JPH07185274A - 異形断面多孔質中空糸膜及びその製造方法 - Google Patents

異形断面多孔質中空糸膜及びその製造方法

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JPH07185274A
JPH07185274A JP33309393A JP33309393A JPH07185274A JP H07185274 A JPH07185274 A JP H07185274A JP 33309393 A JP33309393 A JP 33309393A JP 33309393 A JP33309393 A JP 33309393A JP H07185274 A JPH07185274 A JP H07185274A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
modified cross
porous hollow
section
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JP33309393A
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English (en)
Inventor
Kiyonobu Okamura
清伸 岡村
Kunio Misoo
久仁夫 三十尾
Yasushi Ohori
康司 大堀
Noritaka Shibata
規孝 柴田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、溶融賦型可能な結晶性熱可塑性有
機高分子化合物よりなり、空孔率30〜90%を有する
多孔質中空糸膜に於て、中空糸膜の外周部と内周部との
間に特定の式を満足する空隙を少なくとも1個有する異
形断面多孔質中空糸膜及びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】多孔質膜は医療用として血漿分
離、輸液濾過、血漿蛋白の分離、無菌水の製造などに、
工業用としてICの洗浄水、食品加工用水の製造、その
他の工程用水の浄化等に用いられ更には、近年、家庭
用、若しくは飲食品店用などに大量に用いられている。
本発明はこれ医療用、工業用の濾過、分離等に適した結
晶性熱可塑性有機高分子化合物よりなる多孔質中空糸膜
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィンは、原料コストが安価であること、機械的強
度が比較的高いこと、溶融賦型法により容易に製造でき
ること、一次構造が安定であることから溶出物の少ない
こと等の特徴があり、工業用途、医療用途などに広く使
用されている。然乍、従来製造されているポリオレフィ
ン多孔質中空糸膜は、溶融延伸多孔化しているため、膜
の内表面と、外表面の孔径が、ほとんど同じサイズであ
り、湿式等のミクロ相分離方法で作製した膜に比べ、同
じ孔径では、フラックスが小さいという欠点があった。
逆にミクロ相分離方法で作製した膜は、溶剤にポリマー
が溶解する系に限定される。又、製膜後の脱溶剤にかな
りのエネルギーを消費する場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な状況に鑑みてなされたものであり、その目的はポリオ
レフィンの溶融賦型法で作製した中空糸膜の利点をその
まま残し、かつフラックスが格段に向上した中空糸膜及
びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、溶融賦
型可能な結晶性熱可塑性有機高分子化合物よりなり、空
孔率30〜90%を有する多孔質中空糸膜に於て、中空
糸膜の外周部と内周部との間に下記式(I)を満足する
空隙を少なくとも1個有する異形断面多孔質中空糸膜に
ある。 L/((D2 −D1 )/2)=0.05〜0.95 (I) L :空隙最大長さ D2 :中空糸膜の外径 D1 :中空糸膜の内径
【0005】このような異形断面多孔質中空糸膜は、ポ
リマー流路部が中央に設置された単数或は複数の空隙部
空気孔を有し外周部と内周部に分割された異形断面多孔
質中空糸膜製造用ノズルを用いて、結晶性熱可塑性有機
高分子化合物の融点+10〜100℃の温度で溶融紡糸
した後、そのままか又は融点温度未満で熱処理し、次い
で延伸して結晶間の非晶領域に多数の微細な亀裂を生ぜ
しめ、必要に応じ更に延伸、熱セットして得られる。
【0006】また必要に応じて異形断面多孔質中空糸膜
の内外表面をエチレン20%モル以上、親水性モノマー
10モル%以上を含む親水性エチレン系共重合体の薄膜
等で覆い恒久的親水性を付与することもできる。
【0007】以下本発明を更に詳しく説明する。本発明
で採用する結晶性熱可塑性有機高分子化合物は、ポリエ
チレン・ポリプロピレン・ポリ−4−メチルペンテン−
1・ポリブテン等のポリオレフィン類、或はこれらの共
重合体を挙げることができる。
【0008】本発明では(I)式の値が0.05〜0.
95の範囲にあることが必要であり、0.1〜0.9で
あることがより好ましい。0.05未満のときは、空隙
が小さすぎるためフラックスが従来の溶融延伸多孔膜と
同等である。又0.95を越えるときは、機械的強度が
著しく減少し実用的でない。
【0009】本発明では、かかる結晶性熱可塑性有機高
分子化合物を図1のような異形断面多孔質中空糸膜製造
用ノズルを用いて溶融紡糸する。中空糸内部へ中空形態
を保持すべく供給する気体の供給は自然吸入であっても
又強制吸入であっても差し支えはない。また空隙を保持
すべく供給する気体も同様である。
【0010】本発明の目的とする異形断面多孔質中空糸
膜を安定して得るのに適した紡糸温度は、ポリマーの融
点より10℃以上で、ポリマーの融点を100℃以上越
えない範囲の温度領域に設定するのが望ましい。ポリマ
ーの融点より10℃を越えない低温領域で紡糸された未
延伸糸は非常に高度に配向結晶化しているが、後で延伸
して多孔質化を計る場合、最大延伸倍率が低く糸切れが
多発し、安定して製膜できない。又逆にポリマー融点を
100℃以上越える高温の領域で紡糸を行う場合には、
膜性能例えば空孔率が大幅に低下する。
【0011】適当な紡糸温度で吐出されたポリマーは、
100〜10000の範囲の紡糸ドラフトで引き取るの
が好ましい。かくして得られた未延伸中空糸は約20×
10-3以上の複屈折率を有する糸長方向に高度に配向し
たものであり、中空糸内径は30〜1500μm、膜厚
は5〜300μmであるが糸内径膜厚は必要に応じて更
にこの範囲外まで変更可能である。この未延伸中空糸
は、このまま延伸多孔質化に供しても良いが、ポリマー
融点以下で定長下にアニール処理を行なった後延伸に供
しても良い。
【0012】延伸は冷延伸に引き続き熱延伸を行なう二
段又は熱延伸を更に多段に分割して行なう多段延伸が好
ましい。冷延伸は比較的低い温度下で構造破壊を起こさ
せてミクロなクラッキングを発生させる工程であり、0
℃〜ポリマー融点より50℃低い温度(例えば、ポリエ
チレンでは0℃〜80℃)の比較的低温下で行なうこと
が好ましい。熱延伸は冷延伸で発生させたミクロクラッ
キングを拡大させ縮小空孔を形成する工程であり、比較
的高温下で行なうことが好ましいが、ポリオレフィンの
融点を越えない温度で行なう方がよい。
【0013】更に製品の物理的な寸法安定性を保持する
ために定長若しくは弛緩させた状態で熱セットを行な
う。熱セットを効果的に行なうためには、熱セット温度
は延伸温度以上であることが好ましい。
【0014】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明する。なお実施例中の各種測定、評価は下記の方法に
よった。透水量は、有効膜面積70〜90cm2 のミニ
モジュールを作成し、差圧1kg/cm2 でイオン交換
水を全量濾過しその時の透水量を測定した。
【0015】ラテックス標準粒子による捕捉粒子径の測
定は、膜面積が約50cm2 の中空糸膜のモジュールで
0.1wt%の界面活性剤(ポリエチレングリコール−
p−イソオクチルフェニルエーテル)水溶液で置換した
後、圧力0.7kg/cm2で0.1%の単一分散粒子
径のポリスチレンラテックス粒子を濾過し、濾液のラテ
ックス粒子の濃度を日立分光光度計(U−3400)に
より320nmの波長の吸光度を測定し捕捉率を求め
た。
【0016】実施例1 図1に示す様な断面形状のノズル(外径40mm、内径
27mm)を用いて密度0.968g/cm3 、メルト
インデックス5.5の高密度ポリエチレン(三井石油化
学(株)製、ハイゼックス2200J)を吐出量17.
1g/min、吐出温度170℃、巻取り速度100m
/minで巻取った。
【0017】得られた未延伸糸をボビンに巻いたまま空
気中で115℃で12時間アニール処理を行なった。更
に、このアニール処理糸を30℃以下に保たれたローラ
ー間で80%冷延伸し、引き続いて102℃に加熱され
た加熱炉中で総延伸量が350%になるようにローラー
間熱延伸を行い、更に120℃に加熱した加熱炉中で総
延伸量の25%緩和させた状態で熱セットを行い図3に
示すように異形断面(レンコン状)の中空糸膜を得た。
【0018】得られた異形断面中空糸膜を16本合糸
し、70℃に維持したエチレン−ビニルアルコール共重
合体(エチレン含量44モル%)1.8重量%溶液(溶
剤エタノール/水=75/25vol%)に30秒浸漬
後、セラミックスガイドにより該異形断面中空糸膜に過
剰に付着した共重合体溶液の一部を絞り落したのち、6
0℃のエタノール蒸気濃度約40vol%の雰囲気中に
立ち上げ、80秒間滞在させ、次いで55℃の熱風にて
乾燥し、中空糸膜走行速度15m/minで連続的に親
水化処理された親水性異形断面中空糸膜を得た。
【0019】得られた中空糸膜の内径は、270μ、膜
厚70μ、L=0.8であり、ラテックス標準粒子を9
9.0%阻止できる捕捉粒子径が0.173μ、B.
P.が3.5kg/cm2 、空孔率が72%であった。
この異形断面中空糸膜の透水量は5.0ml/min・
cm2 (at 1kg/cm2 )であった。破断強度2
90g/fil、破断伸度75%であった。なお、この
膜の表面の状態を拡大して図4に示した。
【0020】実施例2,3 実施例1と同様にして紡糸・アニール処理・冷延伸を行
なった。以下表1に示した熱延伸条件を行い以下実施例
1と同じ条件で緩和・親水化処理を行なった。得られた
膜特性を表1に示す。
【0021】比較例1 図2に示す様な断面形状のノズル(外径28mm、内径
19mm)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして
通常の中空糸膜を得た。得られた膜特性を表1に示す。 比較例2,3 比較例1と同様のノズルを用いて紡糸・アニール処理・
冷延伸を行なった。以下表1に示した熱延伸条件を行い
以下実施例1と同じ条件で緩和・親水化処理を行なっ
た。得られた膜特性を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明は、ポリオレフィンの溶融賦型法
で作製した中空糸膜の利点をそのまま残し、かつフラッ
クスが格段に向上した異形断面中空糸膜とその製造方法
が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するのに好適なノズルの断面図で
ある。
【図2】従来使用されている中空糸膜製造用ノズルの断
面図である。
【図3】本発明の中空糸膜の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の中空糸膜の表面状態の拡大図である。
フロントページの続き (72)発明者 柴田 規孝 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融賦型可能な結晶性熱可塑性有機高分
    子化合物よりなり、空孔率30〜90%を有する多孔質
    中空糸膜に於て、中空糸膜の外周部と内周部との間に下
    記式(I)を満足する空隙を少なくとも1個有する異形
    断面多孔質中空糸膜。 L/((D2 −D1 )/2)=0.05〜0.95 (I) L :空隙最大長さ D2 :中空糸膜の外径 D1 :中空糸膜の内径
  2. 【請求項2】 異形断面多孔質中空糸膜の内外表面が実
    質的に親水性化合物の薄膜で覆われた請求項1記載の親
    水性異形断面多孔質中空糸膜。
  3. 【請求項3】 親水性化合物が、エチレン20モル%以
    上、親水性モノマー10モル%以上を含む親水性エチレ
    ン系共重合体である請求項2記載の中空糸膜。
  4. 【請求項4】 ポリマー流路部が中央に設置された単数
    或は複数の空隙部空気孔を有し外周部と内周部に分割さ
    れた異形断面多孔質中空糸膜製造用ノズルを用いること
    を特徴とする請求項1又は2記載の中空糸膜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 結晶性熱可塑性有機高分子化合物の融点
    +10〜+100℃の温度で溶融紡糸した後、そのまま
    か又は該ポリマー融点温度未満で熱処理し、次いで延伸
    して結晶間の非晶領域に多数の微細な亀裂を生ぜしめ、
    必要に応じ更に延伸、熱セットすることを特徴とする請
    求項1又は2記載の中空糸膜の製造方法。
JP33309393A 1993-12-27 1993-12-27 異形断面多孔質中空糸膜及びその製造方法 Pending JPH07185274A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004008873A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Sumitomo Chem Co Ltd 油水分離用多孔膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004008873A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Sumitomo Chem Co Ltd 油水分離用多孔膜

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