JP2003210053A - 農業用マルチングフィルム - Google Patents

農業用マルチングフィルム

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JP2003210053A
JP2003210053A JP2002012858A JP2002012858A JP2003210053A JP 2003210053 A JP2003210053 A JP 2003210053A JP 2002012858 A JP2002012858 A JP 2002012858A JP 2002012858 A JP2002012858 A JP 2002012858A JP 2003210053 A JP2003210053 A JP 2003210053A
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mulching film
agricultural mulching
polyolefin
chain length
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Atsuhiro Takada
敦弘 高田
Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
Akira Hanada
暁 花田
Takeshi Yamada
武 山田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】雨水の侵入を防止可能な耐水性を有すると共に
農作物の蒸れや腐食を防止可能な通気性、透湿性を有
し、しかも十分な強度を有する農業用マルチングフィル
ムを提供する。 【解決手段】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂にて形成さ
れたフィルムからなり、微細孔を有し、ポリオレフィン
系熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上のポリ
オレフィンを少なくとも1%以上含む農業用マルチング
フィルムとする。フィルムは、ガーレー値が10〜10
00秒/100ml、全光線透過率が30%以下である
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用マルチング
フィルムに関する。より詳しくは、強度に優れ、外力作
用時の耐水性、通気性及び透湿性の保持性にも優れた農
業用マルチングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】農業用マルチングフィルムは、農作物の
植え付け用の穴の周囲や果樹の幹の周囲の土壌を被覆し
て雑草の繁茂を防止するものである。従来の農業用マル
チングフィルムは、黒色の熱可塑性樹脂にて形成されて
いるために遮光性はよいが、通気性、透湿性が悪く、農
作物の植え付け用の穴だけでは農作物が蒸れ、場合によ
っては腐ってしまうという問題があった。
【0003】かかる問題解決のために、例えば実開昭4
9−95129号公報に開示されているように、作物の
植え付け用の穴を設けると共にその周囲に多数の細孔を
設けた農業用マルチングフィルムが公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】果樹園などにおいて
は、地面に敷きつめてその上を作業者が歩く場合もあ
り、マルチングフィルムには、そのような際に破損しな
い強度を有することも求められる。しかるに、従来の農
業用マルチングフィルムは、一般的な熱可塑性樹脂フィ
ルムで形成されていて強度自体がそれ程高いものではな
く、作物の植え付け用の穴、又は通気性、透湿性確保の
ために形成された穴が応力による亀裂成長のきっかけと
なり、全体として強度が十分ではなかった。
【0005】本発明の目的は、強度に優れ、かつ外力作
用時の耐水性、通気性及び透湿性の保持性に優れた農業
用マルチングフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の農業用マルチン
グフィルムは、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂にて形成
されたフィルムからなり、微細孔を有し、前記ポリオレ
フィン系熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上
のポリオレフィンを少なくとも1%以上含むものである
ことを特徴とする。
【0007】かかる構成の農業用マルチングフィルム
は、強度に優れ、しかも作業者の歩行などにより外力が
作用した場合にも、耐水性、通気性、及び透湿性を良好
に維持することができる。またかかる構成の農業用マル
チングフィルムは、全体が不透明であり、貫通孔もない
ので雑草を成長させる程度の光の透過が起こらない。
【0008】特に、ポリオレフィン系樹脂が分子鎖長が
2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含有す
る農業用マルチングフィルムは強度に優れており、従っ
て機械的強度を維持しつつ膜厚を薄くすることができ
る。このため通気性、透湿性もより向上させることがで
き、本発明の効果をより発現する農業用マルチングフィ
ルムが得られる。農業用マルチングフィルムの強度の観
点から、ポリオレフィン系樹脂は、分子鎖長が2850
nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを1重量%以上含
有していることが好ましく、10重量%以上含有してい
ることがより好ましく、20重量%〜80重量%含有し
ていることが更に好ましい。長分子鎖長ポリオレフィン
の含有率が80重量%を超えると、フィルム化加工の費
用が高くなる場合が有る。
【0009】ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子
鎖長、分子量及び重量平均分子量はGPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)により測定し、特定分
子鎖長範囲又は特定分子量範囲のポリオレフィンの混合
比率(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布
曲線の積分により求めることができる。
【0010】ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後
述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、よ
り具体的には以下の手順で求められるパラメータであ
る。
【0011】すなわち、GPC測定の移動相としては、
測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶
解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異
なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各
標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンの
Qファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を
求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそ
れに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの
分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にあ
る。
【0012】分子量=分子鎖長×Qファクター 次に、未知試料のGPC測定を行い、保持時間−溶出成
分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定におい
て、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長を
Lとするとき、未知試料のGPC測定において保持時間
Tであった成分の「ポリスチレン換算の分子鎖長」をL
とする。この関係を用いて、当該未知試料の前記保持時
間−溶出成分量曲線から、当該未知試料のポリスチレン
換算の分子鎖長分布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶
出成分量との関係)が求められる。
【0013】また本発明の農業用マルチングフィルム
は、厚さ25μmあたりのガーレー値(通気度)が10
〜1000秒/100mlであり、全光線透過率が30
%以下であることが好ましい。
【0014】上記ガーレー通気度の範囲に設定されてい
る農業用マルチングフィルムは特に優れた通気性及び透
湿性を有するので、効果的に農作物の蒸れを防止するこ
とができる。そして全光線透過率を30%以下とするこ
とにより、雑草の成長を特に効果的に抑制することがで
きる。全光線透過率は小さいほどよく、0%でもよい。
原料のポリオレフィン系樹脂にカーボンブラック等を添
加すると全光線透過率は大きく低下する。
【0015】本発明の農業用マルチングフィルムにおい
ては、前記微細孔は、平均細孔直径dが0.06〜3μ
mであることが好ましい。微細孔の平均細孔直径d(μ
m)は、バブルポイント法(ASTM F316−8
6)により求めることができる。
【0016】平均細孔直径が0.06μm未満の場合に
は通気性、透湿性が十分でない場合が発生し、3μmを
超えると雨水が侵入しやすくなる。
【0017】また本発明の農業用マルチングフィルム
は、空隙率が40〜80%であることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の農業用マルチングフィル
ムを構成するポリオレフィン系樹脂は、1種類のオレフ
ィンの重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体
を主成分とするものである。ポリオレフィン系樹脂の原
料となるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、
ブテン、ヘキセンなどが挙げられる。ポリオレフィン系
樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリ
エチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密
度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン
系樹脂、ポリ(4 −メチルペンテン−1)、ポリ(ブテ
ン−1)、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げ
られる。
【0019】上記のポリオレフィン系樹脂に加えて他の
熱可塑性樹脂を併用してもよい。かかる熱可塑性樹脂と
しては、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、
6,6−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリ
フェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルイミド、熱可塑性エラストマーやこれらの架橋物等
が挙げられる。
【0020】本発明の農業用マルチングフィルムは無機
充填剤あるいは有機充填剤等の充填剤を含有していても
よい。
【0021】さらに本発明の農業用マルチングフィルム
は本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エステルや低分
子量ポリオレフィン樹脂等の延伸助剤、安定化剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料などの着色剤等の
添加剤を含有してもよい。
【0022】分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長
ポリオレフィンを含有するポリオレフィン系樹脂を原料
とする本発明の農業用マルチングフィルムは、例えば、
樹脂原料と無機化合物及び/又は樹脂の微粉末とを、強
混練できるようセグメント設計した2軸混練機を使用し
て混練した後、ロール圧延法によりフィルム化し、得ら
れた原反フィルムを延伸機により延伸することによっ
て、製造することができる。
【0023】このようにして得られたポリオレフィン系
樹脂フィルムは、該フィルムの1方向に伸びる幹フィブ
リルと前記幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとか
らなる3次元網状組織により形成される微細孔を有し、
枝フィブリルの形成密度が幹フィブリルの形成密度より
高いものとなる。かかる多孔性フィルムの孔構造を、l
oofah構造と称する。
【0024】かかる構成の多孔性フィルムは、優れた耐
水性、均一な通気性、透湿性を有し、しかも十分な強度
を有する。また全体が不透明であり、貫通孔もないので
雑草を成長させる程度の光の透過が起こらないものであ
り、農業用マルチングフィルムに好適である。
【0025】また、枝フィブリルの形成密度が、幹フィ
ブリルの形成密度より高いことによって、最大熱収縮方
向、及びそれに直交する方向との力学強度のバランスの
優れた農業用マルチングフィルムとなる。枝フィブリ
ル、幹フィブリルは、必ずしも直線的に伸びている必要
はない。また、幹フィブリルの伸びる方向は、電子顕微
鏡写真により確認でき、フィルムの裁断により決定され
るので、特に特定されるものではない。「1方向に伸び
る」とは、すべての幹フィブリルが直線的に平行に特定
方向に伸びていることを要するものではなく、蛇行しつ
つある程度のばらつきを有して平均的に特定方向に配向
していることを意味する。
【0026】枝フィブリル、幹フィブリルのそれぞれの
形成密度は、フィルム1μm2 の面積に存在するフィブ
リルの数であり、走査型電子顕微鏡によりフィルム表面
を観測して求める。具体的には、5×5μmの中に存在
するフィブリルの数を計測して求める。
【0027】延伸に使用する装置としては、公知の延伸
装置が限定なく使用可能であり、クリップテンターが好
適な手段として例示される。
【0028】上述の無機化合物の微粉末としては、平均
粒子径が0.1〜1μmの酸化アルミニウムや水酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、
ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが例示される。
特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムを使用し、農
業用マルチングフィルムを作製後に、酸性水により溶
解、除去することが、安定した通気性、透湿性を得る上
で好適である。
【0029】本発明の農業用マルチングフィルムを構成
している熱可塑性樹脂は、放射線の照射により架橋され
ていてもよい。熱可塑性樹脂が架橋されている農業用マ
ルチングフィルムは、非架橋の熱可塑性樹脂からなる農
業用マルチングフィルムよりも耐熱性や強度において優
れている。
【0030】本発明の農業用マルチングフィルムは厚み
3〜50μm程度の薄膜であることが効果的である。ま
た、この場合、農業用マルチングフィルムを構成する熱
可塑性樹脂が放射線照射により架橋されていることも効
果的である。通常は、農業用マルチングフィルムを薄膜
化すると、膜強度が低下してしまうという問題がある。
これに対して、本発明にかかる農業用マルチングフィル
ムであって、その膜厚が3〜50μm程度であり、か
つ、それを構成する熱可塑性樹脂が放射線の照射により
架橋されているフィルムは、通気性や透湿性が特に安定
しており、かつ高い強度を有する農業用マルチングフィ
ルムとなり得る。
【0031】本発明の農業用マルチングフィルムであっ
て熱可塑性樹脂が架橋されているフィルムは、非架橋の
熱可塑性樹脂を用いて製造した本発明の農業用マルチン
グフィルムに対して更に放射線を照射することにより得
ることができる。
【0032】架橋のために本発明の農業用マルチングフ
ィルムに照射する放射線の種類は特に限定されないが、
ガンマー線、アルファー線、電子線などが好ましく用い
られ、生産速度や安全性の面から電子線の使用が特に好
ましい。
【0033】放射線源としては、加速電圧が100〜3
000kVの電子線加速器が好ましく用いられる。加速
電圧が100kVより小さいと電子線の透過深さが充分
でなく、3000kVより大きいと装置がおおがかりで
コスト的に好ましくない。放射線照射装置の例として
は、バンデグラーフ型などの電子線走査型装置やエレク
トロンカーテン型などの電子線固定・コンベア移動型装
置などが挙げられる。
【0034】放射線の吸収線量は0.1〜100Mra
dであることが好ましく、0.5〜50Mradである
ことがより好ましい。吸収線量が0.1Mradより小
さい場合には樹脂を架橋させる効果が充分でなく、10
0Mradより大きい場合は強度が著しく低下するため
好ましくない。
【0035】本発明の農業用マルチングフィルムに放射
線を照射するときの照射雰囲気は空気でも構わないが、
窒素など不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0036】また、本発明の農業用マルチングフィルム
では、放射線照射の有無にかかわらず、多孔性フィルム
の孔の中に、他の有機あるいは無機化合物を含浸させて
おくことができる。含浸させる化合物は多孔性フィルム
の用途に応じて適宜選択することができるが、例えば殺
虫剤や農薬、化学肥料等の薬剤などが挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限される
ものではない。実施例及び比較例に示す農業用マルチン
グフィルムの物性は下記の評価方法により測定した。
【0038】[評価方法] (1)ガーレー通気度(通気性評価) フィルムのガーレー通気度(秒/100ml)は、JI
S P8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精
機製)にて測定した。
【0039】(2)全光線透過率 JIS K 7361−1のシングルビーム法に準拠
し、330型自記分光光度計(日立製作所製)を使用し
て測定した。全光線透過率は、数値が小さいほど光を遮
断する性能が優れたものといえる。
【0040】(3)平均細孔直径 ASTM F316−86に準拠し、バブルポイント法
により、Perm−Porometer(PMI社製)
にて平均細孔直径d(μm)を測定した。
【0041】(4)突刺強度 直径12mmのワッシャーにて固定したフィルムに、直
径1mm、針先曲率半径0.5mmの金属製の針を、2
00mm/分の速さで突き刺した際に、孔が開口する最
大荷重を測定し、突刺強度とした。
【0042】(5)透湿度 JIS Z 0208に規定されるカップ法に準拠し、
40℃、相対湿度90%の雰囲気中で1時間状態調整を
し、状態調整完了時点から1時間後の水蒸気透過量を測
定し、フィルムの単位面積あたり1日に透過した水蒸気
の量に換算して透湿度として表わした。この値が大きい
ほど、透湿性に優れた農業用マルチングフィルムであ
る。
【0043】(6)耐水圧 JIS L 1092に規定される静水圧A法(低水圧
法)に準じて測定し、mm水柱単位にて表示した。この
値が大きいほど、耐水性に優れた農業用マルチングフィ
ルムである。
【0044】[農業用マルチングフィルムの製造] (実施例1)炭酸カルシウム(スターピゴット15A,
白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)30v
ol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン3
40M,三井化学製、重量平均分子鎖長17000n
m、重量平均分子量300万、融点136℃)70重量
%とポリエチレンワックス(ハイワックス110P,三
井化学製、重量平均分子量1000、融点110℃)3
0重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%とを強混
練できるようセグメント設計した2軸混練機(プラスチ
ック工学研究所製)を使用して混練して樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物中の分子鎖長2850nm以上のポ
リエチレンの含有率は、27重量%であった。この樹脂
組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することに
より、約70μmの膜厚の原反フィルムを作製した。
【0045】得られた原反フィルムをテンター延伸機に
より延伸温度110℃で約5倍に延伸しloofah構
造の多孔性フィルムからなる農業用マルチングフィルム
を得た。得られた農業用マルチングフィルムの表面の走
査電子顕微鏡写真を図1に示した。このマルチングフィ
ルムは、loofah構造を有している。即ち図1のV
方向に蛇行しながら配向しているやや太めの繊維が幹フ
ィブリルであり、V方向と直交する方向に枝フィブリル
が形成されている。図1から明らかなように、枝フィブ
リルの形成密度は、幹フィブリルよりも高い。幹フィブ
リルと枝フィブリルにより、多数の微細な孔が形成され
ている。また枝フィブリルは最大熱収縮方向に配向して
いた。
【0046】この実施例1にて得られた農業用マルチン
グフィルムの耐水圧、通気度、透湿度、全光線透過率、
膜厚、平均細孔直径d並びに突刺強度の測定結果を表1
に示した。
【0047】(比較例1)市販されている多孔性フィル
ムを農業用マルチングフィルムとして使用した。この多
孔性フィルムは、ポリエチレン40重量%と炭酸カルシ
ウム(平均粒子径1.25μm)60重量%からなる樹
脂組成物をTダイ成形機により製膜し、ロール延伸機に
より延伸して製造されたものであり、loofah構造
を有するものではない。この多孔性フィルムの物性も表
1に示した。このフィルムを構成するポリエチレンにつ
いてGPC測定をしたところ、分子鎖長2850nm以
上のポリエチレンの含有量は1%未満であった。この農
業用マルチングフィルムの耐水圧、通気度、透湿度、膜
厚、平均細孔直径d、突刺強度、並びに全光線透過率の
測定結果を表1に示した。
【表1】 実施例1、比較例1の多孔性フィルムを酸水溶液にて洗
浄し、乾燥後、荷重試験を行った。荷重試験において
は、多孔性フィルムを5cm×5cmのアルミ板(厚さ
0.5mm)にて挟み、その上から70kgの荷重
(2.8kg/cm2に相当)を30秒間加えた。70
kgという荷重は、成人男性の体重を想定したものであ
る。荷重試験前後のガーレー値の測定結果を表2に示し
た。
【0048】
【表2】 表2に示した結果より、荷重試験後、実施例1の多孔性
フィルムは通気度がほぼ維持されているのに対して、比
較例1の多孔性フィルムは通気度が低下していることが
分かる。
【0049】
【発明の効果】本発明の農業用マルチングフィルムは、
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂にて形成されたフィルム
からなり、微細孔を有し、ポリオレフィン系熱可塑性樹
脂は、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを
少なくとも1%以上含む構成をとることによって高い通
気性、透湿性を得ることができると共に、機械的強度を
向上することができ、しかも全光線透過率の小さいもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の農業用マルチングフィルムの電子顕
微鏡写真
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花田 暁 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 山田 武 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DA03 DB01 DC03 4F074 AA18 AA20 AA21 AA22 AA25 AA26 AB00 AB01 CA01 CC02Y DA46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂にて形成
    されたフィルムからなり、微細孔を有し、前記ポリオレ
    フィン系熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上
    のポリオレフィンを少なくとも1%以上含むものである
    ことを特徴とする農業用マルチングフィルム。
  2. 【請求項2】 ガーレー通気度が10〜1000秒/1
    00ml、全光線透過率が30%以下である請求項1に
    記載の農業用マルチングフィルム。
  3. 【請求項3】 前記微細孔は、平均細孔直径dが0.0
    6〜3μmである請求項1又は2に記載の農業用マルチ
    ングフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102433014B1 (ko) * 2021-03-23 2022-08-18 주식회사 애니켐 폐비닐 유래 폴리에틸렌 재생수지 사용 친환경 고강인성 멀칭필름

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102433014B1 (ko) * 2021-03-23 2022-08-18 주식회사 애니켐 폐비닐 유래 폴리에틸렌 재생수지 사용 친환경 고강인성 멀칭필름

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