JP2007016502A - 高性能遮水壁の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透水係数が高い砂地盤でも、汚染土壌の封じ込めに必要とされる遮水性能を有する高性能遮水壁を、掘削汚泥の排出量が少ない深層混合処理工法により構築する方法を提供する。
【解決手段】深層混合処理工法による遮水壁の構築方法において、水とセメントの重量比W/Cを80〜100%程度とし、透水係数を下げるベントナイトをセメント重量の10〜20%配合し、流動性を高める分散剤として界面活性剤を1%程度配合したセメントミルクを原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させることにより透水係数が10−6cm/sec以下の遮水壁を形成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、透水係数が高い砂地盤でも、汚染土壌の封じ込めに必要とされる遮水性能(透水係数が10−6cm/sec以下)を有する高性能遮水壁を、掘削汚泥の排出量が少ない深層混合処理工法により構築する方法の技術分野に属する。
近年、地中の汚染土壌Kを、図1のように底部遮水層Eへ到達させた遮水壁Wで取り囲み、原位置で封じ込める工事の要請が高まっている。
汚染土壌の封じ込めを行う場合、汚染土壌対策法によれば、
i)層厚5m以上で、透水係数が10−5cm/sec以下の底部遮水層が自然地盤として存在すること、
ii)底部遮水層と同等の透水性能を有する側面の遮水壁を構築すること、
が必要とされている。
したがって、仮に遮水壁の壁厚を50cmとするときの透水係数は10−6cm/sec以下であることが必要である。
既往の鉄筋コンクリート造地中連続壁工法やシートパイル工法によって、必要とされる遮水性能(透水係数が10−6cm/sec以下)の遮水壁を構築することは可能である。しかし、前記の各工法により構築する遮水壁は、コストが非常に高く実用的ではない。
即ち、鉄筋コンクリート造地中連続壁工法を施工する場合には、壁体と同体積の掘削土が発生し、その処分費用が多く必要となる。また、鉄筋コンクリート造地中連続壁自体が高価なものであり、汚染土壌の封じ込めという目的、用途には不釣り合いである。
シートパイル工法は、複数の鋼板(シートパイル)を地盤中へ挿入し繋ぎ合わせて遮水壁を形成する工法であり、鋼板相互の継手部分が遮水性能の弱点となる。そのため継手部分に特殊な遮水対策を行う必要があり、その結果、コスト高を招く欠点がある。
従来、深層混合処理工法で遮水壁を構築する方法も考えられてきた。因みに、ここで言う深層混合処理工法とは、図2に例示したように、水とセメントの重量比W/Cが80〜100%程度に濃いセメントミルクをプラントPで製造する。そして、先端部等にセメントミルク注出口を有する掘削攪拌翼軸Xを備えた駆動軸Sを、電動モータDで回転駆動しつつガイドレールに沿って地中へ垂直に貫入する施工機械Mへ、前記のセメントミルクをホースHを通じてポンプ圧送により供給し、原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させることにより遮水壁Wを構築する方法を指す。
したがって、上記鉄筋コンクリート造地中連続壁工法やシートパイル工法による遮水壁に比して遙かに安価な遮水壁を構築することができ、汚染土壌の封じ込めという目的、用途に釣り合う遮水壁を提供できる。
しかし、通常の深層混合処理工法で遮水壁Wを構築する場合には、地盤の透水係数が高いと、必要とする遮水性能(透水係数が10−6cm/sec以下)を満足することが難しい場合がある。即ち、深層混合処理工法で構築した遮水壁は、原位置地盤の遮水性能の如何によって大きく影響され、特に砂地盤のように土粒子間の空隙が大きく透水係数が高い地盤の場合には、必要な遮水性能を得られないことが多い。
例えば図4(これはJIS A 1218 参考図1を引用した。)に示したように評価される蒲田シルト地盤(透水係数が2×10−7cm/sec程度)、成田砂地盤(透水係数が2×10−5cm/sec程度)、および豊浦砂地盤(透水係数が10−2cm/sec程度)について、土1mに対して150kgのセメントを水とセメントの重量比W/Cが100%のセメントミルクとして地盤へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させた地盤改良体の透水係数は、図3中のベントナイト/セメント比が0%の場合を参照すると明らかなように、成田砂地盤と豊浦砂地盤の地盤改良体は、上記汚染土壌を封じ込める遮水壁に必要とされる遮水性能(透水係数が10−6cm/sec以下)を満足することができない。
従来、上記の深層混合処理工法に類似したソイルセメント壁工法により遮水壁を構築する方法も考えられてきた。因みに、ここで言うソイルセメント壁工法とは、水とセメントの重量比W/Cが200〜400%程度と薄いセメントミルクを、やはり図2に示すようにプラントPで製造し、施工機械Mへ供給して原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させることにより遮水壁を構築する方法を指す。
しかし、ソイルセメント壁工法は、水とセメントの重量比W/Cが200〜400%程度に薄いセメントミルクを使用するため、図6Aに深層混合処理工法による施工の場合を示し、図6Bにはソイルセメント壁工法により施工する場合を示して比較したように、土1mに対して150kgのセメントを注入して遮水壁を造成する場合に、深層混合処理工法の水とセメント総量は300kgになるが、ソイルセメント壁工法による水とセメント総量は600kgにもなり、深層混合処理工法の場合の2倍と大量注入になる。必然的に、ソイルセメント壁工法の場合は、セメントミルクの注入に対する反作用として発生する汚泥量が約2倍と大量になる。その分だけ汚泥の処理費用が多く必要となり、コスト高になるから、環境対策と経済性に問題がある。その上、汚泥中に汚染物質が含まれていると、通常の汚泥処理とは異なり、産業廃棄物として処分する必要があるから、一層高額の汚泥処理費用が必要となると言う問題がある。
次に、下記の特許文献1には、粉末状ベントナイトと粉末状分散剤又は液体状分散剤とを主成分とする地下遮水壁用添加剤組成物、および前記の地下遮水壁用添加剤組成物とセメント並びに水とを含有するセメントスラリーを、混練掘削機により掘削した地中の土と混合することにより、地下の不透水層まで達する鉛直壁を構築して、汚染土壌などを封じ込めるため、透水係数が5×10−7cm/sec以下の遮水壁を造成する方法が開示されている。
また、下記の特許文献2には、粉体ベントナイトと地盤を構成する土とを混合した粉体ベントナイト混合土からなる第一の遮水壁と、深層混合処理工法によって形成された第二の遮水壁とを壁厚方向に積層してなる地中遮水壁が開示されている。
特開2001−129507号公報 特許第3637518号公報
上記の特許文献1に開示された遮水壁を造成する方法は、ベントナイトおよび分散剤を含有するセメントスラリーを、混練掘削機により掘削した地中の土と混合して遮水壁を形成する点を注目できる。しかし、同公報の例えば段落番号[0026]を参照すると、セメントの使用量は対象土1mに対して100〜500kg、好ましくは200〜400kg、セメントスラリーの水/セメント比(W/C)は50〜350重量%、好ましくは100〜300重量%、と甚だ広範な範囲を特定した記載が認められる。
これに上記段落番号[0004]で定義した深層混合処理工法(セメントミルクの水とセメントの重量比W/C80〜100%)を当てはめて見ると、深層混合処理工法をその範疇に包含するものと認められる。同様に、上記段落番号[0006]で定義したソイルセメント壁工法(セメントミルクの水とセメントの重量比W/C200〜400%)の当てはめを試みると、やはりソイルセメント壁工法もその範疇に包含することが認められる。敢えて言えば、水/セメント比(W/C)を好ましくは100〜300重量%との記載からは、主にソイルセメント壁工法を想定しているように推定される。
上記特許文献1に開示された方法は、深層混合処理工法、又はソイルセメント壁工法のいずれの工法で施工しても良いという思想と認められる。要するに、粉末状ベントナイトと粉末状分散剤又は液体状分散剤とを主成分とする地下遮水壁用添加剤組成物を含有させたセメントスラリーを使用するかぎり、主にソイルセメント壁工法を想定しているものの、施工する工法の選択は問わない発明のように認められる。
また、特許文献1の段落番号[0026]には、粉末状ベントナイトの対象土に対する使用量は、対象土1mに対して0.8〜80kg、好ましくは1〜40kgの範囲で添加する、との記載が認められる。これを上述したセメントの好ましい使用量200〜400kgとの比率として求めると、1/200〜40/400(=1/10)と認められる。従って、本願発明者らが行った、後述する図3の透水係数特性に照らすと、豊浦砂地盤の地盤改良であるかぎり、汚染土壌などを封じ込めるため、透水係数が5×10−7cm/sec以下の遮水壁を造成することはできないように認められる。また、分散剤が粘性を改善する効能についても検討すると、特許文献1に記載された上記ベントナイト量とセメント量の比率1/200〜1/10であるかぎり、図5の試験結果に照らし、粘性の改善を目的としては分散剤を添加する必要性がないように考えられる。
次に、上記の特許文献2に開示された地中遮水壁は、深層混合処理工法によって形成された第二の遮水壁の遮水性能(透水係数)の弱点を、粉体ベントナイトと地盤を構成する土とを混合した粉体ベントナイト混合土からなる第一の遮水壁を積層することにより補完させる構成と認められる。したがって、遮水壁を2重に構築する分だけ2倍の手数と工期および費用を要するし、壁厚を制限される場合には実施ができないことも考えられるなどの問題点がある。
本発明の目的は、ソイルセメント壁工法に比較すると遙かに安価で環境対策と産業廃棄物の問題が少ない深層混合処理工法によって遮水壁を構築する方法、特には施工対象原地盤の透水係数が高くても、地盤改良により構築した遮水壁の遮水性能が、汚染土壌の封じ込めに必要とされる遮水性能(透水係数10−6cm/sec以下)を充分満足できる高性能遮水壁を普遍的に構築できる方法を提供することにある。
換言すると、本発明の目的は、透水係数が高い原地盤であろうとも、環境対策と経済的な問題の少ない深層混合処理工法によって、遮水性能が、汚染土壌の封じ込めに必要とされる遮水性能(透水係数10−6cm/sec以下)を満足できる高性能遮水壁を普遍的に確実に構築する方法を提供することである。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る高性能遮水壁の構築方法は、深層混合処理工法による遮水壁の構築方法において、
水とセメントの重量比W/Cを80〜100%程度とし、透水係数を下げるベントナイトをセメント重量の10〜20%配合し、流動性を高める分散剤として界面活性剤を1%程度配合したセメントミルクを原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させることにより透水係数が10−6cm/sec以下の遮水壁を形成することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した高性能遮水壁の構築方法において、
界面活性剤として、ポリカルボン酸系界面活性剤又はナフタリン系界面活性剤を配合することを特徴とする。
なお、前記界面活性剤は、特許文献1に記載された分散剤に限定されるものではなく、それら以外のものでよく、種々な種類のものを使用可能である。
本発明は、深層混合処理工法によって遮水壁を構築する方法であるから、ソイルセメント壁工法に比較すると、施工時に発生する汚泥量が遙かに少なく、安価で環境対策に優れて産業廃棄物の問題が少なく、その処理費用が少なくて済み経済的である。
しかもセメントミルクに適量のベントナイトを配合することで、上記した成田砂地盤および豊浦砂地盤のように透水係数が高い砂地盤であっても、汚染土壌の封じ込めに必要とされる遮水性能(透水係数10−6cm/sec以下)を充分満足する高性能遮水壁を確実に構築することができ、信頼性の高い汚染土壌の封じ込め工事を実施可能である。
更に、前記セメントミルクに適量の分散剤を配合することにより、前記ベントナイトの配合によって起こるセメントミルクの流動性の悪化、ひいては深層混合処理工法の実施に不可欠である、セメントミルクのポンプ圧送の困難性を解決して、深層混合処理工法の円滑、迅速な施工を可能にし、高性能遮水壁を経済的に確実に構築することができ、環境対策に寄与できる。
水とセメントの重量比W/Cを80〜100%程度とし、透水係数を下げため粒径の小さい地盤材料としてのベントナイトをセメント重量の10〜20%配合し、一方、セメントミルクの流動性を改善する(高める)分散剤として界面活性剤を1%程度配合したセメントミルクを、深層混合処理工法により原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させ、透水係数が10−6cm/sec以下の遮水壁を構築する。
以下に、本発明を主に実験例に基づいて説明する。
本発明者らは、透水係数が異なる各種の地盤について、図2に示したようにセメントミルクをプラントPで製造し、それをホースHで施工機械Mへ送り、攪拌掘削翼Xの注出口から地盤中へ注入して攪拌・混合して地盤を固化させて遮水壁Wを造成する深層混合処理工法により地盤改良体を遮水壁として造成するにあたり、造成した遮水壁Wの透水係数を汚染土壌の封じ込めに必要とされる数値(10−6cm/sec以下)にまで下げる工夫として、前記セメントミルクに、粒径が小さい地盤材料としてベントナイトを混合することに着眼し、以下の実験を行った。
先ず土1mに対して150kgのセメントを、水とセメントの重量比W/Cが100%のセメントミルクとして注入するものとし、その場合に、ベントナイトの配合量を、セメント重量に対して0%と10%および20%配合したものを用意して地盤改良体を造成した。そして、パラメータとして地盤改良体(遮水壁)の透水係数を室内試験として求めた結果を図3に示した。
なお、実験に使用した豊浦砂、成田砂、および蒲田シルトそれぞれの原地盤における透水係数は、図4を参照すると明らかなように、もともと大きく異なる。すなわち、蒲田シルト地盤の透水係数は10−7cm/sec程度と極めて低く、そのままで既に汚染土壌の封じ込めに必要とされる数値条件(10−6cm/sec以下)を満たしている。
一方、豊浦砂地盤の透水係数は10−2cm/sec程度と遙かに高く、また、成田砂地盤も透水係数は10−5cm/sec程度で高く、汚染土壌の封じ込めに必要とされる数値条件(10−6cm/sec以下)を満たし得ない。
上記ベントナイトの配合量をセメント重量に対するパラメータとして地盤改良体(遮水壁)の透水係数を室内試験として求めた結果を示す図3から明らかなことは、ベントナイトの配合量が0%を示す左側縦線の位置を見ると、蒲田シルト地盤のみが地盤改良体透水係数が汚染土壌の封じ込めに必要とされる数値条件(10−6cm/sec以下)を満たしている。他の豊浦砂地盤の地盤改良体透水係数は未だ10−5cm/sec以上と高く、また、成田砂地盤にしても地盤改良体透水係数は10−6cm/sec以上であり、このままでは汚染土壌を封じ込める遮水壁としては適用不可であることが明らかである。
しかし、上記の豊浦砂地盤でも、ベントナイトの配合量が20%を示す右側縦線の位置を見ると、その地盤改良体透水係数は10−7cm/sec程度に低くなっている。成田砂地盤にしても、ベントナイトの配合量が10%を示す中央縦線の位置を見ると、地盤改良体透水係数は10−7cm/sec程度に低くなって、汚染土壌の封じ込めに必要とされる透水係数(10−6cm/sec以下)を満たしていることが明らかである。蒲田シルト地盤でさえも、ベントナイトの配合量が10%を示す中央縦線の位置を見ると、地盤改良体透水係数は10−10cm/sec以下に低くなって、ベントナイトの効能の良さが確認される。
以上の事実から、原地盤の透水係数が10−2cm/sec程度〜10−5cm/sec程度でも、ベントナイトの配合量をセメント重量に対して10%〜20%程度混合すると、汚染土壌の封じ込めに必要とされる透水係数(10−6cm/sec以下)を充分満足できることが明らかである。
なお、地盤は、地盤そのものに不均質性を有しており、地盤改良体の透水係数は原地盤の不均質性によっても影響を受け、場合によっては上記の試験結果よりも多少大きな数値(不確実性)を示すことも考えられる。しかし、上記の試験結果で明らかなことは、成田砂地盤にベントナイトを10%配合した場合の地盤改良体透水係数は10−7cm/sec程度であり、或いは豊浦砂地盤でもベントナイトの配合量が20%の地盤改良体透水係数はやはり10−7cm/sec程度となり、それぞれ汚染土壌の封じ込めに必要とされる透水係数(10−6cm/sec以下)よりも1桁オーダー小さくなり、必要充分な遮水性能を有している。したがって、前記した地盤そのものが有する不均質性の影響を受けたとしても、充分な遮水性能を確保できるので、ベントナイトの配合量を10%〜20%程度の範囲に限定することに意義がある。
ところで、ベントナイトの配合量が多いと、セメントミルクの粘性が増加して、セメントミルクのポンプ圧送が困難になると言う問題点がある。
即ち、図5は、セメントミルク(W/C=100%)にベントナイトを配合した場合の配合量と粘性の関係を、所謂Pロート試験で評価した結果を示したものである。
因みにPロート試験とは、図5の右側に概念図を付記したように、上記のセメントミルク2がPロート1から完全に流れ落ちる時間の長さにより、同セメントミルク2の粘性の大小を評価する試験方法である。
図5中の特性線3は、分散剤を配合しない(0%)セメントミルクの粘性を、ベントナイト配合量が0%、10%、15%のものについて評価した結果を示す。
特性線3は、ベントナイトの配合量が15%で、その粘性は無限大に近くなってしまうことを示している。したがって、ベントナイトの配合量15%のセメントミルクは、ポンプによる圧送が極めて困難ないし不可能であると考えられる。よって、図2に示したように、プラントPで製造したセメントミルクを、施工機械Mの掘削攪拌翼Xへポンプ圧送して地盤中へ注入する深層混合処理工法の施工は、極めて困難ないし不可能であることは明らかである。
といことは、上記した豊浦砂地盤については、図3に示すように、ベントナイトの配合量を20%として、地盤改良体の透水係数が、汚染土壌の封じ込めに必要とされる透水係数(10−6cm/sec以下)を満足するように施工することは物理的に不可能であることを意味する。
そこで、本発明では、上記ベントナイトを配合したセメントミルクに、その流動性を改善する分散剤を配合することに着眼した。
即ち、上記したセメントミルク(W/C=100%)にベントナイトを0%、10%、15%、20%および25%配合したものについて、更に分散剤としてポリカルボン酸系高分子水溶液を主成分とする界面活性剤を、セメント重量比で1%配合したセメントミルクの粘性をPロート試験により評価して、その結果を図5中に特性線4として示した。
図5の特性線4から明らかな事実は、ベントナイトを20%配合したセメントミルクでさえも、その粘性はベントナイト配合が0%のものと差が無く、通常のセメントミルクと同程度の粘性が確認された。よって、ポンプ圧送が可能であり、深層混合処理工法の施工に何等支障のないことが明らかである。もっとも、分散剤を配合しても、ベントナイトを25%配合すると、粘性は極大化することも確認された。
以上要するに、本発明の方法、即ち、水とセメントの重量比W/Cを80〜100%程度とし、透水係数を下げるベントナイトをセメント重量の10〜20%配合し、流動性を高める分散剤として界面活性剤を1%程度配合したセメントミルクを使用して、深層混合処理工法により原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させると、セメントミルクのポンプ圧送には何の問題もなく、それでいて原地盤の透水係数が高い豊浦砂地盤でもベントナイトを20%配合した場合の地盤改良体透水係数はやはり10−7cm/sec程度になり、汚染土壌の封じ込めに必要とされる透水係数10−6cm/sec以下の遮水壁を造成することができるのである。
これは要するに、本発明の産業上の利用可能性があることを示す証左と理解できるのである。
以上に本発明を主に実験例に基づいて説明したが、勿論、本発明は上記の実験例にのみ限定されるものではない。本発明の目的と要旨、および技術的思想を逸脱しない限り、いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更や応用・変形も含めて広く多様に実施されることを、念のため申し添える。
汚染土壌を遮水壁で封じ込める構成を説明する模式図である。 深層混合処理工法の施工説明図である。 ベントナイトによる透水係数低下を確認する試験結果を示す特性図である。 地盤の透水係数説明図である。 分散剤による粘性改善の効果の試験結果を示す特性図である。 A、Bは深層混合処理工法とソイルセメント壁工法の比較図である。
符号の説明
K 汚染土壌
W 遮水壁
E 遮水層
P プラント
M 施工機械
X 掘削攪拌翼

Claims (2)

  1. 深層混合処理工法による遮水壁の構築方法において、
    水とセメントの重量比W/Cを80〜100%程度とし、透水係数を下げるベントナイトをセメント重量の10〜20%配合し、流動性を高める分散剤として界面活性剤を1%程度配合したセメントミルクを原位置の地盤中へ注入し攪拌・混合して地盤を固化させることにより透水係数が10−6cm/sec以下の遮水壁を形成することを特徴とする、高性能遮水壁の構築方法。
  2. 界面活性剤として、ポリカルボン酸系界面活性剤又はナフタリン系界面活性剤を配合することを特徴とする、請求項1に記載した高性能遮水壁の構築方法。
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