JP2003138698A - 建築用下地材フィルム - Google Patents

建築用下地材フィルム

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JP2003138698A JP2001334251A JP2001334251A JP2003138698A JP 2003138698 A JP2003138698 A JP 2003138698A JP 2001334251 A JP2001334251 A JP 2001334251A JP 2001334251 A JP2001334251 A JP 2001334251A JP 2003138698 A JP2003138698 A JP 2003138698A
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material film
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polyolefin
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Atsuhiro Takada
敦弘 高田
Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
Akira Hanada
暁 花田
Takeshi Yamada
武 山田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強度および耐水圧性に優れた建築用下地材フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 微細孔を有する熱可塑性樹脂製多孔性フ
ィルムからなり、前記熱可塑性樹脂は、分子鎖長が28
50nm以上のポリオレフィンを1重量%以上含有する
通気性と透湿性を有する建築用下地材フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築用下地材フィル
ムに関し、詳しくは、強度に優れた建築用下地材フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の屋根や床において、水の移動を
阻止するために、これまで種々の防水材料が使用されて
おり、その代表的なものとして、アスファルト(アスフ
ァルト工法)、合成ゴムや合成樹脂シート(シート工
法)等がある。この内、合成樹脂シートはアスファルト
等に比べて軽量であり、運搬、展張作業などを行い易
く、施工し易いため下地材として多用されている。これ
ら合成樹脂シートにおいては家屋内の湿気を屋外に排出
し、構造材である木材が水分により腐敗し劣化するのを
防止する目的でポリエチレン繊維を高温高圧加工したも
のや、多孔性シートに補強材を積層したものなどが開発
されている。例えば、無機充填剤を含む樹脂組成物を一
軸万向に延伸して得られた多孔性シートと樹脂製織布と
を積層して熱融着した建材用透湿防水シートとしたもの
(特開平9 一277414号公報)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、建材用
透湿防水シートとしての従来の下地材シートには、強度
が不十分であるため、例えば外力が作用したり他の材料
と接触したりすると破れやすいという問題がある。
【0004】上記従来技術の有する問題点に鑑みて、本
発明の目的は、強度に優れた建築用下地材フィルムを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、強度に優
れ、外力が作用しても容易には破れない建築用下地材フ
ィルムを開発すべく鋭意研究した結果、特定の分子鎖長
を有するポリオレフィンを含有する熱可塑性樹脂で構成
した多孔性フィルムを建築用下地材フィルムとすること
により上記目的を達成することができることを見出し
た。
【0006】すなわち、上記目的は各請求項記載の発明
により達成される。本発明に係る建築用下地材フィルム
の特徴構成は、多数の微細孔を有する熱可塑性樹脂製多
孔性フィルムからなり、前記熱可塑性樹脂が、分子鎖長
が2850nm以上のポリオレフィンを1 重量%以上含
有することにある。
【0007】かかる構成の建築用下地材フィルムは、例
えば1〜300μm程度の厚さであっても、十分に高い
強度を有する。また、多数形成される微細工の細孔径な
どを調節することにより、通気性.透湿性および耐水圧
性に優れた建築用下地材フィルムとすることができ、こ
れを使用することにより、建屋内の湿気を屋外に効率よ
く逃すことができる。
【0008】本発明の建築用下地材フィルムにおいて
は、それを構成する熱可塑性樹脂が、分子鎖長が285
0nm以上のポリオレフィン(以下、長分子鎖長ポリオ
レフィンと称することがある)を10重量%以上含有す
ることがより好ましく、長分子鎖長ポリオレブィンを2
0重量%以上含有することが更に好ましく、長分子鎖長
ポリオレフィンを30重量%以上含有することが一層好
ましい。本発明に係る建築用下地材フィルムは強度が高
いため、外壁用のみならず,より高い強度が要求される
屋根用下地材フィルムとしても使用することができる。
【0009】バブルポイント法(ASTM F316−
86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μ
m)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求め
た前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式を
満たすものであることが好ましい。 1.2≦2r/d≦1.7。
【0010】2r/dの値が前記範囲内にあると、建築
用下地材フィルムは強度、通気性、および透湿性のバラ
ンスに特に優れたものとなる。なお、フィルムの強度の
点から、2r/dの値は1.65以下であることがより
好ましく、1.60以下であることが更に好ましい。多
孔性フィルムからなる建築用下地材フィルムの厚みは通
常1〜300μmであり、好ましくは5〜100μm、
より好ましくは5〜50μmである。厚すぎると軽量性
に劣り、薄すぎると機械的強度が十分でなくなる。
【0011】前記微細孔は、平均細孔直径dが0.03
〜3μmであることが好ましい。
【0012】平均細孔直径dが0.03〜3μmである
と、通気性および透湿性に特に優れたものとなる。ま
た、本発明の建築用下地材フィルムに用いられる多孔性
フィルムは、ガーレー値が厚さ25μmあたり10〜5
00秒/100cc、空隙率が40〜80%であること
が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の建築用下地材フィルムを
構成する多孔性フィルムの主原料である熱可塑性樹脂
は、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィン(長
分子鎖長ポリオレフィン)を1重量%以上含有する。こ
れにより、本発明の建築用下地材フィルムは従来品に比
して強度に優れるものとなっている。本発明の建築用下
地材フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、長分子鎖長ポ
リオレフィンを10重量%以上含有していることが好ま
しく、20重量%以上含有することがより好ましく、3
0重量%以上含有することが一層好ましい。前記長分子
鎖長ポリオレフィンには、オレフィン(例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等)の単独重合体、
2種類以上のオレフィンの共重合体、および1種以上の
オレフィンと他の1種類以上の重合性単量体との共重合
体であって、分子鎖長が2850nm以上のものが該当
し、より具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、線
状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合
体)、高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのプロピ
レン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ
(ブテン−1)またはエチレン−酢酸ビニル共重合体
で、分子鎖長が2850nm以上のものが挙げられる。
本発明の建築用下地材フィルムを構成する熱可塑性樹脂
は、1種類の長分子鎖長ポリオレフィンを含有してもよ
く、また、2種類以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含
有してもよい。
【0014】本発明において、前記長分子鎖長ポリオレ
フィンは、他の1種類以上の熱可塑性樹脂と併用するこ
とができる。このような熱可塑性樹脂としては、水不溶
性または水難溶性熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、分
子鎖長が2850nm未満のポリオレフィン、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、スチレン−インプレン−ス
チレン共重合体などのスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ピニリデン等のフッ
化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、1
2−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリ
エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフエニレンオ
キサイド.ポリアセタール、ポリフエニレンスルフィ
ド、シリコーン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、熱可塑
性エラストマーやこれらの架橋物などが挙げられる。
【0015】本発明の建築用下地材フィルムを構成する
熱可塑性樹脂は、その50重量%を超える部分がポリオ
レフィン樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂全部
がポリオレフィン樹脂であることも好ましい。ポリオレ
フィン樹脂は、機械的強度および化学的安定性に優れる
からである。すなわち、本発明の建築用下地材フィルム
を構成する熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂である
ことが好ましい。また、該ポリオレフィン樹脂は、前記
長分子鎖長ポリオレフィンを10重量%以上含有するこ
とが好ましく、20重量%以上含有することが特に好ま
しく、30重量%以上含有することがとりわけ好まし
い。
【0016】ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子
鎖長、分子量および重量平均分子量は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、特
定分子鎖長範囲または特定分子量範囲のポリオレフィン
の混合比率(重量%)はGPC測定により得られる分子
量分布曲線の積分により求めることができる。
【0017】ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後
述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、よ
り具体的には以下の手順で求められるパラメータであ
る。
【0018】すなわち、GPC測定の移動相としては、
測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶
解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異
なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各
標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンの
Qファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を
求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそ
れに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの
分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にあ
る。 分子量=分子鎖長×Qファクター次に、未知試料のGP
C測定を行い、保持時間ー溶出成分量曲線を得る。標準
ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであっ
た標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未知試
料のGPC測定において保持時間Tであった成分の「ポ
リスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係を用
いて、当該未知試料の前記保持時間ー溶出成分量曲線か
ら、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分布
(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関係)
が求められる。
【0019】上記建築用下地材に用いるフィルムは、無
機充填剤あるいは有機充填剤などの充填剤を含有してい
てもよく、本発明の効果を妨げない範囲で脂肪酸エステ
ルや低分子量ポリオレフィン樹脂などの延伸助剤、安定
化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの添加剤
を含有してもよい。
【0020】上記建築用下地材に用いるフィルムが、例
えば分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長ポリオレ
フィンを含有するポリオレフィン樹脂を原料とする場
合、樹脂原料と無機化合物および/又は樹脂の微粉末と
を、強混練できるようセグメント設計した2軸混練機を
使用して混練した後、ロール圧延法によりフィルム化
し、得られた原反フィルムを延伸機により延伸すること
によって、目的とするフィルムを製造することができ
る。延伸に使用する装置としては、公知の延伸装置が限
定なく使用可能であり、クリップテンターが好適な手段
として例示される。
【0021】上述の無機化合物の微粉末としては、平均
粒子径が0.1〜1μmの酸化アルミニウムや水酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、
ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが例示される。
特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムを使用し、フ
ィルム作製後に、酸性水により溶解、除去することが、
安定した特性を有する建築用下地材フィルムを得る上で
好適である。
【0022】建築用下地材フィルムを構成する熱可塑性
樹脂は、放射線の照射により架橋されていてもよい。熱
可塑性樹脂が架橋されているフィルムは、非架橋の熱可
塑性樹脂からなる建築用下地材フィルムよりも耐熱性や
強度において優れる。
【0023】本発明の建築用下地材フィルムは、厚み5
〜50μm程度であることが特に好ましく、当該フィル
ムを構成する熱可塑性樹脂が放射線照射により架橋され
ていることが更に効果的である。通常は、フィルムを薄
くすると、強度が低下してしまうという問題がある。こ
れに対して、本発明にかかる建築用下地材フィルムに用
いる多孔性フィルムは、その厚みが5〜50μm程度が
好ましく、かつ、それを構成する熱可塑性樹脂が放射線
の照射により架橋されているフィルムは、透湿性が特に
優れており、かつ高い耐水圧強度を有する建築用下地材
に用いるフィルムとなり得る。
【0024】本発明の建築用下地材フィルムであって熱
可塑性樹脂が架橋されているフィルムは、非架橋の熱可
塑性樹脂を用いて製造した多孔性フィルムに対して、更
に放射線を照射することにより得ることができる。
【0025】架橋のために未架橋の多孔性フィルムに照
射する放射線の種類は特に限定されないが、ガンマー
線、アルファー線、電子線などが好ましく用いられ、生
産速度や安全性の面から電子線の使用が特に好ましい。
【0026】放射線源としては、加速電圧が100〜3
000kVの電子線加速器が好ましく用いられる。加速
電圧が100kVより小さいと電子線の透過深さが充分
でなく、3000kVより大きいと装置が大掛かりとな
って、コスト的に好ましくない。放射線照射装置の例と
しては、バンデグラーフ型などの電子線走査型装置やエ
レクトロンカーテン型などの電子線固定・コンベア移動
型装置などが挙げられる。
【0027】放射線の吸収線量は0.1〜100Mra
dであることが好ましく、0.5〜50Mradである
ことがより好ましい。吸収線量が0.1Mradより小
さい場合には樹脂を架橋させる効果が充分でなく、10
0Mradより大きい場合は強度が著しく低下するため
好ましくない。
【0028】放射線を照射するときの照射雰囲気は、空
気中としてもよいが、窒素など不活性ガス雰囲気である
ことが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限される
ものではない。実施例および比較例に示す建築用下地材
フィルムの物性は、下記の評価方法により測定した。
【0030】[評価方法] (1)耐水性評価 フィルムの耐水圧(単位:mm水柱)をJIS L10
92に規定されている静水圧A法(低水圧法)に準じて
測定した。耐水圧が高いほど、耐水圧性は優れる。
【0031】(2)透湿性評価 フィルムの透湿度(単位:g/m2 ・day)をJIS
Z0208に規定されているカップ法に準じて測定し
た。透湿度が高いほど、透湿性は優れる。
【0032】(3)通気性評価 フィルムのガーレー値(秒/100cc)は、JIS
P8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精機
製)にて測定した。ガーレー値が小さいほど、通気性は
優れる。
【0033】(4)フィルム厚み測定 フィルムの厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚
み計(TOF2 Var3.22)を用いて、幅方向、
長さ方向にわたり、10点でフィルムの厚みを測定し、
全測定値の平均値を算出した。その平均値をフィルムの
厚みとした。
【0034】(5)平均細孔直径 ASTM F316−86に準拠し、バブルポイント法
により、Perm−Porometer(PMI社製)
にて平均細孔直径d(μm)を測定した。
【0035】(6)平均細孔半径 JIS K1150に準拠し、水銀圧入法により、オー
トポア III9420(MICROMERITICS社
製)にて平均細孔半径r(μm)を測定した。尚、平均
細孔半径を求めるにあたり、0.0032〜7.4μm
の範囲の細孔半径分布を測定した。
【0036】(7)突刺強度 直径12mmのワッシャーにて固定したフィルムに、直
径1mm、針先曲率半径0.5mmの金属製の針を、2
00mm/分の速さで突き刺した際に、孔が開口する最
大荷重を測定し、突刺強度とした。
【0037】(実施例1)炭酸カルシウム(商品名:ス
ターピゴット15A、白石カルシウム社製、平均粒子径
0.15μm)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハ
イゼックスミリオン340M、三井化学製、重量平均分
子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点
136℃)70重量%とポリエチレンワックス(ハイワ
ックス110P、三井化学製、重量平均分子量100
0、融点110℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂
70vol%とを強混練できるようセグメント設計した
2軸混練機(プラステック工学研究所製)を使用して混
練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物中の分子鎖長
2850nm以上のポリエチレンの含有率は、27重量
%であった。この樹脂組成物をロール圧延(ロール温度
150℃)することにより、約80μmの膜厚の原反フ
ィルムを作製した。
【0038】得られた原反フィルムをテンター延伸機に
より延伸温度110℃で約5倍に延伸し、建築用下地材
用延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの表面の
走査電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0039】この実施例1にて得られた建築用下地材フ
ィルムの耐水圧性、透湿性、通気度、膜厚、平均細孔直
径d 、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺強度の測定
結果を表1に示す。
【0040】(実施例2)炭酸カルシウム(商品名:ピ
ゴット10、白石カルシウム社製、平均粒子径0.1μ
m)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックス
ミリオン340M、三井化学製、重量平均分子鎖長17
000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)
70重量%とポリエチレンワックス(ハイワックス11
0P、三井化学製、重量平均分子量1000、融点11
0℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%
とを実施例1で使用したのと同じ2軸混練機を使用して
混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をロール圧
延(ロール温度150℃)することにより、約60μm
の膜厚の原反フィルムを作製した。
【0041】得られた原反フィルムをテンター延伸機に
より延伸温度110℃で約5倍に延伸し、建築用下地材
フィルムを得た。得られたフィルムの物性等を表1 に示
す。 (比較例1)市販されている多孔性フィルムを建築用下
地材フィルムとして使用したときの耐水性、通気度、膜
厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、
突刺強度の測定結果を表1に示す。この多孔性フィルム
は、高ドラフト比(引取速度/押出速度)にて成形した
ポリプロピレン層/ポリエチレン層/ポリプロピレン層
という層構成の積層フィルムに結晶化熱処理を施した
後、これを低温延伸し、次いで高温延伸して結晶界面を
剥離させて成形したフィルムである。
【0042】
【表1】 表1から分かるように、実施例1及び2は、比較例1に
比べて突刺強度は顕著に高く、またガーレー値は顕著に
小さい。すなわち、実施例1及び2では、強度に優れる
と共に通気性にも優れる建築用下地材フィルムが得られ
たことが分かる。また、実施例のフィルムは耐水圧性に
も優れている。
【0043】〔別実施の形態〕 (1)上記実施形態では、ポリオレフィン樹脂製の多孔
性フィルムを単独に使用する例を示したが、多孔性フィ
ルムの透湿性を損なわない範囲で不織布、各種織布、編
地などを積層した複合フィルムとして用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の建築用下地材フィルムに用いられる
多孔性フィルムの電子顕微鏡写真
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29C 55/02 B29C 55/02 (C08L 101/00 C08L 23:00 23:00) (72)発明者 花田 暁 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 山田 武 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA08 AA16 AA32 AA36 AA38 AA66 AA70 AA71 AA74 AA76 AA77 AA78 AA87 AA90 AB00 AB01 AB03 AC17 AC19 AC20 AC24 AC26 AE01 CA02 CB03 CB14 DA03 DA08 DA10 DA23 DA59 4F210 AA04 AB23 AG01 AG20 AH46 AR12 QA02 QA04 QC03 QD13 QN01 4J002 BB011 BB012 BC031 BC051 BD031 BD131 BD141 BP011 CB001 CF061 CF071 CG001 CH071 CH091 CK021 CL011 CL031 CM041 CN011 CP031 DE076 DE106 DE116 DE136 DE146 DE236 DE286 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細孔を有する熱可塑性樹脂製多孔性フ
    ィルムからなり、前記熱可塑性樹脂は、分子鎖長が28
    50nm以上のポリオレフィンを1重量%以上含有する
    ことを特徴とする建築用下地材フィルム。
  2. 【請求項2】 バブルポイント法(ASTM F316
    −86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μ
    m)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求め
    た前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式を
    満たすものである請求項1又は2の建築用下地材フィル
    ム、 1.2≦2r/d≦1.7
  3. 【請求項3】 前記微細孔は、平均細孔直径dが0.0
    3〜3μmである請求項1又は2の建築用下地材フィル
    ム。
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