JP2004010566A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)含硫黄アミン化合物で部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に、フェノールとアセトンとを縮合反応させる工程、
(2)反応生成液から未反応のアセトン、未反応のフェノールの一部及び生成水を蒸留によって除去して晶析原料を得る工程、
(3)該晶析原料からビスフェノールAのフェノール付加物(アダクト)を晶出させて固液分離する工程、及び
(4)該ビスフェノールAのフェノール付加物からフェノールを除去してビスフェノールAを得る工程;並びに
(5)固液分離した母液の少なくとも一部を強酸性イオン交換樹脂で処理して母液処理液を得る工程、及び
(6)工程(5)で得られた母液処理液を、処理液中のフェノールの一部を除去した後、工程(2)で得られた晶析原料と共に工程(3)に供給する工程
を含むことを特徴とするビスフェノールAの製造方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]の製造方法の改良に関し、さらに詳しくは、含硫黄アミン化合物で部分的に変性された強酸性イオン交換樹脂触媒を用い、フェノールとアセトンとを縮合させてビスフェノールAを製造する方法であって、色相及び純度に優れたビスフェノールAを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノールAはポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂などのエンジニアリングプラスチック、あるいはエポキシ樹脂などの原料として重要な化合物であることが知られており、近年その需要はますます増大する傾向にある。特にポリカーボネート樹脂用原料には、着色がなく、高純度のものが要求されている。
ビスフェノールAは、通常、フェノールとアセトンとを酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造される。反応生成物は、ビスフェノールAの他に、未反応フェノール、未反応アセトン、触媒、反応副生水(生成水)及び着色物質等の反応副生物を含んでいる。
【0003】
この反応において用いられる酸触媒としては、従来、硫酸や塩化水素などの無機鉱酸が用いられていたが、近年、陽イオン交換樹脂が注目され(英国特許第842209号明細書、同第849565号明細書、同第883391号明細書)、工業的に用いられるようになった。
さらに、反応速度を上げるとともに、上記副生物の生成を抑え、選択率を高めるために、助触媒として含硫黄化合物(メルカプタン類)が用いられることがある。しかしながら、このメルカプタン類は、装置の腐食の原因となったり、臭気などの環境衛生上の問題があり、さらには、ビスフェノールAの着色原因となるおそれがある。そのため、近年、上記陽イオン交換樹脂とメルカプタン類を併用する代わりに、触媒として、酸型イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部に硫黄含有基を導入してなる各種の変性酸型イオン交換樹脂を用いることが行われている。
【0004】
このような変性酸型イオン交換樹脂の一つとして、含硫黄アミン化合物で部分的に変性した酸型イオン交換樹脂が知られている。特開平8−319248号公報には、含硫黄アミン化合物で部分的に変性(中和)された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下、フェノールとアセトンとを縮合させてビスフェノールAを製造する方法において、得られたビスフェノールAを含む反応液を遊離酸型の強酸性イオン交換樹脂と接触処理した後、ビスフェノールAのフェノール付加物を晶析することにより、ビスフェノールAの着色及び純度低下を防止できることが記載されている。
【0005】
上記方法によれば、ある程度の着色物質の除去は期待できるが、多量の反応液を処理する必要があるうえに、反応選択率を向上させる目的で変性された強酸性イオン交換樹脂触媒を用いているにも拘わらず、得られた反応液を未変性(遊離酸型)の強酸性イオン交換樹脂で処理すると、ビスフェノールAの選択率を低下させる原因となってしまう。
また、反応液中には生成した水(反応副生水)及び原料中の水が通常1.2〜3質量%含まれているため、イオン交換樹脂への含硫黄アミン化合物吸着能が低下することも考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記状況下で、含硫黄アミン化合物で部分的に変性された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下、フェノールとアセトンとを縮合させてビスフェノールAを製造する方法において、色相及び純度に優れたビスフェノールAを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは、反応器から流出した、強酸性イオン交換樹脂の変性剤(含硫黄アミン化合物)に起因するビスフェノールAの色相悪化を防止し、且つビスフェノールAの純度低下を防止する方法について鋭意研究を重ねた。その結果、ビスフェノールAのフェノール付加物(アダクト)を晶出させ、固液分離した後の母液のみを、強酸性イオン交換樹脂で処理することにより、反応器から流出した含硫黄アミン化合物を除去すると同時に、母液中の2,4−異性体をビスフェノールAに異性化させることができること、及びこの処理後の母液と、フェノールとアセトンとの縮合反応によって生じた反応生成液から未反応のアセトン、未反応のフェノールの一部及び生成水を蒸留によって除去した残りの留分とを合わせた液から、ビスフェノールAのフェノール付加物を晶出させることにより、得られるビスフェノールAの色相悪化を防止でき、且つ、ビスフェノールAの純度を向上させることができることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)含硫黄アミン化合物で部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に、フェノールとアセトンとを縮合反応させる工程、
(2)反応生成液から未反応のアセトン、未反応のフェノールの一部及び生成水を蒸留によって除去して晶析原料を得る工程、
(3)該晶析原料からビスフェノールAのフェノール付加物(アダクト)を晶出させて固液分離する工程、及び
(4)該ビスフェノールAのフェノール付加物からフェノールを除去してビスフェノールAを得る工程;並びに
(5)固液分離した母液の少なくとも一部を強酸性イオン交換樹脂で処理して母液処理液を得る工程、及び
(6)工程(5)で得られた母液処理液を、液中のフェノールの一部を除去した後、工程(2)で得られた晶析原料と共に工程(3)に供給する工程
を含むことを特徴とするビスフェノールAの製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、上記本発明のビスフェノールAの製造方法(以下、本発明の方法という)を詳細に説明する。
(1)含硫黄アミン化合物で部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に、フェノールとアセトンとを縮合させる工程
本工程で用いられる部分変性された強酸性イオン交換樹脂に用いられるベースの強酸性イオン交換樹脂としては、特に制限はなく、従来ビスフェノールAの触媒として慣用されているものを用いることができるが、特に触媒活性などの点から、強酸性であるスルホン酸型イオン交換樹脂が好適である。以下、スルホン酸型のイオン交換樹脂について説明するが、本発明で用いられる強酸性イオン交換樹脂は、スルホン酸型に限定されるものではない。
該スルホン酸型イオン交換樹脂については、スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂であればよく特に制限されず、例えばスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノールホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼンホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂などを挙げることができる。強酸性イオン交換樹脂は、ゲル型でジビニルベンゼンによる架橋度が2〜8%であるものが好ましい。好適な市販の強酸性イオン交換樹脂としては、例えば、ダイヤイオンSK104(三菱化学社製)などが挙げられる。
【0010】
一方、強酸性イオン交換樹脂の変性剤である含硫黄アミン化合物としては、例えば、2−メルカプトメチルピリジン、3−メルカプトメチルピリジン、4−メルカプトメチルピリジン、2−(2−メルカプトエチル)ピリジン、3−(2−メルカプトエチル)ピリジン、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン、4−(3−メルカプトプロピル)ピリジン等のω−メルカプトアルキルピリジン類;2−メルカプトエチルアミン、3−メルカプトプロピルアミン、4−メルカプトブチルアミン、N−メチル−N−(2−メルカプトエチル)アミン、N,N−ジメチル−N−(2−メルカプトエチル)アミン等のω−メルカプトアルキルアミン類;2,2−ジメチルチアゾリジン、2−メチル−2−エチルチアゾリジン、シクロアルキルチアゾリジン等のチアゾリジン類;その他、アミノチオフェノール類などが挙げられる。これらのうち、2,2−ジメチルチアゾリジン、2−メルカプトエチルアミン及び4−(2−メルカプトエチル)ピリジンが特に好ましい。これらの含硫黄アミン化合物は、単独で用いてもよいし、複数種を用いてもよい。これらの含硫黄アミン化合物は、遊離の形態であってもよく、塩酸などの酸性物質の付加塩や第四級アンモニウム塩などの形態であってもよい。
【0011】
これらの含硫黄アミン化合物を用いて、前述のベースとなる強酸性イオン交換樹脂を部分変性する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
例えば適当な溶媒、好ましくは水などの水性溶媒中において、強酸性イオン交換樹脂と含硫黄アミン化合物を、所望の変性率になるように反応させることによって、変性することができる。反応は常温で行ってもよく、必要ならば加温して行ってもよい。この反応により、イオン交換基であるスルホン酸基と含硫黄アミン化合物の中のアミノ基とが反応し、イオン交換基の一部に硫黄含有基が導入され、変性される。
ここで、強酸性イオン交換樹脂の「変性率」とは、強酸性イオン交換樹脂の強酸性イオン交換基の含硫黄アミン化合物によるモル変性率を意味する。本発明においては、強酸性イオン交換樹脂の変性率は7〜50モル%であることが好ましく、9〜35モル%であることがより好ましい。
【0012】
本工程におけるフェノールとアセトンとの縮合反応は、上記の部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に行われる。本発明のビスフェノールAの製造方法においては、フェノールとアセトンとの使用割合は特に制限はないが、生成するビスフェノールAの精製の容易さや経済性などの点から、未反応のアセトンの量はできるだけ少ないことが望ましく、従って、フェノールを化学量論的量よりも過剰に用いるのが有利である。通常、アセトン1モル当たり、3〜30モル、好ましくは5〜20モルのフェノールが用いられる。また、このビスフェノールAの製造においては、反応溶媒は、反応液の粘度が高すぎたり、凝固して運転が困難になるような低温で反応させる以外は、一般に必要ではない。
本発明におけるフェノールとアセトンとの縮合反応は、前述の含硫黄アミン化合物で部分的に変性した強酸性イオン交換樹脂を充填した反応塔に、フェノールとアセトンを連続的に供給して反応させる固定床連続反応方式を用いることができる。この際、反応塔は1基でもよく、また2基以上を直列又は並列に配置してもよい。工業的には、部分変性された強酸性イオン交換樹脂を充填した反応塔を2基以上直列に連結し、固定床多段連続反応方式を採用するのが、特に有利である。
【0013】
この固定床連続反応方式における反応条件について説明する。
まず、アセトン/フェノールモル比は、通常1/30〜1/3、好ましくは1/20〜1/5の範囲で選ばれる。このモル比が1/30より小さい場合、反応速度が遅くなりすぎるおそれがあり、1/3より大きいと不純物の生成が多くなり、ビスフェノールAの選択率が低下する傾向がある。
また、反応温度は、通常40〜150℃、好ましくは55〜100℃の範囲で選ばれる。該温度が40℃未満では反応速度が遅い上、反応液の粘度が極めて高く、場合により、固化するおそれがあり、150℃を超えると反応制御が困難となり、かつビスフェノールA(p,p′−体)の選択率が低下する上、触媒の部分変性された強酸性イオン交換樹脂が分解又は劣化することがある。さらに、原料混合物のLHSV(液時空間速度)は、通常0.2〜30hr−1、好ましくは0.5〜20hr−1の範囲で選ばれる。
【0014】
(2)反応生成液から未反応のアセトン、未反応のフェノールの一部及び生成水を蒸留によって除去して晶析原料を得る工程
上記工程で得られたビスフェノールAを含む反応生成液から蒸留された、未反応のアセトン及び未反応のフェノールの一部は、リサイクルすることができる。本工程の蒸留の条件としては、温度は通常100〜200℃、好ましくは130〜180℃の範囲で選ばれ、一方圧力は通常5〜80kPa、好ましくは7〜65kPaの範囲で選定される。
上記のようにして、反応生成液から未反応のアセトン、未反応のフェノールの一部及び生成水を蒸留除去した残りの留分を、ビスフェノールAのフェノール付加物を晶出させるための晶析原料として得る。
【0015】
(3)該晶析原料からビスフェノールAのフェノール付加物を晶出させて固液分離する工程
晶析原料からのビスフェノールAのフェノール付加物の晶出は、通常、晶析原料に水を添加し、減圧下で水の蒸発潜熱を利用して冷却する真空冷却晶析法によって行われる。この真空冷却晶析法においては、該濃縮残液に、水を3〜20重量%程度添加し、通常温度40〜70℃、圧力3〜13kPaの条件で晶析処理が行われる。上記水の添加量が3重量%未満では除熱能力が十分ではなく、20重量%を超えるとビスフェノールA晶析液の粘度の増大や固化をもたらすおそれがあり、好ましくない。また晶析温度が40℃未満では晶析液の粘度の増大や固化をもたらすおそれがあり、70℃を超えるとビスフェノールAの溶解ロスが大きくなり、好ましくない。
上記のようにして晶出したビスフェノールAのフェノール付加物を晶析原料液から分離する。
【0016】
(4)該ビスフェノールAのフェノール付加物からフェノールを除去してビスフェノールAを得る工程
上記工程(3)で得られたビスフェノールAのフェノール付加物の結晶は、通常、フェノールにより洗浄処理が施される。次いで、洗浄処理された付加物を、減圧蒸留等の方法によってビスフェノールAとフェノールとに分離処理するが、この場合、温度は通常130〜200℃、好ましくは150〜180℃の範囲で選ばれ、一方圧力は通常3〜20kPaの範囲で選定される。
この分離処理により得られたビスフェノールAは、その中の残留フェノールをスチームストリッピングなどの方法により、実質上完全に除去することによって、高品質のビスフェノールAが得られる。
【0017】
(5)固液分離した母液の少なくとも一部を強酸性イオン交換樹脂で処理して母液処理液を得る工程
本工程で用いる強酸性イオン交換樹脂は特に制限はなく、上記工程(1)で用いる部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒のベースの強酸性イオン交換樹脂と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。本工程で用いる強酸性イオン交換樹脂は、ゲル型でジビニルベンゼンによる架橋度が2〜8%又は多孔性(マクロポーラス)型でジビニルベンゼンによる架橋度が4〜16%のものが好ましい。本工程で用いることができる好ましい市販の樹脂としては、例えば、ダイヤイオンSK104(三菱化学社製;ゲル型でジビニルベンゼンによる架橋度が4%)、アンバーリスト16(ロームアンドハース社製;多孔性型でジビニルベンゼンによる架橋度が12%)などが挙げられる。本工程で用いる強酸性イオン交換樹脂は、母液中に存在する含硫黄アミン化合物を吸着除去するだけでなく、母液中のビスフェノールAの2,4−異性体をビスフェノールAに異性化する作用をも有する。
【0018】
母液は、その全量ではなく、少なくとも一部、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは80〜90質量%を、強酸性イオン交換樹脂で処理する。母液を20質量%未満しか処理しない場合には、含硫黄アミン化合物の吸着除去量が減り、品質が悪化する、90質量%を超える場合には、2,4−異性体以外の副生物のブロー(除去)が少なくなり、ビスフェノールAの製品純度が悪化する、という不都合を生じやすい。
【0019】
母液の強酸性イオン交換樹脂による処理は、処理温度が高すぎると、樹脂の耐熱性に問題が生じ、低すぎると、母液が固化してしまうことから、50〜100℃の範囲が望ましい。処理に必要な陽イオン交換樹脂量は、SV=0.1〜10程度、好ましくは0.5〜3である。母液は通常、3〜10質量%の水分を含んでいるので、強酸性イオン交換樹脂で処理する前に、蒸留により水分を除去し、その水分含量を1質量%以下に調整することが望ましい。水分含量が1質量%を超えると、含硫黄アミン化合物を吸着する能力が低下し、その上、母液中の2,4−異性体をビスフェノールAに異性化する能力も低下してしまう。
【0020】
(6)工程(5)で得られた母液処理液を、液中のフェノールの一部を除去した後、工程(2)で得られた晶析原料と共に工程(3)に供給する工程
本工程では、工程(5)で得られた母液処理液が、液中のフェノールの一部を蒸留などにより除去した後、フェノールとアセトンとの縮合反応(工程(1))から得られる晶析原料(工程(2))と合わされ、工程(3)に供給される。
母液処理液中のフェノールの一部を除去するのは、工程(3)に供給される晶析原料中のフェノール濃度を適切に保つためである。フェノールの一部を除去する方法は、特に限定されるものではないが、蒸留によるのが好適である。
工程(5)で得られた母液処理液は、ビスフェノールAの着色原因となる含硫黄アミン化合物が除去されているため、得られるビスフェノールAは色相に優れ、且つ、2,4−異性体の異性化により、純度の高いビスフェノールAが得られるのである。
なお、前記工程(2)で得られる晶析原料中の含硫黄アミン化合物濃度は、総窒素含量として、通常50〜200質量ppbである。これに対し、工程(5)で得られる母液処理液中の含硫黄アミン化合物濃度は、総窒素含量として、通常1〜10質量ppbである。この両者を合わせて得られる液中の含硫黄アミン化合物濃度は、総窒素含量として、通常25〜100質量ppbである。
以上述べたように、工程(5)で得られた母液処理液は、工程(2)で得られる晶析原料と合わされて、工程(3)でビスフェノールAのフェノール付加物を晶出させるのに循環的に使用される。この様子を図1に示す。
【0021】
本発明の方法は、連続式でも回分式でも実施できる。これにより、得られるビスフェノールAは、色相に優れ、純度は99.9質量%以上であり、ビスフェノール類中の2,4−異性体の割合は150〜350質量ppm程度と極めて低く、且つ、工業的に有利である。
本発明の方法は、特開平8−319248号公報に記載の方法とは異なり、ビスフェノールAのフェノール付加物結晶を固液分離した後の母液を強酸性イオン交換樹脂で処理するため、部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒によるビスフェノールAの選択率の低下を招くことがない。また、母液に含まれる水分を1質量%以下に調整した後に強酸性イオン交換樹脂で処理することができるため、強酸性イオン交換樹脂の含硫黄アミン化合物吸着能の低下も抑えることができる。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を回分式で実施する実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(a)第1回目のビスフェノールAの製造
4−(2−メルカプトエチル)ピリジンで、17モル%変性した強酸性イオン交換樹脂触媒(水膨潤で140mL;ダイヤイオンSK104、三菱化学社製)を用いて、固定床流通系でアセトン15mLとフェノール277mLを反応温度75℃にて反応させた。
反応成績は、アセトン転化率98%、ビスフェノールA選択率96.5%、及び2,4−異性体含有率2.5%であった。
未反応のアセトン及び未反応のフェノールの一部、生成水を蒸留にて除去し、130℃の晶析原料を得た。この晶析原料中の総窒素含量は82質量ppbであった。
【0023】
晶析原料に水10質量%を添加し、80℃に冷却後、さらに結晶を析出させるために減圧で水を除去しながら、50℃まで冷却した。次に固液分離し、ビスフェノールAのフェノールアダクト(付加物)と母液(水分含量が4質量%)を得た。アダクトはさらに溶融後、フェノールを除去して、第1回目のビスフェノールAを得た。
得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ、10であり、色相に優れていた。なお、APHAカラーの測定は、ビスフェノールA50gを試験管に入れ、230℃に加熱、溶融して、15分後にAPHAカラー標準液との比較により行った。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は240質量ppmであった。
【0024】
(b)第2回目のビスフェノールAの製造
上記(a)における晶析後、固液分離した水分含量4質量%の母液は、蒸留によって水分含量を0.5質量%とした。この液の90質量%(残りはブローする)を、強酸性イオン交換樹脂触媒(フェノール膨潤で70mL;ダイヤイオンSK104、三菱化学社製;ゲル型でジビニルベンゼン4%)を用いて、固定床流通系で75℃で処理した。
処理後の溶液中の総窒素含量は5質量ppbであり、ビスフェノール類中のビスフェノールA濃度は84質量%、2,4−異性体含有量は15質量%であった。
新たに生成した反応液の未反応アセトン、生成水等を蒸留除去した液と、この母液の処理液とを、処理液中のフェノールの一部を蒸留により除去した後、合わせて晶析原料とした。この晶析原料中の総窒素含量は58質量ppbであった。
上記(a)と同様に晶析、精製して得られた第2回目のビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は270質量ppmであった。
【0025】
実施例2
実施例1の(b)の操作を50回繰り返した。
新たに生成した反応液の未反応アセトン、生成水等を蒸留除去した液と母液の強酸性イオン交換樹脂処理液とを、処理液中のフェノールの一部を蒸留により除去した後、合わせて晶析原料とした。この晶析原料中の総窒素含量は、59質量ppbであった。
実施例1の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は275質量ppmであった。
【0026】
比較例1
実施例1の(b)において、晶析後、固液分離した母液を強酸性イオン交換樹脂で処理せずに、新たに生成した反応液と合わせた以外は、実施例1の(b)と同様の操作を行うこの操作を50回繰り返した。
このときの晶析原料中の総窒素含量は3.9質量ppmであった。
実施例1の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ35であり、かなりな着色が認められた。
得られたビスフェノールAの純度は99.8質量%、2,4−異性体含有量は840質量ppmであった。
【0027】
比較例2
実施例1の(b)において、固液分離した水分含量4質量%の母液をそのまま使用した以外は、実施例1の(b)と同様の操作を行うこの操作を50回繰り返した。
このときの晶析原料中の総窒素含量は215質量ppbであった。
実施例1の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ25であり、かなりな着色が認められた。
得られたビスフェノールAの純度は99.8質量%、2,4−異性体含有量は620質量ppmであった。
【0028】
実施例3
(a)第1回目のビスフェノールAの製造
2−メルカプトエチルアミンで22モル%変性した強酸性イオン交換樹脂触媒(水膨潤で140mL;ダイヤイオンSK104、三菱化学社製)を用いて、固定床流通系でアセトン20mLとフェノール277mLとを反応温度75℃にて反応させた。
反応成績は、アセトン転化率83%、ビスフェノールA選択率95.5%、及び2,4−異性体含有率3.5%であった。
未反応のアセトン及び未反応のフェノールの一部、生成水を蒸留にて除去し、130℃の晶析原料を得た。この晶析原料中の総窒素含量は58質量ppbであった。
上記晶析原料に水を10質量%添加し、80℃に冷却後、さらに結晶を析出させるために減圧で水を除去しながら50℃まで冷却した。次に固液分離し、ビスフェノールAのフェノールアダクトと母液(水分含量は4質量%)を得た。アダクトはさらに溶融後、フェノールを除去して、第1回目のビスフェノールAを得た。
得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は254質量ppmであった。
【0029】
(b)第2回目のビスフェノールAの製造
上記(a)の晶析後、固液分離した水分含量4質量%の母液から蒸留により水分を除去し、水分含量を0.7質量%とした。この液の85質量%(残りはブローする)を強酸性イオン交換樹脂触媒(フェノール膨潤で70mL;ダイヤイオンSK104、三菱化学社製;ゲル型でジビニルベンゼン4%)を用いて、固定床流通系で75℃で処理した。
処理後の溶液中の総窒素含量は4質量ppbであり、ビスフェノール類中のビスフェノールA濃度は83質量%、2,4−異性体含有率は16質量%であった。
新たに生成した反応液の未反応アセトン、生成水等を蒸留除去した液と、この母液の処理液とを、処理液中のフェノールの一部を蒸留により除去した後、合わせて晶析原料とした。この晶析原料中の総窒素含量は39質量ppbであった。
上記(a)と同様に晶析、精製して得られた第2回目のビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は278質量ppmであった。
【0030】
実施例4
実施例3の(b)の操作を50回繰り返した。
新たに生成した反応液の未反応アセトン、生成水等を蒸留除去した液と母液の強酸性イオン交換樹脂処理液とを、処理液中のフェノールの一部を蒸留により除去した後、合わせて晶析原料とした。この晶析原料中の総窒素含量は38質量ppbであった。
実施例3の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は、99.9質量%、2,4−異性体含有量は282質量ppmであった。
【0031】
比較例3
実施例3の(b)において、晶析後、固液分離した母液を強酸性イオン交換樹脂で処理せずに、新たに生成した反応液と合わせた以外は、実施例3の(b)と同様の操作を行うこの操作を50回繰り返した。
このときの晶析原料中の総窒素含量は2.7質量ppmであった。
晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ35であり、かなりな着色が認められた。
得られたビスフェノールAの純度は99.8質量%、2,4−異性体含有量は920質量ppmであった。
【0032】
比較例4
実施例3の(b)において、固液分離した水分含量4質量%の母液をそのまま使用した以外は、実施例3の(b)と同様の操作を行うこの操作を50回繰り返した。
このときの晶析原料中の総窒素含量は168質量ppbであった。
実施例3の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ20であり、着色が認められた。
得られたビスフェノールAの純度は99.8質量%、2,4−異性体含有量は690質量ppmであった。
【0033】
実施例5
(a)第1回目のビスフェノールAの製造
2,2−ジメチルチアゾリジンで24モル%変性した強酸性イオン交換樹脂触媒(水膨潤で140mL;ダイヤイオンSK104、三菱化学社製)を用いて、固定床流通系でアセトン20mLとフェノール277mLを反応温度75℃にて反応させた。
反応成績は、アセトン転化率82.0%、ビスフェノールA選択率95.7%、及び2,4−異性体含有率3.4%であった。
未反応のアセトン及び未反応のフェノールの一部、生成水を蒸留にて除去し、130℃の晶析原料を得た。この晶析原料中の総窒素含量は61質量ppbであった。
この晶析原料に水を10質量%添加し、80℃に冷却後、さらに結晶を析出させるために減圧で水を除去しながら50℃まで冷却した。次に固液分離し、ビスフェノールAのフェノールアダクトと母液(水分含量は4質量%)を得た。アダクトはさらに溶融後、フェノールを除去して、第1回目のビスフェノールAを得た。
得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は259質量ppmであった。
【0034】
(b)第2回目のビスフェノールAの製造
上記(a)の晶析後、固液分離した水分含量4質量%の母液から蒸留によって水分を除去し、水分含量を0.2質量%にした。この液の83質量%(残りはブローする)を、強酸性イオン交換樹脂(フェノール膨潤で70mL;アンバーリスト16、ロームアンドハース社製;多孔性型でジビニルベンゼン12%)を用いて、固定床流通系で75℃で処理した。
処理後の溶液中の総窒素含量は6質量ppbであり、ビスフェノール類中のビスフェノールA濃度は84質量%、2,4−異性体濃度は15質量%であった。
新たに生成した反応液の未反応アセトン、生成水等を蒸留除去した液とこの母液の処理液とを、処理液中のフェノールの一部を蒸留により除去した後、合わせて晶析原料とした。この晶析原料中の総窒素含量は40質量ppbであった。
上記(a)と同様に晶析、精製して得られた第2回目のビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は274質量ppmであった。
【0035】
実施例6
実施例5の(b)の操作を50回繰り返した。
新たに生成した反応液の未反応アセトン、生成水等を蒸留除去した液と、母液の強酸性イオン交換樹脂処理液とを、処理液中のフェノールの一部を蒸留により除去した後、合わせて晶析原料とした。この晶析原料中の総窒素含量は43質量ppbであった。
実施例5の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ10であり、色相に優れていた。
得られたビスフェノールAの純度は99.9質量%、2,4−異性体含有量は275質量ppmであった。
【0036】
比較例5
実施例5の(b)において、晶析後、固液分離した母液を強酸性イオン交換樹脂で処理せずに、新たに生成した反応液と合わせた以外は、実施例5の(b)と同様の操作を行うこの操作を50回繰り返した。
このときの晶析原料中の総窒素含量は2.9質量ppmであった。
実施例5の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ35であり、かなりな着色が認められた。
得られたビスフェノールAの純度は99.8質量%、2,4−異性体含有量は890質量ppmであった。
【0037】
比較例6
実施例5の(b)において、固液分離した水分含量4質量%の母液をそのまま使用した以外は、実施例5の(b)と同様の操作を50回繰り返した。
このときの晶析原料中の総窒素含量は175質量ppbであった。
実施例5の(a)と同様に晶析、精製して得られたビスフェノールAの230℃、15分間におけるAPHAカラーを測定したところ25であり、着色が認められた。
得られたビスフェノールAの純度は99.8質量%、2,4−異性体含有量は645質量ppmであった。
上記実施例及び比較例で得られた結果を表1〜3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
比較例1、3及び5の結果から、母液を強酸性イオン交換樹脂によって処理しない場合には晶析原料中の含硫黄アミン化合物が除去されないため、ビスフェノールAの色相が非常に悪化し、また、2,4−異性体の異性化が行われないため、得られたビスフェノール類中に2,4−異性体が多くなることがわかる。
比較例2、4及び6の結果から、1質量%を超える水分を含んでいる母液を強酸性イオン交換樹脂で処理すると、強酸性イオン交換樹脂の含硫黄アミン吸着能が低下するため、色相が悪化し、同時に2,4−異性体の異性化能も低下することがわかる。
これに対し、本発明の方法によれば、ビスフェノールAの色相が改善されると同時に、2,4−異性体の含有量も低下させることができることがわかる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒のビスフェノールA選択率を低下させることなく、ビスフェノールAの着色原因となる含硫黄アミン化合物を除去することができ、同時に、2,4−異性体をビスフェノールAに異性化することができるので、色相及び純度に優れたビスフェノールAを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のビスフェノールAの製造方法の工程の流れを説明する図である。
Claims (6)
- (1)含硫黄アミン化合物で部分変性された強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下に、フェノールとアセトンとを縮合反応させる工程、
(2)反応生成液から未反応のアセトン、未反応のフェノールの一部及び生成水を蒸留によって除去して晶析原料を得る工程、
(3)該晶析原料からビスフェノールAのフェノール付加物(アダクト)を晶出させて固液分離する工程、及び
(4)該ビスフェノールAのフェノール付加物からフェノールを除去してビスフェノールAを得る工程;並びに
(5)固液分離した母液の少なくとも一部を強酸性イオン交換樹脂で処理して母液処理液を得る工程、及び
(6)工程(5)で得られた母液処理液を、液中のフェノールの一部を除去した後、工程(2)で得られた晶析原料と共に工程(3)に供給する工程
を含むことを特徴とするビスフェノールAの製造方法。 - 前記ビスフェノールAのフェノール付加物の晶出は、前記晶析原料に水を添加することによって行い、
固液分離した母液は、蒸留により水分を除去し、水分含量1質量%以下に調整した後、少なくとも一部を前記強酸性イオン交換樹脂で処理することを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記固液分離した母液の20〜90質量%を、強酸性イオン交換樹脂で処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記固液分離した母液を処理する強酸性イオン交換樹脂が、ゲル型でジビニルベンゼンによる架橋度が2〜8%のものであるか、又は多孔性でジビニルベンゼンによる架橋度が4〜16%のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記含硫黄アミン化合物が、ω−メルカプトアルキルピリジン類、ω−メルカプトアルキルアミン類及びチアゾリジン類から選択される1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記含硫黄アミン化合物による強酸性イオン交換樹脂の変性率が、7〜50モル%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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