JP2004024970A - 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法 - Google Patents

汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】六価クロムの再溶出を防止することにより、六価クロムに汚染された土壌を確実に処理することができる汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法を提供する。
【解決手段】六価クロムに汚染された土砂を受け入れ六価クロムを三価クロムに還元する酸化還元処理装置1A、この酸化還元処理装置1Aからの処理土砂を受け入れ三価クロムを不溶化すると共に処理土砂を固化する固化処理装置1Bを備えた汚染土壌処理機械200と、この汚染土壌処理機械200から排出され地盤に埋め戻された改質土砂を転圧し改質土砂に含まれる内在空気を放出させるロードローラ300とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害な物質に汚染された土壌の不溶化の安定化処理に関し、特に、六価クロムに汚染された土壌を確実に浄化処理できる汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種工場の跡地には、例えば六価クロムやカドミウム等といった重金属系の物質が含まれている場合がある。これら六価クロムやカドミウム等の重金属系物質は、土壌の汚染に係る環境基準(環境庁告示第46号)で土壌の汚染物質として指定されており、所定の溶出試験により土から溶け出す量(溶出量)が環境基準に規定された値を超えた場合、汚染土と判定される。このような重金属系物質に汚染された土の処理方法としては、いわゆる不溶化処理が一般的である。この不溶化処理は、重金属の種類に応じた薬剤(不溶化剤)を汚染土に添加し、重金属を難溶性の化合物に変えることにより、重金属の溶出を抑制するものである。
【0003】
重金属汚染土のうち、特に六価クロム汚染土の処理を行うものとしては、例えば「土と基礎(地盤工学会誌)」(1999年10号、Vol.47、No.10、Ser.No.501)pp.28〜30に掲載の「六価クロム汚染土の不溶化処理工事」(峠和夫他)に、六価クロム汚染土を処理する不溶化処理設備及び施工方法が既に提唱されている。この不溶化処理設備は、概略すれば、六価クロム汚染土に硫酸第一鉄を添加、混合し不溶化処理した後、その処理土砂の流動化を防ぐため、処理土砂に高分子凝集剤及びベントナイトを添加、混合して強度改良するものである。そして、この不溶化処理設備を始めとして、六価クロム汚染土を不溶化処理して得られた改質土砂は、一般的には地盤に埋め戻されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えば、埋め戻された改質土砂中に間隙(気孔)が多く存在すると、その間隙中の空気に含まれる酸素と反応することにより、三価クロムが六価クロムに酸化されてしまう可能性がある。
【0005】
また、固化材としてセメントを使用する場合は、セメントはアルカリ性であるために、六価クロムが土粒子に吸着された状態で溶出する場合がある。但し、六価クロム汚染土の不溶化処理においては、上記のように硫酸第一鉄を添加するのが一般的であるが、通常、還元作用に不足が生じないよう、十分な量の硫酸第一鉄を添加することが多い。従って、仮に固化反応の際に六価クロムが溶出したとしても、残存する硫酸第一鉄との反応により六価クロムは三価クロムに還元され、更に逐次反応により水酸化クロムとして沈殿される場合がある。ところが、改質土砂中に酸素が多く存在する状態にあると、硫酸第一鉄自体が酸化されてしまい六価クロムの還元作用が発揮されなくなる可能性がある。
【0006】
以上のように、埋め戻した改質土砂が間隙を多く含み、酸素と接触し易い状態にあると、再び六価クロムが溶出してしまう可能性がある。
【0007】
また、仮に、埋め戻した時点において改質土砂に間隙がほとんどない場合であっても、固化反応が進むと改質土砂が徐々に収縮されていく傾向にあり、その結果、固化反応の進展と共に新たな間隙が生じてしまう可能性もある。更に、埋め戻した改質土砂に雨水や周辺の土壌からの水分が侵入すると、pHが高くなり、六価クロムへの酸化反応が起こり易い状態になる場合がある。
【0008】
また、このように周囲から水分が侵入した場合、土粒子が膨潤する場合がある。特に、例えば上記した不溶化処理設備のようにベントナイトを使用すると、ベントナイト等は水分を吸収して大きく膨潤する性質があるため、周囲からの水分を吸収して一旦膨潤した後で乾燥して体積が減少すると、新たに改質土砂中に間隙が生じてしまう可能性もある。更に、水分の侵入により残存する硫酸第一鉄が周辺の土壌に流出してしまい、六価クロムが再溶出した場合の還元作用も得られなくなってしまう可能性がある。
【0009】
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたものであり、その目的は、六価クロムの再溶出を防止することにより、六価クロムに汚染された土壌を確実に処理することができる汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して得た改質土砂を地盤に埋め戻す汚染土壌処理システムにおいて、埋め戻された前記改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させる内在空気除去手段を備える。
【0011】
本発明においては、内在空気除去手段により、埋め戻した改質土砂を転圧し、改質土砂中の内在空気を放出させ除去する。即ち、転圧することにより、土粒子間の間隙を減少させて改質土砂を緻密化し、空気の出入りを遮断する。これにより、改質土砂中への酸素の侵入を防止することができ、三価クロムが六価クロムに再酸化されることを防止することができる。また、改質土砂中に残存する還元剤(例えば硫酸第一鉄等)の酸化を防止することもできるので、仮に六価クロムが再度生じた場合であっても、硫酸第一鉄により六価クロムを再還元することができる。このように、六価クロムの再溶出を防止することができ、六価クロムに汚染された土壌を確実に処理することができる。
【0012】
(2)上記目的を達成するために、本発明の汚染土壌処理システムは、六価クロムに汚染された土砂を受け入れ、前記六価クロムを三価クロムに還元するか、又は前記六価クロムを三価クロムに還元すると共に還元した三価クロムを不溶化する酸化還元処理装置と、この酸化還元処理装置からの処理土砂を受け入れ、前記三価クロムを不溶化すると共に前記処理土砂を固化するか、又は前記処理土砂を固化する固化処理装置と、この固化処理装置から排出され地盤に埋め戻された改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させる内在空気除去手段とを備える。
【0013】
(3)上記目的を達成するために、また本発明は、六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して得た改質土砂を地盤に埋め戻す汚染土壌処理システムにおいて、埋め戻された前記改質土砂への水分の侵入を防止する遮水手段を備える。
【0014】
本発明においては、遮水手段により、埋め戻された改質土砂に周囲から水分が侵入しないようにすることで、改質土砂の土粒子が水分を吸収して膨潤することを防止することができる。これにより、乾燥時に土粒子が収縮して間隙が新たに生じることを防止することができるので、酸素の侵入を防止することができ、上記同様、六価クロムの再溶出を防止することができ、六価クロムに汚染された土壌を確実に処理することができる。また、改質土砂に水分が侵入すると、pH値が高くなり、固化反応の際に土粒子に吸着された六価クロムが存在した場合、六価クロムが溶出する場合があるが、改質土砂への水分侵入を防止することができるので、これも防止することができる。また、遮水することにより、残存する硫酸第一鉄の流出も防止することができる。これらによっても、六価クロムの再溶出を防止することができる。
【0015】
(4)上記目的を達成するために、また本発明の汚染土壌処理システムは、六価クロムに汚染された土砂を受け入れ、前記六価クロムを三価クロムに還元するか、又は前記六価クロムを三価クロムに還元すると共に還元した三価クロムを不溶化する酸化還元処理装置と、この酸化還元処理装置からの処理土砂を受け入れ、前記三価クロムを不溶化すると共に前記処理土砂を固化するか、又は前記処理土砂を固化する固化処理装置と、この固化処理装置から排出され地盤に埋め戻された改質土砂への水分の侵入を防止する遮水手段とを備える。
【0016】
(5)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記固化処理装置から排出され地盤に埋め戻された前記改質土砂への水分の侵入を防止する遮水手段を更に備える。
【0017】
(6)上記(3)乃至(5)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記遮水手段として、耐水性又は撥水性を有する材質で形成され、前記埋め戻された改質土砂と周囲の土壌とを隔絶する包囲手段を備える。
【0018】
(7)上記(3)乃至(6)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記遮水手段として、前記埋め戻された改質土砂の上部ほぼ全面を覆う覆土を設ける。
【0019】
これにより、改質土砂への水分の侵入を防止できると共に、改質土砂と外気とを遮断し、土粒子間への酸素の侵入をより確実に防止することができる。これにより、六価クロムの再溶出を万全に防止することができ、更に確実に六価クロムに汚染された土壌を処理することができる。
【0020】
(8)上記目的を達成するために、本発明の汚染土壌処理方法は、六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して得た改質土砂を地盤に埋め戻した後、埋め戻した前記改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させる。
【0021】
(9)上記目的を達成するために、本発明の汚染土壌処理方法は、六価クロムに汚染された土砂に対し、前記六価クロムの三価クロムへの還元処理、又は前記六価クロムの三価クロムへの還元処理及び三価クロムの不溶化処理を施して処理土砂を生成し、この処理土砂に対し、前記三価クロムの不溶化処理及び固化処理、又は固化処理を施して改質土砂を生成して養生した後、この養生した改質土砂を地盤に埋め戻し、埋め戻した前記改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させる。
【0022】
(10)上記目的を達成するために、本発明の汚染土壌処理方法は、六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して改質土砂を生成した後、この生成した改質土砂を地盤に埋め戻すと共に、埋め戻した改質土砂への水分の侵入を防止する遮水処理を施す。
【0023】
(11)上記目的を達成するために、本発明の汚染土壌処理方法は、六価クロムに汚染された土砂に対し、前記六価クロムの三価クロムへの還元処理、又は前記六価クロムの三価クロムへの還元処理及び三価クロムの不溶化処理を施して処理土砂を生成し、この処理土砂に対し、前記三価クロムの不溶化処理及び固化処理、又は固化処理を施して改質土砂を生成して養生した後、この養生した改質土砂を地盤に埋め戻すと共に、埋め戻した改質土砂への水分の侵入を防止する遮水処理を施す。
【0024】
(12)上記(8)又は(9)において、好ましくは、前記埋め戻した改質土砂への水分の侵入を防止する遮水処理を施す。
【0025】
(13)上記(10)乃至(12)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記遮水処理として、耐水性又は撥水性を有する材質で形成された包囲手段で、前記埋め戻した改質土砂と周囲の土壌とを隔絶する。
【0026】
(14)上記(10)乃至(13)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記遮水処理として、前記埋め戻した改質土砂の上部ほぼ全面を覆土で覆う。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態の全体構造を表す側面図である。この図1において、200は汚染土壌処理機械、300は改質土砂の内在空気除去手段としてのロードローラである。本実施の形態の汚染土壌処理システムにおいては、例えば油圧ショベル100(繁雑防止のため図1では図示省略するが、後述の図10で詳述する)により六価クロムに汚染された土砂を汚染土壌処理機械200に供給し、ここで化学的な還元不溶化処理を施して改質土砂を生成し、この改質土砂を所定期間(例えば5日以内程度)養生する。改質土砂の養生は、図1に示す位置S等で行っても良いし、例えば油圧ショベルやホイールローダ等(図示せず)により別の場所に搬送し行っても良い。そして、養生後の改質土砂を、例えば油圧ショベルやホイールローダ等(図示せず)により地盤に埋め戻し、ロードローラ300により転圧し、改質土砂の内在空気を放出させ除去する。ここで、図1では汚染土壌処理機械200のすぐ後段の位置に改質土砂を埋め戻す状態を図示したが、必ずしもこれに限らず、実際には、現場内の所定の位置、或いは他の現場に埋め戻す場合もある。
【0028】
まず、汚染土壌処理機械200の構成について以下に説明する。
1Aは汚染土砂に含有された六価クロムを三価クロムに還元処理する酸化還元処理装置、1Bはこの酸化還元処理装置1Aからの処理土砂の三価クロムを不溶化処理し、かつ処理土砂そのものの固化処理を施す固化処理装置で、これらはベースフレーム2A,2Bにより支持されている。ベースフレーム2Bは、例えばH型鋼等で構成され、互いに略平行となるよう幅方向(図1中紙面直交方向)に配設されており、上記固化処理装置1Bは、このベースフレーム2Bの端部(図1中右端)上に搭載されている。また、ベースフレーム2Aも例えばH型鋼等で構成され、ベースフレーム2Bの反対側端部(図1中左端)上に図示しないボルト等により締結されている。上記酸化還元処理装置1Aは、このベースフレーム2A上に搭載され、例えばボルト等により固定されている。
【0029】
上記の酸化還元処理装置1Aは、図1に示すように篩装置3、ホッパ4、搬送コンベア5、添加剤供給装置39、酸化還元剤供給装置6(後述の図3参照)、混合装置7、排出コンベア8、動力装置9、及び各機器を支持する本体フレーム10で概略構成されている(各機器の詳細はそれぞれ後述する)。この本体フレーム10は、上記ベースフレーム2A上に、例えばボルト等により締結(溶接でも構わない)されている。
【0030】
図2は上記篩装置3及びホッパ4近傍の詳細構造を表す側面図である。この図2に示した上記篩装置3は、例えば油圧ショベル等により投入された処理対象土砂(六価クロム汚染土)を解砕しつつその粒度に応じて分級(選別)する解砕分級手段である。以下、この篩装置3の詳細を簡単に説明する。
【0031】
11は篩装置3の本体を構成する枠体で、この枠体11は、上記本体フレーム10上に支持ポスト12を介して設けられた支持部材13にばね14を介して弾性的に支持されている。15はこの枠体11内に装着された格子部材、16はこの格子部材15の振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラムで、この回転ドラム16は、図示しない駆動装置により回転駆動するようになっている。これにより、先の図示しない振動軸が回転し篩装置3が加振され、投入された土砂に含まれる大塊等は、格子部材15のエッジ効果により解砕されるようになっている。このとき、枠体11は前方側(図2中左側)が後方側(図2中右側)よりも低くなるように配設されているため、投入土砂に含まれる格子部材15の目より大きな石等の異物は格子部材15上を前方側へと移動し機外(この場合図2中左側)に排出される。即ち、格子部材15の目より小さな成分を選別して下方のホッパ4へと導入するようになっている。なお、17は篩装置3上部に設けたいわゆるあおりである。
【0032】
上記ホッパ4は、以上の篩装置3から導入された土砂を受け入れる枠状の部材で、その下端部が上記搬送コンベア5の傾斜角に応じて傾斜するよう、上端部が上記支持部材13に固定されている。また、このホッパ4は、篩装置3から確実に土砂を受け入れるために、上方拡開形状となっている。ホッパ4の上部開口部の寸法は、その長手方向、幅方向共に前記篩装置3の枠体11よりも僅かに大きく、また、下端の幅は、上記搬送コンベア5の搬送ベルト24(後述の図3参照)の幅よりも僅かに小さくなっている。これにより、前記篩装置3より導入された土砂を、漏洩させることなく搬送コンベア5上に導くようになっている。なお、この図1では図示省略するが、後に添加される鉄粉(又は酸化鉄の粉末)及び酸化還元剤との馴染みを良くし後の処理を行い易くするために、酸化還元処理装置1Aのホッパ4には、投入された土砂に加水する加水管路32aa(後述の図4参照)が設けられている。
【0033】
また、18はホッパ4内に設けたアーチブレーカで、このアーチブレーカ18は、受け入れた土砂を攪拌、解砕し、また架橋現象が発生した場合には架橋を破壊するものである。19はこのアーチブレーカ18の回転軸で、この回転軸19は、ホッパ4の長手方向(図2中左右方向)に貫通しており、ホッパ4に対し、その両端が軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。20は攪拌棒(羽根)で、この攪拌棒20は、ホッパ4内において、回転軸19の軸線方向と直交する方向に対して所定角度傾斜しており、回転軸19に対して所定のピッチで設けられている。21はアーチブレーカ18の駆動装置で、この駆動装置21は、回転軸19の端部(図2中右端)に直結している。即ち、アーチブレーカ18は、この駆動装置21により回転駆動され、ホッパ4に導入された土砂を攪拌棒20によって攪拌し、ホッパ4内の下部における架橋発生を防止すると共に土砂解砕を促進するようになっている。
【0034】
図1に戻り、上記の搬送コンベア5は、本体フレーム10の前方側(図1中左側)端部に搭載されている。また、この搬送コンベア5は、ホッパ4の下方から下流側(図1中右側)に向かって上り傾斜に延在している。
【0035】
図3はこの搬送コンベア5の下流側近傍の詳細構造を表す図である。この図3において、22はこの搬送コンベア5のコンベアフレーム、23はこのコンベアフレーム22の下流側(図3中右側)端部に支持された駆動輪で、この駆動輪23と、コンベアフレーム22の上流側(図2中左端)端部に支持された従動輪(図示せず)との間に搬送ベルト24が巻回されている。そして、駆動輪23を図示しない駆動装置で回転駆動させることにより、搬送ベルト24を循環駆動させ、ホッパ4内の土砂を下流側へ搬送するようになっている。このとき、図3に示すように、ホッパ4の下流側壁面には、所定開口面積(所定の高さ×幅)の土砂切り出し用の開口4aが設けられており、搬送コンベア5により搬送される土砂は、この開口4aを介してホッパ4外へ切り出され、混合装置7へと導かれるようになっている。なお、特に図示しないが、土砂のスリップ防止のため、搬送ベルト24の搬送面にいわゆるラグを突設すると好ましい。また、25はホッパ4外に切り出された土砂が、搬送コンベア5からこぼれ落ちないようにする規制板である。
【0036】
再び図1に戻り、上記の添加剤供給装置39は、上記搬送コンベア5により搬送される土砂に鉄粉(又は鉄の酸化物、即ち酸化鉄の粉末)を添加剤として供給するようになっている。また、添加剤供給装置39は、略円筒形の添加剤の貯留タンク40と、この貯留タンク40内の鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を下方に導出するフィーダ41(図3も参照)とで構成されている。
【0037】
なお、添加剤として用いる鉄粉(又は酸化鉄の粉末)は、例えば純鉄:Fe、酸化鉄(II):FeO、酸化鉄(II、III):FeO、酸化鉄(III):Fe、或いはこれらの混合物のいずれであっても構わない。また、その粒径は、厳密なものではないが、50μm〜2mm程度のものを用いると良い。50μm以下になると、鉄は反応して熱を持ってしまう場合があり、安全への配慮から50μm以上のものが好ましい。また、粒径が2mmを超えると、汚染土に混合されても汚染土中に点在するような状態となってしまうため、土砂に均一に混合されるようにする観点において、目安として、粒径は2mm以下程度とすると良い。勿論、粒径が2mmを超えるものであっても、均一に混ざり難くはなるが、使用上の問題はない。
【0038】
貯留タンク40は、有底筒形の下部タンク部42と、その上部に連接した蛇腹状の上部タンク部43と、この上部タンク部43の上部を覆う天板部44とで構成されている。これにより、例えば稼動時等には、蛇腹状の上部タンク部43を伸長させることで、貯留タンク40の内部容積が十分確保されるようになっている(図1に示す状態とし)、また逆に、輸送時等には、上部タンク部43を全縮させることで、酸化還元処理装置1Aをトレーラ等で輸送する際、輸送制限をクリアする高さまで全高低減できるようになっている。また、上記下部タンク部42内の底部には、図示しない切出し手段が設けられており、この切出し手段により貯留タンク40内の鉄粉(又は酸化鉄の粉末)が、円滑にフィーダ41に切り出されるようになっている。
【0039】
上記フィーダ41(図3も参照)は、いわゆるロータリフィーダで、繁雑防止のため特に図示しないが、回転軸に複数の隔壁を放射状に突設したロータを内蔵している。そして、貯留タンク40から、回転するロータの各隔壁間の空間に導入された鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を、搬送コンベア5上を搬送される処理土砂に順次添加するようになっている。なお、本実施の形態においては、このフィーダ41をロータリフィーダとしたが、これに限られず、例えばスクリューフィーダとしても良い。
【0040】
ここで、図4は、本実施の形態の汚染土壌処理システムにおいて、改質土砂生成に係わる一連工程を行う部分を抽出して表す図である。
上記酸化還元剤供給装置6は、この図4に示すように、供給管27a〜27c(詳細は後述)と、これら供給管27a〜27cにそれぞれ接続する接続管32a〜32cと、これら接続管32a〜32cにそれぞれ設けた流量調整弁33a〜33cとで構成されている。供給管27a〜27cは、図3に示すように、搬送コンベア5の規制板25及び混合装置7の入口35に掛け渡したフレーム26に支持されている。
【0041】
また、先の図1において、28は酸化還元処理装置1Aで使用する酸化還元剤を貯留するポンプユニットである。このポンプユニット28は、貯留タンク29a〜29cと、これら貯留タンク29a〜29c内の酸化還元剤をそれぞれ吐出するポンプ30a〜30c(図4参照)と、これらを搭載するベースフレーム31とで構成されている。本実施の形態において、貯留タンク29a〜29cには、酸化還元剤の成分として、それぞれ水、希硫酸、硫酸第一鉄の水溶液が貯留されている。このとき、水は六価クロム汚染土の水分調整、希硫酸はpH調整(酸性化)の役割を果たし、硫酸第一鉄の水溶液は、土砂に含有される六価クロムを三価クロムに還元する働きをする。また、硫酸第一鉄を粉状ではなく、予め水に溶かした状態で供給することにより、硫酸第一鉄(還元剤)が速やかに土砂中に浸透し、土砂中の六価クロムを効率良く三価クロムに還元することができるよう考慮されている。
【0042】
図4に示すように、上記供給管27a〜27cは、それぞれ上記貯留タンク29a〜29cに接続している。また、上記ポンプユニット28は、繁雑防止のため、図1においては酸化還元処理装置1Aの前方側(図1中左側)に図示した。しかし実際には、この位置には油圧ショベル等の土砂の供給手段が来る場合があるので、酸化還元処理装置1Aの横(例えば図1中紙面直交方向奥側又は手前側等)に配置すると良い。また、本実施の形態において、このポンプユニット28を別途設置する構成としたが、処理量が比較的少なく、大量の酸化還元剤を必要としない現場で稼動する場合等、ポンプユニット28が小型のもので足りる場合、適宜汚染土壌処理機械に組込む構成としても良い。
【0043】
図5(a)及び図5(b)は、上記の供給管27a〜27cの構造を表す図である。まず、図5(a)に示すように、供給管27c(図5(a)では例として供給管27cを示すが、供給管27a,27bも同様である)は、両端が閉止したパイプを「コ」の字状にしたものである。この供給管27aは、上記接続管32c(図4も参照)が接続する中央部27caと、この中央部27caから曲成された端部27cbとを有し、これら中央部27ca及び端部27cbの内側には多数の孔34が設けられている。また、端部27cb同士の間隔(つまり、ほぼ中央部27caの長さ)は、混合装置7の入口35(図3参照)の幅寸法にほぼ等しく、中央部27caの孔34が搬送コンベア5に対向し、かつ入口35の略直上に位置するよう、上記フレーム26(図3参照)に例えば溶接等により取付けられている。
【0044】
これにより、酸化還元剤供給装置6は、ポンプユニット28から圧送される水、希硫酸、硫酸第一鉄の水溶液をそれぞれ供給管27a〜27cの孔34を介して流出するようになっている。これにより、添加剤供給装置39から鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加され、搬送コンベア5の下流側端部から放出される土砂は、酸化還元剤供給装置6により、放出の途中で周囲から酸化還元剤を添加されるようになっている。そして、これら土砂、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)、及び酸化還元剤は、上記混合装置7に供給されるようになっている。
【0045】
なお、供給管27a〜27cは、図5(b)に示すように略「一」文字状のものとしても構わず、この場合、その孔34が搬送コンベア5に対向するよう(厳密には搬送コンベア5から放出される土砂に対抗するよう)、上記フレーム26に取付ければ良い。
【0046】
再び図1に戻り、混合装置7は、受け入れた土砂、鉄粉(酸化鉄鉄の粉末)、及び酸化還元剤を均一に攪拌し、処理土砂として導出するもので、上記本体フレーム10の長手方向(図1中左右方向)ほぼ中央上に取付けられている。また、混合装置7は、その一方側(図1中左側)上部に土砂、鉄粉(酸化鉄の粉末)、及び酸化還元剤の入口35(図3参照)を、他方側(図1中右側)下部に処理土砂の出口(図示せず)を備えている。そして、繁雑防止のため特に図示しないが、この混合装置7は、攪拌手段として内部に略平行に設けた複数のパドルミキサ(図示せず)を備えており、このパドルミキサにより、入口35を介して導入された土砂、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)、及び酸化還元剤を混合し、生成した処理土砂を出口から導出するようになっている。36は上記パドルミキサを駆動する駆動装置である。
【0047】
上記排出コンベア8は、この混合装置7から導出された処理土砂を酸化還元処理装置1A外に排出し、上記固化処理装置1Bに向かって搬送するものである。この排出コンベア8は、混合装置7の図示しない出口の下方から他方側(図1中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置7の駆動装置36下方辺りから上り傾斜に延在している。37はこの排出コンベア8のコンベアフレームで、このコンベアフレーム37は、図示しない支持部材により動力装置9や本体フレーム10等から支持されている。
【0048】
上記動力装置9は、特に図示しないが、以上説明してきた各機器の駆動装置の動力源としてのエンジンや、このエンジンにより駆動する油圧ポンプ、またこの油圧ポンプから各機器の駆動装置に供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等を備えている。そして、この動力装置9は、本体フレーム10の長手方向他方側(図1中右側)端部に支持部材38を介して支持されている。
【0049】
以上の構成の酸化還元処理装置1Aにより酸化還元処理された処理土砂は、次に上記固化処理装置1Bに供給されるようになっている。この固化処理装置1Bは、上記篩装置3及び酸化還元剤供給装置6が省略されている点を除いて上記酸化還元処理装置1Aとほぼ同様の構成であるため、酸化還元処理装置1Aと同様の部分には、図1にて同様の符号を付し説明を省略する。
【0050】
なお、固化処理装置1Bにおいて、60は供給された処理土砂に不溶化材を供給する不溶化材供給装置で、この不溶化材供給装置60は、上記添加剤供給装置39と同様の構成である。即ち、この不溶化材供給装置60は、略円筒形の第2の不溶化材の貯留タンク61と、この貯留タンク61内の不溶化材を下方に導出するフィーダ62とで構成されている。そして、貯留タンク61は、下部タンク部63と、その上部タンク部64と、天板部65とで構成されており、高さ及び内部容積が可変な構成となっている。また、下部タンク部63内の底部には、図示しない切出し手段が設けられており、この切出し手段により貯留タンク61内の不溶化材が、円滑にフィーダ62に切り出されるようになっている。このフィーダ62も、いわゆるロータリフィーダを用いたものであるが、これに限られる必要はなく、例えばスクリューフィーダ等を用いても良い。
【0051】
以上のような構成により、固化処理装置1Bは、酸化還元処理装置1Aから受け入れた処理土砂に不溶化材を添加して混合装置7により混合し、改質土砂として排出コンベア8により排出するようになっている。
【0052】
上記のロードローラ300は、一般的に用いられるものであり、鉄輪からなる前輪301及び後輪302と、これら前輪301及び後輪302によってそれぞれ走行するフロントフレーム303及びリヤフレーム304と、リヤフレーム304に設けられた運転席305とを有し、フロントフレーム303とリヤフレーム304とを屈曲させることにより操舵(進行方向の変更)が行われるものである。このような構成により、ロードローラ300は、前輪301及び後輪302により地盤に埋め戻された改質土砂を転圧しつつ走行するようになっている。
【0053】
なお、本実施の形態においては、内在空気除去手段としてロードローラ300を用いたが、必ずしもこれに限られず、いわゆる締固め機械であれば概ね適用可能である。締固め機械は、その締め固め機構により、主として静的圧力によるもの、振動力によるもの、衝撃力によるものに大別される。静的圧力によるものとしては、上記ロードローラ300の他にも、タイヤローラ等が挙げられる。また、振動力によるものとしては、振動ローラ、振動コンパクタ等が挙げられる。また、衝撃力によるものでは、いわゆるランマ、タンパ等がある。これらをロードローラ300の代わりに用いても良い。
【0054】
ここで、図6は本実施の形態における改質土砂の埋め戻し構造の一例を模式的に表した図である。図1においてロードローラ300により転圧され、内在空気を放出された改質土砂は、最終的に図6に示すような状態で埋め戻される。401は不織布等によるフィルタ層、402はこのフィルタ層401を覆う一次遮水シート(不透水シート)、403,404はジオテキスタイル等を用いた排水層、405は排水層403,404の外側に設けた粘土層、406はこの粘土層405を覆う二次遮水シート(不透水シート)で、これらは改質土砂の包囲手段として設けられている。また、407は改質土砂の上部ほぼ全面を覆う遮水シート(不透水シート)、408は更にこの遮水シート407を覆うように設けた覆土、409はこの覆土の周りに設けた開渠である。一次遮水シート402、二次遮水シート406、遮水シート407は、耐水性又は撥水性を有する材質で形成されている。
【0055】
このような埋め戻し構造を構成する場合には、まず、油圧ショベル等により地盤(地表面)に所定の大きさ及び深さの穴を掘削し、二次遮水シート406を敷き、粘土層405、排水層404,403を設け、その上に一次遮水シート402を敷き、最後にフィルタ層401を設ける。そして、この状態で、油圧ショベルやホイールローダ等により、養生した改質土砂を埋め戻し、図1に示したようにロードローラ300により転圧して改質土砂中の内在空気を放出し、改質土砂を緻密化する。なお、この転圧作業は、所定期間毎(例えば1日毎)に、改質土砂の固化反応が概ね終了するまで何回か行う。これにより、改質土砂の固化反応の進展に伴い、改質土砂が収縮し新たに改質土砂中に間隙が生じる場合もあるが、その都度転圧を行って間隙をなくすようにする。転圧作業終了後、遮水シート407により改質土砂の周囲をほぼ完全に覆い、更に覆土408を設けて遮水シート407の上部ほぼ全面を更に覆い、その周囲に開渠409を設ける。
【0056】
このように改質土砂をモールドすることにより、改質土砂は、間隙なく内在空気がほとんど存在しない状態となると共に、周辺の土壌や外気と隔絶され、外部からの空気や水分の出入りが遮断された状態となるように埋め戻される。なお、覆土408の上面は、開渠409に向かって下り傾斜となるよう形成され、雨水は覆土408を伝って開渠409に導かれ排水されるようになっており、こうして形成することにより改質土砂への雨水の侵入を更に確実に防止してある。
【0057】
次に、以上の構成の本実施の形態の汚染土壌処理システムの動作を説明する。図1において、例えば油圧ショベル等で、六価クロムに汚染された土砂を酸化還元処理装置1Aの篩装置3(図2も参照)に投入すると、大きな石やレキ等が格子部材15(図2参照)で除去され、格子部材15を通過した土砂成分が下方のホッパ4へと導入される。この分級により、土砂の粒度分布を均一化し、後の酸化還元剤との混合に好適な大きさとすることができる。このとき、格子部材15が振動することにより、格子部材15の目より大きな土塊は跳ね上げられ、格子部材15上に再び落下する。こうした動作を繰り返すことにより、その際の衝撃や格子部材15の網(またはブレードでも良い)のエッジ効果により、土塊が解砕され、格子15の目よりも小さくなった場合、ホッパ4へ導入される。
【0058】
また、図4に示すように、ホッパ4で受け入れられた土砂は、ホッパ4内に設けられたアーチブレーカ18によって比較的大きな土塊を解砕されつつ、その下方の搬送コンベア5上に載置される。このとき、後の酸化還元反応が促進されるよう、前述の加水管路32aaにより、貯留タンク29a中の水をホッパ4内に散水し、汚染土砂中に水分を含ませる。この水分は、アーチブレーカ18により、ホッパ4内で土砂と均一に攪拌、混合される。
【0059】
搬送コンベア5上に載置された土砂は後方側へと搬送され、開口4a(図3参照)を介してホッパ4外に切り出される。なおその際も、ホッパ4内から切り出される土砂は、上記アーチブレーカ18により攪拌され、切り出しの段階で比較的大きな土塊が残っていたとしても、その土塊はここで解砕される。また、この汚染土砂には、搬送コンベア5により搬送される際、添加剤供給装置39から鉄粉(又は酸化鉄の粉末)が添加され、次に搬送コンベア5から混合装置7に向かって放出される際、上記酸化還元剤供給装置6から酸化還元剤が供給される。
【0060】
このとき、前述のように硫酸第一鉄と共に供給される水及び希硫酸は、土砂と硫酸第一鉄水溶液との馴染みを良くし、かつ反応を促進させるため、それぞれ水分調整、pH調整(酸性化)のために供給されるものである。
【0061】
また、本実施の形態においては、水、希硫酸、硫酸第一鉄水溶液をそれぞれ供給管27a〜27cから別々に供給する構成としたが、これに限られない。即ち、例えばこれら三者を同一のタンクに予め貯留しておき、攪拌して共用の供給管から混合して供給するようにしても構わない。但し、ホッパ4内の汚染土に予め供給する水に関しては、別途独立した管路を設けるのが好ましく、図7に示すように、希硫酸と硫酸第一鉄のみを混合し、水が別の経路で供給されるようにしても良い。
【0062】
混合装置7へ導入された土砂は、共に導入された鉄粉(又は酸化鉄の粉末)及び酸化還元剤と共に均一に攪拌混合される。これにより、土砂に含まれる六価クロムの三価クロムへの還元反応が始まり、同時に生成された三価クロムが鉄粉(又は酸化鉄の粉末)に吸着されることによる不溶化反応も開始される。そして、酸化還元処理が進行する(厳密には、これに加えて鉄粉又は酸化鉄の粉末による不溶化処理も進行する)汚染土は、処理土砂として混合装置7外に導出され、排出コンベア8により固化処理装置1Bに供給される。
【0063】
酸化還元処理装置1Aから供給された処理土砂は、固化処理装置1Bのホッパ4に受け入れられ、その中でアーチブレーカによって攪拌され、ここで更に酸化還元剤及び鉄粉(又は酸化鉄の粉末)と均一に混合される。ホッパ4内の処理土砂は、搬送コンベア5によりホッパ4外に切り出される。そして、搬送コンベア5の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送中の処理土砂に不溶化材供給装置60により、貯留タンク61内の不溶化材が、フィーダ62を介して供給される。こうして搬送コンベア5上の処理土砂は、共に供給された不溶化材と共に混合装置7内で均一に攪拌混合される。このとき、処理土砂中のまだ溶出する状態にある(つまり不溶化されていない)三価クロムは、不溶化材との反応により不溶化が促され、処理土砂そのものの固化反応もスタートする。
【0064】
そして、混合装置7から導出された改質土砂は、最終的に改質土砂として排出コンベア8を介して機外に排出され、その後の所定期間(例えば5日以内)の間、養生される。なお、厳密には、上記の不溶化材による不溶化及び固化、上記鉄粉(又は酸化鉄の粉末)による不溶化の反応は、この養生期間中にも逐次進行し、これらの反応が安定した状態となって不溶化・安定化処理が完結する。
【0065】
ここで、酸化還元処理装置1A及び固化処理装置1Bにて、土砂に酸化還元材、不溶化材、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加、混合することにより起こる反応の概略を説明する。
酸化還元処理装置1Aでは、汚染された土砂を硫酸第一鉄水溶液と混合し、含有される六価クロムを三価のクロムに還元する。このときの反応は、次式で表される。
2HCrO+6FeSO+6HSO=Cr(SO+3Fe(SO+8HO・・・(1)
また、上式(1)により生じた三価のクロムは、例えば空気中の酸素と反応したり、何らかの要因により処理土砂がアルカリ性になってしまった場合等には、酸化されて再び六価のクロムに戻る場合がある。そこで、上式(1)の反応を経て生成された処理土砂に含まれる三価クロムを、固化処理装置1Bにて、例えば消石灰:Ca(OH)等と反応させることにより不溶化する。このときの反応は、次の通りである。
Cr(SO+3Ca(OH)=2Cr(OH)↓+3CaSO・・・(2)
即ちこの例では、上式(1)により生じた三価のクロムを、不溶化材としての消石灰と反応させることにより、上記反応式(2)に示すように不溶化の状態の水酸化クロム:Cr(OH)として沈殿させる。
【0066】
但し、水酸化クロムであっても、そのまま放置しておくと、反応によっては三価のクロムに戻り、六価のクロムに酸化されてしまう可能性がある。これがいわゆる水処理である場合、上式(2)で生成した沈殿した水酸化クロムを容易に回収できるため、再び三価或いは六価のクロムが生成されることを容易に防止できる。しかし、本実施の形態のように汚染土壌処理の場合、水酸化クロムは実際には処理土砂中に混在した状態であるため、回収は困難である。
【0067】
そこで、固化処理装置1Bでは、上式(2)の反応と共に、この反応を固定化させ、かつ処理土砂に所望の強度を発現させるために、不溶化材の他の成分として、いわゆる高炉セメント等の固化材を先の消石灰に混入して添加する。消石灰は、六価クロムを還元するために、希硫酸で酸化した土砂を中性ないしは弱アルカリ性に戻すために添加する。勿論、上式(2)の反応を促進させるものである。このように高炉セメントを加えて処理土砂を固化することにより、反応を固定化し六価クロムの生成・溶出を抑制している。また、高炉セメントには、それ自体にも還元作用があり、仮に、酸化還元処理装置1Aを経て六価のクロムが還元されずに残っていたとしても、残存する六価クロムを高炉セメントにより三価クロムに還元することができる。なお、不溶化材としての上記消石灰及び高炉セメントは、予め混合したものを供給しても良いし、別々に供給しても良い。また、固化材としては、セメント系固化材に代えて、中性固化材、石膏系固化材、石灰系固化材、複合系固化材、ベントナイト、ゼオライト等を用いても良い。
【0068】
また、本実施の形態においては、酸化還元処理装置1Aの添加材供給装置39により、土砂に鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加する。鉄粉(又は酸化鉄の粉末)は、三価クロムを吸着し易い性質を持つため、六価クロムから還元された三価クロムを吸着し、不溶化の状態とする役割を果たす。即ち、後段の固化処理装置1Bにて三価クロムの不溶化処理を施すが、例えば高濃度の六価クロム汚染土を処理対象とした場合等、後段で不溶化しきれない三価クロムが多く存在する場合も、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)の不溶化作用により三価クロムの不溶化反応が促進される(或いは、後段の不溶化反応の負担が軽くなる)。
【0069】
次に、養生することにより、以上のような反応を経て性状の安定した改質土砂を地盤に埋め戻す。この埋め戻しの際には、前述のように、地盤(地表面)に所定の大きさ及び深さの穴を掘削し、二次遮水シート406、粘土層405、排水層404,403、一次遮水シート402、フィルタ層401により周囲の土壌と隔絶した状態として改質土砂を埋め戻し、所定期間毎(例えば1日毎)に、改質土砂の固化反応が概ね終了するまで、ロードローラ300により何回か転圧して改質土砂中の内在空気を放出し、改質土砂を緻密化する。転圧作業終了後、遮水シート407、覆土408により改質土砂の周囲をほぼ完全に覆い、更にその周囲に開渠409を設ける。これにより、改質土砂は、間隙なく内在空気がほとんど存在しない状態となると共に、周辺の土壌や外気と隔絶され、外部からの空気や水分の出入りが遮断された状態となるように埋め戻される。
【0070】
本実施の形態により得られる作用効果を以下に順次説明する。
(1)六価クロムの再溶出防止−1
本実施の形態においては、ロードローラ300により、埋め戻した改質土砂を転圧することにより、次の作用効果が得られる。即ち、改質土砂を転圧し、土粒子間の間隙を減少させると共に内在空気を放出させることで改質土砂を緻密化し、空気の出入りを遮断することにより、改質土砂中への酸素の侵入を防止することができ、三価クロムが六価クロムに再酸化されることを防止することができる。また、改質土砂中に残存する還元剤(例えば硫酸第一鉄等)の酸化を防止することもできるので、仮に六価クロムが再度生じた場合であっても、硫酸第一鉄により六価クロムを再還元することができる。このように、六価クロムの再溶出を防止することができ、六価クロムに汚染された土壌を確実に処理することができる。
【0071】
(2)六価クロムの再溶出防止−2
本実施の形態においては、一次遮水シート402や二次遮水シート406、遮水シート407等により、モールドした改質土砂を周囲の土壌や外気と隔絶し、周囲から水分や空気が侵入しないようにすることで、改質土砂の土粒子が水分を吸収して膨潤することを防止することができる。これにより、乾燥時に土粒子が収縮して間隙が新たに生じることを防止することができるので、新たな酸素の侵入を防止することができる。従って、上記同様、六価クロムの再溶出を防止することができ、六価クロムに汚染された土壌を確実に処理することができる。また、改質土砂に水分が侵入すると、pH値が高くなり、固化反応の際に土粒子に吸着された六価クロムが存在した場合、この六価クロムの溶出を防止することもできる。また、遮水することにより、残存する硫酸第一鉄の流出も防止することができる。これによっても、六価クロムの再溶出を防止することができる。
【0072】
(3)六価クロムの再溶出防止−3
本実施の形態においては、モールドした改質土砂の上層ほぼ全面を覆土408により覆うことにより、改質土砂への雨水や外気の侵入を更に万全に防止することができる。しかも、覆土408は、周囲に設けた開渠409に向かって下り傾斜となっているため、雨水は覆土408の上部を伝って開渠409に導かれ、これにより改質土砂方向への水分の浸透が生じ難くなっている。従って、上記同様、六価クロムの再溶出を万全に防止することができ、より確実に六価クロムに汚染された土壌を処理することができる。
【0073】
(4)六価クロム汚染土の確実な浄化処理
本実施の形態によれば、六価クロムの不溶化処理の過程で鉄粉(又は鉄の酸化物の粉末)を添加することにより、高濃度の六価クロム汚染土を処理対象とした場合であっても、確実に浄化処理することができる。即ち、六価クロム汚染土の不溶化処理においては、一般的に不溶出の状態にある六価クロムのうちの微量が、何らかの要因により溶出する状態に変化する場合もあるが、通常、これは残存する硫酸第一鉄により還元される。しかし、六価クロムが溶出する状態に変化した時点で、硫酸第一鉄が不足している場合、また硫酸第一鉄の分布によって六価クロムが硫酸第一鉄と接触しない場合もないとは言えない。本実施の形態においては、このような場合でも、鉄粉が添加されているので、不溶出の六価クロムから溶け出した六価クロムが、鉄の還元作用(吸着作用)により不溶化され、不溶化作用を向上させることができる。
【0074】
なお、上記作用効果(4)を得るために、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加したが、本発明の本質は、不溶化処理後の改質土砂に対し、外部からの水分や外気が侵入することを防止することにより、六価クロムの再溶出を防止して確実な不溶化の効果を得ることにある。詳細は図8及び図9を用いて後述するが、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加しなくとも、本実施の形態におけるモールド状態を模擬して六価クロム溶出量を分析した結果、いずれの場合も環境基準を満たす良好な値が得られており、必ずしも鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加する必要はない。
【0075】
また、本実施の形態においては、酸化還元処理装置1Aの添加剤供給装置39により鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加する構成としたが、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)の添加のタイミングはこれに限られない。例えば、固化処理装置1Bの不溶化剤供給装置60により、予め不溶化材に鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を均一に混入しておき、後段の不溶化及び固化の工程で不溶化剤と共に鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加する構成としても良い。勿論、酸化還元処理装置1A及び固化処理装置1Bの両方の工程で、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加する構成としても構わない。
【0076】
更に、以上のように、装置を用いなくても、例えば酸化還元処理装置1Aの排出コンベア8上を搬送される処理土砂に、手作業により鉄粉や酸化鉄の粉末を添加するようにしても構わない。要するに、一連の処理工程の過程(但し、好ましくは固化処理装置1Bの混合装置7よりも前の段階)で、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を添加するようにすれば良い。
【0077】
また、本実施の形態における改質土砂の埋め戻し構造は、主に、改質土砂の空気抜きのための転圧と、遮水シート402,406,407等を始めとした遮水構造と、更に万全に改質土砂への水分や外気の侵入を防止する覆土408とに大別され、これらそれぞれを組合せた状態が図6に示した状態となる。しかし、上記効果(1)乃至(3)に説明したように、これら転圧、遮水構造、覆土は、それぞれに固有の作用を得るものである。従って、不溶化処理を施した改質土砂を単に地中に埋め戻す場合に比べて、転圧、遮水構造、覆土のいずれか1つでも採用することにより、六価クロムの再溶出防止の効果を得ることができる。
【0078】
また、遮水構造について、図6では、遮水シートの他にフィルタ層401や排水層403,404、粘土層405等を設けたが、改質土砂への外部からの水分の侵入を防止する限りにおいては、単に遮水シートで改質土砂を覆う構成としても良い。
【0079】
なお、粘性土には、重金属イオンを吸着する性質があり、粘土層406を設けることにより、仮に一次遮水シート402に破損箇所があり、かつ、万一六価クロムの溶出が起こり、溶出した六価クロムが一次遮水シート402を通過してしまったとしても、粘土層406にて吸着され、更に二次遮水シート406があるために、外部に流出することはない。
【0080】
【実施例】
ここでは、上記したような改質土砂の埋め戻し状態(モールド)を模擬してその効果を検証した結果を説明する。
【0081】
まず、本実施例では、赤土(ローム系)と砂(江戸崎砂)とを50:50の割合で混合したもの1kgに対し、最大1000mgの六価クロム(ニクロム酸ナトリウム)を溶解させた水溶液を加えて攪拌し、1週間以上養生したものを模擬汚染土として使用した。そして、この模擬汚染土に対し、10%硫酸50mLと、水100mLに硫酸第一鉄36gを溶解させた溶液を加え、20秒間攪拌した。続いて、消石灰12gと高炉Bセメント、添加剤を加えて再び20秒間攪拌し、改質土砂を生成した。なお、本実施例における攪拌には、容量約3Lのパン型ミキサを用いた。六価クロムの溶出量は、環境庁告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」に準じ、IPC発光分光光度法(JIS K0102)により分析した。
【0082】
図8に上記分析結果により得られた未処理の模擬汚染土及び不溶化処理直後の模擬汚染土における六価クロム含有量と六価クロム溶出量との関係を示した。この図8に示すように、未処理の模擬汚染土においては、1000mg/kgの割合で六価クロムを混合した場合、六価クロムの溶出量値は40mg/Lであり、六価クロムの含有量が下がるに連れて六価クロム溶出量値も低下する。それに対し、不溶化処理直後の模擬汚染土(改質土砂)においては、1000mg/kgの割合で六価クロムを混合した模擬汚染土であっても、六価クロム溶出量値は、1.5mg/L以下であり、六価クロム含有量が100mg/kg以下の場合の六価クロム溶出量値は環境基準値0.05mg/L以下の値となった。ちなみに、六価クロム含有量が100mg/kgの場合の未処理の模擬汚染土の六価クロム溶出量値は1.6mg/Lであった。
【0083】
次に、不溶化処理直後の改質土砂を有底筒形の容器一杯に詰め、押圧して空気抜きをして上層表面を樹脂フィルム(ポリ塩化ビニリデン)で覆って蓋をした。このように、内在空気を放出させた上で、外部の水分や空気を遮断することにより、先の図6のモールド状態を模擬した。
【0084】
図9に上記のように模擬的にモールド状態にした改質土砂を対象として行った六価クロム溶出量値の分析結果を示した。この図9に示す分析結果は、所定期間モールドした後で、改質土砂を取出して1週間風乾させたものの六価クロム溶出量を調査したものである。この結果のように、六価クロム含有量が500mg/kgの模擬汚染土に上記不溶化処理を行った後、1週間モールドしたものと、3ヶ月間モールドしたものとでは、共に六価クロム溶出量値は環境基準値0.05mg/Lを満たす0.01mg/Lであった。更に、六価クロム含有量が1000mg/kgの模擬汚染土に上記不溶化処理を行った後、1週間モールドしたものと、3ヶ月間モールドしたものとにおいても、それぞれ六価クロム溶出量値は0.04mg/L、0.01mg/Lという良好な値が得られ、いずれも環境基準値値を満たす結果が得られた。これは、モールドすることにより、外部環境からの影響が遮断され、これにより、改質土砂中の六価クロムの還元反応を進行させることができたためであると考えられる。
【0085】
先の図8に示したように、六価クロム含有量が100mg/kg程度の場合には、単に不溶化処理を施すだけで環境基準を満たすことができたが、それ以上六価クロム含有量が増加すると、不溶化処理直後の改質土砂にあっては、環境基準値を満たすまでには至らなかった。それに対し、不溶化処理後の改質土砂をモールドすることにより、六価クロム含有量が1000mg/kg程度の場合であっても、環境基準値を満たすレベルにまで六価クロム溶出量を低下させることができた。
【0086】
なお、以上においては、六価クロム汚染土の不溶化処理を行う(改質土砂を生成する)ものとして、汚染土壌処理機械200を用いたが、必ずしもこれに限られず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々変形可能である。以下に、六価クロム汚染土の不溶化処理を行う装置の変形例を順次例示する。
【0087】
▲1▼自走機能を付与した場合
図10は本発明の汚染土壌処理システムの一変形例における六価クロム汚染土の不溶化処理を行う部分を抽出して表す側面図である。なお、繁雑防止のため、この図10において、上記ポンプユニット28は図示省略してある。この図10に示すように、本実施の形態における不溶化処理を行うシステムは、油圧ショベル100と、自走式酸化還元処理機械200Aと、自走式固化処理機械200Bとで構成されている。
【0088】
油圧ショベル100は、前述のように、図1では図示省略したが、掘削した六価クロム汚染土を自走式酸化還元処理機械200Aに供給する汚染土砂供給手段である。また、この油圧ショベル100は、自走式のもので、無限軌道履帯101を備えた走行装置102と、この走行装置102の上部に旋回可能に設けられた旋回体103と、この旋回体103に回動自在に接続された多関節型の作業装置とを備えている。また、この作業装置103は、旋回体103に基端部が枢支されたブーム104と、このブーム104に回動自在に接続されたアーム105と、このアーム105に回動自在に接続されたバケット106とで構成されている。このような構成により、油圧ショベル100は、汚染された土砂をバケット106内にすくい込んで、自走式酸化還元処理機械200Aに供給するようになっている。
【0089】
上記自走式酸化還元処理機械200Aは、受け入れた汚染土砂に含まれる六価クロムを三価クロムに還元するもの、また、自走式固化処理機械200Bは、自走式酸化還元処理機械200Aからの処理土砂に含まれる三価クロムを不溶化すると共に、処理土砂に固化処理を施すものである。これら自走式酸化還元処理機械200A及び自走式固化処理機械200Bの主要な構成は、それぞれ前述の酸化還元処理装置1A及び固化処理装置1Bと同様であり、図10において、それぞれ先の酸化還元処理装置1A、固化処理装置1B(共に図1参照)と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0090】
自走式酸化還元処理機械200A及び自走式固化処理機械200Bは、換言すると、それぞれ上記酸化還元処理装置1A及び固化処理装置1Bの本体フレーム10下部に走行装置45を備えたものである。この走行装置45は、本体フレーム10の下部に連設したトラックフレーム46と、このトラックフレーム46の両端に設けた従動輪(アイドラ)47及び駆動輪48と、これら従動輪47及び駆動輪48に掛け回した無限軌道履帯49と、駆動輪48に直結した駆動装置50とで構成されている。これにより、自走式酸化還元処理機械200A及び自走式固化処理機械200Bは、それぞれ上記酸化還元処理装置1A及び固化処理装置1Bと同様の機能を有すると共に、自力走行を可能としている。
【0091】
本変形例によっても、改質土砂を上記のようにモールドすることにより、上記同様の効果が得られると共に、付随的効果として、油圧ショベル100、自走式酸化還元処理機械200A、自走式固化処理機械200Bは、それぞれトレーラ等の輸送手段への積み下ろしや、現場内での移動を自力で行うことができ、作業現場への搬入・搬出や現場内での移動をより容易かつ迅速に行うことができるというメリットが得られる。
【0092】
また、現場によっては最終的な改質土砂の集積場所に制限がある場合もあり、集積場所に集積した改質土砂を運搬するまで、処理作業を中断せざるを得ない場合もある。それに対し、本変形例では、それぞれ自走能力を持つ各機械で汚染土壌処理システムを構成することで、順次作業位置を移動しつつ処理作業を継続することができ、連続的な処理作業を行うことができる。これにより、高い生産性を確保することができるといったメリットもある。
【0093】
なお、本変形例において、自走式酸化還元処理機械200Aに汚染土砂を供給する手段として、油圧ショベル100を用いたが、例えばベルトコンベア、スクリューコンベア等としても構わない。この場合、ホッパ等の貯留手段を備え、所定量の汚染土砂を貯留し、この汚染土砂を連続的に搬送することができる構成とするのが好ましい。また、図10においては、自走式酸化還元処理機械200Aから自走式固化処理機械200Bに直接処理土砂を供給するために、油圧ショベル100及び自走式酸化還元処理機械200Aを盛り土の上に配置している。即ち、自走式固化処理機械200Bを自走式酸化還元処理機械200Aに対して一段低く配置しているが、同じクランドレベルに汚染土壌処理システムを設置したい場合、例えば、自走式酸化還元処理機械200Aよりも1サイズ小型の自走式固化処理機械200Bを配置すれば良い。
【0094】
▲2▼処理土砂の混合性能を向上させる場合
図11は、本発明の汚染土壌処理システムの他の変形例における六価クロム汚染土の不溶化処理を行う部分を抽出して表す側面図である。この図11においても、繁雑防止のため上記ポンプユニット28は図示省略すると共に、先の図10と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。この図11において、250は処理土砂供給装置である。この処理土砂供給装置250は、自走式酸化還元処理機械200Aから処理土砂を受け入れ一時貯留する貯留容器としてのホッパ251と、このホッパ251内の処理土砂を自走式固化処理機械200Bに供給する供給手段としてのコンベア252とを有している。ホッパ251は、アーチブレーカ253を備えている。254はコンベア252を支持する支持部材で、本実施の形態においては、この処理土砂供給装置250は定置式の設備であるが、この支持部材254に代えてコンベア252の下部を車体(走行装置)で支持した公知の自走式コンベアに、アーチブレーカ253付きのホッパ251を備えたものとしても良い。
【0095】
本実施の形態は、この処理土砂供給装置250を自走式酸化還元処理機械200A及び自走式固化処理機械200Bの間に新たに配置した点以外は、図10に示した汚染土壌処理システムと同様である。
【0096】
本変形例においても、改質土砂を上記のようにモールドすることにより、上記同様の効果を得ることができると共に、処理土砂供給装置250の追加により、自走式酸化還元処理機械200Aからの処理土砂を更に攪拌し、土砂を酸化還元剤や鉄粉(酸化鉄の粉末)とより均一に混合することができ、不溶化反応を更に促すことができる。また、これに加えて、自走式酸化還元処理機械200Aから自走式固化処理機械200Bまでの処理土砂の移動時間を確保することができる。即ち、酸化還元された処理土砂を一旦ホッパ251に貯留してその滞留時間を確保することで、反応を促進又は確保してから自走式固化処理機械200Bに供給し、不溶化処理及び固化処理を行うことができる。
【0097】
但し、本変形例においては、混合性能向上及び滞留時間確保を目的として、処理土砂供給装置250を追設したものであって、各機械の自走機能は必ずしも必要ない。また、本変形例において、上記コンベア252はベルトコンベアとしたが、スクリューコンベア等で構成しても構わない。また、処理土砂供給装置250をホッパ251付きのコンベア装置としなくても、単なる貯留容器(例えばホッパ251を単独で設置しても良い)を自走式酸化還元処理機械200A及び自走式固化処理機械200Bの間に設け、自走式固化処理機械200Bへの処理土砂の供給手段として、油圧ショベル(油圧ショベル100で兼用しても別途用意しても構わない)を配置しても良い。
【0098】
また、本実施の形態において、処理土砂供給装置250は、ホッパ251にアーチブレーカ253を備えるものとしたが、滞留時間を確保する限りにおいては、ホッパ251には必ずしもアーチブレーカ253は必要ない。また、このように滞留時間を確保する場合、混合装置7の作動状態を調整することにより、滞留時間を確保することも考えられる。例えば、単に混合装置7のパドルミキサの駆動速度を遅くすることも考えられるし、パドルミキサを適宜正転・逆転させ、適宜処理土砂を逆送りすることにより、混合装置7内で滞留時間を確保することもできる。更に、パドルミキサに多数設けられたパドルのうち、適当数のものを、処理土砂が逆送りされるよう傾斜させて取付けたり、混合装置7の出口付近に堰を設ける、或いは出口開口面積を小さくする等、混合装置7を適宜構成しても良い。また、処理量が比較的少ない現場にあっては、連続処理を行わず、バッチ式で処理し、適宜養生したり、混合装置7の図示しない出口を閉止して更に十分に攪拌混合することもできる。これらの場合も同様の効果を得る。
【0099】
更には、上記自走式酸化還元処理機械200Aは、構成上、酸化還元処理のみならず不溶化処理及び固化処理を行うことも可能である。逆に、自走式固化処理機械200Bが酸化還元処理を行うことも可能である。従って、自走式酸化還元処理機械200A又は自走式固化処理機械200B単体で、以上説明してきた一連の処理を行うことも可能である。
【0100】
自走式酸化還元処理機械200Aを用いて一連の酸化還元、不溶化及び固化処理を行う場合、まず、バッチ式に所定量の汚染土砂を酸化還元処理して処理土砂を生成し所定の場所に集積する。次に、集積した処理土砂を再びこの自走式酸化還元処理機械200Aに投入し、今度は酸化還元剤供給装置6を用いず、酸化還元処理では不溶化材の添加に使用しなかった添加材供給装置39により処理土砂に不溶化材を供給し、これらを混合して排出する。なお、鉄粉(又は酸化鉄の粉末)の添加のタイミング、方法は特に限定されるものではないが、例えば不溶化材に混入しておき、不溶化材と共に添加すると簡単である。逆に、自走式固化処理機械200B単体で一連の処理を行う場合は、まず酸化還元剤供給装置6を取付け、ポンプユニット28と接続する。後は同じ要領でバッチ式に汚染土砂を酸化還元処理し、次に不溶化処理及び固化処理する。
【0101】
▲3▼逐次反応を利用する場合
以上説明してきた実施の形態及び各変形例においては、基本的には、前段の酸化還元工程と、後段の不溶化及び固化工程とに分けて一連の処理を行う構成とした。特に、前段の六価クロムの還元工程においては、酸化還元剤として硫酸第一鉄水溶液及び水に加えて希硫酸を供給し、pH調整(この場合、酸性化)することにより三価クロムへの還元反応が速やかに起こるようにした。ところが、本願発明者等の知見により、酸性化の役割を果たす硫酸を加えず、単に水と硫酸第一鉄水溶液とを酸化還元剤として加えれば、逐次反応により、六価クロムから三価クロムへの還元反応と、三価クロムの不溶化反応とが連続して起こることが明らかとなった。その結果、本願発明者等は、酸性化を省略し、一連の汚染土壌処理を、酸化還元し不溶化する(厳密には酸化還元剤との混合により酸化還元及び不溶化反応を開始させる)前段工程と、処理土砂を固化して土砂の強度を発現させる後段工程とで構成することに想達した。以下、このような一連の処理を行う実施の形態を図12を用いて説明する。
【0102】
図12は、本発明の汚染土壌処理システムの更に他の変形例における六価クロム汚染土の不溶化処理を行う部分を抽出して表す側面図である。但し、この図12において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。この図12に示した汚染土壌処理機械200’において、51Aは受け入れた汚染土に含有される六価クロムを三価クロムに還元し、この三価クロムを不溶化する酸化還元処理装置である。51Bはこの酸化還元処理装置51Aからの処理土砂に固化処理を施して排出する固化処理装置である。これら酸化還元処理装置51A及び固化処理装置51Bの構成は、それぞれ図1に示した酸化還元処理装置1A、固化処理装置1Bとほぼ同様である。
【0103】
酸化還元処理装置51Aにおいては、六価クロム汚染土に対して、酸化還元剤として、硫酸第一鉄の水溶液及び水を加え、混合装置7で混合する。このとき、酸化還元剤の供給は、前述の酸化還元剤供給装置6を用い、上記ポンプユニット28の貯留タンク29a,29c内の水及び硫酸第一鉄をそれぞれ供給管27a,27cを介して供給するようにすれば良い。また、二液混合で供給しても構わない。また、本変形例においては、上記供給管27b及びポンプユニット28の希硫酸の貯留タンク29bは省略しても構わない。更に必要に応じて、添加剤供給装置39により鉄粉(又は酸化鉄の粉末)を供給しても良い。
【0104】
固化処理工程では、固化処理装置51Bにより、酸化還元処理工程で酸化還元され不溶化処理された処理土砂に、固化材(例えば、高炉セメント等のセメント系固化材、中性固化材、石膏系固化材、消石灰等の石灰系固化材、複合系固化材、ベントナイト、ゼオライト等)を混合し、所定の強度を発現させるようになっている。52は固化材を処理土砂に供給する固化材供給装置である。この固化材供給装置52は、添加材供給装置39や不溶化材供給装置60(図1参照)と同様の構成で、その貯留タンク53内に貯留した固化材をフィーダ54を介して処理土砂に定量づつ供給するようになっている。
【0105】
本変形例において、例えば油圧ショベル等で掘削した汚染土砂を、酸化還元処理装置51Aの篩装置3に投入すると、上記同様、格子15の目よりも小さいものがホッパ4へ導入され、アーチブレーカ18により、前述の加水管路32aaから供給された水と均一に馴染まされ、搬送コンベア5により混合装置7に供給される。このとき、添加材供給装置39及び酸化還元剤供給装置6により、それぞれ鉄粉(又は酸化鉄の粉末)と、酸化還元剤(硫酸第一鉄水溶液及び水)とが供給される。六価クロム汚染土砂は、混合装置7内で鉄粉(又は酸化鉄の粉末)と酸化還元剤と共に均一に攪拌混合され、排出コンベア8により処理土砂として固化処理装置51Bに供給される。
【0106】
固化処理装置51Bのホッパ4に受け入れられた処理土砂は、その中でアーチブレーカによって攪拌され、ここで更に鉄粉(又は酸化鉄の粉末)及び酸化還元剤と馴染み、搬送コンベア5上に載置される。そして、搬送コンベア5の搬送方向下流側端部近傍にて、搬送中に固化材供給装置52から供給された固化材と共に、混合装置7内で均一に攪拌混合され、最終的に排出コンベア8を介して機外に排出され、所定期間(例えば数日)養生される。
【0107】
本変形例において、酸化還元処理装置51Aによる酸化還元及び不溶化の前段工程では、下記のように、Fe2+と反応し六価クロムが三価クロムに還元され、更にOHとの反応により、生じた三価クロムが不溶化されていく。
Cr →Cr3+→Cr(OH)
この反応は、土砂が酸化還元剤と混合された時点から始まり、その後もゆっくりと進行していく。そして、処理後所定期間の後、酸化還元、不溶化、固化といった一連の逐次反応が概ね確定した時点では、六価クロムの溶出量を大きく抑制することができる。
【0108】
本変形例においても、改質土砂を上記のようにモールドすることにより、上記同様の効果を得ることができると共に、酸性化を行わず(前述の一実施の形態で言えば希硫酸を加えて酸性化せず)、酸化還元、不溶化の逐次反応により土砂の浄化を行うものであるため、前述の一実施の形態や各変形例に比べて反応速度は遅いが、中性のまま酸化還元、不溶化、固化といった一連の処理を行う分、工程が簡略で、加える添加剤も少ないといったメリットもある。
【0109】
また、本変形例のように、酸性化を行わず一連の浄化処理を行う概念は、先の図10及び図11の両汚染土壌処理システムにも適用可能である。即ち、これら両システムにおける上記自走式酸化還元処理機械200Aにて酸化還元処理から不溶化処理までを行い、自走式固化処理機械200Bにて固化処理を行うことができることは言うまでもない。
【0110】
なお、以上説明してきた各実施の形態において、前述の走行装置45,102は、無限軌道履帯49,101を備えたいわゆるクローラ式のものとしたが、これに限られる必要はなく、いわゆるホイール式の走行装置としても良い。また、酸化還元処理装置1A,51A、自走式酸化還元処理機械200A等は、篩装置3、あおり17を備えるものとしたが必ずしも必要ではない。逆に、固化処理装置1B、固化処理装置51B、自走式固化処理機械200B等に篩装置3やあおり17を設けても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0111】
また、混合装置7は、パドル式のものとしたが、これに限らず、例えばスクリューにより混合するものや、回転打撃子を備えたいわゆる解砕方式のもの等、他の構成の混合装置を適用しても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、埋め戻した改質土砂を転圧し、改質土砂中の内在空気を放出させ除去することにより、改質土砂中への酸素の侵入を防止することができる。また、埋め戻された改質土砂に周囲から水分が侵入しないようにすることで、改質土砂の土粒子が水分を吸収して膨潤することを防止することができ、乾燥時に土粒子が収縮して間隙が新たに生じることを防止することができるので、酸素の侵入を防止することができる。これにより、三価クロムの酸化を防止して六価クロムが再溶出することを確実に防止することができる。更に、改質土砂中に残存する還元剤の酸化を防止することもできるので、仮に六価クロムが再度生じた場合であっても、還元剤により六価クロムを再還元することができる。従って、六価クロム汚染土を確実に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態を構成する汚染土壌処理機械に備えられた篩装置及びホッパ近傍の詳細構造を表す側面図である。
【図3】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態を構成する汚染土壌処理機械に備えられた搬送コンベアの下流側近傍の詳細構造を表す図である。
【図4】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態において、改質土砂生成に係わる一連工程を行う部分を抽出して表す図である。
【図5】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態を構成する汚染土壌処理機械に備えられた供給管の構造を表す図である。
【図6】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態における改質土砂の埋め戻し構造の一例を模式的に表した図である。
【図7】本発明の汚染土壌処理システムの一実施の形態において、改質土砂生成に係わる一連工程を行う部分の他の例を抽出して表す図である。
【図8】未処理の模擬汚染土及び不溶化処理直後の模擬汚染土における六価クロム含有量と六価クロム溶出量との関係を表すグラフである。
【図9】模擬的にモールド状態にした改質土砂を対象として行った六価クロム溶出量値の分析結果を表す表である。
【図10】本発明の汚染土壌処理システムの一変形例における六価クロム汚染土の不溶化処理を行う部分を抽出して表す側面図である。
【図11】本発明の汚染土壌処理システムの他の変形例における六価クロム汚染土の不溶化処理を行う部分を抽出して表す側面図である。
【図12】本発明の汚染土壌処理システムの更に他の変形例における六価クロム汚染土の不溶化処理を行う部分を抽出して表す側面図である。
【符号の説明】
1A   酸化還元処理装置
1B   固化処理装置
51A  酸化還元処理装置
51B  固化処理装置
200A 自走式酸化還元処理機械(酸化還元処理装置)
200B 自走式固化処理機械(固化処理装置)
300  ロードローラ(内在空気除去手段)
401  フィルタ層(遮水手段、包囲手段)
402  一次遮水シート(遮水手段、包囲手段)
403  排水層(遮水手段、包囲手段)
404  排水層(遮水手段、包囲手段)
405  粘土層(遮水手段、包囲手段)
406  二次遮水シート
407  遮水シート(遮水手段)
408  覆土(遮水手段)

Claims (14)

  1. 六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して得た改質土砂を地盤に埋め戻す汚染土壌処理システムにおいて、
    埋め戻された前記改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させる内在空気除去手段を備えたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  2. 六価クロムに汚染された土砂を受け入れ、前記六価クロムを三価クロムに還元するか、又は前記六価クロムを三価クロムに還元すると共に還元した三価クロムを不溶化する酸化還元処理装置と、
    この酸化還元処理装置からの処理土砂を受け入れ、前記三価クロムを不溶化すると共に前記処理土砂を固化するか、又は前記処理土砂を固化する固化処理装置と、
    この固化処理装置から排出され地盤に埋め戻された改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させる内在空気除去手段と
    を備えたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  3. 六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して得た改質土砂を地盤に埋め戻す汚染土壌処理システムにおいて、
    埋め戻された前記改質土砂への水分の侵入を防止する遮水手段を備えたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  4. 六価クロムに汚染された土砂を受け入れ、前記六価クロムを三価クロムに還元するか、又は前記六価クロムを三価クロムに還元すると共に還元した三価クロムを不溶化する酸化還元処理装置と、
    この酸化還元処理装置からの処理土砂を受け入れ、前記三価クロムを不溶化すると共に前記処理土砂を固化するか、又は前記処理土砂を固化する固化処理装置と、
    この固化処理装置から排出され地盤に埋め戻された改質土砂への水分の侵入を防止する遮水手段と
    を備えたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  5. 請求項1又は2記載の汚染土壌処理システムにおいて、前記固化処理装置から排出され地盤に埋め戻された前記改質土砂への水分の侵入を防止する遮水手段を更に備えたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項記載の汚染土壌処理システムにおいて、前記遮水手段として、耐水性又は撥水性を有する材質で形成され、前記埋め戻された改質土砂と周囲の土壌とを隔絶する包囲手段を備えることを特徴とする汚染土壌処理システム。
  7. 請求項3乃至6のいずれか1項記載の汚染土壌処理システムにおいて、前記遮水手段として、前記埋め戻された改質土砂の上部ほぼ全面を覆う覆土を設けたことを特徴とする汚染土壌処理システム。
  8. 六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して得た改質土砂を地盤に埋め戻した後、
    埋め戻した前記改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させることを特徴とする汚染土壌処理方法。
  9. 六価クロムに汚染された土砂に対し、前記六価クロムの三価クロムへの還元処理、又は前記六価クロムの三価クロムへの還元処理及び三価クロムの不溶化処理を施して処理土砂を生成し、
    この処理土砂に対し、前記三価クロムの不溶化処理及び固化処理、又は固化処理を施して改質土砂を生成して養生した後、
    この養生した改質土砂を地盤に埋め戻し、
    埋め戻した前記改質土砂を転圧し、前記改質土砂に含まれる内在空気を放出させることを特徴とする汚染土壌処理方法。
  10. 六価クロムに汚染された土砂に対し、化学的な還元不溶化処理を施して改質土砂を生成した後、
    この生成した改質土砂を地盤に埋め戻すと共に、埋め戻した改質土砂への水分の侵入を防止する遮水処理を施すことを特徴とする汚染土壌処理方法。
  11. 六価クロムに汚染された土砂に対し、前記六価クロムの三価クロムへの還元処理、又は前記六価クロムの三価クロムへの還元処理及び三価クロムの不溶化処理を施して処理土砂を生成し、
    この処理土砂に対し、前記三価クロムの不溶化処理及び固化処理、又は固化処理を施して改質土砂を生成して養生した後、
    この養生した改質土砂を地盤に埋め戻すと共に、埋め戻した改質土砂への水分の侵入を防止する遮水処理を施すことを特徴とする汚染土壌処理方法。
  12. 請求項8又は9記載の汚染土壌処理方法において、前記埋め戻した改質土砂への水分の侵入を防止する遮水処理を施すことを特徴とする汚染土壌処理方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項記載の汚染土壌処理方法において、前記遮水処理として、耐水性又は撥水性を有する材質で形成された包囲手段で、前記埋め戻した改質土砂と周囲の土壌とを隔絶することを特徴とする汚染土壌処理方法。
  14. 請求項10乃至13のいずれか1項記載の汚染土壌処理方法において、前記遮水処理として、前記埋め戻した改質土砂の上部ほぼ全面を覆土で覆うことを特徴とする汚染土壌処理方法。
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