JP3236461U - サンドブラスト用感光性樹脂構成体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐ブラスト性を有すると共に、保存時に硬化前の感光性樹脂層に皺が入り難い、サンドブラスト用感光性樹脂構成体を提供する。【解決手段】支持体1、感光性樹脂層3、カバーフィルム4をこの順に積層したサンドブラスト用感光性樹脂構成体であり、感光性樹脂層3が(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含み、かつ、カバーフィルム4が厚み50~150μmのポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムである。【選択図】図1
Description
本考案は、サンドブラスト用感光性樹脂構成体に関する。
従来、ガラス、石材、金属、プラスチック、セラミック等を切削し、レリーフ形成するに際しては、サンドブラスト処理による加工が行われている。非処理体上にマスク材としてフォトリソグラフィー法等によりパターニングされた感光性樹脂層を設け、しかる後、研磨剤を吹き付けて非マスク部を選択的に切削するサンドブラスト処理が行われている。
このサンドブラスト処理用のマスク材である感光性樹脂層を設けるために用いられるサンドブラスト用感光性樹脂構成体は、支持体、感光性樹脂層、カバーフィルムをこの順に積層した構成を有していることが一般的である。そして、感光性樹脂層は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を含む、ネガ型の感光性樹脂組成物を含有している。また、アルカリ可溶性樹脂としては、セルロース誘導体、または、カルボキシル基含有アクリル樹脂が使用されている(例えば、特許文献1~3)。
感光性樹脂組成物の耐ブラスト性を高くするためには、硬化後の感光性樹脂層の弾性を高くする必要があり、そのために、ウレタン(メタ)アクリレートの配合量の増量や、感光性樹脂層の膜厚を厚くする必要があった。しかしながら、ウレタン(メタ)アクリレートの配合量の増量や、膜厚を厚くすると、硬化前の感光性樹脂層の粘性が増加してしまい、サンドブラスト用感光性樹脂構成体をドライフィルムとして保存中に、感光性樹脂層に皺が入る問題が生じた。その対策として、感光性樹脂層との剥離強度を低くするために、シリコーン等の剥離剤を積層したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがカバーフィルムとして使用されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、剥離剤の転写を嫌う被処理体には使用できないため、他の手段による対策が求められていた。
本考案の課題は、高い耐ブラスト性を有すると共に、保存時に硬化前の感光性樹脂層に皺が入り難い、サンドブラスト用感光性樹脂構成体を提供することである。
本考案者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、支持体、感光性樹脂層、カバーフィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性樹脂構成体において、感光性樹脂層が(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含み、かつ、カバーフィルムの厚みが50~150μmのポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムであることを特徴とするサンドブラスト用感光性樹脂構成体によって上記課題を解決した。
本考案のサンドブラスト用感光性樹脂構成体は、耐サンドブラスト性を向上するために、感光性樹脂層の粘性が増加した際や、感光性樹脂層の厚みを厚くした際に、従来から問題であった、保存時に硬化前の感光性樹脂層に皺が発生する問題を抑制できる効果が得られる。また、シリコーン等の剥離剤を積層したPETカバーフィルムを使用しないため、剥離剤の転写を嫌う被処理体への使用が可能となる。
以下、本考案のサンドブラスト用感光性樹脂構成体について詳細に説明する。本考案のサンドブラスト用感光性樹脂構成体は、支持体、感光性樹脂層、カバーフィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性樹脂構成体であり、感光性樹脂層が(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含み、かつ、カバーフィルムの厚みが50~150μmのポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムであることを特徴とする。
(A)アルカリ可溶性樹脂としては、以下に記載するアルカリ可溶性セルロース誘導体、カルボキシル基含有アクリル樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性セルロース誘導体としては、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等が挙げられる。
カルボキシル基含有アクリル樹脂としては、(メタ)アクリレートを主成分とし、これにエチレン性不飽和カルボン酸を共重合させてなるアクリル系重合体が挙げられる。また、その他の共重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体を共重合させてもよい。
上記(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸が好適に用いられ、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸や、それらの無水物やハーフエステルを用いることもできる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-エトキシスチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ビニル-n-ブチルエーテル等が挙げられる。
(A)アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30~500mgKOH/gであることが好ましく、100~300mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が、30mgKOH/g未満ではアルカリ現像の時間が長くなる傾向があり、一方、500mgKOH/gを超えると、耐ブラスト性が低下する場合がある。
また、(A)アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量は、10,000~200,000であることが好ましく、10,000~150,000であることがより好ましい。質量平均分子量が、10,000未満では本考案の感光性樹脂組成物を被膜状態に形成するのが困難になることがあり、一方、200,000を超えるとアルカリ現像液に対する溶解性が悪化する傾向がある。
(B)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N,N′,N′-テトラメチル-4,4′-ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N′,N′-テトラエチル-4,4′-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4′-ジメチルアミノベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパノン-1等の芳香族ケトン;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ビス(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9′-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N-フェニルグリシン、N-フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。上記2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5-トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。
(C)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、多価ヒドロキシル基を有する化合物と多価イソシアネート化合物とが反応した末端イソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物との反応生成物が挙げられる。前記多価ヒドロキシル基を有する化合物としては、ヒドロキシル基を有するポリエステル類、ポリエーテル類等が挙げられるが、ポリエステル類としては、ラクトン類が開環重合したポリエステル類、ポリカーボネート類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコールと、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸との縮合反応で得られたポリエステル類が挙げられる。前記ラクトン類としては、具体的にはδ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、α-メチル-β-プロピオラクトン、β-メチル-β-プロピオラクトン、α,α-ジメチル-β-プロピオラクトン、β,β-ジメチル-β-プロピオラクトン等が挙げられる。また、前記ポリカーボネート類としては、具体的にはビスフェノールA、ヒドロキノン、ジヒドロキシシクロヘキサノン等のジオールと、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、無水コハク酸等のカルボニル化合物との反応生成物が挙げられる。また、前記ポリエーテル類としては、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール等を挙げることができる。
上記多価ヒドロキシル基を有する化合物と反応する多価イソシアネート化合物としては、具体的にはジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,5-ジメチルヘキサン-1,6-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタン-1,5-ジイソシアネート、ナノメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式のジイソシアネート化合物を挙げることができ、その化合物の単独または2種類以上の混合物が使用できる。
さらに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、具体的にはヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができ、またそれらにε-カプロラクトンを1~10mol付加した化合物等を挙げられる。
本考案に係わる(C)ウレタン(メタ)アクリレートは、カルボキシル基を含有していてもよい。カルボキシル基を含有することで、樹脂層除去液に対する溶解性が向上する傾向にある。カルボキシル基を含有する(C)ウレタン(メタ)アクリレートは、最初に、ジイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物とを両末端にイソシアネート基が残るように反応させ次いでこの反応物の末端イソシアネート基に、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させる等によって得ることができる。
本考案の感光性樹脂層には、必要に応じて、上記成分(A)~(C)以外の成分を含有させてもよい。このような成分としては、光重合性単量体、溶剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、光減色材、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱硬化剤、撥水剤及び撥油剤等が挙げられ、各々0.01~20質量%程度含有することができる。これらの成分は1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記光重合性単量体とは、成分(C)ウレタン(メタ)アクリレート以外の、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物である。例えば、多価アルコールにα,β-不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β-不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの光重合性化合物は単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記光重合性単量体としては、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物を使用してもよい。分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレートのうち少なくとも1種を含有するものが挙げられる。
感光性樹脂組層において、成分(A)の配合量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、15~65質量%であることが好ましく、25~45質量%であることがより好ましい。成分(A)の配合量が15質量%未満では、被膜性が悪くなる場合があり、アルカリ現像性が低下する場合がある。成分(A)の配合量が65質量%を超えると、耐ブラスト性が低下する場合がある。
成分(B)の配合量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して0.1~10質量%であることが好ましく、0.2~5質量%であることがより好ましい。成分(B)の配合量が0.1質量%未満では、光重合性が不十分となる傾向がある。一方、10質量%を超えると、露光の際に感光性樹脂層の表面で吸収が増大して、感光性樹脂層内部の光架橋が不十分となる傾向がある。
成分(C)の配合量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して30~80質量%であることが好ましく、40~70質量%であることがより好ましい。成分(C)の配合量が30質量%未満では、耐ブラスト性が低下する傾向があり、また、光感度が不十分となる傾向がある。一方、80質量%を超えると、膜表面の粘着性が増加する傾向にある。
本考案のサンドブラスト用感光性樹脂構成体は、図1に示すように、支持体1、感光性樹脂層3、カバーフィルム4が積層したドライフィルムの構成体である。また、図2に示すように、支持体1、剥離層2、感光性樹脂層3、カバーフィルム4が積層したドライフィルムの構成としてもよい。
支持体1としては、活性光線を透過させる透明フィルムが好ましい。支持体1の厚みは、薄い方が光の屈折が少ないので好ましく、厚い方が塗工安定性に優れるため、10~100μmが好ましい。支持体1に適したフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のフィルムが挙げられる。剥離層2としては、ポリビニルアルコール、アルカリ可溶性樹脂とウレタン(メタ)アクリレートの混合物などが挙げられる。感光性樹脂層3は、感光性樹脂組成物からなる層である。感光性樹脂層3の乾燥膜厚は、厚い方が耐サンドブラスト性に優れるため好ましく、厚すぎると解像性が低下することから、10~150μmであることが好ましく、30~120μmであることがより好ましい。カバーフィルム4とは、未硬化又は硬化した感光性樹脂層3を剥離できればよく、離型性の高い樹脂が用いられる。本考案では剥離性が高く、感光性樹脂層3との密着性が良好なことから、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムを用いる。
カバーフィルム4の厚みは、厚い方が感光性樹脂構成体の保存時の皺発生を抑制する効果が得られることから好ましく、厚すぎると任意の長さのロール形態とした際にロール径が大きくなり、取り扱い性の低下、コスト高等の問題も発生し易くなることから、50~150μmであり、75~120μmがより好ましい。薄すぎると保存時に皺が発生し易くなることから好ましくない。また、カバーフィルム4が、感光性樹脂層3との剥離強度を低下するシリコーン等の離型剤が積層されたポリエステルフィルム等である場合、剥離剤が露光用マスクフィルム(フォトマスク)や被処理体へ転写する可能性があることから好ましくない。
以下実施例によって本考案を更に詳しく説明するが、本考案はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1~10、比較例1~4)
以下に示す感光性樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(支持体1、商品名:R310、25μm厚、三菱ケミカル社製)上に塗工し、80℃で8分間乾燥し、溶剤成分をとばし、PETフィルムの片面上に感光性樹脂層3(乾燥膜厚:100μm)を塗布し、表1に示すカバーフィルム4を感光性樹脂層3上にラミネートして密着させて、実施例1~10、比較例1~4のサンドブラスト用感光性樹脂構成体を作製した。
以下に示す感光性樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(支持体1、商品名:R310、25μm厚、三菱ケミカル社製)上に塗工し、80℃で8分間乾燥し、溶剤成分をとばし、PETフィルムの片面上に感光性樹脂層3(乾燥膜厚:100μm)を塗布し、表1に示すカバーフィルム4を感光性樹脂層3上にラミネートして密着させて、実施例1~10、比較例1~4のサンドブラスト用感光性樹脂構成体を作製した。
(感光性樹脂組成物の調製)
以下に示す成分を混合して、感光性樹脂組成物を得た。各成分配合量の単位は、質量部を表す。
(A)セルロースアセテートフタレート(和光純薬社製) 17部
(B-1)2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体 1.5部
(B-2)N,N,N′,N′-テトラエチル-4,4′-ジアミノベンゾフェノン 0.2部
(C)紫光(登録商標)UV-3000B(日本合成化学工業社製) 32部
(光重合性単量体) ペンタエリスリトールトリアクリレート 6部
(顔料) フタロシアニングリーン 0.1部
メチルエチルケトン(MEK) 43.2部
以下に示す成分を混合して、感光性樹脂組成物を得た。各成分配合量の単位は、質量部を表す。
(A)セルロースアセテートフタレート(和光純薬社製) 17部
(B-1)2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体 1.5部
(B-2)N,N,N′,N′-テトラエチル-4,4′-ジアミノベンゾフェノン 0.2部
(C)紫光(登録商標)UV-3000B(日本合成化学工業社製) 32部
(光重合性単量体) ペンタエリスリトールトリアクリレート 6部
(顔料) フタロシアニングリーン 0.1部
メチルエチルケトン(MEK) 43.2部
保存時における皺の発生を調べるために、上記サンドブラスト用感光性樹脂構成体を20cm×20cmにカットして、黒ポリ袋にいれ、30℃、60%R.H.の雰囲気に8日間保存した。保存後取り出し、感光性樹脂層3の皺を確認したところ、実施例1及び6のサンドブラスト用感光性樹脂構成体には、若干の波打ちはあるものの、感光性樹脂層3に皺の発生は見られなかった。実施例2~4、実施例7~9のサンドブラスト用感光性樹脂構成体は、感光性樹脂層3に皺の発生はなかった。実施例5及び実施例10のサンドブラスト用感光性樹脂構成体では、感光性樹脂層3に皺は発生しないものの、ややコスト高となった。一方、比較例1及び比較例3のサンドブラスト用感光性樹脂構成体は、感光性樹脂層3に皺の発生が見られた。また、比較例2及び比較例4は、感光性樹脂層3に皺は発生しないものの、コスト高となり、実施例5及び実施例10に比べて、改善性が見られなかった。よって、カバーフィルム4が厚み50~150μmのポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムであることによって、サンドブラスト用感光性樹脂構成体の皺発生を抑制できることが分かる。
上記の保存後のサンドブラスト用感光性樹脂構成体を、カバーフィルム4を剥がした後に、感光性樹脂層3が接するように、3mm厚みのガラス板に貼り付け、次に、50、70、100、150、200μmライン&スペースのパターンを有するフォトマスクを介して露光した。次に、支持体1を剥がし、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液にてアルカリ現像を実施し、非露光部の感光性樹脂層3を除去した。この際、実施例1~10及び比較例2と比較例4については、100μmライン&スペースを解像できることが分かった。一方、比較例1及び比較例3については、感光性樹脂層3の皺の影響で、フォトマスクが密着できず、レリーフ画像の形成ができなかった。
次に、炭化珪素粉(ナニワ研磨工業製、GC#1200)を用いて、サンドブラスト処理を実施した。実施例1~10及び比較例2と比較例4については、深さ方向へ1mmまで切削でき、耐ブラスト性は良好であった。
本考案は、広くサンドブラスト用感光性樹脂構成体として利用できる。
1 支持体
2 剥離層
3 感光性樹脂層
4 カバーフィルム
2 剥離層
3 感光性樹脂層
4 カバーフィルム
Claims (1)
- 支持体、感光性樹脂層、カバーフィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性樹脂構成体において、感光性樹脂層が(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含み、かつ、カバーフィルムの厚みが50~150μmのポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムであることを特徴とするサンドブラスト用感光性樹脂構成体。
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