JP2004008873A - 油水分離用多孔膜 - Google Patents

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高田 敦弘
Tatsuma Kuroda
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Abstract

【課題】実用的に十分な強度を有しつつ、高い分離効率を有する油水分離用多孔膜を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなり、微細孔を有する油水分離用多孔膜であって、微細孔は、フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルと幹フィブリル間を連結する枝フィブリルからなる3次元網状組織により形成されており、枝フィブリルの形成密度は、幹フィブリルの形成密度より高い油水分離用多孔膜とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる油水分離用多孔膜に関する。より詳しくは、油中の水分を除去する分離膜として好ましく用いられる油水分離用多孔膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水と油が混在する液は、化学プラントの排水、船舶等の排水、一般家庭排水等の含油排水があり、これらの含油排水の排出量は年々増加している。昨今の環境保護の要請により、これらの含油排水の量の低減が求められている。
【0003】
また、油圧プレス機等の油圧機械、油圧装置などにおいては、使用中に機械油に水が入り込み、機械を腐食させるので、定期的に新しい油に交換されるが、やはり排出される含水廃油の量の低減も求められており、汚れ成分を濾過すると共に水分を除去して交換寿命を伸ばすことも行われている。
【0004】
油水分離フィルターは、特開2000−312802号公報において公知であり、この公報には、精度よく油水分離を行うために疎水性の多孔膜を使用したフィルターが開示されている。この公報には、超高分子量ポリエチレンをゲル成膜し、溶媒除去後に延伸して得られる多孔性フィルムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
油水分離フィルターには、上記公報に記載のように精度よく油水分離を行うことが要求されるほか、油水分離効率が高いこと、即ち開口面積が大きいこと、並びに長時間の使用に耐えるに十分な強度も要求される。
【0006】
しかるに、従来の多孔膜は、油水分離効率を高くしようとして薄膜化を図ると強度が低下し、さらには耐圧性が低下するという問題が生じ、強度を向上しようと図ると分離効率が低下するという問題があり、油水分離効率の向上と強度、耐圧性の向上とは二律背反の状況にあった。また、特開2000−312802号公報開示の発明は、有機溶剤の使用を必須とするものであり、溶剤の回収、大気中への揮散防止等の設備が欠かせないものである。
【0007】
本発明の目的は、実用的に十分な強度を有しつつ、油水分離効率も高い油水分離用多孔膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高い油水分離効率を有しつつ強度と耐圧性に優れた油水分離用多孔膜に適した多孔性フィルムを開発すべく鋭意検討した結果、多孔性フィルムの孔の構造を特定の構造にすることによって、上記問題を解決した油水分離用多孔膜とすることができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、微細孔を有するポリオレフィン系熱可塑性樹脂製の多孔性フィルムからなる油水分離用多孔膜であって、
前記微細孔は、フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルと前記幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとからなる3次元網状組織により形成されており、前記枝フィブリルの形成密度は、前記幹フィブリルの形成密度より高いことを特徴とする。
【0010】
かかる構成の油水分離用多孔膜は、分離効率が高く、しかも強度にも優れたものである。
【0011】
また、枝フィブリルの形成密度が、幹フィブリルの形成密度より高いことによって、最大熱収縮方向、及びそれに直交する方向との力学強度のバランスの優れた油水分離用多孔膜となる。枝フィブリル、幹フィブリルは、必ずしも直線的に伸びている必要はない。また、幹フィブリルの伸びる方向は、電子顕微鏡写真により確認でき、フィルムの裁断により決定されるので、特に特定されるものではない。「1方向に伸びる」とは、すべての幹フィブリルが直線的に平行に特定方向に伸びていることを要するものではなく、蛇行しつつある程度のばらつきを有して平均的に特定方向に配向していることを意味する。
【0012】
枝フィブリル、幹フィブリルのそれぞれの形成密度は、フィルム1μmの面積に存在するフィブリルの数であり、走査型電子顕微鏡によりフィルム表面を観測して求める。具体的には、5×5μmの中に存在するフィブリルの数を計測して求める。本発明の油水分離用多孔膜の孔構造をloofah構造と称する。
【0013】
またポリオレフィン系樹脂は水をはじく性質が強く、かつ親油性が高いため、ポリオレフィン系樹脂製のloofah構造を有する多孔性フィルムは油水分離用多孔膜として好適である。
【0014】
上述の油水分離用多孔膜においては、バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが下記式
1.20≦2r/d≦1.70
を満たすものであることが好ましい。
【0015】
2r/dの値が1.20未満であると油水分離用多孔膜の油水分離性能が不十分となる。即ち、油分の透過速度が過少となり、油水分離速度が不十分となる。一方2r/dの値が1.70を超えると、油水分離用多孔膜の強度が不十分となる。フィルムの強度の点からは、2r/dの値は1.65以下であることが好ましく、1.60以下であることがより好ましい。
【0016】
本発明の多孔性フィルムからなる油水分離用多孔膜の膜厚Yは通常1〜200μmであり、好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜30μmである。厚すぎると油水分離効率が低下し、薄すぎると物理的強度が十分でなくなる。また平均細孔直径d(μm)と平均細孔半径r(μm)とが上記式の範囲を逸脱する場合には、油水分離用多孔膜として適したものとはならない。
【0017】
上述の油水分離用多孔膜においては、前記枝フィブリルは、フィルムの最大熱収縮方向に配向していることが好ましい。
【0018】
枝フィブリルが、フィルムの最大熱収縮方向に配向することにより、最大熱収縮方向の機械的強度が高くなる。
【0019】
本発明の油水分離用多孔膜においては、前記微細孔は、平均細孔直径dが0.06〜3μmであることが好ましい。また本発明の油水分離用多孔膜は、ガーレー値が10〜500秒/100cc、空隙率が40〜80%であることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の油水分離用多孔膜を構成する多孔性フィルムの主原料であるポリオレフィン系樹脂としては、公知のポリオレフィン系熱可塑性樹脂を使用する。具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体が例示される。
【0021】
このようなポリオレフィン系樹脂は、1種類のオレフィンの重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体を主成分とするものである。ポリオレフィン系樹脂の原料となるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、及びポリ(ブテン−1)等が挙げられる。
【0022】
特に、ポリオレフィン系樹脂が分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含有する油水分離用多孔膜は強度に優れており、従って機械的強度を維持しつつ膜厚を薄くすることができる。このため油水分離効率もより向上させることができ、本発明の効果をより発現する油水分離用多孔膜が得られる。油水分離用多孔膜の強度の観点から、
本発明の油水分離用多孔膜において、これを構成するポリオレフィン系樹脂は、分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを10重量%以上含有していることが好ましく、20重量%以上含有していることがより好ましく、30重量%以上含有していることが更に好ましい。
【0023】
このような構成とすることにより、強度と耐久性に優れた多孔膜となる。
【0024】
ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量及び重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、特定分子鎖長範囲又は特定分子量範囲のポリオレフィンの混合比率(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。
【0025】
ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、より具体的には以下の手順で求められるパラメータである。
【0026】
すなわち、GPC測定の移動相としては、測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンのQファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそれに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にある。
【0027】
分子量=分子鎖長×Qファクター
次に、未知試料のGPC測定を行い、保持時間−溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の「ポリスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係を用いて、当該未知試料の前記保持時間−溶出成分量曲線から、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関係)が求められる。
【0028】
上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を併用してもよい。かかる他の熱可塑性樹脂としては、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル−エチレン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、熱可塑性エラストマーやこれらの架橋物等が挙げられる。
【0029】
本発明の油水分離用多孔膜は無機充填剤あるいは有機充填剤等の充填剤を含有していてもよい。
【0030】
本発明の油水分離用多孔膜は本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エステルや低分子量ポリオレフィン樹脂等の延伸助剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の添加剤を含有してもよい。
【0031】
本発明の油水分離用多孔膜は、例えば分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含有するポリオレフィン系樹脂を原料とする場合、樹脂原料と無機化合物及び/又は樹脂の微粉末とを、強混練できるようセグメント設計した2軸混練機を使用して混練した後、ロール圧延法によりフィルム化し、得られた原反フィルムを延伸機により延伸することによって、製造することが可能である。
【0032】
延伸に使用する装置としては、公知の延伸装置が限定なく使用可能であり、クリップテンターが好適な手段として例示される。
【0033】
上述の無機化合物の微粉末としては、平均粒子径が0.1〜1μmの酸化アルミニウムや水酸化アルミニウム、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが例示される。特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムを使用し、油水分離用多孔膜を作製後に、酸性水により溶解、除去することが、安定した油水分離性能を得る上で好適である。
【0034】
本発明の油水分離用多孔膜を構成しているポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、放射線の照射により架橋されていてもよい。ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が架橋されている油水分離用多孔膜は、非架橋のポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる油水分離用多孔膜よりも耐熱性や強度において優れている。
【0035】
本発明の油水分離用多孔膜は厚み3〜50μm程度の薄膜であることが効果的である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例に示す油水分離用多孔膜の物性は下記の評価方法により測定した。
【0037】
[評価方法]
(1)親油性評価
多孔膜の一方の表面に有機溶剤を滴下し、2秒後に有機溶剤が多孔膜の裏面にしみ出しているか否かを観察した。有機溶剤としてはトルエン、クロロホルム又はn−オクタンを使用した。有機溶剤が裏面にしみ出した多孔膜は親油性を有する。
【0038】
(2)ガーレー値
フィルムのガーレー値(秒/100cm)は、JIS P 8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精機製)にて測定した。この値が小さいほど油が通過し易い多孔膜である。
【0039】
(3)耐水圧
JIS L 1092に規定される静水圧A法(低水圧法)に準拠して測定し、mm水柱単位にて表示した。
【0040】
(4)平均細孔直径
ASTM F316−86に準拠し、バブルポイント法により、Perm−Porometer(PMI社製)にて平均細孔直径d(μm)を測定した。
【0041】
(5)平均細孔半径
JIS K1150に準拠し、水銀圧入法により、オートポア III9420(MICROMERITICS社製)にて平均細孔半径r(μm)を測定した。尚、平均細孔半径を求めるにあたり、0.0032〜7.4μmの範囲の細孔半径分布を測定した。
【0042】
(6)突刺し強度
直径12mmのワッシャーにて固定したフィルムに、直径1mm、針先曲率半径0.5mmの金属製の針を、200mm/分の速さで突き刺した際に、孔が開口する最大荷重を測定し、突刺し強度とした。
【0043】
[油水分離用多孔膜の製造]
(実施例1)
炭酸カルシウムスターピゴット15A(白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン340M,三井化学製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)70重量%とポリエチレンワックス(ハイワックス110P,三井化学製、重量平均分子量1000、融点110℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%とを強混練できるようセグメント設計した2軸混練機(プラスチック工学研究所製)を使用して混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物中の分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有率は、27重量%であった。この樹脂組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することにより、約70μmの膜厚の原反フィルムを作製した。
【0044】
得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸しloofah構造の多孔性フィルムからなる油水分離用多孔膜を得た。得られた油水分離用多孔膜の表面の走査電子顕微鏡写真を図1に示した。図1のV方向に蛇行しながら配向しているやや太めの繊維が幹フィブリルであり、V方向と直交する方向に枝フィブリルが形成されている。図1から明らかなように、枝フィブリルの形成密度は、幹フィブリルよりも高い。幹フィブリルと枝フィブリルにより、多数の微細な孔が形成されている。
【0045】
この実施例1にて得られた油水分離用多孔膜の耐水圧、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺し強度の測定結果を表1に示した。
【0046】
(実施例2)
実施例1の炭酸カルシウムをビゴット10(白石カルシウム社製、平均粒子径0.1μm)に変更した以外は実施例1と同様にして膜厚60μmの原反フィルムを得た。
得られた原反フィルムを、テンター延伸機を用いて延伸温度110℃にて延伸倍率約5倍に延伸し、loofah構造の多孔性フィルムからなる油水分離用多孔膜を得た。多孔膜の耐水圧、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺し強度の測定結果を表1に示した。
【0047】
(比較例1)
市販されている多孔性フィルムを多孔膜として使用したときの耐水圧、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺し強度の測定結果を表1に示した。
この多孔性フィルムは、高ドラフト比(引取速度/押出速度)にて成形したポリプロピレン層/ポリエチレン層/ポリプロピレン層という層構成の積層フィルムに結晶化熱処理を施した後、これを低温延伸し、次いで高温延伸して結晶界面を剥離させて成形したフィルムであり、loofah構造を有するものではない。
【0048】
(比較例2)
市販されている多孔性フィルムを多孔膜として使用したときの耐水圧、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺し強度の測定結果を表1に示した。
この多孔性フィルムは、ポリエチレン40重量%と炭酸カルシウム(平均粒子径1.25μm)60重量%からなる樹脂組成物をTダイ成形機により製膜し、ロール延伸機により延伸して製造されたものであり、loofah構造を有するものではない。またGPC測定において分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有量は1%未満であった。
【0049】
実施例1、2及び比較例1、2の多孔膜について親油性を評価したところ、全ての多孔膜について親油性が認められた。
【0050】
【表1】
Figure 2004008873
上記表1に示したとおり、実施例1、2の多孔膜は、耐水圧が2000mm水柱以上となっていることから水透過性が低く、かつ、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする疎水性の樹脂にて構成されている上にガーレー値が比較例1、2の多孔膜に比べて小さいことから、比較例の多孔膜と比較すると疎水性溶剤(即ち油)の透過性がより高いものである。また実施例の多孔膜は強度にも優れている。従って、実施例の多孔膜は、比較例の多孔膜と比べて、油水分離膜としてより好適に機能する。
【0051】
【発明の効果】
本発明の油水分離用多孔膜はloofah状構造をとることによって高い分離効率を得ることができると共に、強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の油水分離用多孔膜の電子顕微鏡写真

Claims (5)

  1. 微細孔を有するポリオレフィン系熱可塑性樹脂製の多孔性フィルムからなる油水分離用多孔膜であって、
    前記微細孔は、フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルと前記幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとからなる3次元網状組織により形成されており、前記枝フィブリルの形成密度は、前記幹フィブリルの形成密度より高いことを特徴とする油水分離用多孔膜。
  2. バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが下記式を満たすものである請求項1に記載の油水分離用多孔膜。
    1.20≦2r/d≦1.70
  3. 前記枝フィブリルは、フィルムの最大熱収縮方向に配向している請求項1又は2に記載の油水分離用多孔膜。
  4. 前記微細孔は、平均細孔直径dが0.06〜3μmである請求項1〜3のいずれかに記載の油水分離用多孔膜。
  5. 前記ポリオレフィンは、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを少なくとも10%以上含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の油水分離用多孔膜。
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