JP3844456B2 - 固化材及びそれを用いた汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、土木・建築業界等において使用される固化材及びそれを用いた汚染土壌の浄化方法、特に、軟弱土壌、スラッジ、及び建設廃土等を固化する固化材及びそれを用いた汚染土壌の浄化方法に関する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
【0002】
【従来の技術とその課題】
最近では環境問題が大きく取り上げられ、人体に悪影響をおよぼす因子の規制がなされている。
その一例として、クロム(Cr)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、及び鉛(Pb)などの有害重金属が挙げられる。
有害重金属は一度体内に入ると、体外に排出されることがないため蓄積され、この量が一定値を超えると様々な障害が現れる。
有害重金属のうち、特にクロムは、主に三価と六価の形態をとり、六価が有害であるが、三価クロムも酸化条件で容易に六価に変化するため完全に無害化することが困難なものとされている。
【0003】
有害金属を低減する際、有害重金属がカチオン性の場合にはカチオン収着剤を、また、有害重金属がアニオン性の場合にはアニオン収着剤を使用するが、三価クロムがカチオン性で、六価クロムがアニオン性であることはクロムの処理を困難にしている要因のひとつである。
即ち、カドミウムや鉛等の重金属がカチオン性であるため、カチオン収着剤を使用するが、六価クロムはアニオン性であることから、アニオン収着剤を適用しなければ捕集することができないという課題があった。
【0004】
また、従来より、六価クロムは第一鉄塩等の還元剤によって低減する方法が提案されている(特開平3-205331号公報、特開2000-86322号公報等)。
しかしながら、これらの還元剤は高価なものであり、広域にわたり汚染された水質や土壌を改質するために使用するにはあまりにも不経済であるという課題があった。
今日では、安価であって、カドミウムや鉛等のカチオン性有害重金属とアニオン性有害重金属である六価クロムを同時に低減できる有害重金属の低減剤の開発が強く待たれている。
【0005】
一方、土木・建築業界等において使用される固化材は、軟弱土壌、スラッジ、及び建設廃土等を固化するために用いられている。
したがって、固化材中に含まれるセメント系材料から多くの六価クロムが溶出する場合には土壌を汚染することになり、問題となる場合がある。
また、既に六価クロムで汚染されている土壌、スラッジ、及び建設廃土も同様に問題となる場合がある。
【0006】
従来の固化材は、各種ポルトランドセメントや、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、及びシリカフュームなどの潜在水硬性物質等からなる水硬性材料を主体としていた。特に、高強度あるいは低アルカリ性とするために高炉水砕スラグを含有するものが種々提案されている(特開2001-40652号公報、特開平10-273661号公報、特開平10-225669号公報等)。
高炉水砕スラグ微粉末は六価クロムの低減効果を有すると言われているが、例えば、関東ロームのような土壌で用いた場合には有害重金属の固定化能が充分でない場合もあった。
【0007】
一方、産業副産物である各種の骨灰や鉄鋼スラグの有効利用に関しても関心が寄せられている。
【0008】
骨灰は、家畜の廃棄物、例えば、牛骨や鶏骨、あるいは、肉骨粉を焼却処理した後の残灰であり、ほとんどが廃棄処分されているのが現状である。
【0009】
また、鉄鋼スラグは、プロセスや設備によって様々な組成や性状を有するスラグとして副生する。
例えば、銑鉄を調製するプロセスで用いる高炉からは高炉スラグが、銑鉄から製鋼するプロセスで用いる溶銑予備処理設備、転炉、及び電気炉からは、それぞれ、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、及び電気炉スラグが副生する。
さらに、高炉スラグには水砕スラグと徐冷スラグがあり、溶銑予備処理スラグには、脱珪スラグ、脱リンスラグ、及び脱硫スラグがあり、電気炉スラグにも酸化期スラグと還元期スラグが存在する。
しかしながら、この鉄鋼スラグと呼ばれるものには未だに有効な利用方法が見出されていないものが多い。
【0010】
本発明者は、鋭意努力を重ね、未だに有効利用方法が見出されていない骨灰が優れた有害重金属の低減能力を有すること、また、産業副産物である鉄鋼スラグのうちの脱硫スラグや高炉徐冷スラグを骨灰に組み合わせることによって、有害重金属の低減効果がより顕著となり、多面的に有害重金属の低減を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、固化材 100 部中、水硬性物質50 99 部と、骨灰、並びに、脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグの合計1〜 50 部とを含有してなり、脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグが非硫酸態イオウとして存在するイオウを0.5%以上含有することを特徴とする固化材であり、脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグのブレーン比表面積が3,000cm2/g以上である該固化材であり、骨灰が、骨灰と脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグの合計100部中、10〜90部であることを特徴とする該固化材であり、さらに、該固化材を用いた汚染土壌の浄化方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明で使用する水硬性物質としては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、また、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント、いわゆるエコセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
固化材は低アルカリ性であることが求められる場合が多いため、高炉水砕スラグ粉末を含有させることが好ましく、通常、高炉水砕スラグ粉末を含有する水硬性物質としては、高炉セメントを使用することが可能である。
【0014】
本発明で使用する骨灰とは、家畜の廃棄物、例えば、牛骨、豚骨、及び鶏骨等、あるいは肉骨粉を焼却処理した後の残灰であり、CaOやP2O5を主成分とし、その他の成分として、微量のSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO、Na2O、K2O、及びCなどを含有するものである。
骨灰の粉末度は特に限定されるものではないが、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)で10,000cm2/g以上が好ましく、10,000〜30,000cm2/gがより好ましく、10,000〜20,000cm2/gが最も好ましい。ブレーン値が10,000cm2/g未満では、本発明の効果、即ち、有害重金属の低減効果が充分に得られない場合があり、30,000cm2/gを超えるように粉砕することは、粉砕動力が大きくなり不経済である。
骨灰の使用量は、水硬性物質と骨灰からなる固化材100部中、5〜50部が好ましく、10〜30部がより好ましい。5部未満では有害重金属の低減効果が充分に得られない場合があり、50部を超えると強度発現性が悪くなる場合がある。
【0015】
本発明では、有害重金属低減剤として、骨灰とともに、必要に応じて脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグを併用することが可能である。
【0016】
本発明で使用する脱硫スラグとは、溶銑の予備処理段階で副生するスラグ、いわゆる、予備処理スラグのうち、脱硫工程で副生するスラグを総称するものである。
脱硫スラグの成分は特に限定されるものではないが、具体的には、CaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3、S、MgO、TiO2、MnO、Na2O、及びP2O5など、並びに、Fe2O3以外の状態で存在するFeを含有するものである。
これらの成分割合は、使用する鉄鉱石の組成や脱硫剤の組成等によって大きく異なるので一義的な組成範囲を持つものではない。
また、化合物としては、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO2、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、カルシウムフェライトやカルシウムアルミノフェライト、遊離石灰、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、並びに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合が多いが、化合物組成も化学成分の変動と関連するため一義的に決定されるものではない。
【0017】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ粉末(以下、徐冷スラグ粉という)は徐冷されて結晶化した高炉スラグの粉末である。
徐冷スラグ粉の成分は高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的には、SiO2、CaO、Al2O3、及びMgOなどを主要な化学成分とし、その他の成分として、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3などの微量成分が挙げられる。
化学成分の割合は特に限定されるものではないが、通常、主成分である、SiO2は25〜45%、CaOは30〜50%、Al2O3は10〜20%、及びMgOは3〜10%程度であり、微量成分はそれぞれ2%以下である。
また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、並びに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合がある。
【0018】
本発明では、脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグ(以下、合わせて本スラグという)のうち、例えば、硫化物、多硫化物、イオウ、チオ硫酸、及び亜硫酸等のように非硫酸態イオウとして存在するイオウ(以下、単に非硫酸態イオウという)を0.5%以上含むものを用いることが、本発明の効果が顕著であることから好ましい。非硫酸態イオウが0.5%未満では、本発明の効果、即ち、有害重金属の低減効果が充分に得られない場合がある。非硫酸態イオウは0.5%以上が好ましく、0.7%以上がより好ましく、0.9%以上が最も好ましい。
非硫酸態イオウ量は、全イオウ量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオウ量、及び硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)を、山口と小野の方法により定量することによって、また、硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)と硫化物態イオウ量については、JIS R 5202に定められた方法により定量することによっても求められる(「高炉スラグ中硫黄の状態分析」、山口直治、小野昭紘、製鉄研究、第301号、pp.37-40、1980参照)。
【0019】
本スラグのガラス化率は30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率が30%を超えると本発明の効果、即ち、有害重金属の低減効果が充分に得られない場合がある。
本発明でいうガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる徐冷スラグ粉中の主要な結晶性化合物であるメリライト(ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶)のメインピークの面積であり、S0は徐冷スラグ粉を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
【0020】
本スラグの粉末度は特に限定されるものではないが、ブレーン値で、3,000cm2/g以上が好ましく、4,000〜8,000cm2/gがより好ましく、5,000〜8,000cm2/gが最も好ましい。ブレーン値が3,000cm2/g未満では、本発明の効果、即ち、有害重金属の低減効果が充分に得られない場合があり、8,000cm2/gを超えるように粉砕するには、粉砕動力が大きくなり不経済であり、また、徐冷スラグ粉が風化しやすくなり、品質の経時的な劣化が大きくなる場合がある。
この粉末度によって、チオ硫酸イオンや亜硫酸イオンなどの溶出量をコントロールすることが可能であり、粉末度を高めることにより初期の六価クロム還元性能が高まり、逆に粉末度を低くすることで長期にわたる六価クロム還元性能を与えることが可能となる。
【0021】
骨灰と本スラグの使用量は、目的や用途によって一義的に規定されるものではなく特に限定されるものではないが、通常、骨灰と本スラグの合計100部中、各々10〜90部が好ましく、20〜80部がより好ましい。骨灰が10部未満で本スラグが90部を超えると、骨灰と本スラグの併用による鉛やカドミウムなどのカチオン性重金属の低減効果が充分でない場合があり、骨灰が90部を超え本スラグが10部未満では骨灰と本スラグの併用による六価クロムの低減効果が充分に得られない場合がある。
【0022】
また、本発明では、強度発現性の面から、必要じ応じて無機硫酸塩を併用することも可能である。
無機硫酸塩とは特に限定されるものではないが、その具体例としては、例えば、無水、半水、及び二水の各セッコウ類、無水や含水の各硫酸アルミニウム、無水や含水の各ミョウバン類、並びに、硫酸アルカリなどが挙げられ、経済性の面から、通常、セッコウ類が選択され、強度発現性の面から無水セッコウの使用が好ましい。
無機硫酸塩の使用量は、骨灰、本スラグ、及び無機硫酸塩からなる固化材100部中、1〜50部が好ましく、5〜30部がより好ましい。この範囲外では充分な強度増進効果が得られない場合がある。
【0023】
本発明の固化材はそれぞれの材料を施工時に混合してもよいし、あらかじめ一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
本発明の固化材の粒度は特に限定されるものではないが、通常、ブレーン値で3,000〜8,000cm/gが好ましく、4,000〜6,000cm/gがより好ましい。3,000cm/g未満では強度発現性が充分に得られない場合があり、8,000cm/gを超えると作業性が悪くなる場合がある。
【0024】
本発明の固化材中の各成分の配合割合は特に限定されるものではないが、通常、水硬性物質と有害重金属低減剤からなる固化材100部中、水硬性物質は50〜99部が好ましく、70〜95部がより好ましい。また、有害重金属低減剤は1〜50部が好ましく、5〜30部がより好ましい。水硬性物質が50部未満であったり、有害重金属低減剤が50部を超えると、固結性状や強度発現性が悪くなる場合がある。逆に、水硬性物質が99部を超えたり、有害重金属低減剤が1部未満では有害重金属の低減効果が充分得られない場合がある。
【0025】
本発明では、水硬性物質や本発明の有害重金属低減剤の他に、従来より知られている有害重金属低減剤を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
従来より知られている有害重金属低減剤の具体例としては、例えば、モンモリロナイトやカオリナイトなどに代表される層状化合物である、いわゆるベントナイト類、クリノプチロライトやモルデナイトに代表されるゼオライト類、セピオライト、アパタイト、リン酸ジルコニウムなどのリン酸塩、三酸化アンチモンや五酸化アンチモンなどのアンチモン酸塩、ハイドロタルサイト類、活性炭、多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩類、及び亜硫酸塩類等のイオウ化合物、アマルガム、硫酸第一鉄や塩化第一鉄等の鉄化合物、セルロース類、ポリビニルアルコール、及びキトサンなどの水溶性高分子類、ジアルキルジチオカルバミン酸類、キノリン化合物類、ポリアミン類、並びに、糖類等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を併用することが可能である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実験例に基づいてさらに説明する。
【0027】
実験例1
表1に示す各種水硬性物質(水硬材)と、骨灰と各種本スラグ(スラグ)を配合した有害重金属低減剤を用いて固化材を調製した。
調製した固化材を、含水率44.7%の高含水土で、有害重金属を多く含む汚泥に10%添加・混合して汚泥を固化した。
固化体のpH値を測定すると共に、有害重金属の溶出試験を行った。
また、セッコウを配合した系についても同様に行った。
比較のために、公知の有害重金属低減剤であるベントナイトを使用した場合について、また、本スラグの代わりに高炉水砕スラグを用いた場合についても同様の実験を行った。結果を表1に併記する。
【0028】
<使用材料>
セメントα:普通ポルトランドセメント、市販品の3種混合品、比重3.15
セメントβ:早強ポルトランドセメント、市販品の3種混合品、比重3.14
セメントγ:高炉セメントB種、市販品の3種混合品、比重3.06
骨灰 :豚の骨を1,000℃で焼却した後の残灰、ブレーン値15,000cm2/g
本スラグA:脱硫スラグ、ブレーン値6,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグB:徐冷スラグ粉、ブレーン値3,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグC:徐冷スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグD:徐冷スラグ粉、ブレーン値5,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグE:徐冷スラグ粉、ブレーン値6,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグF:徐冷スラグ粉、ブレーン値8,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグG:本スラグEを水に浸漬してエイジングし、非硫酸態イオウを0.7%にしたもの、ブレーン値6,000cm2/g
本スラグH:本スラグEを水に浸漬してエイジングし、非硫酸態イオウを0.5%にしたもの、ブレーン値6,000cm2/g
本スラグI:本スラグAと本スラグEの等量混合物、ブレーン値6,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.9%
本スラグJ:高炉水砕スラグ粉、ブレーン値6,000cm2/g、非硫酸態イオウ0.6%
ベントナイト:従来より知られている有害重金属低減剤、市販品
【0029】
<測定方法>
pH値 :5φ×10cmの円柱供試体とし、この固化体100部に対して、1,000部の水を用意し、固化体を水中に浸漬して24時間静置後のpH値を測定
有害重金属溶出量:環境庁告示第46号に従って測定、ただし、三価クロム濃度は全クロム濃度から六価クロム濃度を差し引いて求めた。即ち、三価クロムと六価クロムの混合クロム溶液から三価クロムの分離処理前後でクロム濃度を測定
【0030】
【表1】
Figure 0003844456
【0031】
表から明らかなように、本発明の固化材を用いた場合には、六価クロム、カドミウム、及び鉛の溶出量はそれぞれ環境基準である0.05mg/l、0.01mg/l、及び0.01mg/lをすべて下回った。また、酸化条件下で六価クロムに変化する三価クロムの溶出量も低減されている。
【0032】
実験例2
本スラグDを使用し、本スラグと骨灰の使用割合を表2に示すように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0033】
【表2】
Figure 0003844456
【0034】
【発明の効果】
本発明の固化材は、これまでに有効な利用用途が見出されずにいた骨灰を含有し、これを使用することにより、軟弱土壌、ヘドロ、スラッジ、及び建設廃土等の固化処理後にカドミウムや鉛の溶出量を著しく低減でき、六価クロムの低減効果も有するなど、多面的に有害重金属を低減できる。
さらに脱硫スラグや高炉徐冷スラグを併用することにより、さらに六価クロムを著しく低減することができ、また、酸化条件下で六価クロムに変化する三価クロムも併せて低減できるなどの効果を奏する。

Claims (4)

  1. 固化材 100 部中、水硬性物質50 99 部と、骨灰、並びに、脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグの合計1〜 50 部とを含有してなり、脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグが非硫酸態イオウとして存在するイオウを0.5%以上含有することを特徴とする固化材。
  2. 脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグのブレーン比表面積が3,000cm2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の固化材。
  3. 骨灰が、骨灰と脱硫スラグ及び/又は高炉徐冷スラグの合計100部中、10〜90部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固化材。
  4. 請求項1〜3のうちの一項に記載の固化材を用いた汚染土壌の浄化方法。
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