本発明の土壌改良方法は、鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏を水に均一に分散させた、細かい団子状の固まりのないスラリーを短期間に作成することができ、その均一に分散させたスラリーを土壌中に供給することで、効率的に浄化を行うことができ、加えて地耐力の低下を防止できる方法である。この固まりのないスラリーは、土粒子間を通って多方向に浸透し、鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏を土壌中に均一に分布させることができる。これにより、余分な鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏を供給することなく、効率的に土壌改良することができる。
一般に、数μm〜数百μmといった微小粒子径を有する粉体を水に加えると、だまといった細かい団子状の固まりが生じる。この固まりは、長時間撹拌することにより、凝集した粒子が剥離し、水中に分散することで次第に小さくなり、最終的にはなくなる。この撹拌時間は、長い場合には約30分もかかる場合がある。固化材を含むスラリーは、固化材の濃度にもよるが、数10分程度で固まるため、予め作成し、数時間貯留しておくことはできない。また、土壌への供給を開始し、連続供給できなくなった場合、スラリー供給が停止した位置で撹拌のみが継続されることとなり、すでにスラリーを供給し、固化しつつある部分やすでに固化した部分を破壊することになる。撹拌を停止した場合でも、その停止した位置で、撹拌を開始すれば、固化した部分を破壊させる。これでは、均一な強度の地盤を得ることができない。特に、鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを予め混合したものを、水に加えると、上記固まりができやすく、撹拌してこれをなくすためには数10分といった時間がかかる。
本発明では、鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを別々に水に混合してスラリーを作成し、作成した2つのスラリーを混合することにより、上述した予め混合したものを水に分散させてスラリーを作成する場合に比較して、上記固まりのないスラリーを短期間に作成することができることを見出した。また、本発明では、焼き石膏を所定量の水に鉄粉または酸化鉄粉とともに分散させることで、焼き石膏による固化速度を遅延させることができることを見出した。これにより、長時間撹拌することなくスラリーを作成することができ、スラリーを予め作成し、貯留しておき、適宜必要量を供給することができ、供給中、供給ライン内で固化することもなく、噴射してすぐ固化することもなく多方向に浸透させることができ、充分に撹拌混合することもできる。また、短時間で作成することができるため、作成したスラリーを貯留する容器も小容量のものを採用することができる。小容量にすることで容易に移動させることができ、容易に設置することができる。
図1を参照してスラリーを作成する方法について説明する。図1は、本発明の土壌改良方法において、スラリーを作成するために使用されるスラリー製造装置を示した図である。図1に示す装置10は、上部に、2つの収容部11a、11bと各収容部11a、11bに対してそれぞれ混合手段12a、12bを有する混合機13を備え、下部に、収容部14と撹拌手段15とを有する撹拌機16を備える構成とされている。本発明では、混合機13を二連ミキサーと、撹拌機16をアジテータとすることができる。図1では、混合機13の2つの収容部11a、11bの各々には、所定量の水が入れられており、一方の収容部11aには所定量の鉄粉または酸化鉄粉が、他方の収容部11bには所定量の焼き石膏が添加されているのが示されている。本発明の土壌改良方法では、その後、各収容部11a、11bに設けられた各混合手段12a、12bによって混合し、水に鉄粉または酸化鉄粉を分散させた第1スラリーと水に焼き石膏を分散させた第2スラリーとを別個に作成する。なお、第1スラリーおよび第2スラリーはそれぞれ、添加時にできるだまがなくなるまで、撹拌混合されることにより作成される。このようにして作成された第1スラリーおよび第2スラリーは、各収容部11a、11bの下部に設けられた弁17a、17bを開くことにより、下部の撹拌機16の収容部14に移され、この2つのスラリーを混合し、分散状態を保持しつつ貯留するため、撹拌手段15により常時撹拌される。なお、作成した第1スラリーおよび第2スラリーは、既にだまがないものであり、収容部14に移された場合、常時撹拌されているため、すぐに混合して第3スラリーを形成する。したがって、第3スラリーを作成すると同時に、後述する掘削部材へと供給することができる。
本発明では、上述したように、別個に作成するほうが短期間に作成することができることから、鉄粉粒子間、酸化鉄粉粒子間、焼き石膏粒子間の凝集する際の結合力が、鉄粉粒子または酸化鉄粉粒子と焼き石膏粒子との間の結合力に比較して弱いものと推定される。したがって、混合物を水に添加した場合に比較して、鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを別個に添加した場合、だまもできにくく、また、だまができたとしても、撹拌により短期間に容易に分散する。なお、別個に作成する場合には、数分で各スラリーを作成することができる。
また、本発明では、上述したように、鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを含む第3スラリーであるため、焼き石膏による固化速度を遅延させることができ、予め鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを含む第3スラリーを作成し、貯留しておくことができる。この第3スラリーは、必要時に、撹拌機16に接続された図示しないスラリー供給手段によって掘削部材へと送られる。なお、固化速度を遅延させることができるといっても、数時間も固化することなくスラリー状態を維持することができるものではないことから、予め大量に作成し、大量に貯留しておくことはできない。大量に貯留することができず、かつ第3スラリーを短時間で作成することができない場合、安定して連続供給することができない。このことは、上述したように均一強度の地盤を得ることができないことを意味し、鉄粉または酸化鉄粉を均一に分布させることもできない。したがって、本発明のように、短期間にスラリーを作成できることが重要である。
ここで、本発明に使用することができる鉄粉、酸化鉄粉、焼き石膏について説明する。以下、スラリーとは、特にことわりがない限り、上記第3スラリーを意味する。鉄粉は、スラリーとして水に分散させて供給することができる粒径であればいかなる粒径のものであってもよいが、例えば、粒径が0.05μm〜150μmといった小さいもののほうが好ましい。また、鉄粉を供給する状態としては、鉄粉の粒と粒との間に水を含んだ、水に分散した状態で供給され、土壌に向けて噴射されることが好ましい。鉄粉を噴射される量としては、いかなる量であってもよいが、充分な浄化作用を付与するためには、土壌1m3あたり、例えば、10kg〜100kgとすることができる。鉄粉は、粒径が一定ではなく、粒度分布があるほうが、粒と粒との間に水を含みやすく、分散した状態になりやすいので好ましい。本発明においてスラリーは、圧力が高いほど、供給ライン途中において鉄粉の堆積がなくなるので好ましく、例えば、15MPa〜20MPaとすることができる。本発明では、汚染土壌に対する鉄粉を混合する割合は、汚染土壌における揮発性有機塩素化合物などの濃度によって異なり、適切な量を混合することができる。スラリー中の水の量は、地盤強度を低下させないように水が少ないほど好ましいが、上記鉄粉を供給することができる量として決定することができる。本発明では、スラリー(第3スラリー)中の水と鉄粉との質量比が1:1〜20:1が好ましい。例えば、第1スラリーを作成するために所定量の半分の水量を使用し、焼き石膏を分散させて第2スラリーを作成するために残りの半分の水量を使用した場合、水と鉄粉との質量比が1:2〜10:1の範囲になるように作成することができる。
本発明では、鉄分に代えて、水に分散しやすく、より高い浄化作用を付与することができる酸化鉄粉を使用することができる。本発明に使用することができる酸化鉄粉としては、FeOやFe2O3を挙げることができるが、特に、マグネタイト(Fe3O4)を約70質量%〜約90質量%含有することが好ましい。この場合のその他の成分については、例えば、純鉄(Fe)や2価鉄(Fe2+)などとすることができる。2価鉄としては、2価の酸化鉄(FeO)などとすることができる。鉄粉を用いる土壌浄化では、鉄粉を汚染土壌に混合した場合、例えば、TCEは中間副生成物であるシス−1,2−DCEなどを生じ、最終的に多くがエチレンおよびアセチレンに分解されるが、上記酸化鉄粉を用いた場合には、エチレンガスやアセチレンガスへの分解に止まらず、分解反応が炭酸ガスまで進行する。本発明では、上記酸化鉄粉を用いることにより、浄化処理工程においてエチレンやアセチレンといった副生成物を生じないため、それらの副生成物を処理するための他の工程や装置を必要とせず、処理期間を大幅に短縮することができるので、上記酸化鉄粉を使用することが好ましい。
酸化鉄粉としては、平均粒子径が0.05μm〜0.2μmのものを用いることができる。酸化鉄粉は、比重が4〜5であり、比重7.8の鉄粉に比べて小さいため、水に容易に分散し、安定なスラリーを作成することができる。また、酸化鉄粉は、鉄粉とは異なり、二次的に発生する赤錆による赤水を生じることがないといった利点を有する。供給圧力も、水に分散しやすい酸化鉄粉を使用することで、鉄粉の場合に比較して低圧で供給することができる。
本発明では、汚染土壌に対する酸化鉄粉を混合する割合は、汚染土壌における揮発性有機塩素化合物の濃度によっても異なるが、土壌1m3に対し、15kg〜150kgとすることができる。なお、酸化鉄粉は多いほど分解、除去作用を付与することができるが、酸化鉄粉は高価であるため、安価で実施するために、上記値とすることが好ましい。本発明では、スラリー(第3スラリー)中の水と酸化鉄粉との質量比が2:1〜15:1が好ましい。上述したように、第1スラリーを作成するために所定量の半分の水量を使用し、焼き石膏を分散させて第2スラリーを作成するために残りの半分の水量を使用した場合、水と酸化鉄粉との質量比が1:1〜7.5:1の範囲になるように作成することができる。
焼き石膏は、水分を多く含む地盤、スラリーで供給することにより軟化する地盤、土壌を撹拌することにより軟化する地盤において、これら地盤の地耐力の低下を防止するために供給される。従来から、地耐力の低下を防止し、地盤強度を向上させるために、セメントや石膏といった固化材を使用することは知られている。セメントは、アルカリ性であり、水和反応により強度を発現し、安価で、充分な強度を得ることができるという特徴を有する。しかしながら、アルカリ性であるセメントは、鉄粉または酸化鉄粉と有機塩素化合物との反応を阻害するため、セメントを混合した土壌では充分な浄化を行うことができない。そこで、低アルカル性セメントを用いることができるが、セメントに比べて高価であり、低いながらもアルカリ性であるため、多量には使用することができず、また、充分な強度を得ることができない。したがって、多量に使用する必要がある含水比の高い地盤には適用することができない。
焼き石膏は、中性の固化材であり、水和反応により強度を発現するものではないため、土壌に混合してすぐに強度を発現し、含水比の高い地盤に対しても適用することができる。例えば、混合して3日経過後では、約0.5MN/m2の地盤強度を得ることができる。しかしながら、すぐに強度を発現する場合、土壌に供給した後に充分な撹拌および混合を行うことはできない。本発明では、多量の水(特に、焼き石膏の添加量の1〜10倍の質量の水)に鉄粉または酸化鉄粉とともにこの焼き石膏を添加することで、焼き石膏による固化速度を遅延させることができるため、撹拌混合し、土壌中に鉄粉または酸化鉄粉を均一に分布させることができるとともに、均一な強度の地盤を得ることができる。
本発明に使用することができる焼き石膏は、硫酸カルシウムの二水和物(CaSO4・2H2O)を低温加熱処理することにより得ることができる。例えば、硫酸法により酸化チタンを製造する際に発生する廃硫酸を、炭酸カルシウムを用いてpHを5とし、pHを5とすることにより生成する生成物を非酸化性雰囲気下、150℃で1時間加熱焼成することにより得ることができる。
焼き石膏と鉄粉との質量比は、スラリー中の水量や土壌中の水分量によって決定することができるが、例えば、0.01:1〜200:1とすることができる。本発明では、充分な揮発性有機塩素化合物の分解除去効果を得るのに必要とされる土壌1m3あたり10kg〜100kgの鉄粉量と、水と鉄粉との質量比1:1〜20:1とを考慮し、充分な地盤強度を得るとともに安価で実施するために、焼き石膏と鉄粉との質量比は1:1〜10:1とすることが好ましい。なお、スラリー中の焼き石膏の量が多い場合、土壌強度を高めることができるが、スラリー粘度が上昇し、この結果、スラリー供給手段の能力を増強する必要が生じ、多くの電力を消費することとなる。一方、焼き石膏の量が少ない場合、土壌強度が不充分なものとなる。したがって、これら地盤強度や設備コストなどの点から、上述した範囲の添加量が好ましい。上述したように、第1スラリーを作成するために所定量の半分の水量を使用し、焼き石膏を分散させて第2スラリーを作成するために残りの半分の水量を使用した場合、水と焼き石膏との質量比が1:20〜10:1の範囲になるように作成することができる。
酸化鉄粉を使用する場合の焼き石膏の添加量は、酸化鉄粉の質量と同じか、それ以上であることが好ましく、2〜20倍であることがより好ましい。また、焼き石膏の添加量は、酸化鉄粉およびこの焼き石膏とともに供給される水量や土壌に含まれる水量により決定することができる。なお、焼き石膏は、水に分散させるため、粉末状のものが好ましい。上述したように、第1スラリーを作成するために所定量の半分の水量を使用し、焼き石膏を分散させて第2スラリーを作成するために残りの半分の水量を使用した場合、水と焼き石膏との質量比が1:20〜7.5:1の範囲になるように作成することができる。土壌改良の多くの場合、土壌1m3に対し、例えば、50kgの鉄粉または酸化鉄粉、150kgの焼き石膏といったように、比重が大きく水に分散させにくい鉄粉または酸化鉄粉に比べて焼き石膏を多く供給することから、また、同じ容量の混合機を使用することから、第1スラリーおよび第2スラリーを作成するために各混合機に同じ量の水を入れ、各スラリーを作成することができる。これまで、半分の水量を、第1スラリーを作成するために使用し、残りの半分の水量を、第2スラリーを作成するために使用することについて説明してきたが、鉄粉または酸化鉄粉が焼き石膏と同じ量必要である場合には、第1スラリーの作成のために混合機に入れられる水の量を、第2スラリーの作成のために混合機に入れられる水の量に比べて多くすることができ、また、焼き石膏を多く供給する必要がある場合には、第2スラリーの作成のために混合機に入れられる水の量を、第1スラリーの作成のために混合機に入れられる水の量に比べて多くすることができる。
本発明の土壌改良方法においては、土壌中に鉄粉または酸化鉄粉を供給することで、揮発性有機塩素化合物を分解、除去することができる。ここで、分解および除去することができる揮発性有機塩素化合物としては、テトラクロロエチレン(TCE)、ペルクロロエチレン(PEC)、1,1−ジクロロエチレン(DCE)、トランス−1,2−DCE、シス−1,2−DCE、1,1,1−トリクロロエタン(TCEt)、1,1,2−TCEt、ジクロロメタン(DCM)などを挙げることができる。本発明の方法では、その他、ダイオキシン類、残留農薬なども分解、除去することができる。これらの分解および除去は、水に鉄粉または酸化鉄粉と焼き石膏とを分散させたスラリーを土壌に噴射させ、土壌に浸透させることにより行われる。本発明では、羽根を備える掘削部材を使用して充分に撹拌および混合することにより、均一に分布させることができ、より効果的に分解および除去することもできる。なお、上記分解は、鉄粉または酸化鉄粉による有機塩素化合物の還元反応により行われる。
また、同時に中性の固化材である焼き石膏が供給されるため、地盤強度の低下を防止でき、添加量によっては地盤強度を向上させることもできる。スラリーの浸透により、この焼き石膏も均一に分布させることができ、均一強度の地盤を得ることができる。
土壌浄化において、短期間で充分な効果を得るためには、所定量の土壌に対して所定量の鉄粉または上記酸化鉄粉が均一に分布した状態であることが好ましい。また、地盤改良において、所定の均一強度の地盤を得るためには、焼き石膏も、所定量の土壌に対して所定量が均一に分布した状態であることが好ましい。なお、図1に示す装置において短期間に均一に分散させたスラリーを作成することができるため、容量の大きい貯留槽を必要とすることなく、連続してスラリーを供給することができる。このスラリーを供給し、スラリーを土壌に浸透させ、スラリーに含まれる鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏を均一に分布させることができる装置について以下に説明する。
図2は、本発明の土壌改良方法において、スラリーを供給し、鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏を土壌中に均一に分布させることができる装置を例示した図である。以下、水に酸化鉄粉と焼き石膏とを分散させたスラリーを使用して土壌改良する方法について説明する。図2に示す装置は、先端部に切削部材20と軸体21の周部に螺旋状羽根22とスラリーを噴射させるための注入管とを備える掘削部材23と、掘削部材23を回転可能に支持し、かつ掘削部材23を昇降可能にし、掘削部材23の注入管などに接続されるラインを備える支持手段24と、スラリー製造装置10に接続され、スラリーを供給する供給手段25と、供給手段25と支持手段24の上記ラインとを接続するライン26と、図示しない圧縮空気を供給するラインおよび圧縮空気供給手段とを含む構成とされている。
図2に示す掘削部材23は、掘削方向に向いた先端部に、土壌を掘削するための切削部材20と、掘削方向に向いた先端部から圧縮空気を噴射させることを可能にする軸体21と、掘削をスムーズに行うことを可能にし、かつ土壌を撹拌することを可能にする軸体21に周設された螺旋状羽根22と、軸体21の内部から外部へ貫通するように、螺旋状羽根22の縁部に向けて配設される図示しない少なくとも1つの注入管とを含んで構成されている。掘削部材23は、ロッド27に連結されていて、ロッド27の回転および昇降により、土壌を掘削し、土壌を撹拌することができる。圧縮空気は、主に、掘削土を流動させる潤滑材的効果を与えて掘削を容易にさせる。また、圧縮空気を供給することにより、掘削中の地盤への衝撃を低減させ、掘削部材23に揺動撹拌効果を与えて掘削を容易にさせ、切削部材20の掘削時の発熱を抑制することもできる。この圧縮空気は、図示しない圧縮空気供給手段から圧縮空気供給ラインを通して供給される。また、スラリーを噴射させ、土壌中に行き渡らせて土壌の浄化を行うために、螺旋状羽根22による土壌の撹拌とともに、注入管から土壌に向けてスラリーを噴射させることができるようになっている。掘削部材23は、掘削時である降下時と、撹拌時である昇降時とにおいて、回転する方向を変更して排土をなるべく出さないようにすることができる。なお、掘削部材23の詳細については、図3〜図5を参照して後述する。
図2に示す支持手段24は、走行手段28と、ロッド27と、挟持手段29と、ロッド27を支持し、ロッド27の角度を変更可能にするアーム30と、ロッド27を昇降可能にする昇降手段31とを含んで構成されている。走行手段28は、所定の土壌位置に移動することを可能にするものである。ロッド27は、下端部に掘削部材23が配設され、地表面に対して略垂直に配置されて掘削部材23の回転および昇降を可能にするものである。挟持手段29は、ロッド27を移動可能に、かつ回転可能に挟持するものである。また、挟持手段29は、油圧駆動などによりロッド27を正逆両方向に回転させることができるものである。
図2に示すロッド27は、スラリーを供給するライン26と圧縮空気を供給する図示しないラインとをそれぞれ接続するとともに、掘削部材23の軸体21と注入管とを接続するラインを内部に備えている。ロッド27は、地盤改良および浄化する土壌の深さに応じて別のロッドを連結することができるようになっている。
図2に示す供給手段25は、スラリー製造装置10で作成され、貯留されているスラリーを掘削部材23に供給する。供給手段25としては、鉄粉等が分散した状態でスラリーを供給することができるポンプであればいかなる形式のポンプでも使用することができる。
ここで、図2の装置で使用することができる掘削部材を図3〜図5に例示し、各掘削部材について説明する。図3は、先端部に切削部材と、少なくとも1つの注入管とを備える掘削部材を示し、図3(a)には、その掘削部材の斜視図を、図3(b)には、その掘削部材の断面図をそれぞれ示す。図3に示す掘削部材35は、中空棒状のロッド36の先端部に複数の切削部材37が設けられ、所定位置に所定径の穴38が設けられ、穴38に先端が挿通された注入管39が配設されている。中空棒状のロッド36は、図示しない支持手段に直接または支持手段より支持される別のロッドに連結され、支持手段によって回転かつ降下されることにより先端部の切削部材37を使用して土壌を掘削することができるようになっている。土壌の掘削時には、ロッド36と注入管39との間を通して圧縮空気を供給し、ロッド36の先端部から噴射させながら掘削することができる。こうすることにより、掘削土を流動させる潤滑材的効果によって掘削を容易にし、また、掘削中の地盤への衝撃を低減させ、切削部材37の発熱を抑制することができる。
図3に示す注入管39は、中空のロッド36内部に、ロッド36の長さ方向に沿って挿設され、先端がロッド36の長さ方向に対して垂直方向に曲げられ、ロッド36に設けられた穴38に挿設されている。図3に示す実施の形態では、注入管39の先端とロッド36の外側面とが略面一になるように構成されているが、本発明では、注入管39は、ロッド36の外側面から突出して延びるように構成されていてもよい。また、図3に示す実施の形態では、注入管39は、1本とされているが、2本以上設けることもでき、2本とする場合、1本が所定方向に向けて延び、もう1本は1本の注入管に対して180°となる方向に向けて延びるように構成することができる。図3に示す実施の形態では、上述したように、ロッド36を図示しない支持手段により回転させ、降下させることにより土壌を掘削し、ロッド36内部の注入管39にスラリーを供給し、ロッド36を回転および上昇させつつ、スラリーを周囲の土壌に向けて噴射させることができる。本発明では、これに限らず、掘削時にスラリーを噴射させることもできるし、掘削時および上昇時の両方にスラリーを噴射させることもできる。
図3に示す掘削部材35を使用した場合、スラリーを、土粒子間を通して多方向に浸透させることができる。スラリーには酸化鉄粉および焼き石膏が含まれており、上記浸透により酸化鉄粉および焼き石膏が土壌中に均一に分布し、これにより、土壌を効果的に浄化することができ、所定の地盤強度も得ることができる。本発明においてロッド36は、例えば、2〜5インチの鋼管を用い、図3に示す切削部材37を先端部に溶接などして接合し、注入管39として内部に1〜1.5インチの管を上述したように挿設したものを掘削部材35として用いることができる。
図4は、図3に示すロッドの周囲にさらに羽根が設けられた掘削部材を示す。図4に示す掘削部材40は、図3に示す掘削部材35と同様、中空棒状のロッド41の先端部に切削部材42が設けられ、その周部に穴43が設けられ、穴43を通して注入管44が設けられており、さらにロッド41の周囲に羽根45a、45b、45c、45dが設けられている。図4に示す掘削部材40は、羽根45a、45b、45c、45dの回転により、土壌とスラリーとを混合することができるようになっている。ここで、図4に示す実施の形態では、羽根45a、45b、45c、45dは、板状のものとされ、ロッド41の回転方向に対して土壌にスムーズに挿入できるように、ロッド41の長さ方向に対して垂直ではなく、その垂直方向を0°とした場合に10°〜45°傾斜し、かつ羽根45a、45b、45c、45dの表面も傾斜するように設けられている。左周りにロッド41が回転するものの場合、ロッド41側から見た羽根45a、45b、45c、45dの表面がいずれも、左側が右側より低くなるように傾斜したものを用いることができる。この表面の傾斜は、例えば、5°〜30°とすることができる。
また、図4に示す実施の形態では、掘削方向側、すなわちロッド41の切削部材42が設けられた側に配設されている羽根45a、45bには、ロッド41の先端部に設けられる切削部材42と同様の切削部材46が設けられ、掘削時に、羽根45a、45bによっても土壌を掘削することができるようになっている。ロッド41は、図示しない支持手段により支持され、支持手段により回転および降下されることにより土壌を掘削することができる。図4に示す実施の形態では、ロッド41の先端部に設けられる切削部材42および羽根45a、45bに設けられる切削部材46により土壌を掘削することができる。スラリーの供給は、掘削時またはロッド41の上昇時またはその両方において行うことができる。図4に示す実施の形態では、羽根45a、45b、45c、45dの回転により、スラリーを周囲の土壌に噴射させつつ、撹拌し、土壌とスラリーとを混合することができる。なお、掘削時と上昇時の羽根45a、45b、45c、45dの回転方向は、同じであってもよいし、逆回転にしてもよい。
図4に示す掘削部材40も図3に示す掘削部材35と同様に、スラリーを噴射させ、土粒子間を通して浸透させることができる。図4に示す掘削部材40では、スラリーと土壌とを充分に撹拌混合することができ、これにより、土壌中に酸化鉄粉および焼き石膏を均一に分布させ、土壌をより効果的に浄化することができ、所定の均一強度の地盤を得ることができる。図4に示す掘削部材40において、羽根45a、45b、45c、45dは、所定長さ、厚さの鋼板、または、所定長さで、掘削時に土壌に挿入しやすいように一端が尖鋭しており、その一端から他端に向けて厚さが厚くなるように形成された鋼板をロッド41の所定位置に、上述した所定角度となるように溶接したものを用いることができる。
図5は、別の掘削部材を例示した図である。図5(a)には掘削部材50の斜視図を、図5(b)には断面図を示す。図5に示す掘削部材50は、先端部に切削部材51を備えた先導管52と、長さ方向に沿った中央部の径が大きくされ、両端部の径が小さくされた中空の軸体53と、軸体53の外側面に周設された螺旋状羽根54と、螺旋状羽根54の上面および下面に設けられた複数の突出部材55と、軸体53の長さ方向の径が大きくされた中央部において軸体53を貫通し、螺旋状羽根54の縁部に向けて配設される2本の注入管56、57とから構成されている。なお、本発明では、1本の注入管であってもよいし、3本以上であってもよい。
図5に示す先導管52は、軸体53にフランジ58といった連結部材を使用して連結されていて、先端部に切削部材51が設けられている。また、フランジ58にも、同様の切削部材51が設けられている。図5に示す切削部材51は、鋭く尖った先端部を備えていて、硬い土壌や石なども切削することができるようになっていて、先導管52の先端部およびフランジ58に溶接などにより接合して設けることができる。図5に示す先導管52は、いかなる径、長さの管であっても良いが、軸体53の両端部の径と同じ径にすることができる。また、切削部材51の形状および構造および材質は、適切に土壌を掘削することができるものであればいかなるものであっても良い。また、切削部材51は、先導管52の先端部およびフランジ58に、いかなる数設けられていても良い。
図5に示す軸体53は、中央部の径が大きくされ、その中央部の所定の長さにおいて一定の径とされていて、両端部に向けて一定の割合で径が小さくなるような形状とされている。また、中空とされていて、内部にスラリーを供給し、噴射させるための注入管56、57の一部が挿設されている。この注入管56、57を除いた空間には、圧縮空気が流されるようになっており、掘削土を流動させる潤滑材的効果に加え、掘削中の地盤への衝撃を低減させる効果、掘削部材50への揺動撹拌効果を与えて掘削を容易にするとともに、切削部材51の発熱を抑制することを可能にしている。本発明において軸体53は、例えば、全体の長さを0.8m、中央部の長さ0.16mにおいて0.4mの一定の径とし、長さ方向の両端部0.32mの範囲において0.14mから0.4mの径に一定の割合で拡大した構造とすることができる。この場合、一定の割合で拡大するテーパ角が22°となっている。
図5に示す軸体53には、外側面に螺旋状に形成された螺旋状羽根54が周設されている。螺旋状羽根54は、軸体53の中央部に向けて螺旋状羽根54の径が大きくなるように形成され、螺旋状羽根54の上面および下面には、複数の突出部材55が設けられている。螺旋状羽根54は、軸体53と同様に、軸体53の長さ方向に向いた両端部から中央部に向けて羽根の径が拡大するように形成されていて、土壌中を上下にスムーズに撹拌することができる構造とされている。
図5に示す突出部材55は、矩形の板状のものとされ、矩形とされた面が軸体53に向くように配設されている。また、突出部材55は、螺旋状羽根54の縁部および軸体53に近隣した内縁部に設けられ、矩形の角部が面取りされた構造とされている。矩形とされた板状の突出部材55の回転方向に向いた側の角部が面取りされた構造とすることにより、螺旋状羽根54の回転をスムーズにし、効果的に撹拌することができる。図5に示す掘削部材50において、土壌を掘削する場合、螺旋状羽根54の下面に設けられた突出部材55が鋭く土壌にくい込みながら土壌を効果的に撹拌し、上面に設けられた突出部材55は、切削および撹拌された土砂をスムーズに後方に送ることができ、土壌中に石などを含んでいても、噛みにくくなっている。また、掘削部材50を地中から地表面に向けて上昇させる場合には、螺旋状羽根54の上面に設けられた突出部材55が効果的に切削および撹拌し、下面に設けられた突出部材55がスムーズに土砂を後方に送ることができる。したがって、図5に示す掘削部材50を使用して土壌を掘削する場合には、掘削した土砂が地上に排出されなくなる。本発明において突出部材55は、いかなる数設けられていても良く、形状も上述した矩形の板状のものでなくても螺旋状羽根54の螺旋形状に沿って矩形の板が曲げられた形状とされていても良い。
図5に示す軸体53の中空部分には、上述したように注入管56、57の一部が挿設されていて、注入管56、57以外の軸体53の中空部分は、圧縮空気を通すことができるようになっている。図5に示す注入管56、57は、軸体53の長さ方向の中央部において注入管56、57は垂直に曲げられ、軸体53を貫通し、螺旋状羽根54の縁部に向けて延びた構造となっている。また、注入管56、57は、注入管56が軸体53の一方の面を貫通するように、注入管57がその一方の面の裏面、すなわち注入管56が突出する位置から周方向へ180°の角度となるように設けられている。本発明においては、スラリーが土壌中において接触し、適切に汚染物質の分解反応を生じさせることができるように、それぞれの注入管56、57が、軸体53の長さ方向の同じ位置となるように配設されていることが好ましく、軸体53から螺旋状羽根54に沿って突出する長さが同じであることが好ましい。なお、注入管56、57の径は、いかなる径であってもよく、例えば、1インチ〜1.5インチのものを使用することができる。
本発明において注入管56、57は、螺旋状羽根54の縁部にまで延びていなくてもよく、螺旋状羽根54の中央部、または内縁部までであってもよい。本発明では、酸化鉄粉を土壌と混合するため、単にスラリーを供給するだけでもよいが、高い圧力で供給し、注入管56、57から噴射させることが好ましい。この場合、注入管56、57は、広範囲に噴射させるために、螺旋状羽根54の縁部にまで延びているほうが好ましい。
図1および図2に示す装置および掘削部材を使用した土壌改良方法を説明する。図1に示す装置では、混合機13の2つの収容部11a、11bの各々に、所定量の水を入れ、次に、一方の収容部11aに所定量の酸化鉄粉、他方の収容部11bに所定量の焼き石膏を入れる。これらの粉末を入れると、細かい団子状の固まりができる。各収容部11a、11bに設けられた各混合手段12a、12bによって上記固まりがなくなるまで撹拌混合し、水に酸化鉄粉を、水に焼き石膏をそれぞれ分散させ、水に酸化鉄粉を分散させた第1スラリーと水に焼き石膏を分散させた第2スラリーとを別個に作成する。各収容部11a、11bの下部に設けられた弁17a、17bを開き、作成した第1スラリーおよび第2スラリーを下部の撹拌機16の収容部14に移し、撹拌手段15によって撹拌し、この2つのスラリーを混合するとともに、これら粉末の分散状態を保持しつつ貯留する。
施工地盤上では、走行手段28により土壌改良したい位置に移動し、アーム30を使用して地表面32に対してロッド27が垂直になるように配置する。挟持手段29によりロッド27を回転させ、昇降手段31によりロッド27を降下させて土壌を掘削する。土壌の掘削は、掘削部材23の先端部に設けられた切削部材20を使用して行われる。また、掘削土を流動させる潤滑材的効果を与え、掘削中の地盤への衝撃を低減させ、掘削部材23に揺動撹拌効果を与えて掘削を容易にするため、図示しない圧縮空気供給手段から圧縮空気を供給する。圧縮空気は、圧縮空気供給ラインを通り、ロッド27内のラインおよび掘削部材23の軸体21内を通って先端部から噴射される。なお、圧縮空気の噴射は、潤滑材的効果、掘削部材23の揺動撹拌効果、切削部材20の冷却効果のほか、軸体21内へ土壌が入り込むことを防止する効果もある。ロッド27の長さが足りない場合には、挟持手段29によるロッド27の回転を止め、ロッド27とラインとを連結する連結部を取り外し、この連結部とロッド27との間に延長するロッドを連結する。連結後、ロッド27を再び回転させ、引き続き土壌の掘削を行う。
本発明では、掘削部材23が入る程度の穴を事前掘削し、その掘削により生じた土砂を他の場所に仮置きしておき、掘削部材23による掘削時に上昇する土砂がその穴からあふれないようにすることもできる。この仮置きした土砂は、バックホウなどを使用して、所定量の酸化鉄粉を添加し、混合した後、埋め戻すことができる。スラリーを予め作成しておき、必要に応じて供給することができるが、数時間といったように長期間、スラリーを貯留しておくと固化する可能性があるため、掘削と同時にスラリーを作成することが好ましい。また、スラリーの供給を開始した後は、適宜作成することが好ましい。すなわち、掘削時に、また、後述する噴射時、撹拌混合時に、第1スラリーおよび第2スラリーを作成すること、第3スラリーを作成することが好ましい。本発明では、短時間に第3スラリーを作成することができるため、予め大量に作成し、大量に貯留しておくことなく、上記掘削時、噴射時、撹拌混合時に作成することができる。なお、第3スラリーは、単に第1スラリーと第2スラリーとを混合するのみで、だまができることはないため、第3スラリーの作成と同時に、掘削部材23へのスラリーの供給を行い、スラリーを噴射させることができる。
次に、所定深さまで土壌を掘削した後、挟持手段29によるロッド27の回転方向を変える。スラリーの供給があるまでは上昇させずに、回転させたまま停止しておく。本発明においては、ロッド27の回転を停止しておくこともできる。供給手段25を起動し、スラリー製造装置10からスラリーの供給を開始する。例えば、スラリー製造装置10から供給手段25までのラインに予めスラリーを満たしておき、供給手段25の起動により掘削部材23にスラリーを供給することができる。本発明では、スムーズに掘削部材23を上昇させるために、上記のように、ロッド27の回転方向を変えることが好ましい。
スラリーを各注入管から周囲の土壌に向けて噴射させる。スラリーは、螺旋状羽根22の周囲方向に連続的に噴射される。回転する螺旋状羽根22によって土壌を撹拌し、スラリーと土壌とを混合する。次に、図2に示すように、スラリーの供給および螺旋状羽根22による撹拌を行いつつ、昇降手段31によりロッド27を所定速度で上昇させる。こうすることにより、所定深さまでの土壌の所定範囲に酸化鉄粉および焼き石膏を均一に分布させることができる。土壌と酸化鉄粉および焼き石膏とを充分に混合するためには、上昇速度が小さいほうが好ましいが、小さすぎる場合、作業効率が低下するため、例えば、毎分0.05m〜毎分0.3mとすることができる。また、本発明では、ロッド27の上昇時に限らず、掘削時にスラリーを供給し、周囲の土壌に向けて噴射させることもできるし、掘削時と上昇時の両方において、スラリーを供給し、噴射させることもできる。掘削時にスラリーを噴射させる場合は、所定深さまで掘削したとき既に、酸化鉄粉および焼き石膏の供給が終了しており、掘削部材23を上昇させるのみであるため、上昇速度を上げて施工時間を短縮することができ、掘削時と上昇時の両方においてスラリーを噴射させる場合は、より均一に酸化鉄粉および焼き石膏を分布させ、より効果的に浄化および地盤改良を行うことができる。
本発明においては、掘削部材23が地表面32の近くまで上昇したところで、供給手段25を停止し、圧縮空気供給手段による圧縮空気の供給を停止する。掘削部材23をさらに上昇させ、地表面32から掘削部材23が離間した後、走行手段28により次の改良位置に移動し、再び上述したようにして掘削、スラリーの供給および噴射、撹拌を行うことができる。
本発明を上述した実施の形態をもって詳細に説明してきたが、本発明の土壌改良方法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、同様の効果を得ることができるものであれば、撹拌部材は上述した形状に限らず、いかなる大きさ、螺旋状羽根の巻数、鉄粉および酸化剤の注入管の配設位置であっても良く、容器もいかなる形状および構造であってもよい。また、鉄粉または酸化鉄粉、水、焼き石膏の配合比は、土壌の含水比、浄化する土壌の質量、さらにはコストによって適切な値に設定することができる。
また、図4に示す実施の形態で使用される掘削部材において、羽根45a、45b、45c、45dの長さ、幅、厚さ、枚数、傾斜角度は、掘削する地盤強度、スラリーを噴射させ、混合する範囲などを考慮し、適切なサイズ、数、角度にすることができる。また、注入管44は、羽根45a、45bに近隣し、ロッド41から突出する方向、すなわち羽根45a、45bの長さ方向に沿って延びるように設けられていてもよいし、さらには、羽根45a、45bではなく、羽根45c、45dに近隣し、羽根45c、45dの長さ方向に沿って延びるように設けることもできる。本発明において、少ない量の鉄粉または酸化鉄粉および焼き石膏で充分な土壌浄化および地盤強度を得るためには、掘削部材として、羽根があるほうが好ましく、図5に示す掘削部材がより好ましい。