JP2016188472A - プレキャスト基礎施工治具および施工方法 - Google Patents
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現場打ちコンクリート体に埋め込む下端主筋22が、あばら筋24に接合されてプレキャスト基礎21の下方に突出しており、下端主筋22が干渉しないようにプレキャスト基礎21を支持する必要がある。そのため、プレキャスト基礎施工治具31は、プレキャスト基礎21の底面に取り付けられる取付け部32から、2つの脚部33を突き出させ、両脚部33,33が下端主筋22を跨ぐようにしている。前記脚部33は、その下端からプレキャスト基礎21の厚さ方向に延びる下端広がり部34を有し、この下端広がり部34には基礎支持面30に載せられた状態で前記脚部33の高さを調整するボルト39が螺合されている。
前記プレキャスト基礎の下面に取付けられる受け部と、この受け部から立ち下がる脚部と、この脚部の下端から前記プレキャスト基礎の厚さ方向に広がる下端広がり部とを有し、前記脚部は前記プレキャスト基礎の前記真下の主筋の側方に位置し、前記脚部の前記主筋が位置する側方に、前記主筋に添わせて重ね継手で接合する継手鉄筋を前記側方から前記主筋に近づけるように導入可能な側方開放空間を有し、前記下端広がり部上に、前記側方開放空間に導入された前記継手鉄筋を載せる棚部を有する。
脚部をこのように位置させると、プレキャスト基礎施工治具をプレキャスト基礎の厚さ方向の中央に位置させても、前記厚さ方向の中央に位置するベース部の主筋と脚部との干渉を回避できる。そのため、プレキャスト基礎をバランス良く支持することができる。
この構成の場合、前記H形の断面形状によって強度が得易く、余分な材料を省いて軽量で剛性、材料コストに優れたものとできる。棚部構成板部にコンクリート充填穴が設けられているため、コンクリートの充填も確実に行える。
この構成の場合、縦列に並ぶプレキャスト基礎に対してこれと直角に別のプレキャスト基礎を配置する連続基礎の施工において、前記直角に配置されるプレキャスト基礎の真下の主筋に対して平面視でL字状の継手鉄筋の一端側を前記主筋に重ね継手で接合し、この継手鉄筋の他端側を前記縦列に並ぶプレキャスト基礎を支持するプレキャスト基礎施工治具の前記逆側方開放空間から導入して前記第2の棚部に載せることによって、縦列の基礎部分とこれに対して直角方向に延びる別の基礎部分との間での主筋の接合を、プレキャスト基礎施工治具を介して一人で効率良く行なうことができる。なお、この明細書において「平面視」とは、上方から見ることを言う。
前記連続基礎として、T字形や十字形等を成すように、垂直方向の別のプレキャスト基礎が配置される場合がある。その場合、前記垂直方向のプレキャスト基礎の端部に定着用の鉄筋や継手鉄筋を突出状態に設ける場合がある。このような鉄筋を、前記第2の棚部構成板部に載せて支持させることができ、また前記逆側方開放空間があることで、前記第2の棚部構成板部上へ容易に導入できる。
この構成の場合、受け部のボルト挿通孔に挿通させたボルトを締めつけて受け部をプレキャスト基礎に取付ける作業を、下端広がり部の前記コンクリート充填穴からボルト締めつけ用工具を挿入することで容易に行なえる。
前記プレキャスト基礎の下面にプレキャスト基礎施工治具を取付ける過程と、このプレキャスト基礎施工治具が取付けられたプレキャスト基礎を基礎支持面上に配置する過程と、前記継手鉄筋を前記主筋に添わせて結束線で前記主筋に結合する過程とを含み、前記プレキャスト基礎施工治具は、前記プレキャスト基礎の前記主筋の側方に位置する脚部、および前記継手鉄筋を載せる棚部を有し、前記継手鉄筋を、前記脚部の前記主筋が位置する側方から前記主筋に近づけて前記棚部に載せ、前記主筋に添わせることを特徴とする。
脚部3をこのように位置させると、プレキャスト基礎施工治具1をプレキャスト基礎21の厚さ方向の中央に位置させても、前記厚さ方向の中央に位置するベース部の主筋である下端主筋22と脚部3との干渉が回避される。そのため、プレキャスト基礎21をバランス良く支持することができる。
下端広がり部4のコンクリート充填穴13をこのように形成することにより、受け部2のボルト挿通孔6に挿通させたボルト5を締めつけて受け部2をプレキャスト基礎21の下面に取付ける作業を、図14のように、下端広がり部4の前記コンクリート充填穴13からボルト締めつけ用工具19を挿入させることで容易に行なうことができる。
前記定着用の鉄筋27として平面視でL字状の定着用の鉄筋を用い、この定着用鉄筋27の一端側を、前記直角に配置されるプレキャスト基礎21の真下の下端主筋22に重ね継手で接合する。この定着用鉄筋27の他端側を前記縦列に並ぶプレキャスト基礎21を支持するプレキャスト基礎施工治具1の前記逆側方開放空間18から導入して前記第2の棚部15に載せる。
このように第2の棚部15を構成することにより、第2の棚部15に前記定着用の鉄筋27を載せて支持することができる。第2の棚部構成板部15a,15aにはコンクリート充填穴16が設けられているので、コンクリートの充填が確実に行える。
まず、プレキャスト基礎21の下面に、前記ボルト5を用いてプレキャスト基礎施工治具1の受け部2を取付ける。次に、このプレキャスト基礎施工治具1が取付けられたプレキャスト基礎21を、基礎支持面30上に配置する。次に、図2のように継手鉄筋25を前記下端主筋22に添わせて結束線26で下端主筋22に結合する。プレキャスト基礎施工治具1は、上記したように下端主筋22の側方に位置する脚部3を有するので、継手鉄筋25を、脚部3の下端主筋22が位置する側方から下端主筋22に近づけて下端主筋22に添わせることができ、プレキャスト基礎施工の施工効率を上げることができる。
なお、図5および図11では、下端主筋22の側方に継手鉄筋25を添わせて接合する場合を例示したが、同図に仮想線で示すように、下端主筋22の斜め上方あるいは下端主筋22の上に重なるように継手鉄筋25を添わせて接合しても良い。
2…受け部
3…脚部
3a…前後縁立ち上がり板部
3b…中間立ち上がり板部
4…下端広がり部
8…側方開放空間
9…高さ調整ボルト(高さ調整部)
10…棚部
10a…棚部構成板部
11, 12, 13, 16…コンクリート充填穴
15…第2の棚部
15a…第2の棚部構成板部
18…逆側方開放空間
20…連続基礎
20A…立上り部
20B…ベース部
21…プレキャスト基礎
22…下端主筋
24…あばら筋
25…継手鉄筋
26…結束線
27…定着用の鉄筋
30…基礎支持面
Claims (8)
- 立上り部がプレキャストコンクリート体であるプレキャスト基礎からなり、ベース部が現場打ちコンクリート体からなり、前記プレキャスト基礎の真下に前記ベース部の主筋が位置し、前記プレキャスト基礎の下端から突出した複数本のあばら筋に前記主筋が結合された連続基礎における、前記プレキャスト基礎を基礎構築場所で起立姿勢に支持するプレキャスト基礎施工治具であって、
前記プレキャスト基礎の下面に取付けられる受け部と、この受け部から立ち下がる脚部と、この脚部の下端から前記プレキャスト基礎の厚さ方向に広がる下端広がり部とを有し、前記脚部は前記プレキャスト基礎の前記真下の主筋の側方に位置し、前記脚部の前記主筋が位置する側方に、前記主筋に添わせて重ね継手で接合する継手鉄筋を前記側方から前記主筋に近づけるように導入可能な側方開放空間を有し、前記下端広がり部上に、前記側方開放空間に導入された前記継手鉄筋を載せる棚部を有するプレキャスト基礎施工治具。 - 請求項1に記載のプレキャスト基礎施工治具において、前記連続基礎を構築する基礎支持面に載せられた状態で前記脚部の高さを調整する高さ調整部を前記下端広がり部に設けたプレキャスト基礎施工治具。
- 請求項1または請求項2に記載のプレキャスト基礎施工治具において、前記脚部が、高さ方向の少なくとも中間部分が前記プレキャスト基礎の厚さ方向に偏るように位置し、前記脚部の反偏り側となる側方に前記棚部を有するプレキャスト基礎施工治具。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプレキャスト基礎施工治具において、前記脚部は、前記下端広がり部における広がり方向に延びる前後の縁部に沿う一対の前後縁立ち上がり板部とこれら前後縁立ち上がり板部の中間を結ぶ中間立ち上がり板部とでなる水平断面H形状であり、前記棚部は、前記脚部の前記前後縁立ち上がり板部の一部として前記下端広がり部から立ち上がる前後一対の棚部構成板部からなり、前記下端広がり部は前記脚部の前記一対の前後縁立ち上がり板部に続く板状であり、この下端広がり部および前記一対の棚部構成板部にコンクリート充填穴が設けられたプレキャスト基礎施工治具。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプレキャスト基礎施工治具において、前記脚部の前記主筋が位置する側方とは反対側の側方に、前記各鉄筋とは異なる別の鉄筋を導入可能な逆側方開放空間を有し、前記下端広がり部上に、前記逆側方開放空間に導入された前記別の継手鉄筋を載せる第2の棚部を有するプレキャスト基礎施工治具。
- 請求項4に記載のプレキャスト基礎施工治具において、前記脚部の前記主筋が位置する側方とは反対側の側方に、前記各鉄筋とは異なる別の継手鉄筋を導入可能な逆側方開放空間を有し、前記下端広がり部上に、前記逆側方開放空間に導入された前記別の継手鉄筋を載せる第2の棚部を有し、この第2の棚部は、前記脚部の前記前後縁立ち上がり板部の一部として前記下端広がり部から立ち上がる前後一対の第2の棚部構成板部からなり、これら第2の棚部構成板部にコンクリート充填穴が設けられたプレキャスト基礎施工治具。
- 請求項4または請求項6に記載のプレキャスト基礎施工治具において、前記受け部に、この受け部を前記プレキャスト基礎に取付けるボルトを挿通させる上下に貫通したボルト挿通孔を有し、このボルト挿通孔と底面視で整合する位置で、前記下端広がり部に前記ボルトを締めつける工具を挿通可能な大きさのコンクリート充填穴が設けられたプレキャスト基礎施工治具。
- 立上り部がプレキャストコンクリート体であるプレキャスト基礎からなり、ベース部が現場打ちコンクリート体からなり、前記プレキャスト基礎の真下の前記ベース部の主筋、および下端が前記主筋に結合された複数本のあばら筋が前記プレキャスト基礎の下端から突出した連続基礎における、前記プレキャスト基礎を基礎構築場所に起立姿勢に設置し、かつ前記主筋と重ね継手で接続する継手鉄筋を配置するプレキャスト基礎施工方法であって、
前記プレキャスト基礎の下面にプレキャスト基礎施工治具を取付ける過程と、このプレキャスト基礎施工治具が取付けられたプレキャスト基礎を基礎支持面上に配置する過程と、前記継手鉄筋を前記主筋に添わせて結束線で前記主筋に結合する過程とを含み、前記プレキャスト基礎施工治具は、前記プレキャスト基礎の前記主筋の側方に位置する脚部、および前記継手鉄筋を載せる棚部を有し、前記継手鉄筋を、前記脚部の前記主筋が位置する側方から前記主筋に近づけて前記棚部に載せ、前記主筋に添わせることを特徴とするプレキャスト基礎施工方法。
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