JP2004012783A - 剥離液及び剥離方法 - Google Patents

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Tatsuma Mizusawa
水澤 竜馬
Hiroyuki Obitani
帯谷 洋之
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Abstract

【課題】サンドブラスト用の感光性樹脂フィルムを確実に剥離するための剥離液及び剥離方法を提供する。
【解決手段】基板をサンドブラスト加工するために基板上にマスクとして設けられる感光性樹脂フィルムを、サンドブラスト加工後に剥離するための剥離液において、極性溶媒を主成分とする。特に、ジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンを、重量比で5:95〜95:5の割合で混合してなる剥離液や、ジメチルスルホキシド及びN−メチル−2−ピロリドンを重量比で5:95〜95:5の割合で混合してなる剥離液が好ましい。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンドブラスト時のマスクとして使用される感光性樹脂フィルムを剥離するための剥離液と、この剥離液を用いた剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりガラスやセラミック、石材などの基板の表面に、サンドブラスト法により画像を形成する際、感光性樹脂フィルム(以下、感光性フィルムと言うこともある)をマスクとして利用することが知られている。具体的には、基板の表面に感光性フィルムを設け、これを露光及び現像してパターンを形成し、このパターンをマスクとして、サンドブラストをかけることで、基板に所定の画像を形成する。サンドブラスト後、フィルムは、アルカリ系の水溶液によって基板表面から取り除かれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のアルカリ系の水溶液で処理する方法では、基板上の微小な凹みなどに入り込んだ感光性フィルムを完全に取り除くことはできず、残渣が残ってしまうことがあった。基板に観賞用の模様を刻む工芸などにおいては、わずかな残渣は問題にならないこともあるが、感光性フィルムとサンドブラストを組み合わせた画像形成方法は表示装置などの電子機器にも応用されるようになってきており、この場合残渣は問題であった。
【0004】
例えば、最近製品化が急速に進められているプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)の製造に使用される。PDPは、2枚のガラス基板とその基板間に設けられた隔壁(バリアリブ)によって形成される多数の微小空間内に、蛍光体や電極などを形成して構成される。
ここで、バリアリブを形成する際にサンドブラスト加工が用いられる。一般的には、ガラス基板表面にガラス粉末とバインダー樹脂からなるリブ材料を平坦に形成し、さらにリブ材料表面に感光性フィルムを設ける。感光性フィルムを露光・現像によりパターニングし、このパターンをマスクとしてリブ材料をサンドブラストし、所定形状に形成する。次に、アルカリ水溶液系の剥離液でリブ材料上の感光性フィルムを除去した後、焼成することでバインダー樹脂を焼き飛ばし、ガラス質のバリアリブを得る。この場合、感光性フィルムを剥離する工程で、若干残ったとしても次に焼成の工程が入ることから、完全に感光性フィルムは除去される。
【0005】
ところで、最近ではコスト削減などのため、上記のようにバリアリブをリブ材料から形成する工程を省くことが検討されている。すなわち、ガラス基板上に直接感光性フィルムのマスクを設け、ガラス基板そのものをサンドブラストし、バリアリブを形成するのである。この方法では、リブ材料を形成する工程や、バインダー樹脂を焼き飛ばすための焼成の工程が入らずコスト的には有利であるが、焼成工程がないため、バリアリブの表面に感光性フィルムの一部が残ってしまうと、その後の工程や品質に悪影響を及ぼすことになる。
【0006】
本発明の課題は、サンドブラスト用の感光性樹脂フィルムを剥離するための剥離液や、このような剥離液を用いたPDPなどの製造時における感光性フィルムの剥離方法において、感光性フィルムを確実に除去することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基板をサンドブラスト加工するために基板上にマスクとして設けられる感光性樹脂フィルムを、サンドブラスト加工後に剥離するための剥離液において、極性溶媒を主成分とすることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、この剥離液は極性溶媒を主成分とすることから、従来の水溶液よりは基板上の感光性樹脂フィルムに対する親和性あるいは溶解性が高く、フィルムを残渣なく基板から剥離することができる。
ここで、「主成分」とは、重量比で剥離液の50%以上であることを意味する。
【0009】
請求項1に記載の剥離液において、請求項2に記載の発明のように、極性溶媒として、窒素(N)原子を含む溶媒及び硫黄(S)原子を含む溶媒の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の剥離液において、極性溶媒であるジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンを、重量比で5:95〜95:5の割合で混合してなることを特徴とする。より好ましくは、10:90〜90:10の割合がよい。
請求項3に記載の発明に係るジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンからなる剥離液であれば、感光性樹脂フィルムに対して特に親和性に優れ、迅速にフィルム樹脂を膨潤させ、完全に剥離できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の剥離液において、極性溶媒であるジメチルスルホキシド及びN−メチル−2−ピロリドンを重量比で5:95〜95:5の割合で混合してなることを特徴とする。より好ましくは、10:90〜90:10の割合がよい。
請求項4に記載の発明に係るジメチルスルホキシド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる剥離液であれば、感光性樹脂フィルムに対する溶解性に優れ、迅速にフィルム樹脂を膨潤させ、完全に剥離できる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、基板上に設けられた感光性樹脂フィルムをマスクとして、前記基板にサンドブラスト加工を施した後、基板上の感光性樹脂フィルムを剥離するための剥離方法であって、請求項1〜4のいずれか記載の剥離液によって剥離することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明の剥離方法では、サンドブラスト後の感光性樹脂フィルムを請求項1〜4のいずれか記載の剥離液を用いて剥離する。請求項1〜4の剥離液は極性溶媒を主成分とすることから、従来の水溶液より基板上の感光性樹脂フィルムに対する親和性あるいは溶解性が高く、フィルムを残渣なく基板から剥離できる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の剥離方法において、前記基板は、プラズマディスプレイパネル用のガラス基板であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、基板がPDP用のガラス基板であって、これを直接サンドブラスト加工した後、感光性樹脂フィルムを請求項1〜4のいずれか記載の剥離液によって剥離することから、確実に除去できる。従って、この剥離方法を利用することで、前述の焼成工程の入らないガラス基板から直接バリアリブを形成する製造方法を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の剥離液は、基板をサンドブラスト加工するために基板上にマスクとして設けられる感光性樹脂フィルムを、サンドブラスト加工後に剥離するための剥離液であって、極性溶媒を主成分とすることを特徴とする。
ここで、基板とは、サンドブラスト加工可能なものであれば特に限定されないが、剥離液が有機溶媒であることから、無機系の材料からなるものが好ましく、ガラス基板、セラミック、石材、陶磁器、コンクリート、金属などが挙げられる。
【0016】
また、感光性フィルムは、感光性を有する樹脂成分と光重合開始剤からなる。工程の簡便さを考慮し、ドライフィルムが好ましく、この場合周知のラミネータなどで基板上に密着させて設ける。また、フィルム材料と溶媒とを含む組成物を基板表面にスクリーン印刷、ロールコーター、スピンナー等で塗布後、溶媒を除去しフィルム化することで、基板上に設けてもよい。
基板上に形成された感光性フィルムは、マスクで被った状態で露光することで所定箇所のみ光硬化し、次いでアルカリ水溶液などの現像液で現像することで硬化部分以外が溶解して除かれ、所定形状にパターニングされる。このパターンが、基板のサンドブラスト工程においてマスクとして機能する。
感光性樹脂フィルムの樹脂成分としては、例えば、末端にエチレン性不飽和二重結合を有するウレタンオリゴマーや、このウレタンオリゴマーにアルカリ可溶性化合物やエチレン性不飽和二重結合含有化合物を混合したものが挙げられる。
【0017】
エチレン性不飽和二重結合を有するウレタンオリゴマーは、ポリオール成分とイソシアネート成分とをイソシアネート基過剰の状態で反応させて末端NCOのプレポリマーとし、これに水酸基含有のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反応させ、分子量30,000以下のオリゴマーとすることによって形成できる。
このウレタンオリゴマーは、分子内にウレタン結合を4個以上持つことが好ましい。ウレタン結合が4個未満の場合には、耐サンドブラスト性が極端に低下し、解像度が低下する。また前記水酸基含有のエチレン性不飽和二重結合はウレタンオリゴマーの末端に少なくとも2個以上あることが好ましい。このエチレン性不飽和二重結合が1つの単官能モノマーの場合には、硬化後に十分な被膜強度を得ることができない。
【0018】
上記ポリオール成分の例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオールとアジピン酸、無水フタル酸等の2塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオール類が挙げられる。またイソシアネート成分の例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0019】
ウレタンオリゴマーを構成する上記水酸基含有のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、或いはこれらとε−カプロラクトン等とを反応させたもの、更には、アクリル酸、メタクリル酸と、上記ポリオール成分とのエステル化物等が挙げられる。
【0020】
フィルムに含まれるアルカリ可溶性化合物は、感光性フィルムに用いる感光性樹脂組成物を形成するに好適な化合物であり、上記ウレタンオリゴマーとの相容性が良いこと、被彫食刻材との接着性が良いこと、前記可撓性フィルムからの剥離性が良いこと、並びに現像液によって容易に除去できること等の要件を満たすものである。このようなアルカリ可溶性化合物としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレートなどのセルロース誘導体、アクリル酸又はメタクリル酸共重合体、この場合、共重合体の共重合成分としては、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ケイ皮酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、ソルビン酸、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、スチレン、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノアクリレート、ジペンタエリトリトールモノメタクリレート、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げることができる。これらのアルカリ可溶性化合物は、前記ウレタンオリゴマ−100重量部に対して10〜300重量部を加えることが好ましい。
【0021】
またフィルムに含まれるエチレン性不飽和二重結合含有化合物は、光重合開始剤の存在下で活性光源により光重合し、現像液に対して不溶性となるものであって、このような化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシアクリレート、フェノキシメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート等が挙げられる。これら化合物は、前記ウレタンオリゴマー100重量部に対して10〜200重量部加えることが好ましい。
【0022】
感光性フィルムに含まれる光重合開始剤としては光分解型、水素移動型等が使用できる。具体例としては、1−クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。光重合開始剤は前記エチレン性不飽和二重結合を末端に有するウレタンオリゴマーに対して0.1〜10重量%添加することが好ましい。
【0023】
上記の他、感光性樹脂フィルムあるいはフィルム化する液状組成物には種々の添加剤を加えてよい。例えば、前記光重合開始剤の増感剤としてトリエタノールアミン、pージメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、pージメチルアミノ安息香酸エチルエステル他、各種のアミンを加えることができる。また、現像性を維持するためカルボキシベンゾトリアゾール、マレイン酸無水物等の有機酸を添加することもできる。また、重合禁止剤、可塑剤、染料、顔料等必要に応じ従来公知のものを適宜使用することができる。
【0024】
本発明の剥離液は、極性溶媒を主成分とするものであるが、極性溶媒としては、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3,3’−イミノビスプロピルアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、トリエチレンテトラアミン、N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミンなどのアミン類、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)などのグリコールエーテル類、カルビトールアセテートなどのグリコールエステル類、メタノール、エタノール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどのアルコール類、イソホロン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、メトキシアセトキシプロパン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などを用いることができる。、
この中でも、アミンなどの窒素(N)原子を含む溶媒及びDMSOなどの硫黄(S)原子を含む溶媒の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0025】
特に、次の2種類の剥離液が前述のウレタン系の感光性フィルムに対する剥離特性の高さの点で好ましい。
1つは、ジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンを、重量比で5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10の割合で混合してなる剥離液である。この場合、主に膨潤により剥離が進むと考えられる。
他の1つは、ジメチルスルホキシド及びN−メチル−2−ピロリドンを重量比で5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10の割合で混合してなる剥離液である。この場合、主に溶解により剥離が進むと考えられる。
【0026】
なお、本発明の剥離液は、極性溶媒を主成分とするものであるが、その他の成分を含んでいてもよいのは勿論である。極性溶媒以外の有機溶媒や有機化合物、少量の水、無機物など必要に応じて含有していてもよい。
本発明の剥離液は極性溶媒であるから、有機材料である感光性フィルムに対する溶解性や親和性が高く、硬化した状態の感光性フィルムを基板から容易に剥離させる。
【0027】
以上の本発明の剥離液は、様々な分野において、感光性フィルムを用いて基板をサンドブラスト加工した後のフィルムの剥離方法に利用することが可能である。
すなわち、本発明の剥離方法は、基板上に設けられた感光性樹脂フィルムをマスクとして前記基板にサンドブラスト加工を施した後、基板上の感光性樹脂フィルムを剥離するための剥離方法であって、上記で説明した剥離液によって剥離することを特徴とする。
具体的には、本発明の剥離液の中に感光性フィルムの付着した基板を浸漬するなどの方法が挙げられるが、浸漬する際、必要であれば剥離液を加熱したり、攪拌してもよい。浸漬に限らず、感光性フィルムに対して剥離液をノズル等で噴射してもよい。
本発明の剥離液を用いる剥離方法であれば、ガラス基板上の感光性フィルムを残渣なく完全に除去することができる。
【0028】
本発明の剥離液及び剥離方法は工芸品の製造などにも使用することができるし、最近では、各種電子装置、表示装置の製造にも応用することができる。
【0029】
特に、PDPの製造工程においてガラス基板を直接パターニングし、バリアリブを形成する際の剥離方法に使用する剥離液として好適に用いることができる。
具体的には、まず、ガラス基板上に、感光性フィルムを設け、該フィルムを露光・現像することで、感光性フィルムを所定形状のパターンに形成する。次いで、このパターンをマスクとして、ガラス基板をサンドブラスト加工し、マスク形状に従った凹凸を形成する。そしてガラス基板全体を本発明の剥離液の入った溶媒槽に浸漬し、凸部分上の感光性フィルムを完全に剥離除去する。基板を溶媒槽から取り出し、必要に応じてイソプロピルアルコールなどでリンスして表面の溶媒を完全に飛ばす。ガラス基板には凹凸が形成され、凸部分を前記バリアリブとして用いることができる。
このように本発明の剥離液及び剥離方法であれば感光性フィルムを残渣なく剥離できるので、焼成工程がなくガラス基板そのものでバリアリブを形成する上記のPDPの製法を実現することができる。
【0030】
【実施例】
次に実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例で「剥離に要した時間」とは、感光性フィルムを剥離液に浸漬し始めてから、観察により基板から感光性フィルムが剥離したと判断できるまでの時間である。また、以下の実施例、比較例はいずれも、PDPの製造工程においてガラス基板そのものにバリアリブを形成することを想定したもので、使用するテストマスクはPDPのバリアリブに対応する形状を有する。
【0031】
<実施例1>
分子内にウレタン結合を有し、末端にアクリル基を有するウレタンアクリレートである紫光UV−3000K80(日本合成化学社製;メチルエチルケトン20重量%含有)43.8重量部に、セルロースフタレートアセテート(イーストマンコダック社製:商品名CAP)のメチルエチルケトン25重量%溶液60重量部を混合し、次いで2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド2重量部、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩0.005重量部、オイルブルー613(オリエント化学社製)0.1重量部を加えて溶解し、感光性樹脂組成物を調製した。
また、別にポリビニルアルコール(クラレ社製;商品名PVA−405、ケン化度80モル%、重合度500)10重量%溶液10重量部にポリエチレングリコール(平均重量分子量400)0.5重量部を加え、攪拌、混合した水溶性樹脂溶液を38μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にバーコーターを用いて乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布して水溶性樹脂層とした。
この水溶性樹脂層上に上記した感光性樹脂組成物をアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布して感光性樹脂層を形成したのち、シリコーンコーティング処理した75μmのPETフィルムを気泡が残らないようにゴムローラーでラミネートしてフィルム状感光性樹脂を作製した。
次いで、得られたフィルム状感光性樹脂の75μmのPETフィルムを剥がし、表出した感光性樹脂層を80℃に温めたガラス基板面にラミネーターを用いてラミネートし、38μmPETフィルムを除去して水溶性樹脂層を露出させた。この水溶性樹脂層にテストマスクを密着させ、3.5kwの超高圧水銀灯により250mJ/cmの照射量で露光を行った。次いで液温30℃の0.2重量%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現象を行い、感光フィルムを所定パターン形成した。
次に、得られた感光フィルムのパターンをマスクとして、シナノランダムCP600(信濃電気製錬社製)の研磨剤、SC−3B−302(不二製作所製)のサンドブラスト装置にて以下の条件でサンドブラスト処理し、露出部のソーダガラスを切削除去したのち、N−メチル−2−ピロリドン40重量%、ジメチルスルホキシド60重量%からなる剥離液の40℃液に浸漬して残存する感光フィルムのパターンを剥離除去した。剥離に要した時間は45秒間であり、残存する感光フィルムは確認できなかった。
【0032】
サンドブラスト処理の処理条件は以下に示す通りである。
サンドブラスト装置:SC−3B−302(不二製作所製)
研磨剤:シナノランダムCP−600(信濃電気製錬社製)
圧力:5kg/cm
加工基板サイズ:10cm×10cm
基板移動スピード:80mm/min.
隔壁間ピッチ:300μm(スペース線幅/ライン線幅=100μm/200μm)
加工深さ:100μm
【0033】
<比較例1>
実施例1と同様にソーダガラス基板上に感光フィルムのパターンを形成後、サンドブラスト処理した。次いで、1重量%のモノエタノールアミン水溶液からなる剥離液(40℃)に浸漬して感光フィルムの剥離除去を試みた。剥離に要した時間は81秒間であり、部分的に感光フィルムが残存しているのが確認された。
【0034】
<比較例2>
実施例1と同様にソーダガラス基板上に感光フィルムのパターンを形成後、サンドブラスト処理した。次いで、3重量%の水酸化ナトリウム水溶液からなる剥離液(40℃)に浸漬して感光フィルムの剥離除去を試みた。剥離に要した時間は51秒間であり、部分的に感光フィルムが残存しているのが確認された。
【0035】
<実施例2>
実施例1で調整した感光性樹脂組成物で用いたセルロースフタレートアセテートを、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(信越化学工業社製;商品名HPMCAP)の25重量%溶液に代えた以外は、実施例1と同様にして感光性フィルムを所定パターン形成した。
次に、得られた感光フィルムのパターンをマスクとして、実施例1同様の研磨剤とサンドブラスト装置及び処理条件にてサンドブラスト処理し、露出部のソーダガラスを切削除去したのち、モノエタノールアミン30重量%、ジメチルスルホキシド70重量%からなる剥離液の40℃液に浸漬して残存する感光フィルムのパターンを剥離除去した。剥離に要した時間は85秒間であり、残存する感光フィルムは確認できなかった。
【0036】
<比較例3>
実施例2と同様にソーダガラス基板上に感光フィルムのパターンを形成後、サンドブラスト処理した。次いで、12重量%のモノエタノールアミン水溶液からなる剥離液(40℃)に浸漬して感光フィルムの剥離除去を試みた。剥離に要した時間は56秒間であり、部分的に感光フィルムが残存しているのが確認された。
【0037】
<比較例4>
実施例2と同様にソーダガラス基板上に感光フィルムのパターンを形成後、サンドブラスト処理した。次いで、1重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる剥離液(40℃)に浸漬して感光フィルムの剥離除去を試みた。剥離に要した時間は51秒間であり、部分的に感光フィルムが残存しているのが確認された。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、この剥離液は極性溶媒を主成分とすることから、従来の水溶液系の剥離液よりは基板上の感光性樹脂フィルムに対する親和性あるいは溶解性が高く、剥離特性が良好で、フィルムを残渣なく基板から除去することができる。

Claims (6)

  1. 基板をサンドブラスト加工するために基板上にマスクとして設けられる感光性樹脂フィルムを、サンドブラスト加工後に剥離するための剥離液において、
    極性溶媒を主成分とすることを特徴とする剥離液。
  2. 極性溶媒として、窒素原子を含む溶媒及び硫黄原子を含む溶媒の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の剥離液。
  3. 極性溶媒であるジメチルスルホキシド及びモノエタノールアミンを、重量比で5:95〜95:5の割合で混合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の剥離液。
  4. 極性溶媒であるジメチルスルホキシド及びN−メチル−2−ピロリドンを重量比で5:95〜95:5の割合で混合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の剥離液。
  5. 基板上に設けられた感光性樹脂フィルムをマスクとして前記基板にサンドブラスト加工を施した後、感光性樹脂フィルムを剥離するための剥離方法であって、
    請求項1〜4のいずれか記載の剥離液によって剥離することを特徴とする剥離方法。
  6. 前記基板は、プラズマディスプレイパネル用のガラス基板であることを特徴とする請求項5に記載の剥離方法。
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