JP3993776B2 - 汚染土壌の固化処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木建築の分野において汚染土壌に含まれている汚染物質を固化して封じ込める目的に用いられる汚染土壌の固化処理方法に関する。
【従来の技術】
従来、汚染土壌に含まれている六価クロム、水銀、鉛、カドミウムなどの有害重金属等を固化して封じ込め無害化する技術的手段として、種々の方法が提案されている。
【0002】
例えば、汚染土壌を掘削しそのまま廃棄し新しい汚染されていない土壌と置換する方法や、汚染土壌に何らかの添加物を加えて、例えば、六価クロムで汚染された汚染土壌に還元剤として硫酸第一鉄を添加して混合することにより三価クロムに還元して無害化する方法がある。
【0003】
しかしながら、汚染土壌を掘削して廃棄する方法では、それを収容する容器や廃棄場所を確保することが不可欠となり、また、そこから汚染物質が漏出しないよう保管するのも容易ではない。
【0004】
また、汚染土壌に何らかの添加物を加える方法では、汚染物質の種類により最適な還元剤が必要となり、そのため還元剤の選択が必要となるが、そのような還元剤の選択には、通常多大な手間及び費用を要する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、このような課題を解消する技術的手段として、セメントや石膏等によって汚染土壌に含まれる汚染物質を固化して溶出しないよう封じ込める方法がある。
【0006】
しかしながら、このような汚染土壌の固化処理方法では、セメントにより固化して封じ込めた場合にあっては、中性化の進行により、固化処理土が劣化してぼろぼろとなり、汚染物質の封じ込め状態を維持できなくなってしまう。
【0007】
また、石膏により固化して封じ込めた場合にあっては、石膏の本来的な性質である親水性により、地下水や浸入水に触れた固化処理土から封じ込めていた汚染物質が再溶出する事態を招いてしまう。
【0008】
さらに、有害物質の中には、アルカリ領域で溶出するものもある。
【0009】
また、セメントにより固化して封じ込める方法では、固化させるためにはpHを11以上にする必要があり、高アルカリによる二次汚染を発生させる虞が大きいことや、十分な強度が得られるまでに概ね一週間以上が必要となり、処理期間が長期に亘ることなどの欠点もある。
【0010】
そこで、本発明の課題は、植生土壌等としての転用も可能な固化処理土が得られるように、高アルカリによる二次汚染の防止並びに固化処理土の劣化及び再溶出の防止がともに可能となるような固化材及び汚染土壌の固化処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、汚染土壌の固化処理方法に係るものである。
【0012】
本発明に係る汚染土壌の固化処理方法は、固化材を用いて汚染土壌に含まれる汚染物質を処理する汚染土壌の固化処理方法である。
【0013】
これは、以下の各工程を含む方法として構成されている。
【0014】
すなわち、汚染土壌と吸着材とを機械的に撹拌混合してなる吸着処理土において、該吸着材に該汚染物質を吸着させる汚染物質吸着工程。
【0015】
そして、吸着処理土と固化材とを機械的に撹拌混合してなる固化処理土において、吸着材に吸着させた汚染物質を固化して不溶化させる汚染物質固化工程である。
【0016】
本発明に係る汚染土壌の固化処理方法に使用する固化材のうち一方の固化材は、汚染物質を固化して不溶化させるために用いられるものである。
【0017】
そして、この固化材は、1重量部の焼石膏及び0.9重量部乃至1.8重量部の高炉スラグを粉砕した石膏スラグ混合物と、吸着材と、水と、を混練してなるものとして構成されている。
さらに、この吸着材は、ゼオライト、グラファイト、酸化鉄、活性炭その他のキレート剤のうち一又は複数からなるものとして構成されている。
【0018】
このような本発明に係る汚染土壌の固化処理方法によれば、汚染土壌と外部からの刺激により潜在水硬性を発揮する高炉スラグ及び刺激材としての焼石膏を含む固化材とを機械的に撹拌混合して汚染物質を固化して不溶化させる汚染物質固化工程を含むものとして構成されているので、高アルカリによる二次汚染の防止並びに固化処理土の劣化及び再溶出の防止がともに可能となる。
【0019】
したがって、これによれば、植生土壌等としての転用も可能な固化処理土が得られることが可能となる。
【0020】
また、本発明に係る汚染土壌の固化処理方法に係る固化材によれば、外部からの刺激により潜在水硬性を発揮する高炉スラグ及び刺激材としての焼石膏を含むものとして構成されているので、高アルカリによる二次汚染の防止並びに固化処理土の劣化及び再溶出の防止がともに可能となる。
【0021】
したがって、本発明によれば、植生土壌等としての転用も可能な固化処理土が得られることが可能となる。
【0022】
また、前記固化材は、ゼオライト、グラファイト、酸化鉄その他のキレート剤のうち一又は複数からなる吸着材を含むため、土壌中の水分を吸着材に吸着させることにより、固化材添加に伴い生じる体積増加を可及的に低減させることが可能となる。
【0023】
本発明に係る汚染土壌の固化処理方法に使用する固化材のうち他方の固化材は、汚染物質を固化して不溶化させるために用いられるものである。
【0024】
そして、この固化材は、1重量部の焼石膏及び0.9重量部乃至1.8重量部の高炉スラグを粉砕した石膏スラグ混合物と、吸着材と、0.1重量部乃至0.4重量部のフライアッシュと、水と、を混練してなるものとして構成されている。
【0025】
このような本発明に係る汚染土壌の固化処理方法に使用する固化材のうち他方の固化材によれば、前記した一方の固化材に加えて、さらに強度付与に十分な量の助材としてのフライアッシュを含むものとして構成されているので、本発明に係る汚染土壌の固化処理方法に使用する固化材のうち一方の固化材による効果と同様な効果が得られるのみならず、強度増加に伴い汚染物質を不溶化させるために必要となる固化材添加量の大幅な節減効果が得られることとなる。
【0026】
したがって、これによっても、植生土壌等としての転用も可能な固化処理土が得られることが可能となる。
【0027】
このような本発明に係る汚染土壌の固化処理方法に使用する固化材において、固化材が極めて短時間で固化する事態を排除することとして、固化処理土を容易かつ確実に造成しようとする観点からすれば、遅延剤を含むことが好ましい。
【0028】
このような発明に係る汚染土壌の固化処理方法において、固化処理土を強制的に中性化させることとして、固化処理土の植生土壌への転用を確実に達成しようとする観点からすれば、固化処理土を地中に放置することにより中性化させる処理土中性化工程を含む方法として構成されていることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
なお、本実施の形態においては、固化材として焼石膏及び高炉スラグを粉砕した石膏スラグ混合物と水とを混練してなるものを用いる場合について説明するが、これに限られるものではなく、そのような石膏スラグ混合物及びフライアッシュと水とを混練してなるものを用いる場合でも、以下の説明が妥当する。ただし、後者の場合では、前者の場合と異なり、高アルカリによる二次汚染の防止並びに固化処理土の劣化及び再溶出の防止効果が得られるのみならず、強度増加に伴い汚染物質を不溶化させるために必要となる固化材添加量の大幅な節減効果をも得られることとなる。
【0031】
図1は本発明の一実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法が適用された汚染土壌の固化処理装置1の全体構成を示す側面図である。
【0032】
[汚染土壌の固化処理装置1]
本実施の形態において、汚染土壌の固化処理装置は、同図に示すように、粉体噴射撹拌混合機11と、吸着材用サイロ12と、吸着材供給機13と、吸着材用空気圧縮機14と、固化材用サイロ15と、固化材供給機16と、固化材用空気圧縮機17と、発動発電機18と、計測室19と、を含むものとして構成されている。
【0033】
なお、ここでは、地下の比較的深部までの汚染土壌を固化封じ込める場合について説明するが、これに限られるものではなく、地上付近の汚染土壌をバックホウなどの掘削機により掘削撹拌しつつ吸着材や固化材を混合して汚染土壌を固化封じ込める場合でも、以下の説明が妥当する。
【0034】
ここで、粉体噴射撹拌混合機11は、同図に示すように、DJMで用いられるものと同様の機械であり、ベースマシン11a、スイベルジョイント11b、撹拌装置11c、撹拌軸11d及び撹拌ビット11eを含み、汚染土壌及び吸着材の機械的な撹拌混合を行うとともに吸着処理土21及び固化材の機械的な撹拌混合を行う役割を果たす。また、吸着材用サイロ12は、吸着材の材料を現場で一時的に貯える役割を果たす。さらに、吸着材供給機13は、吸着材用サイロ12からの吸着材の材料を適宜配合して供給する役割を果たす。さらにまた、吸着材用空気圧縮機14は、吸着材用サイロ12からの吸着材の材料を配管を通じて吸着材供給機13まで並びに吸着材供給機13からの吸着材を配管及び撹拌軸11dを通じて撹拌ビット11eまで圧縮空気により圧送する役割を果たす。また、固化材用サイロ15は、固化材の材料を現場で一時的に貯える役割を果たす。さらに、固化材供給機16は、固化材用空気圧縮機17は、固化材用サイロ15からの固化材の材料を適宜配合して供給する役割を果たす。さらにまた、固化材用空気圧縮機17は、固化材用サイロ15からの固化材の材料を配管を通じて固化材供給機16まで並びに固化材供給機16からの固化材を配管及び撹拌軸11dを通じて撹拌ビット11eまで圧縮空気により圧送する役割を果たす。また、発動発電機18は、粉体噴射撹拌混合機11、吸着材供給機13及び固化材供給機16等に電力を供給する役割を果たす。さらに、計測室19は、吸着材の材料及び固化材の材料の配合量を計測する役割を果たす。
【0035】
本実施の形態における吸着材としては、多孔質粉体材料からなるものとして構成されている。
【0036】
この多孔質粉体材料としては、陽イオン交換容量(CEC)と吸水性とを発揮する多孔質材であり、アルミナケイ酸塩鉱物のゼオライトなどを適宜選定して用いることができる。ゼオライトはその孔隙に富む構造の示す吸着性から、脱臭剤、脱水乾燥剤などとして利用されており、また、CECは高い値(160〜180meq/100g)を示し、土壌のイオン交換容量を増し肥保吸着効果を高めるなど土壌改良剤として使われている。さらに、多孔質粉体材料は、ドライで混合することが土壌の吸水反応には有効であるが、体積増加などが懸念されない場合には、スラリー添加も可能である。このような多孔質粉体材料としては、例えば炭素系吸着材としてのグラファイトなどを用いることができる。
【0037】
また、酸化鉄を用いることにより、例えば六価クロムを三価クロムの安定状態にし、それを中性領域で固化させることで、より安定性を確保する。
【0038】
また、固化材は、汚染物質を固化して不溶化させる目的に用いられるものである。
【0039】
ここで、この固化材は、1重量部の焼石膏及び0.9重量部乃至1.8重量部の高炉スラグを粉砕した石膏スラグ混合物と水とを混練してなるものとして構成されている。
【0040】
石膏は親水性を示すことから高炉水砕スラグを用いることにより石膏による微細なエトリンガイト結晶(石膏の水和反応で析出する水和物型化合物の鉱物名)で固化体には緻密な皮膜が作られ不溶化を図れる。
【0041】
石膏と高炉水砕スラグの硬化ペーストの浸水試験の結果、一方では、石膏が1重量部に対して、高炉水砕スラグ0.9重量部未満の配合となると、不水溶化が不完全となる。他方では、石膏が1重量部に対して、高炉水砕スラグ1.8重量部を超える配合となると、不水溶化が不完全となることはないが、固化強度が低下する。
【0042】
ここで、石膏と高炉水砕スラグの化学反応する時点で、多少の硫黄臭を伴うことから、これを回避する観点から、吸着材として、微粉末の多孔質材を混入させることが好ましい。
【0043】
そして、このような固化材は、さらに遅延剤を含むものとして構成されている。
【0044】
つまり、これによれば、固化処理土22を容易かつ確実に造成することが可能となっており、その結果、固化材が極めて短時間で固化する事態が排除されることとなる。
【0045】
具体的には、石膏の強度並びに硬化時間は、水と石膏の重量比で異なり、実用的な範囲においては概ね10分間〜60分間であるが、遅延剤としての有機物(グルタミン酸等)を混入させることで、概ね最長80時間までの硬化時間の制御が可能となる。
【0046】
このような固化材によれば、外部からの刺激により潜在水硬性を発揮する高炉スラグ及び刺激材としての焼石膏を含むものとして構成されているので、高アルカリによる二次汚染の防止並びに固化処理土22の劣化及び再溶出の防止がともに可能となっている。
【0047】
したがって、これによれば、汚染土壌が砂質土の場合には、擁壁、橋台、トンネル覆工背面の空隙部への裏込め充填材及びスラリー化して送電線周りの埋戻し材としての再利用が可能であり、汚染土壌が泥土の場合では、田畑の嵩上げ用、植生土壌への転用が可能となっている。
【0048】
[汚染土壌の固化処理方法]
図2は本発明の一実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法の概略構成を説明するフローチャート、図3は該汚染土壌の固化処理方法における汚染物質吸着工程を説明する側面図、図4は該汚染土壌の固化処理方法における汚染物質固化工程を説明する側面図である。
【0049】
本実施の形態において、汚染土壌の固化処理方法は、上記したような固化材を用いて汚染土壌に含まれる汚染物質を処理するものであり、図2にフローチャートとして示すように、汚染物質吸着工程〜処理土中性化工程までの各工程により構成されている。以下、図2〜図4を用いて、図1を参照にしながら、各工程について説明する。
【0050】
(1)汚染物質吸着工程
これは、汚染土壌と吸着材とを機械的に撹拌混合してなる吸着処理土21において、該吸着材に該汚染物質を吸着させる汚染物質吸着工程である。
【0051】
具体的には、土壌に陽イオン交換容量と吸水性を発揮するゼオライトなど多孔質粉体材料からなる吸着材を地上にて混合して吸着材用サイロ12に必要量ストックし、粉体噴射撹拌混合機11械により、地盤中に粉流体としての吸着材を吸着材用サイロ12から供給し、強制的に原位置土と撹拌混合することにより、土壌の汚染物質を吸着材に吸着させる。
【0052】
なお、多孔質粉体材料からなる吸着材としては、ゼオライトのみからなるものに限られるものではなく、ゼオライト、グラファイト、酸化鉄、活性炭その他のキレート剤のうち一又は複数からなるものであれば、土壌中の水分を吸着材に十分に吸着させることが可能となっており、固化材添加に伴い生じる体積増加を可及的に低減させることが可能となる。
【0053】
吸着材は、吸着材用空気圧縮機14からの圧縮空気流を用いて搬送され、撹拌ビット11eのつけ根部から撹拌ビット11eの回転によって生じる空隙部に吐出される。吐出された吸着材は、撹拌ビット11eの回転に伴って回転軌跡の全面に、均等散布され、さらに原位置土と撹拌混合されることになる。吸着材から分離した空気は撹拌軸11dに沿って撹拌軸11dと土の間隙から地表に放出される。
【0054】
汚染土壌と撹拌混合された吸着材は、直後の短時間で吸水が完了し、その後汚染物質の吸着が行われる。土壌中の水分は、重量比で多孔質材の20%程度が、吸着材に取り込まれる。これにより、汚染物質固化工程で固化材を添加した場合における体積増加量の低減を図ることが可能となっている。
【0055】
つまり、このような汚染物質吸着工程によれば、固化土壌の体積の増加がないので地中で対象土壌の全域を原位置のままで固化処理することができ、余剰土壌の地表排土が発生しないので、残土処分がなく経済的である。
【0056】
(2)汚染物質固化工程
これは、吸着処理土21と固化材とを機械的に撹拌混合してなる固化処理土22において、吸着材に吸着させた汚染物質を固化して不溶化させる汚染物質固化工程である。
【0057】
具体的には、吸着材及び汚染土壌の撹拌混合してから適宜期間経過した後、すなわち、十分に汚染物質の吸着が行われた後に、石膏と高炉水砕スラグを重量比で略1:1の配合により粉体噴射撹拌混合機械11により、吸着材と同様にドライ混合することで汚染物質の固化封じ込め処理を行う態様となる。
【0058】
また、遅延剤としての有機物(グルタミン酸等)を混入させることにより施工状況に合わせて硬化時間の調整も行うこととした。
【0059】
このとき、石膏と高炉水砕スラグに加えて微粉末のグラファイトなど多孔質材の微粉末を混合させると石膏と高炉水砕スラグの化学反応で生じる若干の硫黄臭を抑えることができる。
【0060】
なお、多孔質材の微粉末として、ゼオライトなどCEC増加材を添加すれば、植生土壌への適用が飛躍的に高まり土壌の有効利用が促進される。
【0061】
また、多孔質粉体材料を地盤に混合する場合、吸水は、粉体(ドライ)で混合した場合に有効であるが、体積増加が懸念されない場合に、スラリー添加も可能となり、この場合、粉体噴射撹拌混合機械11に変えて、CDMで用いられるのと同様なスラリー系深層混合処理機械等が使用できる。
【0062】
(3)処理土中性化工程
これは、固化処理土22を地中に放置することにより中性化させる処理土中性化工程である。
【0063】
つまり、石膏と高炉水砕スラグと水道水とのペーストのpHは9から11程度であってアルカリ性を有しているが、土壌中に一定期間以上放置することにより希釈されてほぼ中性領域に入ることとなる。
【0064】
これにより、本実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法が終了する。
【0065】
すなわち、このような汚染土壌の固化処理方法によれば、汚染土壌と外部からの刺激により潜在水硬性を発揮する高炉スラグ及び刺激材としての焼石膏を含む固化材とを機械的に撹拌混合して汚染物質を固化して不溶化させる汚染物質固化工程を含むものとして構成されているので、高アルカリによる二次汚染の防止並びに固化処理土22の劣化及び再溶出の防止がともに可能となる。
【0066】
したがって、このような汚染土壌の固化処理方法によれば、以下のような種々の効果が得られることとなる。すなわち、植生土壌等としての転用も可能な固化処理土22が得られることが可能となる。また、石膏や多孔質材ともに天然材料であり、採掘場での採取、乾燥、破砕および分級が行われる程度であり、高度な化学的精製を必要としないので安価である。また、多孔質材による土壌中の水分量の低下により、固化処理土22並びに固化材料の低減を図ることができるので経済的である。さらに、不溶性の中性固化処理により新たな環境汚染の発生がない。さらにまた、汚染物質の封じ込めるまでの期間の短縮ができるので早期対処が可能となる。また、機械撹拌により、土壌中に確実に固化材を分散することができるので汚染土壌の固化封じ込めが確実になる。さらに、原位置での処理が可能であり、汚染土壌の掘削・運搬などを必要としないので経済的である。さらにまた、既に掘削された汚染土壌でも有害物質の再溶出防止ができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明に係る汚染土壌の固化処理方法によれば、植生土壌等としての転用も可能な固化処理土が得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法が適用された固化処理装置1の全体構成を示す側面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法の概略構成を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明の一実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法における汚染物質吸着工程を説明する側面図である。
【図4】 本発明の一実施の形態に係る汚染土壌の固化処理方法における汚染物質固化工程を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 固化処理装置
11 粉体噴射撹拌混合機械
11a ベースマシン
11b スイベルジョイント
11c 撹拌装置
11d 撹拌軸
11e 撹拌ビット
12 吸着材用サイロ
13 吸着材供給機
14 吸着材用空気圧縮機
15 固化材用サイロ
16 固化材供給機
17 固化材用空気圧縮機
18 発動発電機
19 計測室
21 吸着処理土
22 固化処理土

Claims (4)

  1. 固化材を用いて汚染土壌に含まれる汚染物質を処理する汚染土壌の固化処理方法であって、
    汚染土壌と吸着材とを機械的に撹拌混合してなる吸着処理土において、該吸着材に該汚染物質を吸着させる汚染物質吸着工程と、
    前記吸着処理土と固化材とを機械的に撹拌混合してなる固化処理土において、前記吸着材に吸着させた前記汚染物質を固化して不溶化させる汚染物質固化工程と、
    を含み、
    前記固化材が、1重量部の焼石膏及び0.9重量部乃至1.8重量部の高炉スラグを粉砕した石膏スラグ混合物と、吸着材と、水と、を混練してなり、
    前記吸着材が、ゼオライト、グラファイト、酸化鉄、活性炭その他のキレート剤のうち一又は複数からなることを特徴とする、
    汚染土壌の固化処理方法。
  2. 前記固化材が、0.1重量部乃至0.4重量部のフライアッシュを含むことを特徴とする、
    請求項1に記載の汚染土壌の固化処理方法。
  3. 前記固化材が、遅延剤を含むことを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の汚染土壌の固化処理方法。
  4. 前記固化処理土を地中に放置することにより中性化させる処理土中性化工程を含むことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の汚染土壌の固化処理方法。
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