JP2007204941A - 炭酸化地盤改良工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セメント系材料を用いて機械的攪拌方式または高圧噴射方式で原位置での地盤改良を行う場合には,施工性を犠牲にすることなく地中に形成される構造体の緻密性を高め且つ中性化を図る。
【解決手段】 機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,混合処理部に骨格が形成された後,硬化完了前に,注入管を通じて該処理部にCO2源を注入することを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
【選択図】 図1
【解決手段】 機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,混合処理部に骨格が形成された後,硬化完了前に,注入管を通じて該処理部にCO2源を注入することを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
【選択図】 図1
Description
本発明は,セメント系材料を対象地盤の土と混合処理して所要の強度,遮蔽性,不溶化特性などを具備する構造体を形成するための地盤改良工法に係り,とくに,その構造体を施工性よく炭酸化して緻密化する炭酸化地盤改良工法に関する。
土木・建築・環境工事における基礎地盤の改良や,山留め工事,汚染地盤の囲い込み工事,汚染地盤の固化不溶化工事など,地盤中に所要の強度,遮蔽性,不溶化特性などを具備する構造体を形成する技術には種々の工法が知られている。そのうち,セメント系材料と対象地盤の土とを原位置で混合処理する工法としては,例えば非特許文献1に記載されているように,機械的攪拌による深層混合方式と,高圧噴射(流体切削)による深層混合方式が代表的である。
機械的攪拌方式では,スラリー状のセメント系材料を使用するものと,粉体のままのセメント系材料を使用するものとがある。前者ではプラントでセメント系材料をスラリー状にし,油圧ポンプで深層混合処理機の先端に圧送し,改良範囲の軟弱層全深度にわたって軟弱土とスラリーを攪拌翼で均一混合させる。後者では,粉体のまま空気輸送し,攪拌翼で掘削した空間へ充填し,土と混合させる。
高圧噴射方式では,噴射手段を先端に備えたロッドを切削孔に挿入し,該噴射手段から高圧流体を噴射し,その衝撃力で地盤を切削し,切削部分にセメント系材料を導入して充填するか切削土と混合する。高圧流体としては,エアー,水,グラウト,エアー+グラウト,水+エアー+グラウトなどが適宜使用される。
軟弱地盤対策工法,社団法人地盤工学会,1988年発行,P.153−179
軟弱地盤対策工法,社団法人地盤工学会,1988年発行,P.153−179
前記のようなセメント系材料を用いて機械的攪拌方式または高圧噴射方式で原位置での地盤改良を行う場合には,地中に形成される構造体の緻密性を高めるには限界がある。このために,セメント成分の溶出や地下水のpH変動を起こすことがあり,また外部から構造体劣化を招くイオン等の浸透を招くこともあった。したがって,汚染地盤を対象とした囲い込み工事(遮水壁の造成)では内部にシートを入れるなどの止水性向上のための補助工法を必要とした。また,地盤中に鉛などの両性金属汚染物質が含有されている場合には,地盤改良によってpHが上昇すると溶解度が上昇して,地下水中に溶出する危険があった。
したがって,普通ポルトランドセメントや高炉セメント等の常用セメント系材料を用いて機械的攪拌方式または高圧噴射方式で地盤改良を行う場合には,前記のような問題が付随するので,その解決策が求められていたが,常用のセメント系材料を使用する限り,その有効な対策は未知であった。
本発明者らはγビーライト(γ−2CaO・SiO2,以下,γC2Sと言うことがある)の炭酸化反応をこの工法に適用すると,前記の問題が解決できることを見い出した。すなわち,機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,そのセメント系材料にγビーライトを配合しておき,混合処理部に骨格が形成された後,硬化完了前に,注入管を通じて該処理部にCO2ガス含有気体や炭酸イオン含有液などのCO2源を注入すると,γビーライトの炭酸化反応により構造体が緻密化し,これによって前記の課題が解決できることがわかった。そのさい,セメント系材料に配合するγビーライト量は,処理対象土1m3当り50〜1000Kgの範囲であるのがよく,注入管は処理部に鉛直方向または水平方向に多数本挿入し,骨格中に均等にCO2源を導入するのがよい。
さらに,本発明によれば,噴射手段を先端に備えたロッドを切削孔に挿入し,該噴射手段から高圧流体を噴射して地中の地盤を切削すると共に切削部にセメント系材料を導入して切削土と混合処理する地盤改良工法において,そのセメント系材料にγビーライト粉を配合しておき,混合処理部にCO2ガス含有気体や炭酸イオン含有液などのCO2源を導入することを特徴とする炭酸化地盤改良工法を提供する。この場合のCO2源の導入は高圧流体の噴射と同時であってもよく,場合によっては,その後(骨格が形成された後)に注入管を挿入して行ってもよい。さらに,別の態様として,機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,A)前記のセメント系材料にγビーライト粉を配合しておき,前記の攪拌混合時に炭酸塩またはドライアイスを混合することを特徴とする炭酸化地盤改良工法,B)前記のセメント系材料にγビーライト粉を配合しておき,前記の攪拌混合時にカプセル化した炭酸塩またはドライアイスを混合することを特徴とする炭酸化地盤改良工法,およびC)前記のセメント系材料にγビーライト粉を配合しておき,混合処理部に炭酸イオンを含む地下水を侵入させることを特徴とする炭酸化地盤改良工法を提供する。前記Bにおいては,炭酸塩またはドライアイスを,水または弱アルカリ水溶液で可溶性の材料からなるカプセル内に装填しておく。
本発明によると,セメント系材料に配合されたγビーライトが処理土中にセメント系材料と一緒に強制的に混合される。そして,この分散したγビーライトにCO2が作用して炭酸化し,形成される構造体を緻密化する。その結果,セメント系材料の溶出を抑制し且つpHを低下させる。また,土壌中の有害物質が外部に流出するのを防止することができる。そして、構造物の高耐久化を図ることができる。要するところ,通常のセメント系材料を用いた機械的攪拌式または高圧噴射方式で地盤改良を図る場合に,その工法の有利な点をそのまま生かしなから,施工性よく構造体の緻密化を図ることが可能となり,改良地盤の強度の向上・高耐久化並びに環境改善に寄与することができる。
本発明は,機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,γビーライトを該セメント系材料に配合することと,土およびセメント系材料に混合されたγビーライトにCO2源を作用させることに特徴がある。以下にその好ましい態様について説明する。
セメント系材料としては,普通ポルトランドセメントや高炉セメント等の常用のセメント系材料を使用することができ,この場合に本発明の効果が最も有利に発揮される。しかし,他のセメント系材料を排除するものではなく,γビーライトの炭酸化作用を阻害しないセメント系材料であれば使用可能である。
本発明で用いる機械的攪拌方式による地盤改良工法は,例えば非特許文献1に記載されたスラリー状のセメント系材料を使用する方式或いは粉体のままのセメント系材料を使用する方式のいずれでもよい。いずれの場合にも,機械的攪拌工法に使用されるセメント系材料中にγビーライトを配合して本発明を実施する。
本発明で用いる噴射式攪拌方式による地盤改良工法は,例えば非特許文献1に記載されているように,噴射手段を先端に備えたロッドを切削孔に挿入し,該噴射手段から高圧流体を噴射し,その衝撃力で地盤を切削し,切削部分にセメント系材料を充填するかまたは切削土と混合する方式が適用できる。高圧流体としては,エアー,水,グラウト,エアー+グラウト,水+エアー+グラウトなどいずれの方式でもよい。高圧流体としてグラウトを用いる場合には,そのグラウト(セメント系材料)にγビーライトを配合する。場合によっては,水またはエア中にγビーライトを配合することもできるし,CO2源を配合することもできる。
本発明で用いるγビーライトは,γビーライト(γ−2CaO・SiO2)が主成分の粉体であればよい。すなわち,通常のγビーライトは,γ−2CaO・SiO2の他に,Al2O3 ,Fe2O3 ,MgO,Na2O,K2O,TiO2,MnO,ZnO,CuOなどの酸化物が不純物として固溶している場合があるが,このような鉱物を固溶したγビーライトも本発明でいうγビーライトに含まれる。例えば製鋼スラグのうちγビーライトの含有量の多い電気炉還元期スラグやステンレス鋼スラグを使用することができる。本発明で使用するγビーライトは,要するところCO2源と反応して炭酸化反応を起こすものであればよく,γ−2CaO・SiO2が主成分のものであればよい。その粉体はブレーン比表面積が1500〜8000cm2/g,好ましくは2000〜6000cm2/g,さらに好ましくは3000〜5000cm2/gであるのがよい。γビーライトの使用量を多くすればそれだけ構造体を緻密化できるが,あまり多くても効果が飽和するので,対象土壌やセメント系材料の使用量に合わせて適正な量を配合すればよいが,通常は,対象土壌1m3あたり50〜1000Kgの範囲であればよい。
機械的攪拌または噴射式攪拌によって土とセメント系材料中に配合されたγビーライトにCO2源を作用させると,セメント系材料で硬化した構造体が緻密化される。その緻密化のメカニズムは必ずしも明らかではないが,次のように考えられる。処理土中にセメント系材料と共にγビーライトが比較的多量に存在すると,γビーライトは水和反応せずに直接CO2と反応して多量のCaCO3とSiO2を生成する。さらに,セメントの水和反応で生成し,間隙水中にイオンとして存在するCa(OH)2もCO2と反応してCaCO3(固体)になる。このため,セメントだけによる硬化体のものに比べると, 早期に多量の反応生成物が生じ, これがセメント硬化体自身および土との隙間を埋めて緻密化するものと考えられる。
機械的攪拌または噴射式攪拌によって土とセメント系材料中に混合されたγビーライトにCO2源を作用させるには,基本的には注入管を用いて行うのがよい。CO2源としては気体,液体または固体を使用することができ,気体の場合には,CO2リッチガス例えば空気にCO2を混合したCO2富化空気を使用するのが便宜である。その場合のCO2濃度は1〜20vol.%であればよい。液体のCO2源としては,例えば炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムの水溶液等のCO3 2-イオンを含む水を使用すればよい。固体の場合にはドライアイスや炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩の粉状物が挙げられる。このような気体,液体または固体ののCO2源を注入管を用いて混合処理部に導入する場合には,注入管は混合処理部にほぼ均等にCO2源を導入できるように多数本を垂直に挿入するか,或いは水平方向もしくは傾斜して多数本を挿入し,これらから同時に注入するのがよい。
CO2源の注入の時期については,セメント系材料がある程度硬化して混合処理部に骨格が形成された後であるのが好ましい。目安としては,混合処理のあと1日〜7日の間がよい。液状のCO2を導入する場合には,混練水に混ぜて導入することもできる。すなわち,炭酸イオン含有液の注入は,セメント系材料の練混ぜ水の一部としても行うことができる。また,炭酸イオン含有液の注入は,処理部の養生時間帯域を通じて注入し続けることもでき,この場合には,養生期間中CO2源によってγビーライトの炭酸化が進行することになる。CO2源の導入は,場合によっては,γビーライトを配合したセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合するときに行うこともできる。そのさいにも,気体,液体または固体状のCO2源を混合することができるが,固体状のCO2源を混合する場合にはカプセル内に固体状のCO2源例えばドライアイスを装填した状態で混合することもできる。このカプセルを構成する材料として水または弱アルカリ水溶液で可溶性の材料を使用することにより,混合が完了したあとこのカプセルが溶解してCO2ガスが漸次放出し,γビーライトの炭酸化が進行する。なお,地下水に炭酸イオンを含む場合には,とくに外部からCO2源を供給しなくても,この地下水の浸透によってγビーライトの炭酸化を進行させることができる。
以下に,本発明の工法の代表的な具体例を図面を参照しながら説明する。
図1は,噴射攪拌方式による地盤改良工法に本発明を適用した例を示したもので,噴射手段を先端に備えた二重噴射管を切削孔に回転可能に挿入し,その噴射手段から圧縮空気とγC2S添加固化剤(γビーライトを添加したセメント系材料)を地中の軟弱地盤又は汚染地盤に噴射して該地盤を切削すると共に切削部にセメント系材料を導入して切削土と混合処理する例を示している。この混合処理のあと,図2または図3に示したような手段によりCO2ガスをγC2S改良体に接触させる。
図2では,混合処理部(改良体)に対し,混合処理の直後或いは数日後に鉛直井(注入管)を挿入する例を示している。この鉛直井は多重管構造が好ましい。多重管構造とすることで,複数の深度から所定CO2濃度の気体を噴射(スパージング)できる。また,図2ではガス吸引井を改良体より浅い位置まで挿入してある。CO2ガスの導入にさいしては,改良体の骨格が形成され,気体を送り込んでも流動しない状況にあった後に,地上にて作製したCO2濃度を調整した気体をコンプレッサーによって地盤中に吹き込む。これにより,改良体中のγC2SとCO2との反応により改良体が緻密化・中性化される。改良体を通過して改良体外に出たCO2を多量に含む気体については,ガス吸引井より回収して,再度CO2濃度を調整して地盤中に吹き込む。
図3では,水平井(注入管)を用いてCO2を地盤中に吹き込むようにした以外は,図2のものと実質的に同一である。この水平井も多重管構造であるのが好ましい。
図1の噴射攪拌方式に代えて,機械的攪拌方式による地盤改良工法を行う場合でも,掲載された改良体に対し,図2や図3と同様にしてCO2をγC2Sに接触させることができる。また削孔混練するさいにセメントスラリーを先端から注入しながら上下反復混練する方式によって改良体を形成する場合には(SMW工法),セメントスラリーにγC2Sを添加して削孔混練し,削孔混練機の先端部に設けられたエアー吐出口からCO2添加のエアーを吐出すればよい。
図4は,CO2源として炭酸イオン水を用いる場合の例を示したものである。前記のように噴射攪拌方式や機械的攪拌方式によってγC2S添加の改良体が形成された直後または数日後に鉛直井(注入管)を該改良体に挿入する。注入管は多重管構造にすることによって複数の深度から注水できる。改良体の骨格が形成され,圧力をかけて注水しても流動しない状況になった後に,地上にて作製した所定濃度の炭酸イオン水(例えば炭酸ナトリウム水溶液や炭酸水素ナトリウム水溶液など)を地盤中に該鉛直井(注入管)から注水する。これにより,改良体中のγC2Sと炭酸イオンとが反応し,改良体が緻密化・中性化される。
図4において,鉛直井に代えて図3のような水平井(注入管)を用いても,同様に炭酸イオン水を地盤中に注水することができ,改良体中のγC2Sと炭酸イオンとが反応し,改良体が緻密化・中性化される。水平井も多重管構造にするのが好ましい。
図5は,図1のような噴射攪拌方式で地盤改良する場合の,本発明の他の応用例を示したものである。すなわち,二重管の一方の先端からはγC2S添加のセメント系材料(γC2S添加固化剤)を噴射し,他方の先端からは所定CO2濃度の気体を噴射することで地盤を切削しながら,切削土,γC2S,セメント系材料およびCO2を混合処理する。これにより,γC2Sが炭酸化して改良体は緻密化・中性化される。なお施工中において,気体はガイド管を通じて地上に上昇してくるので,それらはスライムタンクに戻し,再度,CO2濃度を調整して噴射用気体として利用することができる。
図6は,図5の二重管に代えて三重管を用いた場合の応用例を示したものである。すなわち,噴射流体としてCO2添加圧縮空気,高圧水,固化剤(γC2S添加セメント系材料)の三種を使用し,これらを三重噴射管の先端付近から地盤中に噴出する。CO2添加圧縮空気と高圧水についは地盤切削用に使用され,両者を高さの異なる2点から交点をもつように噴射することにより,圧力を分散させ高精度に改良範囲を管理することができる。γC2S添加セメント系材料は噴射管の下端から注入する。これによって原地盤の土,水,セメント系材料,γC2S,CO2が混合され,緻密かつ中性な改良体(構造体)が形成される。
図7は,汚染地盤の浄化処理を行った後,施工された浄化体の近傍を穴埋めするさいに,本発明の地盤改良工法を適用する例を示したものである。図7において,まず,二重噴射管(図の左側)から浄化剤混合水と圧縮空気を噴射して地盤を切削・混合し,浄化体を形成する。浄化剤は化学的あるいは微生物的に汚染物質の分解無害化を行う作用を有するもの(例えば鉄粉)が使用される。浄化剤の反応性や微生物活動の条件によっては中性に近いことが好ましい場合がある。そのような場合に,施工後の穴埋め充填材として,地上部においてγC2S添加セメント系材料を作製し,これを図7の噴射管(図の右側の一重管)からCO2添加の圧縮空気を用いて吹き込み,浄化体の上部に充填する(蓋をする)。
なお,図1〜7のいずれの場合でも,セメント系材料にγC2Sを添加するさいの練混ぜ水として,所定濃度の炭酸イオン水(例えば炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムの水溶液)を用いることができ,この場合には,炭酸養生のための設備や時間が削減されると共に緻密化・中性化した改良体(構造体)の急速施工が期待できる。
Claims (12)
- 機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,混合処理部に骨格が形成された後,硬化完了前に,注入管を通じて該処理部にCO2源を注入することを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
- CO2源は,CO2ガス含有気体または炭酸イオン含有液である請求項1に記載の炭酸化地盤改良工法。
- セメント系材料に配合するγビーライト量は,処理対象土1m3当り50〜1000Kgの範囲である請求項1または2に記載の炭酸化地盤改良工法。
- 注入管は処理部に鉛直方向または水平方向に多数本挿入される請求項1,2または3に記載の炭酸化地盤改良工法。
- 噴射手段を先端に備えたロッドを切削孔に挿入し,該噴射手段から高圧流体を噴射して地中の地盤を切削すると共に切削部にセメント系材料を導入して切削土と混合処理する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,混合処理部にCO2源を導入することを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
- CO2源は,CO2ガス含有気体または炭酸イオン含有液である請求項5に記載の炭酸化地盤改良工法。
- 炭酸イオン含有液の注入は,セメント系材料の練混ぜ水の一部としても行われる請求項2または6に記載の炭酸化地盤改良工法。
- 炭酸イオン含有液の注入は,処理部の養生時間帯域を通じて注入し続ける請求項2または6に記載の炭酸化地盤改良工法。
- 機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,前記の攪拌混合時に炭酸塩またはドライアイスを混合することを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
- 機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,前記の攪拌混合時にカプセル化した炭酸塩またはドライアイスを混合することを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
- 炭酸塩またはドライアイスは,水または弱アルカリ水溶液で可溶性の材料からなるカプセル内に装填されている請求項10に記載の炭酸化地盤改良工法。
- 機械的攪拌方式または噴射攪拌方式によりセメント系材料を対象地盤の土と攪拌混合する地盤改良工法において,前記のセメント系材料にγビーライトを配合しておき,混合処理部に炭酸イオンを含む地下水を侵入させることを特徴とする炭酸化地盤改良工法。
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