコロ71から給紙ベルト72およびリバースコロ73に延在し、リバースコロ73を露出させる開口部を有するガイド部材と、から構成されており、原稿の分離給紙する際には、上層の原稿をピックアップコロ71から給紙ベルト72およびリバースコロ73にガイド部材74によって案内するようになっている。このガイド部材74は、軽量化、コストダウンの要求に応えるために、プラスチック等の軟質な材料で成形され、その側部が装置の側壁に支持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガイド部材74は、原稿給紙時の外力等によりガイド部材74に負担がかかったとき撓み易い。このように、ガイド部材74に負担がかかったとき、開口部74aからのリバースコロ73の露出量は、図7(a)に示すように、正常な露出量である撓んでいない露出量T1から、図7(b)に示すように、ガイド部材74が下方に撓んで、必要以上の露出量T2になる。この結果、リバースコロ73とガイド部材74の位置関係のばらつきが生じ、ピックアップコロ71によって呼び出された上層の原稿の先端部がリバースコロ73に当たり折れが生じて原稿の詰まりが起こる。
【0005】
このため、図8に示すように、ガイド部材74とリバースコロ73の間に弾性部材75を取り付けることによって、リバースコロ73とガイド部材74の位置関係のばらつきに対処していた。
しかし、このような弾性部材75は、取り付ける際の作業ミスやコストアップを免れない。さらに、経時変化により弾性部材75の形状が変化し、原稿の搬送性に悪影響を及ぼす可能性もある。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構成でガイド部材の撓みを規制し、リバースコロとガイド部材の位置関係を所定の範囲に維持して、原稿搬送性能の向上した自動原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、原稿載置部に載置された原稿束のうち上層の原稿を呼び出す呼出部材と、前記呼出部材の下流側で原稿を給紙する方向に回転駆動する給紙部材と前記給紙部材の下方から摺接する前記給紙部材と同一方向に回転駆動する分離阻止部材とからなり、前記呼出部材によって呼び出された上層の原稿のうち最上位の原稿のみに分離する分離手段と、前記分離阻止部材を回転自在に支持し、前記呼出部材と前記分離阻止部材の間に設けられた支持部材と、前記呼出部材から前記分離手段に前記上層の原稿を案内し、前記支持部材の上方でかつ前記呼出部材から前記分離手段に延在するよう設けられ、前記分離阻止部材を露出させる開口部を有するガイド部材と、を備えた自動原稿搬送装置において、前記ガイド部材の下方に前記支持部材と所定の距離を隔てて突出部材を設け、原稿給紙時の外力等により前記ガイド部材が下方に押されたとき、前記突出部材が前記支持部材に当接することにより前記ガイド部材の下方への撓みを前記所定の距離に規制したことを特徴とする。
【0008】
このような構成により、原稿給紙時の外力等により前記ガイド部材が下方に押されたとき、前記突出部材が前記支持部材に当接することにより前記ガイド部材の下方への撓みを前記所定の距離に規制することができる。したがって、前記分離阻止部材の前記開口部からの適当な露出により原稿の詰まりを防止することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、請求項1の構成に加え、前記突出部材が、前記分離阻止部材の近傍の前記ガイド部材に設けられていることを特徴とする。
このような構成により、原稿給紙時の外力等により前記ガイド部材が下方に押されたとき、前記突出部材が前記分離阻止部材近傍で前記支持部材に当接することにより前記ガイド部材の下方への撓みを前記所定の距離に規制することができる。したがって、前記分離阻止部材の前記開口部からの適当な露出により原稿の詰まりを防止することができる。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜5は本発明に係る自動原稿搬送装置の第1実施形態を示す図であり、請求項1〜2記載の発明に対応している。なお、本実施形態では、自動原稿搬送装置を複写機に搭載した例を示しているが、複写機の他にファクシミリ装置、スキャナー装置等に適用することができる。
【0013】
まず、構成を説明する。図1において、1は複写機であり、この複写機1の上面には読取位置を構成するコンタクトガラス2が設けられている。また、複写機1の上部には自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)3が設けられており、このADF3はコンタクトガラス2を開放および閉塞するように複写機1に図示しないヒンジ等を介して連結されている。
【0014】
このADF3は、複数の原稿からなる原稿束Pを載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ4と、原稿トレイ4に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離した後、分離された原稿をコンタクトガラス2に向かって搬送する分離給紙手段5と、分離給紙手段5によってコンタクトガラス2に向かって搬送された原稿をコンタクトガラス2上の読取位置に搬送・停止させるとともに、コンタクトガラス2の下方に配設された複写機1の読取手段(公知の露光ランプ、ミラー、レンズ、CCD等)により読取りが終了した原稿をコンタクトガラス2から搬出する搬入・搬出手段6と、搬入・搬出手段6によってコンタクトガラス2の読取位置から搬出された原稿を複写機1の側方から突出する第1排紙トレイ8または原稿トレイ4の下方に配設された第2排紙トレイ9の何れか一方に排紙する排紙手段7と、から構成されている。なお、第1排紙トレイ8はADF3の側方から突出するように設けても良い。
【0015】
分離給紙手段5は、ピックアップコロ(給紙部材)10、給紙ベルト(給紙部材)11、リバースコロ(分離阻止部材)12、プルアウト駆動コロ13、プルアウト従動コロ13a、ガイド部材14、レジストセンサ15a、および原稿検出センサ15b、ストッパ爪35から構成されている。
ストッパ爪35は後述するガイド部材14に当接する規制位置(当接位置)とガイド部材14から退避する退避位置(離隔位置)の間で移動可能に設けられ、規制位置に位置したときに原稿束Pの先端部に当接して原稿束Pがガイド部材14上の所定位置よりも搬送方向下流側に移動するのを規制するようになっている。
【0016】
また、ピックアップコロ10、給紙ベルト11、リバースコロ12、プルアウト駆動コロ13は給紙モータ51によって駆動され、この給紙モータ51との間に歯車機構等の駆動系を介して接続されている。
給紙モータ51はコントローラ52からの出力信号によって駆動されるようになっており、コントローラ52は複写機1のメインコントローラ53から給紙スタート信号が入力されると、給紙モータ51を正・逆転駆動するようになっている。
【0017】
このコントローラ52はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)からなり、ROMに格納さたプログラムに従ってADF3の構成部材を制御して各種シーケンスを実行するようになっており、また、RAMには各種制御値が格納されるワークエリアを構成している。
【0018】
給紙モータ51が正転駆動されると、ピックアップコロ10が時計方向に回転して原稿束Pから上層に位置する原稿が後述するガイド部材14に案内されて給紙されるとともに、給紙ベルト11が原稿の搬送方向である時計方向に周回移動するとともにリバースコロ12が原稿の分離阻止方向である時計方向に回転されて原稿束Pから最上位の原稿のみが分離される。なお、給紙ベルト11およびリバースコロ12が分離手段を構成している。
【0019】
この分離された原稿は反時計方向に回転するプルアウト駆動コロ13とこれに連れ回りするプルアウト従動コロ13aに挟持されて給紙ベルト11およびリバースコロ12から引抜かれてコンタクトガラス2に向かって搬送される。
この原稿の先端がレジストセンサ15aによって検出されると、コントローラ53はレジストセンサ15aからの出力信号に基づいて給紙モータ51を逆転駆動させる。このとき、給紙モータ51とピックアップコロ10、給紙ベルト11、リバースコロ12およびプルアウト駆動コロ13の間に介装された駆動系によりピックアップコロ10と給紙ベルト11が停止され、プルアウト駆動コロ13が反時計方向に継続して回転されるとともにリバースコロ12が時計方向に継続して回転されることにより、後続する原稿が給紙ベルト11とリバースコロ12のニップ部に進入するのを防止して分離されないようになっている。
【0020】
また、ピックアップコロ10は、図示しないベルトを介して給紙ベルト11の駆動軸に接続されており、ピックアップコロ10には給紙モータ51の駆動により給紙ベルト11からの駆動力がベルトを介して伝達されるようになっている。また、ピックアップコロ10は詳細は後述するが、ピックアップブラケットに支持されており、駆動ソレノイド49に駆動されて給紙ベルトの一端部を中心にして原稿束Pに対して当接、離隔するようになっている。
【0021】
また、原稿検出センサ15bはガイド部材14aの近傍に設けられており、このセンサ15bは原稿の有無を検出してコントローラ52に信号を出力するようになっている。
また、給紙ベルト11とリバースコロ12およびコンタクトガラス2の間には湾曲した一対のガイド板42a、42bからなる搬送経路が設けられており、給紙ベルト11およびリバースコロ12によって分離された原稿はガイド板42a、42bによって上下面が反転されてコンタクトガラス2に向かって搬送される。
【0022】
一方、搬入・搬出手段6は、搬送ベルト16と、この搬送ベルト16の両端部に設けられた搬送ベルト駆動コロ17および搬送ベルト従動コロ18と、搬送ベルト16の内部に設けられ、搬送ベルト16をコンタクトガラス2に加圧する複数の加圧コロ19と、から構成されている。
搬送ベルト駆動コロ17は搬送ベルトモータ54によって駆動されるようになっており、この搬送ベルトモータ54はレジストセンサ15aによって上述したように原稿の先端が検出されたとき、コントローラ52からの信号に基づいて正転駆動することにより、駆動コロ17を介して搬送ベルト16を駆動して原稿をコンタクトガラス2上に搬送するようになっている。
【0023】
また、コントローラ52はレジストセンサ15aが原稿の後端を検出したとき、この検出時点からの搬送ベルトモータ54の回転パルスを計数し、回転パルスが所定値に達したときに、駆動コロ17の駆動を停止して搬送ベルト16を停止することにより、原稿をコンタクトガラス2上の読取位置に停止させる。
また、コントローラ52はレジストセンサ15aによって原稿の後端が検出された時点で、給紙モータ51を再び駆動し、後続する原稿を上述したように分離してコンタクトガラス2に向かって搬送し、この原稿がレジストセンサ15aによって検出された時点で給紙モータ51を停止させて次原稿を先出し待機させる。
【0024】
そして、原稿がコンタクトガラス2の読取位置に停止したとき、複写機1によって原稿の読取りおよび露光が行なわれる。この読取りおよび露光が終了すると、コントローラ52には複写機1から信号が入力されるため、コントローラ52はこの信号が入力すると、搬送ベルトモータ54を正転駆動して、搬送ベルト16によって原稿をコンタクトガラス2から排紙手段7に搬出する。
【0025】
排紙手段7は、反転駆動コロ20、排紙従動コロ21、反転ガイドコロ22、反転従動コロ23、第1切換爪24、第2切換爪25、排紙駆動コロ26、排紙従動コロ27、反転センサ28および排紙センサ29から構成され、反転駆動コロ20、反転ガイドコロ22および排紙駆動コロ26は排紙モータ55によって駆動されるようになっている。
第1切換爪24は第1ソレノイド56によって切換駆動されるようになっており、片面原稿の排紙時には、コンタクトガラス2から第1排紙トレイ8に片面原稿を直線的に排紙する排紙経路43を形成するホームポジション位置(切換爪24の下面が原稿の搬送経路の一部を構成する)に待機したままの状態となっている。
【0026】
コントローラ52は、通常の片面原稿を搬送する片面モードのとき(複写機1に設けられた操作部58によって片面モードを指定しなくても初期設定は片面モードに設定されている)、第1ソレノイド56を駆動せずに第1切換爪24をホームポジション位置に待機させるとともに、原稿の読取りおよび露光の終了後に搬送ベルトモータ54を駆動するのと同時に排紙モータ55を駆動させる。このため、反転駆動コロ20および排紙従動コロ21によって挟持された原稿が第1排紙トレイ8に表裏面を反転されずに直線的に排紙される。
【0027】
一方、コントローラ52は複写機1に設けられた操作部58によって両面モードが指定されたとき、メインコントローラ53からの信号に基づいて第1ソレノイド56を駆動して第1切換爪24をホームポジション位置からコンタクトガラス2と反転経路30を連通する位置に移動させるとともに(図1に示すように切換爪24の上面が原稿の搬送経路の一部を構成する)、両面原稿の片面の読取りおよび露光の終了後に搬送ベルトモータ54を駆動するのと同時に排紙モータ55を駆動させる。
【0028】
このため、原稿は反転駆動コロ20および排紙従動コロ21によって挟持された反転経路30に案内され、反転ガイドコロ22によって第2切換爪25に向かって搬送される。
第2切換爪25は第2ソレノイド57によって駆動されるようになっており、片面の読取りが終了した原稿がコンタクトガラス2から搬出される際には、第2ソレノイド57によって駆動されずに反転経路30とコンタクトガラス2の間に設けられた反転返送経路31を開放するホームポジション位置(図1に示すように第2切換爪25の下面が原稿の搬送経路の一部を構成する)に切換られるようになっている。
このため、コンタクトガラス2から搬出される原稿は、第1切換爪24によって反転経路30に搬送された後、第2切換爪25によって反転返送経路31に表裏面が反転された状態で反転駆動コロ20および反転従動コロ23に挟持されてコンタクトガラス2に返送される。
【0029】
反転経路30上に設けられた反転センサ28によって原稿の先端が検出されると、コントローラ52は搬送ベルトモータ54を逆転駆動して搬送ベルト16を逆転駆動し、反転センサ28によって原稿の先端が検出された時点からの搬送ベルトモータ54の回転パルスが所定値に到達したときに原稿をコンタクトガラス2上の読取位置に搬送したものと判断して搬送ベルトモータ54を停止させる。
【0030】
読取位置で原稿の読取りおよび露光が終了すると、コントローラ52には複写機1から信号が入力されるため、コントローラ52はこの信号が入力すると、搬送ベルトモータ54を正転駆動し、さらに、第1ソレノイド56を駆動するとともに第2ソレノイド57の駆動を停止し、第1切換爪24によってコンタクトガラス2と反転経路30を連通させるとともに、第2切換爪25によって反転返送経路31と第2排紙トレイ9を連通させることにより(第2切換爪25の上部が原稿の搬送経路の一部を構成する)、コンタクトガラス2から搬出される原稿は反転駆動コロ20および反転従動コロ21に挟持されて搬送された後、排紙駆動コロ26および排紙従動コロ27によって挟持されて第2排紙トレイ9上に排紙される。
【0031】
また、複写機1とADF3はインターフェース59、60を介して接続されており、複写機1のメインコントローラ53からのコピースタート信号および再スタート信号はインターフェース59、60を介してコントローラ52に入力されるようになっているとともに、ADF3は複写機1から電源が供給されている。
次に、リバースコロ12の周辺を図1、3〜5に基づいて説明する。図3において、支持部材32は、リバースコロ12を支持するもので、ピックアップコロ10とリバースコロ12の間でADF3の側璧に支持さている。支持部材32は、略コの字状に曲げられた曲げ部32aを有し、この支持部材32の曲げ部32aには、給紙モータ51によって駆動される歯車機構に連結されたリバースコロ駆動輔12aを曲げ部32aに回転自在に支持するリバースコロ駆動軸ブラケット33が設けられている。このリバースコロ駆動軸12aは、給紙モータ51の駆動をリバースコロ12に伝達するもので、その端部にリバースコロ12がトルクリミッタ34を介して固定されている。このトルクリミツタ34は、図1、3において、原稿が1枚だけのとき給紙ベルト11の給紙力が強くトルクリミッタ34に滑りが生じるため、リバースコロ12は、給紙ベルト11の回転に連れ回りして時計方向に回転する。一方、トルクリミッタ34は、原稿が2枚以上のときそのトルクがリバースコロ12と原稿間の摩擦に打ち勝つため、リバースコロ12は、反時計方向に回転して下側の原稿を原稿載置台4側に引き戻すようになっている。
【0032】
14は、図1に示すように、ピックアップコロ10によって呼び出された上層の原稿を給紙ベルト11とリバースコロ12に案内するガイド部材で、給紙路を形成している。このガイド部材14は、図3に示すように、ピックアップコロ10からリバースコロ12に廷在するよう支持部材32の上方に設けられ、ガイド部材14の側部がADF3の側壁に係止することによってADF3に支持されている。また、ガイド部材14には、図3に示すように、リバースコロ12を給紙ベルト11側に露出させるための開口部14aが形成され、この開口部14aを通してリバースコロ12が給紙ベルト11に摺接するようになっている。また、図3において、ガイド部材14は、給紙ベルト11とリバースコロ12よる分離を確実にするためリバースコロ12によって引き戻された原稿が給紙ベルト11に接触しないようリバースコロ12の上流側で給紙ベルト11から離隔する方向に湾曲している。
【0033】
また、図5において、ガイド部材14は、その下方に突出する複数の突出部材14bを具備しており、この突出部材14bは、支持部材32の左右の曲げ部32aのうち左側、すなわちリバースコロ12側の曲げ部32aの上端との間に、鉛直方向で所定の距離h(図5(a)に示す)を隔てている。突出部材14bは、原稿給紙時等の外力によりガイド部材14が下方(支持部材32側)に押されたとき、リバースコロ12側の曲げ部32aの上端に当接する位置に設けられている。
【0034】
なお、図4に示すように、ガイド部材14を突出部材14bの近傍(ガイド部材14の中央)で下方に凸となるよう湾曲していても良い。
次に、原稿の搬送方法について説明する。なお、本実施形態では、ガイド部材に設けられた突出部材にポイントがあるため、両面原稿の搬送方法については説明を省略して片面原稿の搬送方法のみを説明する。
【0035】
原稿トレイ4に複数の片面原稿からなる原稿束Pを載置して複写機1の図示しないスタートスイッチを押下すると、インターフェース59、60を介して複写機1からADF3に給紙スタート信号が入力される。このとき、駆動ソレノイド49の駆動力が解除され、ピックアップコロ10が自重によって下降するとともに、ストッパ爪35が規制位置から退避位置に移動する。
【0036】
次いで、給紙モータ51を正転駆動してピックアップコロ10を時計方向に回転させて原稿束Pから上層に位置する原稿を給紙し、さらに、給紙ベルト11およびリバースコロ12を共に時計方向に回転させて原稿束Pから最上位の原稿のみを分離する。
この分離された原稿は反時計方向に回転するプルアウト駆動コロ13とこれに連れ回りするプルアウト従動コロ13aに挟持されて給紙ベルト11およびリバースコロ12から引抜かれてコンタクトガラス2に向かって搬送される。
【0037】
次いで、レジストセンサ15aが原稿の先端を検出すると、コントローラ52が原稿検出センサ15bからの検出信号に基づいて次原稿があるか否かを判別する。次原稿がある場合には、コントローラ52は駆動ソレノイド49を駆動してピックアップコロ10を原稿束Pから退避させ、さらに給紙モータ51を逆転駆動させるとともに搬送ベルトモータ54を正転駆動させる。
【0038】
このとき、給紙モータ51とピックアップコロ10、給紙ベルト11、リバースコロ12およびプルアウト駆動コロ13の間に介装された駆動系によりピックアップコロ10と給紙ベルト11が停止され、プルアウト駆動コロ13が反時計方向に継続して回転されるとともにリバースコロ12が時計方向に継続して回転されることにより、後続する原稿が給紙ベルト11とリバースコロ12のニップ部に進入するのを防止して分離されないようになっている。
【0039】
この搬送に際してレジストセンサ15aが原稿の後端を検出したとき、コントローラ52はこの検出時点からの搬送ベルトモータ54の回転パルスを計数し、回転パルスが所定値に達したときに、駆動コロ17の駆動を停止して搬送ベルト16を停止することにより、原稿をコンタクトガラス2上の読取位置に停止させる。
一方、コントローラ52はレジストセンサ15aによって原稿の後端が検出された時点で、給紙モータ51を再び駆動し、後続する原稿を上述したように分離してコンタクトガラス2に向かって搬送し、この原稿がレジストセンサ15aによって検出された時点で給紙モータ51を停止させて次原稿を先出し待機させる。
【0040】
また、原稿がコンタクトガラス2の読取位置に停止したとき、複写機1によって原稿の読取りおよび露光が行なわれる。この読取りおよび露光が終了すると、インターフェース59、60を介してコントローラ52には複写機1から再スタート信号が入力されるため、コントローラ52はこの信号が入力すると、搬送ベルトモータ54を正転駆動して、搬送ベルト16によって原稿をコンタクトガラス2から排紙手段7に搬出する。
【0041】
このとき、第1切換爪24がホームポジション位置に待機しているため、コントローラ52が原稿の読取りおよび露光の終了後に搬送ベルトモータ54を駆動するのと同時に排紙モータ55を駆動させる。このため、反転駆動コロ20および排紙従動コロ21によって挟持された原稿が表裏面を反転されずに第1排紙トレイ8に直線的に排紙される。
【0042】
また、次原稿の給紙スタート信号が入力されると、駆動ソレノイド49の駆動が停止されてピックアップコロ10を自重によって原稿束Pに当接させるとともに給紙モータ51を再び駆動してピックアップコロ10、給紙ベルト11等を駆動して後続する原稿を上述したように分離してコンタクトガラス2に向かって搬送して上述した処理を継続する。なお、ストッパ爪35は、原稿検知センサ15bによって次原稿がないと判別されると、退避位置から規制位置に移動する。
【0043】
このような本実施形態では、原稿給紙時の外力等によりガイド部材14が下方に押されたとき、図5(b)に示すように、突出部材14bが曲げ部32aのうちリバースコロ12側の上端に当接することによりガイド部材14の下方への撓みを所定の距離に規制することができる。したがって、リバースコロ12の開口部12aからの適当な露出により原稿づまりを防止することができる。
【0044】
【0045】
なお、上述の実施形態では、操作部58を複写機1側に設けているが、ADF3側に設けても良い。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、原稿給紙時の外力等により前記ガイド部材が下方に押されたとき、前記突出部材が前記支持部材に当接することにより前記ガイド部材の下方への撓みを前記所定の距離に規制することができる。したがって、前記分離阻止部材の前記開口部からの適当な露出により原稿の詰まりを防止することができる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、原稿給紙時の外力等により前記ガイド部材が下方に押されたとき、前記突出部材が分離阻止部材近傍で前記支持部材に当接することにより前記ガイド部材の下方への撓みを前記所定の距離に規制することができる。したがって、前記分離阻止部材の前記開口部からの適当な露出により原稿の詰まりを防止することができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動原稿搬送装置の第1実施形態を示す概略図である。
【図2】第1実施形態の制御系のブロック図である。
【図3】第1実施形態の分離阻止部材周辺の斜視図である。
【図4】第1実施形態のガイド部材の他の形状を示す正面図である。
【図5】図3の側面図であって、(a)は、ガイド部材が下方に押されていない状態を示し、(
b)は、ガイド部材が下方に押されている状態を示す。
【図6】 従来の自動原稿搬送装置の給紙手段を示す斜視図である。
【図7】 従来の自動原稿搬送装置の給紙手段の側面図であって、(a)は、ガイド部材が下方に
押されていない状態を示し、(b)は、ガイド部材が下方に押されている状態を示す。
【図8】 従来の自動原稿搬送装置の給紙手段のその他の態様を示す側面図である。
【符号の説明】
3 ADF(自動原稿搬送装置)
4 原稿トレイ(原稿載置部)
10 ピックアップコロ(呼出部材)
11 給紙ベルト(給紙部材、分離手段)
12 リバースコロ(分離阻止部材、分離手段)
14 ガイド部材
14 b 突出部材
32 支持部材
Claims (2)
- 原稿載置部に載置された原稿束のうち上層の原稿を呼び出す呼出部材と、
前記呼出部材の下流側で原稿を給紙する方向に回転駆動する給紙部材と前記給紙部材の下方から摺接する前記給紙部材と同一方向に回転駆動する分離阻止部材とからなり、前記呼出部材によって呼び出された上層の原稿のうち最上位の原稿のみに分離する分離手段と、
前記分離阻止部材を回転自在に支持し、前記呼出部材と前記分離阻止部材の間に設けられた支持部材と、
前記呼出部材から前記分離手段に前記上層の原稿を案内し、前記支持部材の上方でかつ前記呼出部材から前記分離手段に延在するよう設けられ、前記分離阻止部材を露出させる開口部を有するガイド部材と、を備えた自動原稿搬送装置において、
前記ガイド部材の下方に前記支持部材と所定の距離を隔てて突出部材を設け、原稿給紙時の外力等により前記ガイド部材が下方に押されたとき、前記突出部材が前記支持部材に当接することにより前記ガイド部材の下方への撓みを前記所定の距離に規制したことを特徴とする自動原稿搬送装置。 - 前記突出部材が、前記分離阻止部材の近傍の前記ガイド部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
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JPH11322107A JPH11322107A (ja) | 1999-11-24 |
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JPH11322107A (ja) | 1999-11-24 |
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