JP3642782B2 - 土壌改良方法 - Google Patents

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本発明は、土壌改良方法に関し、より詳細には、有害な有機化合物、特に揮発性有機化合物により汚染された土壌を浄化するともに、原地盤の地耐力の低下を防止し、または、建設機械のトラフィカビリティを確保することを可能にする土壌改良方法に関する。
汚染土壌の浄化において、金属触媒と酸化剤との反応によって生成する強い酸化力を有するラジカルにより、トリクロロエチレンといった有機塩素化合物を酸化分解して無害化する方法(触媒酸化法)が用いられている。この方法は、金属触媒および酸化剤が汚染物質である有機塩素化合物と接触することにより、短時間で化学反応を起こし、二酸化炭素と塩化物イオンとに分解して無害化することから、従来使用されている通気井戸などから空気や温風を通気して土壌中からストリッピングする方法や土壌ガス吸引法に比べて浄化期間を大幅に短縮することができるという利点を有している。従来の土壌ガス吸引法などは、吸引したガスを分解するなどの二次処理を必要とし、また、二次処理において塩化ビニルモノマーといった副生成物が発生するため、さらなる処理が必要となるといった問題を生じていたが、触媒酸化法は、二次処理を必要とすることなく、浄化期間も短縮でき、残留性のない酸化剤と自然環境中に存在する金属触媒を使用することで、環境負荷を小さくすることができるという利点を有している。
上記触媒酸化法を用いて汚染土壌を浄化する方法としては、上記有機塩素化合物により汚染された汚染土壌を掘削し、混練機の中に掘削した土壌と金属触媒および酸化剤とを入れ、混合し、仮置きして酸化反応の進行を待ち、浄化されたことを確認した後、浄化された土壌を再び元の位置に埋め戻す方法が使用されている(例えば、特許文献1参照)。仮置きする場所がない場合、金属触媒および酸化剤を添加して混合した後、直ちに埋め戻し、地中において酸化反応の進行を待つ方法も用いられている。
上述した触媒酸化法を用いた汚染土壌を浄化する方法においては、土壌と、金属触媒および酸化剤とを充分に混合させて浄化することを可能にするものの、土壌を掘削して排土し、それを混練機に入れ、浄化した後に再び埋め戻すといった工程が必要であり、また、混練機の容量は決められているため、効率よく浄化を行うことができないといった問題があった。
これらの問題に鑑み、排土し、再び埋め戻すといった工程を排除し、土壌に直接金属触媒および酸化剤を噴射し、攪拌する方法が提案されている。例えば、所定量の鉄粉を水などに混入し、ビット先端のノズルから噴射しながらボーリングを行う、原位置における鉄粉注入による汚染土壌浄化方法が提案されている(特許文献2参照)。また、先端付近に撹拌翼を有するロッドを回転させつつ、汚染地盤中に貫入する貫入工程と、汚染地盤に過酸化水素と第1鉄塩を供給する供給工程と、汚染地盤を撹拌翼によって撹拌する工程と、ロッドを引き抜く引き抜き工程とを含み、撹拌工程において、過酸化水素と第1鉄塩とが供給された汚染地盤が撹拌され、汚染地盤と過酸化水素と第1鉄塩とが混合される汚染地盤の清浄化方法が提案されている(特許文献3参照)。汚染地盤を削孔して注入井を挿入し、注入井に設けられた注入用ノズルから汚染地盤中に、有害物質を不溶化させる不溶化剤を注入する汚染地盤の浄化方法が提案されている(特許文献4参照)。この浄化方法は、不溶化剤として硫酸第1鉄を用い、間欠タイミングでパルス状に噴射注入するものである。
しかしながら、上述した方法は、水に溶解した鉄粉または硫酸第1鉄水溶液を噴射し、撹拌翼などにより撹拌して土壌と鉄および過酸化水素とを混合することを可能にし、また、不溶化剤を高圧の空気とともに送り、間欠的に噴射することで地盤中のより遠い位置まで行き渡らせることを可能にするものの、1つのノズルからでは一方向の土壌にのみ噴射されるため、ノズルの向きを変更しなければならず、また、土壌中においてノズル向きを変更することは容易ではなく、ロッドに開口部がある場合にはより遠くにまで噴射させることが困難であり、間欠的に噴射するのみでは全体に行き渡らないといった問題があった。また、現実には、鉄粉がノズルまたは開口部から噴射される際、水溶液中に均一なままで、または空気中に均一なままで噴射することは困難であり、途中のラインなどにおいて堆積し、効果的に噴射させることが困難となっており、硫酸第1鉄水溶液のように水溶液にすることで堆積や目詰まりなどを抑制することができるものの、溶液を多量に必要とするといった問題があった。
そこで、原位置において鉄粉および過酸化水素を噴射させつつ、土壌と撹拌し、均一に混合する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この方法は、撹拌部材を使用して所定深さまで掘削した後、その撹拌部材に設けられる注入管から鉄粉および過酸化水素を噴射し、かつ撹拌部材により土壌に均一に混合するというものである。また、原位置において地盤改良または土壌浄化する方法としては、撹拌軸、固定撹拌翼、自在回転翼、自在回転翼および固定撹拌翼の両側に設けられ地盤改良剤を吐出させるノズルから構成される装置を使用し、地盤改良剤をノズルから噴射させ、固定撹拌翼と自在回転翼を回転させて土壌と地盤改良剤とを混合する方法や、ブームまたはリーダーを有する基台と処理手段とロッドと駆動手段とを備える装置を使用し、駆動手段によりロッドを回転させ、地盤改良剤を噴射させつつ、撹拌混合する方法や、撹拌混合翼を回転させながらセメントなどの固化材を含むスラリーまたはグラウトを噴射供給し、土砂とスラリーまたはグラウトとを混合撹拌する方法などが提案されている(例えば、特許文献6〜特許文献10参照)。
また、地下水または土壌の汚染、特に、揮発性有機塩素化合物による汚染において、分解剤として新規鉄粉または酸化鉄粉を使用して浄化する方法、水に鉄粉を分散させただけのスラリーで供給すると地盤強度が低下するため、低アルカリ性セメントをスラリーとして使用し、そのスラリーに金属系還元剤を混入して使用し、そのスラリーを供給して浄化する方法、鉄粉を含むスラリーを攪拌翼が設けられたロッドなどを使用して原位置で注入、攪拌混合する方法などが提案されている(非特許文献1〜非特許文献12参照)。これらの文献は、適切な鉄粉の配合量、適切な形状や比表面積に成形した新規鉄粉、酸化鉄系材料の使用、還元鉄粉や電解鉄粉などの複数種の鉄粉の混合物の使用、反応活性な鉄粉微粒子の使用、コロイド鉄粉の使用、改良した鉄粉混合設備の使用、鉄粉スラリー(CI剤)の使用、各種鉄粉の浄化性能比較、混合攪拌機の使用による原位置浄化について、また、低アルカリ性セメントと金属系還元剤とを使用し、浄化とともに地盤強化も行うことができることを開示している。
上述した撹拌部材を用いる土壌浄化方法は、1つの注入管を用いて鉄粉を圧縮空気に分散させた状態で供給するとともに、別の注入管を用いて過酸化水素を供給するものであり、少なくとも2つの注入管が必要であり、また、上記鉄粉を用いる土壌改良または土壌浄化方法では、鉄粉を圧縮空気に分散させた状態で供給することは難しく、圧縮空気を大量に供給する割合には土壌中に供給する鉄粉量が少なく、所定量の土壌に対して所定量の鉄粉を供給するには長時間を要するといった問題があった。また、水に鉄粉を分散させて供給する場合、錆を生じたり、供給ラインが長い場合には、比重が大きいためにライン途中において堆積し、所定量の鉄粉を供給することができないといった問題があった。これに対し、酸化鉄粉を用いた場合、比重が小さいため、ライン途中で堆積しにくいといった利点を有する。しかしながら、酸化鉄粉を使用し、スラリーで供給する場合、多量の水が必要であり、この多量の水を土壌に供給することで、地盤強度が低下するといった問題があった。なお、地盤強度に対しては、上述したセメント系固化材、石灰または石膏などを供給して地盤強度を高めることができるが、地盤の固化が急速であるため、鉄粉を土壌に行き渡らせる前に固化し、土壌浄化を充分に行えないといった問題があった。セメントや石灰は、アルカリ性であり、水和反応により強度を発現し、安価で、充分な強度を得ることができるという特徴を有する。しかしながら、これらは、これらに含まれる水酸基が鉄又は酸化鉄と反応しやすく、鉄粉または酸化鉄粉と有機塩素化合物との反応を阻害するため、セメントを混合した土壌では充分な浄化を行うことができないといった問題があった。また、セメントにおいては微量に有害な六価クロムが含まれ、石灰においては固化時の発熱が大きく、臭気ガスが発生するといった問題もあった。上記反応の阻害を低減させるため、低アルカル性セメントを用いることができるが、セメントに比べて高価であり、低いながらもアルカリ性であるため、多量には使用することができず、また、充分な強度を得ることができないといった問題があった。この低アルカリ性セメントは、特に、多量に使用する必要がある含水比の高い地盤には適用することができないといった問題があった。
そこで、中性である石膏を供給して地盤強度を高めることができるが、鉄粉を土壌に充分に混合した後、上記石膏を供給する場合、2つの工程を必要とし、その結果、施工期間が長くなるといった問題があった。上述した原位置で撹拌および混合する方法では、1つの箇所の処理が終了した後、次の箇所に移動して同様の処理を行うことで所定範囲の土壌を浄化することができるが、その1つの箇所に石膏を供給した場合、次の箇所において処理を行う際に、その箇所が固化しているため、その固化した箇所に接しないように処理位置を選択しなければならず、この結果、処理した箇所と処理した箇所との間隔が広くなり、処理しない部分が多く残るといった問題があった。また、処理しない部分を少なくするため、処理範囲をオーバーラップさせた場合、一度固化した箇所が崩壊され、割れなどを生じ、所定強度を得ることができないといった問題があった。したがって、石膏を土壌と充分に混合し、均一に石膏を行き渡らせ、均一な強度の地盤を提供することは困難であった。
特開2002−326080号公報 特開2000−135483号公報 特開2001−079534号公報 特開2001−129526号公報 特開2003−251327号公報 特開平8−120664号公報 特開平8−338018号公報 特開2001−355230号公報 特開2001−355233号公報 特開2002−206233号公報 清水要樹、他2名、「新規鉄粉を用いた揮発性有機塩素化合物の還元分解挙動」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.6−7 木村玄、他5名、「揮発性有機塩素化合物による汚染土壌の原位置浄化方法」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.38−39 桜井薫、佐々木謙一、「酸化鉄系材料「MT−VOC」によるVOCs分解に関する一考案」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.100−101 沖中健二、他4名、「鉄粉類を利用したTCE分解に関する基礎的研究」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.186−187 大泉哲朗、他2名、「コロイド鉄粉を用いた土壌浄化方法」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.210−211 上原大志、他2名、「VOCs汚染土壌の鉄粉法処理におけるトリータビリティ試験の重要性」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.306−307 河合達司、他2名、「CVOC汚染土壌の分解浄化剤の比較検討」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.308−311 小川優、他3名、「VOCsと重金属の複合汚染土壌の処理について」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.378−379 村井貞人、他5名、「鉄粉(CI剤)によるVOC分解のための原位置攪拌方法の検討」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.418−419 江口正浩、他5名、「触媒酸化法によるVOC汚染土壌の浄化」、地下水・汚染土壌とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.428−429 根岸昌範、他3名、「浄化用鉄粉の反応性とその支配要因」、地下水・汚染土壌とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.432−433 有山元茂、他3名、「VOCs汚染に対する原位置浄化技術の適用例」、地下水・汚染土壌とその防止対策に関する研究集会 第9回 講演集、2003年6月19日−20日、p.482−485
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、排土を伴うことなく、原位置における浄化処理を可能にするとともに所定量の土壌に対して必要な量の鉄粉または酸化鉄粉を供給し、広範に行き渡らせ、少ない工程で、短期間で、かつ安価で浄化を行うことを可能にし、さらには地耐力の低下を防止することを可能にする土壌改良方法を提供することを目的とする。また、本発明では、特に、揮発性有機塩素化合物の高い分解能力を有するマグネタイトを含む酸化鉄粉を用い、従来の鉄粉を使用した土壌浄化に比較して短期間で浄化することができ、また、比重が小さいため、分散状態のまま供給することができ、土壌中に充分に行き渡らせることができ、土壌中の汚染物質である揮発性塩基有機化合物をより低減させることができる土壌改良方法も提供する。
本発明は、焼き石膏を鉄粉または酸化鉄粉とともに供給することにより土壌の固化速度を遅延させることができることを見出すことによりなされたものである。この遅延により、土壌への供給途中で固化することもなく、土壌に鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを行き渡らせることができ、土壌を充分に撹拌および混合することもできる。また、鉄粉に比較して比重の小さい酸化鉄を使用することにより、水に分散させた状態を保持したままで供給することを容易にし、また、高い分解能力を有するマグネタイト(Fe)を含む酸化鉄粉を使用することにより、鉄粉に比較して高い浄化作用を付与することもできる。さらに、土壌に噴射させ、土壌に充分に浸透させた後(撹拌混合する場合には充分に撹拌混合した後)に、土壌を固化させることができるため、広範囲にわたる充分な浄化が期待できるとともに、地耐力の低下も防止することができる。本発明の上記目的は、本発明の土壌改良方法を提供することにより達成される。
すなわち、本発明の請求項1の発明によれば、先端部に切削部材と少なくとも1つの注入管とを備える掘削部材を回転可能に、かつ昇降可能に支持する支持手段により回転および降下させて土壌を掘削するステップと、
前記掘削部材を回転させつつ、前記少なくとも1つの注入管から該掘削部材周囲の前記土壌に向けて、水に、鉄粉またはマグネタイト(Fe)を含む酸化鉄粉と焼き石膏とを分散させたスラリー、または、圧縮空気または窒素に、前記鉄粉または前記酸化鉄粉と前記焼き石膏とを分散させたガスを噴射させるステップとを含む、土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項2の発明は、前記スラリーは、前記鉄粉または前記酸化鉄粉と前記焼き石膏とを混合後、前記水に分散させて、または、前記水に前記鉄粉または前記酸化鉄粉を分散させた後に、前記焼き石膏を分散させて製造することを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項3の発明は、前記掘削部材は、周部に羽根を備えており、前記支持手段により該掘削部材を回転させ、前記羽根の回転により前記土壌と前記スラリーまたは前記ガスとを混合するステップをさらに含む土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項4の発明は、前記掘削部材は、先端部に切削部材と、周部に羽根と、前記羽根の縁部に向けて配設される少なくとも1つの注入管とを備える撹拌部材である土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項5の発明は、前記掘削するステップと前記噴射させるステップとが同時に実行されることを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項6の発明は、前記掘削するステップと前記噴射させるステップと前記混合するステップとが同時に実行されることを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項7の発明は、前記掘削するステップでは、前記撹拌部材を所定方向に回転させて前記土壌の所定深さまで掘削するとともに該土壌を撹拌し、前記噴射させるステップおよび前記混合するステップでは、前記撹拌部材を前記所定方向とは逆方向に回転させて地表面に向けて上昇させるとともに、前記スラリーを噴射させ、かつ前記土壌を撹拌することを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項8の発明は、前記撹拌部材は、先端部に前記切削部材を備える先導管と、前記先導管が連結される中空の軸体と、前記軸体に周設される螺旋状羽根と、前記螺旋状羽根の上面および下面に配設される複数の突出部材と、前記軸体の内部を通して配設され、前記軸体を貫通して前記螺旋状羽根の縁部に向けて配設され、前記スラリーを噴射させるための前記少なくとも1つの注入管とを備えており、前記軸体は、長さ方向に沿った中央部において径が大きく、かつ両端部において径が小さくなるように形成されていることを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項9の発明は、前記支持手段は、移動するための走行部と、前記掘削部材を連結するロッドと、前記ロッドを正逆両方向に回転させるとともに該ロッドを支持する挟持部と、前記ロッドを昇降させる昇降手段とを含み、前記掘削するステップは、前記挟持部により前記ロッドを回転させ、前記昇降手段により前記ロッドを降下させるステップを含み、前記噴射させるステップは、前記挟持部により前記ロッドを回転させるステップを含み、前記混合するステップは、前記挟持部により前記ロッドを回転させ、前記昇降手段により前記ロッドを上昇させるステップを含む土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項10の発明は、前記鉄粉は、前記土壌1mに対し、10kg〜100kg供給され、前記水と前記鉄粉との質量比が、1:1〜20:1の範囲とされ、前記焼き石膏と前記鉄粉との質量比が、1:1〜10:1の範囲とされることを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の請求項11の発明は、前記酸化鉄粉は、前記土壌1mに対し、15kg〜150kg供給され、前記水と前記酸化鉄粉との質量比が、2:1〜15:1の範囲とされ、前記焼き石膏の添加量は、前記酸化鉄粉の質量の2〜20倍であることを特徴とする土壌改良方法が提供される。
本発明の土壌改良方法を提供することにより、排土を生じることがなく、土壌を均一に浄化することができ、地耐力の低下を防止することができ、さらには地耐力を向上させることも可能となる。上述した酸化鉄粉を使用することで、有機塩素化合物をより低減させることができ、浄化のための期間を短縮することができる。
本発明の土壌改良方法は、汚染土壌を浄化するとともに地耐力の低下を防止するものであり、汚染土壌の浄化に関して、特に、土壌中の揮発性有機塩素化合物を分解、除去するのに有用な方法である。揮発性有機塩素化合物としては、テトラクロロエチレン(TCE)、ペルクロロエチレン(PEC)、1,1−ジクロロエチレン(DCE)、トランス−1,2−DCE、シス−1,2−DCE、1,1,1−トリクロロエタン(TCEt)、1,1,2−TCEt、ジクロロメタン(DCM)などが挙げられる。本発明の方法では、その他、ダイオキシン類、残留農薬なども分解、除去することができる。これらの分解、除去は、鉄粉またはマグネタイト(Fe)を含む酸化鉄粉を分散させた水、または、該鉄粉または該酸化鉄粉を圧縮空気または窒素に分散させたガスを土壌に噴射し、土壌に浸透させ、広範に行き渡らせることにより行われる。本発明では、充分に撹拌および混合することにより、均一に行き渡らせ、より効果的に分解および除去することができる。
本発明に使用される鉄粉は、水、圧縮空気または窒素とともに供給することができる粒径であればいかなる粒径のものであってもよく、例えば、粒径が0.05μm〜150μmのものを用いることができるが、水またはガスに分散しやすい、粒径が小さいもののほうが好ましい。また、鉄粉を供給する状態としては、水、圧縮空気または窒素に鉄粉を混合させ、鉄粉の粒と粒との間に水、圧縮空気または窒素を含んだ、水、圧縮空気または窒素に分散した状態で供給され、土壌に向けて噴射されることが好ましい。鉄粉を噴射される量としては、いかなる量であってもよいが、充分な浄化作用を付与するためには、土壌1mあたり、例えば、10kg〜100kgとすることができる。鉄粉は、粒径が一定ではなく、粒度分布があるほうが、粒と粒との間に水やガスを含みやすく、分散した状態になりやすいので好ましい。鉄粉供給の際、粉塵爆発を生じるおそれがある場合には、圧縮空気ではなく、窒素を供給することができる。本発明においてスラリーまたはガスは、圧力が高いほど、供給ライン途中において鉄粉の堆積がなくなるので好ましく、例えば、スラリーでは15MPa〜20MPa、ガスでは0.7MPaとすることができる。なお、鉄粉の供給量は、圧縮空気とともに供給する場合、粉塵爆発を起こさない爆発下限界濃度未満になる量とすることができ、具体的には、空気1m中の鉄粉濃度を0.1kg以下とすることができる。また、本発明では、汚染土壌に対する鉄粉を混合する割合は、汚染土壌における揮発性有機塩素化合物などの濃度によって異なり、適切な量を混合することができる。スラリー状態で供給する場合、地盤強度を低下させないように水が少ないほど好ましいが、上記鉄粉を供給することができる量として決定することができる。本発明では、例えば、水と鉄粉との質量比を、1:1〜20:1とすることができる。
本発明では、鉄粉のほか、水、圧縮空気または窒素に分散しやすく、より高い浄化作用を付与することができる酸化鉄粉を使用することができる。本発明に使用される酸化鉄粉は、マグネタイト(Fe)を約70質量%〜約90質量%含有することが好ましい。なお、その他の成分については、例えば、純鉄(Fe)や2価鉄(Fe2+)などとすることができる。2価鉄としては、2価の酸化鉄(FeO)などとすることができる。鉄粉を用いる土壌浄化では、鉄粉を汚染土壌に混合した場合、例えば、TCEは中間副生成物であるシス−1,2−DCEなどを生じ、最終的に多くがエチレンおよびアセチレンに分解されるが、上記酸化鉄粉を用いた場合には、エチレンガスやアセチレンガスへの分解に止まらず、分解反応が炭酸ガスまで進行する。本発明では、上記酸化鉄粉を用いることにより、浄化処理工程においてエチレンやアセチレンといった副生成物を生じないため、それらの副生成物を処理するための他の工程や装置を必要とせず、処理期間を大幅に短縮することができるので、上記酸化鉄粉を使用することが好ましい。
また、本発明に使用される酸化鉄粉は、比重が4〜5であり、平均粒子径が0.05μm〜0.2μmのものを用いることができる。このように、比重7.8の鉄粉に比べて比重が小さく、かつ微細な粒子径のものを用いることにより、水に容易に分散し、安定なスラリーを形成することができる。供給圧力は、水に分散した状態で供給することができるのであればいかなる圧力であってもよい。また、比重が小さいため、圧縮空気中にも容易に、かつ均一に分散させることができ、途中のライン中に堆積することなく、所定量を供給することができる。なお、圧縮空気の圧力は、ライン途中における堆積をなくし、広範囲へ噴射させるためには、高いほど好ましいが、上述したように比重が小さく、微細なものであるため、例えば、0.7MPaといった低圧で供給することができる。また、この酸化鉄粉は、鉄粉とは異なり、二次的に発生する赤錆による赤水を生じることがないといった利点も有する。本発明では、上記酸化鉄粉を用いることにより、より少ない水量、圧縮空気量で、かつ低圧で、所定量供給することができる。
本発明では、汚染土壌に対する上記酸化鉄粉を混合する割合は、汚染土壌における揮発性有機塩素化合物の濃度によっても異なるが、土壌1mに対し、15kg〜150kgとすることができる。また、水とともに供給する場合には、水:酸化鉄粉が、質量比で2:1〜15:1とすることができる。なお、酸化鉄粉は多いほど分解、除去作用を付与することができるが、安価で実施し、かつ酸化鉄粉を供給するために水量が増加することによる地耐力の低下を抑制するため、上記値とすることが好ましい。
ここで、上記酸化鉄粉を、30質量%の水分が含まれたpH7.5の、PCEの初期濃度が約6000ppmの土壌に5質量%となるように混合した場合、4ヶ月後には20〜30ppmまでPCEを分解することができ、初期濃度が約300ppmでは、1ヶ月後に約0.01ppmまで分解することができ、初期濃度が約20ppmでは、2週間後に約0.001ppmまで分解することができる。なお、鉄粉を混合し、上記各濃度まで分解するためには、10倍以上の期間が必要である。
本発明の土壌改良方法は、例えば、スラリーで供給する場合、鉄粉または上記酸化鉄粉と水とからなるスラリーに、さらに焼き石膏を添加して供給される。この焼き石膏が添加されたスラリーの使用によって、水分を多く含む地盤や、上記のようにして酸化鉄粉とともに水を供給することにより、または、噴射あるいは撹拌混合することにより軟化する地盤などにおいて、所定の強度を得ることができる。従来から地盤強度を高めるために石膏を使用することは知られている。しかしながら、石膏を水に添加し、供給しようとする場合、容器内で固まったり、ライン途中で固まったり、供給することができたとしても、供給した部分のみの土壌が急速に固まり、所定範囲全体の土壌を撹拌できず、その範囲に均一に石膏を分散させ、均一に固めることができないという問題がある。また、別途、石膏のみを供給するにしても、土壌に添加して急速に固まり、上述したように撹拌できない以上、土壌全体にわたって所定強度の地盤を得ることができない。なお、地盤強度を高めるためには、石膏のほか、セメントなどを用いることもできる。セメントは、アルカリ性であり、水和反応により強度を発現し、安価で、充分な強度を得ることができるという特徴を有する。しかしながら、アルカリ性であるセメントは、上述したように、鉄粉または酸化鉄粉と有機塩素化合物との反応を阻害するため、セメントを混合した土壌では充分な浄化を行うことができない。そこで、低アルカル性セメントを用いることができるが、セメントに比べて高価であり、低いながらもアルカリ性であるため、多量には使用することができず、また、充分な強度を得ることができないといった問題がある。この低アルカリ性セメントは、特に、多量に使用する必要がある含水比の高い地盤には適用することができないといった問題がある。
これに対し、本発明で使用される焼き石膏は、中性の固化材であり、水和反応により強度を発現するものではないため、土壌に混合してすぐに強度を発現し、含水比の高い地盤に対しても適用することができる。例えば、混合して3日経過後では、約0.5MN/mの地盤強度を得ることができる。上述したように、すぐに強度を発現する場合、土壌に供給した後に充分な撹拌および混合を行うことはできない。しかしながら、本発明では、多量の水に鉄粉または酸化鉄粉を分散させた後に焼き石膏を添加することで、または、多量の水に鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを同時に添加することで、焼き石膏による固化速度を遅延させることができることを見出すことにより、焼き石膏を添加したスラリーを供給し、撹拌および混合して、土壌中に鉄粉または酸化鉄粉を均一に分散させることができるとともに、石膏も均一に分散させることができ、土壌全体にわたってより高い強度の地盤を得ることができる。
本発明に使用することができる焼き石膏は、硫酸カルシウムの二水和物(CaSO・2HO)を低温加熱処理することにより得ることができる。例えば、硫酸法により酸化チタンを製造する際に発生する廃硫酸を、炭酸カルシウムを用いてpHを5とし、pHを5とすることにより生成する生成物を非酸化性雰囲気下、150℃で1時間加熱焼成することにより得ることができる。また、本発明において焼き石膏と鉄粉との質量比は、スラリー中の水量や土壌中の水分量によって決定することができるが、例えば、0.01:1〜200:1とすることができる。本発明では、充分な揮発性有機塩素化合物の分解除去効果を得るのに必要とされる土壌1mあたり10kg〜100kgの鉄粉量、およびその鉄粉を供給するために必要とされる、水と鉄粉との質量比が1:1〜20:1とされる水量を考慮し、充分な地盤強度を得るとともに安価で実施するために、焼き石膏と鉄粉との質量比は1:1〜10:1とすることが好ましい。例えば、スラリー中の焼き石膏の量が多い場合、土壌強度を高めることができるが、供給するスラリー粘度が上昇し、このスラリー粘度の上昇は、スラリー供給手段の能力を増強する必要が生じ、かつ多くの電力も消費することとなる。一方、焼き石膏の量が少ない場合、土壌強度が不充分なものとなる。したがって、これら地盤強度や設備コストなどの点から、上述した範囲の添加量が好ましい。
また、本発明では、上記酸化鉄粉を使用する場合の焼き石膏の添加量は、酸化鉄粉の質量と同じか、それ以上であることが好ましく、2〜20倍であることがより好ましい。また、焼き石膏の添加量は、酸化鉄粉およびこの焼き石膏とともに供給される水量、土壌に含まれる水量により決定することができる。すなわち、酸化鉄粉を水に分散させたスラリー中に添加する焼き石膏の量が多い場合には、土壌強度を高めることができるが、供給するスラリー粘度が上昇し、このスラリー粘度の上昇は、ポンプといった供給手段の能力を増強する必要が生じ、かつ多くの電力も消費することとなる。反対に、焼き石膏の量が少ない場合には、土壌強度が不充分なものとなる。したがって、これら地盤強度や設備コストなどの点から、上述した範囲の添加量が好ましい。なお、本発明では、粉末状のものが好ましく、上記スラリーに限らず、圧縮空気とともに供給することもできる。
充分かつ短期間で土壌浄化するためには、所定量の土壌に対して所定量の鉄粉または上記酸化鉄粉が確実に供給され、かつ広範囲にわたって行き渡らせる必要があり、加えて均一に分散した状態とされることが好ましい。また、所定強度で、かつ均一な強度の地盤を得るためには、焼き石膏も、所定量が確実に、かつ広範囲にわたって行き渡らせ、加えて均一に分散した状態とされることが好ましい。これらを実現するために使用される装置について以下に説明する。
図1は、本発明の土壌改良方法に使用される装置の概略を示した図である。ここでは、水に酸化鉄粉と焼き石膏とを分散させたスラリーを使用する場合について説明する。図1に示す装置は、先端部に切削部材1と軸体2の周部に螺旋状羽根3とスラリーを噴射させるための注入管とを備える撹拌部材4と、撹拌部材4を回転可能に支持し、かつ撹拌部材4を昇降可能にし、撹拌部材4の注入管などに接続されるラインを備える支持手段5と、スラリーが収容される容器6と、容器6に接続され、スラリーを供給する供給手段7と、供給手段7と支持手段5の上記ラインとを接続するライン8と、図示しない圧縮空気を供給するラインおよび圧縮空気供給手段とを含む構成とされている。なお、図1に示す実施の形態では、土壌を掘削し、スラリーを噴射させ、さらには土壌とスラリーとを撹拌、混合することを可能にする撹拌部材4が掘削部材として使用されている。
図1に示す撹拌部材4は、掘削方向に向いた先端部に、土壌を掘削するための切削部材1と、掘削方向に向いた先端部から圧縮空気を噴射させることを可能にする軸体2と、掘削をスムーズに行うことを可能にし、かつ土壌を撹拌することを可能にする軸体2に周設された螺旋状羽根3と、軸体2の内部から外部へ貫通するように、螺旋状羽根3の縁部に向けて配設される図示しない少なくとも1つの注入管とを含んで構成されている。撹拌部材4は、ロッド9に連結されていて、ロッド9の回転および昇降により、土壌を掘削し、土壌を撹拌することができる。掘削中の地盤への衝撃を低減させ、撹拌部材4に揺動撹拌効果を与えて掘削を容易にし、切削部材1の掘削時の発熱を抑制するために軸体2を通して圧縮空気を噴射することができるようになっている。この圧縮空気は、図示しない圧縮空気供給手段から圧縮空気供給ラインを通して供給される。また、スラリーを噴射させ、土壌中に行き渡らせて土壌の浄化を行うために、螺旋状羽根3による土壌の撹拌とともに、注入管から土壌に向けてスラリーを噴射させることができるようになっている。撹拌部材4は、掘削時である降下時と、撹拌時である昇降時とにおいて、回転する方向を変更して排土を出さないようにすることができる。なお、撹拌部材4の詳細については、図2を参照して以下に説明する。
図1に示す支持手段5は、走行部10と、ロッド9と、挟持部11と、ロッド9を支持し、ロッド9の角度を変更可能にするアーム12と、ロッド9を昇降可能にする昇降手段13とを含んで構成されている。走行部10は、浄化する土壌位置に移動し、また、位置を変更することを可能にするものである。ロッド9は、地面に向いた下端部に配設された撹拌部材4の回転および昇降を可能にするものである。挟持部11は、ロッド9を移動可能に、かつ回転可能に挟持するものである。また、挟持部11は、油圧駆動などによりロッド9を正逆両方向に回転させることができるものである。
図1に示すロッド9は、スラリーを供給するライン8と圧縮空気を供給するラインとをそれぞれ接続するとともに、撹拌部材4の軸体2と注入管とを接続するラインを備えている。ロッド9の内部に設けられるラインは、上記2本のラインに対応して2本のラインを備えている。ロッド9は、土壌の深さに応じて別のロッドを連結することができるようになっている。
図1に示す容器6は、水と酸化鉄粉と焼き石膏とを収容し、酸化鉄粉と焼き石膏とを分散させるために設けられる。容器6の内部には、図示しない撹拌翼が設けられており、常時撹拌することにより堆積することなく分散した状態を保持することができる。容器6内のスラリーは、下部から排出され、供給手段7により所定量のスラリーが供給される。
圧縮空気とともに酸化鉄粉および焼き石膏を供給する場合には、容器に酸化鉄粉と焼き石膏とが所定配合で混合された混合物が収容され、弁などにより所定量の混合物が排出されるように制御される。例えば、その容器の下部に常時所定量の圧縮空気を供給しておき、その圧縮空気中に所定量の混合物を落下させることにより、混合物を供給することができる。この場合、焼き石膏に比較して比重が大きい酸化鉄粉は、粒径が一定ではなく、粒度分布があるほうが、圧縮空気中において粒と粒との間に空気を含みやすく、空気中に分散した状態になりやすいので好ましい。なお、容器に粒状の混合物を収容する場合、排出の際、目詰まりを生じる可能性があるため、圧縮空気の一部を容器に供給し、内部を加圧することができる。また、容器を揺動させるため、バイブレータを容器側部に配設することもできる。
本発明において容器6は、いかなる容量のものであってもよく、いかなる形状であってもよい。容器6は、例えば、ステンレス鋼などの鋼製のホッパーを用いることができる。なお、内部を加圧する場合、上部に蓋を設けることができる。供給手段7としては、酸化鉄粉および焼き石膏を分散させた状態で供給することができるのであれば、いかなるポンプでも使用することができる。
図2は、本発明に用いることができる装置に使用される撹拌部材を例示した図である。図2(a)に撹拌部材4の斜視図を、図2(b)に断面図を示す。図2に示す撹拌部材4は、先端部に切削部材1を備えた先導管20と、長さ方向に沿った中央部の径が大きくされ、両端部の径が小さくされた中空の軸体2と、軸体2の外側面に周設された螺旋状羽根3と、螺旋状羽根3の上面および下面に設けられた複数の突出部材21と、軸体2の長さ方向の径が大きくされた中央部において軸体2を貫通し、螺旋状羽根3の縁部に向けて配設される2本の注入管22、23とから構成されている。なお、本発明では、1本の注入管であってもよいし、3本以上であってもよい。
図2に示す先導管20は、軸体2にフランジ24といった連結部材を使用して連結されていて、先端部に切削部材1が設けられている。また、フランジ24にも、切削部材1の向きと同じ方向に向くように切削部材1aが設けられている。図2に示す切削部材1、1aは、鋭く尖った先端部を備えていて、硬い土壌や石なども切削することができるようになっていて、先導管20の先端部およびフランジ24に溶接などにより接合して設けることができる。図2に示す先導管20は、いかなる径、長さの管であっても良いが、軸体2の両端部の径と同じ径にすることができる。また、切削部材1、1aの形状および構造および材質は、適切に土壌を掘削することができるものであればいかなるものであっても良い。また、切削部材1、1aは、先導管20の先端部およびフランジ24に、いかなる数設けられていても良い。
図2に示す軸体2は、中央部の径が大きくされ、その中央部の所定の長さにおいて一定の径とされていて、両端部に向けて一定の割合で径が小さくなるような形状とされている。また、中空とされていて、内部にスラリーを供給し、噴射させるための注入管22、23の一部が挿設されている。この注入管22、23を除いた空間には、圧縮空気が流されるようになっており、掘削中の地盤への衝撃を低減させ、撹拌部材4に揺動撹拌効果を与えて掘削を容易にするとともに、切削部材1の発熱を抑制することを可能にしている。本発明において軸体2は、例えば、全体の長さを0.8m、中央部の長さ0.16mにおいて0.4mの一定の径とし、長さ方向の両端部0.32mの範囲において0.14mから0.4mの径に一定の割合で拡大した構造とすることができる。この場合、一定の割合で拡大するテーパ角が22°となっている。
図2に示す軸体2には、外側面に螺旋状に形成された螺旋状羽根3が周設されている。螺旋状羽根3は、軸体2の中央部に向けて螺旋状羽根3の径が大きくなるように形成され、螺旋状羽根3の上面および下面には、複数の突出部材21が設けられている。螺旋状羽根3は、軸体2と同様に、軸体2の長さ方向に向いた両端部から中央部に向けて羽根の径が拡大するように形成されていて、土壌中を上下にスムーズに撹拌することができる構造とされている。
図2に示す突出部材21は、矩形の板状のものとされ、矩形とされた面が軸体2に向くように配設されている。また、突出部材21は、螺旋状羽根3の縁部および軸体2に近隣した内縁部に設けられ、矩形の角部が面取りされた構造とされている。矩形とされた板状の突出部材21の回転方向に向いた側の角部が面取りされた構造とすることにより、螺旋状羽根3の回転をスムーズにし、効果的に撹拌することができる。図2に示す撹拌部材4において、土壌を掘削する場合、螺旋状羽根3の下面に設けられた突出部材21が鋭く土壌にくい込みながら土壌を効果的に撹拌し、上面に設けられた突出部材21は、切削および撹拌された土砂をスムーズに後方に送ることができ、土壌中に石などを含んでいても、噛みにくくなっている。また、撹拌部材4を地中から地表面に向けて上昇させる場合には、螺旋状羽根3の上面に設けられた突出部材21が効果的に切削および撹拌し、下面に設けられた突出部材21がスムーズに土砂を後方に送ることができる。したがって、図2に示す撹拌部材4を使用して土壌を掘削する場合には、掘削した土砂が地上に排出されなくなる。本発明において突出部材21は、いかなる数設けられていても良く、形状も上述した矩形の板状のものでなくても螺旋状羽根3の螺旋形状に沿って矩形の板が曲げられた形状とされていても良い。
図2に示す軸体2の中空部分には、上述したように注入管22、23の一部が挿設されていて、注入管22、23以外の軸体2の中空部分は、圧縮空気を通すことができるようになっている。図2に示す注入管22、23は、軸体2の長さ方向の中央部において注入管22、23は垂直に曲げられ、軸体2を貫通し、螺旋状羽根3の縁部に向けて延びた構造となっている。また、注入管22、23は、注入管22が軸体2の一方の面を貫通するように、注入管23がその一方の面の裏面、すなわち注入管22が突出する位置から周方向へ180°の角度となるように設けられている。本発明においては、スラリーが土壌中において接触し、適切に汚染物質の分解反応を生じさせることができるように、それぞれの注入管22、23が、軸体2の長さ方向の同じ位置となるように配設されていることが好ましく、軸体2から螺旋状羽根3に沿って突出する長さが同じであることが好ましい。なお、注入管22、23の径は、いかなる径であってもよく、例えば、1インチ〜1.5インチのものを使用することができる。
本発明において注入管22、23は、螺旋状羽根3の縁部にまで延びていなくてもよく、螺旋状羽根3の中央部、または内縁部までであってもよい。本発明では、酸化鉄粉を土壌と混合するため、単にスラリーを供給するだけでもよいが、高い圧力で供給し、注入管22、23から噴射させることが好ましい。この場合、注入管22、23は、広範囲に噴射させるために、螺旋状羽根3の縁部にまで延びているほうが好ましい。
図1および図2に示す装置を使用した土壌を浄化する方法について説明する。まず、走行部10により浄化したい位置にロッド9を配置し、アーム12を使用して地面に対してロッド9が垂直になるように調整する。挟持部11によりロッド9を回転させ、昇降手段13によりロッド9を降下させて土壌を掘削する。土壌の掘削は、撹拌部材4の先端部に設けられた切削部材1を使用して行うことができる。また、掘削中の地盤への衝撃を低減させ、撹拌部材4に揺動撹拌効果を与えて掘削を容易にするため、図示しない圧縮空気供給手段から圧縮空気が供給される。圧縮空気は、圧縮空気供給ラインを通り、ロッド9内のラインおよび撹拌部材4の軸体2内を通って先端部から噴射される。なお、圧縮空気の噴射は、撹拌部材4の揺動撹拌効果、切削部材1の冷却効果のほか、軸体2内へ土壌が入り込むことを防止する効果もある。ロッド9の長さが足りない場合には、挟持部11によるロッド9の回転を止め、ロッド9とラインとを連結する連結部を取り外し、この連結部とロッド9との間に延長するロッドを連結することができる。連結した後、ロッド9を再び回転させ、引き続き土壌の掘削を行うことができる。
本発明では、撹拌部材4が入る程度の穴を事前掘削し、その掘削により生じた土砂を他の場所に仮置きしておき、撹拌部材4による掘削時に上昇する土砂がその穴からあふれないようにすることもできる。この仮置きした土砂は、バックホウなどを使用して、所定量の酸化鉄粉を添加し、混合した後、埋め戻すことができる。
次に、所定深さまで土壌を掘削した後、挟持部11によるロッド9の回転方向を変える。スラリーの供給があるまでは上昇させずに、回転させたまま停止しておく。本発明においては、ロッド9の回転を停止しておくこともできる。供給手段7を起動し、容器6からスラリーの供給を開始する。例えば、容器6から供給手段7までのラインに予めスラリーを満たしておき、供給手段7の起動により撹拌部材4にスラリーを供給することができる。本発明では、スムーズに撹拌部材4を上昇させるために、上記のように、ロッド9の回転方向を変えることが好ましい。
スラリーが撹拌部材4に供給されると、図3に示すように、各注入管から土壌に向けて噴射させる。スラリーは、螺旋状羽根3の周囲方向に連続的に噴射され、さらには、回転する螺旋状羽根3により土壌が撹拌され、スラリーと土壌とが混合される。次に、図4に示すように、スラリーの供給および螺旋状羽根3による撹拌を行いつつ、昇降手段13によりロッド9を所定速度で上昇する。こうすることにより、原位置において、排土を伴うことなく、所定深さまでの土壌に酸化鉄粉を均一に供給することができる。本発明においては、土壌と酸化鉄粉および焼き石膏とを充分に混合させるため、上昇速度が小さいほうが好ましいが、小さすぎる場合、作業効率が低下するため、例えば、毎分0.05m〜毎分0.3mとすることができる。また、本発明では、ロッド9の上昇時に限らず、掘削時にスラリーを供給し、周囲の土壌に向けて噴射させることもできるし、掘削時と上昇時の両方において、スラリーを供給し、噴射させることもできる。
本発明においては、撹拌部材4が地表面14の近くまで上昇したところで、供給手段7を停止し、圧縮空気供給手段による圧縮空気の供給を停止する。撹拌部材4をさらに上昇させ、地表面14から撹拌部材4が離間された状態となった後、走行部10により次の浄化位置に移動し、再び上述したようにして掘削、スラリーの供給および噴射、撹拌を行うことができる。土壌の浄化は、例えば、図5に示す矩形の浄化範囲において、1回に、酸化鉄粉が供給され、撹拌および混合される円形で示される範囲が重なり合うように選択されることが好ましい。酸化鉄粉の供給および混合の範囲は、螺旋状羽根3の径より数十センチメートル大きい径の円形の範囲とされる。図5(a)では、汚染物質である揮発性有機塩素化合物を完全に分解、除去するために、酸化鉄粉が供給されない範囲がないように位置決めされている。なお、ロッド9は、各円の中心に位置決めされ、撹拌部材4により掘削、撹拌および混合することにより、酸化鉄粉がその円形の範囲に混合される。その範囲が終了すると、隣の円形で示される範囲の中心にロッド9が移動され、再び掘削、酸化鉄粉の供給、土壌との混合が行われる。なお、図5(a)では、酸化鉄粉をすでに供給した範囲と、後に供給を行う範囲とが大きく重なり合うように位置決めされている。
図5(a)では、円形で示される範囲が重なり合った範囲が大きくなっているが、図5(b)では、円形で示される範囲が隣接するように位置決めされている。これは、すでに土壌に供給され、撹拌および混合した焼き石膏により固化した、あるいはこれから固化しようとするために静置している範囲を再び撹拌および混合することとなり、より高い地盤強度を得ることができなくなるため、すでに処理を行った範囲は行わないように隣接するように位置決めされている。この場合、酸化鉄粉が供給されない範囲が存在することとなるが、酸化鉄粉は螺旋状羽根3の周部に向けて送出され、土壌中を水とともに浸透するため、結果として酸化鉄粉が供給されない範囲はわずかなものとなる。本発明では、充分かつ均一に混合できるのであれば、掘削する回数を少なくすることが好ましく、したがって、図5(b)に示すように位置決めすることが好ましい。
図6は、スラリーを収容する容器を例示した図である。この容器30は、供給手段7に接続され、スラリーは、ライン8および図1に示すロッド9を通して撹拌部材4へ送られ、土壌中に噴射される。図6に示す容器30は、上下に2つの容器31、32から構成される。上部容器31には、所定量の水33と所定量の酸化鉄粉34とが入れられ、酸化鉄粉34が自重で堆積しないように上部容器31の底部に設けられる撹拌手段35により撹拌され、水33に酸化鉄粉34が分散した状態にされる。この状態において、所定量の焼き石膏36が添加される。添加された焼き石膏36は、酸化鉄粉34が分散した水33に分散し、スラリーを形成する。
上述したようにして作られたスラリーは、下部容器32に移される。図6に示す実施の形態では、上部容器31と下部容器32とが弁37の閉止により遮断されており、この弁37を開けることによりスラリーを移動させることができる。下部容器32に移されたスラリーは、下部容器32の下部に設けられる撹拌手段38により撹拌され、酸化鉄粉34が分散した状態に保持される。下部容器32は、図1に示す供給手段7に接続されており、供給手段7の起動により、所定量のスラリーが抜き出され、図1に示す撹拌部材4にその所定量のスラリーが供給される。なお、スラリーの供給手段7への供給は、供給手段7までのライン内に堆積しないように、供給手段7を起動する直前であることが好ましい。
下部容器32にスラリーを移動させた後、弁37は閉止され、再び所定量の水と所定量の酸化鉄粉とが上部容器31に入れられ、スラリーとされた後、所定量の焼き石膏が添加される。これにより、上部容器31では、再び所定量のスラリーが作られる。本発明では、多量の水33に酸化鉄粉34と焼き石膏36とを同時に添加してもよく、この場合には、上部容器31に所定量の水33を入れ、所定量の酸化鉄粉34と所定量の焼き石膏36とを同時に添加し、撹拌手段35により撹拌され、スラリーが形成される。次に、そのスラリーは、下部容器32に移され、上部容器31では再びスラリーが作られる。本発明では、酸化鉄粉34および焼き石膏36を別々に同時に添加してもよいし、所定量の酸化鉄粉34と所定量の焼き石膏36とを予め混合したものを添加してもよい。本発明では、多量の水に鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを混合すると、固化作用がさらに遅延することを見出すことにより、鉄粉または酸化鉄粉の質量に対して10倍〜20倍といった多量の水を用いてスラリーを作成する場合には、供給前に適宜作成する必要はなく、使用する所定量を予め作成しておくことができる。また、上記多量の水を用いてスラリーを作成する場合には、水に焼き石膏を先に添加し、その後、鉄粉または酸化鉄粉を添加して作成することもできる。
本発明では、上述した撹拌部材に限らず、他の掘削部材を用いて土壌を改良することもできる。図7および図8に、本発明の土壌浄化方法に使用される装置に用いることができる他の掘削部材を例示する。図7は、先端部に切削部材と、少なくとも1つの注入管とを備える掘削部材を示し、図7(a)には、その掘削部材の斜視図を、図7(b)には、その掘削部材の断面図をそれぞれ示す。図7に示す掘削部材40は、中空棒状のロッド41の先端部に複数の切削部材42が設けられ、所定位置に所定径の穴43が設けられ、穴43に先端が挿通された注入管44が配設されている。中空棒状のロッド41は、図示しない支持手段に直接または支持手段より支持される別のロッドに連結され、支持手段によって回転かつ降下されることにより先端部の切削部材42を使用して土壌を掘削することができるようにされている。土壌の掘削時には、ロッド41と注入管44との間を通して圧縮空気または水を供給し、ロッド41の先端部から噴射させながら掘削することができる。こうすることにより、掘削中の地盤への衝撃を低減させ、掘削を容易にするとともに、切削部材42の発熱を抑制することができる。
図7に示す注入管44は、中空のロッド41内部に、ロッド41の長さ方向に沿って挿設され、先端がロッド41の長さ方向に対して垂直方向に曲げられ、ロッド41に設けられた穴43に挿設されている。図7に示す実施の形態では、注入管44の先端とロッド41の外壁とが略面一になるように構成されているが、本発明では、注入管44は、ロッド41から離間する方向に延びるように構成されていてもよい。また、図7に示す実施の形態では、注入管44は、1本とされているが、2本以上設けることもでき、2本とする場合、1本が所定方向に向けて延び、もう1本は1本の注入管に対して180°となる方向に向けて延びるように構成することができる。図7に示す実施の形態では、上述したように、ロッド41を図示しない支持手段により回転させ、降下させることにより土壌を掘削し、ロッド41内部の注入管44に、水とマグネタイト(Fe)を含む酸化鉄粉または鉄粉と焼き石膏とを含むスラリーまたはその酸化鉄粉または鉄粉と焼き石膏とを圧縮空気または窒素に分散させたガスを噴射させ、ロッド41を上昇させつつ、周囲の土壌に向けて噴射させることができる。本発明では、これに限らず、掘削時にスラリーまたはガスを噴射させ、掘削とともにスラリーまたはガスを注入管44から土壌に向けて噴射させることもできる。この場合、掘削時およびロッド41の上昇時の両方においてスラリーまたはガスを土壌に噴射させて供給することができる。なお、スラリーおよびガスの供給圧力は、上述した撹拌部材を使用する場合と同様の圧力で供給することができる。
図7に示す実施の形態では、酸化鉄粉または鉄粉と焼き石膏とを水とともに、または、酸化鉄粉または鉄粉と焼き石膏とを圧縮空気または窒素とともに供給するため、土粒子間を通して浸透して土壌に行き渡らせることができる。これにより、土壌を効果的に浄化することができ、所定の地盤強度も得ることができる。本発明においてロッド41は、例えば、2〜5インチの鋼管を用い、図7に示す切削部材42を先端部に溶接などして接合し、注入管44として内部に1〜1.5インチの管を上述したように挿設したものを掘削部材として用いることができる。
図8は、図7に示すロッドの周囲にさらに羽根が設けられた掘削部材を示す。図8に示す掘削部材50は、図7に示す掘削部材40と同様、中空棒状のロッド51の先端部に切削部材52が設けられ、その周部に穴53が設けられ、穴53を通して注入管54が設けられており、さらにロッド51の周囲に羽根55a、55b、55c、55dが設けられ、羽根55a、55b、55c、55dを回転させることにより土壌とスラリーまたはガスを混合することができるようになっている。図8に示す実施の形態では、羽根55a、55b、55c、55dは、板状のものとされ、ロッド51の回転方向に対して土壌にスムーズに挿入できるように、ロッド51の長さ方向に対して垂直ではなく、その垂直方向を0°とした場合に10°〜45°傾斜し、かつ羽根55a、55b、55c、55dの表面も傾斜するように設けられている。左周りにロッド51が回転するものの場合、ロッド51側から見た羽根55a、55b、55c、55dの表面がいずれも、左側が右側より低くなるように傾斜したものを用いることができる。この表面の傾斜は、例えば、5°〜30°とすることができる。
また、図8に示す実施の形態では、掘削方向側、すなわちロッド51の切削部材52が設けられた側に配設されている羽根55a、55bには、ロッド51の先端部に設けられる切削部材52と同様の切削部材56が設けられ、掘削時に、羽根55a、55bによっても土壌を掘削することができるようになっている。ロッド51は、図示しない支持手段により支持され、支持手段により回転および降下されることにより土壌を掘削することができる。図8に示す実施の形態では、ロッド51の先端部に設けられる切削部材52および羽根55a、55bに設けられる切削部材56により土壌を掘削することができる。上述したように、スラリーまたはガスの供給は、掘削時またはロッド51の上昇時またはその両方において行うことができる。図8に示す実施の形態では、羽根55a、55b、55c、55dの回転により、スラリーまたはガスを周囲の土壌に噴射させつつ、撹拌し、土壌とスラリーまたはガスとを混合することができる。なお、掘削時と上昇時の羽根55a、55b、55c、55dの回転方向は、同じであってもよいし、逆回転にしてもよい。また、スラリーまたはガスの供給圧力は、上述した撹拌部材を使用する場合と同様の圧力で供給することができる。
図8に示す実施の形態も図7に示す実施の形態と同様に、酸化鉄粉または鉄粉と焼き石膏とを水とともに、または、酸化鉄粉または鉄粉と焼き石膏とを圧縮空気または窒素とともに噴射させるため、土粒子間を通して浸透して土壌に行き渡らせることができる。図8に示す実施の形態ではさらに、酸化鉄粉または鉄粉および焼き石膏と土壌とを充分に混合することができ、これにより、土壌をより効果的に浄化することができ、所定強度で、かつ均一な強度の地盤を得ることができる。本発明において羽根55a、55b、55c、55dは、所定長さ、厚さの鋼板、または、所定長さで、掘削時に土壌に挿入しやすいように一端が尖鋭しており、その一端から他端に向けて厚さが厚くなるように形成された鋼板をロッド51の所定位置に、上述した所定角度となるように溶接したものを用いることができる。
ここで、乾燥土の質量に対する水分の質量を百分率で表した含水比が30%で、トリクロロエチレン2ppmを含む土壌に、図1および図2に示す装置を用い、上述したようにして製造された焼き石膏が6質量%、鉄粉が2質量%となるように混合した試料のトリクロロエチレン濃度の経時的変化を試験した。含水比が変化しないように密閉容器に入れ、1日後、7日後、28日後の濃度を、GC−MSヘッドスペース法により測定した。また、コーンペネトロメータを使用し、コーン指数を測定した。コーン指数は、コーンの貫入抵抗をコーンの底面積で除した値である。また、コーン指数は、建設機械が数回走行可能な目安となるものであり、普通ブルドーザ(21トン級程度)で0.7MN/m、小型自走式スクレーパで1.0MN/m、ダンプトラックでは1.2MN/mが必要である。
上記の測定結果は、トリクロロエチレン濃度がそれぞれ、0.5ppm、0.2ppm、0.01ppm未満であり、コーン指数がそれぞれ、250kN/m、260kN/m、280kN/mであり、充分に分解することができ、かつ充分な強度を付与することができることを見出すことができた。
次に、図1および図2に示す装置を用い、含水比30%の真砂土と青岩とが1:1の質量比で混合された混合土に、表1に示す量(kg)の酸化鉄粉、焼き石膏、水を加えて混合し、スラリー粘度(mPa・s)と、一週間静置養生した後のコーン指数(kN/m)を測定した。なお、上記酸化鉄粉、焼き石膏、水が混合される上記混合土の質量も表1に示す。スラリー粘度は、ビーカに表1の配合比で酸化鉄粉と焼き石膏と水とを配合し、1時間撹拌した後、B型粘度計を使用して測定した。コーン指数は、1.5分撹拌混合したものを採取してモールドに流し込み、モールドの上部を覆い、一週間静置養生した後、コーンペネトロメータを使用して測定した。表2に、測定したスラリー粘度およびコーン指数および上記一週間後の含水比を示す。
Figure 0003642782
Figure 0003642782
表2に示すように、充分な強度を確保することができることを見出すことができた。また、表2に示すように、スラリー粘度も大きくはなく、ラインを通して容易に供給することができる。
図9は、含水比とコーン指数との関係を示す図である。縦軸にはコーン指数(kN/m)を示し、横軸には土壌1mに対する焼き石膏の添加量(kg)を示す。含水比を60%、80%、100%とした場合の、焼き石膏の添加量に対するコーン指数を示す。なお、酸化鉄粉は、焼き石膏の添加量の約1/10〜1/7の量が添加されている。図9では、含水比60%を三角形で、80%を四角形で、100%を丸で示す。図9に示すように、含水比が大きくなるにつれてコーン指数が低下し、また、添加する焼き石膏の量が増加するにつれてコーン指数が増加している。例えば、含水比100%では、焼き石膏の添加量を増加しても、コーン指数は大きく上昇することはないが、含水比60%では、添加量を増加することで、コーン指数を大きく上昇させることができる。本発明では、比重が小さく、水に分散しやすい微細な上記酸化鉄粉を使用するため、この酸化鉄粉を供給するために多量の水を供給することなく所定量の酸化鉄粉を供給することができ、含水比を低く抑えることが可能である。これにより、所定の地盤強度を得るために添加される焼き石膏の添加量も減少させることが可能となる。
本発明を上述した実施の形態をもって詳細に説明してきたが、本発明の土壌改良方法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、同様の効果を得ることができるものであれば、撹拌部材は上述した形状に限らず、いかなる大きさ、螺旋状羽根の巻数、鉄粉および酸化剤の注入管の配設位置であっても良く、容器もいかなる形状および構造であってもよい。また、鉄粉または酸化鉄粉、水、焼き石膏の配合比は、土壌の含水比、浄化する土壌の質量、さらにはコストによって適切な値に設定することができる。さらに、ロッドは、掘削時とロッドの上昇時とで逆回転させることが好ましいが、同じ回転方向にすることもできる。また、鉄粉または酸化鉄粉は、圧縮空気に限らず、窒素とともに供給してもよい。
また、図8に示す実施の形態で使用される掘削部材において、羽根55a、55b、55c、55dの長さ、幅、厚さ、枚数、傾斜角度は、掘削する地盤強度、スラリーまたはガスを噴射させ、混合する範囲などを考慮し、適切なサイズ、数、角度にすることができる。また、注入管54は、羽根55a、55bに近隣し、ロッド51から突出する方向、すなわち羽根55a、55bの長さ方向に沿って延びるように設けられていてもよいし、さらには、羽根55a、55bではなく、羽根55c、55dに近隣し、羽根55c、55dの長さ方向に沿って延びるように設けることもできる。本発明において、少ない量の鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏で充分な土壌浄化および地盤強度を得るためには、掘削部材として、羽根があるほうが好ましく、上記撹拌部材がより好ましい。
本発明の土壌改良方法を実現する装置を例示した図。 本発明の土壌改良方法を実現する装置に用いることができる撹拌部材の例示した図。 図1および図2に示す装置を使用して、土壌を掘削しているところを示した図。 図1および図2に示す装置を使用して、土壌にスラリーを噴射させ、かつ土壌とスラリーとを混合しているところを示した図。 図1および図2に示す装置を使用して土壌を掘削し、スラリーを噴射させ、かつ土壌とスラリーとを混合する各位置を示した図。 本発明の土壌改良方法を実現する装置に用いられる容器を例示した図。 本発明の土壌改良方法を実現する装置に用いることができる掘削部材の第1の実施形態を示した図。 本発明の土壌改良方法を実現する装置に用いることができる掘削部材の第2の実施形態を示した図。 各含水比における焼き石膏量とコーン指数との関係を示した図。
符号の説明
1、1a…切削部材
2…軸体
3…螺旋状羽根
4…撹拌部材
5…支持手段
6…容器
7…供給手段
8…ライン
9…ロッド
10…走行部
11…挟持部
12…アーム
13…昇降手段
14…地表面
20…先導管
21…突出部材
22、23…注入管
24…フランジ
30…容器
31…上部容器
32…下部容器
33…水
34…酸化鉄粉
35…撹拌手段
36…焼き石膏
37…弁
38…撹拌手段
40、50…掘削部材
41、51…ロッド
42、52…切削部材
43、53…穴
44、54…注入管
55a、55b、55c、55d…羽根
56…切削部材

Claims (11)

  1. 揮発性有機塩素化合物(VOC)を含む汚染土壌を浄化するとともに、原地盤の地耐力の低下を防止するための土壌改良方法であって、
    先端部に切削部材と少なくとも1つの注入管とを備える掘削部材を回転可能に、かつ昇降可能に支持する支持手段により回転および降下させて前記土壌を掘削するステップと、
    前記掘削部材を回転させつつ、前記少なくとも1つの注入管から該掘削部材周囲の前記土壌に向けて、水に、鉄粉またはマグネタイト(Fe)を含む酸化鉄粉と焼き石膏とを分散させたスラリー噴射させるステップとを含む、土壌改良方法。
  2. 前記スラリーは、前記鉄粉または前記酸化鉄粉と前記焼き石膏とを混合後、前記水に分散させて、または、前記水に前記鉄粉または前記酸化鉄粉を分散させた後に、前記焼き石膏を分散させて製造することを特徴とする、請求項1に記載の土壌改良方法。
  3. 前記掘削部材は、周部に羽根を備えており、前記支持手段により該掘削部材を回転させ、前記羽根の回転により前記土壌と前記スラリーとを混合するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の土壌改良方法。
  4. 前記掘削部材は、先端部に切削部材と、周部に羽根と、前記羽根の縁部に向けて配設される少なくとも1つの注入管とを備える撹拌部材である、請求項3に記載の土壌改良方法。
  5. 前記掘削するステップと前記噴射させるステップとが同時に実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の土壌改良方法。
  6. 前記掘削するステップと前記噴射させるステップと前記混合するステップとが同時に実行されることを特徴とする、請求項3または4に記載の土壌改良方法。
  7. 前記掘削するステップでは、前記撹拌部材を所定方向に回転させて前記土壌の所定深さまで掘削するとともに該土壌を撹拌し、前記噴射させるステップおよび前記混合するステップでは、前記撹拌部材を前記所定方向とは逆方向に回転させて地表面に向けて上昇させるとともに、前記スラリーを噴射させ、かつ前記土壌を撹拌することを特徴とする、請求項4に記載の土壌改良方法。
  8. 前記撹拌部材は、先端部に前記切削部材を備える先導管と、前記先導管が連結される中空の軸体と、前記軸体に周設される螺旋状羽根と、前記螺旋状羽根の上面および下面に配設される複数の突出部材と、前記軸体の内部を通して配設され、前記軸体を貫通して前記螺旋状羽根の縁部に向けて配設され、前記スラリーを噴射させるための前記少なくとも1つの注入管とを備えており、前記軸体は、長さ方向に沿った中央部において径が大きく、かつ両端部において径が小さくなるように形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の土壌改良方法。
  9. 前記支持手段は、移動するための走行部と、前記掘削部材を連結するロッドと、前記ロッドを正逆両方向に回転させるとともに該ロッドを支持する挟持部と、前記ロッドを昇降させる昇降手段とを含み、前記掘削するステップは、前記挟持部により前記ロッドを回転させ、前記昇降手段により前記ロッドを降下させるステップを含み、前記噴射させるステップは、前記挟持部により前記ロッドを回転させるステップを含み、前記混合するステップは、前記挟持部により前記ロッドを回転させ、前記昇降手段により前記ロッドを上昇させるステップを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の土壌改良方法。
  10. 前記鉄粉は、前記土壌1mに対し、10kg〜100kg供給され、前記水と前記鉄粉との質量比が、1:1〜20:1の範囲とされ、前記焼き石膏と前記鉄粉との質量比が、1:1〜10:1の範囲とされることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の土壌改良方法。
  11. 前記酸化鉄粉は、前記土壌1mに対し、15kg〜150kg供給され、前記水と前記酸化鉄粉との質量比が、2:1〜15:1の範囲とされ、前記焼き石膏の添加量は、前記酸化鉄粉の質量の2〜20倍であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の土壌改良方法。
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