JPH0631844A - 防水透湿シート材 - Google Patents

防水透湿シート材

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JPH0631844A
JPH0631844A JP21480292A JP21480292A JPH0631844A JP H0631844 A JPH0631844 A JP H0631844A JP 21480292 A JP21480292 A JP 21480292A JP 21480292 A JP21480292 A JP 21480292A JP H0631844 A JPH0631844 A JP H0631844A
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JP
Japan
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molecular weight
glass fiber
film
porous film
moisture
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Pending
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JP21480292A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Toma
克行 当麻
Minoru Kishida
稔 岸田
Yoshiaki Kozuka
佳明 小塚
Hiroyuki Matsuda
博之 松田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高分子量ポリエチレン多孔フィルムの優れ
た透湿性を保ちつつ、耐水性を実質的に変化することな
く、優れた強度を有する防水透湿シート材を提供する。 【構成】 単糸径が3〜15μmのガラス繊維からなる
厚みが20〜250μmのガラス繊維織布を内層とし、
重量平均分子量が3×105 〜150×105 の超高分
子量ポリエチレン多孔フィルムを前記ガラス繊維織布の
両面を被覆する外層とし、三層が熱圧接されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量ポリエチレ
ン多孔フィルムとガラス繊維織布とからなる防水透湿シ
ート材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリエチレン多孔フィルム
は、多孔フィルムとしては比較的高強度であるところか
ら電池用セパレーター、電解コンデンサー、各種フィル
ター、防水透湿衣料等の各種用途に用いられている。従
来、このようなポリオレフィン多孔フィルムは、異種固
体がミクロ分散しているポリオレフィン成形体に延伸等
の歪を与えることによりマトリックスポリオレフィンと
異種固体間に空孔を生じさせ多孔化する方法、あるいは
異種ポリマー等からなる孔形成剤としての微粉体をポリ
オレフィンにミクロ分散させた後、孔形成剤を抽出する
方法等で製造されている。
【0003】近年、フィルムに形成し得る超高分子量ポ
リオレフィンが開発され、これからなる高強度のフィル
ムまたは多孔フィルムが種々提案された。
【0004】例えば、特開平2−232242号公報
は、超高分子量ポリエチレンの蒸発性溶媒溶液をフィル
ムに形成し、溶解温度以下の温度でフィルムから溶媒を
蒸発させ、ついでフィルム中で生じる収縮をフィルム面
の少なくとも1方向で防止するか、またはフィルム面の
1つ以上の方向にフィルムを延伸し、フィルムから溶媒
を除去することによる超高分子量ポリエチレン多孔フィ
ルムを得ることを開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして得られる超高分子量ポリエチレン多孔フィルム
は、未だ満足できる充分な強度を有するとは言えない。
そのため、超高分子量ポリエチレン多孔フィルムを強度
のある適当な多孔性支持体に積層し、多孔フィルムの優
れた透湿性等の特性を保ったまま、強度不足を補うこと
が考えられるが、従来のように接着剤を用いて接着する
と多孔フィルムの持つ性能が低下することがわかった。
【0006】本発明の目的は、超高分子量ポリエチレン
多孔フィルムの透湿性及び耐水性を実質的に変化するこ
となく、優れた強度を有する防水透湿シート材を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
解決すべく鋭意研究の結果、超高分子量ポリエチレン多
孔フィルムとガラス繊維織布とを熱圧接することによ
り、超高分子量ポリエチレン多孔フィルムの有する優れ
た透湿性を保持しつつ、耐水性を実質的に変化すること
なく、優れた強度を付与することができることを見出
し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち、本発明の防水透湿シート材は、
単糸径が3〜15μmのガラス繊維からなる厚みが20
〜250μmのガラス繊維織布を内層とし、重量平均分
子量が3×105 〜150×105 の超高分子量ポリエ
チレン多孔フィルムを前記ガラス繊維織布の両面を被覆
する外層とし、三層が熱圧接されていることを特徴とす
るものである。
【0009】本発明に用いる超高分子量ポリエチレン
は、重量平均分子量が3×105 以上、好ましくは8×
105 〜50×105 の範囲のものである。重量平均分
子量が3×105 未満では、超高分子量ポリエチレンの
特長である高弾性率で高強度の多孔フィルムが得られな
い。溶媒に溶解した超高分子量ポリエチレンの粘度は分
子量とともに増大し、分子量が高くなるにつれて成形性
が難しくなる。このため通常150×105 を越える分
子量を有する超高分子量ポリエチレンは適用されない。
重量平均分子量は公知の方法、例えば、ゲル透過クロマ
トグラフィーあるいは光散乱法により決定できる。
【0010】本発明で用いる超高分子量ポリエチレン
は、好ましくは遷移金属触媒を用いる一般に公知の方法
により製造することができる。超高分子量ポリエチレン
は、少量の、好ましくは最高5モル%のプロピレン、ブ
テン、ペンテン、ヘキセン、4−メチル−ペンテン−
1、オクテン等のポリマーの1つ以上が共重合された他
のアルケンポリマーを含んでもよい。また、超高分子量
ポリエチレンは少量の、好ましくは最高25モル%の1
つ以上の他のポリマー、とくにポリプロピレン、ポリブ
チレン、少量のエチレンで共重合されたプロピレン等の
アルケンポリマーと混合してもよい。超高分子量ポリエ
チレンは、安定剤、着色剤、顔料、充填剤等の添加剤を
含有してもよい。
【0011】本発明に用いる超高分子量ポリエチレン多
孔フィルムは、特開昭61−84225号公報、特開平
2−232242号公報等に記載の公知の方法で製造さ
れる。その方法として、例えば特開昭61−84225
号公報に記載されているように、超高分子量ポリエチレ
ンを最低100℃の沸点を有する脂肪族炭化水素、環状
脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、例えば、トルエ
ン、キシレン、テトラリン、デカリン、炭素数9〜10
のアルケンまたは石油留分に溶解し、この溶液をゲル化
温度以上の温度でスリット状ダイからフィルム状に押し
出し、ゲル化し、溶媒の全部または一部を除去するかま
たは除去しないで、75℃以上の温度で延伸し超高分子
量ポリエチレンフィルムを得る。また、特開平2−23
2242号公報に記載されているように、超高分子量ポ
リエチレンの蒸発性溶媒溶液をフィルムに形成し、ゲル
化し、溶解温度以下の温度でフィルムから溶媒を蒸発さ
せ、ついでフィルム中で生じる収縮をフィルム面の少な
くとも1方向で防止するか、またはフィルム面の1つ以
上の方向にフィルムを延伸しフィルムから溶媒を除去す
ることにより超高分子量ポリエチレン多孔フィルムを得
ることができる。
【0012】他方、補強用基材として用いるガラス繊維
織布は、公知の方法で製造される。また、ガラス繊維に
用いられるガラスとしては、Eガラス、Sガラス、Cガ
ラス、Dガラス、石英ガラス、シリカガラス等があげら
れる。本発明に用いるガラス繊維織布は、ヒートクリー
ニングあるいは、各種カップリング処理が施されている
ものでも良い。
【0013】次に、本発明の防水透湿シート材は、ポリ
エチレン多孔フィルムとガラス繊維織布をダブルベルト
プレス、プレスロールあるいはホットプレスで熱圧接さ
せることにより得られる。
【0014】本発明の構成をさらに詳述する。防水透湿
シート材は、ポリエチレン多孔フィルムとガラス繊維織
布との熱圧接による接着で積層されている。ポリエチレ
ン多孔フィルムは、前記の公知の方法で製造されるが、
空孔率を上げるため、通常同時二軸延伸あるいは逐次二
軸延伸される。同時二軸延伸の延伸倍率は縦方向1.2
〜9倍、横方向1.2〜9倍で、かつ延伸温度はポリエ
チレンの融点より5〜60℃以下が好ましい。延伸温度
が融点より5℃未満低い温度である場合には、延伸時フ
ィルムの溶断がおこりやすく、また融点より60℃を越
える低い温度である場合には、延伸斑が発生する。逐次
二軸延伸は、通常、ロールによる縦延伸を行った後、テ
ンターによる横延伸が行なわれる。延伸倍率は、縦方向
3〜9倍、横方向3〜9倍で、延伸温度は縦方向延伸6
0〜120℃、横方向延伸温度は縦方向の延伸温度より
5℃以上高い温度が好ましい。温度差が少ないと、延伸
時に破断しやすくなる。このようにして延伸されたフィ
ルムは、30〜85%の空孔率を持つフィルムとなる。
【0015】他方、補強用基材として用いるガラス繊維
織布は、公知の紡糸装置を用いることにより得られる。
ガラス繊維織布を構成するガラス繊維の単糸径は、3〜
15μmであるものが好ましく、ガラス繊維織布の厚み
は20〜250μmのものが好ましい。単糸径が3μm
より細くなると、折れ易く取扱いが難しくなり、15μ
mをこえると、織布に加工しても表面の凹凸のあるもの
となり、シート材に用いた場合、表面平滑性が悪くな
る。また、ガラス繊維織布の厚みが20μmより薄くな
ると、ガラス繊維織布の強度が弱くなり、表面処理や熱
圧接工程での取扱いが難しくなる。厚みが250μmを
こえると、厚みを確保するために太い単糸径のガラス繊
維を用いる必要があり、織布の表面も凹凸のあるものと
なる。織布の構造は平織り、綾織り、絡み織り等用途に
応じて使われる。
【0016】超高分子量ポリエチレン多孔フィルムは、
未延伸の状態でも使用できるが、用途に応じて延伸され
ていてもよい。また、ガラス繊維織布との組み合わせ
は、超高分子量ポリエチレン多孔フィルムを両外層に、
ガラス繊維織布を内層に挟んだサンドイッチ状等の多層
状が好ましい。また、熱圧接による接着は、通常、ダブ
ルベルトプレス、プレスロールあるいはホットプレスに
より行う。熱圧接時の圧接温度は、超高分子量ポリエチ
レンの融点より5〜30℃高い温度であるのが好まし
く、圧接圧はホットプレスではゲージ圧力で5kg/c
2 以上の加圧下で行うのが好ましい。このようにして
得られた防水透湿シート材は、一方の外層の超高分子量
ポリエチレン多孔フィルムが内層となるガラス繊維の空
隙から他方の外層となる超高分子量ポリエチレン多孔フ
ィルムと強固に圧接し、かつポリエチレン多孔フィルム
の持つ優れた透湿性、耐水性とガラス繊維織布の持つ優
れた強度とを併せ持つ良好なものとなる。また、積層す
ることにより引裂強力も一段と強くなる。
【0017】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例における物性値の測定方法は次
のとおりである。
【0018】(1)多孔フィルムの厚み マイクロメーターにより測定した。 (2)多孔フィルムの引張強度 ASTM D−882に準じてインテスコ社製万能引張
試験機を用いて測定した。 (3)多孔フィルムの空孔率 空孔率は、次式を用いて測定した。 空孔率(%)=(1−フィルム密度/嵩密度)×100 [式中、嵩密度は未延伸フィルムの密度を意味する。] フィルム密度は、ASTM D−792に準じて測定し
た。 (4)多孔フィルムの空孔径 日立製作所製S−4000型電界放射形走査電子顕微鏡
を用いて撮影した表面写真より測定した。 (5)シートの引張強力 JIS L−1096に記載のストリップ法に準じ、幅
30mm、長さ200mmの試験片を用いインテスコ社
製万能引張試験機により最大引張強力を測定した。 (6)シートの引裂強力 JIS K−7128に記載のトラウザー引裂き法に準
じ、インテスコ社製万能引張試験機を用いて測定した。 (7)透湿度 JIS L−1099に記載の塩化カルシウム 法(A-1 法)
に準じて測定した。 (8)耐水度 JIS L−1092に記載のA法(低水圧法)に準じ
て測定した。
【0019】実施例1 三井石油化学社製ポリエチレン(商品名リュブマーL5
000、平均分子量8×105 )に炭酸カルシウム40
重量%を池貝鉄工(株)製PCM−45二軸押出機を用
いて200℃で溶融混合してペレットとし、このペレッ
トをTダイ製膜機で製膜して未延伸フィルムを得た。得
られた未延伸フィルムを延伸歪速度3000%/分、延
伸温度120℃、延伸倍率3×3で同時二軸延伸し、ポ
リエチレン多孔フィルムを得た。この多孔フィルムの性
能は、厚み200μm、目付130g/m2 、引張強力
5kgf/3cm、引裂強力1.5kgf、空孔率30
%、空孔径5〜20μ、透湿度1100g/m2 /Da
y、耐水度12000mmH2 Oであった。
【0020】この多孔フィルム2枚でガラス繊維織布
(ユニチカユーエムグラス社製ガラスクロス116T、
単糸径7μm、織密度経糸60本/25mm、緯糸58
本/25mm)の両面をサンドイッチ状にはさみ、ホッ
トプレス加工機を用いて温度140℃、ゲージ圧5kg
/cm2 の条件で熱圧接し、防水透湿シート材を得た。
このシートの性能を表−1に示す。
【0021】比較例1 実施例1における多孔フイルムのみを比較例1として、
その性能を表ー1に示す。
【0022】実施例2 重量平均分子量10×105 のポリエチレン未延伸フィ
ルム(DSM社製SOLUPOR)を実施例1と同様の
延伸条件で延伸し、ポリエチレン多孔フィルムを得た。
この多孔フィルムの性能は、厚み100μm、目付80
g/m2 、引張強度4kgf/3cm、引裂強力2.0
kgf、空孔率40%、空孔径5〜20μ、透湿度10
00g/m2 /Day、耐水度12000mmH2 Oで
あった。この多孔フィルム2枚で、実施例1で用いたガ
ラス繊維織布の両面をサンドイッチ状にはさみ、ホット
ロール加工機を用いて温度140℃、線圧50kg/c
mの条件で熱圧接し、防水透湿シート材を得た。このシ
ートの性能を表−1に示す。
【0023】比較例2 実施例2における多孔フイルムのみを比較例2として、
その性能を表ー1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1より明らかなごとく、実施例1〜2の
防水透湿シート材は、比較例に比べ引張強力および引裂
強力のいずれも高く、多孔フィルムの持つ透湿性を保ち
つつ、耐水性もその性能を維持していることがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の防水透湿シート材は、超高分子
量ポリエチレン多孔フィルムとガラス繊維織布とが圧接
されてなり、多孔フィルムの優れた透湿性は実質的に保
持されており、またシート材全体は充分な引張強力およ
び引裂強力を有し、取扱いも容易であり、大型構造物用
膜材、農業用ハウス、軒だしテント材料等の資材にも用
いることができるほか、透湿性を維持していることによ
り、膜構造物内部の露結を防止できるなどの優れた効果
を奏するので、広範囲の用途に適用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 博之 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸径が3〜15μmのガラス繊維から
    なる厚みが20〜250μmのガラス繊維織布を内層と
    し、重量平均分子量が3×105 〜150×105 の超
    高分子量ポリエチレン多孔フィルムを前記ガラス繊維織
    布の両面を被覆する外層とし、三層が熱圧接されている
    ことを特徴とする防水透湿シート材。
JP21480292A 1992-07-21 1992-07-21 防水透湿シート材 Pending JPH0631844A (ja)

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JP21480292A JPH0631844A (ja) 1992-07-21 1992-07-21 防水透湿シート材

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JP21480292A JPH0631844A (ja) 1992-07-21 1992-07-21 防水透湿シート材

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JPH0631844A true JPH0631844A (ja) 1994-02-08

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069221A (ja) * 2000-06-14 2002-03-08 Sumitomo Chem Co Ltd 多孔質フィルムおよびそれを用いた電池用セパレータ
US8859052B2 (en) * 2008-12-19 2014-10-14 General Electric Company Methods for making environmental barrier coatings and ceramic components having CMAS mitigation capability
JP2019150989A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 アイシーケイ株式会社 硬質ウレタンフォーム断熱ボードの製造方法および硬質ウレタンフォーム断熱ボード

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US8859052B2 (en) * 2008-12-19 2014-10-14 General Electric Company Methods for making environmental barrier coatings and ceramic components having CMAS mitigation capability
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