JPH06161098A - サンドブラスト用感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム - Google Patents

サンドブラスト用感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム

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JPH06161098A
JPH06161098A JP33515592A JP33515592A JPH06161098A JP H06161098 A JPH06161098 A JP H06161098A JP 33515592 A JP33515592 A JP 33515592A JP 33515592 A JP33515592 A JP 33515592A JP H06161098 A JPH06161098 A JP H06161098A
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photosensitive
film
photosensitive resin
resin composition
water
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JP33515592A
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Hiroyuki Obitani
洋之 帯谷
Akihiko Saito
明彦 斉藤
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐ブラスト性能の大幅に向上したサンドブラ
スト用感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィル
ムを提供する。 【構成】 アクリルウレタンオリゴマーに、セルロース
フタレートアセテートを混合し、次いでジメチルベンジ
ルケタール、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
アルミニウム塩、オイルブルー613を加えて溶解し、
感光性樹脂組成物を調製した。また別途にポリビニルア
ルコールにポリエチレングリコールを加え、攪拌、混合
した水溶性樹脂溶液をPETフィルム1上に塗布して水
溶性樹脂層2とした。更にこの上に、上記感光性樹脂組
成物を塗布して感光性樹脂組成物層3とし、最後に離型
フィルム4を載せて一体化し、感光性フィルムとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、セラミック、
石材、木材、陶磁器、プラスチック等の表面に、文字、
写真画、模様等の彫刻を効率よく行うための、サンドブ
ラスト用感光性樹脂組成物及びこれを用いた積層フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス、セラミック、石材等の表
面に、サンドブラストにより画像を形成させる方法とし
て、基材の表面に、ゴム板、紙等を貼り付け、カッター
等で切り抜き、パターニングした後にサンドブラストす
る方法、或いはスクリーン印刷法により、レジストイン
クをパターン印刷・乾燥した後にサンドブラストする方
法が知られている。
【0003】また特開昭60-10242号公報には、末端にエ
チレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーと単官
能エチレン性不飽和化合物とを含有する、スクリーン印
刷可能なサンドブラスト用光硬化性樹脂化合物が開示さ
れている。更に、特開昭60-104938号公報並びに特開昭6
0-104939号公報にも同じく末端にエチレン性不飽和基を
有する不飽和ポリウレタンとエチレン性不飽和化合物を
含有する、サンドブラスト用転写材が開示されている。
【0004】上記の他、特開平2-69754号公報には、共
に水現像可能な感光性樹脂組成物と感光性粘着組成物と
を積層した彫食刻マスク用感光性積層フィルム(ドライ
フィルム)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のゴム、
紙等をカッターで切り抜く方法は、煩雑なため時間が掛
かり、作業能率が上がらないという問題がある。またポ
リウレタン樹脂と単官能エチレン性不飽和化合物とを用
いた感光性樹脂による画像マスクを転写するとき、この
感光性樹脂が液状であるためその取り扱いや膜厚制御が
難しいばかりでなく、解像度及び被彫食刻材との密着度
が十分でないという難点がある、更に、上記彫食刻マス
ク用感光性積層フィルムについては、現像液が水である
ため、作業上の安全性は確保されるが、深いブラストエ
ッチングを行う場合にはレジストの摩耗が激しい。そこ
でレジスト膜を厚くしようとすると、特に100μm以
上では乾燥時にジアゾ樹脂が熱分解する等の理由によっ
て作成困難となり、形成された感光性フィルムマスクは
グレードの低いものとなる。また粘着剤を用いる転写の
ため、電子部品等の精密な位置合わせを必要とする場合
には適さない。
【0006】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、作業性が良く、且つ耐ブラスト性も良好な感光
性樹脂組成物及び感光性フィルムを提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、末端にエチレン性不飽和二重結合を有するウレ
タンオリゴマーを主成分とし、光重合開始剤を含むサン
ドブラスト用感光性樹脂組成物において、この組成物に
更にセルロース誘導体を含有する感光性樹脂組成物に関
する。
【0008】また本発明は、可撓性フィルム上に、水溶
性樹脂層、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光
性樹脂組成物層及び離型フィルムがこの順に積層された
サンドブラスト用に好適な感光性フィルムに関するもの
でもある。
【0009】本発明に係る末端にエチレン性不飽和二重
結合を有するウレタンオリゴマーは、ポリオール成分と
イソシアネート成分とをイソシアネート基過剰の状態で
反応させて末端NCOのプレポリマーとし、これに水酸
基含有のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反
応させ、分子量30,000以下のオリゴマーとするこ
とによって形成できる。
【0010】このウレタンオリゴマーは、分子内にウレ
タン結合を4個以上持つことが好ましい。ウレタン結合
が4個未満の場合には、耐サンドブラスト性が極端に低
下する。また前記エチレン性不飽和二重結合はウレタン
オリゴマーの末端に少なくとも2個以上あることが好ま
しい。このエチレン性不飽和二重結合が1つの単官能モ
ノマーの場合には、硬化後に十分な被膜強度をを得るこ
とができない。
【0011】上記ポリオール成分の例としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のジ
オールとアジピン酸、無水フタル酸等の2塩基酸との反
応によって得られるポリエステルポリオール類が挙げら
れる。またイソシアネート成分の例としては、2,4−
トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0012】上記水酸基含有のエチレン性不飽和二重結
合を有する化合物としては、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、或いはこれらとε-カプロラクト
ン等とを反応させたもの、更には、アクリル酸、メタク
リル酸と、上記ポリオール成分とのエステル化物等が挙
げられる。
【0013】本発明に係るセルロース誘導体は、感光性
フィルムに用いる感光性樹脂組成物を形成するに好適な
化合物であり、上記ウレタンオリゴマーとの相容性が良
いこと、被彫食刻材との接着性が良いこと、前記可撓性
フィルムからの剥離性が良いこと、並びに現像液によっ
て容易に除去できること等の要件を満たすものである。
このようなセルロース誘導体としては、カルボキシル基
を有するものが好ましく、特にセルロースアセテートフ
タレートが好ましい。このセルロース誘導体は、前記ウ
レタンオリゴマー100重量部に対して10〜100重
量部加えることが好ましい。
【0014】本発明に係る光重合開始剤としては光分解
型、水素移動型等が使用できる。具体例としては、1−
クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノ
ン、N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3−
ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ミヒラーズ
ケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、2,4,6−(トリハロメチル)トリアジン、2
−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾリル二量体、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントン、9−フェニルアクリジン、1,7−
ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9
−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリ
ジニル)プロパン、トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド等が挙げられる。光重合開始剤は前記
エチレン性不飽和二重結合を末端に有するウレタンオリ
ゴマーに対して0.1〜10重量%添加することが好ま
しい。
【0015】上記の他、感光性樹脂組成物には種々の添
加剤を加えてよい。例えば、前記光重合開始剤の増感剤
としてトリエタノールアミン、pージメチルアミノ安息
香酸イソアミルエステル、pージメチルアミノ安息香酸
エチルエステル他、各種のアミンを加えることができ
る。また、現像性を維持するためカルボキシベンゾトリ
アゾール、マレイン酸無水物等の有機酸を添加すること
もできる。また重合禁止剤、可塑剤、染料、顔料等必要
に応じ従来公知のものを適宜使用することができる。
【0016】図1に本発明の感光性フィルムの例を示
す。可撓性のフィルム1上に水溶性樹脂層2が塗布さ
れ、その上に本発明の感光性樹脂組成物層3が形成され
ている。また、更にその上には、離型フィルム4が載せ
られて一体化されている。
【0017】フィルム1は本発明の感光性樹脂組成物層
3を支持するものであり、適度な可撓性を有する必要が
あるため、16〜125μm厚のポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムが好ましいが、この他にポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル等の合成樹脂フィルムも使用できる。
【0018】水溶性樹脂層2は感光性樹脂の酸素減感作
用を防止し、また露光時のマスクパターンの粘着を防止
するものであり、現像液によって除去可能なように水溶
性である必要がある。このような材料の好適な例として
は、ポリビニルアルコール又は部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル等の変性ポリビニルアルコールが挙げられる。またこ
れら水溶性樹脂層2の材料100重量部に、更に可撓性
フィルムからの離型性を良くすることを目的にエチレン
グリコール、プロピレングリコール、又はこれらの縮合
物或いは誘導体の中から選ばれる1種以上のオキシアル
キレン化合物を0.001〜10重量部添加することも
好ましい。水溶性樹脂層2は5〜20重量%の水溶液を
用いて、バーコーター、ロールコーター、カーテンフロ
ーコーター等により乾燥厚1〜10μmとなるように塗
布することにより得られる。この厚さが1μm未満では
粘着を生じる場合があり、10μmを超えると解像性が
悪くなる傾向がある。水溶液の調製に際しては、液の粘
度、消泡等を考慮して親水性溶媒、例えばメタノール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、アセトン等を
加えてもよい。
【0019】感光性樹脂組成物層3は、セルロース誘導
体を含有する本発明のサンドブラスト用感光性樹脂組成
物であり、アプリケーター、バーコーター、ロールコー
ター、カーテンフローコーター等により乾燥厚10〜
1,000μmとなるように塗布したものである。
【0020】離型フィルム4は、未使用時に感光性樹脂
組成物層3を安定して保護しておくためのものであり、
使用時には剥ぎ取られる。従って、未使用時には剥がれ
難く、使用に際しては容易に剥がすことのできる適度な
離型性を有する必要がある。このような条件を満たす離
型フィルム4としては、シリコーンをコーティング、特
に焼き付けコーティングした厚さ16〜125μmのP
ETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム等が好適である。
【0021】図2は、前記によって作成した感光性フィ
ルムを用いて彫食刻する方法を示したものである。同図
(a)では、図1に示したドライフィルムの離型フィル
ム4を剥ぎ取り、上下逆さにして被彫食刻材5上に密着
させている。感光性樹脂組成物層3には前記ウレタンオ
リゴマー誘導体が添加されているため、上記密着性は非
常に良好である。
【0022】次に同図(b)で、マスクパターン6を水
溶性樹脂層2に密着させ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、アーク灯、キセノンランプ等を用いて紫外
線7を露光させる。また紫外線の他にエキシマレーザ
ー、X線、電子線等を照射することもできる。露光後に
マスクパターン6を取り去り、現像を行う。
【0023】同図(c)は現像後の様子を示したもので
ある。現像によって、水溶性樹脂層2、及び感光性樹脂
組成物層3の内の紫外線非露光部が除去され、露光部の
樹脂層8のみが残留している。この現像に用いる現像剤
としては、汎用のアルカリ現像液を用いることができ
る。現像液に用いるアルカリ成分の例としてはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属の水酸化物、
炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ベンジル
アミン、ブチルアミン等の第1級アミン、ジメチルアミ
ン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン等の第2級
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエ
タノールアミン等の第3級アミン、モルホリン、ピペラ
ジン、ピペリジン、ピリジン等の環状アミン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルア
ンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモ
ニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類、
トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチル
スルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニ
ウムヒドロキシド等のスルホニウムヒドロキシド類、そ
の他コリン、ケイ酸塩含有緩衝液等が挙げられる。
【0024】本発明の感光性樹脂組成物には前記セルロ
ース誘導体が添加されているため、上記現像液によって
非露光部を容易に除去することができると共に、得られ
る樹脂層の強度が向上し、耐ブラスト性も向上する。
【0025】同図(d)は、サンドブラスト後の様子を
示すものである。樹脂層8は従来の感光性フィルムに比
較して耐摩耗性が高いため、目的の深さの彫食刻が終了
する前に摩滅してしまうことがない。また前記のように
樹脂層8と被彫食刻材5との密着性が高いため、微細な
パターンであっても剥離することがなく、サンドブラス
ト時の彫食刻精度が高くなる。最後に、樹脂層8をアル
カリ水溶液で剥離させて彫食刻された製品を完成する
(同図e)。
【0026】
【作用】本発明の感光性樹脂組成物或いはサンドブラス
ト用感光性フィルムを用いることによって、現像時に非
露光部分の除去が容易となり、被彫食刻材と樹脂層との
密着度が改良され、又サンドブラスト時の耐摩耗性が上
昇する。
【0027】
【実施例】以下に本発明に基づく実施例を説明する。実施例1〜8 分子内にウレタン結合を有し、末端にアクリル基を有す
るウレタンアクリレートであるUV−3000B K8
0(日本合成化学製;メチルエチルケトン20重量%含
有、ウレタン結合4個)43.8重量部に、セルロース
フタレートアセテート(和光純薬製;商品名KC−7
1)のメチルエチルケトン25重量%液60重量部を混
合し、次いでジメチルベンジルケタール4重量部、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
0.005重量部、オイルブルー613(オリエント化
学製)0.1重量部を加えて溶解し、本発明に基づく感
光性樹脂組成物溶液を調製した。
【0028】また別途にポリビニルアルコール(クラレ
製;商品名PVA−405;ケン化度80モル%、重合
度500)10%溶液10部にポリエチレングリコール
(平均分子量400)0.5重量部を加え、攪拌、混合
した水溶性樹脂溶液を75μm厚のPETフィルム上
に、バーコーターを用いて乾燥後膜厚が5μmとなるよ
うに塗布して水溶性樹脂層とした。
【0029】更にこの上に、上記感光性樹脂組成物をア
プリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が50μmとなる
ように塗布して感光性樹脂組成物層とした後、シリコー
ンコーティング処理した40μmのポリエチレンフィル
ムを気泡が残らないようにゴムローラーでラミネートし
て本発明に基づくフィルム状感光性樹脂を完成した。ま
た同様にして、乾燥後の膜厚が100μmのものも用意
した。
【0030】得られたフィルム状感光性樹脂のポリエチ
レンフィルム層を剥がし、表出した感光性樹脂組成物層
を80℃に暖めたガラス面にゴムローラーを用いてラミ
ネートし、上記PETフィルムを除去して水溶性樹脂層
を露出させた。この水溶性樹脂層に200、150、1
25、100、80、70、60、50及び40μmの
線幅を有する試験用パターンマスクを密着させ、超高圧
水銀灯により50、100、150及び200mJ/c
2の照射量で紫外線露光を行った。続いて液温が25
℃の0.2%Na2CO3水溶液により、1.2kg/c
2の噴射圧で、膜厚が50μmのものについては70秒
間、100μmについては120秒間のスプレー現像を
行った。
【0031】各膜厚での密着/解像(line/spa
ce)を(表1)に示す。ここで「密着」は、上記20
0、150、125、100、80、70、60、50
及び40μmの線幅に形成した各樹脂層の内、20℃に
おける剥離抵抗値が300g/cm2以上ある最も細い
線幅の値を示したものであり、数値が小さいほど密着性
が良いことを表わす。また、「解像」は、隣接する線と
接触しない最も細い線幅の値を示したものであり、数値
が小さいほど解像度が高いことを表わす。
【0032】
【表1】
【0033】比較例1〜8 実施例1〜8のセルロースフタレートアセテートのメチ
ルエチルケトン溶液の代りに、分子量40,000、酸
価22である、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂
の40重量%メチルエチルケトン溶液を37.5重量%
添加した以外は実施例1〜8と同様にして密着/解像を
調べた。この結果も同じく(表1)に示した。
【0034】(表1)に記載の結果から、本発明に係る
実施例の樹脂層は、露光量が50〜200mJ/cm2
の広い範囲に渡って密着性、解像度共に優れていること
が明らかである。一方、セルロース誘導体を用いなかっ
た比較例の樹脂層については、樹脂層厚が100μmの
場合、密着性だけは実施例とほぼ同等であるものの、他
の範囲の密着性及び全ての範囲の解像度について、いず
れも実施例よりもかなり低い値を示した。
【0035】実施例9、10及び比較例9、10 実施例1及び比較例1と同様にして形成した50μm厚
及び100μm厚のフィルムを、80℃に暖めたガラス
面にゴムローラーを用いてラミネートし、PETフィル
ムを除去して水溶性樹脂層を露出させた。そして50μ
m厚のものについては100mJ/cm2、100μm厚
のものについては200mJ/cm2でベタ露光(全面
露光)し、これを研磨剤SiC#600を使用し、ノズ
ル距離50mm、ブラスト圧5kg/cm2でサンドブ
ラストして樹脂層が摩耗して消失するまでの時間を測定
した。この結果を(表2)に示す。
【0036】
【表2】
【0037】(表2)から明らかなように、本発明に係
る樹脂層は比較例のものに対して約2〜3倍の耐摩耗性
を有していた。なお、実施例9及び10について樹脂層
膜厚に対してサンドブラストによる樹脂層摩耗時間をプ
ロットすると図3に示すような曲線を描く。同図のよう
な曲線を作成しておくと、所望のエッチング深さに応じ
て形成すべき膜厚、露光時間を決定することができて便
利である。
【0038】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の感光性
樹脂組成物は露光後の現像が容易であり、形成された樹
脂層は被彫食刻材との密着性が良好と成るため微細なパ
ターンであっても剥離することがなく、サンドブラスト
時の彫食刻精度が高くなる。また耐ブラスト性能が大幅
に向上されるため、感光性樹脂組成物の使用量を低減で
き、また精度の高い彫食刻を行うことができる。更に本
発明の感光性フィルムは上記様々な効果を有する上記感
光性樹脂組成物を含むため、同様の効果と共に、作業性
が著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光性フィルムの例を示す断面図
【図2】本発明の感光性フィルムを用いて彫食刻する方
法を示す工程図
【図3】樹脂層膜厚−樹脂層摩耗時間線図
【符号の説明】
1…フィルム、2…水溶性樹脂層、3…感光性樹脂組成
物層、4…離型フィルム、5…被彫食刻材、8…樹脂
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 513 7/029 7/11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にエチレン性不飽和二重結合を有す
    るウレタンオリゴマーを主成分とし、光重合開始剤を含
    むサンドブラスト用感光性樹脂組成物において、この組
    成物がセルロース誘導体を更に含むことを特徴とする感
    光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記セルロース誘導体がセルロースアセ
    テートフタレートである請求項1に記載の感光性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 可撓性フィルム上に、水溶性樹脂層、請
    求項1に記載の感光性樹脂組成物によって形成された感
    光性樹脂組成物層及び離型フィルムがこの順に積層され
    ていることを特徴とするサンドブラスト用感光性フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記水溶性樹脂層がポリビニルアルコー
    ル、変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも
    一種の高分子化合物と、エチレングリコール、プロピレ
    ングリコール、又はこれらの縮合物若しくは誘導体の中
    から選ばれる少なくとも一種のオキシアルキレン化合物
    との混合物から形成されることを特徴とする請求項3に
    記載の感光性フィルム。
  5. 【請求項5】 前記オキシアルキレン化合物の添加量
    が、前記高分子化合物の固形分に対して0.001乃至
    10重量%である請求項4に記載の感光性フィルム。
  6. 【請求項6】 前記離型フィルムが、シリコーンをコー
    ティングしたポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
    レン、ポリエチレンから選ばれるフィルムである請求項
    3に記載の感光性フィルム。
  7. 【請求項7】 前記シリコーンのコーティングが、焼き
    付けによって処理されたコーティングである請求項6に
    記載の感光性フィルム。
JP33515592A 1992-11-20 1992-11-20 サンドブラスト用感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム Pending JPH06161098A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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