JP2002029812A - 人工ゼオライト利用によるセメント系固化土における重金属溶出量を低減させる方法 - Google Patents

人工ゼオライト利用によるセメント系固化土における重金属溶出量を低減させる方法

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Akio Henmi
彰男 逸見
Etsuro Sakagami
越朗 坂上
Kenichi Maeda
憲一 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セメントおよびセメント系固化材を地盤改良材
として使用する場合、土並びにセメントおよびセメント
系固化材を混合すると、土の物性によっては、セメント
中に含有されている重金属がセメントより溶出する現象
が見られ、環境基準を超過するおそれが生じている。従
って、セメント系固化材もしくは再生骨材使用によって
処理された地盤からの重金属の溶出防止が、地盤改良に
際しての課題であった。 【解決手段】セメントおよびセメント系固化材により、
深層混合処理工法、セメント系薬液注入工法、表層混合
処理工法、路床安定処理工法、セメント安定処理工法、
ソイルセメント柱列壁工法などを施工するときに、人工
ゼオライトを添加することにより、土中への重金属の溶
出量を低減させる方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントおよびセ
メント系固化材により、深層混合処理工法、セメント系
薬液注入工法、表層混合処理工法、路床安定処理工法、
セメント安定処理工法およびソイルセメント柱列壁工
法、または土砂にセメントおよびセメント系固化材を混
合した改良土を用いて施工する、盛土、埋戻、土地造成
工法、を施工するときに、人工ゼオライトを添加する、
土中への重金属の溶出量を低減させる方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】セメントおよびセメント系固化材を地盤
改良材として使用する場合、土とセメントおよびセメン
ト系固化材を混合すると、土の物性によっては、セメン
ト中に含有されている重金属がセメント中より溶出する
現象が見られる。特に重金属が六価クロムの場合には、
その毒性のために土壌中の環境が著しく汚染されること
になる。また、地盤改良にコンクリート構造物を取り壊
し、解体したときに発生するコンクリート片を再生骨材
として使用した場合にも重金属がこの再生骨材中より溶
出する現象が見られる。これまで、未然にこれらの現象
を防止するための対策は立てられておらず、そのために
セメント系地盤改良を実施した土地において、六価クロ
ムの環境基準を超過するおそれが生じている。セメント
中の六価クロムの含有量を低減させるためには、セメン
ト原料の段階で調整することとなり、セメントの製造ラ
インの見直しが必要であり、セメントの製造コストが非
常に高くなるなどの問題を有している。また、溶出クロ
ムを天然ゼオライトで吸着する試みもなされているが、
天然ゼオライトでは十分な吸着能が得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、セメントおよ
びセメント系固化材もしくは再生骨材使用によって処理
された地盤からの重金属の溶出防止が、地盤改良に際し
ての課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの課
題を解決するために種々検討を行った結果、セメントお
よびセメント系固化材に人工ゼオライトを混合すること
によって、重金属の溶出防止および重金属を吸着する方
法を提供するに至った。すなわち、セメントおよびセメ
ント系固化材により、深層混合処理工法、セメント系薬
液注入工法、表層混合処理工法、路床安定処理工法、セ
メント安定処理工法およびソイルセメント柱列壁工法、
より選ばれた1種の工法を施工するときに、人工ゼオラ
イトを添加することを特徴とする、土中への重金属の溶
出量を低減させる方法であって、人工ゼオライトが、C
a型人工ゼオライト、Mg型人工ゼオライト、Fe型人
工ゼオライト、Ba型人工ゼオライトおよびAl型人工
ゼオライトから選ばれた1種または2種以上であること
が好ましい。
【0005】本発明の第二は、セメントおよびセメント
系固化材を粉体で土中に噴射または土と混合攪拌すると
きに、セメントおよびセメント系固化材に対し、1乃至
40重量%の人工ゼオライトを添加することを特徴とす
る、土中への重金属の溶出量を低減させる方法であっ
て、セメントおよびセメント系固化材を粉体で土と混合
攪拌するときに、事前に人工ゼオライトとセメントをバ
ッチ式または連続式の回転羽根型ミキサーにて混合攪拌
することが好ましく、人工ゼオライトが、Ca型人工ゼ
オライト、Mg型人工ゼオライト、Fe型人工ゼオライ
ト、Ba型人工ゼオライトおよびAl型人工ゼオライト
から選ばれた1種または2種以上であることが好まし
い。
【0006】本発明の第三は、セメントおよびセメント
系固化材をスラリー状で土中に噴射または土と混合攪拌
するときに、セメントおよびセメント系固化材に対し、
1乃至40重量%の人工ゼオライトを添加することを特
徴とする、土中への重金属の溶出量を低減させる方法で
あって、セメントおよびセメント系固化材をスラリー状
で土中に噴射または土と混合攪拌するときに、人工ゼオ
ライトをセメント懸濁液に混合し、通常の設計水量より
セメントに対し、5乃至200重量%割増した水量とす
ることが好ましく、人工ゼオライトが、Ca型人工ゼオ
ライト、Mg型人工ゼオライト、Fe型人工ゼオライ
ト、Ba型人工ゼオライトおよびAl型人工ゼオライト
から選ばれた1種または2種以上であることが好まし
い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明にいうセメントおよびセメ
ント系固化材とは、セメントを含有成分とする固化材
で、ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランド
セメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトラ
ンドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩
ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメントなど
を、ポルトランドセメント系混合セメントとしては、高
炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント
などを、特殊セメントとしては、アルミナセメント、膨
張セメント、超速硬セメントなどを、例示することがで
きる。特に本発明の目的を達成するためには、上記ポル
トランドセメント系混合セメントが重金属の含有量が多
いので、人工ゼオライトを配合することが好ましい。
【0008】本発明にいう地盤改良とは、路床改良、路
盤改良、仮設道路改良、構造物基礎地盤改良、盛土安定
地盤改良、掘削法面安定の地盤改良、仮設掘削工事にお
ける地盤改良、トンネル工事などにおける近設地盤改
良、宅地造成現場などにおける地盤改良をいい、深層混
合処理工法、セメント系薬液注入工法、表層混合処理工
法、路床安定処理工法、セメント安定処理工法およびソ
イルセメント柱列壁工法などを採用することができる。
特に、ヘドロの固化処理、特殊土といわれる関東ロー
ム、灰土、シラス、マサ土、泥炭よりなる地盤、廃棄物
あるいは焼却灰による埋め立て地における地盤を、生石
灰、消石灰、普通ポルトランドセメント、高炉セメント
などの土質安定処理材により固化あるいは安定化すると
きには、対象とする地盤そのものが重金属により汚染さ
れている場合、使用する土質安定処理材によって重金属
の漏出が起こる場合など、地盤改良によって環境面での
汚染が生じている。
【0009】セメントおよびセメント固化材と土が接触
して硬化反応を起こす際に、土の酸性度や有機質成分な
どがセメントの硬化反応を阻害し、セメント中の六価ク
ロムなどの重金属の溶出を促進させる。セメントおよび
セメント固化材に人工ゼオライトを添加した材料は、セ
メントから溶出した六価クロムなどの重金属を吸着ある
いはイオン交換反応により人工ゼオライト側に固着し、
硬化体から六価クロムなどの重金属の溶出を抑制する。
人工ゼオライトは、天然ゼオライトに比較し、そのイオ
ン交換能力が3倍高いため、六価クロムなどの重金属の
固着能も約3倍となる。
【0010】本発明にいう深層混合処理工法とは、地表
からかなりの深さまでの区間をセメントおよびセメント
系固化材と原地盤土とを強制的に攪拌混合し、強固な改
良地盤を形成する工法のことをいい、機械攪拌工法とし
てスラリー方式および粉体方式を、高圧噴射攪拌工法と
してスラリー噴射方式、スラリー・エア噴射方式および
スラリー・エア水噴射方式を、例示することができる。
地盤改良が大規模化するにつれて、海中工事および陸上
工事においても種々の工法が開発されている。また、深
層混合処理による改良地盤は、改良土と未改良土とから
なる複合地盤、あるいは改良土のみからなる地中構造物
に大別されるため、設計手法においても、両者を意識し
た検討がなされているのが、一般的である。
【0011】本発明にいうセメント系薬液注入工法と
は、地盤中にセメント系の薬液を注入して、透水性を減
少し、原地盤強度を増大させる工法である。
【0012】本発明にいう表層混合処理工法とは、セメ
ントおよびセメント系固化材を混入し、地盤強度を改良
する工法のことをいい、固化材の添加方式により粉体方
式とスラリー方式とに大別され、さらに混合位置によっ
て、事前混合方式と原位置混合方式とに区分される。粉
体方式は主として、造成しようとする場所で対象土の敷
均し、あるいはかき起こしなどの処置を行った後、対象
土上に固化材を所定量散布して、スタピライザーや特種
パックホウなどの混合機械によって、固化材と対象土を
混合し、転圧する方式で施工される場合が多いが、必ず
しもこの方法に限定されるものではない。また、スラリ
ー方式は、スラリープラントで製造した固化材スラリー
をポンプで流量計を通して一定量圧送し、攪拌機械の先
端付近に取り付けられた吐出口から吐き出し、対象土と
機械的に攪拌混練する方式である。
【0013】本発明にいう路床安定処理工法とは、道路
の路床や路盤および鉄道の路盤に対して、セメントおよ
びセメント系固化材を混合して路床の支持力を改善する
工法のことをいい、混合はプラント混合と路上混合の2
方式があり、路床や路盤の場合は粉体方式が一般的であ
る。また、工事用仮設道路の場合に対しても採用される
例が多い。
【0014】本発明にいうセメント安定処理工法とは、
道路の路床や路盤および鉄道の路盤、の上層または下層
において、現地発生材、地域産材料またはこれらに補足
材を加えたものを骨材とし、これにセメントおよびセメ
ント系固化材を添加して処理する工法のことをいい、上
層の処理は路上混合による粉体方式が一般的である。軟
弱地盤などにおいては、スタピライザーあるいは接地圧
の低い混合処理機が用いられ、セメント系固化材が利用
される。
【0015】本発明にいうソイルセメント柱列壁工法と
は、土中にセメント系懸濁液を注入しながら地盤を削孔
し、原地盤土と強制的に混練することにより造成される
ソイルセメント連続壁をつくる工法をいい、種々の土質
への対応が可能である。
【0016】本発明にいう人工ゼオライトとは、石炭
灰、都市ゴミなどの可燃性廃棄物の焼却灰、ゴミ固形化
燃料の焼却灰などをアルカリ溶液中で加熱処理すること
によって人工的に転換して得られたゼオライト、並びに
溶融スラグ、アルミニウムドロス、廃珪藻土などの各種
廃棄物より人工的に転換して得られたゼオライトを含む
ものであって、その主成分は、原料の珪礬比、すなわち
(SiO2 とAl2 3の重量組成の比)×1.7によ
って変わり、ヒドロキシソーダライト、フィリップサイ
ト、またはフォージャサイトなどのことをいう。また、
人工ゼオライトに付加する陽イオンとしては、一価の陽
イオンおよび多価の陽イオンがあるが、本発明を実施す
るためには、Fe型人工ゼオライト、Mg型人工ゼオラ
イトおよびMn型人工ゼオライトなどの多価の陽イオン
が好ましく、特に、Ag型人工ゼオライト、Ba型人工
ゼオライト,Ca型人工ゼオライトおよびAl型人工ゼ
オライトが好ましい。
【0017】人工ゼオライトのセメント系固化材への混
合比は任意に選ぶことができるが、重金属に汚染された
土壌における重金属の吸着を目的とする場合には、セメ
ントの1乃至40重量%であることが好ましく、特に1
0乃至20重量%であることが好ましい。人工ゼオライ
トの混合比が1重量%未満では、その吸着効果が充分で
はなく、40重量%を越えると固化材としての強度が充
分に得られない。また、人工ゼオライトは吸水率が高い
ので、人工ゼオライト含有セメント系固化材により、コ
ンクリート、モルタル、セメントペーストなどを調製す
るためには、通常の添加量の水の5乃至200%増を必
要とする。
【0018】本発明にいう重金属とは、一般に比重の大
きい金属をいい、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅、亜鉛、砒素、カドミウム、水銀、鉛、など
を例示することができる。本発明のセメント系固化材
は、三価クロム(Cr3+)および六価クロム、カドミウ
ムなどを除去する目的で使用されることが好ましい。
【0019】
【実施例】本発明の概要について、説明する。本発明を
実施するためには、人工ゼオライトをセメントとよく混
合するが、粉体混合の場合には、粉体セメントに所定量
の人工ゼオライトを添加し、回転羽根式ミキサーにより
混合攪拌し、各種地盤改良工事へ適用する。また、スラ
リー混合の場合には、セメント懸濁液に所定量の人工ゼ
オライトを添加し、回転羽根式ミキサーにより混合攪拌
し、各種地盤改良工事へ適用する。次に本発明の詳細を
実施例に基づいて説明するが、本発明の趣旨はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0020】(実施例1)地中に連続した壁面を構築
し、止水壁および土留擁壁とする工法のうち、原地盤土
と強制的に混合して施工されるソイルセメント柱列壁造
成工事を対象とし、セメント改良体の目標強度を0.4
9MPa(5kgf/cm2 )とするとき、ソイルセメ
ント柱列壁は、原地盤内にセメントミルクを注入し、攪
拌することにより、原地盤の土とセメントとの混合固化
体を形成するものであって、固化体の一軸圧縮強度とし
て、0.49MPa(5kgf/cm2 )を確保するた
めには、対象とする掘削土量1m3 あたり、水520k
g、セメント260kg、ベントナイト10kgを必要
とした。
【0021】(実施例2)普通ポルトランドセメント1
kgにCa型人工ゼオライト50g(5重量%)を混合
し、水750mlに六価クロムを50ppm添加した溶
液を加え、この混合水溶液を普通ポルトランドセメント
とCa型人工ゼオライトとの混合物に添加し、よく混練
して、セメントペーストを製造し、硬化させた。硬化さ
せて得られたセメントの固化片を粒径が1〜2mmにな
るように破砕し、精製水25mlを入れた50ml容ビ
ーカーに入れて、浸潤する。1昼夜放置した後、上澄み
液を採取し、六価クロムについてジフェニルカルバジド
吸光光度法によりその濃度を測定し、比較例の溶出量を
100とし、実施例の溶出量を残存率で示した。水溶液
中の六価クロムの残存率は表1に示したように8%であ
り、比較例1に較べて六価クロムの溶出抑制効果が確認
された。
【0022】(比較例1)実施例2において、Ca型人
工ゼオライトを混合せずに、セメントペーストを製造
し、硬化させた。水溶液中の六価クロムの残存率は表1
に示したように100%であり、六価クロムの溶出抑制
効果は認められなかった。
【0023】
【表1】
【0024】(実施例3)普通ポルトランドセメント7
2.2gにCa型人工ゼオライト3.6g(セメントに
対し5重量%)を添加し、攪拌した後、普通ポルトラン
ドセメントとCa型人工ゼオライトの混合物に、ベント
ナイト2.8g、水148.0gおよび原地盤土500
gを加え、モルタルミキサーにて10分間混合・攪拌
し、これを土質試験用モールド(φ50×100mm)
に充填し、20℃の恒温室にて7日間気中養生して、供
試体とした。
【0025】(比較例2)普通ポルトランドセメント7
2.2gにベントナイト2.8g、水144.4gおよ
び原地盤土500gを加え、モルタルミキサーにて10
分間混合・攪拌し、これを土質試験用モールド(φ50
×100mm)に充填し、20℃の恒温室にて7日間気
中養生して、供試体とした。
【0026】(試験例1)実施例3および比較例2にお
いて作製した供試体を破砕し、2mmの篩を全量通過さ
せた物を100g採取し、環境庁告示第46号に基づく
溶出操作を行った。すなわち、三角フラスコに中性に調
整した純水1000mlおよび粉砕試料100gを入
れ、6時間振盪させた後、0.45μmのマイクロフィ
ルターでろ過し、ろ液中の六価クロムをジフェニルカル
バジド吸光光度法により分析した。その結果は、表2に
示したように、実施例3のCa型人工ゼオライトを混合
した試料は、比較例2と同等の一軸圧縮強度でありなが
ら、六価クロム溶出量が大幅に低減されていた。
【0027】
【表2】
【0028】(実施例4)普通ポルトランドセメントに
セメントに対し5重量%のCa型人工ゼオライトを添加
し、連続式回転羽根型ミキサーにて混合攪拌した後、予
め配合量を調整したベントナイト混合水とゼオライト混
合セメントを回転羽根式バッチ式ミキサにて混合攪拌し
た。これをソイルセメント柱列壁造成用の原地盤混合攪
拌装置に圧送し、地盤内にて原地盤と混合攪拌した。施
工後、28日経過後の柱列壁造成部をボーリングにより
サンプリングし、このコアサンプルについて、環境庁告
示第46号に基づく溶出試験を実施した。その結果、ソ
イルセメント固化体からの六価クロム溶出量は、0.0
2mg/l未満であった。
【0029】
【発明の効果】セメントおよびセメント系固化材を地盤
改良材として使用する場合、固化処理土によっては、重
金属がセメント中より溶出するおそれが生じており、こ
れが環境汚染につながるとして、問題であった。しか
し、本発明の人工ゼオライトを含有してなるセメントお
よびセメント系固化材を使用することによって、重金属
の溶出を防ぐことができ、特に重金属が六価クロムの場
合には、その毒性のために土壌中の環境が著しく汚染さ
れることになるが、本発明によりこのような土壌中の汚
染を防ぐことができる。また、地盤改良にコンクリート
構造物を取り壊し、解体したときに発生するコンクリー
ト片を再生骨材として使用した場合にも重金属がこの再
生骨材中より溶出するが、このような場合にも重金属の
汚染を防ぐことができ、環境汚染を未然に防ぐ方法を提
供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B28C 7/00 C04B 14/04 Z 4G056 C04B 14/04 E01C 3/04 E01C 3/04 E02D 3/12 E02D 3/12 5/18 101 5/18 101 5/20 101 5/20 101 C04B 111:00 // C04B 111:00 B09B 3/00 ZAB (72)発明者 坂上 越朗 東京都町田市南成瀬6−11−14 (72)発明者 前田 憲一 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AA01 AB01 AB03 AB11 2D049 EA01 EA02 EA14 GC11 2D051 AA05 AD07 AF02 AF05 AF13 4D004 AA41 AB03 BA02 CA15 CA45 CC11 CC13 DA03 DA10 4G012 PA03 PE01 4G056 AA07 CB27 CB34 CC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントおよびセメント系固化材により、
    深層混合処理工法、セメント系薬液注入工法、表層混合
    処理工法、路床安定処理工法、セメント安定処理工法お
    よびソイルセメント柱列壁工法、より選ばれた1種の工
    法を施工するときに、人工ゼオライトを添加することを
    特徴とする、土中への重金属の溶出量を低減させる方
    法。
  2. 【請求項2】セメントおよびセメント系固化材を粉体で
    土中に噴射または土と混合攪拌するときに、セメントお
    よびセメント系固化材に対し、1乃至40重量%の人工
    ゼオライトを添加することを特徴とする、土中への重金
    属の溶出量を低減させる方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のセメントおよびセメント
    系固化材を粉体で土と混合攪拌するときに、事前に人工
    ゼオライトとセメントをバッチ式または連続式の回転羽
    根型ミキサーにて混合攪拌することを特徴とする、土中
    への重金属の溶出量を低減させる方法。
  4. 【請求項4】セメントおよびセメント系固化材をスラリ
    ー状で土中に噴射または土と混合攪拌するときに、セメ
    ントおよびセメント系固化材に対し、1乃至40重量%
    の人工ゼオライトを添加することを特徴とする、土中へ
    の重金属の溶出量を低減させる方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のセメントおよびセメント
    系固化材をスラリー状で土中に噴射または土と混合攪拌
    するときに、人工ゼオライトをセメント懸濁液に混合
    し、通常の設計水量よりセメントに対し、5乃至200
    重量%割増した水量とすることを特徴とする、土中への
    重金属の溶出量を低減させる方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の人
    工ゼオライトが、Ca型人工ゼオライト、Mg型人工ゼ
    オライト、Fe型人工ゼオライト、Ba型人工ゼオライ
    トおよびAl型人工ゼオライトから選ばれた1種または
    2種以上であることを特徴とする、土中への重金属の溶
    出量を低減させる方法。
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