JP2004022126A - 情報記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】DVD−RやDVD−RWなどのLPPが形成された光ディスクに対しても、LPPの存在による戻り光量変化の影響を除去して正確な制御を行う。
【解決手段】情報記録装置は、プリピットが形成されたディスクに対して記録光を照射し、その戻り光量データを出力するピックアップと、戻り光がプリピットの影響を受けないデータ取得期間を決定する期間決定回路と、データ取得期間における戻り光量データを取得するサンプルホールド回路と、その戻り光量データに基づいて記録パワーの制御を行うマイコンとを備える。マイコンは、戻り光がプリピットの影響を受けないデータ取得期間内において戻り光量データを取得し、それに基づいて記録パワーの制御を行う。LPPの影響を受けにくい9T〜11Tの記録マーク期間でサンプルホールド回路がピットレベルなどの検出を行い、その結果に基づいて記録パワーを制御するので、正確な記録パワー制御を実行することができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクへの情報記録技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクへの情報の記録時には、記録情報に対応した正しい形状のピット(記録マーク)を形成するために種々の制御がなされる。その中には、光ディスクへ照射した記録レーザ光の光ディスクからの戻り光を検出し、その戻り光量に基づいて記録に関する各種の制御を行うものがある。
【0003】
そのような制御の例としては、記録中、常に一定の形状のピットを形成するために記録パワーを制御するROPC(Running Optimum Power Control)が知られている。ROPCは、記録レーザ光の照射中に光ディスクからの戻り光を検出し、戻り光量のレベルに基づいてレーザ光の記録パワーの制御を行う。ROPCによる記録パワーの制御は、CD−R(Compact Disc−Recordable)、DVD−R、DVD−RWなどの光ディスクに適用可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、DVD−RやDVD−RWの場合、CD−Rとは異なり、ディスクの記録面上にランドプリピット(Land−PrePit:LPP)などのプリピットが形成されているため、プリピットの存在によってディスクからの戻り光量が変化してしまうという問題がある。詳細には、DVD−RやDVD−RWの記録面上には、記録トラックであるグルーブと、ランドとがディスク半径方向に交互に形成されており、このランド上に、アドレスその他の情報を含むLPPが所定の規則に従って形成されている。ROPCなどの制御で使用される記録レーザ光の戻り光量は、このLPPの存在により変化する。この戻り光量の変動のために、現在のピット形成状態を誤って認識してしまい、正しい記録パワーの調整ができなくなるという問題が挙げられる。
【0005】
また、このような問題はROPCの場合に限られない。即ち、記録時に記録レーザ光の戻り光量を利用して行われる他の各種の制御においても、プリピットの存在により戻り光量が変化することにより正確な制御が行えなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、DVD−RやDVD−RWなどのプリピットが形成された光ディスクに対しても、プリピットの存在による戻り光量変化の影響を除去して正確な制御を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、情報記録装置において、プリピットが形成されたディスクに記録光を照射し、前記ディスクからの戻り光を検出して戻り光量データを出力する記録部と、前記戻り光が前記プリピットの影響を受けない期間であるデータ取得期間を決定するデータ取得期間決定部と、前記データ取得期間における前記戻り光量データを取得して出力する戻り光量データ出力部と、前記戻り光量データ出力部からの戻り光量データに基づいて制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、情報記録装置の制御方法において、プリピットが形成されたディスクに記録光を照射する工程と、前記ディスクからの戻り光を検出して戻り光量データを出力する工程と、前記戻り光が前記プリピットの影響を受けない期間であるデータ取得期間を決定する工程と、前記データ取得期間における前記戻り光量データを取得して出力する工程と、前記戻り光量データ出力部からの戻り光量データに基づいて制御を行う工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0010】
図1に、本発明の実施形態にかかる情報記録装置の概略構成を示す。図1に示す情報記録装置は、ピックアップなどを備える記録部2と、戻り光量データ出力部3と、データ取得期間決定部4と、制御部5と、スピンドルモータ6とを備える。
【0011】
スピンドルモータ6は、ディスク1を一定の線速度で回転させる。ディスク1は、DVD−RやDVD−RWなど、記録面上に予めプリピットが形成されている光記録媒体である。記録部2は、光ディスク1に記録光(レーザ光)を照射するとともに、ディスク1からの戻り光を受光して電気信号に変換し、受光量信号Saとして戻り光量データ出力部3へ供給する。データ取得期間決定部4は、戻り光量データ出力部3に入力された受光量信号Saのうち、戻り光量データとして採用すべき期間であるデータ取得期間を示す信号Sbを戻り光量データ出力部3へ供給する。ここで、データ取得期間は、受光量信号Saが、ディスク1上に形成されているプリピットの影響を受けない期間を示し、より具体的には14T以外のデータ期間などとすることができる。
【0012】
戻り光量データ出力部3は、データ取得期間決定部4からの期間信号Sbに基づいて、受光量信号Saのうち、データ取得期間の受光量信号Saのみを選択し、戻り光量データScとして制御部5へ出力する。こうして、戻り光量データ出力部3は、DVD−RやDVD−RWに形成されているプリピットの影響を除去した戻り光量データScを出力する。
【0013】
制御部5は、プリピットの影響を除去した戻り光量データScに基づいて、例えば記録部2内の特定の要素や、その他の制御要素に対して所定の制御を行う。制御部5は、光ディスク1からの戻り光量データに基づいて所定の制御や補正を実行する各種のユニットとすることができる。具体的には、制御部5は、前述のROPCを実行する記録パワー制御部、ディスク1の半径方向におけるチルト量を検出して補正するラジアルチルト補正部、ディスク1の情報記録面に対する記録光のフォーカス位置を制御するフォーカス位置制御部、ディスク1に照射する記録光の球面収差を補正するための球面収差補正機構などとすることができる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明の好適な実施例について説明する。この実施例は、上述の制御部としてROPCにより記録パワーを制御する記録パワー制御部を採用する例である。即ち、LPPの影響を除去した戻り光量データを、ROPCによる記録パワー制御に利用する場合の実施例である。
【0015】
図2に、本実施形態による情報記録装置の記録パワー制御に関連する部分の概略構成を示す。図2において、ディスク1はスピンドルモータ6により所定の線速度で回転される。ピックアップ9は、ディスク1に照射すべき記録レーザ光を出射するレーザダイオード(LD)17と、そのレーザダイオードによるレーザ出力パワーを制御するレーザダイオードドライバ(以下、「LDドライバ」と呼ぶ。)18とを備える。
【0016】
また、ピックアップ9は、ディスク1からの戻り光を受光し、戻り光量に対応する受光量信号S1をアンプ11へ出力する。アンプ11は受光量信号S1を所定の増幅度で増幅して受光量信号S2として、ローパスフィルタ(LPF)12へ供給する。LPF12は、受光量信号S2から所定の低域成分のみを抽出することにより、ディスク1からの戻り光量のレベルを示す戻り光量データS3を生成し、サンプルホールド(S/H)回路15へ供給する。
【0017】
一方、期間決定回路13には、外部からの記録データDIが入力される。期間決定回路13は、記録データDIに基づいて、記録信号中の所定長さの記録マークの期間を決定し、その期間を示す信号をサンプルホールド回路15へ入力する。ここで、所定長さの記録マークとは、例えば9T〜11Tなど、長マークに対応する記録マークであって、14Tの記録マークを除いたものである。これにより、サンプルホールド回路15は、9T〜11Tの記録マークに対応する期間のみにおいて戻り光量データS3の所定タイミングのレベルをサンプルホールドして、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と呼ぶ。)14へ供給する。マイコン14は、戻り光量データS3の所定タイミングにおけるレベルをサンプルホールド回路15から受け取り、それを予め決定されている基準レベルと比較することにより、その時点における記録パワーが適正であるかを判定する。そして、マイコン14は、基準レベルと等しいレベルの戻り光量データが得られるように、ピックアップ9内のLDドライバ18へ制御信号S4を送る。LDドライバ18は、制御信号S4に基づいてレーザダイオード17の出力パワーを変更する。こうして、記録データの記録中に、常に一定の形状のピットが形成されるように記録パワー制御(ROPC)がなされる。
【0018】
次に、この記録パワー制御について、各部の波形を参照して説明する。図3は、記録データに対応する記録マーク及びその記録データの記録時に得られる各部の波形を示す。図3(a)は、記録データに対応して形成される記録マークの形状を示し、図3(b)は図3(a)に示す記録マークを再生した場合に得られる再生時のディスクからの戻り光のレベルを示す。図3(c)は、図3(a)に示す記録マークを形成する際(即ち、記録データの記録時)におけるレーザダイオード17からの記録パルス波形を示し、図3(d)は図2に示す受光量信号S2の波形を示し、図3(e)は図2における戻り光量データS3の波形を示す。さらに、図3(f)は、戻り光量データS3の波形と記録パワーの適否との関係を示す。
【0019】
図3(a)に示すように、所定の長さの記録マークがディスク上に形成されている場合、読取ビームを記録マークに照射して得られる再生信号レベルは図3(b)に示すようになる。記録マークが形成されている領域は、それ以外の領域と比較して反射率が下がるため、再生信号レベルは記録マークが形成されている領域で低くなる。
【0020】
一方、情報の記録時に図3(a)に示すような記録マークを形成する際には、図3(c)に例示するような記録パルス波形に従ってレーザダイオード17を駆動して、記録レーザ光をディスク1に照射する。図3(c)の例では、記録パルス波形はパルス幅の大きいトップパルスTpと、それに続くマルチパルスMpにより構成されている。このときのディスクからの受光量信号S2は図3(d)に示すようになる。即ち、トップパルスTpに相当する時間においては、未だディスク上は記録マークが形成されていない状態、又は、記録マークが形成され始めているが十分ではない状態にあるため、反射率は依然として高く、戻り光量レベルも大きい。一方、マルチパルスMpに相当する時間においては、既に記録マークがある程度形成されているので、反射率は低下しており、トップパルスTpの部分よりも戻り光量レベルは低くなる。
【0021】
この受光量信号S2からLPF12により低域レベルのみを抽出した戻り光量データS3が図3(e)に示されている。サンプルホールド回路15は、図3(e)に示す戻り光量データS3から、リードレベルLr、ライトレベルLw、ピットレベルLpなどをサンプルホールドする。リードレベルLrはピックアップ9からリードパワーのレーザ光が出力されているときの戻り光量データのレベルである。ライトレベルLwは記録パルス波形のトップパルスTpに対応するレーザ光が出力されているときの戻り光量データのレベルであり、未だ記録マークが形成されていないためにディスク表面の反射率が高く、戻り光量レベルは大きい。また、ピットレベルLpは記録パルス波形のマルチパルスMpに対応するレーザ光が出力されている間の戻り光量データのレベルであり、記録マークが形成されている間のレーザ光のレベルを示している。
【0022】
本実施形態の記録パワー制御では、サンプルホールド回路15は、リードレベルLr又はライトレベルLwのいずれか一方と、ピットレベルLpとを取得する。リードレベルLr又はライトレベルLwの少なくとも一方を取得する理由は、記録マークが形成されていない領域の戻り光量レベルにより、ピットレベルLpを正規化するためである。この正規化により、反射率変動等による戻り光量の変動を除去して、記録パワー制御を正確に行うことができる。よって、マイコン14は、リードレベルLr又はライトレベルLwによりピットレベルLpを正規化し、その結果を予め決定されている基準レベルと比較することにより、レーザダイオードから出力されている記録レーザパワーが適正であるか否かを判定する。
【0023】
図3(f)に記録パワーが不足している場合(波形101a)、適正である場合(波形101b)及び過大である場合(波形101c)の戻り光量データS3の波形例を示す。記録パワーが不足している場合は記録マークが十分に形成できないのでディスク表面の反射率が依然として高く、波形101aに示すようにピットレベルLpは高い。一方、記録パワーが過大である場合は記録マーク部分のディスク表面の反射率が低下しすぎるため、波形101cに示すようにピットレベルLpは低くなる。よって、マイコン14は、戻り光量データS3のピットレベルLpが適正となるように、LDドライバ18を制御してレーザダイオード17からの記録レーザパワーを調整する。
【0024】
期間決定回路13は、所定の長マークに対応する期間であり、かつ、前述のように戻り光量がLPPの影響を受けない期間であるデータ取得期間を示す信号をサンプルホールド回路15へ送り、サンプルホールド回路15はその期間においてのみLPF12から出力される戻り光量データS3(図3(e)参照)の所定タイミングにおけるレベル(本実施例では、リードレベル及びライトレベルの少なくとも一方、及び、ピットレベル)をサンプルホールドしてマイコン14へ供給する。
【0025】
期間決定回路13が所定の長マークに対応する期間のみを選択する理由は、ある程度の長さのマークでないと、ピットレベルが不安定であるため、記録パワーの判定に適さないからである。即ち、ピットレベルLpを取得すべき期間は図3(c)及び(e)からわかるようにマルチパルスMpの領域に対応し、記録すべきマーク長に依存する。よって、短マークの場合にはピットレベルLpを取得すべき期間において戻り光量データのレベルが十分に安定しないため、記録パワーの適否の判定に誤差が生じやすい。一方、ある程度の長マークの場合には、ピットレベルLpを取得すべき期間が長いため、ピットレベルを安定的に検出することができる。この観点からは、ピットレベルLpの検出に好適に使用できる長マークは例えば9T〜11T及び14Tとなる。
【0026】
ここで、本実施例は、ディスク上に予め形成されているLPPの影響を受けないように、戻り光量データS3を取得するものであり、そのために、上述の長マークのうち、14Tマークに対応する期間では戻り光量データS3からのピットレベルLpなどの検出を行わないこととする。これは、LPPに同期して情報記録を行う場合、LPPに対応する位置に、同期信号に対応する、14Tマーク/4Tスペースの組み合わせ、又は、14Tスペース/4Tマークの組み合わせを形成することが多いため、14Tの記録マークの戻り光量はLPPの影響を受けやすいからである。
【0027】
これを、図4の比較例を参照して説明する。図4(a)は形成されるべき14Tの記録マーク及びLPPの位置関係を模式的に示し、図4(b)は14Tの記録マークを形成する際の記録パルス波形の例を示す。また、図4(c)は14Tの記録マークの記録時における受光量信号S2の波形を示し、図4(b)は14Tの記録マークの記録時における戻り光量データS3の波形を示す。図中の矢印110及び111で示す部分においては、図4(c)及び(d)に示すように、記録トラックの外周側に存在するLPPの影響で戻り光量が一時的に低下している。このように、LPPの影響を多く受けやすい14Tの記録マークを除いて戻り光量データS3を生成し、利用することにより、正確な記録パワー制御を行うことが可能となる。
【0028】
なお、同期信号として14Tスペース/4Tマークの組み合わせを記録した場合、14Tスペースの戻り光量もLPPの影響を受けることになる。但し、その影響の程度は、記録パワーが出射されている14Tマークの場合と比較すれば小さい。従って、LPPの影響が大きい14Tマークのみを除外して戻り光を取得するようにすれば、LPPの影響を効果的に除去することができる。また、LPPの影響をより完全に除去するために、14Tマークのみならず、14Tスペースの期間も除外して戻り光を取得するように構成することも可能である。
【0029】
このように、本実施例では、プリピットが形成されたディスク1に対して記録光を照射し、その戻り光量データを出力するピックアップと、戻り光がプリピットの影響を受けないデータ取得期間を決定する期間決定回路13と、データ取得期間における戻り光量データを取得するサンプルホールド回路と、その戻り光量データに基づいて記録パワーの制御を行うマイコン14とを備える。これにより、LPPの影響を受けにくい9T〜11Tの記録マーク期間でサンプルホールド回路15がピットレベルLpなどの検出を行い、その結果に基づいて記録パワーを制御するので、正確な記録パワー制御を実行することができる。
【0030】
[変形例]
なお、上記の実施例では、ピックアップ9から出力される受光量信号をLPF12で処理した後、サンプルホールド回路15によりサンプルホールドしてピットレベルLpなどを取得しているが、その代わりにピックアップ9からの受光量信号をピークホールド回路によりピークホールドして各レベルを取得するように構成してもよい。
【0031】
なお、上記の実施例では、ピットレベルLpが安定する長マーク(例えば9T〜11T及び14T)のうち、隣接するランドにLPPが存在する可能性が高い14Tマークの記録時には戻り光量データを利用しないように構成している。ここで、14Tマークの場合にLPPが存在するというのは、LPPに同期して情報記録を行う場合にはLPPの位置にシンクに対応する14Tの記録マークが記録されることが多いため、記録の対象となっている記録トラック(グルーブ)の外周側で隣接するランドにLPPが存在するということである。従って、14T以外の記録マークの場合でも、例えば記録の対象となっている記録トラック(グルーブ)に内周側で隣接するランドには、記録の対象となっているグルーブの1つ内周側のグルーブに対応するLPPが存在する可能性がある。しかし、記録対象のグルーブの内周側に存在するLPPは、1つ内周側のグルーブに対応するLPPであるため、記録対象のグルーブに対する記録マーク長とは直接の関係を有しない。即ち、記録対象のグルーブにおける14Tの記録マークの外周側のランドにはLPPが存在する可能性が高いが、その内周側のランドにはLPPが必ずしも存在するとは限らない。よって、上述の記録パワー制御において、9T〜11Tなどの長マーク期間内の複数の点でピットレベルを取得し、それを平均化したレベルを用いて記録パワー制御を行うように構成すれば、記録対象のグルーブの内周側のランド上に存在するLPPの影響を軽減することができる。
【0032】
また、上記の方法は記録対象のグルーブの内周側に存在するLPPの影響を平均化により軽減する方法であったが、記録対象のグルーブの内周側及び外周側に存在するLPPの影響を完全に除去するためには、LPP検出回路を設けて、LPPの位置を正確に検出し、その位置を除いて戻り光量データを取得するように構成すればよい。その際の構成例を図5に示す。図2と比較するとわかるように、ピックアップ9から出力される受光量信号からLPPの位置を検出するLPP検出回路20を設け、LPP検出信号S7を期間決定回路13に入力する。期間決定回路13は、LPP検出信号S7に基づき、LPPが存在する期間以外の期間においてサンプルホールド回路15によるサンプルホールドを行わせる。これにより、記録対象のグルーブの内周側及び外周側に存在するLPPの影響を除去した戻り光量データがサンプルホールド回路15から出力されることになる。
【0033】
以上のように、本実施形態の情報記録装置によれば、DVD−RやDVD−RWに予め記録されているLPPの影響を除去した戻り光量データが得られるので、これを利用して記録パワー制御その他の各種の制御及び補正を正確に行うことが可能となる。
【0034】
また、この手法は、今後の記録速度の高速化に伴ってさらに有効となる。つまり、今後記録速度が2倍、4倍と高速化すると、図3(e)に示されるピットレベルLpの時間的な長さは短縮されていくことになる。上記の実施例では、ピットレベルが安定的である長マーク期間(9T〜11T)で戻り光量データを取得することとしているが、記録速度が高速化するとそれに伴ってピットレベルが安定的な期間は短くなるため、実質的には11Tマーク及び14Tマークでなければ安定的なピットレベルが得にくいという状況となる。その場合には、9T以上の全ての長マークを使用する場合に比べ、ピットレベルを取得する対象に14Tマークが含まれる確率が上がるため、LPPの悪影響が生じる確率も増加する。そのような場合でも、本発明の手法では、14Tマークの期間を除去して戻り光量データを取得するので、今後記録速度が高速化した場合でも、LPPの影響を除去した正しい戻り光量データを得ることができる。
【0035】
なお、上記の実施例では、光ディスクのランドに形成されたランドプリピット(LPP)の影響を受けない期間でデータを取得する例を記載しているが、本発明におけるプリピットはLPPに限定されるものではなく、ランド以外に形成された各種のプリピットも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による情報記録装置の概略構成を示す。
【図2】本発明の一実施例による情報記録装置の概略構成を示す。
【図3】情報記録時の情報記録装置各部の波形を示す。
【図4】外周側にLPPが存在する14Tマークを記録する場合の情報記録装置各部の波形を示す。
【図5】LPP検出回路を備える情報記録装置の変形例を示す。
【符号の説明】
1 ディスク
2 記録部
3 戻り光量データ出力部
4 データ取得期間決定部
5 制御部
6 スピンドルモータ
9 ピックアップ
11 アンプ
12 LPF
13 期間決定回路
14 マイコン
15 サンプルホールド回路
17 レーザダイオード
18 LDドライバ

Claims (7)

  1. プリピットが形成されたディスクに記録光を照射し、前記ディスクからの戻り光を検出して戻り光量データを出力する記録部と、
    前記戻り光が前記プリピットの影響を受けない期間であるデータ取得期間を決定するデータ取得期間決定部と、
    前記データ取得期間における前記戻り光量データを取得して出力する戻り光量データ出力部と、
    前記戻り光量データ出力部からの戻り光量データに基づいて制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする情報記録装置。
  2. 前記データ取得期間決定部は、前記記録部が14Tの記録マーク又はスペースを形成する期間以外の期間を前記データ取得期間と決定することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  3. 前記戻り光に基づいて、前記プリピットが存在する期間を検出するプリピット検出部をさらに備え、前記データ取得期間決定部は前記プリピットが存在する期間以外の期間を前記データ取得期間と決定することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  4. 前記制御部は、
    前記戻り光量データの所定タイミングにおけるレベルに基づいて、前記記録光のパワーが適正であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記記録光のパワーを制御するパワー制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  5. 前記判定手段は、複数の前記所定タイミングにおけるレベルを平均化して得られた平均レベルに基づいて、前記記録光のパワーが適正であるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置。
  6. 前記データ取得期間決定部は、前記記録部が9T〜11Tの記録マークを形成する期間を前記データ取得期間と決定することを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置。
  7. プリピットが形成されたディスクに記録光を照射する工程と、
    前記ディスクからの戻り光を検出して戻り光量データを出力する工程と、
    前記戻り光が前記プリピットの影響を受けない期間であるデータ取得期間を決定する工程と、
    前記データ取得期間における前記戻り光量データを取得して出力する工程と、前記戻り光量データ出力部からの戻り光量データに基づいて制御を行う工程と、を有することを特徴とする情報記録装置の制御方法。
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