JP2004008711A - 浴槽エプロンの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴槽1の上縁のフランジ部2の裏面側に固設された上部金具10にエプロン20の上端側を固定させる構造において、エプロン20の上端には、上部金具10側へ折曲された折曲片21が形成され、この折曲片21には、上方へ立ち上がった水切用段部22と、上部金具10に嵌合係止される係止片23とが設けられている。
【選択図】 図6
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、浴槽エプロンの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、図9に分解図で示すように、浴槽1の上端には外側へ略水平に突出してフランジ部2が形成され、フランジ部2の先端に下方側へ垂下状に前垂れ片3が形成されており、浴槽1の底側に設けられた脚4の洗い場側に支持金具51を取り付けておき、一方、エプロン5の下端には係合金具52を取り付けておき、エプロン5の上端を浴槽1のフランジ部2の下面側に差し込んで、その状態で洗い場側から浴槽1側に向かってエプロン5の下端側を移動させて、支持金具51に対し係合金具52を嵌め込むことにより、図10に示すように、浴槽1の洗い場側にエプロン5を立設状に固定している。
このような従来のエプロンの固定構造においては、洗い場側に障害物等が存在し、障害物とエプロン5との間の隙間が小さい現場では、エプロン5の下端側を前後方向に移動させるスペースがなく、エプロン5の着脱が困難となるという問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、エプロン手前の隙間が小さい現場でも、エプロンを容易に着脱できる浴槽エプロンの固定構造を提供せんことを目的とし、その第1の要旨は、浴槽上縁のフランジ部の裏面側に固設された上部金具にエプロンの上端側を固定させる浴槽エプロンの固定構造において、前記エプロンの上端には、前記上部金具側へ折曲された折曲片が形成され、該折曲片には、上方へ立ち上がった水切用の段部と、上部金具に嵌合係止される係止片とが設けられていることである。
また、第2の要旨は、前記上部金具は、浴槽フランジ部の裏面側に設けたボス部にビス固定されていることである。
また、第3の要旨は、前記上部金具は、前記エプロンの係止片が嵌合係止される弾性片と、エプロンの係止片を弾性片側へ導くガイド片と、エプロンの係止片が弾性片に係止された状態でエプロンの自重を支える支持片を備えていることである。
また、第4の要旨は、前記浴槽フランジ部の裏面側には、前記エプロンの係止片が当接して、エプロンの奥側への移動を規制する位置規制リブが形成されていることである。
また、第5の要旨は、エプロンの下端に折曲形成された係合片が、浴槽下部から洗い場側へ突出された下部金具の係止部に対し、上下動可能に係合保持されていることである。
【0004】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、浴槽の正面半断面構成図であり、また図2は、浴槽の平面構成図である。
【0005】
浴槽の上縁外周には外側へ水平に突出してフランジ部2が一体形成され、フランジ部2の外側で下方側へ垂下して前垂れ片3が一体形成されて、このフランジ部2の裏面には、補強リブ6,6,6,6が一体形成されており、また、補強リブ6,6とともに、図2に示すように、フランジ部の裏面側に位置規制リブ8,8,8が垂下状に一体形成されたものとなっている。なお、補強リブ6及び位置規制リブ8を一体形成したことにより、フランジ部2の成形がしやすく、また、強度が確保されたものとなっている。
また、浴槽1の底側には足部4,4が設けられている。
【0006】
このような浴槽1のフランジ部2の裏面側の前記一対の補強リブ6,6間に、図3の斜視図で示すような上部金具10が固定されるものである。
即ち、上部金具10は、両端側に孔11a,11aを有する固定用上片11と、この固定用上片11の奥側で折り曲げて垂下状をなす垂下片12と、垂下片12の下端から前方側へ水平に折り曲げ形成された支持片13と、支持片13の前端に下方側へ傾斜して一体形成されたガイド片14を有し、この固定用上片11,垂下片12,支持片13,ガイド片14は、エプロンの自重を支える程度の相当の肉厚に形成されたものである。
【0007】
前記垂下片12には、弾性片15の後端部が固設されており、弾性片15は、固定用上片11の下方に隙間をおいて平行状に前方側へ延びて、弾性片15の前端側には、下方側へくの字状に突出する嵌合係止部15aが一体形成されており、さらに嵌合係止部15aの前端に、上傾状の上傾部15bが一体形成されたものとなっている。
この上部金具10をフランジ部2の裏面側に固定した状態の平面拡大構成図を図4に示し、また図5では、固定状態の側面拡大断面図を示す。また図6では、上部金具10の固定状態を破断した斜視図で示す。
【0008】
即ち、下方側よりビス25,25をそれぞれ固定用上片11の孔11a,11a内に通し、ビス25,25を、各補強リブ6に一体形成されたボス部7の孔7a内にネジ込んで、ボス部7にビス25を介し強固に上部金具10を固定して取り付けることができるものである。
ビス25は下方側より容易にドライバーでネジ込むことができ、また、浴槽1を反転させれば極めて容易にビス25でボス部7に上部金具10を固定できるものである。従って接着等が不要で、強固にフランジ部2の裏面側に上部金具10を固定しておくことができるものである。
【0009】
また、浴槽1の足部4,4には、それぞれ図7及び図8に示すような下部金具16,16を固設しておく。
即ち、下部金具16は、平板状の延出片17の先端に、90°折曲してビス孔18a,18aを有する固定片18が一体形成され、延出片17の他端側には、上方へ立設状に棒状の係止突部19が設けられており、ビスで浴槽の足部4に固定片18を固定させ、延出片17を洗い場側へ突出状にして、予め下部金具16を固定しておくことができる。
【0010】
一方、エプロン20は、その上端に略90°折り曲げて水平状に折曲片21が一体形成されており、この折曲片21には、上方へ立ち上げ状に水切用段部22が一体形成され、水切用段部22の先端側に係止片23が一体状に立ち上げ形成されたものとなっている。
また、エプロン20の下端には、折曲片21と略平行状に裏側へ折り曲げて係合片24が一体形成されており、この係合片24には、前記係止突部19が遊挿可能な通し孔24aが貫通形成されている。
【0011】
このようなエプロン20は、下端の係合片24の通し孔24aと下部金具16の係止突部19を整合させて、通し孔24a内に係止突部19を遊挿させて、先ず下部金具16に係合片24を係合させる。
その状態で、エプロン20の上端側の折曲片21を、浴槽1のフランジ部2の裏面側へ向けて押圧状に差し込むと、係止片23が、上部金具10のガイド片14にガイドされて支持片13上に導かれ、係止片23が上部金具10の弾性片15の嵌合係止部15aを乗り越えることにより、嵌合係止片15aの裏側に係止片23が嵌合状に係止されることとなり、この状態で、弾性片15の弾性により強固に係止片23が支持片13側に押圧された状態で固定状態となる。
【0012】
このように、エプロン20は、先ず下部金具16に下端側を係止させておき、その状態でエプロン20の上端側を浴槽1側へ押圧することにより、容易にエプロン20の係止片23を上部金具10に嵌合係止させてワンタッチで取り付けることができ、別の嵌合部材を用いることなく、強固にエプロン20の上端を上部金具10に固定できるものとなる。
この固定状態では、エプロン20の自重は、上部金具10の支持片13に支持されることとなり、エプロン20の下端側は僅かに浮き上がった状態となり、下部金具16にはエプロン20の自重が掛からないものであり、下部金具16は薄肉状に形成しておくことができる。
即ち、上部金具10にエプロン20の上端側が嵌合係止される時に、エプロン20の下端側が上方へ移動できるように、エプロン20の係合片24の通し孔24a内に係止突部19が上下動可能に遊挿されるのである。
【0013】
なお、図8に示すように、エプロン20の上端が上部金具10に固定された状態では、エプロン20の係止片23が、位置規制リブ8,8,8にほぼ当接状態となり、この状態では、位置規制リブ8,8,8に規制されてエプロン20の上端側は奥側へ移動することができない状態となる。従って、エプロン20の前面に浴槽1側への荷重が掛かった時にもエプロン20が移動することがなく、強固に支持されるものとなる。
【0014】
なお、エプロン20の折曲片21の上面は、前垂れ片3の下端にほぼ当接状態となり、水がフランジ部2の裏側に侵入しない構造となるが、さらに本例では、上方へ立ち上げ状に水切用段部22が形成されているため、水がフランジ部2の裏側に侵入した場合でも、水を良好に洗い場側へ戻すことができ、水の侵入を良好にこの水切用段部22で防止できるものとなる。
【0015】
なお、エプロン20が上部金具10に固定された状態において、折曲片21が前垂れ片3よりも相当奥側へ延出されるように、図5にaで示す折曲片21の距離が確保されており、この距離aは、エプロン20の上端を洗い場側へ引っ張って取り外す時に、水切用段部22が前垂れ片3の裏面に当接することがなく、エプロン20を良好に取り外せるように設定されたものである。
なお、取り外す際には、エプロン20の係止片23が弾性片15の嵌合係止部15aを上方へ押し上げ、良好にエプロン20の上端を洗い場側へ外すことができるものであり、その状態でエプロン20を上方へ持ち上げて、下部金具16からエプロンの下端を外して、良好にエプロン20を取り外すことができるものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、浴槽上縁のフランジ部の裏面側に固設された上部金具にエプロンの上端側を固定させる浴槽エプロンの固定構造において、エプロンの上端には、上部金具側へ折曲された折曲片が形成され、折曲片には、上方へ立ち上がった水切用の段部と、上部金具に嵌合係止される係止片とが設けられていることにより、水切用段部がエプロンに形成されているため、浴槽フランジの裏面側に水が入りにくくなり、また、エプロンに係止片が一体形成されていれば、別に嵌合部材を設ける必要がなく、良好にエプロンの上端側を上部金具に取り付け固定できるものとなる。
【0017】
また、上部金具は、浴槽フランジ部の裏面側に設けたボス部にビス固定されていることにより、ビスで上部金具をボス部に強固に固定することができ、接着が不要となる。
【0018】
また、上部金具は、エプロンの係止片が嵌合係止される弾性片と、エプロンの係止片を弾性片側へ導くガイド片と、エプロンの係止片が弾性片に係止された状態でエプロンの自重を支える支持片を備えていることにより、エプロンの上端側をガイド片にガイドさせて、良好にエプロンの係止片を弾性片に嵌合させることができ、嵌合状態では、エプロンの自重が上部金具の支持片で支持されるため、エプロンの下部で自重を支える必要がなく、下部金具は強固なものを用いる必要がなくなる。
【0019】
また、浴槽フランジ部の裏面側には、エプロンの係止片が当接して、エプロンの奥側への移動を規制する位置規制リブが形成されていることにより、位置規制リブによりエプロン上端の移動が規制されるため、エプロンの前面に荷重が掛かった時にエプロンを強固に支持することができるものとなる。
【0020】
また、エプロンの下端に折曲形成された係合片が、浴槽下部から洗い場側へ突出された下部金具の係止部に対し、上下動可能に係合保持されていることにより、先ずエプロンの下端を下部金具に係止させた状態で、エプロンの上端を上部金具に強固に固定することができ、エプロンの手前に障害物があり隙間が小さい現場においても、エプロンの着脱が容易に行なえるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浴槽の正面半断面構成図である。
【図2】浴槽の平面構成図である。
【図3】上部金具の斜視構成図である。
【図4】上部金具を浴槽のフランジの裏面に固定した状態の平面構成図である。
【図5】上部金具の固定状態の側面断面構成図である。
【図6】上部金具の固定状態とエプロンの上端の固定状態を示す一部破断斜視構成図である。
【図7】エプロンと下部金具の分解斜視図である。
【図8】エプロンの取付状態の縦断面構成図である。
【図9】従来のエプロンを浴槽に取り付ける前の分解断面図である。
【図10】従来のエプロンの取付状態の縦断面構成図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 フランジ部
3 前垂れ片
4 足部
6 補強リブ
7 ボス部
8 位置規制リブ
10 上部金具
11 固定用上片
11a 孔
12 垂下片
13 支持片
14 ガイド片
15 弾性片
15a 嵌合係止部
15b 上傾部
16 下部金具
17 延出片
18 固定片
19 係止突部
20 エプロン
21 折曲片
22 水切用段部
23 係止片
24 係合片
24a 通し孔
25 ビス
Claims (5)
- 浴槽上縁のフランジ部の裏面側に固設された上部金具にエプロンの上端側を固定させる浴槽エプロンの固定構造において、前記エプロンの上端には、前記上部金具側へ折曲された折曲片が形成され、該折曲片には、上方へ立ち上がった水切用の段部と、上部金具に嵌合係止される係止片とが設けられていることを特徴とする浴槽エプロンの固定構造。
- 前記上部金具は、浴槽フランジ部の裏面側に設けたボス部にビス固定されていることを特徴とする請求項1に記載の浴槽エプロンの固定構造。
- 前記上部金具は、前記エプロンの係止片が嵌合係止される弾性片と、エプロンの係止片を弾性片側へ導くガイド片と、エプロンの係止片が弾性片に係止された状態でエプロンの自重を支える支持片を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浴槽エプロンの固定構造。
- 前記浴槽フランジ部の裏面側には、前記エプロンの係止片が当接して、エプロンの奥側への移動を規制する位置規制リブが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の浴槽エプロンの固定構造。
- エプロンの下端に折曲形成された係合片が、浴槽下部から洗い場側へ突出された下部金具の係止部に対し、上下動可能に係合保持されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載の浴槽エプロンの固定構造。
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JP2002170715A JP4197896B2 (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 水切用段部が形成された浴槽エプロンの固定構造 |
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JP2011067443A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 浴室のエプロンの取付構造 |
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2002
- 2002-06-11 JP JP2002170715A patent/JP4197896B2/ja not_active Expired - Lifetime
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