JPH04265134A - 親水性ポリプロピレン中空糸膜及びその製造法 - Google Patents

親水性ポリプロピレン中空糸膜及びその製造法

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JPH04265134A
JPH04265134A JP4741791A JP4741791A JPH04265134A JP H04265134 A JPH04265134 A JP H04265134A JP 4741791 A JP4741791 A JP 4741791A JP 4741791 A JP4741791 A JP 4741791A JP H04265134 A JPH04265134 A JP H04265134A
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JP
Japan
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hollow fiber
polypropylene
hydrophilic
fiber membrane
membrane
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Application number
JP4741791A
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English (en)
Inventor
Jun Kamo
純 加茂
Takayuki Hirai
平井 孝之
Kenji Kondo
健司 近藤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用、工業用の瀘過
、分離等に適した大孔径、高空孔率かつ高瀘過速度のポ
リプロピレン中空糸膜及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質膜は医療用においては血漿分離、
輸液濾過、血漿蛋白の分離、無菌水の製造等に、工業用
においてはICの洗浄水、食品加工用水の製造、その他
の工程用水の浄化等に用いられ、更には、近年、家庭用
、飲食店用等の浄水器等に多量に用いられている。これ
らの用途において、多孔質膜素材から異物が溶出すると
安全性が低下し、あるいは精製水もしくは水溶液の品質
が低下するため、このような溶出の心配のない膜が要望
されている。
【0003】ところで、多孔質膜としては種々の素材、
多孔質構造のものが提案されているが、その中でも結晶
性熱可塑性高分子を中空繊維状、チューブ状もしくはフ
ィルム状に溶融賦型し、これを比較的低温で延伸して結
晶ラメラ間の非晶領域にクレーズを発生せしめ、これを
さらに熱延伸してその溶融賦型物の多孔質構造を形成せ
しめたものが、添加剤や溶媒を使用しないため、不純物
や化合物の溶出を嫌う用途に適した膜として注目されて
いる。このような中空糸膜は特公昭63−35726号
公報や特公昭63−42006号公報等に、またこのよ
うな平膜はUSP 3,679,538号や特公昭55
−32531号公報等に開示されている。 特公昭63−35726号公報に開示されている中空糸
膜は、特徴的な短冊状微小空孔を有し、平均孔径が0.
5μm〜2μm、空孔率が30%〜90%、ブルーデキ
ストランに対する阻止率が90%以下である特徴を有し
ている。また、特公昭63−42006号公報に開示さ
れている中空糸膜は、100 l/m2・hr・760
mmHg〜  2000 l/m2・hr・760mm
Hgの透水量と30%以上の人血清アルブミンに対する
透過率、90%以上のブルーデキストランに対する阻止
率である特徴を有している。
【0004】かかる方法で得られた多孔質膜はポリオレ
フィンや弗素化ポリオレフィンのみからなり素材が本質
的に疎水性であるため、そのままでは水溶液等の水系液
体の濾過は困難である。そこでこのような多孔質膜は、
通常アルコールや界面活性剤等の親水化剤で処理された
後、水系液体の濾過に使用されている。
【0005】また、疎水性膜を親水化する方法としてア
クリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等の親水性有機炭
化水素単量体で疎水性膜を被覆し、約1〜10メガラド
の電離放射線を照射することにより化学的に固定する方
法が特開昭56−38333号公報に開示されている。
【0006】さらに、2種の異なるポリマーをブレンド
して溶融紡糸した後、延伸処理して異種ポリマーの界面
を開裂させて微孔性多孔質中空繊維を形成し、構成ポリ
マー中に存在する側鎖基の加水分解、スルホン化等の後
処理によって、細孔の表面が親水化された親水性多孔質
中空繊維を製造する方法が特開昭55−137208号
公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アルコールや界面活性
剤による親水化処理は、一時的な親水化であって、しか
も、親水化処理剤を多孔質膜に付着させたままで濾過等
に使用するとアルコールや界面活性剤が精製水に移行し
てこれを汚染するので、濾過前にこれらの親水化剤を充
分洗浄除去する必要がある。また、このような状態で乾
燥すると膜表面は疎水性に戻るので、一旦親水化処理し
た後は親水化剤を水で置換しておき、多孔質膜の細孔表
面は常に水に接触させておかねばならないという問題を
有している。
【0008】また、特開昭56−38333号公報に記
載された方法では親水性を発現する基が多孔質膜に化学
的に固定されているため恒久的な親水化が達成されるが
、電離放射線を照射する必要があることから大掛かりな
設備を必要とし、工程の安定性も充分とは言い難く、膜
素材を傷めたりする虞もあり、処理工程の操作・管理が
難しいという問題がある。
【0009】特開昭55−137208号公報に記載さ
れた異種ポリマーのブレンド物を溶融紡糸、延伸して多
孔質化した繊維は概して空孔率が小さいものである。ま
た、親水化のために必要とされる加水分解やスルホン化
等の後処理のために、工程が煩雑になるという問題をも
有している。
【0010】さらに、特開昭56−38333号公報の
技術を特公昭63−35726号公報の中空糸膜に応用
しても、サブミクロンの孔径の親水化中空糸膜しか得ら
れない。無菌水の製造用途、超純水の製造の前処理用途
等に望まれるのは、恒久的親水性でかつ高濾過速度の中
空糸膜である。 そのためには、高空孔率、大孔径の中空糸膜が不可欠で
ある。
【0011】本発明者らはこのような状況に鑑み水系液
体処理に適した恒久親水性を有し、しかも高空孔率、大
孔径でかつ高濾過速度のポリプロピレン中空糸膜につき
鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
【0013】
【化3】 (ただし、R1 及びR2 ;水素又はメチル基)で示
される(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アク
リレート単位Aとエチレン単位Bとを主成分とする親水
性共重合体X及びポリプロピレンYとからなる中空糸膜
であって、繊維長方向に配列したミクロフィブリルと、
スタックドラメラからなる結節部とに囲まれて形成され
る短冊状微小空孔が、中空糸内壁面より外壁面へ相互に
連通した積層構造を有し、微小空孔の平均孔径が1μm
〜8μm、空孔率が70%〜95%、純水濾過速度が1
5 l/m2・hr・mmHg以上である親水性ポリプ
ロピレン中空糸膜にあり、さらに上記の式で示される(
ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート
単位Aとエチレン単位Bとを主成分とする親水性共重合
体X及びポリプロピレンYとのブレンド物を溶融賦型し
た後、該溶融賦型物を真空中もしくは不活性ガス媒体中
で1時間以上熱処理し、次いで700%〜2000%の
延伸処理をして多孔質化する中空糸膜の製法にある。
【0014】以下本発明をさらに詳しく説明する。
【0015】本発明において用いるポリプロピレンはア
イソタクチック又はシンジオタクチックポリプロポレン
であることが好ましい。
【0016】本発明に用いるポリプロピレンのMI値は
0.1〜10.0の範囲である。MI値はASTM D
−1238によって測定される値であり、好ましくは0
.1〜8.0の範囲である。MI値が10.0を越える
ポリプロピレンを用いた場合には、700%以上の総延
伸量では孔径は微細化してしまい、本発明の大孔径で、
かつ高空孔率の中空糸は得られない。また、MI値が0
.1未満のポリプロピレンでは溶融粘度が高過ぎ、安定
し た紡糸が困難である。安定した紡糸が可能な範囲で
高分子量のポリプロピレンを採用するのが本発明の重要
な点の一つである。
【0017】本発明の多孔質膜を構成する親水性共重合
体X中の(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート単位A成分としては、前記式(I)で示され
るものであり、即ち、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキプロピルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル
メタアクリレート単位である。
【0018】本発明の多孔質膜を構成する(ポリ)アル
キレングリコールモノ(メタ)アクリレート単位A成分
とエチレン単位B成分によって構成される親水性共重合
体X中において、R1 およびR2 の種類が異なるA
成分を混在させてもよい。
【0019】この親水性共重合体Xにおいて、A,B両
成分の組成比は特に限定されないが、以下に示す理由か
らA成分の割合は10〜80重量%であることが好まし
い。 すなわち、A成分の含有量が10%未満では多孔質膜が
充分な親水性を示さず、一方、80重量%を越える場合
、この親水性共重合体自体が概して超低分子量物を多量
に含みがちであって、これとポリプロピレンとがブレン
ドされた多孔質膜から親水性共重合体が溶出し易いので
ある。なお、多孔質膜が充分な親水性を示すためにはA
成分の割合は15〜70重量%であることがより好まし
く、20〜65重量%であることが特に好ましい。
【0020】また、親水性共重合体Xの分子量は特に限
定されないが、多孔質膜が恒久的な親水性を発揮するた
めには、概して高分子量物であることが好ましく、75
℃キシレン中での極限粘度〔η〕が0.07〜0.40
dl/g程度であることが好ましい。〔η〕がこの範囲
の値より小さいと、使用中にこの親水性共重合体がブリ
ードアウトし易い傾向にあり、一方、〔η〕がこの範囲
の値より大きいと、この親水性共重合体の流動性が低い
ため、細孔表面を含めた多孔質膜の表面における親水性
共重合体の割合が低い多孔質膜となる傾向にある。
【0021】親水性共重合体Xは基本的にはAとBの二
成分からなるが、多孔質膜の親水性等を阻害しない範囲
であればこの成分以外の他の成分が含まれていてもよい
。このような第三成分としてはエチレン性不飽和カルボ
ン酸エステル、エチレン性不飽和ビニルエステル又はエ
チレン性不飽和カルボン酸等のエチレン性不飽和単量体
単位Cを挙げることができ、AとBの二成分の合計10
0重量部に対してC成分を1〜40重量部程度、好まし
くは1〜10重量%程度含む共重合体であってもよい。
【0022】本発明の多孔質膜において親水性共重合体
XとポリプロピレンYの含有割合は特に限定されず、親
水性共重合体中のA成分とB成分の含有量等に応じてX
とYの割合を定めることができる。一般に、親水性共重
合体X中の親水性成分Aの含有量が多い場合は、多孔質
膜中におけるXの含有量が少量でも多孔質膜は充分な親
水性を示すが、A成分の含有量が少ない場合は多孔質膜
が充分な親水性を示すためには多孔質膜中のXの含有量
を多量にすることが必要となる。
【0023】また、多孔質膜が溶融賦型、延伸法による
多孔質膜である場合は、原料ポリマー中にA成分含有量
の多い親水性共重合体Xを多量にブレンドすると溶融賦
型物中のラメラ結晶の成長が阻害される傾向にあり、ま
た逆に、A成分含有量の少ない親水性共重合体Xであれ
ば原料ポリマー中のXのブレンド量を多くしても溶融賦
型物中のラメラ結晶の成長が阻害され難くなる。従って
本発明ではこれらの点を考慮してXとYのブレンド量を
定めることができる。
【0024】また、この方法で得られる多孔質膜の場合
は、多孔質膜中のポリプロピレンYの含有量は95〜6
0重量%程度であることが好ましい。ポリプロピレンY
の含有量がこの範囲未満であると溶融賦型物においてラ
メラ結晶を充分に成長させることが困難となり、優れた
多孔質構造の膜が得られ難い傾向がある。
【0025】かくして得られる多孔質ポリプロピレン中
空糸膜は、水銀ポロシメーターで測定した微小空孔の平
均孔径が、1μm〜8μmであり、空孔率が70〜95
%、純水の瀘過速度が15 l/m2・hr・mmHg
以上である。また、繊維長方向に配列したミクロフィブ
リルとスタックドラメラからなる結節部とに囲まれて形
成される特徴的な短冊状微小空孔を有し、この微小空孔
は中空糸内壁面より外壁面へ相互に連通し、これら微小
空孔が積層された構造を有している。
【0026】次に、以下に製法を詳細に説明する。
【0027】まず、上述のポリプロピレンと親水性共重
合体は充分均一にブレンドされるが、ブレンド法として
は、上記ポリマーをV型ブレンダーのようなブレンダー
でブレンドする方法や、溶融押出し機中で溶融ブレンド
し次いでペレット化する方法等が挙げられる。
【0028】次にこのブレンドポリマーは通常のフィル
ムもしくは中空繊維用の溶融押出し機を用いて溶融賦型
される。中空繊維紡糸ノズルとしては二重管型や馬蹄形
を用いることができ、前者の場合は偏肉の少ない賦型物
が得られる。
【0029】本発明の多孔質中空糸を安定して得るため
に紡糸温度はポリプロピレン融点より20〜100℃高
い範囲の温度に設定するのが望ましい。この温度範囲よ
り低温領域で紡糸した場合は、ポリマーの溶融が不完全
となりメルトフラクチャーが起こり易く、延伸工程での
安定性が低下する。また、逆にこの温度範囲より高い温
度領域で紡糸を行なう場合は、中空糸の孔径を大きくし
かつ空孔率を高くすることが困難となる。
【0030】適当な紡糸温度で吐出されたポリマーは、
紡糸ドラフト5〜3000の範囲で引き取るのが望まし
い。紡糸ドラフトが3000を超えると600%以上の
総延伸が可能な未延伸中空糸が得られない。紡糸ドラフ
トが5未満では高配向の未延伸中空糸が得られなく延伸
多孔化が不可能である。
【0031】かくして得られた未延伸中空糸は、繊維軸
方向に高度に配向した未延伸中空糸であり、内径はおよ
そ100〜2000μm程度、膜厚はおよそ15〜80
0μm程度である。この未延伸中空糸は145℃以下1
10℃以上で熱処理し延伸に供される、より好ましい条
件は120℃以上である。必要なアニール時間は1時間
以上である。この処理時間は長時間であればあるほど好
ましいが、経済性を考慮すると48時間以内程度とされ
、3〜48時間程度であることがより好ましい。なお、
このような長時間アニール処理を空気中で行なうと、そ
の間に親水性共重合体が変質するため、本発明では不活
性ガス中もしくは真空中でアニール処理する方法が採用
される。
【0032】延伸は冷延伸に引き続いて熱延伸を行なう
二段延伸が望ましい。冷延伸では結晶構造を破壊させ、
均一にミクロクレーズを発生させるために延伸点を固定
させることが好ましく、また1秒につき40%以上の高
延伸速度で冷延伸を行なうことが望ましい。さらに結晶
構造を緩和させることなく破壊させ、ミクロクレーズを
発生させるためには延伸温度は60℃以下とするのが望
ましい。
【0033】このようにして冷延伸をおよそ5〜100
%程度行なった後、120〜145℃程度の温度領域に
おいて熱延伸を行なう。熱延伸温度がこの範囲を超える
と中空糸が透明化し、望ましい多孔質構造は得られ難く
、また、120℃を下回ると多孔質構造が細かくなって
空孔率が低下し、実用に供し難いものとなる。熱延伸時
の変形速度は1秒につき10%以下とすることが好まし
い。10%を超える変形速度は、700%以上の総延伸
量をとることが実質的に不可能である。総延伸量は70
0%〜2000%で行なう必要がある。900%以上で
あることが好ましく、1000%以上であることがより
好ましい。2000%を超える延伸においては延伸時の
糸切れが多発し、工程安定性が低下し望ましくない。7
00%未満の延伸量では多孔質構造は形成されているが
、本発明の大孔径でかつ高空孔率の中空糸は得られない
。延伸開孔法で空孔率を70%以上とするためには70
0%以上の総延伸量が不可欠である。
【0034】こうして得られた親水性ポリプロピレン中
空糸膜は熱延伸によりほぼ形態の安定性は確保されてい
るが、必要に応じてポリプロピレンの融点より60℃低
い温度以上からポリプロピレンの融点より20℃低い温
度以下の温度で緊張下あるいは制限緩和状態で熱セット
してもよい。
【0035】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0036】実施例1 内容量2lのオートクレーブ型反応器を用いてヒドロキ
シエチルメタアクリレートとエチレンを反応させ、エチ
レン−ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体を得
た。この共重合体中のヒドロキシエチルメタアクリレー
トの含有量は55重量%であり、75℃のキシレン中で
測定した〔η〕は0.16dl/gであった。
【0037】この親水性共重合体とMI値が0.8のポ
リプロピレン(宇部興産(株)製、B101H)とを2
0:80(重量部)の割合で混合して溶融押出機内で溶
融混練してペレット化し、更に乾燥させた。
【0038】このブレンドポリマーを吐出口径16mm
、円環スリット幅が2.5mm、吐出断面積が1.06
cm2の中空糸賦型用紡糸口金を用い、紡糸温度240
℃、吐出速度32.1cm/minで紡糸し、温度が2
5℃、速度が4.0m/secの向流冷却風で冷却し、
巻取速度60m/min、紡糸ドラフト187で巻取っ
た。得られた未延伸中空糸の寸法は内径が595μm、
膜厚が180μmであった。
【0039】得られた未延伸中空糸を窒素雰囲気下で1
35℃で24時間熱処理した。続いて20℃で50%延
伸した後、138℃に加熱した加熱函中で総延伸量が1
400%になるように、変形速度が1秒につき3.5%
でローラー間延伸を行ない、更に137℃に加熱した加
熱函中で総延伸量が1300%になるように緩和熱セッ
トし、中空糸を得た。 得られたポリプロピレン中空糸は、内径510μm、膜
厚は145μm、空孔率は82%であり、水銀ポロシメ
ーターで測定した平均孔径は2.2μmであった。中空
糸膜内側中空部から水を供給したときに、0.1kg/
cm2の水圧で水が均一に流出し、良好な親水性を示し
た。水の濾過速度は59 l/m2・hr・mmHgで
あった。また、この中空糸を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、特徴的な短冊状微小空孔が無数存在し、ミク
ロフィブリルの平均的長さは6.6μmであった。
【0040】実施例2 実施例1と同一のエチレン−ヒドロキシエチルメタアク
リレートとMI値が3.0のポリプロピレン(宇部興産
(株)製、YK121)とを18:82(重量部)の割
合でブレンドして溶融押出機内で溶融混練してペレット
化し、更に乾燥させた。このブレンドポリマーを吐出口
径25mm、円環スリット幅が1.5mmの二重管構造
を有し、吐出断面積が0.754cm2の中空糸賦型用
紡糸口金を用い、紡糸温度230℃、吐出線速度10.
5cm/minで紡糸し、温度が25℃、速度が3.0
m/secの向流冷却風で冷却し、巻取速度175m/
min、紡糸ドラフト1665で巻取った。得られた未
延伸中空糸の寸法は内径が330μm、膜厚が42μm
であった。
【0041】得られた未延伸中空糸を窒素雰囲気下で1
30℃で15時間定長で熱処理した。続いて40℃で4
0%延伸した後、135℃に加熱した加熱函中で総延伸
量が800%になるように、変形速度が1秒につき2.
0%でローラー間延伸を行ない、更に130℃に加熱し
た加熱函中で50秒間熱セットを行ない、連続的に中空
糸膜を得た。得られた多孔質ポリプロピレン中空糸は、
未延伸糸に対して9.0倍に延伸されており、内径は2
80μm、膜厚は32μm、空孔率は78%であり、水
銀ポロシメーターで測定した平均孔径は1.3μmであ
った。中空糸膜の内側中空部から水を供給したときに、
0.25kg/cm2の水圧で水が均一に流出し、良好
な親水性を示した。水の濾過速度は21 l/m2・h
r・mmHgであった。また、この中空糸を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、特徴的な短冊状微小空孔が無
数存在し、ミクロフィブリルの平均的長さは1.8μm
であった。
【0042】実施例3 ヒドロキシエチルメタアクリレートの含有量が43重量
%、ビニルアセテートの含有量が1.0重量%のエチレ
ン−ヒドロキシエチルメタアクリレート−ビニルアセテ
ート共重合体(75℃のキシレン中で測定した〔η〕は
0.19dl/g)とMI値が0.4のポリプロピレン
(宇部興産(株)製、RF634)とを19:81(重
量部)の割合で混合してポリマーペレットを調製し、実
施例1と同一の紡糸口金を用い、紡糸温度260℃、吐
出速度28.0 cm/minで紡糸し、温度が22℃
、速度が3.0 m/secの向流冷却風で冷却し、巻
取速度50 m/min、紡糸ドラフト179で巻取っ
た。得られた未延伸中空糸の寸法は内径が590μm、
膜厚が184μmであった。
【0043】得られた未延伸中空糸を窒素雰囲気下で1
35℃で24時間定長で熱処理した。続 いて30 ℃
で120%延伸した後、133℃に加熱した加熱函中で
総延伸量が1700%に なるように、変形速度が1秒
につき3.5%でローラー間延伸を行ない、更に130
℃に加熱した加熱函中で総延伸量が1600%になるよ
うに緩和熱セットし、中空糸膜を得た。得られたポリプ
ロピレン中空糸膜は、内径520μm、膜厚は143μ
m、空孔率は84%であり、水銀ポロシメーターで測定
した平均孔径は3.5μmであった。中空糸膜内側中空
部から水を供給したときに、0.1 kg/cm2の水
圧で水が均一に流出し、良好な親水性を示した。水の濾
過速度は97 l/m2・hr・mmHgであった。ま
た、この中空糸を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
特徴的な短冊状微小空孔が無数存在し、ミクロフィブリ
ルの平均的長さは8.4μmであった。
【0044】比較例1 実施例1と同一のエチレン−ヒドロキシエチルメタアク
リレート共重合体と密度が0.968kg/cm2、M
I値が15のポリプロピレン(宇部興産(株)製、11
5G)とを18:82(重量部)の割合で混合して溶融
押出機内で溶融混練してペレット化して乾燥させた。実
施例2と同一の条件で紡糸を行なったところ、得られた
未延伸中空糸の寸法は内径が290μm、膜厚が30μ
mであった。
【0045】この未延伸中空糸を実施例2と同一の条件
で熱処理及び延伸を行なったところ、得られた多孔質ポ
リプロピレン中空糸の平均孔径は0.04μm、空孔率
は31%であり、極めて性能の低いものであった。しか
も、5kg/cm2の加圧を行なっても透水が全く認め
られず、親水性が全くないものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン中空糸膜は恒久
的な親水性が付与された大孔径かつ高空孔率の中空糸膜
であり、水の瀘過速度が著しく高いことから、医療用、
食品工業用、飲料水用を始めとする種々の水をを対象と
する分野に極めてコンパクトなモジュール及びシステム
設計を可能とするものである。
【0047】また、本発明の中空糸膜の製造法によれば
、簡単な方法でポリプロピレン多孔質膜に親水性を付与
することができ、更に溶剤や添加剤を使用することなく
親水性多孔質膜を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】  下記の式で示される(ポリ)アルキレ
    ングリコールモノ(メタ)アクリレート単位Aとエチレ
    ン単位Bとを主成分とする親水性共重合体X及びメルト
    インデックス値(MI値)が0.1〜10.0であるポ
    リプレンピレンYよりなる中空糸膜であって、繊維長方
    向に配列したミクロフィブリルと、スタックドラメラか
    らなる結節部とに囲まれて形成される短冊状微小空孔が
    中空糸内壁面より外壁面へ相互に連通した積層構造を有
    し、微小空孔の平均孔径が1〜8μm、空孔率が70〜
    95%、純水の濾過速度が15 l/m2・hr・mm
    Hg以上である親水性ポリプロピレン中空糸膜。 【化1】 (ただし、R1 及びR2 ;水素又はメチル基)【請
    求項2】  親水性共重合体XとポリプロピレンYとの
    重量組成比X/Yが5/95〜40/60の範囲である
    請求項1記載の親水性ポリプロピレン中空糸膜。 【請求項3】  下記の式で示される(ポリ)アルキレ
    ングリコールモノ(メタ)アクリレート単位Aとエチレ
    ン単位Bとを主成分とする親水性共重合体X及びメルト
    インデックス値(MI値)が0.1〜10であるポリプ
    ロピレンYのブレンド物を溶融紡糸し、真空中又は不活
    性ガス媒体中で1時間以上熱処理を行なった後に、延伸
    開孔法により多孔質化する方法において、熱延伸時の変
    形速度を1秒につき10%以下とし、総延伸量を700
    %〜2000%とする請求項1記載の親水性ポリプロピ
    レン中空糸膜の製造法。 【化2】 (ただし、R1 及びR2 ;水素又はメチル基)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010137509A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Asahi Kasei E-Materials Corp 積層微多孔性フィルム及びその製造方法
CN103768958A (zh) * 2012-10-19 2014-05-07 中国石油化工股份有限公司 一种亲水性聚丙烯中空纤维微孔膜及其制备方法
CN106256416A (zh) * 2015-06-18 2016-12-28 中国石油化工股份有限公司 一种亲水性中空纤维膜及其制备方法
CN109395432A (zh) * 2018-08-07 2019-03-01 武汉纺织大学 一种用于油水分离的亲水性高分子交联膜改性纺织品及其制备方法

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