JP2004017645A - プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置、プレキャストコンクリート基礎ブロック及びプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法 - Google Patents
プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置、プレキャストコンクリート基礎ブロック及びプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】建築物の間取りに合わせ、プレキャストコンクリート基礎ブロックの形状を簡単に変更して製造できる型枠装置を提供する。
【解決手段】プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置1を、仕切り板3を有し、この仕切り板3の一方面側及び他方面側に型枠体5、5を備えるように構成する。それぞれの型枠体5を、仕切り板3に固定した固定底面部材7と、固定底面部材7と直交する方向に延び、固定底面部材7に沿って移動できるような移動底面部材11と、固定底面部材7及び移動底面部材11に、取外し可能に取り付けた側壁体13と、から構成する。側壁体13を取り外し、移動底面部材11を動かし、再び側壁体13を取り付けて、型枠体5の形状を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置1を、仕切り板3を有し、この仕切り板3の一方面側及び他方面側に型枠体5、5を備えるように構成する。それぞれの型枠体5を、仕切り板3に固定した固定底面部材7と、固定底面部材7と直交する方向に延び、固定底面部材7に沿って移動できるような移動底面部材11と、固定底面部材7及び移動底面部材11に、取外し可能に取り付けた側壁体13と、から構成する。側壁体13を取り外し、移動底面部材11を動かし、再び側壁体13を取り付けて、型枠体5の形状を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物基礎に用いられるプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造するための型枠装置、この型枠装置を用いて製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロック及びこのプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
強度の高い建築物を建てるために極めて重要な基礎構造は、従来、多くの工程を経て造り上げられている。まず、地盤を掘削して石や砂利を入れて付き固め、その上に捨コンクリートと呼ばれるコンクリートを打設し、養生して硬化させる。その後、捨コンクリート上に型枠を組み、この型枠内に鉄筋を配筋して、ベースコンクリートと呼ばれるコンクリートを打設する。それを養生して硬化させた後、型枠を取り外し、今度はベースコンクリート上に型枠を組み、立ち上がりコンクリートと呼ばれるコンクリートを打設して、上面から突出するようにアンカーボルトを埋設固定する。
【0003】
基礎構造は、このように複数回に分けてコンクリートを打設する施工方法によって高い強度を有するようになるが、この施工方法は、下地となるコンクリートが固まらないと次のコンクリートを打設できないことから、施工期間が長期にわたるといった問題点を有している。そこで、ベースコンクリート部分あるいは立ち上がりコンクリート部分を、所定の型枠を用いて予め工場等でプレキャストコンクリート基礎ブロックとして製造しておき、これを運搬して現場で据え付ける方法が多く用いられるようになっている。プレキャストコンクリート基礎ブロックとしては、例えば、I字型、L字型、T字型又は十字型等、数種類のものを製造しておけば、これらを組み合わせることで、様々な間取りに対応できる。このような方法によって、現場での型枠の組付け、解体作業の手間を省くことができ、しかも、ベースコンクリート及び立ち上がりコンクリートを養生して硬化させる必要もなくなることから、施工期間を大幅に短縮させることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、土地の形状等の関係から、建築物の間取りが複雑な構成になると、I字型、L字型、T字型又は十字型等、所定の形状に製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロックの組合せでは対応できないおそれがあり、また、対応できたとしても、プレキャストコンクリート基礎ブロックの使用個数が多くなってしまい、すなわち、プレキャストコンクリート基礎ブロック同士の接続箇所数が多くなってしまい、強度に問題が残る可能性がある。さらに、プレキャストコンクリート基礎ブロックの使用個数が多くなれば、プレキャストコンクリート基礎ブロックそれぞれの上面の高さ位置を合わせるのも困難になるため、施工時間の短縮という効果を期待できなくなってしまう。
【0005】
そこで本発明は、建築物の間取りに合わせ、プレキャストコンクリート基礎ブロックの形状を簡単に変更して製造できる型枠装置の提供を目的とする。また、本発明は、このような型枠装置を用いて製造されるプレキャストコンクリート基礎ブロック及びこのプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置は、コンクリートを流し込んで硬化させることにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置であって、底面部と、この底面部とで型枠を構成するように配置された側壁部と、を備え、前記底面部は、所定の形状に形成された固定底面部と、基端部が前記固定底面部に接触し、かつ、前記固定底面部と交わる方向に延びている移動底面部と、を有し、前記移動底面部は、前記固定底面部に沿って移動でき、かつ、少なくとも所定の位置で固定可能に構成されていて、前記側壁部は、前記固定底面部に沿って移動して固定された前記移動底面部及び前記固定底面部により形成される型枠底面の外縁に沿って又はほぼ沿って変更配置可能に構成されているものである。このような構成により、移動底面部を移動させて型枠の形状を変更できるので、1つの型枠装置で様々な形状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造することが可能となる。したがって、本発明の型枠装置を用いることにより、複雑な間取りにも対応でき、かつ、一戸当りのプレキャストコンクリート基礎ブロックの使用個数も少なく抑えられるので、間取りが複雑な場合に基礎構造の強度が落ちてしまうといったことがない。固定底面部は、例えば、I字型、L字型、T字型又は十字型等の形状とすることができ、移動底面部は、固定底面部と例えば直交した状態で接触移動するものである。移動底面部を適当な位置に位置決め固定するための固定手段は、移動底面部を任意の位置で固定できるように構成されていることが望ましいが、例えば、固定底面部の、移動底面部が設けられている移動底面側の一辺に対応する側壁部を、複数枚の壁体で構成し、壁体一枚当たりの長さとほぼ等しいピッチで移動底面部を固定できるように構成したものでもよい。側壁部を変更又は変形配置する場合には、配置されている又は配置されていた側壁部と別の側壁部を用いる場合もある。
【0007】
また、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置は、コンクリートを流し込んで硬化させることにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置であって、仕切り板と、この仕切り板の一方側及び他方側にそれぞれ設けられた底面部と、それぞれの前記底面部及び前記仕切り板とで型枠を構成するように配置された側壁部と、を備え、それぞれの前記底面部は、所定の形状に形成され、前記仕切り板に取り付けられた固定底面部と、基端部が前記固定底面部の、前記仕切り板と反対側に接触し、かつ、前記固定底面部と交わる方向に延びている移動底面部と、を有し、前記側壁部は、前記固定底面部に沿って移動して固定された前記移動底面部及び前記固定底面部により形成される型枠底面の外縁に沿って又はほぼ沿って変更配置可能に構成されているものとすることもできる。このような構成により、2つ又は複数の型枠が連結されている構造になるため、2つ又は複数のプレキャストコンクリート基礎ブロックを同時に製造することができる。また通常、L字コーナーやT字コーナーを有して屈曲部が設けられたプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する場合、コンクリート充填時に型枠に作用するコンクリートの側圧は、コーナーの外側が大きいため、型枠もコーナーの外側に向かって変形しやすい状態になる。したがって、共通の仕切り板の両側に直接型枠を構成すれば、型枠が変形し、プレキャストコンクリート基礎ブロックの不良品が製造されしまうことを防止できるといった効果も得られる。
【0008】
移動底面部を移動させる手段として、移動底面部の下側にガイド部材を設けて移動底面部を支持するといったものを用いれば、移動底面部がこのガイド部材上を、基端部が固定底面部に接触した状態で、かつ、固定底面部に沿ってスムーズにスライドでき、しかも、移動底面部をガイド部材上に複数設置するといった構成を用いることもできるので、1つの型枠で製造可能なプレキャストコンクリート基礎ブロックの形状が、より多種類になる。
【0009】
ところで、基礎構造の上面には支持台又は支持柱を固定するためのアンカーボルトが立設されるが、通常、アンカーボルトは、支持台又は支持柱の幅方向中央又はほぼ中央に位置するように立設される。しかしながら、支持台又は支持柱の太さは、建物の間取りや階数等によって異なり、支持台又は支持柱の太さが変わればアンカーボルトの立設位置も変化させる必要がある。そこで、底面部に固定用貫通孔を形成し、この固定用貫通孔に、プレキャストコンクリート基礎ブロックに埋め込まれるアンカーボルトを通過させて位置決めするアンカーボルト孔が形成された位置決め部材を嵌め付け、この位置決め部材を、底面部に沿って回転させてアンカーボルト孔の位置が変化した状態でも、固定用貫通孔に嵌め付けることができるように構成することが好ましい。このような構成によって、アンカーボルト孔の位置を底面部に対して相対的に変位させることができるので、アンカーボルトを埋め込む位置すなわちアンカーボルトの立設位置を簡単に変更することができる。アンカーボルト孔は、例えば位置決め部材を180度回転させたときに、底面部の幅方向に変位することとなるように、位置決め部材に形成しておけば、アンカーボルトの立設位置を底面部の幅方向すなわちプレキャストコンクリート基礎ブロックの幅方向に変更できるので、支持台又は支持柱の太さの変更にも対応できる。また、アンカーボルト孔が形成された位置決め部材を底面部に嵌め付けるように構成することにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックが上下反対に製造されることとなるが、プレキャストコンクリート基礎ブロックの上面は、底面部によって、確実に平滑な仕上がりとなる。
【0010】
位置決め部材を、角形状プレート片として形成し、固定用貫通孔を、角形状プレート片が嵌まり込む角形状貫通孔として底面部に形成すれば、アンカーボルト孔の位置を容易に変更することができる。角形状プレート片は、例えば正多角形状に形成することができ、アンカーボルト孔を角形状プレート片の中心又は重心から偏心した位置に形成すればよい。正多角形の角部が多いほど、アンカーボルト立設位置変更の自由度が高くなる。また、位置決め部材は、完全な円形でなければ、例えば楕円などの曲線を有する形状に形成してもよい。
【0011】
また、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックは、建築物基礎構造に用いられるプレキャストコンクリート基礎ブロックであって、所定の形状に成形されたプレキャストコンクリート体と、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の上面から突出したアンカーボルトと、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の下面から露出又は突出している複数のナット部材と、頭部にジョイント部を有し、前記ナット部材にねじ込まれて取り付けられている高さ調整用のアジャストボルトと、を有し、前記アジャストボルトの前記ジョイント部を、捨コンクリート上に固定された土台板の嵌付け孔又は嵌付け溝に嵌め付けることにより、建築物基礎構造として配置されるものである。アジャストボルトのジョイント部を土台板の嵌付け孔又は嵌付け溝に嵌め付けても、アジャストボルトは回転可能なように構成されている。また、ナット部材は、プレキャストコンクリート体の重量による変形や破損がないように十分な強度及び剛性を有するものであり、少なくとも、プレキャストコンクリート体の長さ方向端部に埋設固定されていればよい。このような構成により、ナット部材にねじ込まれて取り付けられているアジャストボルトを回すだけで、プレキャストコンクリート基礎ブロックの高さ及び水平を容易に調整できる。
【0012】
さらに、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法は、地盤を掘削する根切り工程と、掘削した部分に石や砂利を入れて付き固める地業工程と、付固め部分に捨コンクリートを打設する打設工程と、前記打設工程の後に、プレキャストコンクリート基礎ブロックを配置する配置工程と、前記プレキャストコンクリート基礎ブロックの下部が埋め込まれるように再びコンクリートを打設する逆打ち工程と、を有するプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法であって、前記プレキャストコンクリート基礎ブロックは、所定の形状に成形されたプレキャストコンクリート体と、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の上面から突出したアンカーボルトと、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の下面から露出又は突出している複数のナット部材と、頭部にジョイント部を有し、前記ナット部材にねじ込まれて取り付けられている高さ調整用のアジャストボルトと、を有していて、嵌付け孔又は嵌付け溝が形成された土台板を、打設された前記捨コンクリート上に固定し、前記アジャストボルトの前記ジョイント部が、前記土台板の前記嵌付け孔又は前記嵌付け溝に嵌まり込むように前記プレキャストコンクリート基礎ブロックを配置してから、前記アジャストボルトの前記ナット部材へのねじ込み量を調整し、例えば前記プレキャストコンクリート基礎ブロックを水平状態とした後に、前記逆打ち工程を行うものである。このような構成により、捨コンクリートを打設後に、プレキャストコンクリート基礎ブロックの脚部の役割を果たすコンクリート(ベースコンクリート)の打設を行うことなくプレキャストコンクリート基礎ブロックを配置できる。また、プレキャストコンクリート基礎ブロックの高さ及び水平位置の調整が容易になるため、それぞれのプレキャストコンクリート基礎ブロックの上面の高さを合わせるのに手間取ってしまうといったおそれがない。したがって、工期の短縮化につながる。また、逆打ち工程を行う前には、基礎構造の強度を高めるため、通常はプレキャストコンクリート基礎ブロックの下部に、鉄筋の組み付けが行われるが、例えば、鉄筋をプレキャストコンクリート基礎ブロックから突出するように埋設固定しておき、この鉄筋を、逆打ち工程前に配置する鉄筋に組み付けるといった構成にしてもよい。組み付けられた鉄筋は逆打ちされたコンクリートによって一体化される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図、図2は本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す正面図である。
【0015】
プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置1は、仕切り板3を有し、この仕切り板3の一方面側及び他方面側に構成された型枠体(型枠装置)5、5を備えていて、それぞれの型枠体5は、仕切り板3の下端部に固定された固定底面部材7と、この固定底面部材7の長さ方向一端部付近から他端部付近まで延びるように、固定底面部材7と幅方向に間隔を設けて平行に配置された、固定底面部材7とほぼ等しい長さを有するガイド部材9と、固定底面部材7と直交する方向に延び、ガイド部材9上をスライドして固定底面部材7に沿って移動できるように取り付けられた移動底面部材11と、固定底面部材7及び移動底面部材11に、取外し可能に取り付けられた側壁体13(側壁部:図1では手前側の型枠体5には側壁体13は取り付けられていないが図2では取り付けられている)と、一方のガイド部材9から他方のガイド部材9まで延び、ガイド部材9、9及び固定底面部材7、7を支える複数の支持部材14と、から構成されていて、固定底面部材7、移動底面部材11及び側壁体13・仕切り板3(側壁部)とで、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠を形成している。
【0016】
それぞれの固定底面部材7は、ほぼ5960mmの長さ及びほぼ150mmの幅を有していて、開口側が仕切り板3と反対側を向くように、ボルト及びナットを用いて仕切り板3に固定された断面コ字状の固定本体15と、この固定本体15の上側プレート部17上面に溶接して固定された固定底面プレート19と、から構成され、固定本体15の上側プレート部17及び固定底面プレート19は固定底面部を形成している。
【0017】
それぞれの移動底面部材11は、ほぼ1365mmの長さ及びほぼ150mmの幅を有していて、開口側が固定本体15の延びる方向に向くように、かつ、固定本体15の延びる方向と直交する方向に延びるように、ガイド部材9上に載せられた断面コ字状の移動本体21と、この移動本体21の上側プレート部23に溶接して固定された移動底面プレート25と、ボルト及びナットを用いて移動本体21の下側プレート部27下面に取り付けられたスライド部材29と、から構成されていて、移動本体21の上側プレート部23及び移動底面プレート25は移動底面部を形成している。移動底面プレート25の基端部31は、移動本体21から突出し、かつ、固定底面プレート19側に向かって漸次幅広となる台形状に形成されている。スライド部材29は、断面長いコ字状に形成され、側部33、33の内側面の間隔がガイド部材9の幅とほぼ等しいように構成されていて、このスライド部材29が、ガイド部材9の両側に形成されているレール35、35を挟み、かつ、このレール35、35上にスライド可能に載るように、移動底面部材11は、ガイド部材9に取り付けられている。移動本体21の高さは、固定本体15の高さのほぼ半分に設定されていて、移動底面部材11をガイド部材9に取り付けたときには、移動底面プレート25は、固定底面プレート19と同一の高さに位置し、かつ、基端部31の、固定底面プレート19側の側端面が固定底面プレート19の側端面と接触した状態(僅かな隙間が生じている場合を含む)となる。移動底面部材11は、それぞれのガイド部材9に複数取り付けることができる。
【0018】
スライド部材29のそれぞれの側部33にはボルト孔37が形成され、ガイド部材9のそれぞれのレール35の側面部39にもボルト用孔41が形成されていて、ボルト孔用41はレール35の側面部39の延びる方向に沿って、約455mmのピッチで複数形成されている。したがって、移動底面部材11をガイド部材9に沿ってスライド移動させ、ボルト孔37とボルト用孔41との位置を一致させてから、ボルト孔37及びボルト用孔41を貫通するように固定ボルト43を差し込むことにより、移動させた移動底面部材11を固定することができる。ボルト孔37、ボルト用孔41及び固定ボルト43は固定手段を構成する。なお、例えばL字コーナーを有するプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する場合には、移動底面部材をガイド部材9の端部付近に取り付けることとなるが、この場合に用いる移動底面部材45は、基端部47の内側の側端のみが固定底面プレート19側に向かって広がるように形成されているものである。
【0019】
側壁体13は、固定底面側の固定用側壁体49と、移動底面側の移動用側壁体51と、から構成され、固定用側壁体49は、固定底面部材7の移動底面側、すなわち移動底面部材11が設けられた側の長さ方向両端部に取り付けられた、ほぼ250mmの長さを有する端部の壁体53、53と、この端部の壁体53、53の間で固定底面部材7の移動底面側に取り付けられた、ほぼ455mmの長さ及び端部の壁体53とほぼ等しい高さを有する複数枚の中間の壁体55と、固定底面プレート19の長さ方向両端部上に設けられ、かつ、固定底面プレート19上を移動可能に構成された固定側端部形成壁部材57、59(固定側端部形成壁部材57と固定側端部形成壁部材59とは左右対称形状)と、を備えていて、移動用側壁体51は、移動底面部材11の幅方向両側に、ほぼ全長にわたって取り付けられた、L字コーナーを有して屈曲部61、63がそれぞれ形成された壁体部材65、67(壁体部材65と壁体部材67は左右対称形状)と、移動底面プレート25の先端部上に設けられ、かつ、移動底面プレート25上を移動可能に構成された移動側端部形成壁部材69と、を備えている(図1では、固定側端部形成壁部材57、59は固定前の状態で示されている)。端部の壁体53と中間の壁体55との間及び中間の壁体55同士の間には隙間が生じないように構成され、また、固定側端部形成壁部材57あるいは固定側端部形成壁部材59と仕切り板3及び中間の壁体55あるいは端部の壁体53との間、及び移動側端部形成壁部材69と壁体部材65、67との間にも隙間が生じないように構成されている。中間の壁体55は、移動底面部材11に設けられた壁体部材65の屈曲部61の側端位置から、壁体部材67の屈曲部63の側端位置までの間には配置されていないが、壁体部材65の屈曲部61の側端と中間の壁体55の側端との間、及び壁体部材67の屈曲部63の側端と中間の壁体55の側端との間には隙間が生じないように構成されている。ただし、壁体部材として、側端に接触傾斜面が形成された、屈曲部を有しない平板状のもの(符号71参照)を用い、この壁体部材71と隙間なく組み合わされる壁体として、側端に、壁体部材71の接触傾斜面と隙間なく接触する接触傾斜面が形成されたもの(符号73参照)を用いることができる。また、移動底面部材(例えば符号45参照)が固定底面プレート19の端部に位置するときは、端部形成壁部材に相当する屈曲部81が一体的に形成された壁体部材83を移動底面部材の外側の側端に取り付けてもよい。さらに、端部の壁体53の上面、中間の壁体55の上面、さらには、壁体部材65の屈曲部61上面から壁体部材67の屈曲部63上面にかけては、断面L字形の幅を狭める幅規制部材75、77、79がそれぞれ取り付けられ、幅規制部材75、77、79は、同一の高さに位置している。なお、符号85は、移動側端部形成壁部材69を固定するための固定用壁部材であり、壁体部材65の上面に取り付けられている。
【0020】
壁体53、55、73及び壁体部材65、67、71、83は、移動底面部材11の固定位置等に応じて適当に組み合わされ、あるいは配列されて側壁体13を構成する。壁体53、55、73及び壁体部材65、67、71、83にはそれぞれ、下側位置に差込み孔87が形成されていて、壁体53、55、73及び壁体部材65、67、71、83は、差込み孔87に接合具89を差し込むことにより、固定底面部材7あるいは移動底面部材11、45に取り付けられる。
【0021】
接合具89は、2枚のプレート部材91、91をスペーサ93を介して連結することにより形成された差込み部材95と、一方側の側端部の高さ方向ほぼ中央にストッパ段部97を有してプレート状に形成された一方の係合片99と、長方形に近い五角形のプレート状に形成されたくさび状の他方の係合片101と、から構成されている(図3参照:図3は接合具89の分解斜視図)。差込み部材95の長さ方向両側には、係合片99、101をそれぞれ差し込むための差込スペース103、105が、スペーサ93間に形成され、差込スペース105を形成しているスペーサ93、93のうちの外端側に位置するスペーサ93の内面は、くさび状の係合片101の先細り傾斜面107に対応して、下方に向かい内側に傾斜している(図示せず)。ここで、例えば壁体55を固定底面部材7に取り付けるには、まず、差込み部材95を、仕切り板3の両側に配置された壁体55の差込み孔87に差し込み(固定底面部材7の固定本体15及び仕切り板3には差込み部材95を通すための貫通孔が形成されている)、差込スペース103、105がそれぞれ、壁体55の外側に位置するように、壁体55の差込み孔87から差込み部材95の端部をそれぞれ突出させる。そして、ストッパ段部97が、外端側のスペーサ93の上面に当接するように、係合片99を上側から差込スペース103に差し込む。その後、係合片101を、上側から差込スペース105にきつく差し込むと、壁体55、55は、固定底面部材7に固定して取り付けられることとなる。壁体53、73及び壁体部材65、67、71、83も同様に取り付けることができるが、移動底面部材11との取付け用に用いられる接合具は、差込み部材が短く形成されている。
【0022】
図4は型枠装置1に設けられた固定側端部形成壁部材57を示す斜視図、図5は型枠装置1に設けられた移動側端部形成壁部材69を示す斜視図である。
【0023】
固定側端部形成壁部材57及び移動側端部形成壁部材69は、型枠装置1により製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロック同士を接続できるように、プレキャストコンクリート基礎ブロックに接続端部を形成するように構成されている。一般的には、建物の外壁部に沿って位置するプレキャストコンクリート基礎ブロックの接続端部は、固定側端部形成壁部材57(あるいは固定側端部形成壁部材57と左右対称の部材:固定側端部形成壁部材59)を用いて形成し、建物の内壁部に沿って位置するプレキャストコンクリート基礎ブロックの接続端部は、移動側端部形成壁部材69を用いて形成する。
【0024】
固定側端部形成壁部材57は、幅が固定底面プレート19の幅とほぼ等しい150mm、長さがほぼ250mm及び高さがほぼ590mmの、裏面開口箱型に形成され、表面(コンクリート接触面)109の幅方向中央から仕切り板3側の側面111の長さ方向中央手前にかけて凹部113を有していて、壁体53、55側の側面115の上側には、幅規制部材75、77を収容する収容凹部117が形成されている。また、側面(側面部)111の上側には、ボルト孔119が上下に並んで2つ形成されていて、455mmピッチで仕切り板3に形成されたボルト用孔(図示せず)と、仕切り板3を挟んで両側に配置された固定側端部形成壁部材57、59のボルト孔119との位置を一致させて、このボルト用孔及びボルト孔119にボルトを通し、このボルトにナットを嵌め付けることによって、固定側端部形成壁部材57、59を仕切り板3に固定できる(図2参照)。さらに、固定側端部形成壁部材57は、固定底面部に固定するためのボルト孔121を底面又は底面部に備えている。そして、表面(表面部)109の下側には、高さ方向に2つ並んで形成された貫通孔123、123を有するボルト保持部125が形成されている。プレキャストコンクリート基礎ブロックの接続端部を形成するときは、固定側端部形成壁部材57の表面109側からボルト保持部125の貫通孔123、123にそれぞれ、接続ボルト127、127を挿入して、裏面からナット129で接続ボルト127をボルト保持部125に固定する。そして、型枠装置1にコンクリートを流し込み、コンクリートを硬化させてからナット129を接続ボルト127から外すことにより、先端部が突出した状態でプレキャストコンクリート基礎ブロックの側端部に埋設固定された接続ボルト127を有する接続端部を形成することができる。
【0025】
移動側端部形成壁部材69は、長さ約250mm、幅約150mm及び高さ約490mmの裏面開口箱型に形成され、固定側端部形成壁部材57のボルト保持部125と同一機能を有する、貫通孔123に挿入されてナット129で固定された接続ボルト127を具備するボルト保持部131を表面又は表面部下側に備えているが、ここでは貫通孔123は幅方向に並んで2つ形成されている。移動側端部形成壁部材69は、固定用壁部材85側の側面(側面部)133に形成された上下2つのボルト孔135、135と、455mmピッチで固定用壁部材85に形成された上下2つのボルト用孔137との位置を一致させて、このボルト孔135及びボルト用孔137にボルトを通し、このボルトにナットを嵌め付けることによって、固定用壁部材85に固定できる(図2も参照)。移動側端部形成壁部材69も、移動底面部に固定するためのボルト孔121を底面又は底面部に備えている。
【0026】
図6は固定底面部材7を示すための部分拡大斜視図、図7は固定底面部材7を示すための断面図である。
【0027】
固定底面部材7の固定底面部には、固定側端部形成壁部材57、59のボルト孔121とほぼ等しい大きさの貫通孔139が、長さ方向に約455mmピッチで形成され、それぞれの貫通孔139には、半球状の頭部を有する密封用ピン141が差し込まれている。そして、固定側端部形成壁部材57、59を、固定底面部に固定するときは、所定の位置の密封用ピン141を貫通孔139から取り外し、ボルト孔121と、密封用ピン141が取り外された貫通孔139との位置が一致するように、固定側端部形成壁部材57、59を固定底面部上に位置させ、ボルト孔121及び貫通孔139にボルトを通し、このボルトにナットを嵌め付ける。
【0028】
また、固定底面部材7の固定底面プレート19には、ほぼ正方形の上側貫通孔143が、長さ方向に約455mmピッチで形成され、固定底面部材7の固定本体15の上側プレート部17には、上側貫通孔143よりも一回り小さい、ほぼ正方形の下側貫通孔145が、上側貫通孔143と同位置に形成されている。すなわち、上側貫通孔143と下側貫通孔145とが固定用貫通孔を構成している。それぞれの上側貫通孔143には、上側貫通孔143とほぼ等しい大きさ・形状を有し、アンカーボルトを通過させて位置決めするためのアンカーボルト孔147が形成された位置決めプレート片149が嵌め込まれている。さらに、それぞれの下側貫通孔145の下側には、アンカーボルトの突出長さを規制するための長さ調整部材151が固定本体15に取り付けられて配置されている。
【0029】
アンカーボルト孔147は、位置決めプレート片149に、中心(重心)から一辺方向にやや偏心して形成されている。このため、位置決めプレート片149を、上側貫通孔143から取り外し、180度回転させた状態で再び上側貫通孔143あるいは固定用貫通孔に嵌め込むことにより、アンカーボルト孔147の位置を、仕切り板3側から移動底面側に、あるいは、移動底面側から仕切り板3側に変更することができる。
【0030】
長さ調整部材151は、断面細長いU字型に形成されていて、ボルト及びナットによって、固定本体15の下側プレート部に固定されている。長さ調整部材151の上端は、固定本体15の上側プレート部17に接近して位置していて、長さ調整部材151の上端部には、柔軟なゴム材153が保持されている。また、長さ調整部材151の両側面部には、ゴム材153を保持する部分の下側に、高さ調整孔155、155が対応して設けられていて、この高さ調整孔155は上下方向に並んで6つ又は6組形成されている。
【0031】
プレキャストコンクリート基礎ブロックにアンカーボルトを立設するときは、まず、決められたアンカーボルトの立設位置に、アンカーボルト孔147が設けられるように、位置決めプレート片149を、上側貫通孔143又は固定用貫通孔に嵌め込む。さらに、決められたアンカーボルトの突出長さに合わせてL字状のストッパ部材157を高さ調整孔155、155に差し込む。その後、上側からアンカーボルト159をアンカーボルト孔147に挿入し、ゴム材153を貫通させて、アンカーボルト159の先端をストッパ部材157に当接させる。これでアンカーボルト159は固定状態に保持されるので、あとはコンクリートを型枠装置1に流し込んで硬化させれば、アンカーボルト159が立設されたプレキャストコンクリート基礎ブロックが製造されることとなる。移動底面部材11の移動底面部の構造も、固定底面部材7の固定底面部の構造とほぼ同一であるが、移動底面部の下側に配置された長さ調整部材は、長さ調整部材151よりも低く構成されている。
【0032】
このような構成の型枠装置1を用いれば、例えばT字型状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを2つ同時に製造することができ、また、それぞれプレキャストコンクリート基礎ブロックの形状、大きさ(長さ)及びアンカーボルトの立設位置も、様々に変更して製造することができる。すなわち、例えば、壁体53や55を取り外し、移動底面部材11をスライド移動させ、再び壁体53や55を取り付けることにより、枠体形状を変更することができる。さらに、コンクリート充填時の型枠の変形を効果的に防止できる。
【0033】
図8は本発明に係る別の構成のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図である。
【0034】
別の構成の型枠装置161は、型枠装置1の構造を変更することにより構成されているものであり、固定底面部材7と、この固定底面部材7の長さ方向一端部付近から他端部付近まで延びるように、固定底面部材7と幅方向に間隔を設けて平行に、かつ、固定底面部材7の幅方向両側に配置された、固定底面部材7とほぼ等しい長さを有するガイド部材9、9と、固定底面部材7と直交する方向に延び、それぞれのガイド部材9上をスライドして固定底面部材7に沿って移動できるように取り付けられた、固定底面部材7の両側に設けられている移動底面部材11、11と、固定底面部材7及び移動底面部材11、11に、取外し可能に取り付けられた側壁体13(側壁部:図8では手前側には側壁体13は取り付けられていない)と、を備えて構成されている。側壁体13の内の接続端部形成壁部材にはすべて、部材69(左右対称形状のものを含む)が用いられている。ここでも、例えば、壁体53や55を取り外し、移動底面部材11をスライド移動させ、再び壁体53や55を取り付けることにより、枠体形状を変更することができる。型枠装置161は、例えば、十字型状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造するときに用いることができる。
【0035】
図9は固定底面部材の変更例を示す斜視図である。
【0036】
固定底面部材163はL字型に形成され、一辺部に対してのみ移動底面部材165が設けられている。固定底面部材163のL字コーナー部には、取付け突出部167が形成されていて、この取付け突出部167には、例えば、固定側端部壁部材57が固定される。このような固定底面部材163を用いることにより、より複雑な形状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造できる。ここでは、位置決めプレート片149に形成されたアンカーボルト孔147は、位置決めプレート片149の角部付近に位置しているので、位置決めプレート片149を180度回転させた状態で上側貫通孔143あるいは固定用貫通孔に嵌め込むと、アンカーボルト孔147は、固定用貫通孔の対向角部に変位する(図10参照:図10は変更例に係る固定底面部材163の部分拡大斜視図)。なお、固定底面部材163及び移動底面部材165の基本的な構造は、固定底面部材7及び移動底面部材11と同一である。
【0037】
図11は型枠装置1を用いて製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロックを示す斜視図である。
【0038】
プレキャストコンクリート基礎ブロック169は、内部に配筋され、かつ、適当な長さだけ突出する鉄筋(図示せず)を有していて、高さ約450mmのT字型のプレキャストコンクリート体171と、このプレキャストコンクリート体171の上面から突出するように、長さ方向に間隔を設けて埋め込まれた複数のアンカーボルト159と、プレキャストコンクリート体171の底面の3つの端部個所からそれぞれ突出するように埋設固定された3つのナット部材173と、それぞれのナット部材173にねじ込まれて取り付けられた高さ調整用のアジャストボルト175と、を備えている。プレキャストコンクリート体171の接続端部179、181には、接続ボルト127が高さ方向に並んで2つ突出するように埋設固定され、接続端部183には、接続ボルト127が幅方向に並んで2つ突出するように埋設固定されている。
【0039】
図12はナット部材173及びアジャストボルト175の構成を示す斜視図である。
【0040】
アジャストボルト175がねじ込まれて取り付けられているナット部材173は、断面六角形状の長尺ナット185と、この長尺ナット185が端部に溶接して固定されているアングル部材187と、から構成され、アングル部材187には、長尺ナット185に隣接するようにボルト孔189が、高さ方向に並んで2つ形成されている。アジャストボルト175は、長尺ナット185にねじ込み量を調整することができるようにねじ込まれている。
【0041】
型枠装置1へのコンクリート充填時には、スペーサ具191を介して、型枠装置1の仕切り板3に、両側から、ナット部材173をボルトとナットで固定しておく(図13参照:図13はナット部材173をプレキャストコンクリート体171に埋設固定する方法を説明する図)。スペーサ具191には、仕切り板3側の側面部193及びナット部材173側の側面部195にそれぞれ、ボルト用孔197が対応して形成され、かつ、このボルト用孔197は高さ方向に複数設けられていて、1本のボルトを、ナット部材173のボルト孔189、側面部195及び側面部193のボルト用孔197、仕切り板3のボルト用孔198に通すことにより、ナット部材173を固定してもよいが、側面部193のボルト用孔197及び仕切り板3のボルト用孔198にボルトを通してスペーサ具191を仕切り板3に固定し、かつ、ナット部材173のボルト孔189及び側面部195のボルト用孔197に別のボルトを通してスペーサ具191にナット部材173を固定してもよい。ナット部材173を固定してから、型枠装置1にコンクリートを高さ約450mmすなわち壁体53、55の上端位置まで流し込んで硬化させることにより、ナット部材173がプレキャストコンクリート体171に埋設固定される。なお、移動底面部材11側へのナット部材173の配置は、スペーサ具191を固定用壁部材85に取り付けることにより行われる。
【0042】
アジャストボルト175は、頭部199が断面六角形状に形成され、頭部199をスパナ等で回すことにより、ナット部材173へのねじ込み量が変化し、上下方向に移動する。頭部199の先端部は、ジョイント部201となっていて、ジョイント部201は、先端に向かって約45度の角度でテーパー状に縮径しているが、先端は丸みを帯びて形成されている。
【0043】
図14はプレキャストコンクリート基礎ブロック169を用いた基礎工法を説明する断面図、図15はプレキャストコンクリート基礎ブロック169の配置方法を説明するための斜視図である。
【0044】
プレキャストコンクリート基礎ブロック169を用いた基礎工法では、まず、地盤Aを所定の深さまで掘削する根切り工程が行われる。次に、掘削した部分に石や砂利Bを入れて付き固める地業工程が行われ、その上に捨コンクリートCを打設する打設工程が行われる。その後、捨コンクリートC上にプレキャストコンクリート基礎ブロック169を配置する配置工程が行われ、プレキャストコンクリート基礎ブロック169の下部が埋設されるようにコンクリートDを打設する逆打ち工程が行われる。
【0045】
捨コンクリートC上にプレキャストコンクリート基礎ブロック169を配置する配置工程は、次のように行われる。捨コンクリートCを打設した後、捨コンクリートCが固まらない間に、下側土台板203を捨コンクリートC上に固定する。下側土台板203は、正方形状の鉄製プレート片であって、それぞれの角部に釘孔205が形成されているので、下側土台板203を捨コンクリートC上に配置し、それぞれの釘孔205にコンクリート用釘207を打ち込むことによって、下側土台板203は捨コンクリートC上に固定される。次に、それぞれの角部にコンクリート用釘207の頭部とほぼ等しい大きさの釘孔208が形成された、下側土台板203とほぼ同形状の上側土台板209を下側土台板203の上に接着剤で接着する。下側土台板203及び上側土台板209の中央には、アジャストボルト175のジョイント部201の根元部よりもやや小径の嵌付孔211、213がそれぞれ形成されているので、捨コンクリートCが固まった後、アジャストボルト175のジョイント部201を、上側土台板209の嵌付け孔213(及び下側土台板203の嵌付け孔211)に嵌め込んで係合させることによって、プレキャストコンクリート基礎ブロック169が捨コンクリートC上に位置決めされて配置されることとなる。プレキャストコンクリート基礎ブロック169の水平及び高さを調整するときは、アジャストボルト175を回転させる。なお、プレキャストコンクリート基礎ブロック169からは鉄筋215が外側に延びていて、コンクリートDを打設する前に、この鉄筋215に組付け鉄筋217を組み付ける。
【0046】
このような構成によって、ここでの基礎工法は、捨コンクリートCの外にはコンクリートDを打設するだけでよいので、工期の短縮を図ることが可能となる。
【0047】
図16はプレキャストコンクリート基礎ブロック169同士の接続方法を示す平面図である。
【0048】
例えば、建物の外壁部に沿って配置されたプレキャストコンクリート基礎ブロック169同士を接続するときは、一方のプレキャストコンクリート基礎ブロック169の接続端部179に埋設固定された接続ボルト127、127と、他方のプレキャストコンクリート基礎ブロック169の接続端部181に埋設固定された接続ボルト127、127とを、継手ボルト218の両端に設けられた六角ナット219、219にそれぞれ相対的にねじ込むことにより連結する。このとき、下側に位置する継手ボルト218を、ボルト穴221を有するプレート部223と、このプレート部223に溶接されて固定されたねじ部225と、から構成される連結部材227のボルト穴221に通しておく。この連結部材227のねじ部225に、プラスチック製のピーコン229をねじ込み、このピーコン229に設けられた接続ボルト部231を、ハの字状の鉄板233のボルト孔235に通し、この鉄板233の両端部がそれぞれ、プレキャストコンクリート基礎ブロック169、169に当接するように、接続ボルト部231にナット237を締め付け、鉄板233を押圧する。また、プレキャストコンクリート基礎ブロック169同士の僅かな隙間開口をプラスチック製の目地棒239によって塞いでおく。その後、鉄板233と目地棒239によって塞がれた空間内にモルタル等のコンクリートを流し込んで硬化させる。このような接続構造によって、せん断力に対する強度が非常に高くなる。また、建物の内壁部に沿ったプレキャストコンクリート基礎ブロック169の、例えば接続端部183同士の接続は、それぞれの接続端部183の接続ボルト127を、継手ボルト218の両端に設けられた六角ナット219、219にそれぞれ相対的にねじ込むことにより連結し、プレキャストコンクリート基礎ブロック169同士の隙間開口を塞いで、その空間内にモルタル等のコンクリートを流し込んで硬化させることにより行われる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を用いれば、様々な形状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを簡単に製造することが可能となる。また、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法では、工期の短縮が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図である。
【図2】
本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す正面図である。
【図3】
接合具の分解斜視図である。
【図4】
型枠装置に設けられた固定側端部形成壁部材を示す斜視図である。
【図5】
型枠装置に設けられた移動側端部形成壁部材を示す斜視図である。
【図6】
固定底面部材を示すための部分拡大斜視図である。
【図7】固定底面部材を示すための断面図である。
【図8】本発明に係る別の構成のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図である。
【図9】固定底面部材の変更例を示す斜視図である。
【図10】変更例に係る固定底面部材の部分拡大斜視図である。
【図11】型枠装置を用いて製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロックを示す斜視図である。
【図12】ナット部材及びアジャストボルトの構成を示す斜視図である。
【図13】ナット部材をプレキャストコンクリート体に埋設固定する方法を説明する図である。
【図14】プレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法を説明する断面図である。
【図15】プレキャストコンクリート基礎ブロックの配置方法を説明するための斜視図である。
【図16】プレキャストコンクリート基礎ブロック同士の接続方法を示す平面図である。
【符号の説明】
1、161 プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置
3 仕切り板
7、163 固定底面部材
11、165 移動底面部材
13 側壁体(側壁部)
169 プレキャストコンクリート基礎ブロック
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物基礎に用いられるプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造するための型枠装置、この型枠装置を用いて製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロック及びこのプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
強度の高い建築物を建てるために極めて重要な基礎構造は、従来、多くの工程を経て造り上げられている。まず、地盤を掘削して石や砂利を入れて付き固め、その上に捨コンクリートと呼ばれるコンクリートを打設し、養生して硬化させる。その後、捨コンクリート上に型枠を組み、この型枠内に鉄筋を配筋して、ベースコンクリートと呼ばれるコンクリートを打設する。それを養生して硬化させた後、型枠を取り外し、今度はベースコンクリート上に型枠を組み、立ち上がりコンクリートと呼ばれるコンクリートを打設して、上面から突出するようにアンカーボルトを埋設固定する。
【0003】
基礎構造は、このように複数回に分けてコンクリートを打設する施工方法によって高い強度を有するようになるが、この施工方法は、下地となるコンクリートが固まらないと次のコンクリートを打設できないことから、施工期間が長期にわたるといった問題点を有している。そこで、ベースコンクリート部分あるいは立ち上がりコンクリート部分を、所定の型枠を用いて予め工場等でプレキャストコンクリート基礎ブロックとして製造しておき、これを運搬して現場で据え付ける方法が多く用いられるようになっている。プレキャストコンクリート基礎ブロックとしては、例えば、I字型、L字型、T字型又は十字型等、数種類のものを製造しておけば、これらを組み合わせることで、様々な間取りに対応できる。このような方法によって、現場での型枠の組付け、解体作業の手間を省くことができ、しかも、ベースコンクリート及び立ち上がりコンクリートを養生して硬化させる必要もなくなることから、施工期間を大幅に短縮させることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、土地の形状等の関係から、建築物の間取りが複雑な構成になると、I字型、L字型、T字型又は十字型等、所定の形状に製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロックの組合せでは対応できないおそれがあり、また、対応できたとしても、プレキャストコンクリート基礎ブロックの使用個数が多くなってしまい、すなわち、プレキャストコンクリート基礎ブロック同士の接続箇所数が多くなってしまい、強度に問題が残る可能性がある。さらに、プレキャストコンクリート基礎ブロックの使用個数が多くなれば、プレキャストコンクリート基礎ブロックそれぞれの上面の高さ位置を合わせるのも困難になるため、施工時間の短縮という効果を期待できなくなってしまう。
【0005】
そこで本発明は、建築物の間取りに合わせ、プレキャストコンクリート基礎ブロックの形状を簡単に変更して製造できる型枠装置の提供を目的とする。また、本発明は、このような型枠装置を用いて製造されるプレキャストコンクリート基礎ブロック及びこのプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置は、コンクリートを流し込んで硬化させることにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置であって、底面部と、この底面部とで型枠を構成するように配置された側壁部と、を備え、前記底面部は、所定の形状に形成された固定底面部と、基端部が前記固定底面部に接触し、かつ、前記固定底面部と交わる方向に延びている移動底面部と、を有し、前記移動底面部は、前記固定底面部に沿って移動でき、かつ、少なくとも所定の位置で固定可能に構成されていて、前記側壁部は、前記固定底面部に沿って移動して固定された前記移動底面部及び前記固定底面部により形成される型枠底面の外縁に沿って又はほぼ沿って変更配置可能に構成されているものである。このような構成により、移動底面部を移動させて型枠の形状を変更できるので、1つの型枠装置で様々な形状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造することが可能となる。したがって、本発明の型枠装置を用いることにより、複雑な間取りにも対応でき、かつ、一戸当りのプレキャストコンクリート基礎ブロックの使用個数も少なく抑えられるので、間取りが複雑な場合に基礎構造の強度が落ちてしまうといったことがない。固定底面部は、例えば、I字型、L字型、T字型又は十字型等の形状とすることができ、移動底面部は、固定底面部と例えば直交した状態で接触移動するものである。移動底面部を適当な位置に位置決め固定するための固定手段は、移動底面部を任意の位置で固定できるように構成されていることが望ましいが、例えば、固定底面部の、移動底面部が設けられている移動底面側の一辺に対応する側壁部を、複数枚の壁体で構成し、壁体一枚当たりの長さとほぼ等しいピッチで移動底面部を固定できるように構成したものでもよい。側壁部を変更又は変形配置する場合には、配置されている又は配置されていた側壁部と別の側壁部を用いる場合もある。
【0007】
また、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置は、コンクリートを流し込んで硬化させることにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置であって、仕切り板と、この仕切り板の一方側及び他方側にそれぞれ設けられた底面部と、それぞれの前記底面部及び前記仕切り板とで型枠を構成するように配置された側壁部と、を備え、それぞれの前記底面部は、所定の形状に形成され、前記仕切り板に取り付けられた固定底面部と、基端部が前記固定底面部の、前記仕切り板と反対側に接触し、かつ、前記固定底面部と交わる方向に延びている移動底面部と、を有し、前記側壁部は、前記固定底面部に沿って移動して固定された前記移動底面部及び前記固定底面部により形成される型枠底面の外縁に沿って又はほぼ沿って変更配置可能に構成されているものとすることもできる。このような構成により、2つ又は複数の型枠が連結されている構造になるため、2つ又は複数のプレキャストコンクリート基礎ブロックを同時に製造することができる。また通常、L字コーナーやT字コーナーを有して屈曲部が設けられたプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する場合、コンクリート充填時に型枠に作用するコンクリートの側圧は、コーナーの外側が大きいため、型枠もコーナーの外側に向かって変形しやすい状態になる。したがって、共通の仕切り板の両側に直接型枠を構成すれば、型枠が変形し、プレキャストコンクリート基礎ブロックの不良品が製造されしまうことを防止できるといった効果も得られる。
【0008】
移動底面部を移動させる手段として、移動底面部の下側にガイド部材を設けて移動底面部を支持するといったものを用いれば、移動底面部がこのガイド部材上を、基端部が固定底面部に接触した状態で、かつ、固定底面部に沿ってスムーズにスライドでき、しかも、移動底面部をガイド部材上に複数設置するといった構成を用いることもできるので、1つの型枠で製造可能なプレキャストコンクリート基礎ブロックの形状が、より多種類になる。
【0009】
ところで、基礎構造の上面には支持台又は支持柱を固定するためのアンカーボルトが立設されるが、通常、アンカーボルトは、支持台又は支持柱の幅方向中央又はほぼ中央に位置するように立設される。しかしながら、支持台又は支持柱の太さは、建物の間取りや階数等によって異なり、支持台又は支持柱の太さが変わればアンカーボルトの立設位置も変化させる必要がある。そこで、底面部に固定用貫通孔を形成し、この固定用貫通孔に、プレキャストコンクリート基礎ブロックに埋め込まれるアンカーボルトを通過させて位置決めするアンカーボルト孔が形成された位置決め部材を嵌め付け、この位置決め部材を、底面部に沿って回転させてアンカーボルト孔の位置が変化した状態でも、固定用貫通孔に嵌め付けることができるように構成することが好ましい。このような構成によって、アンカーボルト孔の位置を底面部に対して相対的に変位させることができるので、アンカーボルトを埋め込む位置すなわちアンカーボルトの立設位置を簡単に変更することができる。アンカーボルト孔は、例えば位置決め部材を180度回転させたときに、底面部の幅方向に変位することとなるように、位置決め部材に形成しておけば、アンカーボルトの立設位置を底面部の幅方向すなわちプレキャストコンクリート基礎ブロックの幅方向に変更できるので、支持台又は支持柱の太さの変更にも対応できる。また、アンカーボルト孔が形成された位置決め部材を底面部に嵌め付けるように構成することにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックが上下反対に製造されることとなるが、プレキャストコンクリート基礎ブロックの上面は、底面部によって、確実に平滑な仕上がりとなる。
【0010】
位置決め部材を、角形状プレート片として形成し、固定用貫通孔を、角形状プレート片が嵌まり込む角形状貫通孔として底面部に形成すれば、アンカーボルト孔の位置を容易に変更することができる。角形状プレート片は、例えば正多角形状に形成することができ、アンカーボルト孔を角形状プレート片の中心又は重心から偏心した位置に形成すればよい。正多角形の角部が多いほど、アンカーボルト立設位置変更の自由度が高くなる。また、位置決め部材は、完全な円形でなければ、例えば楕円などの曲線を有する形状に形成してもよい。
【0011】
また、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックは、建築物基礎構造に用いられるプレキャストコンクリート基礎ブロックであって、所定の形状に成形されたプレキャストコンクリート体と、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の上面から突出したアンカーボルトと、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の下面から露出又は突出している複数のナット部材と、頭部にジョイント部を有し、前記ナット部材にねじ込まれて取り付けられている高さ調整用のアジャストボルトと、を有し、前記アジャストボルトの前記ジョイント部を、捨コンクリート上に固定された土台板の嵌付け孔又は嵌付け溝に嵌め付けることにより、建築物基礎構造として配置されるものである。アジャストボルトのジョイント部を土台板の嵌付け孔又は嵌付け溝に嵌め付けても、アジャストボルトは回転可能なように構成されている。また、ナット部材は、プレキャストコンクリート体の重量による変形や破損がないように十分な強度及び剛性を有するものであり、少なくとも、プレキャストコンクリート体の長さ方向端部に埋設固定されていればよい。このような構成により、ナット部材にねじ込まれて取り付けられているアジャストボルトを回すだけで、プレキャストコンクリート基礎ブロックの高さ及び水平を容易に調整できる。
【0012】
さらに、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法は、地盤を掘削する根切り工程と、掘削した部分に石や砂利を入れて付き固める地業工程と、付固め部分に捨コンクリートを打設する打設工程と、前記打設工程の後に、プレキャストコンクリート基礎ブロックを配置する配置工程と、前記プレキャストコンクリート基礎ブロックの下部が埋め込まれるように再びコンクリートを打設する逆打ち工程と、を有するプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法であって、前記プレキャストコンクリート基礎ブロックは、所定の形状に成形されたプレキャストコンクリート体と、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の上面から突出したアンカーボルトと、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の下面から露出又は突出している複数のナット部材と、頭部にジョイント部を有し、前記ナット部材にねじ込まれて取り付けられている高さ調整用のアジャストボルトと、を有していて、嵌付け孔又は嵌付け溝が形成された土台板を、打設された前記捨コンクリート上に固定し、前記アジャストボルトの前記ジョイント部が、前記土台板の前記嵌付け孔又は前記嵌付け溝に嵌まり込むように前記プレキャストコンクリート基礎ブロックを配置してから、前記アジャストボルトの前記ナット部材へのねじ込み量を調整し、例えば前記プレキャストコンクリート基礎ブロックを水平状態とした後に、前記逆打ち工程を行うものである。このような構成により、捨コンクリートを打設後に、プレキャストコンクリート基礎ブロックの脚部の役割を果たすコンクリート(ベースコンクリート)の打設を行うことなくプレキャストコンクリート基礎ブロックを配置できる。また、プレキャストコンクリート基礎ブロックの高さ及び水平位置の調整が容易になるため、それぞれのプレキャストコンクリート基礎ブロックの上面の高さを合わせるのに手間取ってしまうといったおそれがない。したがって、工期の短縮化につながる。また、逆打ち工程を行う前には、基礎構造の強度を高めるため、通常はプレキャストコンクリート基礎ブロックの下部に、鉄筋の組み付けが行われるが、例えば、鉄筋をプレキャストコンクリート基礎ブロックから突出するように埋設固定しておき、この鉄筋を、逆打ち工程前に配置する鉄筋に組み付けるといった構成にしてもよい。組み付けられた鉄筋は逆打ちされたコンクリートによって一体化される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図、図2は本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す正面図である。
【0015】
プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置1は、仕切り板3を有し、この仕切り板3の一方面側及び他方面側に構成された型枠体(型枠装置)5、5を備えていて、それぞれの型枠体5は、仕切り板3の下端部に固定された固定底面部材7と、この固定底面部材7の長さ方向一端部付近から他端部付近まで延びるように、固定底面部材7と幅方向に間隔を設けて平行に配置された、固定底面部材7とほぼ等しい長さを有するガイド部材9と、固定底面部材7と直交する方向に延び、ガイド部材9上をスライドして固定底面部材7に沿って移動できるように取り付けられた移動底面部材11と、固定底面部材7及び移動底面部材11に、取外し可能に取り付けられた側壁体13(側壁部:図1では手前側の型枠体5には側壁体13は取り付けられていないが図2では取り付けられている)と、一方のガイド部材9から他方のガイド部材9まで延び、ガイド部材9、9及び固定底面部材7、7を支える複数の支持部材14と、から構成されていて、固定底面部材7、移動底面部材11及び側壁体13・仕切り板3(側壁部)とで、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠を形成している。
【0016】
それぞれの固定底面部材7は、ほぼ5960mmの長さ及びほぼ150mmの幅を有していて、開口側が仕切り板3と反対側を向くように、ボルト及びナットを用いて仕切り板3に固定された断面コ字状の固定本体15と、この固定本体15の上側プレート部17上面に溶接して固定された固定底面プレート19と、から構成され、固定本体15の上側プレート部17及び固定底面プレート19は固定底面部を形成している。
【0017】
それぞれの移動底面部材11は、ほぼ1365mmの長さ及びほぼ150mmの幅を有していて、開口側が固定本体15の延びる方向に向くように、かつ、固定本体15の延びる方向と直交する方向に延びるように、ガイド部材9上に載せられた断面コ字状の移動本体21と、この移動本体21の上側プレート部23に溶接して固定された移動底面プレート25と、ボルト及びナットを用いて移動本体21の下側プレート部27下面に取り付けられたスライド部材29と、から構成されていて、移動本体21の上側プレート部23及び移動底面プレート25は移動底面部を形成している。移動底面プレート25の基端部31は、移動本体21から突出し、かつ、固定底面プレート19側に向かって漸次幅広となる台形状に形成されている。スライド部材29は、断面長いコ字状に形成され、側部33、33の内側面の間隔がガイド部材9の幅とほぼ等しいように構成されていて、このスライド部材29が、ガイド部材9の両側に形成されているレール35、35を挟み、かつ、このレール35、35上にスライド可能に載るように、移動底面部材11は、ガイド部材9に取り付けられている。移動本体21の高さは、固定本体15の高さのほぼ半分に設定されていて、移動底面部材11をガイド部材9に取り付けたときには、移動底面プレート25は、固定底面プレート19と同一の高さに位置し、かつ、基端部31の、固定底面プレート19側の側端面が固定底面プレート19の側端面と接触した状態(僅かな隙間が生じている場合を含む)となる。移動底面部材11は、それぞれのガイド部材9に複数取り付けることができる。
【0018】
スライド部材29のそれぞれの側部33にはボルト孔37が形成され、ガイド部材9のそれぞれのレール35の側面部39にもボルト用孔41が形成されていて、ボルト孔用41はレール35の側面部39の延びる方向に沿って、約455mmのピッチで複数形成されている。したがって、移動底面部材11をガイド部材9に沿ってスライド移動させ、ボルト孔37とボルト用孔41との位置を一致させてから、ボルト孔37及びボルト用孔41を貫通するように固定ボルト43を差し込むことにより、移動させた移動底面部材11を固定することができる。ボルト孔37、ボルト用孔41及び固定ボルト43は固定手段を構成する。なお、例えばL字コーナーを有するプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する場合には、移動底面部材をガイド部材9の端部付近に取り付けることとなるが、この場合に用いる移動底面部材45は、基端部47の内側の側端のみが固定底面プレート19側に向かって広がるように形成されているものである。
【0019】
側壁体13は、固定底面側の固定用側壁体49と、移動底面側の移動用側壁体51と、から構成され、固定用側壁体49は、固定底面部材7の移動底面側、すなわち移動底面部材11が設けられた側の長さ方向両端部に取り付けられた、ほぼ250mmの長さを有する端部の壁体53、53と、この端部の壁体53、53の間で固定底面部材7の移動底面側に取り付けられた、ほぼ455mmの長さ及び端部の壁体53とほぼ等しい高さを有する複数枚の中間の壁体55と、固定底面プレート19の長さ方向両端部上に設けられ、かつ、固定底面プレート19上を移動可能に構成された固定側端部形成壁部材57、59(固定側端部形成壁部材57と固定側端部形成壁部材59とは左右対称形状)と、を備えていて、移動用側壁体51は、移動底面部材11の幅方向両側に、ほぼ全長にわたって取り付けられた、L字コーナーを有して屈曲部61、63がそれぞれ形成された壁体部材65、67(壁体部材65と壁体部材67は左右対称形状)と、移動底面プレート25の先端部上に設けられ、かつ、移動底面プレート25上を移動可能に構成された移動側端部形成壁部材69と、を備えている(図1では、固定側端部形成壁部材57、59は固定前の状態で示されている)。端部の壁体53と中間の壁体55との間及び中間の壁体55同士の間には隙間が生じないように構成され、また、固定側端部形成壁部材57あるいは固定側端部形成壁部材59と仕切り板3及び中間の壁体55あるいは端部の壁体53との間、及び移動側端部形成壁部材69と壁体部材65、67との間にも隙間が生じないように構成されている。中間の壁体55は、移動底面部材11に設けられた壁体部材65の屈曲部61の側端位置から、壁体部材67の屈曲部63の側端位置までの間には配置されていないが、壁体部材65の屈曲部61の側端と中間の壁体55の側端との間、及び壁体部材67の屈曲部63の側端と中間の壁体55の側端との間には隙間が生じないように構成されている。ただし、壁体部材として、側端に接触傾斜面が形成された、屈曲部を有しない平板状のもの(符号71参照)を用い、この壁体部材71と隙間なく組み合わされる壁体として、側端に、壁体部材71の接触傾斜面と隙間なく接触する接触傾斜面が形成されたもの(符号73参照)を用いることができる。また、移動底面部材(例えば符号45参照)が固定底面プレート19の端部に位置するときは、端部形成壁部材に相当する屈曲部81が一体的に形成された壁体部材83を移動底面部材の外側の側端に取り付けてもよい。さらに、端部の壁体53の上面、中間の壁体55の上面、さらには、壁体部材65の屈曲部61上面から壁体部材67の屈曲部63上面にかけては、断面L字形の幅を狭める幅規制部材75、77、79がそれぞれ取り付けられ、幅規制部材75、77、79は、同一の高さに位置している。なお、符号85は、移動側端部形成壁部材69を固定するための固定用壁部材であり、壁体部材65の上面に取り付けられている。
【0020】
壁体53、55、73及び壁体部材65、67、71、83は、移動底面部材11の固定位置等に応じて適当に組み合わされ、あるいは配列されて側壁体13を構成する。壁体53、55、73及び壁体部材65、67、71、83にはそれぞれ、下側位置に差込み孔87が形成されていて、壁体53、55、73及び壁体部材65、67、71、83は、差込み孔87に接合具89を差し込むことにより、固定底面部材7あるいは移動底面部材11、45に取り付けられる。
【0021】
接合具89は、2枚のプレート部材91、91をスペーサ93を介して連結することにより形成された差込み部材95と、一方側の側端部の高さ方向ほぼ中央にストッパ段部97を有してプレート状に形成された一方の係合片99と、長方形に近い五角形のプレート状に形成されたくさび状の他方の係合片101と、から構成されている(図3参照:図3は接合具89の分解斜視図)。差込み部材95の長さ方向両側には、係合片99、101をそれぞれ差し込むための差込スペース103、105が、スペーサ93間に形成され、差込スペース105を形成しているスペーサ93、93のうちの外端側に位置するスペーサ93の内面は、くさび状の係合片101の先細り傾斜面107に対応して、下方に向かい内側に傾斜している(図示せず)。ここで、例えば壁体55を固定底面部材7に取り付けるには、まず、差込み部材95を、仕切り板3の両側に配置された壁体55の差込み孔87に差し込み(固定底面部材7の固定本体15及び仕切り板3には差込み部材95を通すための貫通孔が形成されている)、差込スペース103、105がそれぞれ、壁体55の外側に位置するように、壁体55の差込み孔87から差込み部材95の端部をそれぞれ突出させる。そして、ストッパ段部97が、外端側のスペーサ93の上面に当接するように、係合片99を上側から差込スペース103に差し込む。その後、係合片101を、上側から差込スペース105にきつく差し込むと、壁体55、55は、固定底面部材7に固定して取り付けられることとなる。壁体53、73及び壁体部材65、67、71、83も同様に取り付けることができるが、移動底面部材11との取付け用に用いられる接合具は、差込み部材が短く形成されている。
【0022】
図4は型枠装置1に設けられた固定側端部形成壁部材57を示す斜視図、図5は型枠装置1に設けられた移動側端部形成壁部材69を示す斜視図である。
【0023】
固定側端部形成壁部材57及び移動側端部形成壁部材69は、型枠装置1により製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロック同士を接続できるように、プレキャストコンクリート基礎ブロックに接続端部を形成するように構成されている。一般的には、建物の外壁部に沿って位置するプレキャストコンクリート基礎ブロックの接続端部は、固定側端部形成壁部材57(あるいは固定側端部形成壁部材57と左右対称の部材:固定側端部形成壁部材59)を用いて形成し、建物の内壁部に沿って位置するプレキャストコンクリート基礎ブロックの接続端部は、移動側端部形成壁部材69を用いて形成する。
【0024】
固定側端部形成壁部材57は、幅が固定底面プレート19の幅とほぼ等しい150mm、長さがほぼ250mm及び高さがほぼ590mmの、裏面開口箱型に形成され、表面(コンクリート接触面)109の幅方向中央から仕切り板3側の側面111の長さ方向中央手前にかけて凹部113を有していて、壁体53、55側の側面115の上側には、幅規制部材75、77を収容する収容凹部117が形成されている。また、側面(側面部)111の上側には、ボルト孔119が上下に並んで2つ形成されていて、455mmピッチで仕切り板3に形成されたボルト用孔(図示せず)と、仕切り板3を挟んで両側に配置された固定側端部形成壁部材57、59のボルト孔119との位置を一致させて、このボルト用孔及びボルト孔119にボルトを通し、このボルトにナットを嵌め付けることによって、固定側端部形成壁部材57、59を仕切り板3に固定できる(図2参照)。さらに、固定側端部形成壁部材57は、固定底面部に固定するためのボルト孔121を底面又は底面部に備えている。そして、表面(表面部)109の下側には、高さ方向に2つ並んで形成された貫通孔123、123を有するボルト保持部125が形成されている。プレキャストコンクリート基礎ブロックの接続端部を形成するときは、固定側端部形成壁部材57の表面109側からボルト保持部125の貫通孔123、123にそれぞれ、接続ボルト127、127を挿入して、裏面からナット129で接続ボルト127をボルト保持部125に固定する。そして、型枠装置1にコンクリートを流し込み、コンクリートを硬化させてからナット129を接続ボルト127から外すことにより、先端部が突出した状態でプレキャストコンクリート基礎ブロックの側端部に埋設固定された接続ボルト127を有する接続端部を形成することができる。
【0025】
移動側端部形成壁部材69は、長さ約250mm、幅約150mm及び高さ約490mmの裏面開口箱型に形成され、固定側端部形成壁部材57のボルト保持部125と同一機能を有する、貫通孔123に挿入されてナット129で固定された接続ボルト127を具備するボルト保持部131を表面又は表面部下側に備えているが、ここでは貫通孔123は幅方向に並んで2つ形成されている。移動側端部形成壁部材69は、固定用壁部材85側の側面(側面部)133に形成された上下2つのボルト孔135、135と、455mmピッチで固定用壁部材85に形成された上下2つのボルト用孔137との位置を一致させて、このボルト孔135及びボルト用孔137にボルトを通し、このボルトにナットを嵌め付けることによって、固定用壁部材85に固定できる(図2も参照)。移動側端部形成壁部材69も、移動底面部に固定するためのボルト孔121を底面又は底面部に備えている。
【0026】
図6は固定底面部材7を示すための部分拡大斜視図、図7は固定底面部材7を示すための断面図である。
【0027】
固定底面部材7の固定底面部には、固定側端部形成壁部材57、59のボルト孔121とほぼ等しい大きさの貫通孔139が、長さ方向に約455mmピッチで形成され、それぞれの貫通孔139には、半球状の頭部を有する密封用ピン141が差し込まれている。そして、固定側端部形成壁部材57、59を、固定底面部に固定するときは、所定の位置の密封用ピン141を貫通孔139から取り外し、ボルト孔121と、密封用ピン141が取り外された貫通孔139との位置が一致するように、固定側端部形成壁部材57、59を固定底面部上に位置させ、ボルト孔121及び貫通孔139にボルトを通し、このボルトにナットを嵌め付ける。
【0028】
また、固定底面部材7の固定底面プレート19には、ほぼ正方形の上側貫通孔143が、長さ方向に約455mmピッチで形成され、固定底面部材7の固定本体15の上側プレート部17には、上側貫通孔143よりも一回り小さい、ほぼ正方形の下側貫通孔145が、上側貫通孔143と同位置に形成されている。すなわち、上側貫通孔143と下側貫通孔145とが固定用貫通孔を構成している。それぞれの上側貫通孔143には、上側貫通孔143とほぼ等しい大きさ・形状を有し、アンカーボルトを通過させて位置決めするためのアンカーボルト孔147が形成された位置決めプレート片149が嵌め込まれている。さらに、それぞれの下側貫通孔145の下側には、アンカーボルトの突出長さを規制するための長さ調整部材151が固定本体15に取り付けられて配置されている。
【0029】
アンカーボルト孔147は、位置決めプレート片149に、中心(重心)から一辺方向にやや偏心して形成されている。このため、位置決めプレート片149を、上側貫通孔143から取り外し、180度回転させた状態で再び上側貫通孔143あるいは固定用貫通孔に嵌め込むことにより、アンカーボルト孔147の位置を、仕切り板3側から移動底面側に、あるいは、移動底面側から仕切り板3側に変更することができる。
【0030】
長さ調整部材151は、断面細長いU字型に形成されていて、ボルト及びナットによって、固定本体15の下側プレート部に固定されている。長さ調整部材151の上端は、固定本体15の上側プレート部17に接近して位置していて、長さ調整部材151の上端部には、柔軟なゴム材153が保持されている。また、長さ調整部材151の両側面部には、ゴム材153を保持する部分の下側に、高さ調整孔155、155が対応して設けられていて、この高さ調整孔155は上下方向に並んで6つ又は6組形成されている。
【0031】
プレキャストコンクリート基礎ブロックにアンカーボルトを立設するときは、まず、決められたアンカーボルトの立設位置に、アンカーボルト孔147が設けられるように、位置決めプレート片149を、上側貫通孔143又は固定用貫通孔に嵌め込む。さらに、決められたアンカーボルトの突出長さに合わせてL字状のストッパ部材157を高さ調整孔155、155に差し込む。その後、上側からアンカーボルト159をアンカーボルト孔147に挿入し、ゴム材153を貫通させて、アンカーボルト159の先端をストッパ部材157に当接させる。これでアンカーボルト159は固定状態に保持されるので、あとはコンクリートを型枠装置1に流し込んで硬化させれば、アンカーボルト159が立設されたプレキャストコンクリート基礎ブロックが製造されることとなる。移動底面部材11の移動底面部の構造も、固定底面部材7の固定底面部の構造とほぼ同一であるが、移動底面部の下側に配置された長さ調整部材は、長さ調整部材151よりも低く構成されている。
【0032】
このような構成の型枠装置1を用いれば、例えばT字型状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを2つ同時に製造することができ、また、それぞれプレキャストコンクリート基礎ブロックの形状、大きさ(長さ)及びアンカーボルトの立設位置も、様々に変更して製造することができる。すなわち、例えば、壁体53や55を取り外し、移動底面部材11をスライド移動させ、再び壁体53や55を取り付けることにより、枠体形状を変更することができる。さらに、コンクリート充填時の型枠の変形を効果的に防止できる。
【0033】
図8は本発明に係る別の構成のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図である。
【0034】
別の構成の型枠装置161は、型枠装置1の構造を変更することにより構成されているものであり、固定底面部材7と、この固定底面部材7の長さ方向一端部付近から他端部付近まで延びるように、固定底面部材7と幅方向に間隔を設けて平行に、かつ、固定底面部材7の幅方向両側に配置された、固定底面部材7とほぼ等しい長さを有するガイド部材9、9と、固定底面部材7と直交する方向に延び、それぞれのガイド部材9上をスライドして固定底面部材7に沿って移動できるように取り付けられた、固定底面部材7の両側に設けられている移動底面部材11、11と、固定底面部材7及び移動底面部材11、11に、取外し可能に取り付けられた側壁体13(側壁部:図8では手前側には側壁体13は取り付けられていない)と、を備えて構成されている。側壁体13の内の接続端部形成壁部材にはすべて、部材69(左右対称形状のものを含む)が用いられている。ここでも、例えば、壁体53や55を取り外し、移動底面部材11をスライド移動させ、再び壁体53や55を取り付けることにより、枠体形状を変更することができる。型枠装置161は、例えば、十字型状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造するときに用いることができる。
【0035】
図9は固定底面部材の変更例を示す斜視図である。
【0036】
固定底面部材163はL字型に形成され、一辺部に対してのみ移動底面部材165が設けられている。固定底面部材163のL字コーナー部には、取付け突出部167が形成されていて、この取付け突出部167には、例えば、固定側端部壁部材57が固定される。このような固定底面部材163を用いることにより、より複雑な形状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを製造できる。ここでは、位置決めプレート片149に形成されたアンカーボルト孔147は、位置決めプレート片149の角部付近に位置しているので、位置決めプレート片149を180度回転させた状態で上側貫通孔143あるいは固定用貫通孔に嵌め込むと、アンカーボルト孔147は、固定用貫通孔の対向角部に変位する(図10参照:図10は変更例に係る固定底面部材163の部分拡大斜視図)。なお、固定底面部材163及び移動底面部材165の基本的な構造は、固定底面部材7及び移動底面部材11と同一である。
【0037】
図11は型枠装置1を用いて製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロックを示す斜視図である。
【0038】
プレキャストコンクリート基礎ブロック169は、内部に配筋され、かつ、適当な長さだけ突出する鉄筋(図示せず)を有していて、高さ約450mmのT字型のプレキャストコンクリート体171と、このプレキャストコンクリート体171の上面から突出するように、長さ方向に間隔を設けて埋め込まれた複数のアンカーボルト159と、プレキャストコンクリート体171の底面の3つの端部個所からそれぞれ突出するように埋設固定された3つのナット部材173と、それぞれのナット部材173にねじ込まれて取り付けられた高さ調整用のアジャストボルト175と、を備えている。プレキャストコンクリート体171の接続端部179、181には、接続ボルト127が高さ方向に並んで2つ突出するように埋設固定され、接続端部183には、接続ボルト127が幅方向に並んで2つ突出するように埋設固定されている。
【0039】
図12はナット部材173及びアジャストボルト175の構成を示す斜視図である。
【0040】
アジャストボルト175がねじ込まれて取り付けられているナット部材173は、断面六角形状の長尺ナット185と、この長尺ナット185が端部に溶接して固定されているアングル部材187と、から構成され、アングル部材187には、長尺ナット185に隣接するようにボルト孔189が、高さ方向に並んで2つ形成されている。アジャストボルト175は、長尺ナット185にねじ込み量を調整することができるようにねじ込まれている。
【0041】
型枠装置1へのコンクリート充填時には、スペーサ具191を介して、型枠装置1の仕切り板3に、両側から、ナット部材173をボルトとナットで固定しておく(図13参照:図13はナット部材173をプレキャストコンクリート体171に埋設固定する方法を説明する図)。スペーサ具191には、仕切り板3側の側面部193及びナット部材173側の側面部195にそれぞれ、ボルト用孔197が対応して形成され、かつ、このボルト用孔197は高さ方向に複数設けられていて、1本のボルトを、ナット部材173のボルト孔189、側面部195及び側面部193のボルト用孔197、仕切り板3のボルト用孔198に通すことにより、ナット部材173を固定してもよいが、側面部193のボルト用孔197及び仕切り板3のボルト用孔198にボルトを通してスペーサ具191を仕切り板3に固定し、かつ、ナット部材173のボルト孔189及び側面部195のボルト用孔197に別のボルトを通してスペーサ具191にナット部材173を固定してもよい。ナット部材173を固定してから、型枠装置1にコンクリートを高さ約450mmすなわち壁体53、55の上端位置まで流し込んで硬化させることにより、ナット部材173がプレキャストコンクリート体171に埋設固定される。なお、移動底面部材11側へのナット部材173の配置は、スペーサ具191を固定用壁部材85に取り付けることにより行われる。
【0042】
アジャストボルト175は、頭部199が断面六角形状に形成され、頭部199をスパナ等で回すことにより、ナット部材173へのねじ込み量が変化し、上下方向に移動する。頭部199の先端部は、ジョイント部201となっていて、ジョイント部201は、先端に向かって約45度の角度でテーパー状に縮径しているが、先端は丸みを帯びて形成されている。
【0043】
図14はプレキャストコンクリート基礎ブロック169を用いた基礎工法を説明する断面図、図15はプレキャストコンクリート基礎ブロック169の配置方法を説明するための斜視図である。
【0044】
プレキャストコンクリート基礎ブロック169を用いた基礎工法では、まず、地盤Aを所定の深さまで掘削する根切り工程が行われる。次に、掘削した部分に石や砂利Bを入れて付き固める地業工程が行われ、その上に捨コンクリートCを打設する打設工程が行われる。その後、捨コンクリートC上にプレキャストコンクリート基礎ブロック169を配置する配置工程が行われ、プレキャストコンクリート基礎ブロック169の下部が埋設されるようにコンクリートDを打設する逆打ち工程が行われる。
【0045】
捨コンクリートC上にプレキャストコンクリート基礎ブロック169を配置する配置工程は、次のように行われる。捨コンクリートCを打設した後、捨コンクリートCが固まらない間に、下側土台板203を捨コンクリートC上に固定する。下側土台板203は、正方形状の鉄製プレート片であって、それぞれの角部に釘孔205が形成されているので、下側土台板203を捨コンクリートC上に配置し、それぞれの釘孔205にコンクリート用釘207を打ち込むことによって、下側土台板203は捨コンクリートC上に固定される。次に、それぞれの角部にコンクリート用釘207の頭部とほぼ等しい大きさの釘孔208が形成された、下側土台板203とほぼ同形状の上側土台板209を下側土台板203の上に接着剤で接着する。下側土台板203及び上側土台板209の中央には、アジャストボルト175のジョイント部201の根元部よりもやや小径の嵌付孔211、213がそれぞれ形成されているので、捨コンクリートCが固まった後、アジャストボルト175のジョイント部201を、上側土台板209の嵌付け孔213(及び下側土台板203の嵌付け孔211)に嵌め込んで係合させることによって、プレキャストコンクリート基礎ブロック169が捨コンクリートC上に位置決めされて配置されることとなる。プレキャストコンクリート基礎ブロック169の水平及び高さを調整するときは、アジャストボルト175を回転させる。なお、プレキャストコンクリート基礎ブロック169からは鉄筋215が外側に延びていて、コンクリートDを打設する前に、この鉄筋215に組付け鉄筋217を組み付ける。
【0046】
このような構成によって、ここでの基礎工法は、捨コンクリートCの外にはコンクリートDを打設するだけでよいので、工期の短縮を図ることが可能となる。
【0047】
図16はプレキャストコンクリート基礎ブロック169同士の接続方法を示す平面図である。
【0048】
例えば、建物の外壁部に沿って配置されたプレキャストコンクリート基礎ブロック169同士を接続するときは、一方のプレキャストコンクリート基礎ブロック169の接続端部179に埋設固定された接続ボルト127、127と、他方のプレキャストコンクリート基礎ブロック169の接続端部181に埋設固定された接続ボルト127、127とを、継手ボルト218の両端に設けられた六角ナット219、219にそれぞれ相対的にねじ込むことにより連結する。このとき、下側に位置する継手ボルト218を、ボルト穴221を有するプレート部223と、このプレート部223に溶接されて固定されたねじ部225と、から構成される連結部材227のボルト穴221に通しておく。この連結部材227のねじ部225に、プラスチック製のピーコン229をねじ込み、このピーコン229に設けられた接続ボルト部231を、ハの字状の鉄板233のボルト孔235に通し、この鉄板233の両端部がそれぞれ、プレキャストコンクリート基礎ブロック169、169に当接するように、接続ボルト部231にナット237を締め付け、鉄板233を押圧する。また、プレキャストコンクリート基礎ブロック169同士の僅かな隙間開口をプラスチック製の目地棒239によって塞いでおく。その後、鉄板233と目地棒239によって塞がれた空間内にモルタル等のコンクリートを流し込んで硬化させる。このような接続構造によって、せん断力に対する強度が非常に高くなる。また、建物の内壁部に沿ったプレキャストコンクリート基礎ブロック169の、例えば接続端部183同士の接続は、それぞれの接続端部183の接続ボルト127を、継手ボルト218の両端に設けられた六角ナット219、219にそれぞれ相対的にねじ込むことにより連結し、プレキャストコンクリート基礎ブロック169同士の隙間開口を塞いで、その空間内にモルタル等のコンクリートを流し込んで硬化させることにより行われる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を用いれば、様々な形状のプレキャストコンクリート基礎ブロックを簡単に製造することが可能となる。また、本発明のプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法では、工期の短縮が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図である。
【図2】
本発明に係るプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す正面図である。
【図3】
接合具の分解斜視図である。
【図4】
型枠装置に設けられた固定側端部形成壁部材を示す斜視図である。
【図5】
型枠装置に設けられた移動側端部形成壁部材を示す斜視図である。
【図6】
固定底面部材を示すための部分拡大斜視図である。
【図7】固定底面部材を示すための断面図である。
【図8】本発明に係る別の構成のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置を示す斜視図である。
【図9】固定底面部材の変更例を示す斜視図である。
【図10】変更例に係る固定底面部材の部分拡大斜視図である。
【図11】型枠装置を用いて製造されたプレキャストコンクリート基礎ブロックを示す斜視図である。
【図12】ナット部材及びアジャストボルトの構成を示す斜視図である。
【図13】ナット部材をプレキャストコンクリート体に埋設固定する方法を説明する図である。
【図14】プレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法を説明する断面図である。
【図15】プレキャストコンクリート基礎ブロックの配置方法を説明するための斜視図である。
【図16】プレキャストコンクリート基礎ブロック同士の接続方法を示す平面図である。
【符号の説明】
1、161 プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置
3 仕切り板
7、163 固定底面部材
11、165 移動底面部材
13 側壁体(側壁部)
169 プレキャストコンクリート基礎ブロック
Claims (8)
- コンクリートを流し込んで硬化させることにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置であって、
底面部と、この底面部とで型枠を構成するように配置された側壁部と、を備え、
前記底面部は、所定の形状に形成された固定底面部と、基端部が前記固定底面部に接触し、かつ、前記固定底面部と交わる方向に延びている移動底面部と、を有し、
前記移動底面部は、前記固定底面部に沿って移動でき、かつ、少なくとも所定の位置で固定可能に構成されていて、
前記側壁部は、前記固定底面部に沿って移動して固定された前記移動底面部及び前記固定底面部により形成される型枠底面の外縁に沿って又はほぼ沿って変更配置可能に構成されている、ことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置。 - コンクリートを流し込んで硬化させることにより、プレキャストコンクリート基礎ブロックを製造する、プレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置であって、
仕切り板と、この仕切り板の一方側及び他方側にそれぞれ設けられた底面部と、それぞれの前記底面部及び前記仕切り板とで型枠を構成するように配置された側壁部と、を備え、
それぞれの前記底面部は、所定の形状に形成され、前記仕切り板に取り付けられた固定底面部と、基端部が前記固定底面部の、前記仕切り板と反対側に接触し、かつ、前記固定底面部と交わる方向に延びている移動底面部と、を有し、
前記側壁部は、前記固定底面部に沿って移動して固定された前記移動底面部及び前記固定底面部により形成される型枠底面の外縁に沿って又はほぼ沿って変更配置可能に構成されている、ことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置。 - 前記移動底面部は、ガイド部材によって支持されていて、前記基端部が前記固定底面部に接触した状態で、前記ガイド部材上を前記固定底面部に沿ってスライド移動できるように構成されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置。
- 前記固定底面部の、前記移動底面部が設けられた移動底面側には、少なくとも前記移動底面部が移動する範囲内に、前記側壁部を構成する壁体が取外し可能に配置されていて、
前記壁体を取り外し、前記移動底面部を前記固定底面部に沿って移動させてから、取り外した前記壁体又は別の壁体を、前記固定底面部の移動底面側に配置して前記側壁部を形成できるように構成されている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置。 - 前記底面部には、固定用貫通孔が形成され、
前記固定用貫通孔には、プレキャストコンクリート基礎ブロックに埋め込まれるアンカーボルトを通過させて位置決めするアンカーボルト孔が形成された位置決め部材が嵌め付けられていて、
前記位置決め部材は、前記底面部に沿って回転させて前記アンカーボルト孔の位置が変化した状態でも、前記固定用貫通孔に嵌め付けることができるように構成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置。 - 前記位置決め部材は、角形状プレート片であり、前記固定用貫通孔は、前記角形状プレート片に対応した角形状貫通孔である、ことを特徴とする請求項5記載のプレキャストコンクリート基礎ブロックの型枠装置。
- 建築物基礎構造に用いられるプレキャストコンクリート基礎ブロックであって、
所定の形状に成形されたプレキャストコンクリート体と、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の上面から突出したアンカーボルトと、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の下面から露出又は突出している複数のナット部材と、頭部にジョイント部を有し、前記ナット部材にねじ込まれて取り付けられている高さ調整用のアジャストボルトと、を有し、
前記アジャストボルトの前記ジョイント部を、捨コンクリート上に固定された土台板の嵌付け孔又は嵌付け溝に嵌め付けることにより、建築物基礎構造として配置される、ことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎ブロック。 - 地盤を掘削する根切り工程と、掘削した部分に石や砂利を入れて付き固める地業工程と、付固め部分に捨コンクリートを打設する打設工程と、前記打設工程の後に、プレキャストコンクリート基礎ブロックを配置する配置工程と、前記プレキャストコンクリート基礎ブロックの下部が埋め込まれるように再びコンクリートを打設する逆打ち工程と、を有するプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法であって、
前記プレキャストコンクリート基礎ブロックは、所定の形状に成形されたプレキャストコンクリート体と、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の上面から突出したアンカーボルトと、前記プレキャストコンクリート体に埋め込まれ、かつ、このプレキャストコンクリート体の下面から露出又は突出している複数のナット部材と、頭部にジョイント部を有し、前記ナット部材にねじ込まれて取り付けられている高さ調整用のアジャストボルトと、を有していて、
嵌付け孔又は嵌付け溝が形成された土台板を、打設された前記捨コンクリート上に固定し、前記アジャストボルトの前記ジョイント部が、前記土台板の前記嵌付け孔又は前記嵌付け溝に嵌まり込むように前記プレキャストコンクリート基礎ブロックを配置してから、前記アジャストボルトの前記ナット部材へのねじ込み量を調整し、その後、前記逆打ち工程を行う、ことを特徴とするプレキャストコンクリート基礎ブロックを用いた基礎工法。
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