JP2005281344A - 土壌処理材、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材及びそれを用いた土壌の処理方法 - Google Patents

土壌処理材、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材及びそれを用いた土壌の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005281344A
JP2005281344A JP2004093465A JP2004093465A JP2005281344A JP 2005281344 A JP2005281344 A JP 2005281344A JP 2004093465 A JP2004093465 A JP 2004093465A JP 2004093465 A JP2004093465 A JP 2004093465A JP 2005281344 A JP2005281344 A JP 2005281344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
treatment material
substance
soil treatment
sio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004093465A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4634060B2 (ja
Inventor
Minoru Morioka
実 盛岡
Takayuki Higuchi
隆行 樋口
Koji Okuyama
康二 奥山
Kosuke Yokozeki
康祐 横関
Kenzo Watanabe
賢三 渡邉
Ryoichi Ashizawa
良一 芦澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Denka Co Ltd
Original Assignee
Kajima Corp
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp, Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2004093465A priority Critical patent/JP4634060B2/ja
Publication of JP2005281344A publication Critical patent/JP2005281344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4634060B2 publication Critical patent/JP4634060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

【課題】土壌処理材、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材及びそれを用いた土壌の処理方法を提供する。
【解決手段】土壌処理材がγ−2CaO・SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の炭酸固化する化合物を含む物質を含有してなること、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材が前記土壌処理材を炭酸固化してなることを特徴とする。また、前記土壌処理材とともに、炭酸成分を加え混合して固化する土壌の処理方法を特徴とする。

Description

本発明は、主に、土木・建築分野において使用される土壌処理材、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材及びそれを用いた土壌の処理方法に関する。
環境問題が顕在化している。特に、土壌中の有害物質、例えば、カドミウム、鉛、総水銀、六価クロム、セレン、ヒ素等の重金属、硝酸態窒素や亜硝酸態窒素、全シアン、フッ素、ホウ素、さらには、ダイオキシン類、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物類などは、環境基本法に基づく環境基準が定められ、この基準値以下の水準を保つことが好ましいとされている。
従来、これらの有害物質を低減する材料としては、活性炭を用いる方法(例えば、特許文献1や特許文献2等)、ゼオライト類を用いる方法(例えば、特許文献3等)、ハイドロタルサイト類やハイドロカルマイト類を用いる方法(例えば、特許文献4や特許文献5等)、還元性鉄粉により還元や分解して処理する方法(例えば、特許文献6等)、硫酸第一鉄を用いる方法(例えば、特許文献7や特許文献8等)、アパタイト類を用いる方法(例えば、特許文献9等)などがあった。しかしながら、これらの有害物質低減材料は土壌を固化させる能力をもたないものであった。
特開平05−76619号公報 特開2002−239347号公報 特開2001−238980号公報 特開平10−128313号公報 特開2001−252675号公報 特開平07−108280号公報 特開平09−85224号公報 特開平10−34124号公報 特開平08−182984号公報
一方、土壌中性固化材が数多く提案されている。その代表としては、セッコウ系のものやマグネシア系のものが知られている(特許文献10〜18等)。しかしながら、セッコウ系の土壌中性固化材は固化力が充分でなく、また、その強度発現性も緩やかであり、材齢28日程度の長期的な時間を必要とするものであった。そして、マグネシア系の土壌中性固化材は比較的早期に強度を発現するが、非常に高価なものであり、ほとんど実用されていない。また、なによりこれらの土壌中性固化材は有害物質低減効果を有するものではなかった。
特開平10−316967号公報 特開2000−109829号公報 特開2000−239660号公報 特開2001−200252号公報 特開2002−206090号公報 特開2002−241154号公報 特開2002−249774号公報 特開2003−13063号公報 特開2003−20478号公報
また、「γ−2CaO・SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有することを特徴とするセメント混和剤。」の発明が公知である(特許文献19)。この発明には、セメント・コンクリートの中性化を抑制することは開示されているが、これらの非水硬性化合物を土壌固化材として使用するために、炭酸固化することは示されていない。
WO 03/016234
さらに、ブレーン比表面積が3,000cm2/g以上であるγ−C2S(γ−2CaO・SiO2)を含む物質を含有する組成物を炭酸化硬化体とすることも公知である(特許文献20)が、この炭酸化硬化体を土壌固化材として使用すること、この炭酸化硬化体により、有害物質を低減することは示されていない。
特開2003−212617号公報
本発明は、上記の有害物質低減材料、土壌中性固化材の有する問題点を解決し、土壌処理材、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材及びそれを用いた土壌の処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、γ−2CaO・SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の炭酸固化する化合物が、炭酸成分を併用することにより、土壌を適度に固化して改良することを知見した。そして、処理後の土壌のpHを中性領域に調整することができ、しかも、効果的に有害物質を低減できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)有害物質低減効果を有する土壌中性固化材に用いる土壌処理材であって、γ−2CaO・SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の炭酸固化する化合物を含む物質を含有してなることを特徴とする土壌処理材である。
(2)前記物質が、フッ素含有量1%以下の製鋼スラグであることを特徴とする前記(1)の土壌処理材である。
(3)前記物質が、ブレーン比表面積2,000cm2/g以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)の土壌処理材である。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一つの土壌処理材を炭酸固化してなることを特徴とする有害物質低減効果を有する土壌中性固化材である。
(5)前記(1)〜(3)のいずれか一つの土壌処理材とともに、炭酸成分を加え混合して固化することを特徴とする土壌の処理方法である。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明の土壌処理材は、土壌中で炭酸と接触又は混合させて固化させることにより、土壌中性固化材となり、土壌中の有害物質、例えば、カドミウム、鉛、六価クロム、ヒ素、セレンなどを低減することができる。また、処理後の土壌のpHが中性領域となるため、環境への影響が少なく、土壌の用途が制限されない等の効果を奏する。
本発明の土壌処理材は、γ−2CaO・SiO2、α型ワラストナイト(α−CaO・SiO2)、メルヴィナイト3CaO・MgO・2SiO2、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2、モンチセライトCaO・MgO・SiO2等のカルシウムマグネシウムシリケートから選ばれる群の1種又は2種以上の炭酸固化する化合物を含む物質を用いることを特徴の一つとする。また、本発明では、これらの炭酸固化する化合物を含む物質(以下、「炭酸固化性物質」という。)として、製鋼スラグを用いることも可能である。
本発明でいう製鋼スラグとは、製鋼プロセスで生じるスラグの総称であり、具体的には電気炉還元期スラグ、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、及びステンレススラグを挙げることができる。
本発明で用いる炭酸固化性物質はいずれもγ−2CaO・SiO2、α型ワラストナイト、及び/又はカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の炭酸固化する化合物を含有しているものであればよく、特に限定されるものではない。炭酸固化性物質として製鋼スラグを用いる場合、前記製鋼スラグのいずれか1種を単独でも使用できるが、2種以上併用することも可能である。
炭酸固化性物質中のγ−2CaO・SiO2の含有量は特に限定されないが、炭酸固化性物質全体の35%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。また、γ−2CaO・SiO2の含有量の上限値は特に限定されない。製鋼スラグの中では、γ−2CaO・SiO2含有量が多い電気炉還元期スラグ又はステンレススラグが好ましい。
炭酸固化性物質は、γ−2CaO・SiO2を含有し、かつ、炭酸固化する化合物を60%以上含有することが好ましく、炭酸固化する化合物を70%以上含有することがより好ましい。
炭酸固化性物質の各々の化学成分は特に限定されるものではないが、具体的には、CaO、SiO2、Al23、MnO2、F、及びMgO等を主要な化学成分とし、その他、TiO2、Na2O、S、P25、及びFe23等が挙げられる。
また、炭酸固化性物質に含まれる化合物としては、本願発明の目的を阻害しない範囲であれば、少量の不純物を含んでいてもよい。炭酸固化性物質に含まれる不純物化合物としては、たとえばβ型やα型などのダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO2やランキナイト3CaO・2SiO2やβ型のワラストナイト(β−CaO・SiO2)等のカルシウムシリケート、12CaO・7Al23、11CaO・7Al23・CaF2や3CaO・Al23等のカルシウムアルミネート類、ゲーレナイト2CaO・Al23・SiO2やアノーサイトCaO・Al23・2SiO2等のカルシウムアルミノシリケート類、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2とゲーレナイト2CaO・Al23・SiO2の混晶であるメリライト、遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト2CaO・Fe23、カルシウムアルミノフェライト4CaO・Al23・Fe23、リューサイト(K2O、Na2O)・Al23・SiO2、スピネルMgO・Al23、及びマグネタイトFe34がある。
また、製鋼スラグには、フッ素含有量が多いものも存在する。フッ素は、特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)の規制対象物質であり、フッ素を多く含むものは環境保全の観点からも好ましくない。
フッ素を含む製鋼スラグでは、12CaO・7Al23はフッ素の固溶した11CaO・7Al23・CaF2の形態で存在するほか、 γ−2CaO・SiO2の一部はカスピディン(Cuspidine)(3CaO・2SiO2・CaF2)に変化する。また、12CaO・7Al23や11CaO・7Al23・CaF2と、フッ素源として遊離CaF2が共存するものもある。
11CaO・7Al23・CaF2やカスピディン等のフッ素を含む化合物の存在は、土壌へのフッ素の連行を伴い、その結果、処理後の土壌からのフッ素の溶出量に影響を及ぼす。したがって、フッ素含有量の多い製鋼スラグの使用は好ましくない。具体的には、製鋼スラグ中のフッ素含有量は1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。
炭酸固化性物質のブレーン比表面積は、特に限定されるものではないが、通常、1,500〜8,000cm2/g程度で用いることができ、2,000〜6,000cm2/gが好ましく、3,000〜5,000cm2/gがより好ましい。1,500cm2/g未満では充分な固化力や有害物質の低減効果が得られない場合があり、8,000cm2/gを超えると作業性が悪くなる場合がある。
土壌に対する本発明の土壌処理材(炭酸固化性物質)の使用量は特に限定されるものではないが、通常、土壌1m3に対して、100〜1,000kgが好ましく、150〜500kgがより好ましい。100kg未満では本発明の効果が十分に得られない場合があり、1,000kgを超えて使用しても更なる効果の増進が期待できないため不経済である。
本発明の土壌処理材は、炭酸成分と土壌中で混合又は接触させることで反応させ、土壌固化材として使用する。本発明で言う炭酸成分とは、CO2成分、CO3 2-やHCO3 -等を供給可能な物質を総称するものであり、特に限定されるものではない。その具体例としては、例えば、炭酸ガス、超臨界二酸化炭素、ドライアイス、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄等の炭酸塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アルミニウム、重炭酸鉄等の重炭酸塩、及び炭酸水等が挙げられる。
本発明の土壌処理材と炭酸成分と土壌とを混合する方法は特に限定されないが、土壌処理材、炭酸成分及び土壌を一度に混合して固化させる方法や、土壌処理材と土壌を予め混合してから炭酸成分と接触・混合させて固化させる方法や、土壌と土壌処理材とを混合する前に炭酸成分を土壌と接触又は混合させておき、その後に土壌処理材を加える方法等が挙げられる。有害物質低減効果の観点から、土壌と土壌処理材とを予め混合しておき、炭酸成分と接触又は混合する方法が好ましい。この際、土壌のpHが4〜10程度に調整されることが好ましく、5〜9程度の中性領域がより好ましい。
炭酸成分の使用量は、炭酸成分の種類や添加形態によって異なるため、一義的に決定されるものではないが、通常、土壌処理材100部に対して、1部以上が好ましく、5部以上がより好ましい。炭酸成分の使用量が1部未満では、充分な固化力や有害物質低減効果が得られない場合がある。
本発明では、土壌、土壌処理材、及び炭酸成分の混合方法は特に限定されるものではないが、通常、注入工法や強制攪拌工法等によって行うことができる。
また、原位置における本発明の土壌の処理方法は、ジェットグラウトを利用した地盤改良工法(例えば、特開平7−76821号公報)やウォータージェットを用いた地下浄化壁の施工法(例えば、特開2003−74047号公報)等によって行うことができる。
本発明でいう有害物質とは、特に限定されるものではないが、例えば、環境基準が定められている、カドミウム、鉛、総水銀、六価クロム、セレン、ヒ素等の重金属、硝酸態窒素や亜硝酸態窒素、全シアン、フッ素、ホウ素、さらには、有機物としては、ダイオキシン類、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の揮発性有機化合物、PCB、ジクロロエタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ベンゼン、有機リン等を挙げることができる。また、環境基準が定められていないものとしては、例えば、銅、亜鉛、モリブデン、アミン化合物、各種の環境ホルモンや内分泌かく乱物質等が挙げられる。
本発明では、本土壌処理材の他に、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、また、石灰石粉末等や高炉徐冷スラグ微粉末を混合したフィラーセメント、並びに、環境調和型セメント、いわゆるエコセメント、高炉徐冷スラグ微粉末、酸化カルシウムや水酸化カルシウム、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類等のマグネシウム化合物、活性炭等の炭素物質、モンモリロナイトやカオリナイト等に代表される層状粘土化合物である、いわゆるベントナイト類、ゼオライト類、セピオライト、アパタイト、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、三酸化アンチモンや五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩、亜硫酸塩等のイオウ化合物、チオ尿素、還元鉄粉、アマルガム、セルロース類、ポリビニルアルコール、キトサン等の水溶性高分子類、ジアルキルジカルバミン酸類、キノリン化合物類、ポリアミン類、糖類等の添加材料のうちの1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用可能である。
上記の添加材料は本発明の土壌処理材と併用しても良いし、別々に使用しても何ら差し支えない。例えば、本発明の土壌処理材で一次処理を行った後、二次処理を上記添加材料で行うことも可能である。このような二重の有害物質低減の処理を施すことは、有害物質を多面的に、かつ、確実に低減する観点からはむしろ好ましいと考えられる。
表1に示すような様々な炭酸固化性物質をブレーン比表面積4,000cm2/gに粉砕し、有害物質低減効果を有する土壌中性固化材を調製した。この中性固化材を用いて、カドミウム、鉛、六価クロム、セレン、ヒ素を含み、環境庁告示第46号法に基づく溶出試験の結果、前記有害物質の溶出量が環境基準値を上回る酸性土壌について、土壌の処理効果を確認した。土壌1m3に対して、土壌処理材を250kg添加し、強制攪拌工法にて混合した。次いで、炭酸ガスを吹き込みながら、あるいはドライアイスを加えながら、再度攪拌処理した。処理後28日後に土壌を用いて再度、環境庁告示第46号法に基づく溶出試験を行った。また、土壌の強度やpHも確認した。結果を表1に示す。なお、比較のために、普通ポルトランドセメント(OPC)や、従来の中性固化材であるセッコウ系中性固化材やマグネシア(MgO)系中性固化材を用いて土壌処理を行った場合の結果も併記した。
<使用材料>
炭酸固化性物質A:γ−2CaO・SiO2、2モルの炭酸カルシウムと1モルの二酸化 ケイ素を配合して1,450℃で焼成して合成。比重3.01、ブレ ーン比表面積4,000cm2/g。
炭酸固化性物質B:α型ワラストナイト、合成品。比重2.93、ブレーン比表面積4, 000cm2/g。
炭酸固化性物質C:メルヴィナイト、合成品。比重3.33、ブレーン比表面積4,00 0cm2/g。
炭酸固化性物質D:電気炉還元期スラグ、酸化物換算CaO含有量52%、酸化物換算
SiO2含有量27%、Al23含有量11%、MgO含有量0.5
%、フッ素含有量0.7%、S含有量0.5%。主な化合物相はγ− 2CaO・SiO2含有量約45%、α型ワラストナイト約20%、 および12CaO・7Al23固溶体約25%、比重3.06、ブ レーン比表面積4,000cm2/g。炭酸固化する化合物の含有量 はγ−2CaO・SiO2含有量45%とα型ワラストナイトの含有 量20%の和で約65%。
炭酸固化性物質E:ステンレススラグ、CaO含有量52%、SiO2含有量28%、M gO含有量10%、Al23含有量7%、Na2O含有量0.5%、 フッ素含有量0.5%。主な化合物相はγ−2CaO・SiO2含有 量約35%、メルヴィナイト約44%、12CaO・7Al23固溶 体約14%、及び遊離マグネシア約4%。比重3.14、ブレーン比 表面積4,000cm2/g。炭酸固化する化合物の含有量はγ−2 CaO・SiO2含有量35%とメルヴィナイトの含有量44%の和 で約79%。
炭酸固化性物質F:電気炉還元期スラグ、酸化物換算CaO含有量53%、酸化物換算S iO2含有量35%、Al23含有量4%、MgO含有量6%、フッ 素含有量1.0%、S含有量0.5%。主な化合物相はγ−2CaO ・SiO2含有量約40%、カスピディン14%、メルヴィナイト4 0%、比重3.04、ブレーン比表面積4,000cm2/g。炭酸 固化する化合物の含有量はγ−2CaO・SiO2含有量40%と、 カスピディン含有量の14%と、メルヴィナイト含有量40%の和で 約95%。
炭酸成分イ :炭酸ガス。
炭酸成分ロ :ドライアイス。
土壌 :有害物質で汚染された関東ローム土。
普通ポルトランドセメント:市販品の3種類を等量ずつ混合したものを使用。
セッコウ系中性固化材:市販品、半水セッコウを主成分とするもの。
マグネシア(MgO)系中性固化材:市販品、酸化マグネシウムとリン酸マグネシウムと を主成分とするもの。
水 :水道水
<測定方法>
有害物質の溶出量:環境庁告示第46号法に準じて測定。
土壌のpH:市販のpH電極を土壌中に挿入して測定。
固化の有無:処理土を10cmφ×20cmの型枠に詰めて供試体を作製し、材齢28日 に評価した。×は固化せず。△は脱型時に一部破損。○は脱型強度を発現。 ◎は1.5N/mm2以上であったことを示す。
表1からみて、本発明の土壌処理材(実験No.1−2〜1−7、1−9)は、炭酸成分と混合することにより固化し、pH7.0〜8.0の中性固化材となり、普通ポルトランドセメントOPC(実験No.1−11)、セッコウ系(実験No.1−12)、MgO系(実験No.1−13)の固化材と比較して、優れた有害物質低減効果を有することが分かる。
また、炭酸成分のみ(実験No.1−8)、γ−2CaO・SiO2のみ(実験No.1−10)では固化せず、有害物質低減効果もないから、両者を併用して、中性固化材とすることが必要である。
有害物質低減効果を有する土壌処理材として炭酸固化性物質Aを使用し、炭酸固化性物質Aの粉末度を表2に示すように変化したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
表2からみて、本発明の土壌処理材は、2,000cm2/g以上のブレーン比表面積の場合に、優れた有害物質低減効果を有し、3,000〜8,000cm2/gのブレーン比表面積の場合に、特に優れた有害物質低減効果を有することが分かる。ブレーン比表面積が8,000cm2/gを超えると有害物質低減効果は向上するが、作業性が悪くなる場合がある。

Claims (5)

  1. 有害物質低減効果を有する土壌中性固化材に用いる土壌処理材であって、γ−2CaO・SiO2、α−CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の炭酸固化する化合物を含む物質を含有してなることを特徴とする土壌処理材。
  2. 前記物質が、フッ素含有量1%以下の製鋼スラグであることを特徴とする請求項1に記載の土壌処理材。
  3. 前記物質が、ブレーン比表面積2,000cm2/g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌処理材。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の土壌処理材を炭酸固化してなることを特徴とする有害物質低減効果を有する土壌中性固化材。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の土壌処理材とともに、炭酸成分を加え混合して固化することを特徴とする土壌の処理方法。
JP2004093465A 2004-03-26 2004-03-26 土壌の処理方法 Expired - Fee Related JP4634060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093465A JP4634060B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 土壌の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093465A JP4634060B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 土壌の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005281344A true JP2005281344A (ja) 2005-10-13
JP4634060B2 JP4634060B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=35180098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004093465A Expired - Fee Related JP4634060B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 土壌の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4634060B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204941A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kajima Corp 炭酸化地盤改良工法
JP2007246770A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Denki Kagaku Kogyo Kk ヒドロゲル組成物およびそれを用いた地盤改良方法
JP2013116468A (ja) * 2011-10-31 2013-06-13 Jfe Steel Corp セレン低減材及びセレン低減方法
JP2014500213A (ja) * 2010-11-10 2014-01-09 エコマイスター カンパニーリミテッド 還元スラグ粉末を用いた超速硬性水硬結合材及びその製造方法
JP2018109128A (ja) * 2017-01-05 2018-07-12 デンカ株式会社 六価クロムの溶出低減剤およびそれを用いた六価クロムの溶出低減方法。

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62241856A (ja) * 1986-04-14 1987-10-22 太平洋セメント株式会社 γ型珪酸二石灰の炭酸化養生法
WO2003016234A1 (fr) * 2001-08-21 2003-02-27 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Adjuvant de ciment, composition de ciment, et procede destine a eliminer la carbonation au moyen de ceux-ci
JP2003200144A (ja) * 2001-12-28 2003-07-15 Jfe Engineering Kk 有害物質の固定化処理方法
JP2003212617A (ja) * 2002-01-25 2003-07-30 Denki Kagaku Kogyo Kk 炭酸化硬化体用の水硬性物質組成物及びそれを用いた炭酸化硬化体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62241856A (ja) * 1986-04-14 1987-10-22 太平洋セメント株式会社 γ型珪酸二石灰の炭酸化養生法
WO2003016234A1 (fr) * 2001-08-21 2003-02-27 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Adjuvant de ciment, composition de ciment, et procede destine a eliminer la carbonation au moyen de ceux-ci
JP2003200144A (ja) * 2001-12-28 2003-07-15 Jfe Engineering Kk 有害物質の固定化処理方法
JP2003212617A (ja) * 2002-01-25 2003-07-30 Denki Kagaku Kogyo Kk 炭酸化硬化体用の水硬性物質組成物及びそれを用いた炭酸化硬化体の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204941A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kajima Corp 炭酸化地盤改良工法
JP2007246770A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Denki Kagaku Kogyo Kk ヒドロゲル組成物およびそれを用いた地盤改良方法
JP2014500213A (ja) * 2010-11-10 2014-01-09 エコマイスター カンパニーリミテッド 還元スラグ粉末を用いた超速硬性水硬結合材及びその製造方法
JP2013116468A (ja) * 2011-10-31 2013-06-13 Jfe Steel Corp セレン低減材及びセレン低減方法
JP2018109128A (ja) * 2017-01-05 2018-07-12 デンカ株式会社 六価クロムの溶出低減剤およびそれを用いた六価クロムの溶出低減方法。

Also Published As

Publication number Publication date
JP4634060B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011093738A (ja) セメント系固化材
JP5092203B2 (ja) 廃棄物からのフッ素および重金属の溶出を抑制する方法
JP2005272156A (ja) セメント混和材、セメント組成物、急硬グラウト材、急硬グラウト、及びそれを用いた地山変形防止工法
JP4531362B2 (ja) 有害物質低減材と、それを用いた汚水及び土壌の処理方法
JP2004315303A (ja) セメント組成物、コーティング材料、及びそれを用いた遮塩方法
JP5768293B2 (ja) フッ素含有無機系廃棄物を用いる土壌固化材の製造方法及び得られた土壌固化材並びに同土壌固化材を用いる軟弱な土壌の固化方法
JP4634060B2 (ja) 土壌の処理方法
JP3752980B2 (ja) クロムを含む産業廃棄物の安定化処理技術
JP3274376B2 (ja) 泥状物の団粒化剤、それを用いた固化剤
JP2007209848A (ja) フッ素化合物含有廃棄物の処理方法及びフッ素化合物含有廃棄物の処理剤
JP3844456B2 (ja) 固化材及びそれを用いた汚染土壌の浄化方法
JP4725302B2 (ja) 溶出成分含有物質の処理方法ならびに安定化資材およびその製造方法
JP2005047771A (ja) セメント組成物
JP4400732B2 (ja) 土壌の有害物質溶出低減材及びそれを用いた土壌の処理方法
JP4712290B2 (ja) 有害物質捕集材及びそれを用いた汚水や土壌の処理方法
JP3877583B2 (ja) 六価クロム低減材
JP3841770B2 (ja) 中性固化材及びそれを用いた土壌の処理方法
JP4837258B2 (ja) ステンレス鋼スラグの土中埋設方法および土中埋設用材料
JP3942404B2 (ja) セメント混和剤
JP2006124202A (ja) セメント組成物
JP2004105783A (ja) 土壌の固化処理材および固化処理方法
JP2005162862A (ja) 重金属溶出抑制剤および重金属溶出抑制方法
JP4712291B2 (ja) 有害物質捕集材と、それを用いた汚水及び土壌の処理方法
JP4497775B2 (ja) 固化材
JP2004051424A (ja) セメント混和材及びセメント組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100521

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100927

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4634060

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees