JP3998521B2 - シート給送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ等の画像読取装置に用いられるシート給紙装置に関し、特に、給紙トレイ上に載置されたシートのサイズを検出するシート給送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シート給紙装置は、給紙トレイ上にシートの中央を基準にセットされたシートを一枚ずつ分離してシート読取部に給送して読取部において読み取られたシートを排紙トレイ上に排紙するように構成されている。
【0003】
このようなシート給紙装置は、多くの場合、複写機谷ファクシミリ装置等の画像読取装置に備えられる。そして、画像読取装置におけるシート読取方式としては、シートを固定して読取装置を構成する光学系を移動させることによりシートを走査する固定読取方式と、光学系を固定してシートを移動させることにより走査するようにしたシートスルー読取方式(流し読取方式)とがある。
【0004】
このようなシート給紙装置では、給紙トレイから読取部に至る給紙路のシート幅方向の中央位置から所定間隔の距離を隔ててシート検出センサを複数配置し、このシート検出センサの検出結果によってシート幅を判別するように構成されている。
【0005】
そして、多くのシート給紙装置においては、シートの幅方向の中央を基準にセットするようにしている。しかし、異なるサイズの複数枚のシート(混載シート)を取り扱う場合、異なるサイズの全てのシートを幅方向中央にセットしなければならないこととなると煩わしいこととなる。
【0006】
この問題を解決するために、給紙トレイ上に積載された最大シートの一端側を基準として他シートをセットする方法がある。このセット方法によれば、最大シートの一端側に他シートを揃えてセットすればよいため、比較的簡単に混載シートを適正な位置にセットできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、混載シートの場合、セットされる最大シートサイズによってシートの幅方向の位置が異なるので、前述した従来のシート幅検出の構成では、シートの幅を検出することができないとの問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、混載シートを給紙トレイ上に適正にセットすることが容易にでき、混載シートの1枚毎のサイズを確実に検出可能なシート給紙装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、最大幅サイズのシートの一端側を基準として異なるサイズのシートを載置する給紙トレイと、前記給紙トレイ上に載置された最大幅サイズのシートをシート幅方向の中央を基準としてシート幅方向に移動自在に設けられた相互に連動する一対のサイド規制部材と、前記給紙トレイ上に載置されたシートを一枚ずつ所定のシート処理位置の方向に給紙する給紙手段と、前記給紙トレイ上に載置された最大幅サイズのシートの前記給紙方向と直交する幅方向の一方の端の位置を検出する第1の検出手段と、前記給紙方向にシートを案内する給紙経路内に配置され、前記給紙手段により給紙されるシートの前記幅方向の他方の端側の通過を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の検出結果に基づいて給紙されるシートの前記幅方向の長さを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするシート給送装置を提供するものである。
【0010】
これにより、本シート給送装置においては、シートを容易に給紙トレイ上にセットすると共に、混載シートの場合であっても1枚毎のシートサイズを確実に検出することを可能にしたのである。
【0011】
ここで、前記第1の検出手段は、前記最大幅サイズシートの両端部を規制する前記サイド規制部材の移動量によって前記給紙トレイ上に載置されたシートの前記一方の端の位置を検出するようにしている。そして、前記第2の検出手段は、前記給紙方向と直交する幅方向の複数箇所に配置された複数の検知センサにより構成される。
【0014】
さらに、本装置は、前記給紙経路に配置されてシートの給紙方向の長さを判別するシート長判別手段と、前記判定手段により判定されたシートの幅方向長さと前記シート長判別手段により判別された当該シートの給紙方向長さに基づいてシートサイズを特定するサイズ特定手段とを備えている。
【0015】
そして、前記判定手段は、前記第1の検出手段の検出結果に応じて前記第2の検出手段の検出結果によるシートの前記幅方向の長さの判定パターンを変更するのである
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシート給送装置及びシート給紙装置の実施の形態例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、画像読取装置の上に搭載された本シート給送装置の全体構成の側面図を示すものである。図2は、本シート給送装置におけるシート給送機構の主要部の側面図を示すものである。
【0018】
図1において、シート給紙装置Aは、画像読取装置本体Hに搭載され、シート給送装置45を有し、シート給送装置45は本体Hのコンタクトガラス1a上面を通過するようにシートを給送する。
【0019】
画像読取装置本体Hは、第1のコンタクトガラス1aを介してランプ等の光源6からの光を搬送されるシートに照射し、その反射光をミラー7a、7b、7cで反射させてレンズ8を介してCCDなどの光学読取手段9により光電変換してシート画像を読み取る。従って、第1のコンタクトガラス1a上面が装置本体Hの読取部を構成している。さらに、画像読取装置本体Hは、シートを載置可能な面積の第2のコンタクトガラス1bも備えており、シート給紙装置Aを開閉してコンタクトガラス1b上に載置されたブック物等の厚いシートを光源6やミラー7a、7b、7cなどからなる光源ユニットを副走査方向に移動させることによって第2のコンタクトガラス1bを介してシートの画像を読み取ることもできるように構成されている。
【0020】
次に、図1及び図2に基づきシート給送装置45及びシート給紙装置Aの構成について説明する。
【0021】
シート給紙装置Aは、複数枚のシートを載置可能な載置手段としての給紙トレイ10と、複数枚のシートを載置して繰り出し位置に昇降する昇降トレイ22と、読み取られたシートを収納する収納手段としての第1の排紙トレイ18及び第2の排紙トレイ19が備えられており、この第1の排紙トレイ18は、主に大サイズのシートを収納し、第2の排紙トレイ19は小サイズのシートを収納する。
【0022】
また、シート給送装置45は、給紙トレイ上のシートを1枚ずつ第1のコンタクトガラス1aに向けて給送する給紙経路11と、給紙経路11に連なって形成されてシートを第1のコンタクトガラス1aの上面に沿って案内する搬送経路12と、搬送経路12から第1の排紙トレイ18の排紙口に連なる第1の排紙経路13とを有する。
【0023】
さらに、シート給紙装置Aは、第1の排紙トレイ18の排紙口から給紙経路11と搬送経路12との接続部に連結されてシートを再び搬送経路12に戻す循環経路14と、第1の排紙経路13と分岐して形成されて搬送経路12からのシートを案内する中間経路15と、この中間経路15から第2の排紙トレイ19の排紙口に連なる第2の排紙経路16とを有し、さらには、第2の排紙経路16と分岐して形成されて中間経路15からのシートをスイッチバックさせるスイッチバック経路17aと、スイッチバックされたシートを表裏反転して第2の排紙トレイ19の排紙口に導く反転経路17bとから成るシート経路が構成されている。
【0024】
給紙トレイ10に載置されたシートは、サイド規制部材である一対のトレイガイド20でその側部が規制され、さらには案内ガイド21で先端を規制されるようになっている。給紙トレイ10には、載置されたシートの巾の端部を検出するトレイサイズセンサS10が設けられている。また、給紙トレイ10は、シートの給紙方向の先端側を支点として、回動自在に取り付けられている。
【0025】
また、給紙路11には、シートを繰り出す繰り出しベルト23、給紙トレイ10上に載置されたシートの先端を上昇させて繰り出しベルト23に接触させる昇降トレイ22、繰り出しベルト23で繰り出されたシートを給送する給紙ローラ24と最上位シートの1枚のみを通過して2枚目以降のシートの給送を阻止する分離ローラ25からなる分離手段、この分離手段で1枚に分離され給送されるシートの先端を突き当てて整合した後に下流側に送るレジストローラ対26が配置されている。
【0026】
繰り出しベルト23は、駆動ローラ5aと従動ローラ5bとの間に張架される無端状のゴム部材であり、ここでは、シートに対する搬送力を大きくするために無端状のゴム部材の外周面を凹凸状に形成している。
【0027】
さらに、この繰り出しベルト23の先端側は、シートを分離手段に案内する案内ガイドの傾斜面との間でシートを所定枚数に分離するプレ分離の機能を有する。
【0028】
この繰り出しベルト23、給紙ローラ24は、給紙モータM1にワンウェイクラッチOW1を介して駆動連結されており、またレジストローラ対26はワンウェイクラッチOW2を介して給紙モータM1に駆動連結されている。これにより、給紙モータM1の正転で繰り出しベルト23と給紙ローラ24を駆動し、逆転でレジストローラ対26が駆動される。
【0029】
搬送経路12には大径の搬送ローラ27とその搬送ローラ27の周面に圧接された複数の従動ローラ28、29、30が配置されており、搬送ローラ27は搬送モータM2によって駆動されるように構成されている。
【0030】
第1の排紙経路13には搬送ローラ27に圧接された従動ローラ31とシートを第1の排紙トレイ18に排紙する第1の排紙ローラ対32が配置されている。この第1の排紙ローラ対32は正逆転可能な第1の排紙モータM3に連結されており、両面モードの際にシートの後端側をニップした状態で逆回転してシートをスイッチバックして循環経路14を介して搬送経路12に送るように制御される。
【0031】
また、排紙ローラ対32は循環経路14、搬送経路12を介して循環されるシートの先後端がすれ違う際に支障なく搬送できるように圧接ソレノイドSOL1によって一方のローラ32bから他方のローラ32aが離間するように構成されている。
【0032】
また、中間経路15には下流にシートを送る中間ローラ対33が配置され、第2の排紙経路16には第2の排紙トレイ19にシートを排紙する第2の排紙ローラ対35が配置されている。また、スイッチバック経路17aにはシートをスイッチバックさせ反転経路17bを介して第2の排紙ローラ対35に送るスイッチバックローラ対34が配置されている。
【0033】
さらに、給紙トレイ10には、給紙トレイ10の位置を検知するトレイサイズセンサS10が、給紙トレイ10のシート給紙方向下流側には給紙トレイ10上にシートが載置されたことを検出するエンプティセンサS1が設けられ、給紙経路11には給紙されるシートの端部を検知するレングスセンサS2、レジストセンサS3及びレジストローラ26の下流にシート幅センサS11が設けられている。
【0034】
シート幅センサS11は、3個の幅センサS11a、S11b、S11cからなり、給紙トレイ10からプラテンに至る給紙経路11中でレジストローラ対26の下流に設けられている。
【0035】
さらに、第1のコンタクトガラス1aの手前にはリードセンサS4、第1の排紙トレイ18の排紙口には第1の排出センサS5、中間経路15には中間センサS6、第2の排紙トレイ19の排紙口近傍には、第2の排紙センサS7(図示せず)、スイッチバック経路17aにはスイッチバックセンサS8(図示せず)がそれぞれ設けられており、これらのセンサは送られるシートの端部を検知する。
【0036】
上記の各センサS1〜S8、S10、S11は、シートの搬送を制御するためのCPU等を含む制御手段に接続されており、各センサからの出力信号に基づいてシートのサイズを判定し、上述した各モータM1、M2、M3、M4(図示せず)及び各ソレノイドSOL1、SOL2、SOL3(図示せず)が制御されシートの送り動作が実行される。
【0037】
ここでは、シートの片面を読み取る片面読取モードの例について説明する。エンプティセンサS1が「ON」状態、すなわち給紙トレイ10上にシートが載置されたことが検知され、所定時間経過後にトレイガイド20の位置によって出力が変化されるボリューム(可変抵抗器)の出力値によって、給紙トレイ上のシート幅を検出する。
【0038】
さらに、画像読取装置本体Hから給紙指令を受信したならば、給紙モータM1が正回転され、シートが給送される。このとき、繰り出しベルト23と給紙ローラ24は、シート送り方向に回転されるが、レジストローラ対26はワンウェイクラッチOW2の作用によって回転しない。そして、レジストセンサS3が給送されたシートの先端を検知すると、その検知した時点からシートを所定量搬送した後に給紙モータM1は一旦停止される。
【0039】
このとき、シートの先端はレジストローラ対26のニップ部に突き当てられてたわみが形成され、これにより、シートの先端が整合されスキュー状態が矯正されることとなる。そして、この一旦停止後、給紙モータM1は逆転駆動され、シートは給紙経路11から搬送経路12に給紙される。
【0040】
本実施例では、シート幅センサS11a、S11b、S11cの配置を図3に示すように給紙トレイ10上にシートを載置するための中央基準に対してシート幅センサS11aを57.5mmの位置に配置し、シート幅センサS11bを93.25mm、シート幅センサS11cは138.5mmの位置に配置している。
【0041】
搬送モータM2は、給紙モータM1の逆回転駆動と同時に駆動され、これにより、給紙経路11を搬送されるシートは搬送ローラ27に沿って搬送されることになる。そして、搬送経路12を搬送されるシートの先端がリードセンサS4で検出されると、その後に所定量搬送して給紙モータM1及び搬送モータM2は停止される。
【0042】
このとき、シートは、第1のコンタクトガラス1aの手前位置に停止することとなる。シート先端が読取位置手前の所定位置に到達した時点で、シートサイズの判定処理が実行され、このシートサイズ判定処理において判定されたシートサイズ情報が本体装置Hに送信されることとなる。そして、装置本体Hからの読取搬送信号を受けると搬送モータM2が再駆動して、シートを第1のコンタクトガラス1a上を通過させる。この際、シートの表面が読取手段によって読み取られる。
【0043】
この第1のコンタクトガラス1aにシートを搬送する過程において、搬送されるシートの先端がリードセンサS4で検出されてから所定量搬送した後に給紙モータM1及び搬送モータM2を停止させた時点、つまりシートの先端が第1のコンタクトガラス1aの手前の位置に到達した時にレングスセンサS2の出力信号によって、以降のシートの送り動作を選択して排紙する。
【0044】
レングスセンサS2の出力信号が「ON」、つまりシートがレングスセンサS2の位置にある場合は、シートは長いサイズ(所定の長さより長いシート)と判定し、第1の排紙トレイ18にシートを排紙するように制御される。レングスセンサS2は、給紙ローラ24と分離ローラ25の下流に配置され、読取位置の手前の所定位置からレングスセンサS2までの距離が215mmに設定されるように配置されている。つまり、215mm以下の長さのシート(A4Y以下の長さのシート)についてはシートの長さが検出可能となる。
【0045】
つまり、シートは長いサイズであると認識すると、第1のソレノイドSOL2を励磁して第1のフラッパ40を第1の排紙トレイ18に案内する位置に移動するとともに、第1の排紙モータM3を正回転方向に駆動し第1の排紙ローラ対32を正方向に回転する。これにより、搬送ローラ27によって第1のコンタクトガラス1aを通過したシートは第1の排紙経路13に沿って第1の排紙トレイ18に排出される。そして、第1の排紙センサS5にてシートの後端を検出した後所定時間経過するとシートが完全に第1の排紙トレイ18上に排出されたと認識する。
【0046】
レングスセンサS2の出力信号が「OFF」、つまりシートがレングスセンサS2の位置にない場合には、シートは短いサイズ(所定の長さより短いシート)と判定し、第1のフラッパ40を通常位置に維持したままで、第1の排紙モータM3を正転方向に駆動して中間ローラ33を回転させる。これにより、第1のコンタクトガラス1aを通過したシートは中間経路15に案内され、中間ローラ33、第2の排紙ローラ35にて第2の排紙経路16を介して第2の排紙トレイ19に排出される。
【0047】
このとき、中間経路15を搬送されるシートの先端が中間センサ(図示せず)で検知されると第2の排紙モータ(図示せず)が正回転駆動され、第2の排紙ローラ対35が回転するように制御される。そして、第2の排紙センサ(図示せず)にてシートの後端を検出した後所定時間経過するとシートが完全に第2の排紙トレイ19に排出されたと認識する。尚、片面読取モードにおいては、シートが搬送経路12を搬送される過程で、レジストセンサS5がシートの後端を検知すると、給紙トレイ10上のシートの有無を確認し、次のシートがある場合、先のシートと同様に次のシートの給紙動作を開始するように制御されている。
【0048】
ここで、本シート給送装置45における、給紙トレイ10上に載置されたシートの給紙される1枚毎のシートサイズを判定するための構成を説明する。
【0049】
シート給送装置45では、同一サイズの原稿が給紙トレイ10に載置された場合に選択される通常モードと、異なるサイズの原稿が載置された場合に選択される混載モードとを備えており、混載モードは画像読取装置本体Hの操作パネルにて選択される。
【0050】
そして、混載モードでの給紙トレイ10上への混載シートのセットは、最大サイズのシートが中央を基準にしてセットされた状態で、他のサイズのシートは、中央を基準にセットされた最大シートの片側を基準にセットされる。つまり、混載シート内における最大サイズのシートによって他のセット基準が異なることとなる。これにより、混載シートは、最大サイズのシートの片側に揃えて給紙トレイ上にセットすればよいので、混載シートのセットが容易にできる。
【0051】
通常モードの場合のシートサイズの検出は、給紙トレイ10上に載置される全てのシートが同一サイズであるので、トレイガイド20のスライド移動によって出力変化するボリュームの出力値によってシート幅を検出し、給紙トレイ10上のトレイサイズセンサS10でシートの長さを検出する。この検出されたシート幅とシートの長さに基づいて、シートサイズを特定する。
【0052】
次に、混載モードのシートサイズの判定動作を、図5乃至10に示すフローチャートと表1乃至7に基づいて説明する。図5は、シートの給紙からシートサイズの判定までの動作を示し、図6乃至図10は、シートサイズ判定の動作のフローチャートを示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003998521
【表2】
Figure 0003998521
【表3】
Figure 0003998521
【表4】
Figure 0003998521
【表5】
Figure 0003998521
【表6】
Figure 0003998521
【表7】
Figure 0003998521
【0054】
ここで、表1乃至4はシートサイズと各幅センサ(S11a、11b、11c)の「ON」、「OFF」状態を示す。また、表5はシートの長さ検出の閾値を示し、表6はシートを載置したトレイガイド20の位置検出の閾値を示す。さらに、表7はシートのサイズとその閾値を示す。
【0055】
図5に示すように、混載モードでの給紙動作では、エンプティセンサS1が「ON」状態、つまり給紙トレイ10上にシートが載置された場合(ST1)、所定時間経過後に(ST2)トレイガイド20の位置によって出力が変化されるボリューム(可変抵抗器)の出力値によって、給紙トレイ10上の最大シート幅を検出する(ST3)。
【0056】
そして、最大シートの幅方向端の位置が基準の中央位置からの距離の値として算出され、RAM等の記憶手段に位置検出データとして格納する(ST4)。
【0057】
その後、画像読取装置H等の本体からの給紙信号を受信(給紙要求)すると(ST5)、給紙動作が開始される(ST6)。そして、給紙トレイ10上のシートは、繰り出しベルト23で繰り出され、給紙ローラ24と分離ローラ25からなる分離手段によって1枚に分離されて送られることとなる。分離手段によって1枚に分離されて送られたシートはレジストローラ26対によってその先端が整合されて給紙される。
【0058】
そして、シートの先端がリードセンサS4位置に到達し、リードセンサS4が「ON」状態(ST7)を検出してからシートを所定距離搬送して停止させる(ST8)。このとき、シートは読取位置の手前の所定の位置で待機状態となる(ST9)。
【0059】
シート先端が読取位置の手前の所定の位置に到達した時点で、シートの幅方向の長さを判定する判定手段によってシートサイズ判定が実行され(ST10)、このシートサイズ判定にて判定されたシートサイズ情報を本体Hに送信されることとなる(ST11)。
【0060】
次に、本シート給送装置45におけるシートサイズの判定について、図6に基づいて詳細に説明する。
【0061】
ここで、シートサイズは、一般的に取り扱われるA3縦(以下、縦は「T」と記載する。)、B4T、A4T、B5T、A4横(以下、横は「Y」と記載する。)、A5T、B5Y、A5Yとしており、これらの複数のシートサイズを確実に検出するために通常モードの場合のシートサイズの検出は、給紙トレイ10上に載置される全てのシートが同一サイズであるので、トレイガイド20のスライド移動によって出力変化するボリュームの出力値によってシート幅を検出し、給紙トレイ10上のトレイサイズセンサS10でシートの長さを検出する。この検出されたシート幅とシートの長さに基づいて、シートサイズを特定する。
【0062】
シートの先端が読取位置の手前の所定位置到達した時点で、レングスセンサS2が「ON」状態であるか否か検出される(図6、S20)。
【0063】
レングスセンサS2が「OFF」状態であれば、シートの長さが検出されているため、「シートサイズ判別0」の判別処理が実行される(図6、S26)。図9に示すように「シートサイズ判別0」の判別処理において、その検出されたシートの長さと予め設定されたシート毎のサイズと閾値(表5参照)とを比較することによりシートのサイズを判定する(図9、S50乃至52)。ここで、A4YとA5Tはシートの長さ方向が同一であるため(表7参照)、幅センサS11がシートを検出しているか否かによって判定される(図9、S51)。
【0064】
なお、シートの長さ検出は、図10に示すようにシートの給紙動作を実行する過程において、給紙されるシートの先端がレングスセンサS2で検出されたことによってタイマーをスタートさせ(図10、S60、S61)、シートの後端がレングスセンサS2で検出されたことによって(図10、S62)、タイマーをストップさせることでシートの長さを給紙されるシート毎に実測している(図10、S63、S64)。
【0065】
そして、この実測されたタイマー値はシート長さデータとしてRAM等の記憶手段に格納される。本実施例におけるタイマーは、給紙モータM1の駆動パルスをカウントするものであり、レングスセンサS2が「ON」から「OFF」状態になるまでの駆動パルスをカウントすることによってシートの長さを検出するようにしている。
【0066】
ここで、本実施例では、読取位置の手前の所定位置からレングスセンサS2までの距離を215mmに設定しているので215mm以下の長さのシート、つまり、A4Y以下の長さのシートについては、シートの長さが実測できるように構成されている。
【0067】
シートサイズ判定において、レングスセンサS2が「ON」状態であった場合には、トレイガイド20の位置は基準の中央位置からの距離の値に算出されているので、この値と予め設定されたシートサイズ毎の長さ方向の閾値(表6参照)に基づいて、給紙トレイ10上の最大シートサイズが判定され、さらに、給紙トレイ10からプラテンガラス1aに至る経路中に配置された複数の幅センサS11のシート検出結果によってシートサイズを判定する(図6、S21)。
【0068】
つまり、トレイガイド20の位置が177mm(閾値)よりも大きい場合は、最大シートサイズがA3T、またはB4Tとして、「シートサイズ判別1」の判別処理を実行する(図6、S22)。
【0069】
「シートサイズ判別1」の判別処理では、図7に示すように幅センサ11a、11b、11cの検出結果によって、給紙される1枚毎のシートサイズ(B5T、A4T、B4T、A3T)が特定される(図7、S30、S32、S34、S36)。
【0070】
次に、トレイガイド20の位置が177mm以下で96mmよりも大きい場合は(図6、S23)、最大シートサイズがA4Tであるとして、「シートサイズ判別2」の判別処理が実行される(図6、S24)。
【0071】
「シートサイズ判別2」の判別処理では、図8に示すように幅センサ11bの検出結果によって(図8、S40)、給紙される1枚毎のシートサイズ(B5T、A4T)が特定される(図8、S41、S42)。
【0072】
さらに、トレイガイド20の位置が96mm以下の場合は、最大シートサイズがB5Tであるとして、給紙されるシートサイズもB5Tと特定する(図6、S25)こととなる。ここでは、トレイガイド20の位置、すなわち最大シートサイズの幅方向端の混載基準位置と給紙トレイ10からプラテンガラス1aに至る経路中の複数位置に配置された複数の幅センサ11のシート検出結果によってシートサイズを判定する。
【0073】
なお、上記の説明では、取り扱われるシートをA3T、B4T、A4T、B5T、A4Y、A5T、B5Y、A5Yとしたが、シートサイズの種類が増大、減少する場合は、それに応じてシート幅センサ11の配置個数を増加、または減少させて、適切な位置に配置するようにすればよい。
【0074】
また、取り扱うシートサイズの種類やシート幅センサ11の取り付け誤差等によって、シートの幅の判定が困難な場合は、判定が困難である特定のシートサイズのみ、シートを読み取ることなく読取位置を1回通過させてシートの長さを検出し、この検出されたシート幅とシート長さによってシートサイズを判定し、シートサイズ判定後にシートを循環させて再び読取部にシートを給送してシート画像を読み取らせるようにしてもよい。
【0075】
本シート給送装置45の混載モードにおけるシートサイズの第1の判定例について説明する。第1の判定例は、図3に示すように、給紙トレイ10上にA3T、A4Y、B4T、A4T、B5T、A5Tのサイズのシートが下方からこの順に混載された場合のシートサイズの判定である。まず、最上位に位置するシートA5Tが読取位置手前の所定の待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「OFF」状態となっているので、「シートサイズ判別0」の判別処理が実行される(図6、S26)。「シートサイズ判別0」の判別処理では(図9参照)、A5Tの長さは210mmであり、196mmよりも大きいので(図9、S50)、シート幅センサ11aの検出結果を確認する(図9、S51)。シート幅センサ11aは、このとき「OFF」状態であるため、A5Tと判定される(図9、S54)。
【0076】
次に、B5Tのサイズのシートが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「ON」状態となっているので(図6、S20)、トレイガイド20の位置が117mmより大きいか否か判定される(図6、S21)。この場合、最大シートサイズのシートはA3Tであるため、中央基準から最大シートサイズのシートの幅方向端の距離、つまりトレイガイド20の位置は144.5mmであり、「シートサイズ判別1」の判別処理が実行される(図6、S22)。「シートサイズ判別1」の判別処理では(図7参照)、シート幅センサ11aが「OFF」であるので、B5Tと判定される(図7、S31)。
【0077】
次に、A4Tが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「ON」状態となっており(図6、S20)、先に述べたように最大シートサイズのシートはA3Tであるので、「シートサイズ判別1」の判別処理が実行される(図6、S22)。「シートサイズ判別1」の判別処理では(図5参照)、シート幅センサ11aが「ON」(図7、S30)、シート幅センサ11bが「OFF」であるので(図7、S32)、A4Tと判定される(図7、S33)。
【0078】
次に、B4Tが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「ON」状態となっており(図6、S20)、先に述べたように最大シートサイズのシートはA3Tであるので、「シートサイズ判別1」の判別処理が実行される(図6、S22)。「シートサイズ判別1」の判別処理では(図7参照)、シート幅センサ11aが「ON」(図7、S30)、シート幅センサ11bが「ON」(図7、S32)、シート幅センサ11cが「OFF」であるので(図7、S34)、B4Tと判定される(図7、S35)。
【0079】
次に、A4Yが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「OFF」状態となっているので(図6、S20)、「シートサイズ判別0」の判別処理が実行される(図6、S26)。「シートサイズ判別0」の判別処理では(図9参照)、A4Yの長さは210mmであり、196mmよりも大きいので(図9、S50)、シート幅センサ11aの検出結果を確認する(図9、S51)。シート幅センサ11aは、このとき「ON」状態であるため、A4Yと判定される(図9、S53)。
【0080】
次に、A3Tが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサは「ON」状態となっており(図6、S20)、先に述べたように最大シートサイズのシートはA3Tであるので、「シートサイズ判別1」の判別処理が実行される(図6、S22)。「シートサイズ判別1」の判別処理では(図7参照)、シート幅センサ11aが「ON」(図7、S30)、シート幅センサ11bが「ON」(図7、S32)、シート幅センサ11cが「ON」であるので(図7、S34)、A3Tと判定される(図7、S36)。
【0081】
さらに、本シート給送装置におけるシートサイズの第2の判定例について説明する。図4に示すように給紙トレイ10上にB5T、A5Y、A4Tが下方からこの順に混載された場合のシートサイズ判定について説明する。まず、最上位に位置するA4Tが読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「ON」状態となっているので(図6、S20)、トレイガイド20の位置が判定される(図6、S21)。この場合最大シートサイズのシートはA4Tであるため、中央基準から最大シートサイズのシートの幅方向端の距離、つまりトレイガイド20の位置は105mmであり、「シートサイズ判別2」の判別処理が実行される(図6、S23)。「シートサイズ判別2」の判別処理では(図8参照)、シート幅センサ11bが「OFF」であるので(図8、S40)、B5Tと判定される(図8、S41)。
【0082】
次に、A5Yが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「OFF」状態となっているので(図6、S20)、「シートサイズ判別0」の判別処理が実行される(図6、S26)。「シートサイズ判別0」の判別処理では(図9参照)、A5Yの長さは148mmであり、165mm以下であるので(図9、S52)、A5Yと判定される(図9、S56)。
【0083】
次に、B5Tが給紙されて読取位置手前の所定に待機位置に到達すると、レングスセンサS2は「ON」状態となっており(図6、S20)、先に述べたように最大シートサイズのシートはA4Tであるので、中央基準から最大シートサイズのシートの幅方向端の距離、つまりトレイガイド20の位置は105mmで、B5Tの長さは257mmであり「シートサイズ判別1」の判別処理が実行される(図6、S21)。「シートサイズ判別1」の判別処理では(図7参照)、シート幅センサ11aが「OFF」であるので(図7、S30)、B5Tと判定される(図7、S31)。
【0084】
以上、詳しく説明したように、本発明は、シートを載置する給紙トレイと、給紙トレイ上に載置されたシートを一枚ずつ所定の給紙方向に給紙する給紙手段と、を備えたシート給紙装置において、給紙トレイ上に載置されたシートの給紙方向と直交する幅方向の一方の端の位置を検出する第1の検出手段と、給紙方向の給紙経路内に配置され、給紙されるシートの幅方向の他方の端側の通過を検出する第2の検出手段と、第1の検出手段と第2の検出手段の検出結果に基づいて給紙されるシートの前記幅方向の長さを判定する判定手段とを備えた構成とした。
【0085】
これにより、給紙トレイから給紙されたシートが読取位置に到達する前にシートサイズが判定できるので、シートのサイズに適合した用紙を選択して用紙の給紙動作を開始させる場合や、設定された用紙のサイズとシートのサイズに応じた倍率を自動的に計算処理を実行し、計算した倍率に応じてシート画像を拡大、又は縮小する等の機能を支障なく発揮させることを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシート給紙装置の全体構成の側面図を示す。
【図2】 シート給送装置の主要部の側面図を示す。
【図3】 給紙トレイ上に載置された複数枚の異なるサイズのシートとシート幅センサの位置の平面図を示す。
【図4】 給紙トレイ上に載置された複数枚の異なるサイズのシートとシート幅センサの位置の平面図を示す。
【図5】 シートサイズ検出動作のフローチャート(その1)を示す。
【図6】 シートサイズ検出動作のフローチャート(その2)を示す。
【図7】 シートサイズ検出動作のフローチャート(その3)を示す。
【図8】 シートサイズ検出動作のフローチャート(その4)を示す。
【図9】 シートサイズ検出動作のフローチャート(その5)を示す。
【図10】 シートサイズ検出動作のフローチャート(その6)を示す。
【符号の説明】
10 給紙トレイ
11 給紙経路
20 トレイガイド(第1の検出手段)
21 案内ガイド
23 繰り出しベルト
24 給紙ローラ
25 分離ローラ
26 レジストローラ対
45 シート給送装置
63 突出部
M1 給紙モータ
S1 エンプティセンサ
S2 レングスセンサ
S3 レジストセンサ
S10 トレイサイズセンサ
S11 シート幅センサ(第2の検出手段)
S11a、S11b、S11c シート幅センサ

Claims (5)

  1. 最大幅サイズのシートの一端側を基準として異なるサイズのシートを載置する給紙トレイと、
    前記給紙トレイ上に載置された最大幅サイズのシートをシート幅方向の中央を基準としてシート幅方向に移動自在に設けられた相互に連動する一対のサイド規制部材と、
    前記給紙トレイ上に載置されたシートを一枚ずつ所定のシート処理位置の方向に給紙する給紙手段と、
    前記給紙トレイ上に載置された最大幅サイズのシートの前記給紙方向と直交する幅方向の一方の端の位置を検出する第1の検出手段と、
    前記給紙方向にシートを案内する給紙経路内に配置され、前記給紙手段により給紙されるシートの前記幅方向の他方の端側の通過を検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の検出結果に基づいて給紙されるシートの前記幅方向の長さを判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記第1の検出手段は、前記最大幅サイズシートの両端部を規制する前記サイド規制部材の移動量によって前記給紙トレイ上に載置されたシートの前記一方の端の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載されたシート給送装置。
  3. 前記第2の検出手段は、前記給紙方向と直交する幅方向の複数箇所に配置された複数の検知センサにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  4. 前記給紙経路に配置されてシートの給紙方向の長さを判別するシート長判別手段と、
    前記判定手段により判定されたシートの幅方向長さと前記シート長判別手段により判別された当該シートの給紙方向長さに基づいてシートサイズを特定するサイズ特定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  5. 前記判定手段は、前記第1の検出手段の検出結果に応じて前記第2の検出手段の検出結果によるシートの前記幅方向の長さの判定パターンを変更することを特徴とする請求項1に記載のシート給紙装置
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