JP2004246956A - 光ディスク装置及び記録条件設定方法 - Google Patents

光ディスク装置及び記録条件設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ライトストラテジーデータが登録されていない光ディスクに対して適正な書き込み条件を求める。
【解決手段】ディスクIDを取得する手段と、設定された複数のデフォルトのストラテジーデータの各々についてOPCを行い、最適レーザパワーと、記録ピット長のばらつきを検出したジッタエラーピット検出数(エラーパルス数)または再生データエラーレート(例えばCDにおけるエラー訂正符号のC1エラー)を得る手段と、得られたジッタ情報又はエラーレート情報を基に1つのデフォルトのストラテジーデータを選択する手段と、ディスクID、前記選択されたデフォルトのストラテジーデータ及び書き込み時の倍速を記録する手段とを設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置及び記録条件設定方法に係り、特にデフォルトのストラテジーを登録していないディスクに対する適正な書き込み条件を求める技術に関する物であり、本発明はCD−R/RWディスクに応用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク等の媒体にレーザ光を照射してデータの記録を行う装置が各種実現されている。例えば、コンパクトディスク(CD)方式のディスクやDigital Versatile Disc(DVD)と呼ばれるディスクなどに、記録すべきデータによって変調されたレーザ光を照射し、データを記録する装置がある。
レーザ光によりデータ記録を行う場合には、例えば特開2000−251254号公報に記載されているように、レーザ光のパワー、具体的には、記録パワーや消去パワーが適切な値に設定されていなければならない(例えば、特許文献1参照)。このために、通常、記録装置では、OPC(オプティマムパワーコントロール)と呼ばれる最適レーザパワーの判別動作が行われる(例えば特許文献2及び3)。このOPC動作は、ディスク上に用意された試し書き領域(テスト領域)に対してレーザパワーを変化させながらレーザ照射を行って試し書きを行い、その試し書き部分の再生情報の品質(例えばジッタ情報、エラーレート情報、アシンメトリ情報等)を監視することで、最適なレーザパワーを判別する動作となる。このようなOPC動作により、記録時に最適なレーザパワーによる記録動作が実現できる。
【0003】
しかしながら、試し書き領域は有限であり、例えばCD−RにおいてはOPCを100回行うだけの領域が存在する。CD−Rは追記型記録媒体であり、99トラックから構成されている。1トラック1回分のOPC領域は確保されているが、トラックを分割して追記を行ういわゆるパケットレコーディングにおいては100回以上の記録動作を行うことになるため、OPCも100回以上行う必要があるが、100回以上の追記動作においてはOPC領域が不足するため、OPC動作を行わずに記録することになる。この場合、温度等の環境条件や追記する装置の記録特性の差異により、OPC動作を行って記録されたデータよりも品質が落ちてしまう。またオーバーラート可能な記録媒体でも、OPC領域を繰り返し書き換えると記録特性が変化し、データ記録領域の記録特性と差異が生じ、OPCとしての役割が失われる恐れがある。
【0004】
ストラテジーデータが登録されていない光ディスクに書き込みを行う場合、予め用意された固定の条件、即ち、ディスクIDが未登録のディスク用のストラテジーデータ(以下、デフォルトのストラテジーデータ又はデフォルトデータという)で書き込みを行う方法がある。しかしながらデフォルトデータが書き込み対象となるストラテジーデータが未登録の光ディスクに対して、必ずしも適した条件とは限らず、最悪の場合、書き込んだデータすら読み出すことができないことが起こりえる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−251254号公報
【特許文献2】
特開2002−230769号公報
【特許文献3】
特開平110−7645号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、用意された固定のデフォルトデータでOPCを行って、最適記録レーザパワーをもとめただけではジッタやエラーレートが予め定められているしきい値以下になるとは限らない。
【0007】
本発明の目的はこれらの欠点を解決し、OPCによって求めた記録レーザパワーに対してより適正な書き込み条件をもめることことができる記録条件設定技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は得られた記録条件を、光ディスク装置の電源をオフからオンにした後でも、得られた記録条件を反映することができる光ディスクの記録技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、第1の発明では、光ディスク装置は、ディスクIDを取得する手段と、デフォルトデータの各々についてOPCを行い、最適レーザパワーと、ジッタ情報又はエラーレート情報を得る手段と、得られたジッタ情報又はエラーレート情報を基に複数の前記デフォルトデータから一つのデフォルトデータを選択する手段と、ディスクID、前記選択されたデフォルトのストラテジーデータ及び書き込み時の倍速を記録する手段とを備える。
第2の発明では、第1の発明において、前記最適パワーのパルスの立ち上がり、又は立下りのタイミングを変化させて、誤り率又はエラーレート情報が最小となるタイミングを求め、メモリに記録する。
第3の発明では、第1の発明における前記選択手段は、前記デフォルトのストラテジーデータを、(1)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報の平均が最小で、且つ所定のしきい値以下になるストラテジーデータ、(2)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報が最小で、且つ所定のしきい値以下になるストラテジーデータ、(3)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報が最小となるストラテジーデータの順に選択する。
【0009】
第4の発明では、記録条件設定方法は、リードイン又はリードアウト情報から、ディスクIDを取得するステップと、ディスクIDが登録されているライトストラテジーデータがない場合、登録されている、複数のデフォルトデータの各々に対してOPCを行い、ジッタ情報又はエラーレート情報を用いて、前記複数のデフォルトデータから最善のストラテジーデータを選択するステップと、前記ディスクID、前記選択された前記未登録ディスク用ストラテジーデータをメモリに記憶するステップとを備える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。
図1は本発明による光ディスク装置の第1の実施例を示すブロック図である。本発明の光学的情報記録再生装置に装填される光ディスク1としては、例えば、CD−R、又はCD−RWなどのCD方式のディスクや、DVD(DIGITAL VERSATILE DISC)と呼ばれるディスクなどが考えられる。他の種類の光ディスクに対応した記録装置でも本発明は適用できるものである。光ディスク1はスピンドルモータ4により所定の回転数で回転している。レーザパワー制御回路6で所定の発光パワーに制御されたレーザ光は光ピックアップ2から出射される。光ピックアップ2はスレッド機構3および光ピックアップ制御回路9で制御されるため、レーザ光は光ディスク1の所定の位置に集光される。光ディスク1からの反射光により、光ディスク1に記録された情報を検出することができる。検出した情報からは再生データであるRF信号と、CD−RやCD−RWではATIP、DVD−RやDVD−RWではLPP、DVD+RやDVD+RWではADIP、DVD−RAMではPIDとなる位置情報であるアドレス信号と、光ピックアップ制御用のフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号であるサーボ誤差信号とが得られる。RF信号は再生信号復調回路11に入力される。再生信号復調回路11はデータ二値化信号生成回路、PLL回路及びデコーダが含まれており、再生(リード)時(OPCリード時)は二値化信号のSYNCの位置、立ち上がり又は立下りのタイミングによってPLL回路で同期を取っている。また、RF信号は、アドレス情報はアドレス情報復調回路14に入力され、サーボ誤差信号はサーボ用信号検出回路8に入力される。アドレス情報復調回路14では、ウォブル信号を読み取る。また、ディスクのID(リードイン)もここで読み取る。光ピックアップ制御回路9はサーボ用信号検出回路8から得られたサーボ誤差信号を装置制御回路12からの指令に従ってフィルタ処理などを施し、光ピックアップ2を制御し光ディスク1の所定の位置にレーザ光を集光させる。RF信号は再生信号復調回路11で復調され、装置制御回路12に入力される。
【0011】
エラーパルス検出回路21は再生信号復調回路11から得られたPLL回路にて同期を取ったクロックと二値化信号とを比較することによって、記録ピット長のばらつきを検出したジッタエラーピット検出数(以下エラーパルス数という)を生成する。このエラーパルスは装置制御回路12に入力され、エラーパルス数がカウントされる。本実施例では、エラーパルス数の変わりに、再生データエラーレート、例えばCDにおけるエラー訂正符号のC1エラーを計測してもよい。このエラーパルス数やC1エラーはジッタ情報又はエラーレート情報に相当する。
データ記録は装置制御回路12からの指令により光ピックアップ制御回路9で光ピックアップ2を制御し、記録する光ディスク1の所定の位置にレーザ光を集光させる。そして記録データは装置制御回路12から変調回路7に送られ、光ディスク1に記録するのに適したデータに変換され、記録データに応じてレーザ発光強度を変化させてディスク1にデータを記録する。
【0012】
OPC情報検出回路13は記録パワーを可変しながら記録を行っている時とそのようにして記録を行った領域を再生する時の光ディスクからの反射光を電気信号に変換し、検出する回路である。
例えば、光ディスクがCD−Rの場合、このOPC情報検出回路13は再生時には記録時におけるランドとピットからの反射光を電気信号に変換し、その直流分を除いた信号のマークのレベルをA2、スペースのレベルをA1とすると、次式で定義される値、β値(又はアシンメトリ値)を得る。
β=(|A1|−|A2|)/(|A1|+|A2|)
図において、第1のメモリ17には既知のストラテジーデータ及びn個(例えば10個)のディスクIDが未登録のディスク用のストラテジーデータ(以下、デフォルトのストラテジーデータ、又はデフォルトデータという)を記憶する。また、第2のメモリ16は、例えば不揮発性のメモリであり、本発明によって求められえたストラテジーデータが記憶される。また、19は演算器である。
【0013】
本実施例において、装置制御回路12からの指令によって、スピンドルモータ4が回転され、スレッド機構4によって光ピックアップがディスクの径方向に移動され、レーザパワー制御回路6の出力によって、光ピックアップ2に含まれているレーザ光源のレーザの発光を制御して、再生用のレーザパワーする。また、光ピックアップ制御回路9の出力によって、フォーカス及びトラッキングを制御して再生状態にする。予め光ディスクに記録されているリードイン又はリードアウト情報をアドレス情報復調回路から読み取ってディスクIDを取得する。装置制御回路12はこのディスクIDを受け取り、第2のメモリ16に格納されているライトストラテジーデータを検索する。検索がヒットした場合には、装置制御回路12はそのストラテジーデータレーザパワー制御回路6にセットし、データを記録し、OPCを行う。
第2のメモリに格納されているストラテジーデータが検索されなかった場合、従来は第1のメモリ17に格納されているデフォルトのストラテジーデータをレーザパワー制御回路6に設定してレーザ源を駆動して、OPCを行っているが、本実施例ではデフォルトのストラテジーデータをn個(例えば、10個)用意する。この用意したn個のデフォルトデータのそれぞれについてOPCを行う。OPCを行っている間に、エラーパルス検出回路21から出力されるエラーパルスの数を装置制御回路12でカウントする。エラーパルス数をカウントする代わりに再生データエラーレート、例えばCDにおけるエラー符号のCIエラーを測定してもよく、エラーパルス数や再生データエラーレートは記録の品質を判定するデータと言える。
n個のデフォルトデータでOPCを行った結果を、エラーパルス数をカウントした結果を基に評価し、装置制御回路12で一番適正のあるデフォルトデータを選択し、記録する。この場合、ディスクIDと、一番適正のあるデフォルトデータ(又は、そのインディクス番号)、記録倍速を第2のメモリ16に格納する。次に、同じディスクが入ってきた時には、このデータにてOPCを行う。
【0014】
エラーパルス数から適正なデフォルトデータを選択するには、以下の(1)〜(3)の順に選択する(以下、デフォルトデータ選択順位という。)。なお、エラーパルスについては、別途説明する。
(1)OPC情報検出回路13で得られたピットが適当に形成されるパワーの範囲、例えば、CD−Rにおけるβ値の範囲とエラーパルス検出回路21で検出されたエラーパルスをカウントして得たエラーパルス数から、ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、エラーパルス数の平均が最小で、且つ所定のしきい値以下になるデフォルトデータを選択する。
(2)上記(1)に該当するデフォルトデータがない場合、ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、エラーパルス数が最小で、且つ所定のしきい値以下になるデフォルトデータを選択する。
(3)上記(1)、(2)に該当するデフォルトデータがない場合、ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、エラーパルス数が最小となるデフォルトデータを選択する。
【0015】
上記の選択手段において、(1)及び(2)に該当するデフォルトデータがない場合、デフォルトデータの中でエラーパルス数が一番少ないデフォルトデータ(3)を基にOPCで求めた記録レーザパワーについて、レーザパワーパルスの立ち上がりタイミングや立下りタイミングを可変にする。例えば、3T〜xTのピット(PIT)と3T〜xTのランド(LAND)間の立ち上がりの各タイミング、及び3T〜xTのランドと3T〜xTのピット間の立ち下がり各タイミングを上記ストラテジーパターンを基準に±yTの範囲で数ステップ可変させる。このレーザパワーの立ち上がり、立ち下がりのタイミングの変化量をテーブルに記録しておき、これらのタイミングを用いたレーザパワーで記録を行い、エラーパルス数が最小となるストラテジーパターンを求める。立ち上がりタイミングまたは立下りタイミングを可変にしたデータはデータ領域以外、例えばCD−RにおけるPCA領域、PMA領域、最外周のリードアウトとなる領域の何れかに記録され、再生した結果、エラーパルス数が最小となるパターンを求める。また、このときの、ディスクID、デフォルトデータ、記録した時の倍速を第2のメモリ16にも記録する。次に、同じディスクが装着された時にはこのデータを用いて記録し、OPCを行う。なお、前述のテーブルについては、後述する。
【0016】
図2は複数のストラテジーパターンに対するβ値等のピットが適当に形成されるパワーの範囲とジッタまたはエラーレートに対する特性曲線である。図においては、3つのストラテジーパターンを設定し、各パターンについてOPCを行い評価した結果を示しており、横軸にピットが適当に形成されるパワーの範囲、例えば、CD−Rにおける所定のβ値の範囲を、縦軸にジッタまたはエラーレートを示している。以下、エラーレート又はジッタについてはエラーパルス数で説明する。光ディスクがCD−Rディスクの場合、ピットが適当に形成されるパワーの範囲が0〜8%の間は、エラーパルス数がしきい値を超えないようにすることが望ましい。101は第1のストラテジーパターンによるピットが適当に形成されるパワーの範囲(例えば所定のβ値の範囲)とエラーパルス数の特性曲線であり、102は第2のストラテジーパターンによるピットが適当に形成されるパワーの範囲(例えば、所定のβ値の範囲)とエラーパルス数の特性曲線であり、103は第3のストラテジーパターンによるピットが適当に形成されるパワーの範囲(例えば、所定のβ値の範囲)とエラーパルス数の特性曲線である。特性曲線101は全てのピットが適当に形成されるパワーの範囲に対してエラーパルス数はしきい値を超えており、3つのパターンの中で一番特性が悪い。特性曲線102はピットが適当に形成されるパワーの範囲が0〜8%の内の限られた範囲でエラーパルス数はしきい値より少ないが、他の範囲ではエラーパルス数はしきい値を超えて増加している。この特性曲線102の場合、ピットが適当に形成されるパワーの範囲0〜8%に対して記録レーザのパワーマージンが少ない。特性曲線103はピットが適当に形成されるパワーの範囲が0〜8%の内の略全域にわたってエラーパルス数はしきい値より少なく、ベストの特性を示している。
【0017】
本実施例では、複数、例えば10種類のストラテジーパターンを用意し、特性曲線103の特性が得られた場合にはそのストラテジーパターンを採用する。特性曲線103が得られず、特性曲線102が得られた場合にはこのストラテジーパターンを採用する。特性曲線102、103が得られず、特性曲線101しか得られない場合には、これを選択する。
また、図2では、ピットが適当に形成されるパワーの範囲として、例えば、β等と示したが、一般に、R系はベータを、RW系はγを用いている。しかしながら、横軸はピットがきちんと書けているか(反射率が適正か)が分かればどんパラメータでもよい。
【0018】
次に、エラーパルス生成方法について、図3を用いて説明する。
図3はエラーパルス生成方法を説明するための信号波形図であり、図3(a)は図1の再生信号復調回路に含まれる二値化信号生成回路で生成された二値化信号、図3(b)は再生信号復調回路で生成されるクロック、図3(c)は二値化信号とウォブルクロックの位相差信号、図3(d)は位相差信号を積分した信号、図3(e)はエラーパルスを示す。二値化信号301とクロック302の位相差に応じて、位相差信号303が得られる。位相差信号303を積分すると、位相差信号の積分信号304が得られる。この積分信号304の内、所定のしきい値以上となる信号をエラーパルス305として生成する。このエラーパルス信号は装置制御回路12に入力され、ここで所定セクタにおけるパルス数がカウントされる。
【0019】
次に、複数のデフォルトのストラテジーデータから選ばれた一つのデフォルトのストラテジーデータに対して、更に、光ピックアップに含まれるレーザ光源をオン、オフするタイミングを制御し、より適正なストラテジーデータを得るための方法について説明する。
図4はレーザ光源のオン、オフのタイミングを示すタイミングパルスの波形図である。本実施例では、3Tピットから3Tランドに変化する場合に、立下りタイミングを変化する場合の例を示す。図において、Cは3Tピットで標準の位置であり、それに対して、立下りのタイミングをA、B、D、Eのようにずらして記録または再生を行う。ずらす量は例えば、0.25Tとしてもよい。更に、3Tランドから3Tピットにおいても、その立ち上がりのタイミングを同様にずらしてもよい。また、組み合わせも、ピットとランド間、ランドとピット間の立ち下がりタイミングや立ち上がりタイミングを、3Tと3T、3Tと4T、3Tと5T、4Tと3T、4Tと4T等の種々の組み合わせに対して、ずらす量を設定する。これらのデータはテーブルとして設定してもよい。
【0020】
図5はタイミングパルスのタイミング可変個所の設定を示すテーブルであり、図5(a)はピットの次にランドが来るタイミングパルスのテーブルを示し、図5(b)はランドの次にピットが来るタイミングパルスのテーブルを示す。このテーブルにおいて、可変したい組合せのタイミング量を設定しておき、それぞれのタイミングについて記録または再生OPCを行って最適なタイミングを決める。
【0021】
図6はデフォルトのストラテジーデータから適正なストラテジーデータを選択する処理動作の第1の実施例を示すフローチャートである。図において、ステップ601では、光ディスクのlead in(リードイン)又はlead out(リードアウト)情報からディスクIDを取得する。ステップ602で、ディスクIDをキーとして、第1のメモリ117、第2のメモリ16を検索する。ステップ603で検索の結果ヒットしたか否かを判断する。ステップ603で、ヒットしない場合(Nの場合)、ステップ604で、用意された複数個(例えば10個)のデフォルトのストラテジーデータ(以下、デフォルトデータという)を評価する。このために、ステップ605では、例えばn番目のデフォルトデータについてOPCを行い、最適レーザパワー及びエラーパルス数(又はCIエラーでもよい)を取得する。ステップ606で全てのデフォルトデータについて、OPCを行い、最適パワー及びエラーパルス数を取得したか否かを判別する。全部のデフォルトデータについて、OPCを行わない場合(Nの場合)には、ステップ604に戻って、OPCを繰り返す。ステップ607で、エラーパルス数を基に、図1を用いて説明した、(1)〜(3)のデフォルトデータ選択順位にしたがって最適なデフォルトデータを選択する。ステップ608で、ディスクID、書き込み時の倍速と共に、選択されたデフォルトのストラテジーデータ(又はそのインデックス番号)をライトストラテジーデータとして第2のメモリ16に記憶する。
ステップ603にて、ライトストラテジーがヒットした場合には、ヒットしたライトストラテジーデータでOPCを行い、最適パワーを取得する。
【0022】
図7はデフォルトのストラテジーデータから適正なストラテジーデータを選択する処理動作の第2の実施例を示すフローチャートである。なお、図において、図6と同じステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6と比較して、図7のフローチャートでは、ステップ701、ステップ702が追加されている。図7では、ステップ607で、最適なデフォルトデータを選択した後、ステップ701では、ステップ607で求めた最適なデフォルトデータについて、レーザ光源をオン、オフするパルスの立ち上がり又は立下りのタイミング(図5のテーブルに記載されたタイミング)を可変し、ステップ605で求めた最適パワーにて光ディスクのPCA領域、PMA領域又はディスクの最外周のリードアウト領域の何れかに記録し、再生した結果エラーパルスが最小となるパターンを求める。更に、これら複数の立ち上がり又は立下りのタイミングを可変したもので記録したところを再生して、エラーパルス数が最小となるタイミング(ストラテジーパターン)を決定し、これについてのデータを作成する。その後、前述のステップ702に移行し、ディスクID、選択されたライトストラテジー、書き込み倍速を第2のメモリ16に記憶する。
【0023】
図8はデフォルトのストラテジーデータから適正なストラテジーデータを選択する処理動作の第3の実施例を示すフローチャートである。なお、図において、図6、図7と同じステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。図において、ステップ801が新に設けられる。
ステップ607で、図1で説明した(1)〜(3)のデフォルトデータ選択順位に従って最適なデフォルトデータを選択する。ステップ801で、選択したデフォルトデータのエラーパルス数がデフォルトデータ選択順位の(1)に相当するか否かを判別する。即ち、OPC情報検出回路13で得られたピットが適当に形成されるパワーの範囲(例えば、CD−Rにおける所定のβ値の範囲)とエラーパルス検出回路21で検出されたエラーパルスをカウントして得たエラーパルス数から、ピットが適当に形成されるパワーの範囲(例えば、CD−Rにおける所定のβ値の範囲)で、エラーパルス数の平均が最小で、且つ所定のしきい値以下になるデフォルトデータか否かを判別する。ステップ801で、デフォルトデータ選択順位(1)でない場合(Nの場合)、ステップ701で最適パワーの立ち上がり、立下りタイミングを可変にしてエラーパルス数が最小となるストラテジーパターンのデータを作成し、ステップ702に移行する。
ステップ801で、デフォルトデータ選択順位の(1)の場合、ステップ608に移行して、(1)を満たす(選択された)ライトストラテジーデータ(又はそのインディックス番号)、書き込み倍速を第2のメモリ16に記憶する。
【0024】
以上述べたように、本発明によれば、ライトストラテジーデータを登録していない光ディスクに対して、複数のデフォルトデータを評価して、適正な書き込み条件を得ることができる。
更に、選択されたデフォルトデータのレーザパワーについて、パルスの立ち上がり又は立下りタイミングを可変にしてOPCを行いより適正な書き込み条件を設定することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ライトストラテジーデータを登録していない光ディスクに対して、複数のデフォルトデータを設定し、これを評価して適正な書き込み条件を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ディスク装置の第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】複数のストラテジーパターンに対するβ値等のピットが適当に形成されるパワーの範囲とジッタまたはエラーレートに対する特性曲線である。
【図3】エラーパルス生成方法を説明するための信号波形図である。
【図4】レーザ光源のオン、オフのタイミングを示すタイミングパルスの波形図である。
【図5】タイミングパルスのタイミング可変個所の設定を示すテーブルである。
【図6】デフォルトのストラテジーデータから適正なストラテジーデータを選択する処理動作の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図7】デフォルトのストラテジーデータから適正なストラテジーデータを選択する処理動作の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図8】デフォルトのストラテジーデータから適正なストラテジーデータを選択する処理動作の第3の実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…光ピックアップ、3…スレッド機構、4…スピンドルモータ、6…レーザパワー制御回路、7…変調回路、8…サーボ用信号検出回路、9…光ピックアップ制御回路、11…RF信号は再生信号復調回路、12…装置制御回路、13…OPC情報検出回路、14…アドレス情報復調回路、16…第2のメモリ、17…第1のメモリ、19…演算器、21…エラーパルス検出回路。

Claims (8)

  1. ディスクIDを取得する手段と、設定された複数のディスクIDが未登録のディスク用のストラテジーデータの各々についてOPCを行い、最適レーザパワーと、ジッタ情報又はエラーレート情報を得る手段と、得られたジッタ情報又はエラーレート情報を基に複数の前記ストラテジーデータから一つのストラテジーデータを選択する手段と、ディスクID、前記選択されたストラテジーデータ及び書き込み時の倍速を記録する手段とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1記載の光ディスク装置において、前記選択されたストラテジーデータにおける最適パワーのパルスの立ち上がり、又は立下りのタイミングを変化させて、光ディスクに記録する手段を備えることを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項2記載の光ディスク装置において、前記最適パワーのパルスの立ち上がり、又は立下りのタイミングを変化させて、誤り率又はエラーレート情報が最小となるタイミングを求め、メモリに記録することを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項1記載の光ディスク装置において、前記選択手段は、前記ストラテジーデータを、(1)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報の平均が最小で、且つ所定のしきい値以下になるストラテジーデータ、(2)所定のβ値の範囲内で、誤り率又はエラーレート情報が最小で、且つ所定のしきい値以下になるストラテジーデータ、(3)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報が最小となるストラテジーデータの順に選択することを特徴とする光ディスク装置。
  5. リードイン又はリードアウト情報から、ディスクIDを取得するステップと、登録されているライトストラテジーデータがない場合、登録されている、複数のディスクIDが未登録のディスク用のストラテジーデータである未登録ディスク用ストラテジーデータの各々に対してOPCを行い、ジッタ情報又はエラーレート情報を用いて、前記未登録ディスク用ストラテジーデータから最善の未登録ディスク用ストラテジーデータを選択するステップと、前記ディスクID、前記選択された前記未登録ディスク用ストラテジーデータをメモリに記憶するステップとを備えることを特徴とする記録条件設定方法。
  6. 請求項5記載の記録条件設定方法において、前記未登録ディスク用ストラテジーデータから、最善の前記未登録ディスク用ストラテジーデータを選択するステップは、(1)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報の平均が最小で、且つ所定のしきい値以下になる前記未登録ディスク用ストラテジーデータ、(2)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報が最小で、且つ所定のしきい値以下になる前記未登録ディスク用ストラテジーデータ、(3)ピットが適当に形成されるパワーの範囲内で、誤り率又はエラーレート情報が最小となる前記未登録ディスク用ストラテジーデータの順に選択することを特徴とする記録条件設定方法。
  7. 請求項5記載の記録条件設定方法において、前記最善の未登録ディスク用ストラテジーデータにおける最適パワーのパルスの立ち上がり、又は立下りのタイミングを変化させて、誤り率又はエラーレート情報が最小となるタイミングを求め、メモリに記録するステップを設けることを特徴とする記録条件設定方法。
  8. 請求項6記載の記録条件設定方法において、(2)又は(3)の条件に該当する前記未登録ディスク用ストラテジーデータが選択された場合、前記未登録ディスク用ストラテジーデータにおける最適パワーのパルスの立ち上がり、又は立下りのタイミングを変化させて、誤り率又はエラーレート情報が最小となるタイミングを求め、メモリに記録するステップを設けることを特徴とする記録条件設定方法。
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