JP2004017825A - 車両用サンバイザ - Google Patents
車両用サンバイザ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004017825A JP2004017825A JP2002176133A JP2002176133A JP2004017825A JP 2004017825 A JP2004017825 A JP 2004017825A JP 2002176133 A JP2002176133 A JP 2002176133A JP 2002176133 A JP2002176133 A JP 2002176133A JP 2004017825 A JP2004017825 A JP 2004017825A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- visor
- mirror
- main body
- load
- visor body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Arrangements Of Lighting Devices For Vehicle Interiors, Mounting And Supporting Thereof, Circuits Therefore (AREA)
Abstract
【課題】バイザ本体が所定値以上の荷重を受けた際においてもミラーユニットがバイザ本体から脱落することを防止するための構造を備えた車両用サンバイザを提供する。
【解決手段】車両用サンバイザ1は、バイザ本体2と、そのバイザ本体2に取付けられるミラーユニット5とを備える。そしてバイザ本体2は、ミラーユニット5が取付けられる取付部4を有し、その取付部4の外側には、バイザ本体2に所定値以上の荷重が加わった際にその荷重によって破断する脆弱部27が形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】車両用サンバイザ1は、バイザ本体2と、そのバイザ本体2に取付けられるミラーユニット5とを備える。そしてバイザ本体2は、ミラーユニット5が取付けられる取付部4を有し、その取付部4の外側には、バイザ本体2に所定値以上の荷重が加わった際にその荷重によって破断する脆弱部27が形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車室内への光の侵入を防止する車両用サンバイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用サンバイザは、板状のバイザ本体を有し、そのバイザ本体にミラーユニットが取付けられたものも知られている。そしてミラーユニットは、バイザ本体が所定値以上の荷重(衝撃など)を受けた場合においてもバイザ本体から脱落しないことが望まれている。
例えば、車両には、近年エアバックを備えるものが多いが、そのエアバックが膨らむことで車両用サンバイザが所定値以上の荷重を受け、この場合にミラーユニットが脱落しないことが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、バイザ本体が所定値以上の荷重を受けた際においてもミラーユニットがバイザ本体から脱落することを防止するための構造を備えた車両用サンバイザを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載の通りの構成を備える車両用サンバイザであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車両用サンバイザは、バイザ本体と、そのバイザ本体に取付けられるミラーユニットとを備える。
そしてバイザ本体は、ミラーユニットが取付けられる取付部を有し、その取付部の外側には、バイザ本体に所定値以上の荷重が加わった際にその荷重によって破断する脆弱部が形成されている。
【0005】
したがってバイザ本体に所定値以上の荷重が加わった場合は、バイザ本体に形成された脆弱部が破断する。そのためバイザ本体が受けた荷重に対するエネルギーは、脆弱部の破断エネルギーに変えられる。そして脆弱部は、取付部の外側に形成されている。したがって取付部には、荷重に対するエネルギーが伝わりにくい。
かくして取付部は、荷重によって変形したり、破断したりすることが防止される。そして取付部に取付けられたミラーユニットは、取付部から脱落することが防止され、これによってミラーユニットは、バイザ本体から脱落することが防止される。
なお脆弱部は、所定値以上の荷重によって破断する形態であれば何でもよく、例えば、脆弱部がバイザ本体の肉厚が薄くなった部分によって形成される形態、あるいは脆性材料によって形成される形態などである。
またミラーユニットは、例えば次の構成のものをいう。すなわちミラーのみによって構成されるもの、ミラーとそのミラーが取付けられるケースを備えるもの、あるいはミラーとケースとミラーの鏡面を覆うカバーとを備えるものなどである。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、脆弱部は、取付部の一辺側を残した外周に沿って形成されており、脆弱部が破断することで取付部を備えるバイザ本体の一部分がバイザ本体の残り部分に対して一辺側を支点とした片持ち張り梁状に分離され、残り部分がバイザ本体に加わった荷重によって変形する構成になっている。
すなわち取付部とバイザ本体の一部分は、脆弱部が破断することで片持ち張り状になる。したがって取付部とバイザ本体の一部分は、一端側が自由端となる。そのため取付部とバイザ本体の一部分は、バイザ本体に加わった荷重によってほとんど変形せず、バイザ本体の残り部分が荷重によって変形する。
かくして取付部が変形することが防止され、取付部に取付けられたミラーユニットがバイザ本体から脱落することが防止される。
【0007】
請求項3に記載の発明によれば、取付部は、バイザ本体に設けられたミラーブラケットによって構成される。そしてそのミラーブラケットは、脆弱部が形成されていない一辺側においてバイザ本体に埋め込まれた支持部を有する。
すなわちミラーブラケットは、脆弱部が破断して片持ち梁状になった際の固定端側に支持部を有する。そしてその支持部は、バイザ本体に埋め込まれている。したがってミラーブラケットは、支持部によってバイザ本体の残り部分に対して強く取付いている。
かくしてミラーブラケットは、脆弱部が破断した際においてもバイザ本体の残り部分から脱落することが防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる車両用サンバイザ1を図1〜6にしたがって説明する。
車両用サンバイザ1は、図1に示すように板状のバイザ本体2と、そのバイザ本体2が回動可能に取付けられる支軸10を有する。またバイザ本体2には、ミラーユニット5が取付けられている。
支軸10は、図1に示すように縦軸と横軸とを備えた略L字状に形成されており、横軸にバイザ本体2が回動可能に取付けられている。また縦軸は、取付ブラケット11を介して車両天井に回動可能に取付けられる。
したがってバイザ本体2は、横軸周りに回動されることで、車室天井面に沿う格納位置と、フロントガラスに沿うフロント位置とに回動する。またバイザ本体2は、縦軸周りに回動されることでフロント位置とサイドガラスに沿ったサイド位置とに回動する。
【0009】
バイザ本体2は、図2に示すように発泡材料から成形された中実板状の発泡体20と、発泡体20の表面に装着された表皮材21とを有する。
またバイザ本体2は、図1に示すように針金を素材として形成された芯材23と、支軸10が回動可能に取付けられる軸受部22とを有する。
この芯材23は、図1に示すようにバイザ本体2の外周に沿って設けられるとともに、発泡体20の内部に配設されている。
また軸受部22は、図1に示すように発泡体20の内部に設けられており、バイザ本体2の内部において支軸10を回動可能に支持する。
【0010】
またバイザ本体2は、図1に示すようにサポート軸12を有する。このサポート軸12は、車両天井に取付けられたフックに対して脱着可能に取付く部材である。そしてサポート軸12は、フックに取付けられることでそのフックに対して軸周り方向に摺動する。したがってバイザ本体2は、サポート軸12をフックに取付けることで、支軸10の横軸とサポート軸12とを軸として収納位置とフロント位置とに回動する。また、サポート軸12のない場合もある。
【0011】
またバイザ本体2は、図2に示すようにミラーユニット5を取付けるための取付凹部26を有する。そして取付凹部26の底面には、ミラーブラケット4が設けられている。
なおミラーブラケット4は、次のように発泡体20に取付けられる。すなわちミラーブラケット4は、芯材23と軸受部22とともに発泡体20を形成するための型にセットされ、その状態において発泡材料を発泡させて発泡体20を形成する。したがってこれらは、発泡体20に内設される。
また取付凹部26は、図2に示すように二段状に窪んで形成されている。すなわち取付凹部26は、バイザ本体2の表面側から一段落ち込んだ第一凹部26aと、その第一凹部26aからさらに一段落ち込んだ第二凹部26bとを備える。
そしてミラーブラケット4は、図2,5に示すようにその一部が第二凹部26bの底面に沿って表面側が露出されている。
【0012】
ミラーブラケット4は、図4に示すように金属板などの板材から形成されており、ミラーユニット5を取付けるために複数の取付部41を有する。
取付部41は、図4に示すようにミラーブラケット4に貫通孔が設けられ、その貫通孔の孔端縁によって形成されている。
また発泡体20には、図2,5に示すように取付部41の裏側から発泡体20の裏面に貫通する貫通孔25が形成されている。そして貫通孔25によってミラーブラケット4の取付部41の裏面の一部が露出されている。
したがってミラーユニット5の係着部50bを取付部41に対して貫通させ、貫通孔の孔端縁の裏側面に係着部50bの先端を係着(係止)することができる(図2参照)。
なおミラーブラケット4および取付部41は、請求項に記載の取付部に相当する。
【0013】
またバイザ本体2は、図2に示すように第二凹部26bの底面からさらに凹状に窪む方向に形成された溝部24を有する。そしてバイザ本体2には、溝部24によって薄肉状に形成された脆弱部27が形成されている。
したがってバイザ本体2に所定値以上の荷重、例えば衝撃などが加わった場合は、その荷重によって脆弱部27が破断し、荷重に対するエネルギーが脆弱部27の破断エネルギーに変えられる。すなわち脆弱部27によってバイザ本体2は、その一部が分断ないし分離される。
なお所定値以上の荷重は、例えばエアバックが作動した際においてエアバックがバイザ本体2が当たることで生じる。あるいは乗員の頭などがバイザ本体2にぶつかることで不側に生じる衝撃などである。
【0014】
また脆弱部27は、図5に示すようにミラーブラケット4を避けた位置、すなわちミラーブラケット4の外側に設けられている。そして脆弱部27は、図5に示すようにミラーブラケット4の外周に沿って設けられている。
したがって脆弱部27が破断した際にミラーブラケット4側には、荷重によるエネルギーが伝わりにくい。
また脆弱部27は、図5に示すように(バイザ本体2をフロント位置にした状態での)ミラーブラケット4の上辺に沿った上縁部27aと、左右側の側辺の一方(例えば左端)に沿った側縁部27bと、下辺に沿った下縁部27cとを備え、これらが一体状に繋がっている。
【0015】
なおミラーブラケット4の一辺側には、脆弱部27が形成されていない。換言するとミラーブラケット4の一辺側を残した外周に沿って脆弱部27が形成されており、脆弱部27は、ミラーブラケット4の三辺に沿って形成されている。
したがって脆弱部27が破断した場合は、ミラーブラケット4の一辺側を残した他の三辺側のバイザ本体2が破断する。そのためミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分は、図6に示すようにバイザ本体2の残りの部分に対して片持ち梁状になる。
【0016】
また脆弱部27が形成されていない一辺側は、バイザ本体2の長手方向における支軸10側の一辺側である。
したがってミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分は、図6に示すように脆弱部27が破断することでバイザ本体2の長手方向に片持ち梁状となる。かくしてバイザ本体2の一部分は、一端側が自由端となり、その自由端と固定端との間に曲げモーメントが生じた際には、その自由端によってそのモーメントが解放される。とりわけバイザ本体2を長手方向に対して曲げる曲げモーメントが解放されやすい。したがってバイザ本体2の一部分、すなわちミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分は、変形しにくい。
【0017】
そしてバイザ本体2の残り部分が、バイザ本体2が受けた荷重によって変形する。
また脆弱部27は、サポート軸12と支軸10との間に形成されている(図1参考)。したがってサポート軸12と支軸10との間に荷重が加わった状態において脆弱部27が容易に破断され得る。
また脆弱部27は、芯材23に囲まれた位置に設けられている(図1参照)。したがって脆弱部27は、芯材23に影響されることなく、容易に破断され得る。
またバイザ本体2の残り部分は、芯材23を有する(図1参照)。したがってバイザ本体2の残り部分は、荷重によって変形しにくい。かくしてバイザ本体2の残り部分が変形されることで、荷重に対するエネルギーが多く消費される。
【0018】
またミラーブラケット4には、ミラーユニット5が取付けられている。
このミラーユニット5は、図1に示すようにミラー3と、そのミラー3を保持するケース50と、ミラー3の鏡面を開閉するカバー51とを備える。
ケース50は、図4に示すようにミラー3を取付けるためにミラー3よりも一周り大きな形状に形成された開口部50dを有する。またケース50の表面側には、図2に示すようにその開口部50dの端部から開口中央側へ張出してミラー3の表面側の周囲部分を支持する張出枠部50cが形成されている。
またケース50の裏面側には、ミラー3の裏面側を支持するために開口部50dの端部から開口中央側へ張出した裏面支持部50eが複数形成されている。
したがってミラー3は、張出枠部50cと裏面支持部50eとによって支持されることでケース50に取付けられている。
【0019】
またケース50は、図2に示すようにバイザ本体2の第一凹部26aの底面に掛け止まるために外方側へ張出す掛止部50aを有する。したがってケース50は、図2に示すようにバイザ本体2の取付凹部26に収められるとともに、取付凹部26の第一凹部26aに掛止められる。
またケース50は、図4に示すようにミラーブラケット4に係着するための係着部50bを複数備える。したがって係着部50bがミラーブラケット4の取付部41に取付けられることで、ケース50は、ミラーブラケット4を介してバイザ本体2に取付られる。
またケース50には、図3に示すようにカバー51が回動可能に取付けられている。
【0020】
またミラーブラケット4は、図2に示すように一辺側(右端)からバイザ本体2の一辺側へ延出する支持部42を有する。
また支持部42は、図4に示すようにミラーブラケット4の一辺から板状に延出して一体状に形成されている。そして支持部42は、図5に示すように脆弱部27が設けられていない一辺側に設けられており、脆弱部27によって覆われる領域の逆側へ延出する。したがって支持部42は、バイザ本体2の取付凹部26を形成する側壁を貫通し、バイザ本体2の内部に埋め込まれている。
【0021】
したがって支持部42は、バイザ本体2によって強く支持されている。
そして支持部42は、図6に示すように脆弱部27が破断することでミラーブラケット4が片持ち梁状になった際に、片持ち梁の固定端側を形成する。すなわち支持部42は、ミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分から残りのバイザ本体2に渡って延出しており、片持ち梁の固定端の軸を形成している。
【0022】
したがって車両用サンバイザ1は、以下のような作用・効果を有する。
すなわちバイザ本体2が所定値以上の荷重を受けると脆弱部27がその荷重によって破断する。したがって荷重エネルギーが破断エネルギーに変えられ、荷重エネルギーがミラーブラケット4に伝わることが防止される。かくしてミラーブラケット4は、荷重によって変形することが防止される。
【0023】
またミラーブラケット4とバイザ本体2の一部分は、脆弱部27が破断することで片持ち張り状になる。したがってミラーブラケット4とバイザ本体2の一部分は、一端側が自由端となる。そのためミラーブラケット4とバイザ本体2の一部分は、バイザ本体に加わった荷重によってほとんど変形せず、バイザ本体2の残り部分が荷重によって変形する。
かくしてミラーブラケット4が変形することが防止され、ミラーブラケット4に取付けられたミラーユニット5がミラーブラケット4から脱落することが防止される。すなわちミラーユニット5の係着部50bが取付部41から外れることが防止される。その結果ミラーユニット5がミラーブラケット4およびバイザ本体2から脱落することが防止される。
【0024】
またミラーブラケット4は、脆弱部27が破断することでバイザ本体2の一部分とともにバイザ本体2の残りの部分に対して片持ち梁状になる。したがってミラーブラケット4およびミラーユニット5は、バイザ本体2の残り部分と連結した状態となって、バイザ本体2の残り部分から脱落することが防止されている。
またミラーブラケット4に形成された支持部42が片持ち梁の固定端を形成している。したがってミラーブラケット4およびミラーユニット5は、片持ち梁状になった際においてもバイザ本体2の残りの部分から脱落しにくい。
【0025】
ところでバイザ本体2は、支軸10とサポート軸12の二点によって車両天井に支持されて利用される場合が多い。そしてこの状態においてバイザ本体2に荷重が加わった場合は、バイザ本体2を長手方向に曲げようとする曲げモーメントがバイザ本体2に加わりやすい。
これに対してバイザ本体2の一部分は、長手方向に対して片持ち梁状になる形態である。そのためミラーブラケット4は、長手方向に曲げようとする曲げモーメントによって変形しにくく、残りの部分が変形しやすい。
なおバイザ本体2を短手方向に曲げようとする曲げモーメントがバイザ本体2に加わった場合は、脆弱部27が設けられていない一辺側によってその曲げモーメントが支持される。したがって脆弱部27は、破断されにくくなっている。
【0026】
(実施の形態2)
次に実施の形態2を図7にしたがって説明する。
実施の形態2にかかる車両用サンバイザ7は、実施の形態1に設けられた脆弱部27(図5参照)の代わりに図7に示す脆弱部70を有する形態である。しかし他の部分は、実施の形態1の車両用サンバイザ1と同様に形成されている。そのため同一部分についての説明を割愛する。そして同一部分に実施の形態1と同一の番号を利用しつつ、以下に実施の形態2について説明する。
【0027】
脆弱部70は、バイザ本体2の一端辺から他端辺に向かってその短手方向に渡って形成されている。また脆弱部70は、ミラーブラケット(4)を避けた位置に設けられている。また脆弱部70は、サポート軸12と支軸10との間に設けられ、これらを分断する方向に延出している。
また脆弱部70は、発泡体(20)に溝部を形成することで発泡体(20)の肉厚を薄くすることで形成されている(図2参照)。
【0028】
したがってバイザ本体2が所定値以上の荷重(例えば衝撃)を受けることで脆弱部70が破断する。そのため荷重エネルギーは、破断エネルギーに変えられる。かくしてミラーブラケット(4)には、荷重によるエネルギーが伝わりにくく、ミラーブラケット(4)が荷重によって変形することが防止される。
かくしてミラーブラケット(4)に取付けられたミラーユニット5は、ミラーブラケット(4)から外れにくく、ミラー3がバイザ本体2から脱落することが防止される。
【0029】
また脆弱部70は、バイザ本体2の短手方向に渡って形成されている。したがってバイザ本体2に長手方向に曲げる曲げモーメントが加わった場合は、その曲げモーメントによって脆弱部70は、容易に破断され得る構成になっている。
一方、バイザ本体2に短手方向に曲げる曲げモーメントが加わった場合は、脆弱部70が破断しにくい構成になっている。
かくして脆弱部70は、長手方向に曲げる曲げモーメントに対して効率よく破断しやすい。そして短手方向に曲げる曲げモーメントに対しては、破断しにくい構成なっている。
【0030】
(他の実施の形態)
また本発明は、実施の形態1,2に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)すなわち実施の形態1,2の脆弱部は、バイザ本体に溝部を形成することでバイザ本体に肉厚の薄い部分を形成することで形成されていた。しかしバイザ本体に複数の貫通孔を所定間隔で設け、これによって脆弱部を形成する形態であってもよい。
あるいはバイザ本体の一部を脆性材料によって形成し、この部分を脆弱部とする形態であってもよい。
あるいはバイザ本体が発泡材料で形成される形態であって、その発泡材料の発泡倍率を一部分だけ高くすることで密度を粗とし、この部分を脆弱部とする形態であってもよい。
(2)また上記の実施の形態では、ミラーユニットがミラーブラケットを介してバイザ本体に取付けられていた。しかしバイザ本体にミラーブラケットが設けられておらず、ミラーユニットがバイザ本体に直接取付けられる形態であってもよい。例えば、バイザ本体が中空板状に形成されており、そのバイザ本体にミラーユニットを収納するための凹部が形成される。そして該凹部の底面に貫通孔状に形成された取付部が形成され、その取付部にミラーユニットの係着部が取付けられる形態であってもよい。
(3)また上記の実施の形態では、ミラーブラケットの三辺に沿って脆弱部が形成されていたが、例えば、「請求項1に記載の車両用サンバイザであって、脆弱部は、取付部の一辺側を残した外周の少なくとも二辺に沿って形成されており、前記脆弱部が破断することで前記取付部を備えるバイザ本体の一部分が前記バイザ本体の残り部分に対して前記一辺側を支点とした片持ち張り梁状に分離され、前記残り部分が前記バイザ本体に加わった荷重によって変形する構成になっていることを特徴とする車両用サンバイザ」であってもよい。例えば脆弱部が上縁部(図5の27a)と側縁部(図5の27bによって形成される脆弱部)とを有し、側縁部がバイザ本体の下端縁まで延出している形態である。あるいは脆弱部が下縁部(図5の27c)と側縁部(図5の27b)とを有し、側縁部がバイザ本体の上端縁まで延出している形態である。
(4)また上記の実施の形態では、バイザ本体が発泡材料を素材として形成された発泡体を主体に構成されていた。しかしバイザ本体がブロー成形によって中空板状に形成された形態であってもよいし、あるいは射出成形によって殻状に形成された殻体を当接させることでバイザ本体が中空板状に形成される形態であってもよい。
(5)また上記の実施の形態では、ミラーユニットがミラー、ケースおよびカバーによって形成されていたが、ミラーのみによって形成される形態、あるいはミラーとケースのみによって形成される形態であってもよい。そしてミラーブラケットへの取付構造は、爪構造による取付構造に限らず、接着剤による取付構造、嵌合構造による取付構造など何でもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る車両用サンバイザによれば、バイザ本体が所定値以上の荷重を受けた際においてもミラーユニットがバイザ本体から脱落しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用サンバイザの斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】図1のB−B線断面矢視図である。
【図4】組付前のミラーブラケットとミラーユニットの斜視図である。
【図5】ミラーユニットを組付ける前のバイザ本体の取付凹部近傍の拡大斜視図である。
【図6】図2に相当する図であって、バイザ本体に所定値以上の荷重が加わった際における車両用サンバイザの状態を示す図である。
【図7】実施の形態2の車両用サンバイザの斜視図である。
【符号の説明】
1,7…車両用サンバイザ
2…バイザ本体
3…ミラー
4…ミラーブラケット(取付部)
5…ミラーユニット
20…発泡体
21…表皮材
24…溝部
26…取付凹部
27,70…脆弱部
42…支持部
【発明の属する技術分野】
この発明は、車室内への光の侵入を防止する車両用サンバイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用サンバイザは、板状のバイザ本体を有し、そのバイザ本体にミラーユニットが取付けられたものも知られている。そしてミラーユニットは、バイザ本体が所定値以上の荷重(衝撃など)を受けた場合においてもバイザ本体から脱落しないことが望まれている。
例えば、車両には、近年エアバックを備えるものが多いが、そのエアバックが膨らむことで車両用サンバイザが所定値以上の荷重を受け、この場合にミラーユニットが脱落しないことが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、バイザ本体が所定値以上の荷重を受けた際においてもミラーユニットがバイザ本体から脱落することを防止するための構造を備えた車両用サンバイザを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載の通りの構成を備える車両用サンバイザであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車両用サンバイザは、バイザ本体と、そのバイザ本体に取付けられるミラーユニットとを備える。
そしてバイザ本体は、ミラーユニットが取付けられる取付部を有し、その取付部の外側には、バイザ本体に所定値以上の荷重が加わった際にその荷重によって破断する脆弱部が形成されている。
【0005】
したがってバイザ本体に所定値以上の荷重が加わった場合は、バイザ本体に形成された脆弱部が破断する。そのためバイザ本体が受けた荷重に対するエネルギーは、脆弱部の破断エネルギーに変えられる。そして脆弱部は、取付部の外側に形成されている。したがって取付部には、荷重に対するエネルギーが伝わりにくい。
かくして取付部は、荷重によって変形したり、破断したりすることが防止される。そして取付部に取付けられたミラーユニットは、取付部から脱落することが防止され、これによってミラーユニットは、バイザ本体から脱落することが防止される。
なお脆弱部は、所定値以上の荷重によって破断する形態であれば何でもよく、例えば、脆弱部がバイザ本体の肉厚が薄くなった部分によって形成される形態、あるいは脆性材料によって形成される形態などである。
またミラーユニットは、例えば次の構成のものをいう。すなわちミラーのみによって構成されるもの、ミラーとそのミラーが取付けられるケースを備えるもの、あるいはミラーとケースとミラーの鏡面を覆うカバーとを備えるものなどである。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、脆弱部は、取付部の一辺側を残した外周に沿って形成されており、脆弱部が破断することで取付部を備えるバイザ本体の一部分がバイザ本体の残り部分に対して一辺側を支点とした片持ち張り梁状に分離され、残り部分がバイザ本体に加わった荷重によって変形する構成になっている。
すなわち取付部とバイザ本体の一部分は、脆弱部が破断することで片持ち張り状になる。したがって取付部とバイザ本体の一部分は、一端側が自由端となる。そのため取付部とバイザ本体の一部分は、バイザ本体に加わった荷重によってほとんど変形せず、バイザ本体の残り部分が荷重によって変形する。
かくして取付部が変形することが防止され、取付部に取付けられたミラーユニットがバイザ本体から脱落することが防止される。
【0007】
請求項3に記載の発明によれば、取付部は、バイザ本体に設けられたミラーブラケットによって構成される。そしてそのミラーブラケットは、脆弱部が形成されていない一辺側においてバイザ本体に埋め込まれた支持部を有する。
すなわちミラーブラケットは、脆弱部が破断して片持ち梁状になった際の固定端側に支持部を有する。そしてその支持部は、バイザ本体に埋め込まれている。したがってミラーブラケットは、支持部によってバイザ本体の残り部分に対して強く取付いている。
かくしてミラーブラケットは、脆弱部が破断した際においてもバイザ本体の残り部分から脱落することが防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる車両用サンバイザ1を図1〜6にしたがって説明する。
車両用サンバイザ1は、図1に示すように板状のバイザ本体2と、そのバイザ本体2が回動可能に取付けられる支軸10を有する。またバイザ本体2には、ミラーユニット5が取付けられている。
支軸10は、図1に示すように縦軸と横軸とを備えた略L字状に形成されており、横軸にバイザ本体2が回動可能に取付けられている。また縦軸は、取付ブラケット11を介して車両天井に回動可能に取付けられる。
したがってバイザ本体2は、横軸周りに回動されることで、車室天井面に沿う格納位置と、フロントガラスに沿うフロント位置とに回動する。またバイザ本体2は、縦軸周りに回動されることでフロント位置とサイドガラスに沿ったサイド位置とに回動する。
【0009】
バイザ本体2は、図2に示すように発泡材料から成形された中実板状の発泡体20と、発泡体20の表面に装着された表皮材21とを有する。
またバイザ本体2は、図1に示すように針金を素材として形成された芯材23と、支軸10が回動可能に取付けられる軸受部22とを有する。
この芯材23は、図1に示すようにバイザ本体2の外周に沿って設けられるとともに、発泡体20の内部に配設されている。
また軸受部22は、図1に示すように発泡体20の内部に設けられており、バイザ本体2の内部において支軸10を回動可能に支持する。
【0010】
またバイザ本体2は、図1に示すようにサポート軸12を有する。このサポート軸12は、車両天井に取付けられたフックに対して脱着可能に取付く部材である。そしてサポート軸12は、フックに取付けられることでそのフックに対して軸周り方向に摺動する。したがってバイザ本体2は、サポート軸12をフックに取付けることで、支軸10の横軸とサポート軸12とを軸として収納位置とフロント位置とに回動する。また、サポート軸12のない場合もある。
【0011】
またバイザ本体2は、図2に示すようにミラーユニット5を取付けるための取付凹部26を有する。そして取付凹部26の底面には、ミラーブラケット4が設けられている。
なおミラーブラケット4は、次のように発泡体20に取付けられる。すなわちミラーブラケット4は、芯材23と軸受部22とともに発泡体20を形成するための型にセットされ、その状態において発泡材料を発泡させて発泡体20を形成する。したがってこれらは、発泡体20に内設される。
また取付凹部26は、図2に示すように二段状に窪んで形成されている。すなわち取付凹部26は、バイザ本体2の表面側から一段落ち込んだ第一凹部26aと、その第一凹部26aからさらに一段落ち込んだ第二凹部26bとを備える。
そしてミラーブラケット4は、図2,5に示すようにその一部が第二凹部26bの底面に沿って表面側が露出されている。
【0012】
ミラーブラケット4は、図4に示すように金属板などの板材から形成されており、ミラーユニット5を取付けるために複数の取付部41を有する。
取付部41は、図4に示すようにミラーブラケット4に貫通孔が設けられ、その貫通孔の孔端縁によって形成されている。
また発泡体20には、図2,5に示すように取付部41の裏側から発泡体20の裏面に貫通する貫通孔25が形成されている。そして貫通孔25によってミラーブラケット4の取付部41の裏面の一部が露出されている。
したがってミラーユニット5の係着部50bを取付部41に対して貫通させ、貫通孔の孔端縁の裏側面に係着部50bの先端を係着(係止)することができる(図2参照)。
なおミラーブラケット4および取付部41は、請求項に記載の取付部に相当する。
【0013】
またバイザ本体2は、図2に示すように第二凹部26bの底面からさらに凹状に窪む方向に形成された溝部24を有する。そしてバイザ本体2には、溝部24によって薄肉状に形成された脆弱部27が形成されている。
したがってバイザ本体2に所定値以上の荷重、例えば衝撃などが加わった場合は、その荷重によって脆弱部27が破断し、荷重に対するエネルギーが脆弱部27の破断エネルギーに変えられる。すなわち脆弱部27によってバイザ本体2は、その一部が分断ないし分離される。
なお所定値以上の荷重は、例えばエアバックが作動した際においてエアバックがバイザ本体2が当たることで生じる。あるいは乗員の頭などがバイザ本体2にぶつかることで不側に生じる衝撃などである。
【0014】
また脆弱部27は、図5に示すようにミラーブラケット4を避けた位置、すなわちミラーブラケット4の外側に設けられている。そして脆弱部27は、図5に示すようにミラーブラケット4の外周に沿って設けられている。
したがって脆弱部27が破断した際にミラーブラケット4側には、荷重によるエネルギーが伝わりにくい。
また脆弱部27は、図5に示すように(バイザ本体2をフロント位置にした状態での)ミラーブラケット4の上辺に沿った上縁部27aと、左右側の側辺の一方(例えば左端)に沿った側縁部27bと、下辺に沿った下縁部27cとを備え、これらが一体状に繋がっている。
【0015】
なおミラーブラケット4の一辺側には、脆弱部27が形成されていない。換言するとミラーブラケット4の一辺側を残した外周に沿って脆弱部27が形成されており、脆弱部27は、ミラーブラケット4の三辺に沿って形成されている。
したがって脆弱部27が破断した場合は、ミラーブラケット4の一辺側を残した他の三辺側のバイザ本体2が破断する。そのためミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分は、図6に示すようにバイザ本体2の残りの部分に対して片持ち梁状になる。
【0016】
また脆弱部27が形成されていない一辺側は、バイザ本体2の長手方向における支軸10側の一辺側である。
したがってミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分は、図6に示すように脆弱部27が破断することでバイザ本体2の長手方向に片持ち梁状となる。かくしてバイザ本体2の一部分は、一端側が自由端となり、その自由端と固定端との間に曲げモーメントが生じた際には、その自由端によってそのモーメントが解放される。とりわけバイザ本体2を長手方向に対して曲げる曲げモーメントが解放されやすい。したがってバイザ本体2の一部分、すなわちミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分は、変形しにくい。
【0017】
そしてバイザ本体2の残り部分が、バイザ本体2が受けた荷重によって変形する。
また脆弱部27は、サポート軸12と支軸10との間に形成されている(図1参考)。したがってサポート軸12と支軸10との間に荷重が加わった状態において脆弱部27が容易に破断され得る。
また脆弱部27は、芯材23に囲まれた位置に設けられている(図1参照)。したがって脆弱部27は、芯材23に影響されることなく、容易に破断され得る。
またバイザ本体2の残り部分は、芯材23を有する(図1参照)。したがってバイザ本体2の残り部分は、荷重によって変形しにくい。かくしてバイザ本体2の残り部分が変形されることで、荷重に対するエネルギーが多く消費される。
【0018】
またミラーブラケット4には、ミラーユニット5が取付けられている。
このミラーユニット5は、図1に示すようにミラー3と、そのミラー3を保持するケース50と、ミラー3の鏡面を開閉するカバー51とを備える。
ケース50は、図4に示すようにミラー3を取付けるためにミラー3よりも一周り大きな形状に形成された開口部50dを有する。またケース50の表面側には、図2に示すようにその開口部50dの端部から開口中央側へ張出してミラー3の表面側の周囲部分を支持する張出枠部50cが形成されている。
またケース50の裏面側には、ミラー3の裏面側を支持するために開口部50dの端部から開口中央側へ張出した裏面支持部50eが複数形成されている。
したがってミラー3は、張出枠部50cと裏面支持部50eとによって支持されることでケース50に取付けられている。
【0019】
またケース50は、図2に示すようにバイザ本体2の第一凹部26aの底面に掛け止まるために外方側へ張出す掛止部50aを有する。したがってケース50は、図2に示すようにバイザ本体2の取付凹部26に収められるとともに、取付凹部26の第一凹部26aに掛止められる。
またケース50は、図4に示すようにミラーブラケット4に係着するための係着部50bを複数備える。したがって係着部50bがミラーブラケット4の取付部41に取付けられることで、ケース50は、ミラーブラケット4を介してバイザ本体2に取付られる。
またケース50には、図3に示すようにカバー51が回動可能に取付けられている。
【0020】
またミラーブラケット4は、図2に示すように一辺側(右端)からバイザ本体2の一辺側へ延出する支持部42を有する。
また支持部42は、図4に示すようにミラーブラケット4の一辺から板状に延出して一体状に形成されている。そして支持部42は、図5に示すように脆弱部27が設けられていない一辺側に設けられており、脆弱部27によって覆われる領域の逆側へ延出する。したがって支持部42は、バイザ本体2の取付凹部26を形成する側壁を貫通し、バイザ本体2の内部に埋め込まれている。
【0021】
したがって支持部42は、バイザ本体2によって強く支持されている。
そして支持部42は、図6に示すように脆弱部27が破断することでミラーブラケット4が片持ち梁状になった際に、片持ち梁の固定端側を形成する。すなわち支持部42は、ミラーブラケット4を備えるバイザ本体2の一部分から残りのバイザ本体2に渡って延出しており、片持ち梁の固定端の軸を形成している。
【0022】
したがって車両用サンバイザ1は、以下のような作用・効果を有する。
すなわちバイザ本体2が所定値以上の荷重を受けると脆弱部27がその荷重によって破断する。したがって荷重エネルギーが破断エネルギーに変えられ、荷重エネルギーがミラーブラケット4に伝わることが防止される。かくしてミラーブラケット4は、荷重によって変形することが防止される。
【0023】
またミラーブラケット4とバイザ本体2の一部分は、脆弱部27が破断することで片持ち張り状になる。したがってミラーブラケット4とバイザ本体2の一部分は、一端側が自由端となる。そのためミラーブラケット4とバイザ本体2の一部分は、バイザ本体に加わった荷重によってほとんど変形せず、バイザ本体2の残り部分が荷重によって変形する。
かくしてミラーブラケット4が変形することが防止され、ミラーブラケット4に取付けられたミラーユニット5がミラーブラケット4から脱落することが防止される。すなわちミラーユニット5の係着部50bが取付部41から外れることが防止される。その結果ミラーユニット5がミラーブラケット4およびバイザ本体2から脱落することが防止される。
【0024】
またミラーブラケット4は、脆弱部27が破断することでバイザ本体2の一部分とともにバイザ本体2の残りの部分に対して片持ち梁状になる。したがってミラーブラケット4およびミラーユニット5は、バイザ本体2の残り部分と連結した状態となって、バイザ本体2の残り部分から脱落することが防止されている。
またミラーブラケット4に形成された支持部42が片持ち梁の固定端を形成している。したがってミラーブラケット4およびミラーユニット5は、片持ち梁状になった際においてもバイザ本体2の残りの部分から脱落しにくい。
【0025】
ところでバイザ本体2は、支軸10とサポート軸12の二点によって車両天井に支持されて利用される場合が多い。そしてこの状態においてバイザ本体2に荷重が加わった場合は、バイザ本体2を長手方向に曲げようとする曲げモーメントがバイザ本体2に加わりやすい。
これに対してバイザ本体2の一部分は、長手方向に対して片持ち梁状になる形態である。そのためミラーブラケット4は、長手方向に曲げようとする曲げモーメントによって変形しにくく、残りの部分が変形しやすい。
なおバイザ本体2を短手方向に曲げようとする曲げモーメントがバイザ本体2に加わった場合は、脆弱部27が設けられていない一辺側によってその曲げモーメントが支持される。したがって脆弱部27は、破断されにくくなっている。
【0026】
(実施の形態2)
次に実施の形態2を図7にしたがって説明する。
実施の形態2にかかる車両用サンバイザ7は、実施の形態1に設けられた脆弱部27(図5参照)の代わりに図7に示す脆弱部70を有する形態である。しかし他の部分は、実施の形態1の車両用サンバイザ1と同様に形成されている。そのため同一部分についての説明を割愛する。そして同一部分に実施の形態1と同一の番号を利用しつつ、以下に実施の形態2について説明する。
【0027】
脆弱部70は、バイザ本体2の一端辺から他端辺に向かってその短手方向に渡って形成されている。また脆弱部70は、ミラーブラケット(4)を避けた位置に設けられている。また脆弱部70は、サポート軸12と支軸10との間に設けられ、これらを分断する方向に延出している。
また脆弱部70は、発泡体(20)に溝部を形成することで発泡体(20)の肉厚を薄くすることで形成されている(図2参照)。
【0028】
したがってバイザ本体2が所定値以上の荷重(例えば衝撃)を受けることで脆弱部70が破断する。そのため荷重エネルギーは、破断エネルギーに変えられる。かくしてミラーブラケット(4)には、荷重によるエネルギーが伝わりにくく、ミラーブラケット(4)が荷重によって変形することが防止される。
かくしてミラーブラケット(4)に取付けられたミラーユニット5は、ミラーブラケット(4)から外れにくく、ミラー3がバイザ本体2から脱落することが防止される。
【0029】
また脆弱部70は、バイザ本体2の短手方向に渡って形成されている。したがってバイザ本体2に長手方向に曲げる曲げモーメントが加わった場合は、その曲げモーメントによって脆弱部70は、容易に破断され得る構成になっている。
一方、バイザ本体2に短手方向に曲げる曲げモーメントが加わった場合は、脆弱部70が破断しにくい構成になっている。
かくして脆弱部70は、長手方向に曲げる曲げモーメントに対して効率よく破断しやすい。そして短手方向に曲げる曲げモーメントに対しては、破断しにくい構成なっている。
【0030】
(他の実施の形態)
また本発明は、実施の形態1,2に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)すなわち実施の形態1,2の脆弱部は、バイザ本体に溝部を形成することでバイザ本体に肉厚の薄い部分を形成することで形成されていた。しかしバイザ本体に複数の貫通孔を所定間隔で設け、これによって脆弱部を形成する形態であってもよい。
あるいはバイザ本体の一部を脆性材料によって形成し、この部分を脆弱部とする形態であってもよい。
あるいはバイザ本体が発泡材料で形成される形態であって、その発泡材料の発泡倍率を一部分だけ高くすることで密度を粗とし、この部分を脆弱部とする形態であってもよい。
(2)また上記の実施の形態では、ミラーユニットがミラーブラケットを介してバイザ本体に取付けられていた。しかしバイザ本体にミラーブラケットが設けられておらず、ミラーユニットがバイザ本体に直接取付けられる形態であってもよい。例えば、バイザ本体が中空板状に形成されており、そのバイザ本体にミラーユニットを収納するための凹部が形成される。そして該凹部の底面に貫通孔状に形成された取付部が形成され、その取付部にミラーユニットの係着部が取付けられる形態であってもよい。
(3)また上記の実施の形態では、ミラーブラケットの三辺に沿って脆弱部が形成されていたが、例えば、「請求項1に記載の車両用サンバイザであって、脆弱部は、取付部の一辺側を残した外周の少なくとも二辺に沿って形成されており、前記脆弱部が破断することで前記取付部を備えるバイザ本体の一部分が前記バイザ本体の残り部分に対して前記一辺側を支点とした片持ち張り梁状に分離され、前記残り部分が前記バイザ本体に加わった荷重によって変形する構成になっていることを特徴とする車両用サンバイザ」であってもよい。例えば脆弱部が上縁部(図5の27a)と側縁部(図5の27bによって形成される脆弱部)とを有し、側縁部がバイザ本体の下端縁まで延出している形態である。あるいは脆弱部が下縁部(図5の27c)と側縁部(図5の27b)とを有し、側縁部がバイザ本体の上端縁まで延出している形態である。
(4)また上記の実施の形態では、バイザ本体が発泡材料を素材として形成された発泡体を主体に構成されていた。しかしバイザ本体がブロー成形によって中空板状に形成された形態であってもよいし、あるいは射出成形によって殻状に形成された殻体を当接させることでバイザ本体が中空板状に形成される形態であってもよい。
(5)また上記の実施の形態では、ミラーユニットがミラー、ケースおよびカバーによって形成されていたが、ミラーのみによって形成される形態、あるいはミラーとケースのみによって形成される形態であってもよい。そしてミラーブラケットへの取付構造は、爪構造による取付構造に限らず、接着剤による取付構造、嵌合構造による取付構造など何でもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る車両用サンバイザによれば、バイザ本体が所定値以上の荷重を受けた際においてもミラーユニットがバイザ本体から脱落しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用サンバイザの斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】図1のB−B線断面矢視図である。
【図4】組付前のミラーブラケットとミラーユニットの斜視図である。
【図5】ミラーユニットを組付ける前のバイザ本体の取付凹部近傍の拡大斜視図である。
【図6】図2に相当する図であって、バイザ本体に所定値以上の荷重が加わった際における車両用サンバイザの状態を示す図である。
【図7】実施の形態2の車両用サンバイザの斜視図である。
【符号の説明】
1,7…車両用サンバイザ
2…バイザ本体
3…ミラー
4…ミラーブラケット(取付部)
5…ミラーユニット
20…発泡体
21…表皮材
24…溝部
26…取付凹部
27,70…脆弱部
42…支持部
Claims (3)
- バイザ本体と、そのバイザ本体に取付けられるミラーユニットとを備える車両用サンバイザであって、
前記バイザ本体は、前記ミラーユニットが取付けられる取付部を有し、その取付部の外側には、前記バイザ本体に所定値以上の荷重が加わった際にその荷重によって破断する脆弱部が形成されていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1に記載の車両用サンバイザであって、
脆弱部は、取付部の一辺側を残した外周に沿って形成されており、前記脆弱部が破断することで前記取付部を備えるバイザ本体の一部分が前記バイザ本体の残り部分に対して前記一辺側を支点とした片持ち張り梁状に分離され、前記残り部分が前記バイザ本体に加わった荷重によって変形する構成になっていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項2に記載の車両用サンバイザであって、
取付部は、バイザ本体に設けられたミラーブラケットによって構成され、
前記ミラーブラケットは、脆弱部が形成されていない一辺側においてバイザ本体に埋め込まれた支持部を有することを特徴とする車両用サンバイザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002176133A JP2004017825A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 車両用サンバイザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002176133A JP2004017825A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 車両用サンバイザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004017825A true JP2004017825A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31174580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002176133A Pending JP2004017825A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 車両用サンバイザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004017825A (ja) |
-
2002
- 2002-06-17 JP JP2002176133A patent/JP2004017825A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2001233121A (ja) | 車両用灯具の支持構造 | |
JP3722406B2 (ja) | 車両用アームレスト | |
JP2012232635A (ja) | 車両用ドアトリム | |
JPH05185896A (ja) | インストルメントパネル | |
JP5359104B2 (ja) | 自動車のドアトリム構造 | |
JP2004017825A (ja) | 車両用サンバイザ | |
CN210101526U (zh) | 一种内饰件装配体以及安装有该内饰件装配体的车辆 | |
JP2006062503A (ja) | 自動車用トリム構造 | |
JP2011111001A (ja) | 車両用ピラーガーニッシュ部材 | |
JP3720126B2 (ja) | 車両用インストルメントパネルの取付構造 | |
JP4362843B2 (ja) | スイッチベース取付構造 | |
JP4262850B2 (ja) | 合成樹脂製ドアミラーカバー | |
JP2004331013A (ja) | 車両の内装部品構造 | |
JP2004082821A (ja) | 車室内備品取付構造 | |
JP4586694B2 (ja) | 車両用コンソールの構造 | |
KR100522511B1 (ko) | 자동차의 루프 콘솔 | |
JP4140680B2 (ja) | 自動車用内装部品 | |
JP2001180377A (ja) | ランプ付きドアミラーカバー | |
JP3082511U (ja) | 車両用サンバイザ | |
KR200229252Y1 (ko) | 자동차의 리어 시트 거취 구조 | |
JP2000103230A (ja) | 自動車用衝撃吸収ドアトリム | |
JPH0986310A (ja) | ランプの取付構造 | |
JP2001199278A (ja) | ライセンスプレートランプの取付構造 | |
JP2005145209A (ja) | エアバッグリッド構造 | |
JP2002319460A (ja) | コネクタ固定構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050524 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080314 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080325 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080805 |