JPH1121876A - 有機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法 - Google Patents

有機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法

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JPH1121876A
JPH1121876A JP19771597A JP19771597A JPH1121876A JP H1121876 A JPH1121876 A JP H1121876A JP 19771597 A JP19771597 A JP 19771597A JP 19771597 A JP19771597 A JP 19771597A JP H1121876 A JPH1121876 A JP H1121876A
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soil
organic
cement
organic soil
solidifying material
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JP19771597A
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English (en)
Inventor
Shoji Hisayoshi
昭二 久芳
Atsushi Takakura
篤 高倉
Kaname Miyake
要 三宅
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機質土の固化を確実化し、かつ施工費を
低コストにする。また、地盤改良の工期を短縮化し、し
かもより以上に施工費を低コストにする。 【解決手段】 ベースマシン14の各攪拌軸14aの先
端部を有機質土中へ貫入し、これを引き抜く。この際、
有機ミルクaを両攪拌軸14aの先端から吐出するの
で、有機ミルクaが有機質土と混合し、有機酸が封じ込
められる。その後、攪拌軸14aを再貫入して、また引
き抜く。このとき、安価な通常ミルクbが両攪拌軸14
aの先端から吐出されて有機酸封じ込み土の強度が補わ
れる。よって、有機質土の固化が確実となり、かつ比較
的高価な有機質土用セメント系固化材の使用量が減り、
施工費が低コストとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は有機質土用セメン
ト系固化材を用いた地盤改良施工方法、詳しくは有機質
土に混和されてこれを固化する特殊なセメント系固化材
による地盤改良施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】含水比の大きい軟弱な粘性土やヘドロな
どを固化する場合、ポルトランドセメントでは改良の効
果があがりにくい。そこで、セメント系固化材が開発、
使用されている。セメント系固化材とは、ポルトランド
セメントを母材とし、固化を目的とした材料である。と
ころが、フミン酸等の有機酸成分を大量に(例えば60
%以上)含有する土(有機質土)に、セメント系固化材
を混入して固化する場合、この有機酸成分により、セメ
ントの水和反応が阻害される。このため、改良処理土の
強度発現が著しく遅延するという不具合があった。そこ
で、本願特許出願人が先に提出した特願平9−6233
0号の明細書に記載したもののように、有機質土に対し
て有効な有機質土用セメント系固化材を開発するに至っ
た。
【0003】この有機質土用セメント系固化材の有機質
土区域への施工方法は、例えば改良深さが3m以深にま
で及ぶ深層改良の場合には、通常のセメント系固化材に
おける深層混合処理工法と同じ、攪拌翼や固化材吐出口
付きの攪拌軸を有するベースマシンを用いた機械攪拌工
法や、固化材噴出口付きのロッドを有するボーリングマ
シンを用いた高圧噴射攪拌工法が採用されていた。な
お、機械攪拌工法は、有機質土用セメント系固化材をス
ラリー状態で土中へ吐出して攪拌するスラリー方式と、
有機質土用セメント系固化材を粉体で噴出して攪拌する
粉体方式に大別される。
【0004】ここで、機械攪拌工法の基本的施工手順を
スラリー方式を例に説明する。まず、ベースマシン(施
工機)を有機質土区域の所定位置にセットし、攪拌翼を
回転させながら攪拌軸を所定の深度まで貫入する。次い
で、有機質土用セメント系固化材のスラリーを固化材供
給機からベースマシンまでグラウトポンプで圧送し、ス
ラリーを攪拌翼あるいはその周辺から吐出する。この
際、攪拌翼の回転によって土と固化材の攪拌と混合を同
時進行しながら攪拌軸を徐々に引き抜くことで、地盤中
に改良柱体を造成する工法である。スラリーの吐出方法
には、貫入時に吐出する方式もある。
【0005】次に、高圧噴射攪拌工法の基本的施工手順
を説明する。まず、ボーリングマシン(施工機)を有機
質土区域の所定位置にセットし、ボーリングマシンのロ
ッドにより有機質土の所定の改良深さまで削孔する。次
いで、有機質土用セメント系固化材のスラリーを固化材
供給機からボーリングマシンまで所定の圧力で圧送し、
その後、ロッド先端のモニタ部ノズルから圧縮空気など
と同時にスラリーを噴射する。しかも、この射出と同時
にロッドを低速回転しながらロッドを徐々に引き抜くこ
とで、噴射された高速噴流のスラリーが切削土と混合さ
れ、地盤中に改良柱体を造成する工法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなベースマシンやボーリングマシンに既存のセメント
系固化材を用いる地盤改良施工方法では、土壌中の硬化
阻害成分の影響を受け、凝結および硬化反応が著しく遅
延するという理由から、有機質土の固化が確実でないと
いう問題点があった。また、有機質土を改良する有機質
土用セメント系固化材は、通常のセメント系固化材に比
べて高価な組成分を用いるので、比較的価格が高くなっ
ている。一般的に、各種土の改良には多量の固化材が使
用されるので、施工コストが高騰するという問題点があ
った。
【0007】
【発明の目的】この発明は、有機質土の固化が確実で、
かつ施工費の低コスト化が図れる有機質土用セメント系
固化材を用いた地盤改良施工方法を提供することを、そ
の目的とする。また、地盤改良の工期の短縮化が図れる
とともに、より以上に施工費を低減することができる有
機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法を
提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、有機質土用セメント系固化材を、所定の深度領域内
の有機質土と混合して、この有機質土に含まれる有機酸
を封じ込める工程と、その後、この有機酸が封じ込まれ
た上記所定の深度領域内の土に、通常のセメント系固化
材を混合する工程とを備えた有機質土用セメント系固化
材を用いた地盤改良施工方法である。
【0009】軟弱地盤の改良領域は、2〜3mの改良深
さの浅層部でも、3〜10mの改良深さの中層部でも、
3m以上の改良深さの深層部でもよい。有機質土用セメ
ント系固化材の地盤への施工方法は、前述した攪拌軸を
有するベースマシンを使用したスラリー方式や粉体方式
などの機械攪拌工法や、ロッドを有するボーリングマシ
ンを使用する高圧噴射攪拌工法などが適宜採用すること
ができる。
【0010】具体的な施工方法としては、例えば以下の
工法が挙げられる。すなわち、まず地盤改良用の施工機
(ベースマシンやボーリングマシン)を有機質土区域の
所定位置にセットし、次いで施工機に配備された地盤改
良用の固化材の供給部材(攪拌軸やロッド)を、有機質
土の所定深度まで貫入してこれを引き抜く。この際、供
給部材から有機質土用セメント系固化材を供給し、これ
を有機質土と混合することで有機酸を封じ込める。それ
から、有機酸が封じ込められた土の所定深度まで供給部
材を再貫入し、これを引き抜く。この際、供給部材から
通常のセメント系固化材を供給し、これを有機酸が封じ
込められた土と混合するという工法である。ただし、こ
の方法に限定されることはない。
【0011】使用される有機質土用セメント系固化材と
しては、例えば母材であるポルトランドセメントと石膏
の外、吸着材、高炉スラグ微粉末、塩化物、硫酸塩など
を適量混合した固化材が採用することができる。具体例
を挙げると、比表面積が3000〜5500cm2/g
のポルトランドセメント20〜40重量%と、比表面積
が3000〜7000cm2/gの石膏10〜30重量
%とを有する有機質土用セメント系固化材をベースと
し、これに比表面積が4000〜10000cm2/g
の高炉スラグ微粉末60〜40重量%、ポルトランドセ
メントの水和反応を阻害せずに、有機質土に含まれる有
機酸成分を吸着する吸着材0.5〜10重量%、硫酸塩
0.5〜10重量%、塩化物0.5〜10重量%のうち
少なくとも何れか1つを混合したものなどが採用するこ
とができる。
【0012】ここでいう吸着材とは、例えば活性炭、ゼ
オライト(天然ゼオライト、合成ゼオライト)などのよ
うな有機質土に含まれる有機酸成分を吸着することがで
きる材料である。セメント系固化材を有機質土に混合す
ると、カルシウムシリケート鉱物表面への有機酸Ca塩
の沈積を少なくすることができる。その結果、セメント
の水和阻害を抑制することができ、処理土の強度発現を
良好とすることができる。すなわち、吸着材が有機酸成
分を吸着することにより、セメントの水和反応で生じる
カルシウムイオンCa2+が土に含まれる有機酸成分(フ
ミン酸など)と反応し生成する有機酸Ca塩が少なくな
る。よって、セメント水和の阻害がなく、有機酸成分の
少ない土と同じような反応が生じる。さらに、固化材の
水和反応によってエトリンガイトのような針状結晶で比
表面積の大きなセメント系初期水和物を生成し、この水
和物に有機酸成分を吸着する(取り込む)ことも有効で
ある。
【0013】高炉スラグ微粉末は、固化材のpHを低下
させ、水酸化カルシウムの溶出を抑えるとともに、水酸
化カルシウムを消費し、石膏やポルトランドセメントと
反応し、エトリンガイトを生成する。特に、粉末度の高
いものにその効果が顕著である。
【0014】また、硫酸塩および塩化物は、セメント系
初期水和物であるエトリンガイトの生成を促進させて有
機酸の吸着効果を向上させる。硫酸塩としては、硫酸ア
ルミニウム、みょうばん、硫酸鉄、硫酸リチウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどがあ
る。塩化物としては、例えば塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、塩化鉄、塩化アルミニウム、塩化カリウムな
どがある。硫酸塩は、ポルトランドセメントと反応し、
エトリンガイトを生成する。特に、硫酸アルミニウム、
みょうばんなどは、そのpH値が低く、ポルトランドセ
メントにプレミックスすることで、セメントからの水酸
化カルシウムの溶出を抑えるとともに、エトリンガイト
系の初期水和物の生成を促進させる。塩化物は、ポルト
ランドセメントと反応し、エトリンガイトに似た針状結
晶であるオキシクロライド系水和物を生成する。以上の
ことは、請求項2においてにも当てはまる。供給部材の
土移動中における有機質土用セメント系固化材の供給時
期は、供給部材の土貫入時でも、供給部材の引き抜き時
でもまたは両方でもよい。また、供給部材の有機酸が封
じ込められた土移動中における通常のセメント系固化材
の供給時期は、供給部材の土再貫入時でも、供給部材の
再引き抜き時でもまたは両方でもよい。
【0015】請求項2に記載の発明は、上記有機質土用
セメント系固化材の混合工程が、地盤改良用の施工機に
配備された供給部材を、有機質土の所定深度へ徐々に貫
入しながら行われる一方、上記通常のセメント系固化材
の混合工程が、この土から上記供給部材を徐々に引き抜
きながら行われる請求項1に記載の有機質土用セメント
系固化材を用いた地盤改良施工方法である。具体的な施
工方法としては、例えば施工機を有機質土区域の所定位
置にセットし、施工機の供給部材を有機質土の所定深度
まで徐々に貫入する。この際、供給部材から有機質土用
セメント系固化材を供給し、これを有機質土と混合して
有機酸を封じ込める。その後、供給部材をこの土から徐
々に引き抜きながら、供給部材より通常のセメント系固
化材を供給し、これを有機酸が封じ込まれた土と混合す
るという工法が挙げられる。
【0016】請求項3に記載の発明は、攪拌翼の回転に
より攪拌軸を所定深度まで貫入しながら、この攪拌軸の
先端部から有機質土用セメント系固化材中の有機質土改
質成分の粉体を噴出して、この有機質土改質成分を所定
の深度領域内の有機質土と攪拌混合することにより、こ
の有機質土に含まれる有機酸を封じ込める工程と、その
後、上記攪拌翼の逆回転させて攪拌軸を引き抜きなが
ら、この攪拌軸の先端部から、上記有機質土用セメント
系固化材中の通常セメント成分の粉体を噴出し、この有
機酸が封じ込まれた上記所定の深度領域内の土に、上記
通常セメント成分を攪拌混合する工程とを備えた有機質
土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法であ
る。この施工方法に使用される地盤改良設備としては、
有機質土用セメント系固化材を粉体で噴出して攪拌する
粉体方式が採用することができる。この粉体方式の設備
としても、周知の設備が採用することができる。有機質
土用セメント系固化材中の有機質土改質成分としては、
例えば前述した吸着材、高炉スラグ微粉末、塩化物、硫
酸塩などが挙げられる。また、通常セメント成分として
は、ポルトランドセメントや石膏などが挙げられる。
【0017】
【作用】請求項1〜請求項3に記載の発明では、まず第
1工程として、有機質土用セメント系固化材を所定の深
度領域内の有機質土に混合して、この領域中の土に含ま
れる有機酸を封じ込める。その後の第2工程として、こ
の有機酸が封じ込まれた所定の深度領域内の土に、通常
のセメント系固化材を混合する。この際、土壌中の硬化
阻害成分による凝結および硬化反応の遅延が抑制される
という理由から、有機質土の固化が確実となる。しか
も、比較的高価な有機質土用セメント系固化材の総使用
量が比較的少なく、施工費が低コストとなる。
【0018】特に、請求項2に記載の発明では、施工機
の供給部材を有機質土の所定深度まで徐々に貫入しなが
ら、有機質土用セメント系固化材の混合を行う。その後
に、この土から供給部材を徐々に引き抜きながら、通常
のセメント系固化材の混合を行うので、地盤改良の工期
が短縮し、しかもより以上に施工費が低コストとなる。
【0019】また、請求項3に記載の発明では、攪拌翼
を回転させて攪拌軸を所定深度まで貫入する間に、この
攪拌軸の先端部から粉体の有機質土改質成分を噴出する
と、この有機質土改質成分が、所定の深度領域内の有機
質土と攪拌混合する。この結果、有機質土に含まれる有
機酸が封じ込められる。その後、攪拌翼を逆回転させて
攪拌軸を引き抜きながら、この攪拌軸の先端部から粉体
である通常セメント成分を噴出して攪拌混合する。これ
により、有機酸が封じ込まれた土に、エトリンガイト生
成用の通常セメント成分が混合される。したがって、よ
り効果的に有機質土を固化することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例に係る有
機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法を
説明する。まず、図1〜図3に基づいて、第1実施例の
有機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法
を説明する。図1はこの発明の第1実施例に係る有機質
土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法が適用
される地盤改良設備の全体構成図である。また、図2
(a)はベースマシンのセット状態を示す説明図であ
り、図2(b)は攪拌軸の有機質土への貫入中の状態を
示す説明図であり、図2(c)は攪拌軸の貫入完了状態
を示す説明図であり、図2(d)は有機質土用セメント
系固化材と有機質土との攪拌中の状態を示す説明図であ
り、図2(e)は有機質土用セメント系固化材と有機質
土との攪拌完了状態を示す説明図である。さらに、図3
(a)は攪拌軸の再貫入中の状態を示す説明図であり、
図3(b)は攪拌軸の再貫入完了状態を示す説明図であ
り、図3(c)は有機酸が封じ込められた土と通常のセ
メント系固化材との攪拌中の状態を示す説明図であり、
図3(d)は有機酸が封じ込められた土と通常のセメン
ト系固化材との攪拌完了状態を示す説明図である。
【0021】図1に示すように、10はこの発明の第1
実施例に係る有機質土用セメント系固化材を用いた地盤
改良施工方法が適用される地盤改良設備である。この地
盤改良設備10は、有機質土用セメント系固化材(以
下、有機固化材という)や通常のセメント系固化材(以
下、通常固化材という)が区画収納された固化材サイロ
11と、このサイロ11からの有機固化材および通常固
化材を個別にスラリー化する固化材供給機12と、それ
ぞれスラリー化された有機固化材である有機ミルクまた
は通常固化材である通常ミルクを、施工機の一例である
ベースマシン14へ圧送するグラウトポンプ13とを備
えている。ベースマシン14は、長尺な一対の攪拌軸1
4a(供給部材)を有しいる。各攪拌軸14aの先端部
には、上側から順に攪拌翼14bと掘削翼14cが配設
されている。図1において、15は有機ミルクや通常ミ
ルク流量計である。
【0022】固化材サイロ11内に貯留された有機固化
材や通常固化材は、固化材供給機12へ個別投入され
る。ここで水が加えられて混練され、有機ミルクまたは
通常ミルクとなる。これらのミルクは、グラウトポンプ
13により設定流量でベースマシン14へ圧送される。
途中、流量計15により流量測定される。その後、各ミ
ルクは有機質土中に掘削翼14cの掘削によって貫入さ
れた攪拌軸14aの先端部から吐出される。吐出後、攪
拌翼14bによって有機質土と混合される。
【0023】次に、この第1実施例の地盤改良設備10
による有機質土用セメント系固化を用いた地盤改良施工
方法を説明する。まず、地盤改良用のベースマシン14
を、有機質土区域の所定位置にセットする(図2(a)
参照)。次いで、ベースマシン14の両攪拌軸14aを
正回転(図2(b)の矢印方向回転)させながら、各攪
拌軸14aの先端部を有機質土中へ貫入する(図2
(b)参照)。両攪拌軸14aの貫入が所定の深度まで
達したなら(図2(c)参照)、その後、各攪拌軸14
aを逆回転(図2(c)の矢印方向回転)させてこれを
引き抜く(図2(d),(e)参照)。この際、グラウ
トポンプ13を介して、固化材供給機12から圧送され
た有機ミルクaを、ベースマシン14の両攪拌軸14a
の先端からこの攪拌土中へ所定流量で吐出する。これに
より、吐出された有機ミルクaが、攪拌翼14bにより
有機質土と混合され、この結果、有機質土中の有機酸が
封じ込められる。具体的には、セメントシリケート鉱物
表面に有機酸Ca塩が沈積しにくくなり、これによりセ
メントの水和阻害が抑制されて、処理土の強度発現が良
好となる。
【0024】その後、各攪拌軸14aを再び正回転さ
せ、攪拌軸14aをこの有機酸が封じ込められた土の所
定深度まで再貫入する(図3(a)参照)。上記深度ま
で達したら再び各攪拌軸14aを逆回転させて(図3
(b)参照)、各攪拌軸14aを徐々に引き抜いていく
(図3(c)〜(d)参照)。この際、グラウトポンプ
13を介して、固化材供給機12から圧送された通常ミ
ルクbが、両攪拌軸14aの先端から吐出される。これ
により、有機酸が封じ込められた領域内の土中に、不足
していたセメント系固化材が補充される。この結果、有
機質土中に強固な改良柱体が造成される。
【0025】このように、まず第1工程として、有機ミ
ルクaを所定の深度領域内の有機質土に混合し、この領
域中の土に含まれる有機酸を封じ込めた後、第2工程と
して、この有機酸が封じ込まれた所定の深度領域内の土
に、比較的安価な通常ミルクbを混合して強度の補充を
行うようにしたので、有機質土の固化が確実となり、か
つ比較的高価な有機質土用セメント系固化材の使用量が
減り、施工費を低コスト化することができる。
【0026】次に、図4に基づいて、この発明の第2実
施例に係る有機質土用セメント系固化材を用いた地盤改
良施工方法を説明する。図4(a)はベースマシンのセ
ット状態を示す説明図であり、図4(b)は有機質土用
セメント系固化材と有機質土との攪拌中の状態を示す説
明図であり、図2(c)は有機質土用セメント系固化材
と有機質土との攪拌完了状態を示す説明図である。さら
に、図4(d)は有機酸が封じ込められた土と通常のセ
メント系固化材との攪拌中の状態を示す説明図であり、
図4(e)は有機酸が封じ込められた土と通常のセメン
ト系固化材との攪拌完了状態を示す説明図である。
【0027】この第2実施例の施工方法は、各攪拌軸1
4aを有機質土の所定深度まで貫入しながら有機ミルク
aを混合し、その後、この土から各攪拌軸14aを徐々
に引き抜く際に通常ミルクbを混合するものである。こ
の結果、地盤改良の工期が短縮され、かつより以上に施
工コストを少なくすることができるようにした例であ
る。以下、これを具体的に説明する。
【0028】まず、ベースマシン14を有機質土区域の
所定位置にセットし(図4(a)参照)、次いで各攪拌
軸14aを正回転させて、これを有機質土の所定深度ま
で貫入する(図4(b)参照)。この際、各攪拌軸14
aの先端から有機ミルクaを吐出し、これを有機質土と
混合して有機酸を封じ込める。各攪拌軸14aの先端が
有機質土の所定深度まで達したら、これを逆回転させ
(図4(c)参照)、これらの攪拌軸14aを有機酸が
封じ込められた土から徐々に引き抜いていく(図4
(d),(e)参照)。この際、各攪拌軸14aの先端
から通常ミルクbを吐出すると、通常ミルクbは攪拌翼
14cにより、この有機質改良された土と混合される。
このように、第2実施例の施工方法は、攪拌軸14aの
1ストローク目に有機質土の有機酸の封じ込みを行い、
2ストローク目に通常ミルクbにより強度補強するとい
う第1実施例の施工方法に比べて、地盤改良の工期が短
縮化し、より以上に施工費を低コスト化することができ
る。
【0029】なお、この第2実施例の施工方法を応用し
て、有機質土用セメント系固化材と有機質土との混合
に、粉体の有機質土用セメント系固化材を使用する粉体
方式を採用したものであってもよい。すなわち、まず、
ベースマシン14を有機質土区域の所定位置にセットし
(図4(a)参照)、次いで各攪拌軸14aを正回転さ
せて、これを有機質土の所定深度まで貫入する(図4
(b)参照)。この際、図外のコンプレッサーから圧送
された粉体の有機質土改質成分を各攪拌軸14aの先端
から噴出し、これを有機質土と混合して有機酸を封じ込
める。各攪拌軸14aの先端が有機質土の所定深度まで
達したら、これを逆回転させ(図4(c)参照)、これ
らの攪拌軸14aを有機酸が封じ込められた土から徐々
に引き抜いていく(図4(d),(e)参照)。この
際、各攪拌軸14aの先端から粉体の通常セメント成分
を噴出すると、通常セメント成分は攪拌翼14cによっ
て、この有機質改良された土と混合される。この結果、
より効果的に有機質土を固化することができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1〜請求項3に記載の発明にあっ
ては、まず有機質土用セメント系固化材を有機質土に混
合して有機酸を封じ込んだ後、この封じ込まれた土に通
常のセメント系固化材を混合するようにしたので、有機
質土の固化が確実化され、しかも比較的高価な有機質土
用セメント系固化材の使用量が比較的減少し、よって施
工費を低コストにすることができる。
【0031】特に、請求項2に記載の発明にあっては、
施工機の供給部材を、有機質土中へ貫入して引き抜くと
いう1ストローク中に、有機質土用セメント系固化材の
混合(貫入時)と、通常のセメント系固化材の混合(引
き抜き時)とを一連に行うようにしたので、地盤改良の
工期を短縮化することができ、かつ、より施工費を低コ
ストにすることができる。
【0032】また、請求項3に記載の発明にあっては、
有機質土用セメント系固化材と有機質土との混合に、粉
体の有機質土用セメント系固化材を使用する粉体方式を
採用したので、より効果的に有機質土を固化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る有機質土用セメン
ト系固化材を用いた地盤改良施工方法が適用される地盤
改良設備の全体構成図である。
【図2】(a)はベースマシンのセット状態を示す説明
図である。(b)は攪拌軸の有機質土への貫入中の状態
を示す説明図である。(c)は攪拌軸の貫入完了状態を
示す説明図である。(d)は有機質土用セメント系固化
材と有機質土との攪拌中の状態を示す説明図である。
(e)は有機質土用セメント系固化材と有機質土との攪
拌完了状態を示す説明図である。
【図3】(a)は攪拌軸の再貫入中の状態を示す説明図
である。(b)は攪拌軸の再貫入完了状態を示す説明図
である。(c)は有機酸が封じ込められた土と通常のセ
メント系固化材との攪拌中の状態を示す説明図である。
(d)は有機酸が封じ込められた土と通常のセメント系
固化材との攪拌完了状態を示す説明図である。
【図4】(a)はベースマシンのセット状態を示す説明
図である。(b)は有機質土用セメント系固化材と有機
質土との攪拌中の状態を示す説明図である。(c)は有
機質土用セメント系固化材と有機質土との攪拌完了状態
を示す説明図である。(d)は有機酸が封じ込められた
土と通常のセメント系固化材との攪拌中の状態を示す説
明図である。(e)は有機酸が封じ込められた土と通常
のセメント系固化材との攪拌完了状態を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
14 ベースマシン(施工機)、 14a 攪拌軸(供給部材)、 a 有機ミルクまたは有機粉体(有機質土用セメント系
固化材)、 b 通常ミルクまたは通常粉体(通常のセメント系固化
材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 要 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番1号 三菱マテリアル株式会社セメント開発セン タ−内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質土用セメント系固化材を、所定の
    深度領域内の有機質土と混合して、この有機質土に含ま
    れる有機酸を封じ込める工程と、 その後、この有機酸が封じ込まれた上記所定の深度領域
    内の土に、通常のセメント系固化材を混合する工程とを
    備えた有機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施
    工方法。
  2. 【請求項2】 上記有機質土用セメント系固化材の混合
    工程が、地盤改良用の施工機に配備された供給部材を、
    有機質土の所定深度へ徐々に貫入しながら行われる一
    方、上記通常のセメント系固化材の混合工程が、この土
    から上記供給部材を徐々に引き抜きながら行われる請求
    項1に記載の有機質土用セメント系固化材を用いた地盤
    改良施工方法。
  3. 【請求項3】 攪拌翼の回転により攪拌軸を所定深度ま
    で貫入しながら、この攪拌軸の先端部から有機質土用セ
    メント系固化材中の有機質土改質成分の粉体を噴出し
    て、この有機質土改質成分を所定の深度領域内の有機質
    土と攪拌混合することにより、この有機質土に含まれる
    有機酸を封じ込める工程と、 その後、上記攪拌翼の逆回転により攪拌軸を引き抜きな
    がら、この攪拌軸の先端部から、上記有機質土用セメン
    ト系固化材中の通常セメント成分の粉体を噴出し、この
    有機酸が封じ込まれた上記所定の深度領域内の土に、上
    記通常セメント成分を攪拌混合する工程とを備えた有機
    質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法。
JP19771597A 1997-07-07 1997-07-07 有機質土用セメント系固化材を用いた地盤改良施工方法 Withdrawn JPH1121876A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002029812A (ja) * 2000-07-14 2002-01-29 Akio Henmi 人工ゼオライト利用によるセメント系固化土における重金属溶出量を低減させる方法
JP2007209911A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Takenaka Komuten Co Ltd 深層混合処理による汚染土壌の処理工法
JP2009068331A (ja) * 2008-11-25 2009-04-02 Raito Kogyo Co Ltd 連続壁の構築方法
JP2015101830A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 一般財団法人砂防・地すべり技術センター 有機質土を構築材料に活用する砂防ソイルセメント工法

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